回路モジュール基板
【課題】 回路モジュール対して撓みや引っ張り等の外力が加わると、回路モジュール基板の接合部ではそれによる応力を受け、やがて破断に至る危険性がある。パッド電極の配置のしかたにより応力を防ぐことができる回路モジュール基板を提供すること。
【解決手段】 回路モジュール基板の接合部にかかる応力は、矩形基板接合面内の角部で大きくなる傾向があり、また、パッド電極接合部の配置が接合面内でバランス良くされないと特定の接合部に集中が起こる。パッド電極を回路モジュール基板の角部には形成せず、また、パッド電極の配置が回路モジュール基板の中心に対して点対称となるように構成する。
【解決手段】 回路モジュール基板の接合部にかかる応力は、矩形基板接合面内の角部で大きくなる傾向があり、また、パッド電極接合部の配置が接合面内でバランス良くされないと特定の接合部に集中が起こる。パッド電極を回路モジュール基板の角部には形成せず、また、パッド電極の配置が回路モジュール基板の中心に対して点対称となるように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を実装した回路モジュール基板に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、各種電子機器は製造工程や実使用時等において、外力が加わると、機器内の回路モジュールやその搭載基板並びにこれらの接合部では撓みや引っ張り等の応力を受けることとなる。その際、矩形状の回路モジュール基板では、その中心から遠い基板の角部付近にあるパッド電極に特に大きな応力がかかり、接合部が破断する問題があった。
【0003】
そこで、電子部品を実装した回路モジュール基板としては、例えば図11に示すように、パッド電極93は回路モジュール基板91の各角部92を除いて多角形状に配列されるものが提案されている。このようなパッド電極の配列により、特定のパッド電極に大きな応力がかかることを防ぎ、破断を防ぐことができる。このような技術は、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−64274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、回路モジュールの端子数が多く、回路モジュール基板の外周部から中央部に向けてパッド電極を配置する必要がある場合、パッド電極の配列のしかたが、図11に示すような「多角形状に配列」だけでは最外周部にパッド電極が空くエリア94が存在する。そのために、外力による応力を受けた際に、特定のパッド電極の接合部に応力が集中し、破断に至る問題があった。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑み、回路モジュール基板と搭載基板との接合部の破断を防ぐことができるようにパッド電極を配置した回路モジュール基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記問題を解決するために、以下のように構成した回路モジュール基板を提供する。
【0008】
本発明による回路モジュール基板は、矩形状の基板であって、前記回路モジュール基板の第1の主面に配列された複数のパッド電極を備え、前記複数のパッド電極はペリフェラル型に配置され、最外周のパッド電極の中心を結ぶ直線で作られる形状は、前記回路モジュール基板の各角部付近で面取りされた面取り線を含む形状をしており、前記面取りの長さは全角部とも同一としたことを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、最外周部のパッド電極が空くエリアが生じることはない。よって、回路モジュール基板が応力を受けた際に、特定のパッド電極接合部に応力集中することはなく、破断を防ぐことができる。
【0010】
本発明による回路モジュール基板は、好ましくは、前記複数のパッド電極は、前記回路モジュール基板の辺に沿って配置されるパッド電極と前記角部付近の面取り線に沿って配置されるパッド電極とから成り、前記辺に沿うパッド電極がn列で配置され、前記面取り線に沿うパッド電極がn+1以上の列数となっている。
【0011】
上記構成によれば、パッド電極数が多く、すべてのパッド電極を1列に配置することができず、パッド電極を外周から回路モジュール基板中央に向けて配置せざるを得ない場合においても、特定のパッド電極の接合部に応力が集中することはなく、破断を防ぐことができる。
【0012】
本発明による回路モジュール基板は、好ましくは、前記各辺沿いのパッド電極が1列、前記面取り線に沿うパッド電極が2列とする。
【0013】
上記構成によれば、前記基板が外力を受けた際に、特定のパッド電極の接合部に応力が集中することはなく、破断を防ぐことができる。
【0014】
本発明による回路モジュール基板は、好ましくは、前記複数のパッド電極において、全てのパッド電極のサイズ並びにパッド電極相互の間隔が、各々同一とする。
【0015】
上記構成によれば、回路モジュール基板が外力を受けた際に、特定のパッド電極の接合部に応力が集中することはなく破断を防ぐことできる。また、搭載基板においては、前記回路モジュール基板のパッド電極に相対する搭載基板側のパッド電極からの引き出しパターンを基板内層を使うことなく表層だけで形成することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明による回路モジュール基板のパッド電極はペリフェラル型に配置され、最外周のパッド電極の中心を結ぶ直線で作られる形状は、前記回路モジュール基板の各角部付近で面取りされた面取り線を含む形状をしており、前記面取りの長さは全角部とも同一とする。このため、回路モジュール基板は、応力を受けた際に、特定のパッド電極接合部に応力集中することはなく、破断を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の回路モジュール基板の説明図である。(実施形態1)
【図2】図1の基板を用いた回路モジュールの説明図である。
【図3】図1の基板を用いた回路モジュールの搭載基板の説明図である。
【図4】図1の基板を用いた回路モジュールを実装した後の説明図である。
【図5】図1の基板を用いた回路モジュール、搭載基板とこれらの接合部に 力が加わったときのイメージ図である。
【図6】本発明の回路モジュール基板の説明図である。(実施形態2)
【図7】本発明の回路モジュール基板の説明図である。(実施形態3)
【図8】本発明の回路モジュール基板の説明図である。(実施形態3)
【図9】本発明の回路モジュール基板の説明図である。(実施形態3)
【図10】本発明の回路モジュール基板の説明図である。(実施形態3)
【図11】従来技術の回路モジュール基板の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1(a)は、本発明の実施の形態1に係る回路モジュール基板1の構成を示す平面図であり、図1(b)は図1(a)の前記基板の角部の拡大図である。回路モジュール基板1は、セラミック、ガラスエポキシ樹脂等から成り、第1の主面11aに配列された複数のパッド電極12a、12b・・・を備えている。
【0019】
図2は、前記回路モジュール基板1を含む回路モジュール2の断面図である。前記回路モジュール基板1の第1の主面11aの裏側の第2の主面には、各種の電子部品21、22・・・が実装され、さらに、電子部品を覆うようにケースが被せられている。
【0020】
図1(a)において、回路モジュール基板1の第1の主面に配列された複数のパッド電極12a、12b・・・はペリフェラル型に配置されている。最外周のパッド電極の中心を結ぶ直線4a、4b、4c、4d、5a、5b、5c、5dで作られる形状(以下、「パッド電極の配列の形状」)は、前記回路モジュール基板の各角部付近で面取りされている。そして、面取り線5a、5b、5c、5dを含む形状は、図1(b)に示すように、前記面取りの長さtが全角部とも同一となるように形成されている。
【0021】
図2に示した回路モジュール2は、図3に示すような搭載基板3に実装される。この搭載基板3は、例えばガラスエポキシ樹脂を用いた銅張積層板であり、回路モジュール1が実装される面31aには、前記回路モジュール基板1のパッド電極12c、12d・・・に相対するパッド電極32a、32b・・・が形成されている。回路モジュール2は、図4に示すように、モジュール基板のパッド電極とそれに相対する搭載基板のパッド電極がはんだ33a、33b・・・で接合されて、搭載基板3に実装されている。
【0022】
図5(a)は図11のX−Xにおける断面図で、接合部の配置に偏りがあるところに、引っ張り等の外力が加わったときのイメージ図である。回路モジュール基板のパッド電極接合部が密のエリア11bと疎のエリア11cがあり、図の矢印方向に回路モジュールを搭載基板から引き剥がす力がはたらくと、疎のエリア11cに応力が集中し、やがてこの接合部において破断する。これに対し、図5(b)は図1のY−Yにおける断面図で、接合部が偏りなく配置されたもののイメージ図である。パッド電極接合部が偏りなくバランスを取って配置されているので、特定のバッド電極接合部に応力集中することはなく、破断に至る危険性も低減される。
【0023】
図1に示すように、回路モジュール基板1のパッド電極12a、12b・・・はペリフェラル型に配置され、前記パッド電極の配列の形状は回路モジュール基板1の各角部付近で面取りされた形状になっている。このことにより、前記基板の各角部にパッド電極がある場合にかかる大きな応力は避けられる。また、前記面取りの長さが全角部とも同一となるように形成されていることでパッド電極の配置のバランスが取られ、よって特定の接合部に応力集中することはない。これらのことにより、接合部での破断の危険性を低減することが可能となる。
【0024】
なお、回路モジュール基板のパッド電極の配置のしかたとして、前記基板の接合面に向かって上下・左右方向に、それぞれ対称となるようにすることは、最もバランスの取れた配置といえ、外力が加わった際に特定の接合部に応力集中するのを防ぐことが可能となる。
(実施の形態2)
図6において、回路モジュール基板6のペリフェラル型に配置されたパッド電極12h、12i・・・は、パッド電極の配列の形状が前記基板の各角部で面取りされている。その面取り線に沿うパッド電極の列数は、前記基板の辺に沿うパッド電極の列数よりも多くなるようにパッド電極が形成されている。具体的には、前記面取り線に沿うパッド電極の列はn1、n2、n3の3列、前記辺に沿うパッド電極の列はm1、m2の2列となっている。
【0025】
先行技術文献にも述べられている通り、矩形状の回路モジュール基板では、その中心から遠い基板の角部付近にあるパッド電極に特に大きな応力がかかる。そこで、回路モジュール基板のパッド電極の配列の形状において、基板の角部付近で面取りした面取り線に沿うパッド電極の列数を増やすことで、接合部における破断の危険性をより低減することが可能となる。
(実施の形態3)
図7(a)において、回路モジュール基板7のペリフェラル型に配置されたパッド電極12j、12k・・・は、パッド電極の配列の形状が前記基板の各角部で面取りされている。その面取り線に沿うパッド電極の列数は1、前記基板の辺に沿うパッド電極の列数は2となるようにパッド電極は形成されている。そして、前記複数のパッド電極の1辺の長さs並びに該パッド電極相互の間隔dは、各々同一となるようにパッド電極は形成されている。なお、13は前記基板の外形線を表す。
【0026】
各角部のパッド電極の列数と各辺に沿うパッド電極の列数は、実施の形態2で述べた通りの関係にあるので、接合部における破断の危険性を低減することができる。
【0027】
また、回路モジュール基板を搭載基板に実装する工程において、温度や時間などの工程条件は、ある値を中央値とし、ある一定の条件幅を設定して量産が行われる。実装の工程条件の中央値はパッド電極の間隔との関係が深い。よってパッド電極の間隔は、一定である方が、まちまちであるよりも、工程条件の幅が広く取れ、結果として量産における不良の発生が抑えられる利点がある。
【0028】
また、図7(b)は、回路モジュール基板7のパッド電極12j、12k・・・に相対する搭載基板77のパッド電極14d、14e・・・とその引き出し電極15a、15b・・・を示すものである。図7(b)に示すように、本実施の形態では、搭載基板のパッド電極の全ての引き出し電極を搭載基板の内層を使わずに表層だけで形成することが可能となる。
【0029】
なお、図8(a)、(b)、図9(c)、(d)、図10(e)に実施の形態3の変形例を示す。図8(a)に示すように、回路モジュール基板8aは各角部に回路基板内部の配線に接続されないダミーの補強用電極41が形成されている。また、図8(b)に示すように、回路モジュール基板8bは中央側にパッド電極42が形成されている。また、図9(c)に示すように、回路モジュール基板9cのパッド電極43の形状は、多角形や円形から成る。また、図9(d)に示すように、回路モジュール基板9dはパッド電極にはんだ等の接合材料44が塗付されている。また、図10(e)に示すように、回路モジュール基板10eのパッド電極は機能端子だけでなくダミー端子45a〜45eが形成されている。
【符号の説明】
【0030】
1 回路モジュール基板
2 回路モジュール
3 搭載基板
4a〜4d パッド電極の中心を結ぶ直線
5a〜5d パッド電極の中心を結ぶ直線、面取り線
t 面取りの長さ
11a 回路モジュール基板の搭載基板接合側接合面
11b 回路モジュール基板の実装用パッド電極密エリア側
11c 回路モジュール基板の実装用パッド電極疎エリア側
12a〜12k 回路モジュール基板の実装用パッド電極
15a〜15c 搭載基板の引き出し電極
21〜23 回路モジュール用電子部品
31a 搭載基板の回路モジュール基板接合側接合面
32a〜32e 搭載基板の実装用パッド電極
33a〜33e 回路モジュール基板と搭載基板の接合材
C 回路モジュール基板の中心
C1 回路モジュール基板断面の中心
m1、m2 基板の辺沿いのパッド電極の列
n1、n2、n3 基板角部付近の面取り線沿いのパッド電極の列
d 回路モジュール基板のパッド電極中心間の距離(パッド電極の間隔)
s 回路モジュール基板のパッド電極の1辺の長さ
41 補強用ダミー電極
42 基板中央側配置電極
43 多角形パッド電極
44 パッド電極に塗付された接合材料
45a〜45e ダミー端子パッド電極
91 回路モジュール基板
92 回路モジュール基板のコーナー部
93 接続パッド
94 接続パッドが空くエリア
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を実装した回路モジュール基板に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、各種電子機器は製造工程や実使用時等において、外力が加わると、機器内の回路モジュールやその搭載基板並びにこれらの接合部では撓みや引っ張り等の応力を受けることとなる。その際、矩形状の回路モジュール基板では、その中心から遠い基板の角部付近にあるパッド電極に特に大きな応力がかかり、接合部が破断する問題があった。
【0003】
そこで、電子部品を実装した回路モジュール基板としては、例えば図11に示すように、パッド電極93は回路モジュール基板91の各角部92を除いて多角形状に配列されるものが提案されている。このようなパッド電極の配列により、特定のパッド電極に大きな応力がかかることを防ぎ、破断を防ぐことができる。このような技術は、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−64274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、回路モジュールの端子数が多く、回路モジュール基板の外周部から中央部に向けてパッド電極を配置する必要がある場合、パッド電極の配列のしかたが、図11に示すような「多角形状に配列」だけでは最外周部にパッド電極が空くエリア94が存在する。そのために、外力による応力を受けた際に、特定のパッド電極の接合部に応力が集中し、破断に至る問題があった。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑み、回路モジュール基板と搭載基板との接合部の破断を防ぐことができるようにパッド電極を配置した回路モジュール基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記問題を解決するために、以下のように構成した回路モジュール基板を提供する。
【0008】
本発明による回路モジュール基板は、矩形状の基板であって、前記回路モジュール基板の第1の主面に配列された複数のパッド電極を備え、前記複数のパッド電極はペリフェラル型に配置され、最外周のパッド電極の中心を結ぶ直線で作られる形状は、前記回路モジュール基板の各角部付近で面取りされた面取り線を含む形状をしており、前記面取りの長さは全角部とも同一としたことを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、最外周部のパッド電極が空くエリアが生じることはない。よって、回路モジュール基板が応力を受けた際に、特定のパッド電極接合部に応力集中することはなく、破断を防ぐことができる。
【0010】
本発明による回路モジュール基板は、好ましくは、前記複数のパッド電極は、前記回路モジュール基板の辺に沿って配置されるパッド電極と前記角部付近の面取り線に沿って配置されるパッド電極とから成り、前記辺に沿うパッド電極がn列で配置され、前記面取り線に沿うパッド電極がn+1以上の列数となっている。
【0011】
上記構成によれば、パッド電極数が多く、すべてのパッド電極を1列に配置することができず、パッド電極を外周から回路モジュール基板中央に向けて配置せざるを得ない場合においても、特定のパッド電極の接合部に応力が集中することはなく、破断を防ぐことができる。
【0012】
本発明による回路モジュール基板は、好ましくは、前記各辺沿いのパッド電極が1列、前記面取り線に沿うパッド電極が2列とする。
【0013】
上記構成によれば、前記基板が外力を受けた際に、特定のパッド電極の接合部に応力が集中することはなく、破断を防ぐことができる。
【0014】
本発明による回路モジュール基板は、好ましくは、前記複数のパッド電極において、全てのパッド電極のサイズ並びにパッド電極相互の間隔が、各々同一とする。
【0015】
上記構成によれば、回路モジュール基板が外力を受けた際に、特定のパッド電極の接合部に応力が集中することはなく破断を防ぐことできる。また、搭載基板においては、前記回路モジュール基板のパッド電極に相対する搭載基板側のパッド電極からの引き出しパターンを基板内層を使うことなく表層だけで形成することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明による回路モジュール基板のパッド電極はペリフェラル型に配置され、最外周のパッド電極の中心を結ぶ直線で作られる形状は、前記回路モジュール基板の各角部付近で面取りされた面取り線を含む形状をしており、前記面取りの長さは全角部とも同一とする。このため、回路モジュール基板は、応力を受けた際に、特定のパッド電極接合部に応力集中することはなく、破断を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の回路モジュール基板の説明図である。(実施形態1)
【図2】図1の基板を用いた回路モジュールの説明図である。
【図3】図1の基板を用いた回路モジュールの搭載基板の説明図である。
【図4】図1の基板を用いた回路モジュールを実装した後の説明図である。
【図5】図1の基板を用いた回路モジュール、搭載基板とこれらの接合部に 力が加わったときのイメージ図である。
【図6】本発明の回路モジュール基板の説明図である。(実施形態2)
【図7】本発明の回路モジュール基板の説明図である。(実施形態3)
【図8】本発明の回路モジュール基板の説明図である。(実施形態3)
【図9】本発明の回路モジュール基板の説明図である。(実施形態3)
【図10】本発明の回路モジュール基板の説明図である。(実施形態3)
【図11】従来技術の回路モジュール基板の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1(a)は、本発明の実施の形態1に係る回路モジュール基板1の構成を示す平面図であり、図1(b)は図1(a)の前記基板の角部の拡大図である。回路モジュール基板1は、セラミック、ガラスエポキシ樹脂等から成り、第1の主面11aに配列された複数のパッド電極12a、12b・・・を備えている。
【0019】
図2は、前記回路モジュール基板1を含む回路モジュール2の断面図である。前記回路モジュール基板1の第1の主面11aの裏側の第2の主面には、各種の電子部品21、22・・・が実装され、さらに、電子部品を覆うようにケースが被せられている。
【0020】
図1(a)において、回路モジュール基板1の第1の主面に配列された複数のパッド電極12a、12b・・・はペリフェラル型に配置されている。最外周のパッド電極の中心を結ぶ直線4a、4b、4c、4d、5a、5b、5c、5dで作られる形状(以下、「パッド電極の配列の形状」)は、前記回路モジュール基板の各角部付近で面取りされている。そして、面取り線5a、5b、5c、5dを含む形状は、図1(b)に示すように、前記面取りの長さtが全角部とも同一となるように形成されている。
【0021】
図2に示した回路モジュール2は、図3に示すような搭載基板3に実装される。この搭載基板3は、例えばガラスエポキシ樹脂を用いた銅張積層板であり、回路モジュール1が実装される面31aには、前記回路モジュール基板1のパッド電極12c、12d・・・に相対するパッド電極32a、32b・・・が形成されている。回路モジュール2は、図4に示すように、モジュール基板のパッド電極とそれに相対する搭載基板のパッド電極がはんだ33a、33b・・・で接合されて、搭載基板3に実装されている。
【0022】
図5(a)は図11のX−Xにおける断面図で、接合部の配置に偏りがあるところに、引っ張り等の外力が加わったときのイメージ図である。回路モジュール基板のパッド電極接合部が密のエリア11bと疎のエリア11cがあり、図の矢印方向に回路モジュールを搭載基板から引き剥がす力がはたらくと、疎のエリア11cに応力が集中し、やがてこの接合部において破断する。これに対し、図5(b)は図1のY−Yにおける断面図で、接合部が偏りなく配置されたもののイメージ図である。パッド電極接合部が偏りなくバランスを取って配置されているので、特定のバッド電極接合部に応力集中することはなく、破断に至る危険性も低減される。
【0023】
図1に示すように、回路モジュール基板1のパッド電極12a、12b・・・はペリフェラル型に配置され、前記パッド電極の配列の形状は回路モジュール基板1の各角部付近で面取りされた形状になっている。このことにより、前記基板の各角部にパッド電極がある場合にかかる大きな応力は避けられる。また、前記面取りの長さが全角部とも同一となるように形成されていることでパッド電極の配置のバランスが取られ、よって特定の接合部に応力集中することはない。これらのことにより、接合部での破断の危険性を低減することが可能となる。
【0024】
なお、回路モジュール基板のパッド電極の配置のしかたとして、前記基板の接合面に向かって上下・左右方向に、それぞれ対称となるようにすることは、最もバランスの取れた配置といえ、外力が加わった際に特定の接合部に応力集中するのを防ぐことが可能となる。
(実施の形態2)
図6において、回路モジュール基板6のペリフェラル型に配置されたパッド電極12h、12i・・・は、パッド電極の配列の形状が前記基板の各角部で面取りされている。その面取り線に沿うパッド電極の列数は、前記基板の辺に沿うパッド電極の列数よりも多くなるようにパッド電極が形成されている。具体的には、前記面取り線に沿うパッド電極の列はn1、n2、n3の3列、前記辺に沿うパッド電極の列はm1、m2の2列となっている。
【0025】
先行技術文献にも述べられている通り、矩形状の回路モジュール基板では、その中心から遠い基板の角部付近にあるパッド電極に特に大きな応力がかかる。そこで、回路モジュール基板のパッド電極の配列の形状において、基板の角部付近で面取りした面取り線に沿うパッド電極の列数を増やすことで、接合部における破断の危険性をより低減することが可能となる。
(実施の形態3)
図7(a)において、回路モジュール基板7のペリフェラル型に配置されたパッド電極12j、12k・・・は、パッド電極の配列の形状が前記基板の各角部で面取りされている。その面取り線に沿うパッド電極の列数は1、前記基板の辺に沿うパッド電極の列数は2となるようにパッド電極は形成されている。そして、前記複数のパッド電極の1辺の長さs並びに該パッド電極相互の間隔dは、各々同一となるようにパッド電極は形成されている。なお、13は前記基板の外形線を表す。
【0026】
各角部のパッド電極の列数と各辺に沿うパッド電極の列数は、実施の形態2で述べた通りの関係にあるので、接合部における破断の危険性を低減することができる。
【0027】
また、回路モジュール基板を搭載基板に実装する工程において、温度や時間などの工程条件は、ある値を中央値とし、ある一定の条件幅を設定して量産が行われる。実装の工程条件の中央値はパッド電極の間隔との関係が深い。よってパッド電極の間隔は、一定である方が、まちまちであるよりも、工程条件の幅が広く取れ、結果として量産における不良の発生が抑えられる利点がある。
【0028】
また、図7(b)は、回路モジュール基板7のパッド電極12j、12k・・・に相対する搭載基板77のパッド電極14d、14e・・・とその引き出し電極15a、15b・・・を示すものである。図7(b)に示すように、本実施の形態では、搭載基板のパッド電極の全ての引き出し電極を搭載基板の内層を使わずに表層だけで形成することが可能となる。
【0029】
なお、図8(a)、(b)、図9(c)、(d)、図10(e)に実施の形態3の変形例を示す。図8(a)に示すように、回路モジュール基板8aは各角部に回路基板内部の配線に接続されないダミーの補強用電極41が形成されている。また、図8(b)に示すように、回路モジュール基板8bは中央側にパッド電極42が形成されている。また、図9(c)に示すように、回路モジュール基板9cのパッド電極43の形状は、多角形や円形から成る。また、図9(d)に示すように、回路モジュール基板9dはパッド電極にはんだ等の接合材料44が塗付されている。また、図10(e)に示すように、回路モジュール基板10eのパッド電極は機能端子だけでなくダミー端子45a〜45eが形成されている。
【符号の説明】
【0030】
1 回路モジュール基板
2 回路モジュール
3 搭載基板
4a〜4d パッド電極の中心を結ぶ直線
5a〜5d パッド電極の中心を結ぶ直線、面取り線
t 面取りの長さ
11a 回路モジュール基板の搭載基板接合側接合面
11b 回路モジュール基板の実装用パッド電極密エリア側
11c 回路モジュール基板の実装用パッド電極疎エリア側
12a〜12k 回路モジュール基板の実装用パッド電極
15a〜15c 搭載基板の引き出し電極
21〜23 回路モジュール用電子部品
31a 搭載基板の回路モジュール基板接合側接合面
32a〜32e 搭載基板の実装用パッド電極
33a〜33e 回路モジュール基板と搭載基板の接合材
C 回路モジュール基板の中心
C1 回路モジュール基板断面の中心
m1、m2 基板の辺沿いのパッド電極の列
n1、n2、n3 基板角部付近の面取り線沿いのパッド電極の列
d 回路モジュール基板のパッド電極中心間の距離(パッド電極の間隔)
s 回路モジュール基板のパッド電極の1辺の長さ
41 補強用ダミー電極
42 基板中央側配置電極
43 多角形パッド電極
44 パッド電極に塗付された接合材料
45a〜45e ダミー端子パッド電極
91 回路モジュール基板
92 回路モジュール基板のコーナー部
93 接続パッド
94 接続パッドが空くエリア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の回路モジュール基板であって、
前記回路モジュール基板の第1の主面に配列された複数のパッド電極を備え、
前記複数のパッド電極はペリフェラル型に配置され、最外周のパッド電極の中心を結ぶ直線で作られる形状は、前記回路モジュール基板の各角部付近で面取りされた面取り線を含む形状をしており、前記面取りの長さは全角部とも同一であることを特徴とする回路モジュール基板。
【請求項2】
前記複数のパッド電極は、前記回路モジュール基板の辺に沿って配置されるパッド電極と前記角部付近の面取り線に沿って配置されるパッド電極とから成り、
前記辺に沿うパッド電極がn列で配置され、前記面取り線に沿うパッド電極がn+1以上の列数となっていることを特徴とする請求項1に記載の回路モジュール基板。
【請求項3】
前記各辺沿いのパッド電極が1列、前記面取り線に沿うパッド電極が2列とすることを特徴とする請求項2に記載の回路モジュール基板。
【請求項4】
前記複数のパッド電極において、全てのパッド電極のサイズ並びにパッド電極相互の間隔が、各々同一であることを特徴とする請求項3に記載の回路モジュール基板。
【請求項1】
矩形状の回路モジュール基板であって、
前記回路モジュール基板の第1の主面に配列された複数のパッド電極を備え、
前記複数のパッド電極はペリフェラル型に配置され、最外周のパッド電極の中心を結ぶ直線で作られる形状は、前記回路モジュール基板の各角部付近で面取りされた面取り線を含む形状をしており、前記面取りの長さは全角部とも同一であることを特徴とする回路モジュール基板。
【請求項2】
前記複数のパッド電極は、前記回路モジュール基板の辺に沿って配置されるパッド電極と前記角部付近の面取り線に沿って配置されるパッド電極とから成り、
前記辺に沿うパッド電極がn列で配置され、前記面取り線に沿うパッド電極がn+1以上の列数となっていることを特徴とする請求項1に記載の回路モジュール基板。
【請求項3】
前記各辺沿いのパッド電極が1列、前記面取り線に沿うパッド電極が2列とすることを特徴とする請求項2に記載の回路モジュール基板。
【請求項4】
前記複数のパッド電極において、全てのパッド電極のサイズ並びにパッド電極相互の間隔が、各々同一であることを特徴とする請求項3に記載の回路モジュール基板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−23068(P2012−23068A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157481(P2010−157481)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】
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