回路基板、これを搭載した液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器
【課題】アナログ信号に対するノイズの影響を排除できると共に、プリント配線の自由度を高めることができる回路基板、これを搭載した液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器を提供する。
【解決手段】デジタル信号用入力端子62bとデジタル信号用出力端子63bとの間でプリント配線されたデジタル信号伝送用の基板内配線64と、アナログ信号用入力端子62aとアナログ信号用出力端子63aとの間でケーブル配線されたアナログ信号伝送用の基板外配線65と、を備えた。
【解決手段】デジタル信号用入力端子62bとデジタル信号用出力端子63bとの間でプリント配線されたデジタル信号伝送用の基板内配線64と、アナログ信号用入力端子62aとアナログ信号用出力端子63aとの間でケーブル配線されたアナログ信号伝送用の基板外配線65と、を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナログ信号およびデジタル信号を扱う回路基板、これを搭載した液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の回路基板として、主にプリント基板が用いられており、プリント基板の基板層内および/または基板上には、アナログ信号およびデジタル信号を伝送する配線がプリントされている。この場合、アナログ信号をノイズの影響から保護するため、基板内において、アナログ信号が伝送される配線とデジタル信号が伝送される配線とを、混在させないように配置している(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−353895号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、アナログ信号へのノイズの影響等を考慮して配線設計を行うと、その配線は複雑なものとなる。また、基板内に複数の配線が施されていると、場合によっては、この配線に伝送されるアナログ信号は少なからずクロストークや放射ノイズ等の影響を受けてしまう。これにより、例えば、インクジェットプリンタのインクジェットを駆動する駆動波形のアナログ信号がノイズの影響を受けてしまうと、ノズルから吐出されるインク滴の量が変わってしまい、印刷する印刷対象物に支障をきたす虞があった。
【0004】
本発明は、アナログ信号に対するノイズの影響を排除できると共に、プリント配線の自由度を高めることができる回路基板、これを搭載した液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の回路基板は、デジタル信号用入力端子とデジタル信号用出力端子との間でプリント配線されたデジタル信号伝送用の基板内配線と、アナログ信号用入力端子とアナログ信号用出力端子との間でケーブル配線されたアナログ信号伝送用の基板外配線と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、アナログ信号は、ケーブル配線された基板外配線を介して伝送されるため、回路基板内外のノイズの影響を受けることなく、信号伝送することができる。また、アナログ信号を基板外にケーブル配線することで、デジタル信号用のプリント配線は、ノイズの影響を考慮する必要がないため、容易に配線設計を行うことができる。
【0007】
この場合、基板外配線は、シールドケーブルで構成されていることが、好ましい。
【0008】
この構成によれば、基板外配線は、より外部からのノイズの影響を受けにくい構成とすることができる。
【0009】
この場合、入力したデジタル信号をアナログ信号に変換して出力するD/A変換回路を、さらに備えており、アナログ信号用入力端子が、D/A変換回路の出力端子であり、デジタル信号用出力端子が、D/A変換回路の入力端子であることが、好ましい。
【0010】
同様に、入力したアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するA/D変換回路を、さらに備えており、アナログ信号用出力端子が、A/D変換回路の入力端子であり、デジタル信号用入力端子が、A/D変換回路の出力端子であることが、好ましい。
【0011】
この構成によれば、D/A変換回路或いはA/D変換回路を備える場合において、その前後を適宜、基板内配線或いは基板外配線とするようにしているため、アナログ信号を、ノイズの影響を受けることなく伝送することができると共に、デジタル信号用のプリント配線を、容易に配線設計を行うことができる。
【0012】
本発明の液滴吐出装置は、ワークに対し機能液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、液滴吐出ヘッドを駆動するためのヘッド駆動回路基板と、液滴吐出ヘッドとヘッド駆動回路基板とのインターフェースとなる上記の回路基板と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、アナログ信号に対するノイズの影響を排除することができるため、ワークに良好な描画が可能な液滴吐出装置を提供することができる。
【0014】
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記の液滴吐出装置を用い、ワークに機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の電気光学装置は、上記の液滴吐出装置を用い、ワークに機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする。
【0016】
これらの構成によれば、安定した描画が可能な液滴吐出装置を用いるため、信頼性の高い電気光学装置を製造することが可能となる。なお、電気光学装置(フラットパネルディスプレイ)としては、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、PDP装置、電子放出装置等が考えられる。なお、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)やSED(Surface-conduction Electron-Emitter Display)装置を含む概念である。さらに、電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等を包含する装置が考えられる。
【0017】
本発明の電子機器は、上記の電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置または上記の電気光学装置を搭載したことを特徴とする。
【0018】
この場合、電子機器としては、いわゆるフラットパネルディスプレイを搭載した携帯電話、パーソナルコンピュータの他、各種の電気製品がこれに該当する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係る回路基板、およびこれを搭載した液滴吐出装置について説明する。液滴吐出装置は、フラットパネルディスプレイの製造ラインに組み込まれるものであり、インクジェットヘッドである機能液滴吐出ヘッドを用いた印刷技術(インクジェット法)により、液晶表示装置のカラーフィルタや有機EL装置の各画素となる発光素子等を形成するものである。
【0020】
図1に示すように、液滴吐出装置1は、機台2と、機台2上の全域に広く載置され、機能液滴吐出ヘッド17を搭載した描画装置3と、機台2上で描画装置3に添設されたメンテナンス装置4とを備え、メンテナンス装置4により機能液滴吐出ヘッド17のメンテナンス処理(機能維持・回復)を行うと共に、描画装置3により基板W(ワーク)上に機能液を吐出させる描画動作を行うようにしている。また、図示しないが、液滴吐出装置1には、各構成部品へ駆動・制御用の圧縮エアーを供給するエアー供給装置や、パソコン等で構成され、液滴吐出装置1の各部を制御する制御装置等が組み込まれている。
【0021】
描画装置3は、X軸テーブル12およびX軸テーブル12に直交するY軸テーブル13(ヘッド移動手段)から成るXY移動機構11と、Y軸テーブル13に移動自在に取り付けられたキャリッジ14と、キャリッジ14に垂設したヘッドユニット15とを有している。そして、ヘッドユニット15には、機能液滴吐出ヘッド17が搭載されている。一方、基板Wは、X軸テーブル12の端部に臨む一対の基板認識カメラ(図示省略)により、X軸テーブル12に位置決めされた状態で搭載されている。なお、本実施形態では、単一の機能液滴吐出ヘッド17を搭載しているが、その個数は任意である。
【0022】
X軸テーブル12は、X軸方向の駆動系を構成するモータ駆動のX軸スライダ21を有し、これに吸着テーブル23および基板θテーブル24等から成るセットテーブル22を移動自在に搭載して、構成されている。同様に、Y軸テーブル13は、Y軸方向の駆動系を構成するモータ駆動のY軸スライダ26を有し、これに上記のキャリッジ14を介してヘッドユニット15を移動自在に搭載して、構成されている。X軸テーブル12は、機台2上に直接支持される一方、Y軸テーブル13は、機台2上に立設した左右の支柱27,27に支持されており、X軸テーブル12とメンテナンス装置4とを跨ぐように延在している。
【0023】
そして、Y軸テーブル13は、これに搭載したヘッドユニット15を、X軸テーブル12の直上部に位置する描画エリア91と、メンテナンス装置4の直上部に位置するメンテナンスエリア92との相互間で、適宜移動させる。すなわち、Y軸テーブル13は、X軸テーブル12に導入した基板Wに描画動作を行う場合には、ヘッドユニット15を描画エリア91に臨ませ、機能液滴吐出ヘッド17のメンテナンス処理を行う場合には、ヘッドユニット15をメンテナンスエリア92に臨ませる。
【0024】
図2に示すように、Y軸スライダ26には、ヘッドθテーブル30を介してキャリッジ14が垂設され、このキャリッジ14の下部にヘッドユニット15が支持されている。ヘッドθテーブル30は、モータ駆動により、ヘッドユニット15を水平面内において微小回転させる。そして、Y軸スライダ26の上面に、機能液滴吐出ヘッド17を駆動するヘッド駆動ドライバ31が配設され、またキャリッジ14の外側面に、ヘッド駆動ドライバ31と後述する機能液滴吐出ヘッド17のヘッド基板43とのインターフェースとなるインターフェース基板(回路基板)32が配設されている。
【0025】
ヘッドユニット15は、機能液滴吐出ヘッド17と、これを位置決めして装着するヘッドプレート16とから構成されている。すなわち、機能液滴吐出ヘッド17は、ヘッドプレート16を介してキャリッジ14に搭載されている。なお、本実施形態では、機能液滴吐出ヘッド17は、ノズル面53の短辺方向がX軸方向と平行となり、ノズル面53の長辺方向(後述するノズル列54の列方向)がY軸方向と平行になるように、ヘッドプレート16に位置決めされている。
【0026】
図3に示すように、機能液滴吐出ヘッド17は、インクジェット方式で機能液を吐出するものであって、2連の接続針42を有する機能液導入部41と、機能液導入部41に連なる2連のヘッド基板43と、機能液導入部41の下方(同図では上方)に連なり、内部に機能液で満たされるヘッド内流路が形成されたヘッド本体44とを備えている。接続針42は、図示しない給液チューブを介して給液タンクに接続されており、機能液滴吐出ヘッド17のヘッド内流路に機能液を供給する。また、ヘッド基板43には、フレキシブルフラットケーブル60により、後述するインターフェース基板32に接続される一対のコネクタ56が設けられている。
【0027】
ヘッド本体44は、ピエゾ素子等で構成されたポンプ部51と、2本のノズル列54を相互に平行に形成したノズル面53を有するノズルプレート52とを備えている。各ノズル列54は、複数のノズル55が等ピッチで並べられて構成されている。そして、ヘッド基板43の各コネクタ56を介してポンプ部51に、ヘッド駆動ドライバ31からの駆動波形を印加することにより、各ノズル55から機能液が吐出される。
【0028】
ここで、図4を参照して、本発明のインターフェース基板32について説明する。インターフェース基板32は、ヘッド駆動ドライバ31からフレキシブルフラットケーブル60を介して接続される入力端子62と、ヘッド基板43のコネクタ56へフレキシブルフラットケーブル60を介して接続する出力端子63と、入力端子62と出力端子63との間をプリント配線する基板内配線64と、入力端子62と出力端子63との間をケーブル配線する基板外配線65と、ヘッド駆動ドライバ31から基板内配線64に伝送されたデジタル差動信号群をTTL信号群に変換するTTL信号変換回路66と、を備えている。
【0029】
入力端子62は、アナログ信号用入力端子62aとデジタル信号用入力端子62bとに分けられ、また、出力端子63は、アナログ信号用出力端子63aとデジタル信号用出力端子63bとに分けられている。この入力端子62には、ヘッド駆動ドライバ31からデジタル信号およびアナログ信号が入力される。図5に示すように、ヘッド駆動ドライバ31から入力されるアナログ信号は、機能液滴吐出ヘッド17のノズル55から吐出される機能液の量を信号化したヘッド駆動アナログ信号である。デジタル信号は、デジタル差動信号群であり、ノズル55から選択的に吐出するためのデータ信号であるシリアルデータ差動信号と、ノズル55からの吐出のタイミングを図るラッチ差動信号と、全体の動作速度となるクロック差動信号と、で構成されている。これらの信号群に基づいて、機能液滴吐出ヘッド17からは、機能液の量、吐出タイミングや吐出パターンが決定され、各ノズル55から機能液が吐出される。この後、入力端子62から入力されたアナログ信号およびデジタル信号は、それぞれ基板内配線64および基板外配線65へ伝送される。
【0030】
基板内配線64は、基板層内および基板上に施されたプリント配線であり、デジタル信号用入力端子62bからこの基板内配線64に、デジタル差動信号群が伝送される。
【0031】
TTL信号変換回路66は、基板上に実装され、デジタル信号用入力端子62bから入力されたデジタル差動信号群をTTL信号群に変換する。すなわち、シリアルデータ差動信号をデジタルシリアル信号に、ラッチ差動信号をラッチ信号に、クロック差動信号をクロック信号に、それぞれ変換し、変換後のTTL信号群は、再び基板内配線64を通ってデジタル信号用出力端子63bに伝送される。
【0032】
基板外配線65は、アナログ信号用入力端子62aとアナログ信号用出力端子63aとの間のケーブル配線であり、この基板外配線65にアナログ信号が伝送される。つまり、アナログ信号用入力端子62aに入力されたヘッド駆動信号は、そのままアナログ信号用出力端子63aに伝送される。図4は、基板外配線65の断面図であり、基板外配線65は、シールドツイストペアケーブル67で構成されている。シールドツイストペアケーブル67は、1本の信号線68と1本の信号GND線69を寄り合わせた2本のツイストペア線に対し、その外周を信号GND70でシールドしたものである。このため、外部からのノイズを確実に遮断する構成とすることができる。
【0033】
ヘッド駆動ドライバ31から、フレキシブルフラットケーブル60を介して入力端子62にヘッド駆動アナログ信号およびデジタル差動信号群が入力されると、ヘッド駆動アナログ信号は、基板外配線65に伝送され、そのまま出力端子63へと出力される。一方、デジタル差動信号群は、基板内配線64を通り、TTL信号変換回路66へと伝送される。TTL信号変換回路66へ伝送されたデジタル差動信号群は、ここでTTL信号群に変換され、変換後のTTL信号群を出力端子63へと出力する。出力されたヘッド駆動アナログ信号とTTL信号群とは、ヘッド基板46に伝送され、これに基づいて、機能液滴吐出ヘッド17から機能液が吐出される。
【0034】
以上の構成によれば、インターフェース基板32の基板内配線64にデジタル信号を、基板外配線65にアナログ信号を伝送することができるため、ノイズの影響を受けやすいアナログ信号を、基板内のノイズから保護することができ、また、シールドツイストペアケーブル67で構成することにより、基板外のノイズを遮断することができる。これにより、ヘッド駆動アナログ信号は、ノイズの影響を受けることがないため、機能液の吐出量に支障をきたすことがない。また、ノイズの影響を考慮して、基板内に配線を施す必要もないため、基板内の配線設計の負担を軽減することができる。なお、本実施形態では、インターフェース基板32として用いたが、これに限定することなく、あらゆる電子機器に適宜応用が可能であることは言うまでもない。
【0035】
次に、図6を参照して、第2実施形態のインターフェース基板32について説明する。なお、重複した記載を避けるため、異なる部分についてのみ説明する。第2実施形態のインターフェース基板32は、第1実施形態とほぼ同様に構成され、さらに、デジタル信号からアナログ信号へ変換するD/A変換回路71を基板上に実装している。すなわち、基板内配線64は、入力端子62と出力端子63のデジタル信号用出力端子63bとの間に配線され、また、入力端子62とD/A変換回路71の入力端子(デジタル信号用)との間にも配線されている。基板外配線65は、D/A変換回路71の出力端子(アナログ信号用)と出力端子63のアナログ信号用出力端子63aとの間に配線されており、この基板外配線65内にアナログ信号が伝送される。なお、この構成において、ヘッド駆動ドライバ31からは、デジタル信号のみが伝送されることになり、このため、入力端子62からは、デジタル信号のみが入力されると共に、D/A変換回路71において、アナログ信号へと変換され、出力端子63に出力される。
【0036】
この構成によれば、基板内においてD/A変換回路71によりデジタル信号からアナログ信号に変換されたとしても、変換されたアナログ信号は、基板外配線65に伝送されるため、ノイズの影響を受けることはない。
【0037】
次に、本実施形態の液滴吐出装置1を用いて製造される電気光学装置(フラットパネルディスプレイ)として、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、プラズマディスプレイ(PDP装置)、電子放出装置(FED装置、SED装置)、さらにこれら表示装置に形成されてなるアクティブマトリクス基板等を例に、これらの構造およびその製造方法について説明する。なお、アクティブマトリクス基板とは、薄膜トランジスタ、および薄膜トランジスタに電気的に接続するソース線、データ線が形成された基板をいう。
【0038】
まず、液晶表示装置や有機EL装置等に組み込まれるカラーフィルタの製造方法について説明する。図6は、カラーフィルタの製造工程を示すフローチャート、図7は、製造工程順に示した本実施形態のカラーフィルタ500(フィルタ基体500A)の模式断面図である。
まず、ブラックマトリクス形成工程(S101)では、図7(a)に示すように、基板(W)501上にブラックマトリクス502を形成する。ブラックマトリクス502は、金属クロム、金属クロムと酸化クロムの積層体、または樹脂ブラック等により形成される。金属薄膜からなるブラックマトリクス502を形成するには、スパッタ法や蒸着法等を用いることができる。また、樹脂薄膜からなるブラックマトリクス502を形成する場合には、グラビア印刷法、フォトレジスト法、熱転写法等を用いることができる。
【0039】
続いて、バンク形成工程(S102)において、ブラックマトリクス502上に重畳する状態でバンク503を形成する。即ち、まず図7(b)に示すように、基板501およびブラックマトリクス502を覆うようにネガ型の透明な感光性樹脂からなるレジスト層504を形成する。そして、その上面をマトリクスパターン形状に形成されたマスクフィルム505で被覆した状態で露光処理を行う。
さらに、図7(c)に示すように、レジスト層504の未露光部分をエッチング処理することによりレジスト層504をパターニングして、バンク503を形成する。なお、樹脂ブラックによりブラックマトリクスを形成する場合は、ブラックマトリクスとバンクとを兼用することが可能となる。
このバンク503とその下のブラックマトリクス502は、各画素領域507aを区画する区画壁部507bとなり、後の着色層形成工程において機能液滴吐出ヘッド17により着色層(成膜部)508R、508G、508Bを形成する際に機能液滴の着弾領域を規定する。
【0040】
以上のブラックマトリクス形成工程およびバンク形成工程を経ることにより、上記フィルタ基体500Aが得られる。
なお、本実施形態においては、バンク503の材料として、塗膜表面が疎液(疎水)性となる樹脂材料を用いている。そして、基板(ガラス基板)501の表面が親液(親水)性であるので、後述する着色層形成工程においてバンク503(区画壁部507b)に囲まれた各画素領域507a内への液滴の着弾位置のばらつきを自動補正できる。
【0041】
次に、着色層形成工程(S103)では、図7(d)に示すように、機能液滴吐出ヘッド17によって機能液滴を吐出して区画壁部507bで囲まれた各画素領域507a内に着弾させる。この場合、機能液滴吐出ヘッド17を用いて、R・G・Bの3色の機能液(フィルタ材料)を導入して、機能液滴の吐出を行う。なお、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
【0042】
その後、乾燥処理(加熱等の処理)を経て機能液を定着させ、3色の着色層508R、508G、508Bを形成する。着色層508R、508G、508Bを形成したならば、保護膜形成工程(S104)に移り、図7(e)に示すように、基板501、区画壁部507b、および着色層508R、508G、508Bの上面を覆うように保護膜509を形成する。
即ち、基板501の着色層508R、508G、508Bが形成されている面全体に保護膜用塗布液が吐出された後、乾燥処理を経て保護膜509が形成される。
そして、保護膜509を形成した後、カラーフィルタ500は、次工程の透明電極となるITO(Indium Tin Oxide)などの膜付け工程に移行する。
【0043】
図8は、上記のカラーフィルタ500を用いた液晶表示装置の一例としてのパッシブマトリックス型液晶装置(液晶装置)の概略構成を示す要部断面図である。この液晶装置520に、液晶駆動用IC、バックライト、支持体などの付帯要素を装着することによって、最終製品としての透過型液晶表示装置が得られる。なお、カラーフィルタ500は図7に示したものと同一であるので、対応する部位には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0044】
この液晶装置520は、カラーフィルタ500、ガラス基板等からなる対向基板521、および、これらの間に挟持されたSTN(Super Twisted Nematic)液晶組成物からなる液晶層522により概略構成されており、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置している。
なお、図示していないが、対向基板521およびカラーフィルタ500の外面(液晶層522側とは反対側の面)には偏光板がそれぞれ配設され、また対向基板521側に位置する偏光板の外側には、バックライトが配設されている。
【0045】
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層側)には、図8において左右方向に長尺な短冊状の第1電極523が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極523のカラーフィルタ500側とは反対側の面を覆うように第1配向膜524が形成されている。
一方、対向基板521におけるカラーフィルタ500と対向する面には、カラーフィルタ500の第1電極523と直交する方向に長尺な短冊状の第2電極526が所定の間隔で複数形成され、この第2電極526の液晶層522側の面を覆うように第2配向膜527が形成されている。これらの第1電極523および第2電極526は、ITOなどの透明導電材料により形成されている。
【0046】
液晶層522内に設けられたスペーサ528は、液晶層522の厚さ(セルギャップ)を一定に保持するための部材である。また、シール材529は液晶層522内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するための部材である。なお、第1電極523の一端部は引き回し配線523aとしてシール材529の外側まで延在している。
そして、第1電極523と第2電極526とが交差する部分が画素であり、この画素となる部分に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
【0047】
通常の製造工程では、カラーフィルタ500に、第1電極523のパターニングおよび第1配向膜524の塗布を行ってカラーフィルタ500側の部分を作成すると共に、これとは別に対向基板521に、第2電極526のパターニングおよび第2配向膜527の塗布を行って対向基板521側の部分を作成する。その後、対向基板521側の部分にスペーサ528およびシール材529を作り込み、この状態でカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる。次いで、シール材529の注入口から液晶層522を構成する液晶を注入し、注入口を閉止する。その後、両偏光板およびバックライトを積層する。
【0048】
実施形態の液滴吐出装置1は、例えば上記のセルギャップを構成するスペーサ材料(機能液)を塗布すると共に、対向基板521側の部分にカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる前に、シール材529で囲んだ領域に液晶(機能液)を均一に塗布することが可能である。また、上記のシール材529の印刷を、機能液滴吐出ヘッド17で行うことも可能である。さらに、第1・第2両配向膜524,527の塗布を機能液滴吐出ヘッド17で行うことも可能である。
【0049】
図9は、本実施形態において製造したカラーフィルタ500を用いた液晶装置の第2の例の概略構成を示す要部断面図である。
この液晶装置530が上記液晶装置520と大きく異なる点は、カラーフィルタ500を図中下側(観測者側とは反対側)に配置した点である。
この液晶装置530は、カラーフィルタ500とガラス基板等からなる対向基板531との間にSTN液晶からなる液晶層532が挟持されて概略構成されている。なお、図示していないが、対向基板531およびカラーフィルタ500の外面には偏光板等がそれぞれ配設されている。
【0050】
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層532側)には、図中奥行き方向に長尺な短冊状の第1電極533が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極533の液晶層532側の面を覆うように第1配向膜534が形成されている。
対向基板531のカラーフィルタ500と対向する面上には、カラーフィルタ500側の第1電極533と直交する方向に延在する複数の短冊状の第2電極536が所定の間隔で形成され、この第2電極536の液晶層532側の面を覆うように第2配向膜537が形成されている。
【0051】
液晶層532には、この液晶層532の厚さを一定に保持するためのスペーサ538と、液晶層532内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するためのシール材539が設けられている。
そして、上記した液晶装置520と同様に、第1電極533と第2電極536との交差する部分が画素であり、この画素となる部位に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
【0052】
図10は、本発明を適用したカラーフィルタ500を用いて液晶装置を構成した第3の例を示したもので、透過型のTFT(Thin Film Transistor)型液晶装置の概略構成を示す分解斜視図である。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置したものである。
【0053】
この液晶装置550は、カラーフィルタ500と、これに対向するように配置された対向基板551と、これらの間に挟持された図示しない液晶層と、カラーフィルタ500の上面側(観測者側)に配置された偏光板555と、対向基板551の下面側に配設された偏光板(図示せず)とにより概略構成されている。
カラーフィルタ500の保護膜509の表面(対向基板551側の面)には液晶駆動用の電極556が形成されている。この電極556は、ITO等の透明導電材料からなり、後述の画素電極560が形成される領域全体を覆う全面電極となっている。また、この電極556の画素電極560とは反対側の面を覆った状態で配向膜557が設けられている。
【0054】
対向基板551のカラーフィルタ500と対向する面には絶縁層558が形成されており、この絶縁層558上には、走査線561および信号線562が互いに直交する状態で形成されている。そして、これらの走査線561と信号線562とに囲まれた領域内には画素電極560が形成されている。なお、実際の液晶装置では、画素電極560上に配向膜が設けられるが、図示を省略している。
【0055】
また、画素電極560の切欠部と走査線561と信号線562とに囲まれた部分には、ソース電極、ドレイン電極、半導体、およびゲート電極とを具備する薄膜トランジスタ563が組み込まれて構成されている。そして、走査線561と信号線562に対する信号の印加によって薄膜トランジスタ563をオン・オフして画素電極560への通電制御を行うことができるように構成されている。
【0056】
なお、上記の各例の液晶装置520,530,550は、透過型の構成としたが、反射層あるいは半透過反射層を設けて、反射型の液晶装置あるいは半透過反射型の液晶装置とすることもできる。
【0057】
次に、図11は、有機EL装置の表示領域(以下、単に表示装置600と称する)の要部断面図である。
【0058】
この表示装置600は、基板(W)601上に、回路素子部602、発光素子部603および陰極604が積層された状態で概略構成されている。
この表示装置600においては、発光素子部603から基板601側に発した光が、回路素子部602および基板601を透過して観測者側に出射されると共に、発光素子部603から基板601の反対側に発した光が陰極604により反射された後、回路素子部602および基板601を透過して観測者側に出射されるようになっている。
【0059】
回路素子部602と基板601との間にはシリコン酸化膜からなる下地保護膜606が形成され、この下地保護膜606上(発光素子部603側)に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜607が形成されている。この半導体膜607の左右の領域には、ソース領域607aおよびドレイン領域607bが高濃度陽イオン打ち込みによりそれぞれ形成されている。そして陽イオンが打ち込まれない中央部がチャネル領域607cとなっている。
【0060】
また、回路素子部602には、下地保護膜606および半導体膜607を覆う透明なゲート絶縁膜608が形成され、このゲート絶縁膜608上の半導体膜607のチャネル領域607cに対応する位置には、例えばAl、Mo、Ta、Ti、W等から構成されるゲート電極609が形成されている。このゲート電極609およびゲート絶縁膜608上には、透明な第1層間絶縁膜611aと第2層間絶縁膜611bが形成されている。また、第1、第2層間絶縁膜611a、611bを貫通して、半導体膜607のソース領域607a、ドレイン領域607bにそれぞれ連通するコンタクトホール612a,612bが形成されている。
【0061】
そして、第2層間絶縁膜611b上には、ITO等からなる透明な画素電極613が所定の形状にパターニングされて形成され、この画素電極613は、コンタクトホール612aを通じてソース領域607aに接続されている。
また、第1層間絶縁膜611a上には電源線614が配設されており、この電源線614は、コンタクトホール612bを通じてドレイン領域607bに接続されている。
【0062】
このように、回路素子部602には、各画素電極613に接続された駆動用の薄膜トランジスタ615がそれぞれ形成されている。
【0063】
上記発光素子部603は、複数の画素電極613上の各々に積層された機能層617と、各画素電極613および機能層617の間に備えられて各機能層617を区画するバンク部618とにより概略構成されている。
これら画素電極613、機能層617、および、機能層617上に配設された陰極604によって発光素子が構成されている。なお、画素電極613は、平面視略矩形状にパターニングされて形成されており、各画素電極613の間にバンク部618が形成されている。
【0064】
バンク部618は、例えばSiO、SiO2、TiO2等の無機材料により形成される無機物バンク層618a(第1バンク層)と、この無機物バンク層618a上に積層され、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性に優れたレジストにより形成される断面台形状の有機物バンク層618b(第2バンク層)とにより構成されている。このバンク部618の一部は、画素電極613の周縁部上に乗上げた状態で形成されている。
そして、各バンク部618の間には、画素電極613に対して上方に向けて次第に拡開した開口部619が形成されている。
【0065】
上記機能層617は、開口部619内において画素電極613上に積層状態で形成された正孔注入/輸送層617aと、この正孔注入/輸送層617a上に形成された発光層617bとにより構成されている。なお、この発光層617bに隣接してその他の機能を有する他の機能層をさらに形成しても良い。例えば、電子輸送層を形成することも可能である。
正孔注入/輸送層617aは、画素電極613側から正孔を輸送して発光層617bに注入する機能を有する。この正孔注入/輸送層617aは、正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物(機能液)を吐出することで形成される。正孔注入/輸送層形成材料としては、公知の材料を用いる。
【0066】
発光層617bは、赤色(R)、緑色(G)、または青色(B)のいずれかに発光するもので、発光層形成材料(発光材料)を含む第2組成物(機能液)を吐出することで形成される。第2組成物の溶媒(非極性溶媒)としては、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な公知の材料を用いることが好ましく、このような非極性溶媒を発光層617bの第2組成物に用いることにより、正孔注入/輸送層617aを再溶解させることなく発光層617bを形成することができる。
【0067】
そして、発光層617bでは、正孔注入/輸送層617aから注入された正孔と、陰極604から注入される電子が発光層で再結合して発光するように構成されている。
【0068】
陰極604は、発光素子部603の全面を覆う状態で形成されており、画素電極613と対になって機能層617に電流を流す役割を果たす。なお、この陰極604の上部には図示しない封止部材が配置される。
【0069】
次に、上記の表示装置600の製造工程を図12〜図20を参照して説明する。
この表示装置600は、図12に示すように、バンク部形成工程(S111)、表面処理工程(S112)、正孔注入/輸送層形成工程(S113)、発光層形成工程(S114)、および対向電極形成工程(S115)を経て製造される。なお、製造工程は例示するものに限られるものではなく必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。
【0070】
まず、バンク部形成工程(S111)では、図13に示すように、第2層間絶縁膜611b上に無機物バンク層618aを形成する。この無機物バンク層618aは、形成位置に無機物膜を形成した後、この無機物膜をフォトリソグラフィ技術等によりパターニングすることにより形成される。このとき、無機物バンク層618aの一部は画素電極613の周縁部と重なるように形成される。
無機物バンク層618aを形成したならば、図14に示すように、無機物バンク層618a上に有機物バンク層618bを形成する。この有機物バンク層618bも無機物バンク層618aと同様にフォトリソグラフィ技術等によりパターニングして形成される。
このようにしてバンク部618が形成される。また、これに伴い、各バンク部618間には、画素電極613に対して上方に開口した開口部619が形成される。この開口部619は、画素領域を規定する。
【0071】
表面処理工程(S112)では、親液化処理および撥液化処理が行われる。親液化処理を施す領域は、無機物バンク層618aの第1積層部618aaおよび画素電極613の電極面613aであり、これらの領域は、例えば酸素を処理ガスとするプラズマ処理によって親液性に表面処理される。このプラズマ処理は、画素電極613であるITOの洗浄等も兼ねている。
また、撥液化処理は、有機物バンク層618bの壁面618sおよび有機物バンク層618bの上面618tに施され、例えば四フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化処理(撥液性に処理)される。
この表面処理工程を行うことにより、機能液滴吐出ヘッド17を用いて機能層617を形成する際に、機能液滴を画素領域に、より確実に着弾させることができ、また、画素領域に着弾した機能液滴が開口部619から溢れ出るのを防止することが可能となる。
【0072】
そして、以上の工程を経ることにより、表示装置基体600Aが得られる。この表示装置基体600Aは、図1に示した液滴吐出装置1のセットテーブル22に載置され、以下の正孔注入/輸送層形成工程(S113)および発光層形成工程(S114)が行われる。
【0073】
図15に示すように、正孔注入/輸送層形成工程(S113)では、機能液滴吐出ヘッド17から正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物を画素領域である各開口部619内に吐出する。その後、図16に示すように、乾燥処理および熱処理を行い、第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、画素電極(電極面613a)613上に正孔注入/輸送層617aを形成する。
【0074】
次に発光層形成工程(S114)について説明する。この発光層形成工程では、上述したように、正孔注入/輸送層617aの再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる第2組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な非極性溶媒を用いる。
しかしその一方で、正孔注入/輸送層617aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617a上に吐出しても、正孔注入/輸送層617aと発光層617bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層617bを均一に塗布できない虞がある。
そこで、非極性溶媒並びに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層617aの表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面処理(表面改質処理)を行うことが好ましい。この表面処理は、発光層形成の際に用いる第2組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質材を、正孔注入/輸送層617a上に塗布し、これを乾燥させることにより行う。
このような処理を施すことで、正孔注入/輸送層617aの表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617aに均一に塗布することができる。
【0075】
そして次に、図17に示すように、各色のうちのいずれか(図17の例では青色(B))に対応する発光層形成材料を含有する第2組成物を機能液滴として画素領域(開口部619)内に所定量打ち込む。画素領域内に打ち込まれた第2組成物は、正孔注入/輸送層617a上に広がって開口部619内に満たされる。なお、万一、第2組成物が画素領域から外れてバンク部618の上面618t上に着弾した場合でも、この上面618tは、上述したように撥液処理が施されているので、第2組成物が開口部619内に転がり込み易くなっている。
【0076】
その後、乾燥工程等を行うことにより、吐出後の第2組成物を乾燥処理し、第2組成物に含まれる非極性溶媒を蒸発させ、図18に示すように、正孔注入/輸送層617a上に発光層617bが形成される。この図の場合、青色(B)に対応する発光層617bが形成されている。
【0077】
同様に、機能液滴吐出ヘッド17を用い、図19に示すように、上記した青色(B)に対応する発光層617bの場合と同様の工程を順次行い、他の色(赤色(R)および緑色(G))に対応する発光層617bを形成する。なお、発光層617bの形成順序は、例示した順序に限られるものではなく、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層形成材料に応じて形成する順番を決めることも可能である。また、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
【0078】
以上のようにして、画素電極613上に機能層617、即ち、正孔注入/輸送層617aおよび発光層617bが形成される。そして、対向電極形成工程(S115)に移行する。
【0079】
対向電極形成工程(S115)では、図20に示すように、発光層617bおよび有機物バンク層618bの全面に陰極604(対向電極)を、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等によって形成する。この陰極604は、本実施形態においては、例えば、カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成されている。
この陰極604の上部には、電極としてのAl膜、Ag膜や、その酸化防止のためのSiO2、SiN等の保護層が適宜設けられる。
【0080】
このようにして陰極604を形成した後、この陰極604の上部を封止部材により封止する封止処理や配線処理等のその他処理等を施すことにより、表示装置600が得られる。
【0081】
次に、図21は、プラズマ型表示装置(PDP装置:以下、単に表示装置700と称する)の要部分解斜視図である。なお、同図では表示装置700を、その一部を切り欠いた状態で示してある。
この表示装置700は、互いに対向して配置された第1基板701、第2基板702、およびこれらの間に形成される放電表示部703を含んで概略構成される。放電表示部703は、複数の放電室705により構成されている。これらの複数の放電室705のうち、赤色放電室705R、緑色放電室705G、青色放電室705Bの3つの放電室705が組になって1つの画素を構成するように配置されている。
【0082】
第1基板701の上面には所定の間隔で縞状にアドレス電極706が形成され、このアドレス電極706と第1基板701の上面とを覆うように誘電体層707が形成されている。誘電体層707上には、各アドレス電極706の間に位置し、且つ各アドレス電極706に沿うように隔壁708が立設されている。この隔壁708は、図示するようにアドレス電極706の幅方向両側に延在するものと、アドレス電極706と直交する方向に延設された図示しないものを含む。
そして、この隔壁708によって仕切られた領域が放電室705となっている。
【0083】
放電室705内には蛍光体709が配置されている。蛍光体709は、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの色の蛍光を発光するもので、赤色放電室705Rの底部には赤色蛍光体709Rが、緑色放電室705Gの底部には緑色蛍光体709Gが、青色放電室705Bの底部には青色蛍光体709Bが各々配置されている。
【0084】
第2基板702の図中下側の面には、上記アドレス電極706と直交する方向に複数の表示電極711が所定の間隔で縞状に形成されている。そして、これらを覆うように誘電体層712、およびMgOなどからなる保護膜713が形成されている。
第1基板701と第2基板702とは、アドレス電極706と表示電極711が互いに直交する状態で対向させて貼り合わされている。なお、上記アドレス電極706と表示電極711は図示しない交流電源に接続されている。
そして、各電極706,711に通電することにより、放電表示部703において蛍光体709が励起発光し、カラー表示が可能となる。
【0085】
本実施形態においては、上記アドレス電極706、表示電極711、および蛍光体709を、図2に示した液滴吐出装置1を用いて形成することができる。以下、第1基板701におけるアドレス電極706の形成工程を例示する。
この場合、第1基板701を液滴吐出装置1のセットテーブル22に載置された状態で以下の工程が行われる。
まず、機能液滴吐出ヘッド17により、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴としてアドレス電極形成領域に着弾させる。この液体材料は、導電膜配線形成用材料として、金属等の導電性微粒子を分散媒に分散したものである。この導電性微粒子としては、金、銀、銅、パラジウム、またはニッケル等を含有する金属微粒子や、導電性ポリマー等が用いられる。
【0086】
補充対象となるすべてのアドレス電極形成領域について液体材料の補充が終了したならば、吐出後の液体材料を乾燥処理し、液体材料に含まれる分散媒を蒸発させることによりアドレス電極706が形成される。
【0087】
ところで、上記においてはアドレス電極706の形成を例示したが、上記表示電極711および蛍光体709についても上記各工程を経ることにより形成することができる。
表示電極711の形成の場合、アドレス電極706の場合と同様に、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴として表示電極形成領域に着弾させる。
また、蛍光体709の形成の場合には、各色(R,G,B)に対応する蛍光材料を含んだ液体材料(機能液)を機能液滴吐出ヘッド17から液滴として吐出し、対応する色の放電室705内に着弾させる。
【0088】
次に、図22は、電子放出装置(FED装置あるいはSED装置ともいう:以下、単に表示装置800と称する)の要部断面図である。なお、同図では表示装置800を、その一部を断面として示してある。
この表示装置800は、互いに対向して配置された第1基板801、第2基板802、およびこれらの間に形成される電界放出表示部803を含んで概略構成される。電界放出表示部803は、マトリクス状に配置した複数の電子放出部805により構成されている。
【0089】
第1基板801の上面には、カソード電極806を構成する第1素子電極806aおよび第2素子電極806bが相互に直交するように形成されている。また、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bで仕切られた部分には、ギャップ808を形成した導電性膜807が形成されている。すなわち、第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807により複数の電子放出部805が構成されている。導電性膜807は、例えば酸化パラジウム(PdO)等で構成され、またギャップ808は、導電性膜807を成膜した後、フォーミング等で形成される。
【0090】
第2基板802の下面には、カソード電極806に対峙するアノード電極809が形成されている。アノード電極809の下面には、格子状のバンク部811が形成され、このバンク部811で囲まれた下向きの各開口部812に、電子放出部805に対応するように蛍光体813が配置されている。蛍光体813は、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの色の蛍光を発光するもので、各開口部812には、赤色蛍光体813R、緑色蛍光体813Gおよび青色蛍光体813Bが、上記した所定のパターンで配置されている。
【0091】
そして、このように構成した第1基板801と第2基板802とは、微小な間隙を存して貼り合わされている。この表示装置800では、導電性膜(ギャップ808)807を介して、陰極である第1素子電極806aまたは第2素子電極806bから飛び出す電子を、陽極であるアノード電極809に形成した蛍光体813に当てて励起発光し、カラー表示が可能となる。
【0092】
この場合も、他の実施形態と同様に、第1素子電極806a、第2素子電極806b、導電性膜807およびアノード電極809を、液滴吐出装置1を用いて形成することができると共に、各色の蛍光体813R,813G,813Bを、液滴吐出装置1を用いて形成することができる。
【0093】
第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807は、図23(a)に示す平面形状を有しており、これらを成膜する場合には、図23(b)に示すように、予め第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807を作り込む部分を残して、バンク部BBを形成(フォトリソグラフィ法)する。次に、バンク部BBにより構成された溝部分に、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bを形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)し、その溶剤を乾燥させて成膜を行った後、導電性膜807を形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)する。そして、導電性膜807を成膜後、バンク部BBを取り除き(アッシング剥離処理)、上記のフォーミング処理に移行する。なお、上記の有機EL装置の場合と同様に、第1基板801および第2基板802に対する親液化処理や、バンク部811,BBに対する撥液化処理を行うことが、好ましい。
【0094】
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられる。上記した液滴吐出装置1を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】第1実施形態に係る液滴吐出装置の平面模式図である。
【図2】Y軸テーブルの断面模式図である。
【図3】液滴吐出装置に搭載した機能液滴吐出ヘッドの外観斜視図である。
【図4】第1実施形態に係るインターフェース基板の模式図である。
【図5】シールドツイストペアケーブルの断面図である。
【図6】インターフェース基板のブロック図である。
【図7】第2実施形態に係るインターフェース基板の模式図である。
【図8】カラーフィルタ製造工程を説明するフローチャートである。
【図9】(a)〜(e)は、製造工程順に示したカラーフィルタの模式断面図である。
【図10】本発明を適用したカラーフィルタを用いた液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図11】本発明を適用したカラーフィルタを用いた第2の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図12】本発明を適用したカラーフィルタを用いた第3の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図13】有機EL装置である表示装置の要部断面図である。
【図14】有機EL装置である表示装置の製造工程を説明するフローチャートである。
【図15】無機物バンク層の形成を説明する工程図である。
【図16】有機物バンク層の形成を説明する工程図である。
【図17】正孔注入/輸送層を形成する過程を説明する工程図である。
【図18】正孔注入/輸送層が形成された状態を説明する工程図である。
【図19】青色の発光層を形成する過程を説明する工程図である。
【図20】青色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。
【図21】各色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。
【図22】陰極の形成を説明する工程図である。
【図23】プラズマ型表示装置(PDP装置)である表示装置の要部分解斜視図である。
【図24】電子放出装置(FED装置)である表示装置の要部断面図である。
【図25】表示装置の電子放出部廻りの平面図(a)およびその形成方法を示す平面図(b)である。
【符号の説明】
【0096】
1…液滴吐出装置 17…機能液滴吐出ヘッド 32…ヘッド駆動ドライバ 62a…アナログ信号用入力端子 62b…デジタル信号用入力端子 63a…アナログ信号用出力端子 63b…デジタル信号用出力端子 64…基板内配線 65…基板外配線 67…シールドツイストペアケーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナログ信号およびデジタル信号を扱う回路基板、これを搭載した液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の回路基板として、主にプリント基板が用いられており、プリント基板の基板層内および/または基板上には、アナログ信号およびデジタル信号を伝送する配線がプリントされている。この場合、アナログ信号をノイズの影響から保護するため、基板内において、アナログ信号が伝送される配線とデジタル信号が伝送される配線とを、混在させないように配置している(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−353895号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、アナログ信号へのノイズの影響等を考慮して配線設計を行うと、その配線は複雑なものとなる。また、基板内に複数の配線が施されていると、場合によっては、この配線に伝送されるアナログ信号は少なからずクロストークや放射ノイズ等の影響を受けてしまう。これにより、例えば、インクジェットプリンタのインクジェットを駆動する駆動波形のアナログ信号がノイズの影響を受けてしまうと、ノズルから吐出されるインク滴の量が変わってしまい、印刷する印刷対象物に支障をきたす虞があった。
【0004】
本発明は、アナログ信号に対するノイズの影響を排除できると共に、プリント配線の自由度を高めることができる回路基板、これを搭載した液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の回路基板は、デジタル信号用入力端子とデジタル信号用出力端子との間でプリント配線されたデジタル信号伝送用の基板内配線と、アナログ信号用入力端子とアナログ信号用出力端子との間でケーブル配線されたアナログ信号伝送用の基板外配線と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、アナログ信号は、ケーブル配線された基板外配線を介して伝送されるため、回路基板内外のノイズの影響を受けることなく、信号伝送することができる。また、アナログ信号を基板外にケーブル配線することで、デジタル信号用のプリント配線は、ノイズの影響を考慮する必要がないため、容易に配線設計を行うことができる。
【0007】
この場合、基板外配線は、シールドケーブルで構成されていることが、好ましい。
【0008】
この構成によれば、基板外配線は、より外部からのノイズの影響を受けにくい構成とすることができる。
【0009】
この場合、入力したデジタル信号をアナログ信号に変換して出力するD/A変換回路を、さらに備えており、アナログ信号用入力端子が、D/A変換回路の出力端子であり、デジタル信号用出力端子が、D/A変換回路の入力端子であることが、好ましい。
【0010】
同様に、入力したアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するA/D変換回路を、さらに備えており、アナログ信号用出力端子が、A/D変換回路の入力端子であり、デジタル信号用入力端子が、A/D変換回路の出力端子であることが、好ましい。
【0011】
この構成によれば、D/A変換回路或いはA/D変換回路を備える場合において、その前後を適宜、基板内配線或いは基板外配線とするようにしているため、アナログ信号を、ノイズの影響を受けることなく伝送することができると共に、デジタル信号用のプリント配線を、容易に配線設計を行うことができる。
【0012】
本発明の液滴吐出装置は、ワークに対し機能液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、液滴吐出ヘッドを駆動するためのヘッド駆動回路基板と、液滴吐出ヘッドとヘッド駆動回路基板とのインターフェースとなる上記の回路基板と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、アナログ信号に対するノイズの影響を排除することができるため、ワークに良好な描画が可能な液滴吐出装置を提供することができる。
【0014】
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記の液滴吐出装置を用い、ワークに機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の電気光学装置は、上記の液滴吐出装置を用い、ワークに機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする。
【0016】
これらの構成によれば、安定した描画が可能な液滴吐出装置を用いるため、信頼性の高い電気光学装置を製造することが可能となる。なお、電気光学装置(フラットパネルディスプレイ)としては、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、PDP装置、電子放出装置等が考えられる。なお、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)やSED(Surface-conduction Electron-Emitter Display)装置を含む概念である。さらに、電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等を包含する装置が考えられる。
【0017】
本発明の電子機器は、上記の電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置または上記の電気光学装置を搭載したことを特徴とする。
【0018】
この場合、電子機器としては、いわゆるフラットパネルディスプレイを搭載した携帯電話、パーソナルコンピュータの他、各種の電気製品がこれに該当する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係る回路基板、およびこれを搭載した液滴吐出装置について説明する。液滴吐出装置は、フラットパネルディスプレイの製造ラインに組み込まれるものであり、インクジェットヘッドである機能液滴吐出ヘッドを用いた印刷技術(インクジェット法)により、液晶表示装置のカラーフィルタや有機EL装置の各画素となる発光素子等を形成するものである。
【0020】
図1に示すように、液滴吐出装置1は、機台2と、機台2上の全域に広く載置され、機能液滴吐出ヘッド17を搭載した描画装置3と、機台2上で描画装置3に添設されたメンテナンス装置4とを備え、メンテナンス装置4により機能液滴吐出ヘッド17のメンテナンス処理(機能維持・回復)を行うと共に、描画装置3により基板W(ワーク)上に機能液を吐出させる描画動作を行うようにしている。また、図示しないが、液滴吐出装置1には、各構成部品へ駆動・制御用の圧縮エアーを供給するエアー供給装置や、パソコン等で構成され、液滴吐出装置1の各部を制御する制御装置等が組み込まれている。
【0021】
描画装置3は、X軸テーブル12およびX軸テーブル12に直交するY軸テーブル13(ヘッド移動手段)から成るXY移動機構11と、Y軸テーブル13に移動自在に取り付けられたキャリッジ14と、キャリッジ14に垂設したヘッドユニット15とを有している。そして、ヘッドユニット15には、機能液滴吐出ヘッド17が搭載されている。一方、基板Wは、X軸テーブル12の端部に臨む一対の基板認識カメラ(図示省略)により、X軸テーブル12に位置決めされた状態で搭載されている。なお、本実施形態では、単一の機能液滴吐出ヘッド17を搭載しているが、その個数は任意である。
【0022】
X軸テーブル12は、X軸方向の駆動系を構成するモータ駆動のX軸スライダ21を有し、これに吸着テーブル23および基板θテーブル24等から成るセットテーブル22を移動自在に搭載して、構成されている。同様に、Y軸テーブル13は、Y軸方向の駆動系を構成するモータ駆動のY軸スライダ26を有し、これに上記のキャリッジ14を介してヘッドユニット15を移動自在に搭載して、構成されている。X軸テーブル12は、機台2上に直接支持される一方、Y軸テーブル13は、機台2上に立設した左右の支柱27,27に支持されており、X軸テーブル12とメンテナンス装置4とを跨ぐように延在している。
【0023】
そして、Y軸テーブル13は、これに搭載したヘッドユニット15を、X軸テーブル12の直上部に位置する描画エリア91と、メンテナンス装置4の直上部に位置するメンテナンスエリア92との相互間で、適宜移動させる。すなわち、Y軸テーブル13は、X軸テーブル12に導入した基板Wに描画動作を行う場合には、ヘッドユニット15を描画エリア91に臨ませ、機能液滴吐出ヘッド17のメンテナンス処理を行う場合には、ヘッドユニット15をメンテナンスエリア92に臨ませる。
【0024】
図2に示すように、Y軸スライダ26には、ヘッドθテーブル30を介してキャリッジ14が垂設され、このキャリッジ14の下部にヘッドユニット15が支持されている。ヘッドθテーブル30は、モータ駆動により、ヘッドユニット15を水平面内において微小回転させる。そして、Y軸スライダ26の上面に、機能液滴吐出ヘッド17を駆動するヘッド駆動ドライバ31が配設され、またキャリッジ14の外側面に、ヘッド駆動ドライバ31と後述する機能液滴吐出ヘッド17のヘッド基板43とのインターフェースとなるインターフェース基板(回路基板)32が配設されている。
【0025】
ヘッドユニット15は、機能液滴吐出ヘッド17と、これを位置決めして装着するヘッドプレート16とから構成されている。すなわち、機能液滴吐出ヘッド17は、ヘッドプレート16を介してキャリッジ14に搭載されている。なお、本実施形態では、機能液滴吐出ヘッド17は、ノズル面53の短辺方向がX軸方向と平行となり、ノズル面53の長辺方向(後述するノズル列54の列方向)がY軸方向と平行になるように、ヘッドプレート16に位置決めされている。
【0026】
図3に示すように、機能液滴吐出ヘッド17は、インクジェット方式で機能液を吐出するものであって、2連の接続針42を有する機能液導入部41と、機能液導入部41に連なる2連のヘッド基板43と、機能液導入部41の下方(同図では上方)に連なり、内部に機能液で満たされるヘッド内流路が形成されたヘッド本体44とを備えている。接続針42は、図示しない給液チューブを介して給液タンクに接続されており、機能液滴吐出ヘッド17のヘッド内流路に機能液を供給する。また、ヘッド基板43には、フレキシブルフラットケーブル60により、後述するインターフェース基板32に接続される一対のコネクタ56が設けられている。
【0027】
ヘッド本体44は、ピエゾ素子等で構成されたポンプ部51と、2本のノズル列54を相互に平行に形成したノズル面53を有するノズルプレート52とを備えている。各ノズル列54は、複数のノズル55が等ピッチで並べられて構成されている。そして、ヘッド基板43の各コネクタ56を介してポンプ部51に、ヘッド駆動ドライバ31からの駆動波形を印加することにより、各ノズル55から機能液が吐出される。
【0028】
ここで、図4を参照して、本発明のインターフェース基板32について説明する。インターフェース基板32は、ヘッド駆動ドライバ31からフレキシブルフラットケーブル60を介して接続される入力端子62と、ヘッド基板43のコネクタ56へフレキシブルフラットケーブル60を介して接続する出力端子63と、入力端子62と出力端子63との間をプリント配線する基板内配線64と、入力端子62と出力端子63との間をケーブル配線する基板外配線65と、ヘッド駆動ドライバ31から基板内配線64に伝送されたデジタル差動信号群をTTL信号群に変換するTTL信号変換回路66と、を備えている。
【0029】
入力端子62は、アナログ信号用入力端子62aとデジタル信号用入力端子62bとに分けられ、また、出力端子63は、アナログ信号用出力端子63aとデジタル信号用出力端子63bとに分けられている。この入力端子62には、ヘッド駆動ドライバ31からデジタル信号およびアナログ信号が入力される。図5に示すように、ヘッド駆動ドライバ31から入力されるアナログ信号は、機能液滴吐出ヘッド17のノズル55から吐出される機能液の量を信号化したヘッド駆動アナログ信号である。デジタル信号は、デジタル差動信号群であり、ノズル55から選択的に吐出するためのデータ信号であるシリアルデータ差動信号と、ノズル55からの吐出のタイミングを図るラッチ差動信号と、全体の動作速度となるクロック差動信号と、で構成されている。これらの信号群に基づいて、機能液滴吐出ヘッド17からは、機能液の量、吐出タイミングや吐出パターンが決定され、各ノズル55から機能液が吐出される。この後、入力端子62から入力されたアナログ信号およびデジタル信号は、それぞれ基板内配線64および基板外配線65へ伝送される。
【0030】
基板内配線64は、基板層内および基板上に施されたプリント配線であり、デジタル信号用入力端子62bからこの基板内配線64に、デジタル差動信号群が伝送される。
【0031】
TTL信号変換回路66は、基板上に実装され、デジタル信号用入力端子62bから入力されたデジタル差動信号群をTTL信号群に変換する。すなわち、シリアルデータ差動信号をデジタルシリアル信号に、ラッチ差動信号をラッチ信号に、クロック差動信号をクロック信号に、それぞれ変換し、変換後のTTL信号群は、再び基板内配線64を通ってデジタル信号用出力端子63bに伝送される。
【0032】
基板外配線65は、アナログ信号用入力端子62aとアナログ信号用出力端子63aとの間のケーブル配線であり、この基板外配線65にアナログ信号が伝送される。つまり、アナログ信号用入力端子62aに入力されたヘッド駆動信号は、そのままアナログ信号用出力端子63aに伝送される。図4は、基板外配線65の断面図であり、基板外配線65は、シールドツイストペアケーブル67で構成されている。シールドツイストペアケーブル67は、1本の信号線68と1本の信号GND線69を寄り合わせた2本のツイストペア線に対し、その外周を信号GND70でシールドしたものである。このため、外部からのノイズを確実に遮断する構成とすることができる。
【0033】
ヘッド駆動ドライバ31から、フレキシブルフラットケーブル60を介して入力端子62にヘッド駆動アナログ信号およびデジタル差動信号群が入力されると、ヘッド駆動アナログ信号は、基板外配線65に伝送され、そのまま出力端子63へと出力される。一方、デジタル差動信号群は、基板内配線64を通り、TTL信号変換回路66へと伝送される。TTL信号変換回路66へ伝送されたデジタル差動信号群は、ここでTTL信号群に変換され、変換後のTTL信号群を出力端子63へと出力する。出力されたヘッド駆動アナログ信号とTTL信号群とは、ヘッド基板46に伝送され、これに基づいて、機能液滴吐出ヘッド17から機能液が吐出される。
【0034】
以上の構成によれば、インターフェース基板32の基板内配線64にデジタル信号を、基板外配線65にアナログ信号を伝送することができるため、ノイズの影響を受けやすいアナログ信号を、基板内のノイズから保護することができ、また、シールドツイストペアケーブル67で構成することにより、基板外のノイズを遮断することができる。これにより、ヘッド駆動アナログ信号は、ノイズの影響を受けることがないため、機能液の吐出量に支障をきたすことがない。また、ノイズの影響を考慮して、基板内に配線を施す必要もないため、基板内の配線設計の負担を軽減することができる。なお、本実施形態では、インターフェース基板32として用いたが、これに限定することなく、あらゆる電子機器に適宜応用が可能であることは言うまでもない。
【0035】
次に、図6を参照して、第2実施形態のインターフェース基板32について説明する。なお、重複した記載を避けるため、異なる部分についてのみ説明する。第2実施形態のインターフェース基板32は、第1実施形態とほぼ同様に構成され、さらに、デジタル信号からアナログ信号へ変換するD/A変換回路71を基板上に実装している。すなわち、基板内配線64は、入力端子62と出力端子63のデジタル信号用出力端子63bとの間に配線され、また、入力端子62とD/A変換回路71の入力端子(デジタル信号用)との間にも配線されている。基板外配線65は、D/A変換回路71の出力端子(アナログ信号用)と出力端子63のアナログ信号用出力端子63aとの間に配線されており、この基板外配線65内にアナログ信号が伝送される。なお、この構成において、ヘッド駆動ドライバ31からは、デジタル信号のみが伝送されることになり、このため、入力端子62からは、デジタル信号のみが入力されると共に、D/A変換回路71において、アナログ信号へと変換され、出力端子63に出力される。
【0036】
この構成によれば、基板内においてD/A変換回路71によりデジタル信号からアナログ信号に変換されたとしても、変換されたアナログ信号は、基板外配線65に伝送されるため、ノイズの影響を受けることはない。
【0037】
次に、本実施形態の液滴吐出装置1を用いて製造される電気光学装置(フラットパネルディスプレイ)として、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、プラズマディスプレイ(PDP装置)、電子放出装置(FED装置、SED装置)、さらにこれら表示装置に形成されてなるアクティブマトリクス基板等を例に、これらの構造およびその製造方法について説明する。なお、アクティブマトリクス基板とは、薄膜トランジスタ、および薄膜トランジスタに電気的に接続するソース線、データ線が形成された基板をいう。
【0038】
まず、液晶表示装置や有機EL装置等に組み込まれるカラーフィルタの製造方法について説明する。図6は、カラーフィルタの製造工程を示すフローチャート、図7は、製造工程順に示した本実施形態のカラーフィルタ500(フィルタ基体500A)の模式断面図である。
まず、ブラックマトリクス形成工程(S101)では、図7(a)に示すように、基板(W)501上にブラックマトリクス502を形成する。ブラックマトリクス502は、金属クロム、金属クロムと酸化クロムの積層体、または樹脂ブラック等により形成される。金属薄膜からなるブラックマトリクス502を形成するには、スパッタ法や蒸着法等を用いることができる。また、樹脂薄膜からなるブラックマトリクス502を形成する場合には、グラビア印刷法、フォトレジスト法、熱転写法等を用いることができる。
【0039】
続いて、バンク形成工程(S102)において、ブラックマトリクス502上に重畳する状態でバンク503を形成する。即ち、まず図7(b)に示すように、基板501およびブラックマトリクス502を覆うようにネガ型の透明な感光性樹脂からなるレジスト層504を形成する。そして、その上面をマトリクスパターン形状に形成されたマスクフィルム505で被覆した状態で露光処理を行う。
さらに、図7(c)に示すように、レジスト層504の未露光部分をエッチング処理することによりレジスト層504をパターニングして、バンク503を形成する。なお、樹脂ブラックによりブラックマトリクスを形成する場合は、ブラックマトリクスとバンクとを兼用することが可能となる。
このバンク503とその下のブラックマトリクス502は、各画素領域507aを区画する区画壁部507bとなり、後の着色層形成工程において機能液滴吐出ヘッド17により着色層(成膜部)508R、508G、508Bを形成する際に機能液滴の着弾領域を規定する。
【0040】
以上のブラックマトリクス形成工程およびバンク形成工程を経ることにより、上記フィルタ基体500Aが得られる。
なお、本実施形態においては、バンク503の材料として、塗膜表面が疎液(疎水)性となる樹脂材料を用いている。そして、基板(ガラス基板)501の表面が親液(親水)性であるので、後述する着色層形成工程においてバンク503(区画壁部507b)に囲まれた各画素領域507a内への液滴の着弾位置のばらつきを自動補正できる。
【0041】
次に、着色層形成工程(S103)では、図7(d)に示すように、機能液滴吐出ヘッド17によって機能液滴を吐出して区画壁部507bで囲まれた各画素領域507a内に着弾させる。この場合、機能液滴吐出ヘッド17を用いて、R・G・Bの3色の機能液(フィルタ材料)を導入して、機能液滴の吐出を行う。なお、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
【0042】
その後、乾燥処理(加熱等の処理)を経て機能液を定着させ、3色の着色層508R、508G、508Bを形成する。着色層508R、508G、508Bを形成したならば、保護膜形成工程(S104)に移り、図7(e)に示すように、基板501、区画壁部507b、および着色層508R、508G、508Bの上面を覆うように保護膜509を形成する。
即ち、基板501の着色層508R、508G、508Bが形成されている面全体に保護膜用塗布液が吐出された後、乾燥処理を経て保護膜509が形成される。
そして、保護膜509を形成した後、カラーフィルタ500は、次工程の透明電極となるITO(Indium Tin Oxide)などの膜付け工程に移行する。
【0043】
図8は、上記のカラーフィルタ500を用いた液晶表示装置の一例としてのパッシブマトリックス型液晶装置(液晶装置)の概略構成を示す要部断面図である。この液晶装置520に、液晶駆動用IC、バックライト、支持体などの付帯要素を装着することによって、最終製品としての透過型液晶表示装置が得られる。なお、カラーフィルタ500は図7に示したものと同一であるので、対応する部位には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0044】
この液晶装置520は、カラーフィルタ500、ガラス基板等からなる対向基板521、および、これらの間に挟持されたSTN(Super Twisted Nematic)液晶組成物からなる液晶層522により概略構成されており、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置している。
なお、図示していないが、対向基板521およびカラーフィルタ500の外面(液晶層522側とは反対側の面)には偏光板がそれぞれ配設され、また対向基板521側に位置する偏光板の外側には、バックライトが配設されている。
【0045】
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層側)には、図8において左右方向に長尺な短冊状の第1電極523が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極523のカラーフィルタ500側とは反対側の面を覆うように第1配向膜524が形成されている。
一方、対向基板521におけるカラーフィルタ500と対向する面には、カラーフィルタ500の第1電極523と直交する方向に長尺な短冊状の第2電極526が所定の間隔で複数形成され、この第2電極526の液晶層522側の面を覆うように第2配向膜527が形成されている。これらの第1電極523および第2電極526は、ITOなどの透明導電材料により形成されている。
【0046】
液晶層522内に設けられたスペーサ528は、液晶層522の厚さ(セルギャップ)を一定に保持するための部材である。また、シール材529は液晶層522内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するための部材である。なお、第1電極523の一端部は引き回し配線523aとしてシール材529の外側まで延在している。
そして、第1電極523と第2電極526とが交差する部分が画素であり、この画素となる部分に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
【0047】
通常の製造工程では、カラーフィルタ500に、第1電極523のパターニングおよび第1配向膜524の塗布を行ってカラーフィルタ500側の部分を作成すると共に、これとは別に対向基板521に、第2電極526のパターニングおよび第2配向膜527の塗布を行って対向基板521側の部分を作成する。その後、対向基板521側の部分にスペーサ528およびシール材529を作り込み、この状態でカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる。次いで、シール材529の注入口から液晶層522を構成する液晶を注入し、注入口を閉止する。その後、両偏光板およびバックライトを積層する。
【0048】
実施形態の液滴吐出装置1は、例えば上記のセルギャップを構成するスペーサ材料(機能液)を塗布すると共に、対向基板521側の部分にカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる前に、シール材529で囲んだ領域に液晶(機能液)を均一に塗布することが可能である。また、上記のシール材529の印刷を、機能液滴吐出ヘッド17で行うことも可能である。さらに、第1・第2両配向膜524,527の塗布を機能液滴吐出ヘッド17で行うことも可能である。
【0049】
図9は、本実施形態において製造したカラーフィルタ500を用いた液晶装置の第2の例の概略構成を示す要部断面図である。
この液晶装置530が上記液晶装置520と大きく異なる点は、カラーフィルタ500を図中下側(観測者側とは反対側)に配置した点である。
この液晶装置530は、カラーフィルタ500とガラス基板等からなる対向基板531との間にSTN液晶からなる液晶層532が挟持されて概略構成されている。なお、図示していないが、対向基板531およびカラーフィルタ500の外面には偏光板等がそれぞれ配設されている。
【0050】
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層532側)には、図中奥行き方向に長尺な短冊状の第1電極533が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極533の液晶層532側の面を覆うように第1配向膜534が形成されている。
対向基板531のカラーフィルタ500と対向する面上には、カラーフィルタ500側の第1電極533と直交する方向に延在する複数の短冊状の第2電極536が所定の間隔で形成され、この第2電極536の液晶層532側の面を覆うように第2配向膜537が形成されている。
【0051】
液晶層532には、この液晶層532の厚さを一定に保持するためのスペーサ538と、液晶層532内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するためのシール材539が設けられている。
そして、上記した液晶装置520と同様に、第1電極533と第2電極536との交差する部分が画素であり、この画素となる部位に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
【0052】
図10は、本発明を適用したカラーフィルタ500を用いて液晶装置を構成した第3の例を示したもので、透過型のTFT(Thin Film Transistor)型液晶装置の概略構成を示す分解斜視図である。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置したものである。
【0053】
この液晶装置550は、カラーフィルタ500と、これに対向するように配置された対向基板551と、これらの間に挟持された図示しない液晶層と、カラーフィルタ500の上面側(観測者側)に配置された偏光板555と、対向基板551の下面側に配設された偏光板(図示せず)とにより概略構成されている。
カラーフィルタ500の保護膜509の表面(対向基板551側の面)には液晶駆動用の電極556が形成されている。この電極556は、ITO等の透明導電材料からなり、後述の画素電極560が形成される領域全体を覆う全面電極となっている。また、この電極556の画素電極560とは反対側の面を覆った状態で配向膜557が設けられている。
【0054】
対向基板551のカラーフィルタ500と対向する面には絶縁層558が形成されており、この絶縁層558上には、走査線561および信号線562が互いに直交する状態で形成されている。そして、これらの走査線561と信号線562とに囲まれた領域内には画素電極560が形成されている。なお、実際の液晶装置では、画素電極560上に配向膜が設けられるが、図示を省略している。
【0055】
また、画素電極560の切欠部と走査線561と信号線562とに囲まれた部分には、ソース電極、ドレイン電極、半導体、およびゲート電極とを具備する薄膜トランジスタ563が組み込まれて構成されている。そして、走査線561と信号線562に対する信号の印加によって薄膜トランジスタ563をオン・オフして画素電極560への通電制御を行うことができるように構成されている。
【0056】
なお、上記の各例の液晶装置520,530,550は、透過型の構成としたが、反射層あるいは半透過反射層を設けて、反射型の液晶装置あるいは半透過反射型の液晶装置とすることもできる。
【0057】
次に、図11は、有機EL装置の表示領域(以下、単に表示装置600と称する)の要部断面図である。
【0058】
この表示装置600は、基板(W)601上に、回路素子部602、発光素子部603および陰極604が積層された状態で概略構成されている。
この表示装置600においては、発光素子部603から基板601側に発した光が、回路素子部602および基板601を透過して観測者側に出射されると共に、発光素子部603から基板601の反対側に発した光が陰極604により反射された後、回路素子部602および基板601を透過して観測者側に出射されるようになっている。
【0059】
回路素子部602と基板601との間にはシリコン酸化膜からなる下地保護膜606が形成され、この下地保護膜606上(発光素子部603側)に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜607が形成されている。この半導体膜607の左右の領域には、ソース領域607aおよびドレイン領域607bが高濃度陽イオン打ち込みによりそれぞれ形成されている。そして陽イオンが打ち込まれない中央部がチャネル領域607cとなっている。
【0060】
また、回路素子部602には、下地保護膜606および半導体膜607を覆う透明なゲート絶縁膜608が形成され、このゲート絶縁膜608上の半導体膜607のチャネル領域607cに対応する位置には、例えばAl、Mo、Ta、Ti、W等から構成されるゲート電極609が形成されている。このゲート電極609およびゲート絶縁膜608上には、透明な第1層間絶縁膜611aと第2層間絶縁膜611bが形成されている。また、第1、第2層間絶縁膜611a、611bを貫通して、半導体膜607のソース領域607a、ドレイン領域607bにそれぞれ連通するコンタクトホール612a,612bが形成されている。
【0061】
そして、第2層間絶縁膜611b上には、ITO等からなる透明な画素電極613が所定の形状にパターニングされて形成され、この画素電極613は、コンタクトホール612aを通じてソース領域607aに接続されている。
また、第1層間絶縁膜611a上には電源線614が配設されており、この電源線614は、コンタクトホール612bを通じてドレイン領域607bに接続されている。
【0062】
このように、回路素子部602には、各画素電極613に接続された駆動用の薄膜トランジスタ615がそれぞれ形成されている。
【0063】
上記発光素子部603は、複数の画素電極613上の各々に積層された機能層617と、各画素電極613および機能層617の間に備えられて各機能層617を区画するバンク部618とにより概略構成されている。
これら画素電極613、機能層617、および、機能層617上に配設された陰極604によって発光素子が構成されている。なお、画素電極613は、平面視略矩形状にパターニングされて形成されており、各画素電極613の間にバンク部618が形成されている。
【0064】
バンク部618は、例えばSiO、SiO2、TiO2等の無機材料により形成される無機物バンク層618a(第1バンク層)と、この無機物バンク層618a上に積層され、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性に優れたレジストにより形成される断面台形状の有機物バンク層618b(第2バンク層)とにより構成されている。このバンク部618の一部は、画素電極613の周縁部上に乗上げた状態で形成されている。
そして、各バンク部618の間には、画素電極613に対して上方に向けて次第に拡開した開口部619が形成されている。
【0065】
上記機能層617は、開口部619内において画素電極613上に積層状態で形成された正孔注入/輸送層617aと、この正孔注入/輸送層617a上に形成された発光層617bとにより構成されている。なお、この発光層617bに隣接してその他の機能を有する他の機能層をさらに形成しても良い。例えば、電子輸送層を形成することも可能である。
正孔注入/輸送層617aは、画素電極613側から正孔を輸送して発光層617bに注入する機能を有する。この正孔注入/輸送層617aは、正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物(機能液)を吐出することで形成される。正孔注入/輸送層形成材料としては、公知の材料を用いる。
【0066】
発光層617bは、赤色(R)、緑色(G)、または青色(B)のいずれかに発光するもので、発光層形成材料(発光材料)を含む第2組成物(機能液)を吐出することで形成される。第2組成物の溶媒(非極性溶媒)としては、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な公知の材料を用いることが好ましく、このような非極性溶媒を発光層617bの第2組成物に用いることにより、正孔注入/輸送層617aを再溶解させることなく発光層617bを形成することができる。
【0067】
そして、発光層617bでは、正孔注入/輸送層617aから注入された正孔と、陰極604から注入される電子が発光層で再結合して発光するように構成されている。
【0068】
陰極604は、発光素子部603の全面を覆う状態で形成されており、画素電極613と対になって機能層617に電流を流す役割を果たす。なお、この陰極604の上部には図示しない封止部材が配置される。
【0069】
次に、上記の表示装置600の製造工程を図12〜図20を参照して説明する。
この表示装置600は、図12に示すように、バンク部形成工程(S111)、表面処理工程(S112)、正孔注入/輸送層形成工程(S113)、発光層形成工程(S114)、および対向電極形成工程(S115)を経て製造される。なお、製造工程は例示するものに限られるものではなく必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。
【0070】
まず、バンク部形成工程(S111)では、図13に示すように、第2層間絶縁膜611b上に無機物バンク層618aを形成する。この無機物バンク層618aは、形成位置に無機物膜を形成した後、この無機物膜をフォトリソグラフィ技術等によりパターニングすることにより形成される。このとき、無機物バンク層618aの一部は画素電極613の周縁部と重なるように形成される。
無機物バンク層618aを形成したならば、図14に示すように、無機物バンク層618a上に有機物バンク層618bを形成する。この有機物バンク層618bも無機物バンク層618aと同様にフォトリソグラフィ技術等によりパターニングして形成される。
このようにしてバンク部618が形成される。また、これに伴い、各バンク部618間には、画素電極613に対して上方に開口した開口部619が形成される。この開口部619は、画素領域を規定する。
【0071】
表面処理工程(S112)では、親液化処理および撥液化処理が行われる。親液化処理を施す領域は、無機物バンク層618aの第1積層部618aaおよび画素電極613の電極面613aであり、これらの領域は、例えば酸素を処理ガスとするプラズマ処理によって親液性に表面処理される。このプラズマ処理は、画素電極613であるITOの洗浄等も兼ねている。
また、撥液化処理は、有機物バンク層618bの壁面618sおよび有機物バンク層618bの上面618tに施され、例えば四フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化処理(撥液性に処理)される。
この表面処理工程を行うことにより、機能液滴吐出ヘッド17を用いて機能層617を形成する際に、機能液滴を画素領域に、より確実に着弾させることができ、また、画素領域に着弾した機能液滴が開口部619から溢れ出るのを防止することが可能となる。
【0072】
そして、以上の工程を経ることにより、表示装置基体600Aが得られる。この表示装置基体600Aは、図1に示した液滴吐出装置1のセットテーブル22に載置され、以下の正孔注入/輸送層形成工程(S113)および発光層形成工程(S114)が行われる。
【0073】
図15に示すように、正孔注入/輸送層形成工程(S113)では、機能液滴吐出ヘッド17から正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物を画素領域である各開口部619内に吐出する。その後、図16に示すように、乾燥処理および熱処理を行い、第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、画素電極(電極面613a)613上に正孔注入/輸送層617aを形成する。
【0074】
次に発光層形成工程(S114)について説明する。この発光層形成工程では、上述したように、正孔注入/輸送層617aの再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる第2組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な非極性溶媒を用いる。
しかしその一方で、正孔注入/輸送層617aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617a上に吐出しても、正孔注入/輸送層617aと発光層617bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層617bを均一に塗布できない虞がある。
そこで、非極性溶媒並びに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層617aの表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面処理(表面改質処理)を行うことが好ましい。この表面処理は、発光層形成の際に用いる第2組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質材を、正孔注入/輸送層617a上に塗布し、これを乾燥させることにより行う。
このような処理を施すことで、正孔注入/輸送層617aの表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617aに均一に塗布することができる。
【0075】
そして次に、図17に示すように、各色のうちのいずれか(図17の例では青色(B))に対応する発光層形成材料を含有する第2組成物を機能液滴として画素領域(開口部619)内に所定量打ち込む。画素領域内に打ち込まれた第2組成物は、正孔注入/輸送層617a上に広がって開口部619内に満たされる。なお、万一、第2組成物が画素領域から外れてバンク部618の上面618t上に着弾した場合でも、この上面618tは、上述したように撥液処理が施されているので、第2組成物が開口部619内に転がり込み易くなっている。
【0076】
その後、乾燥工程等を行うことにより、吐出後の第2組成物を乾燥処理し、第2組成物に含まれる非極性溶媒を蒸発させ、図18に示すように、正孔注入/輸送層617a上に発光層617bが形成される。この図の場合、青色(B)に対応する発光層617bが形成されている。
【0077】
同様に、機能液滴吐出ヘッド17を用い、図19に示すように、上記した青色(B)に対応する発光層617bの場合と同様の工程を順次行い、他の色(赤色(R)および緑色(G))に対応する発光層617bを形成する。なお、発光層617bの形成順序は、例示した順序に限られるものではなく、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層形成材料に応じて形成する順番を決めることも可能である。また、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
【0078】
以上のようにして、画素電極613上に機能層617、即ち、正孔注入/輸送層617aおよび発光層617bが形成される。そして、対向電極形成工程(S115)に移行する。
【0079】
対向電極形成工程(S115)では、図20に示すように、発光層617bおよび有機物バンク層618bの全面に陰極604(対向電極)を、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等によって形成する。この陰極604は、本実施形態においては、例えば、カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成されている。
この陰極604の上部には、電極としてのAl膜、Ag膜や、その酸化防止のためのSiO2、SiN等の保護層が適宜設けられる。
【0080】
このようにして陰極604を形成した後、この陰極604の上部を封止部材により封止する封止処理や配線処理等のその他処理等を施すことにより、表示装置600が得られる。
【0081】
次に、図21は、プラズマ型表示装置(PDP装置:以下、単に表示装置700と称する)の要部分解斜視図である。なお、同図では表示装置700を、その一部を切り欠いた状態で示してある。
この表示装置700は、互いに対向して配置された第1基板701、第2基板702、およびこれらの間に形成される放電表示部703を含んで概略構成される。放電表示部703は、複数の放電室705により構成されている。これらの複数の放電室705のうち、赤色放電室705R、緑色放電室705G、青色放電室705Bの3つの放電室705が組になって1つの画素を構成するように配置されている。
【0082】
第1基板701の上面には所定の間隔で縞状にアドレス電極706が形成され、このアドレス電極706と第1基板701の上面とを覆うように誘電体層707が形成されている。誘電体層707上には、各アドレス電極706の間に位置し、且つ各アドレス電極706に沿うように隔壁708が立設されている。この隔壁708は、図示するようにアドレス電極706の幅方向両側に延在するものと、アドレス電極706と直交する方向に延設された図示しないものを含む。
そして、この隔壁708によって仕切られた領域が放電室705となっている。
【0083】
放電室705内には蛍光体709が配置されている。蛍光体709は、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの色の蛍光を発光するもので、赤色放電室705Rの底部には赤色蛍光体709Rが、緑色放電室705Gの底部には緑色蛍光体709Gが、青色放電室705Bの底部には青色蛍光体709Bが各々配置されている。
【0084】
第2基板702の図中下側の面には、上記アドレス電極706と直交する方向に複数の表示電極711が所定の間隔で縞状に形成されている。そして、これらを覆うように誘電体層712、およびMgOなどからなる保護膜713が形成されている。
第1基板701と第2基板702とは、アドレス電極706と表示電極711が互いに直交する状態で対向させて貼り合わされている。なお、上記アドレス電極706と表示電極711は図示しない交流電源に接続されている。
そして、各電極706,711に通電することにより、放電表示部703において蛍光体709が励起発光し、カラー表示が可能となる。
【0085】
本実施形態においては、上記アドレス電極706、表示電極711、および蛍光体709を、図2に示した液滴吐出装置1を用いて形成することができる。以下、第1基板701におけるアドレス電極706の形成工程を例示する。
この場合、第1基板701を液滴吐出装置1のセットテーブル22に載置された状態で以下の工程が行われる。
まず、機能液滴吐出ヘッド17により、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴としてアドレス電極形成領域に着弾させる。この液体材料は、導電膜配線形成用材料として、金属等の導電性微粒子を分散媒に分散したものである。この導電性微粒子としては、金、銀、銅、パラジウム、またはニッケル等を含有する金属微粒子や、導電性ポリマー等が用いられる。
【0086】
補充対象となるすべてのアドレス電極形成領域について液体材料の補充が終了したならば、吐出後の液体材料を乾燥処理し、液体材料に含まれる分散媒を蒸発させることによりアドレス電極706が形成される。
【0087】
ところで、上記においてはアドレス電極706の形成を例示したが、上記表示電極711および蛍光体709についても上記各工程を経ることにより形成することができる。
表示電極711の形成の場合、アドレス電極706の場合と同様に、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴として表示電極形成領域に着弾させる。
また、蛍光体709の形成の場合には、各色(R,G,B)に対応する蛍光材料を含んだ液体材料(機能液)を機能液滴吐出ヘッド17から液滴として吐出し、対応する色の放電室705内に着弾させる。
【0088】
次に、図22は、電子放出装置(FED装置あるいはSED装置ともいう:以下、単に表示装置800と称する)の要部断面図である。なお、同図では表示装置800を、その一部を断面として示してある。
この表示装置800は、互いに対向して配置された第1基板801、第2基板802、およびこれらの間に形成される電界放出表示部803を含んで概略構成される。電界放出表示部803は、マトリクス状に配置した複数の電子放出部805により構成されている。
【0089】
第1基板801の上面には、カソード電極806を構成する第1素子電極806aおよび第2素子電極806bが相互に直交するように形成されている。また、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bで仕切られた部分には、ギャップ808を形成した導電性膜807が形成されている。すなわち、第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807により複数の電子放出部805が構成されている。導電性膜807は、例えば酸化パラジウム(PdO)等で構成され、またギャップ808は、導電性膜807を成膜した後、フォーミング等で形成される。
【0090】
第2基板802の下面には、カソード電極806に対峙するアノード電極809が形成されている。アノード電極809の下面には、格子状のバンク部811が形成され、このバンク部811で囲まれた下向きの各開口部812に、電子放出部805に対応するように蛍光体813が配置されている。蛍光体813は、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの色の蛍光を発光するもので、各開口部812には、赤色蛍光体813R、緑色蛍光体813Gおよび青色蛍光体813Bが、上記した所定のパターンで配置されている。
【0091】
そして、このように構成した第1基板801と第2基板802とは、微小な間隙を存して貼り合わされている。この表示装置800では、導電性膜(ギャップ808)807を介して、陰極である第1素子電極806aまたは第2素子電極806bから飛び出す電子を、陽極であるアノード電極809に形成した蛍光体813に当てて励起発光し、カラー表示が可能となる。
【0092】
この場合も、他の実施形態と同様に、第1素子電極806a、第2素子電極806b、導電性膜807およびアノード電極809を、液滴吐出装置1を用いて形成することができると共に、各色の蛍光体813R,813G,813Bを、液滴吐出装置1を用いて形成することができる。
【0093】
第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807は、図23(a)に示す平面形状を有しており、これらを成膜する場合には、図23(b)に示すように、予め第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807を作り込む部分を残して、バンク部BBを形成(フォトリソグラフィ法)する。次に、バンク部BBにより構成された溝部分に、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bを形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)し、その溶剤を乾燥させて成膜を行った後、導電性膜807を形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)する。そして、導電性膜807を成膜後、バンク部BBを取り除き(アッシング剥離処理)、上記のフォーミング処理に移行する。なお、上記の有機EL装置の場合と同様に、第1基板801および第2基板802に対する親液化処理や、バンク部811,BBに対する撥液化処理を行うことが、好ましい。
【0094】
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられる。上記した液滴吐出装置1を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】第1実施形態に係る液滴吐出装置の平面模式図である。
【図2】Y軸テーブルの断面模式図である。
【図3】液滴吐出装置に搭載した機能液滴吐出ヘッドの外観斜視図である。
【図4】第1実施形態に係るインターフェース基板の模式図である。
【図5】シールドツイストペアケーブルの断面図である。
【図6】インターフェース基板のブロック図である。
【図7】第2実施形態に係るインターフェース基板の模式図である。
【図8】カラーフィルタ製造工程を説明するフローチャートである。
【図9】(a)〜(e)は、製造工程順に示したカラーフィルタの模式断面図である。
【図10】本発明を適用したカラーフィルタを用いた液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図11】本発明を適用したカラーフィルタを用いた第2の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図12】本発明を適用したカラーフィルタを用いた第3の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図13】有機EL装置である表示装置の要部断面図である。
【図14】有機EL装置である表示装置の製造工程を説明するフローチャートである。
【図15】無機物バンク層の形成を説明する工程図である。
【図16】有機物バンク層の形成を説明する工程図である。
【図17】正孔注入/輸送層を形成する過程を説明する工程図である。
【図18】正孔注入/輸送層が形成された状態を説明する工程図である。
【図19】青色の発光層を形成する過程を説明する工程図である。
【図20】青色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。
【図21】各色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。
【図22】陰極の形成を説明する工程図である。
【図23】プラズマ型表示装置(PDP装置)である表示装置の要部分解斜視図である。
【図24】電子放出装置(FED装置)である表示装置の要部断面図である。
【図25】表示装置の電子放出部廻りの平面図(a)およびその形成方法を示す平面図(b)である。
【符号の説明】
【0096】
1…液滴吐出装置 17…機能液滴吐出ヘッド 32…ヘッド駆動ドライバ 62a…アナログ信号用入力端子 62b…デジタル信号用入力端子 63a…アナログ信号用出力端子 63b…デジタル信号用出力端子 64…基板内配線 65…基板外配線 67…シールドツイストペアケーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル信号用入力端子とデジタル信号用出力端子との間でプリント配線されたデジタル信号伝送用の基板内配線と、
アナログ信号用入力端子とアナログ信号用出力端子との間でケーブル配線されたアナログ信号伝送用の基板外配線と、
を備えたことを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記基板外配線は、シールドケーブルで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
入力したデジタル信号をアナログ信号に変換して出力するD/A変換回路を、さらに備えており、
前記アナログ信号用入力端子が、前記D/A変換回路の出力端子であり、前記デジタル信号用出力端子が、前記D/A変換回路の入力端子であることを特徴とする請求項1または2に記載の回路基板。
【請求項4】
入力したアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するA/D変換回路を、さらに備えており、
前記アナログ信号用出力端子が、前記A/D変換回路の入力端子であり、前記デジタル信号用入力端子が、前記A/D変換回路の出力端子であることを特徴とする請求項1または2に記載の回路基板。
【請求項5】
ワークに対し機能液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、
前記液滴吐出ヘッドを駆動するためのヘッド駆動回路基板と、
前記液滴吐出ヘッドと前記ヘッド駆動回路基板とのインターフェースとなる請求項1ないし4のいずれかに記載の回路基板と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項6】
請求項5に記載の液滴吐出装置を用い、前記ワークに前記機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項7】
請求項5に記載の液滴吐出装置を用い、前記ワークに前記機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする電気光学装置。
【請求項8】
請求項6に記載の電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置または請求項7に記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
【請求項1】
デジタル信号用入力端子とデジタル信号用出力端子との間でプリント配線されたデジタル信号伝送用の基板内配線と、
アナログ信号用入力端子とアナログ信号用出力端子との間でケーブル配線されたアナログ信号伝送用の基板外配線と、
を備えたことを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記基板外配線は、シールドケーブルで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
入力したデジタル信号をアナログ信号に変換して出力するD/A変換回路を、さらに備えており、
前記アナログ信号用入力端子が、前記D/A変換回路の出力端子であり、前記デジタル信号用出力端子が、前記D/A変換回路の入力端子であることを特徴とする請求項1または2に記載の回路基板。
【請求項4】
入力したアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するA/D変換回路を、さらに備えており、
前記アナログ信号用出力端子が、前記A/D変換回路の入力端子であり、前記デジタル信号用入力端子が、前記A/D変換回路の出力端子であることを特徴とする請求項1または2に記載の回路基板。
【請求項5】
ワークに対し機能液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、
前記液滴吐出ヘッドを駆動するためのヘッド駆動回路基板と、
前記液滴吐出ヘッドと前記ヘッド駆動回路基板とのインターフェースとなる請求項1ないし4のいずれかに記載の回路基板と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項6】
請求項5に記載の液滴吐出装置を用い、前記ワークに前記機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項7】
請求項5に記載の液滴吐出装置を用い、前記ワークに前記機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする電気光学装置。
【請求項8】
請求項6に記載の電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置または請求項7に記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2007−149854(P2007−149854A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−340624(P2005−340624)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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