説明

回転速度検出装置付き車輪用軸受装置

【課題】磁気センサに入力される磁束を確保すると共に、気密性を高めて信頼性を向上させた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】シール板21の芯金24が防錆処理された冷間圧延鋼鈑からなり、その円筒部24aの回転速度センサ29が配置される領域に径方向外方に開口する窓31が設けられ、この窓31内にセンサホルダ20の樹脂材が回り込んで充填され、回転速度センサ29の検出面が窓31の外径側開口端と面一になるように配置されると共に、窓31は、回転速度センサ29のセンサ素子面32のある位置がすべて露出するよう形成され、窓31の円周方向幅が磁気エンコーダ28の2磁極分の幅以下に形成され、窓31の軸方向幅が芯金24の円筒部24aの軸方向幅の三分の二以下、かつ窓31の内縁から芯金24の円筒部24aの端縁までの縁幅dが1mm以上になるように設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車輪の回転速度を検出する回転速度センサを内蔵した回転速度検出装置付き車輪用軸受装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承すると共に、アンチロックブレーキシステム(ABS)を制御するために車輪の回転速度を検出する装置が軸受に内蔵された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置が一般的に知られている。従来、このような車輪用軸受装置は、転動体を介して転接する内方部材および外方部材の間にシール装置が設けられ、円周方向に磁極を交互に並べてなる磁気エンコーダを前記シール装置に一体化させると共に、磁気エンコーダと、この磁気エンコーダに対面配置され、車輪の回転に伴う磁気エンコーダの磁極変化を検出する回転速度センサとで回転速度検出装置が構成されている。
【0003】
前記回転速度センサは、懸架装置を構成するナックルに車輪用軸受装置が装着された後、当該ナックルに装着されているものが一般的である。しかし、この回転速度センサと磁気エンコーダとのエアギャップ調整作業の煩雑さを解消すると共に、よりコンパクト化を狙って最近では、回転速度センサをも軸受に内蔵した回転速度検出装置付き車輪用軸受装置が提案されている。
【0004】
このような回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の一例として図5に示すような構造が知られている。この回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、ハブ輪55と複列の転がり軸受50がユニット化され、この複列の転がり軸受50と等速自在継手61が着脱自在に結合されている。複列の転がり軸受50は、外方部材51と内方部材52と複列のボール53、53とを備えている。外方部材51は、外周に懸架装置を構成するナックル54に取り付けられるための車体取付フランジ51bを一体に有し、内周に複列の外側転走面51a、51aが一体に形成されている。
【0005】
一方、内方部材52は、ハブ輪55と、このハブ輪55に固定された内輪56とからなる。ハブ輪55は、一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ55dを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面51a、51aの一方に対向する内側転走面55aと、この内側転走面55aから軸方向に延びる円筒状の小径段部55bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション55cが形成されている。
【0006】
内輪56は、外周に前記複列の外側転走面51a、51aの他方に対向する内側転走面56aが形成され、ハブ輪55の小径段部55bに所定のシメシロを介して圧入されている。そして、小径段部55bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部57によって内輪56が軸方向に固定されている。
【0007】
外方部材51の複列の外側転走面51a、51aと、これらに対向するハブ輪55の内側転走面55aおよび内輪56の内側転走面56a間には複列のボール53、53が収容され、保持器58、58によって転動自在に保持されている。また、外方部材51と内方部材52との間に形成される環状空間の開口部にはシール59、60が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
【0008】
等速自在継手61は、外側継手部材62と継手内輪63とケージ64およびトルク伝達ボール65からなる。外側継手部材65は、カップ状のマウス部66と、このマウス部66の底部をなす肩部67と、この肩部67から軸方向に延びる軸部68とを一体に有している。軸部68の外周にはハブ輪55のセレーション55cに係合するセレーション68aと、このセレーション68aの端部に雄ねじ68bが形成されている。そして、ハブ輪55にこの外側継手部材62がセレーション55c、68aを介してトルク伝達可能に内嵌され、雄ねじ68bに締結された固定ナット69によってハブ輪55と外側継手部材62が着脱自在にユニット化されている。
【0009】
シール60は、図6に示すように、第1のシールリング70と第2のシールリング71とが組み合わされた、所謂パックシールで構成されている。第1のシールリング70は、後述するコネクタ81にインサート成形される円筒部72aと、この円筒部72aから径方向に延びる内径部72bとからなり、断面が略L字状に形成された芯金72と、この芯金72の内径部72bに被着され、主リップ73aと補助リップ73bからなるシール部材73とからなる。
【0010】
第2のシールリング71は内輪56に装着され、断面が略L字状に形成されたスリンガ74と、このスリンガ74に被着されたラジアルリップ75とからなる。この第2のシールリング71にパルサリング76が取り付けられている。パルサリング76は、スリンガ74に外嵌され、断面が略コの字状に形成された芯金77と、この芯金77に被着された多極磁石ロータ78からなる。この多極磁石ロータ78は、磁性粉を含有したゴムまたは樹脂を加硫接着して周方向交互にN極、S極を配置するように径方向から着磁されている。
【0011】
ここで、第1のシールリング70における芯金72の外周面全周にはセンサホルダ79が積層されている。このセンサホルダ79はポリフェニレンサルファイド(PPS)等の非磁性の樹脂材で形成され、磁気センサ80が埋設されている。そして、センサホルダ79の円周所定位置には、磁気センサ80と車体の電子回路に接続されたハーネス(図示せず)とを結線する雌型のコネクタ81が径方向外方に突出する状態で一体に形成されている。
【0012】
このように、ラジアルリップ75がパルサリング76よりも外側に配置されているので、パルサリング76がダスト等により汚れるのを防止することができると共に、第1のシールリング70の主リップ73aおよび補助リップ73bによってボール53および転走面から隔離されているので、ボール53の回転によって生じる金属摩耗粉等がパルサリング76に付着するのを防止することができ、検出精度の低下を回避することができる。
【0013】
また、第1のシールリング70を構成する芯金72の円筒部72aにおいて、磁気センサ80が配置される領域には、図7に示すように、径方向外方に開口する窓82が設けられている。この窓82は、径方向から見て磁気センサ80の外形よりも大きい寸法形状、あるいは磁気センサ80の外形とほぼ同じ寸法形状とされ、この窓82内に樹脂製外装体83が充填されている。なお、磁気センサ80は、その検出面が窓82の外径側開口端と面一になるように配置されている(図6参照)。
【0014】
このような窓82を設けることにより、磁気センサ80とパルサリング76との対向面間に金属材が介在されなくなるため、図8に示すように、回転動作時において、パルサリング76から発する磁力線が芯金72の窓82を通過することになって、芯金72を磁力線が通過することに伴って発生する渦電流が原因となって磁気センサ80の検出動作を低下させるような現象が発生せずに済む。さらに、このことに加えて、磁気センサ80とパルサリング76との対向間隔を狭くすることが可能となるので、磁気センサ80の検出精度を高めることが可能となる。
【特許文献1】特開2005−98333号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
こうした従来の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、芯金72は、磁気センサ80が取り付けられる関係、すなわち、磁気シールドしないように、非磁性ステンレス鋼(JIS規格SUS304等)からなる非磁性材で形成されている。然しながら、この種の非磁性材は高価であるため、芯金72の材質としては、材料価格が低く加工性が良好な冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系)等のリーズナブルな磁性材が有利であるが、この芯金72に磁性材を使用した場合、その窓82の寸法が小さ過ぎると、多極磁石ロータ78と磁気センサ80間の磁束が減少して機能低下に繋がり好ましくない。一方、窓82の寸法が大き過ぎると、芯金72の強度が低下すると共に、芯金72とコネクタ81の樹脂モールドの密着性が減少し、これが気密性低下に繋がって信頼性が低下すると言った問題点があった。
【0016】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、磁気センサに入力される磁束を確保すると共に、気密性を高めて信頼性を向上させた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、外周に懸架装置に取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、前記外方部材のインナー側の端部に装着され、非磁性の合成樹脂を射出成形によって形成されて回転速度センサが包埋されたセンサホルダとを備え、前記シールのうちインナー側のシールが、互いに対向して配置され、断面が略L字状に形成された環状のシール板と、前記内輪の外径に装着され、鋼板をプレス加工によって断面略L字状に形成されたスリンガとを備え、円周方向に交互にかつ等間隔に磁極N、Sが着磁された磁気エンコーダを有するパルサリングが前記スリンガに外嵌されると共に、前記シール板が、前記センサホルダにインサート成形される円筒部、およびこの円筒部から径方向に延びる内径部からなり、鋼板をプレス加工によって断面略L字状に形成された芯金と、この芯金の内径部に一体に接合されたシール部材とからなる回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記芯金の円筒部の前記回転速度センサが配置される領域に径方向外方に開口する窓が設けられ、この窓内に前記センサホルダの樹脂材が回り込んで充填され、前記回転速度センサの検出面が当該窓の外径側開口端と面一になるように配置されると共に、前記窓は、前記回転速度センサのセンサ素子面のある位置がすべて露出するよう形成され、前記窓の円周方向幅が前記磁気エンコーダの2磁極分の幅以下に形成され、前記窓の軸方向幅が前記芯金の円筒部の軸方向幅の三分の二以下、かつ前記窓の内縁から前記芯金の円筒部の端縁までの幅が1mm以上になるように設定されている。
【0018】
このように、内輪回転タイプの回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、芯金の円筒部の回転速度センサが配置される領域に径方向外方に開口する窓が設けられ、この窓内にセンサホルダの樹脂材が回り込んで充填され、回転速度センサの検出面が当該窓の外径側開口端と面一になるように配置されると共に、窓は、回転速度センサのセンサ素子面のある位置がすべて露出するよう形成され、窓の円周方向幅が磁気エンコーダの2磁極分の幅以下に形成され、窓の軸方向幅が芯金の円筒部の軸方向幅の三分の二以下、かつ窓の内縁から芯金の円筒部の端縁までの幅が1mm以上になるように設定されているので、回転速度センサと磁気エンコーダとの対向面間に金属材が介在されなくなるため、回転動作時において、渦電流の発生を抑えて磁気エンコーダから発する磁力線が芯金の窓を通過し、回転速度センサと磁気エンコーダとの対向間隔を狭くすることができ、磁気エンコーダと回転速度センサ間の磁束を確保することができると共に、芯金とセンサホルダの樹脂モールドとの密着性を確保することができ、回転速度センサの検出精度を高めると共に、信頼性を向上させることができる。
【0019】
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記芯金が防錆処理された冷間圧延鋼鈑で形成されていれば、材料価格が低く加工性が良好となり、低コスト化を図ることができる。
【0020】
また、請求項3に記載の発明のように、前記センサホルダの円周所定位置に前記回転速度センサと電子回路に接続されたハーネスとを結線するコネクタが径方向外方に所定の角度傾斜して突設されると共に、このコネクタに凹所が形成され、この凹所が前記外方部材のインナー側の端部を覆うように所定のシメシロを介して嵌合されていれば、ハーネスを結線する際、コネクタに直接圧入力が加わらず、この圧入力は外方部材の端部で受けることになるので、コネクタに無理な力が作用してシールや回転速度センサの位置精度が崩れることはなく、信頼性と組立性の向上を図ることができる。
【0021】
また、請求項4に記載の発明のように、前記パルサリングが、前記スリンガの円筒部に圧入され、磁性体の鋼鈑からプレス加工によって断面略コの字状に形成された芯金を有し、この芯金の外径部に前記磁気エンコーダが一体に接合されていれば、シールのコンパクト化を図ると共に、密封性を向上させることができる。
【0022】
また、請求項5に記載の発明のように、前記シール部材が複数のシールリップを一体に有し、これらシールリップが前記パルサリングの芯金に摺接されていれば、パルサリングがダスト等により汚れるのを防止することができ、検出精度の低下を回避することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、外周に懸架装置に取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、前記外方部材のインナー側の端部に装着され、非磁性の合成樹脂を射出成形によって形成されて回転速度センサが包埋されたセンサホルダとを備え、前記シールのうちインナー側のシールが、互いに対向して配置され、断面が略L字状に形成された環状のシール板と、前記内輪の外径に装着され、鋼板をプレス加工によって断面略L字状に形成されたスリンガとを備え、円周方向に交互にかつ等間隔に磁極N、Sが着磁された磁気エンコーダを有するパルサリングが前記スリンガに外嵌されると共に、前記シール板が、前記センサホルダにインサート成形される円筒部、およびこの円筒部から径方向に延びる内径部からなり、鋼板をプレス加工によって断面略L字状に形成された芯金と、この芯金の内径部に一体に接合されたシール部材とからなる回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記芯金の円筒部の前記回転速度センサが配置される領域に径方向外方に開口する窓が設けられ、この窓内に前記センサホルダの樹脂材が回り込んで充填され、前記回転速度センサの検出面が当該窓の外径側開口端と面一になるように配置されると共に、前記窓は、前記回転速度センサのセンサ素子面のある位置がすべて露出するよう形成され、前記窓の円周方向幅が前記磁気エンコーダの2磁極分の幅以下に形成され、前記窓の軸方向幅が前記芯金の円筒部の軸方向幅の三分の二以下、かつ前記窓の内縁から前記芯金の円筒部の端縁までの幅が1mm以上になるように設定されているので、回転速度センサと磁気エンコーダとの対向面間に金属材が介在されなくなるため、回転動作時において、渦電流の発生を抑えて磁気エンコーダから発する磁力線が芯金の窓を通過し、回転速度センサと磁気エンコーダとの対向間隔を狭くすることができ、磁気エンコーダと回転速度センサ間の磁束を確保することができると共に、芯金とセンサホルダの樹脂モールドとの密着性を確保することができ、回転速度センサの検出精度を高めると共に、信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
外周に懸架装置に取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、前記外方部材のインナー側の端部に装着され、非磁性の合成樹脂を射出成形によって形成されて回転速度センサが包埋されたセンサホルダとを備え、前記シールのうちインナー側のシールが、互いに対向して配置され、断面が略L字状に形成された環状のシール板と、前記内輪の外径に装着され、鋼板をプレス加工によって断面略L字状に形成されたスリンガとを備え、円周方向に交互にかつ等間隔に磁極N、Sが着磁された磁気エンコーダを有するパルサリングが前記スリンガに外嵌されると共に、前記シール板が、前記センサホルダにインサート成形される円筒部、およびこの円筒部から径方向に延びる内径部からなり、鋼板をプレス加工によって断面略L字状に形成された芯金と、この芯金の内径部に一体に接合されたシール部材とからなる回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記芯金が防錆処理された冷間圧延鋼鈑からなり、その円筒部の前記回転速度センサが配置される領域に径方向外方に開口する窓が設けられ、この窓内に前記センサホルダの樹脂材が回り込んで充填され、前記回転速度センサの検出面が当該窓の外径側開口端と面一になるように配置されると共に、前記窓は、前記回転速度センサのセンサ素子面のある位置がすべて露出するよう形成され、前記窓の円周方向幅が前記磁気エンコーダの2磁極分の幅以下に形成され、前記窓の軸方向幅が前記芯金の円筒部の軸方向幅の三分の二以下、かつ前記窓の内縁から前記芯金の円筒部の端縁までの幅が1mm以上になるように設定されている。
【実施例】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の要部拡大図、図3は、本発明に係る芯金単体を示す斜視図、図4は、図3の要部拡大図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図面左側)、中央寄り側をインナー側(図面右側)という。
【0026】
この回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は駆動輪用の第3世代構造と呼称され、ハブ輪1と複列の転がり軸受2および等速自在継手8をユニット化して構成されている。複列の転がり軸受2は、外方部材3と内方部材4と複列の転動体(ボール)5、5とを備えている。
【0027】
外方部材3はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、外周に懸架装置を構成するナックル(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ3bを一体に有し、内周に複列の外側転走面3a、3aが一体に形成されている。そして、これらの複列の外側転走面3a、3aが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
【0028】
一方、内方部材4は、ハブ輪1と、このハブ輪1に固定された内輪6とからなる。ハブ輪1は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ7を一体に有し、外周に前記複列の外側転走面3a、3aに対向するアウター側(一方)の内側転走面1aと、この内側転走面1aから軸方向に延びる円筒状の小径段部1bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)1cが形成されている。なお、車輪取付フランジ7の円周等配位置にはハブボルト7aが植設されている。
【0029】
ハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、後述するアウター側のシール10が摺接する車輪取付フランジ7の基部7bから内側転走面1aおよび小径段部1bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。なお、後述する加締部1dは未焼入れで鍛造後の表面硬さのままとされている。
【0030】
内輪6は、外周に前記複列の外側転走面3a、3aに対向するインナー側(他方)の内側転走面6aが形成され、ハブ輪1の小径段部1bに所定のシメシロを介して圧入されている。そして、この小径段部1bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部1dによってハブ輪1に対して内輪6が軸方向に固定されている。なお、内輪6および転動体5はSUJ2等の高炭素クロム鋼で形成され、ズブ焼入れによって芯部まで58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
【0031】
外方部材3の複列の外側転走面3a、3aと、これらに対向するハブ輪1の内側転走面1aおよび内輪6の内側転走面6a間には複列の転動体5、5が収容され、保持器9、9によって転動自在に保持されている。そして、内輪6の小径側(正面側)の端面がハブ輪1の肩部に突合せ状態で衝合し、所謂背面合せタイプの複列アンギュラ玉軸受を構成している。また、外方部材3と内方部材4との間に形成される環状空間の開口部にはシール10、11が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
【0032】
等速自在継手8は、外側継手部材12と継手内輪13とケージ14およびトルク伝達ボール15とを備えている。外側継手部材12は、カップ状のマウス部16と、このマウス部16の底部をなす肩部17と、この肩部17から軸方向に延びる軸部18とを一体に有している。軸部18の外周にはハブ輪1のセレーション1cに係合するセレーション18aと、このセレーション18aの端部に雄ねじ18bが形成されている。そして、ハブ輪1にこの外側継手部材12がセレーション1c、18aを介して加締部1dの端面と肩部17が衝合するまで内嵌され、雄ねじ18bに締結された固定ナット19によってハブ輪1と外側継手部材12がトルク伝達可能に、かつ着脱自在にユニット化されている。
【0033】
本実施形態では、センサホルダ20が外方部材3のインナー側の端部に装着されている。インナー側のシール11はこのセンサホルダ20と内輪6との間に形成される環状空間の開口部に装着されている。このシール11は、図3に示すように、断面が略L字状に形成された環状のシール板21とスリンガ22およびこのスリンガ22に外嵌されたパルサリング23を備え、互いに対向して配置されている。シール板21は、センサホルダ20にインサート成形される円筒部24aと、この円筒部24aから径方向に延びる内径部24bとからなる芯金24と、この芯金24の内径部24bに加硫接着等で一体に接合されたシール部材25とからなる。
【0034】
芯金24は、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工にて形成されている。また、シール部材25は合成ゴム等の弾性部材からなり、主リップ25aとグリースリップ25bを一体に有している。
【0035】
スリンガ22は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工にて形成され、内輪6の外径に圧入される円筒部22aと、この円筒部22aから径方向外方に延びる立板部22bとを有し、この立板部22bの端部にラジアルリップ26が加硫接着によって一体に接合されている。
【0036】
パルサリング23は、スリンガ22の円筒部22aに圧入される芯金27と、この芯金27の外径部に加硫接着により一体に接合された磁気エンコーダ28からなる。芯金27は、強磁性体の鋼鈑、例えば、フェライト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS430系等)あるいは防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からなり、プレス加工によって断面が略コの字状に形成されている。そして、シール部材25の主リップ25aとグリースリップ25bが芯金27に摺接されると共に、スリンガ22のラジアルリップ26が前記シール板21の芯金24に摺接されている。一方、磁気エンコーダ28は、ゴム等のエラストマにフェライト等の磁性体粉が混入されたゴム磁石からなり、周方向に交互に磁極N、Sが着磁され、車輪の回転速度検出用のロータリエンコーダを構成している。
【0037】
こうしたシール11を構成することにより、パルサリング23がダスト等により汚れるのを防止することができると共に、このパルサリング23に摺接するシール板21の主リップ25aおよびグリースリップ25bによって転動体5および各転走面から隔離されているので、転動体5の回転によって生じる金属摩耗粉等がパルサリング23に付着するのを防止することができ、検出精度の低下を回避することができる。
【0038】
本実施形態では、センサホルダ20はポリフェニレンサルファイド(PPS)等の非磁性の樹脂材で形成され、磁気エンコーダ28に所定の径方向すきま(エアギャップ)を介して対峙する回転速度センサ29が包埋されている。この回転速度センサ29は、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じて特性を変化させる磁気検出素子と、この磁気検出素子の出力波形を整える波形成形回路が組み込まれたICとからなる。これにより、低コストで信頼性の高い回転速度検出ができる。なお、センサホルダ20は前述した材質以外にもPA(ポリアミド)66、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の射出成形可能な合成樹脂を例示することができる。
【0039】
また、センサホルダ20の円周所定位置に、回転速度センサ29と車体の電子回路に接続されたハーネス(図示せず)とを結線する雌型のコネクタ30が一体に形成されている。このコネクタ30には凹所30aが形成され、外方部材3のインナー側の端部を覆うように所定のシメシロを介して嵌合されている。また、コネクタ30は径方向外方に所定の角度傾斜して突設されている。これにより、ハーネスを結線する際、コネクタ30に直接圧入力が加わらず、この圧入力は外方部材3の端部で受けることになるので、コネクタ30に無理な力が作用してシール11や回転速度センサ29の位置精度が崩れることはなく、信頼性と組立性の向上を図ると共に、組立精度を高めて所望の回転速度検出ができる回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。
【0040】
ここで、芯金24の円筒部24aにおいて、回転速度センサ29が配置される領域には、図3に示すように、径方向外方に開口する窓31が設けられている。そして、この窓31内に前述したセンサホルダ20の樹脂材が回り込んで充填されると共に、回転速度センサ29の検出面が窓31の外径側開口端と面一になるように配置されている。これにより、回転速度センサ29と磁気エンコーダ28との対向面間に金属材が介在されなくなるため、回転動作時において、渦電流の発生を抑えて磁気エンコーダ28から発する磁力線が芯金24の窓31を通過すると共に、回転速度センサ29と磁気エンコーダ28との対向間隔を狭くすることが可能となり、回転速度センサ29の検出精度を高めることができる。
【0041】
本実施形態では、窓31は、回転速度センサ29のセンサ素子(クリスタル)32面(図中クロスハッチングにて示す)のある位置がすべて露出して形成されると共に、その周方向幅が2磁極分以上だと芯金24の強度不足を招いたり水分が浸入しやすくなったりするため、周方向幅が、磁気エンコーダ28の2磁極分の幅以下に形成されている。また、窓31の軸方向幅が芯金24の円筒部24aの軸方向幅の三分の二以下、かつ窓31の内縁から芯金24の円筒部24aの端縁までの縁幅dが1mm以上になるように設定されている。
【0042】
このように、窓31の寸法形状を所定値に規定することにより、芯金24に材料価格が低く加工性が良好な冷間圧延鋼鈑等のリーズナブルな磁性材を使用することができると共に、磁気エンコーダ28と回転速度センサ29間の磁束の確保と芯金24とセンサホルダ30の樹脂モールドとの密着性の確保を両立させることができ、信頼性を向上させることができる。
【0043】
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、磁気エンコーダと、ホール素子等の磁気検出素子からなる回転速度センサとからなるアクティブタイプの回転速度検出装置が内蔵された車輪用軸受装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】本発明に係る芯金単体を示す斜視図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】従来の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を示す縦断面図である。
【図6】図5の要部拡大図である。
【図7】図5の芯金単体を示す斜視図である。
【図8】図5のパルサリングから放出される磁力線の様子を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
1・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、6a・・・・・・・・・・・・内側転走面
1b・・・・・・・・・・・・・・・小径段部
1c、18a・・・・・・・・・・・セレーション
1d・・・・・・・・・・・・・・・加締部
2・・・・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
3・・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
3a・・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
3b・・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
4・・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
5・・・・・・・・・・・・・・・・転動体
6・・・・・・・・・・・・・・・・内輪
6b・・・・・・・・・・・・・・・小径部
7・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
7a・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
7b・・・・・・・・・・・・・・・基部
8・・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
9・・・・・・・・・・・・・・・・保持器
10・・・・・・・・・・・・・・・アウター側のシール
11・・・・・・・・・・・・・・・インナー側のシール
12・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
13・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
14・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
15・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
16・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
17・・・・・・・・・・・・・・・肩部
18・・・・・・・・・・・・・・・軸部
18b・・・・・・・・・・・・・・雄ねじ
19・・・・・・・・・・・・・・・固定ナット
20・・・・・・・・・・・・・・・センサホルダ
21・・・・・・・・・・・・・・・シール板
22・・・・・・・・・・・・・・・スリンガ
22a、24a・・・・・・・・・・円筒部
22b・・・・・・・・・・・・・・立板部
23・・・・・・・・・・・・・・・パルサリング
24、27・・・・・・・・・・・・芯金
24b・・・・・・・・・・・・・・内径部
25・・・・・・・・・・・・・・・シール部材
25a・・・・・・・・・・・・・・主リップ
25b・・・・・・・・・・・・・・グリースリップ
26・・・・・・・・・・・・・・・ラジアルリップ
28・・・・・・・・・・・・・・・磁気エンコーダ
29・・・・・・・・・・・・・・・回転速度センサ
30・・・・・・・・・・・・・・・コネクタ
30a・・・・・・・・・・・・・・凹所
31・・・・・・・・・・・・・・・窓
31a・・・・・・・・・・・・・・内縁
32・・・・・・・・・・・・・・・センサ素子
50・・・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
51・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
51a・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
51b・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
52・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
53・・・・・・・・・・・・・・・ボール
54・・・・・・・・・・・・・・・ナックル
55・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
55a、56a・・・・・・・・・・内側転走面
55b・・・・・・・・・・・・・・小径段部
55c、68a・・・・・・・・・・セレーション
55d・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
56・・・・・・・・・・・・・・・内輪
57・・・・・・・・・・・・・・・加締部
58・・・・・・・・・・・・・・・保持器
59・・・・・・・・・・・・・・・アウター側のシール
60・・・・・・・・・・・・・・・インナー側のシール
61・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
62・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
63・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
64・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
65・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
66・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
67・・・・・・・・・・・・・・・肩部
68・・・・・・・・・・・・・・・軸部
68b・・・・・・・・・・・・・・雄ねじ
69・・・・・・・・・・・・・・・固定ナット
70・・・・・・・・・・・・・・・第1のシールリング
71・・・・・・・・・・・・・・・第2のシールリング
72、77・・・・・・・・・・・・芯金
72a・・・・・・・・・・・・・・円筒部
72b・・・・・・・・・・・・・・内径部
73・・・・・・・・・・・・・・・シール部材
73a・・・・・・・・・・・・・・主リップ
73b・・・・・・・・・・・・・・補助リップ
74・・・・・・・・・・・・・・・スリンガ
75・・・・・・・・・・・・・・・ラジアルリップ
76・・・・・・・・・・・・・・・パルサリング
78・・・・・・・・・・・・・・・多極磁石ロータ
79・・・・・・・・・・・・・・・センサホルダ
80・・・・・・・・・・・・・・・磁気センサ
81・・・・・・・・・・・・・・・コネクタ
82・・・・・・・・・・・・・・・窓
83・・・・・・・・・・・・・・・樹脂製外装体
d・・・・・・・・・・・・・・・・窓の縁幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周に懸架装置に取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、
前記外方部材のインナー側の端部に装着され、非磁性の合成樹脂を射出成形によって形成されて回転速度センサが包埋されたセンサホルダとを備え、
前記シールのうちインナー側のシールが、互いに対向して配置され、断面が略L字状に形成された環状のシール板と、前記内輪の外径に装着され、鋼板をプレス加工によって断面略L字状に形成されたスリンガとを備え、円周方向に交互にかつ等間隔に磁極N、Sが着磁された磁気エンコーダを有するパルサリングが前記スリンガに外嵌されると共に、
前記シール板が、前記センサホルダにインサート成形される円筒部、およびこの円筒部から径方向に延びる内径部からなり、鋼板をプレス加工によって断面略L字状に形成された芯金と、この芯金の内径部に一体に接合されたシール部材とからなる回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、
前記芯金の円筒部の前記回転速度センサが配置される領域に径方向外方に開口する窓が設けられ、この窓内に前記センサホルダの樹脂材が回り込んで充填され、前記回転速度センサの検出面が当該窓の外径側開口端と面一になるように配置されると共に、前記窓は、前記回転速度センサのセンサ素子面のある位置がすべて露出するよう形成され、前記窓の円周方向幅が前記磁気エンコーダの2磁極分の幅以下に形成され、前記窓の軸方向幅が前記芯金の円筒部の軸方向幅の三分の二以下、かつ前記窓の内縁から前記芯金の円筒部の端縁までの幅が1mm以上になるように設定されていることを特徴とする回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
【請求項2】
前記芯金が防錆処理された冷間圧延鋼鈑で形成されている請求項1に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
【請求項3】
前記センサホルダの円周所定位置に前記回転速度センサと電子回路に接続されたハーネスとを結線するコネクタが径方向外方に所定の角度傾斜して突設されると共に、このコネクタに凹所が形成され、この凹所が前記外方部材のインナー側の端部を覆うように所定のシメシロを介して嵌合されている請求項1または2に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
【請求項4】
前記パルサリングが、前記スリンガの円筒部に圧入され、磁性体の鋼鈑からプレス加工によって断面略コの字状に形成された芯金を有し、この芯金の外径部に前記磁気エンコーダが一体に接合されている請求項1乃至3いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
【請求項5】
前記シール部材が複数のシールリップを一体に有し、これらシールリップが前記パルサリングの芯金に摺接されている請求項4に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−267583(P2008−267583A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−115089(P2007−115089)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】