説明

回転電機

【課題】 コイルエンドに冷却媒体を均一に供給する。
【解決手段】 回転電機1のステータコイル22におけるコイルエンド22Eの軸方向両端部には、コイルエンド22Eの上半部には、回転軸20を中心としつつ、下方に向かって開口する略半円状の案内部材41が設けられる。コイルエンド22Eの下半部には、回転軸20を中心としつつ、上方に向かって開口する略半円状の案内部材42が設けられている。案内部材41、42は薄板よりなり、回転電機1の回転軸20と平行に略水平に突出する。上側の案内部材41はステータコイル22の内周に沿っており、ステータコイル22の内周直径と略等しい幅W1を有する。下側の案内部材42はステータコイル22の外周に沿っており、ステータコイル22の外周直径と略等しい幅W2を有する。幅W1は幅W2よりも小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回転電機の冷却構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド電気自動車や電気自動車などに搭載される回転電機は、ロータと、その外径側に配置されステータコイルが巻き回されたステータとを有する。
【0003】
回転電機により車両に駆動力を与える際は、ステータコイルに電流を流してロータに回転力を付与する。また、回転電機により発電する時にはロータの回転によりステータコイルに発生する電流を取り出す。
【0004】
このとき、ステータコイルやステータコアには回転電機の損失に起因する発熱が生じる。回転電機に用いられる絶縁材料には、絶縁性能を確保できる上限温度があり,その温度を超えないようにするために、回転電機を冷却する必要がある。
【0005】
回転電機の冷却には、冷却媒体に空気を用いる空冷方式と、冷却媒体に液体を用いる液冷方式とがある。このうち液冷方式は、ステータコアの外径側等に設けた液冷ジャケットに冷却液を流し、液冷ジャケットを介して冷却を行う間接冷却方式と、油など絶縁性のある液体をステータコイルなど回転電機の発熱部位に直接かけて冷却する直接冷却方式とに分けられる。
【0006】
直接冷却方式では、液冷ジャケットが必要ないため回転電機全体の大きさを小さくでき、また発熱部位に直接冷却媒体をかけることができるため冷却能力が優れており、多くの回転電機において直接冷却方式が採用されている。
【0007】
例えば、特許文献1にはステータの外周側に冷却媒体通路を設け、冷却媒体通路にあけた吐出口からステータコイルエンドに冷却媒体を噴射し、噴出圧力および重力によりステータコイルエンドの表面を流れる冷却媒体によって、コイルを冷却する冷却装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−253263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1の冷却装置では、冷却媒体の一部は、振動や重力により途中でコイル表面から離脱し冷却に寄与しない。すなわち、コイルエンドの周方向位置により冷却性能に差が生じ、局所的にコイル温度が上昇する恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)請求項1の発明による回転電機は、ステータコアとステータコイルとを有するステータと、前記ステータに対して回転するロータと、前記ステータコアから突出したコイルエンドに冷却媒体を供給する冷媒供給口と、前記コイルエンドの少なくとも一部に沿って設けられ、前記冷媒供給口で供給された冷却媒体を前記コイルエンドに沿って流すための案内部材とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の回転電機において、前記ロータの回転軸を水平に配置し、前記回転軸を含む水平面内よりも上側では、前記案内部材を前記コイルエンドの内周側の少なくとも一部に設けるとともに、前記回転軸を含む水平面内よりも下側では、前記案内部材を前記コイルエンドの外周側の少なくとも一部に設けたことを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の回転電機において、前記案内部材を、前記ステータコアと前記ステータコイルとを絶縁する絶縁紙によって形成したことを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転電機において、前記案内部材の表面に前記冷却媒体の流れを周方向に導くための案内溝を形成したことを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項1に記載の回転電機において、前記ステータコイルは前記ステータコアのティースにボビンを介して巻き回され、前記ボビンの軸方向端部には前記ロータの回転軸方向に延びるつばが形成され、前記つばの端部を前記ロータの径方向に折り曲げて前記案内部材を形成したことを特徴とする。
(6)請求項6の発明は、請求項5に記載の回転電機において、前記ロータの回転軸を水平に配置し、前記回転軸を含む水平面内よりも上側では、前記コイルエンドの径方向内側に配置されている前記つばを径方向外側に折り曲げて前記案内部材を形成し、前記回転軸を含む水平面内よりも下側では、前記コイルエンドの径方向外側に配置されている前記つばを径方向内側に折り曲げて前記案内部材を形成したことを特徴とする。
(7)請求項7の発明による回転電機は、ステータコアとステータコイルとを有するステータと、前記ステータに対して回転するロータと、前記ステータコアから突出したコイルエンドに冷却媒体を供給する冷媒供給口とを有し、前記コイルエンドの外周面および/または内周面に、前記冷却媒体を案内する案内溝を形成したことを特徴とする。
(8)請求項8の発明は、請求項7に記載の回転電機において、前記ロータの回転軸を水平に配置し、前記回転軸を含む水平面内よりも上側では、前記コイルエンドの外周表面に案内溝を形成するとともに、前記回転軸を含む水平面内よりも下側では、前記コイルエンドの内周表面に案内溝を形成したことを特徴とする。
(9)請求項9の発明は、請求項7または8に記載の回転電機において、前記案内溝は、コイルエンドの表面に凹部を設けて形成されていることを特徴とする。
(10)請求項10の発明は、請求項7または8に記載の回転電機において、前記案内溝は、コイルエンドの表面に絶縁性のリブを突設することによって形成されていることを特徴とする。
(11)請求項11の発明による回転電機は、ステータコアとステータコイルとを有するステータと、前記ステータに対して回転するロータと、前記ステータコアから突出したコイルエンドに冷却媒体を供給する冷媒供給口とを有し、前記ステータコイルは複数のセグメントコイルを接続して構成され、前記コイルエンドにおいて、セグメントコイルの端部同士を接続する接続端部の隙間の少なくとも一部に絶縁性樹脂膜を形成し、前記接続端部および前記絶縁性樹脂膜によって案内部材を形成したことを特徴とする。
(12)請求項12の発明は、請求項11に記載の回転電機において、前記ロータの回転軸を水平に配置し、前記回転軸を含む水平面内よりも上側では、前記コイルセグメントの接続端部の内周に前記絶縁性樹脂膜を形成するとともに、前記回転軸を含む水平面内よりも下側では、前記コイルセグメントの接続端部の外周に前記絶縁性樹脂膜を形成することにより、前記案内部材を形成したことを特徴とする。
(13)請求項13の発明による回転電機は、ステータコアとステータコイルとを有するステータと、前記ステータに対して回転するロータと、前記コイルエンドに冷却媒体を供給する冷媒供給口と、前記コイルエンドの少なくとも一部を覆うとともに、冷却媒体流入、排出が可能な蓋状部材とを備えることを特徴とする。
(14)請求項14の発明による回転電機は、ステータコアとステータコイルとを有するステータと、前記ステータに対して回転するロータと、前記ステータコアから突き出したコイルエンドに冷却媒体を供給する冷媒供給口とを有し、前記コイルエンドの内周面および/または外周面を、先端面に比較して親水性の高い材料の塗料で塗布したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ステータコイルのコイルエンドを均一に冷却し、冷却性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による回転電機の第1の実施の形態を示す斜視図。
【図2】図1の回転電機の斜視断面図。
【図3】図1の回転電機の冷却系統図。
【図4】本発明による回転電機の第2の実施の形態を示す斜視図。
【図5】図4の回転電機の斜視断面図。
【図6】本発明による回転電機の第3の実施の形態に用いる絶縁紙を示す正面図。
【図7】図6の絶縁紙により案内板を形成した回転電機を示す斜視図。
【図8】本発明による回転電機の第4の実施の形態に用いる冷却媒体案内板の部分斜視図。
【図9】図8の案内板を適用した回転電機を示す斜視図。
【図10】図7の案内板の変形例を示す部分斜視図。
【図11】本発明による回転電機の第5の実施の形態におけるステータの部分斜視断面図。
【図12】図11のステータコイルを備えた回転電機を示す斜視図。
【図13】本発明による回転電機の第6の実施の形態におけるステータの斜視断面図。
【図14】図13のステータの部分斜視図と分解図。
【図15】本発明による回転電機の第7の実施の形態におけるステータの部分斜視断面図。
【図16】本発明による回転電機の第8の実施の形態におけるステータの部分斜視断面図。
【図17】本発明による回転電機の第3の実施の形態の変形例を示す斜視図。
【図18】本発明による回転電機の第3の実施の形態の変形例を示す斜視図。
【図19】本発明による回転電機の第9の実施の形態を示す斜視図。
【図20】本発明による回転電機の第10の実施の形態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
―第1の実施の形態―
本発明による回転電機の第1の実施の形態を図1〜図3に示す。図1、図2、図3は回転電機の第1の実施の形態を示す斜視図、斜視断面図および冷却系統図である。
【0014】
第1の実施の形態の回転電機1は、ハウジング8と、ハウジング8内に収容されたステータコア21と、ステータコイル22と、ロータ3と、ロータ3の中心に設けられた回転軸20とを備える。ステータコア21とステータコイル22でステータを構成する。ステータコイル22は、ステータコア21の図示しない複数のティースの間に形成される複数のスロットに巻き回される。スロットの軸方向端部から突出するコイル部分をコイルエンド22Eと呼ぶ。ステータコイル22はコイル導体を巻回したものであるが、便宜上、一本一本のコイルは図示を省略している。
【0015】
ステータコイル22におけるコイルエンド22Eの軸方向両端部には、薄板状の素材で形成した案内部材、すなわち案内板41,42が設けられている。具体的には、回転軸20を含む水平面よりも上側では、コイルエンド22Eの上半部に沿って、回転軸20を中心としつつ、下方に向かって開口する略半円状の案内板41が設けられている。回転軸20を含む水平面よりも下側では、コイルエンド22Eの下半部に沿って、回転軸20を中心としつつ、上方に向かって開口する略半円状の案内板42が設けられている。
【0016】
案内板41、42は薄板よりなり、回転電機1の回転軸20と平行に略水平にステータコイル21の両端面から突出する。案内板41、42の突出長さは、コイルエンド22Eがステータコア21の端面から突出する長さよりも長い。上側の案内板41はステータコイル22の内周に沿っており、ステータコイル22の内周直径と略等しい幅W1を有する。下側の案内板42はステータコイル22の外周に沿っており、ステータコイル22の外周直径と略等しい幅W2を有する。幅W1は幅W2よりも小さい。
【0017】
図3に回転電機1の冷却系統を示す。冷却媒体RFはポンプ9により冷却媒体供給管11に送られる。冷却媒体供給管11はコイルエンド22Eの上方まで引き回されている。冷却媒体RFは、冷却媒体供給管11の冷媒吐出し口である冷媒供給口から、コイルエンド22Eの上部に向けて、上方から噴射される。噴出された冷却媒体RFは、その噴射圧力および重力によりステータコイル22のコイルエンド22Eを伝い、回転電機1の下部のオイルパン10に落ちる。オイルパン10に落ちた冷却媒体RFは、ポンプ9により再び冷却媒体供給管11に送り出される。
【0018】
冷却媒体供給管11から噴射された冷却媒体RFは、コイルエンド22Eの上部からコイルエンド22Eの外周側を伝わって流れ、コイルエンド22Eを冷却する。また、冷却媒体RFは、上側の案内板41の外周面に沿って流れ、その後、下側の案内板42の内周面に流れ込み、以後、案内板42の内周面に沿って、コイルエンド22Eの下端部まで流れる。冷却媒体RFがコイルエンド22Eに接しながら案内板41,42を流れるので、コイルエンド22Eをさらに冷却することができる。
【0019】
このような第1の実施の形態の回転電機によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)冷却媒体RFは案内板41、42によりコイルエンド22Eに沿って流れる。すなわち、冷却媒体RFは案内板41、42から離脱せずにコイルエンド22Eの下端部まで流れ落ちる。その結果、ステータコイル22の温度が局所的に高くなることがなく、回転電機の冷却性能を向上することができる。
【0020】
(2)案内板41、42に沿った冷却媒体RFの流れは、コイルエンド22Eに沿った従来の鉛直方向の流れに比較して、遙かに緩やかであり、冷却媒体RFは比較的長時間、ステータコイル22に接触する。すなわち、案内板41、42は冷却媒体RFを案内、保持して、ステータコイル22の冷却効率を高めることができ、回転電機の最大温度の上昇を小さくすることができる。
【0021】
(3)上側の案内板41の幅W1が、下側の案内板42の幅W2よりも小さいので、案内板41で収集された冷却媒体RFの大部分を案内板42に流入することができるので、ステータコイル22を効率的に冷却することができる。
【0022】
(4)冷却媒体噴射量を増大する等、冷却所要動力を増大すれば冷却性能は向上するが、エネルギ節減が重要課題となっている現状にはそぐわない。しかし、第1の実施の形態の回転電機によれば、無駄なエネルギを消費することなく、回転電機を効果的に冷却することができる。
【0023】
(5)コイルエンドの周囲をケースで密封して、コイルエンドを冷却媒体に浸すことによって冷却効果を高めることはできるが、回転電機のサイズ、重量が増大する。しかし、第1の実施の形態による回転電機によれば、コイルエンドの周囲をケースで密閉することが無く、回転電機の小型化を阻害することがない。
【0024】
第1の実施の形態の回転電機を以下のように変形して実施することができる。
(1)、図1〜図3では、冷却媒体の案内板41および42を両方設置しているが、いずれか一方でも構わない。
(2)案内板41および42は、コイルエンド22Eの軸方向両端に設けたが、いずれかの端部にのみ設けてもよい。
(3)図3では冷却媒体をポンプ9により圧送しているが、回転電機1の上部から重力により冷却媒体を滴下する構成も採用できる。
【0025】
−第2の実施の形態−
本発明による回転電機の第2の実施の形態を図4および図5に示す。図4、図5は第2の実施の形態を示す斜視図および斜視断面図である。なお、図中、第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付し説明を省略する。
【0026】
第2の実施の形態は、第1の実施の形態における案内板41および42の形状を変更したものである。すなわち、第1の実施の形態における案内板41、42は、回転軸20の軸方向に突出する一枚の薄板であった。第2の実施の形態では、第1の実施の形態における案内板41、42に対応するL字状案内板141と142とを設けている。
【0027】
L字状案内板141は、回転軸方向にある長さを持つ薄板41Aと、その先端から、ステータコイル22の径方向外側に向かってある長さを持つ薄板41Rとの組み合わせにより、断面L字型に形成されている。L字状案内板142は、回転軸方向にある長さを持つ薄板42Aと、その先端から、ステータコイル22の径方向内側に向かってある長さを持つ薄板42Rとの組み合わせにより、断面L字型に形成されている。
【0028】
回転電機の上方から噴射された冷却媒体RFは、コイルエンド22Eに沿って流れるとともに、L字状流案内板141およびL字状案内板142に沿って流れる。すなわち、冷却媒体RFは、L字状案内板141とコイルエンド22Eによって形成される空間41S内を流れる。空間41Sは回転電機の外周方向に開口する断面略長方形状の流路である。また冷却媒体RFは、L字状案内板142とコイルエンド22Eによって形成される空間42S内を流れる。空間42Sは、内周方向に開口する断面略長方形状の流路である。
【0029】
このような第2の実施の形態の回転電機によれば、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができるとともに。さらに以下の作用効果を奏することができる。
(1)空間41S、42Sは軸方向両側が塞がれているので、冷却媒体RFは、中途で側方に離脱することなく、コイルエンド22Eを浸しつつ周方向に流れる。この結果、第1の実施の形態よりも一層冷却効率を高めることができ、局所的にステータコイル22の冷却性能が悪い箇所が生じないため、回転電機の最大温度上昇を小さくすることができる。
【0030】
なお、第1の実施の形態と同様、L字状案内板141、142の少なくとも一方を設けてもよいし、案内板141,142をコイルエンド22Eの軸方向の一端部にのみ設けてもよい。冷却媒体RFをポンプ9により圧送するように構成してもよいし、重力により滴下させるように構成してもよい。
【0031】
−第3の実施の形態−
本発明による回転電機の第3の実施の形態を図6、図7により説明する。
図6はステータコア21とステータコイル22との間の電気絶縁性を確保するための絶縁紙5、図7は絶縁紙5によって案内板241、242を形成した回転電機1を示す斜視図である。図6において、a方向がステータの周方向に相当し、b方向が回転軸方向に相当する。また寸法cがステータコア21の厚みsに相当する。なお、図中、第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0032】
第3の実施の形態は、絶縁紙5をステータコイル22の内外周に装着して案内板241,242を形成したものである。すなわち、図7に示すように、回転電機1のコイルエンド22Eに設けられる案内板241、242のそれぞれは、図6に示す絶縁紙5によって形成される。
【0033】
図6に示すように、矩形形状の絶縁紙5の中央部には、複数の横長長方形状の穴部51が縦方向に等間隔で並列されている。隣接する穴部51の間の部分はスロット嵌入部52である。各穴部51の両外側には案内板241,242を構成する張り出し部53が設けられている。穴部51、スロット嵌入部52の幅cは図示しないティースおよびスロットの軸方向長さに相当し、張り出し部53の幅dは、案内板241,242がステータコイルエンド22Eから突出する長さに相当する。
【0034】
穴部51には、ステータコア21のティース部が挿通され、スロット嵌入部52は、ステータコア21のスロット内に嵌入される。より具体的には、回転電機1の下半部では、ステータコア21のスロットの最外径(スロット底部)に絶縁紙5を装着して案内板241を形成し、上半部にはステータコア21のスロットの最内径(スロット開放側)に絶縁紙5を装着して案内板242を形成している。
【0035】
このような第3の実施の形態の回転電機によれば、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができるとともに。さらに以下の作用効果を奏することができる。
(1)絶縁紙5は、ステータコア21とステータコイル22とを絶縁する絶縁材として機能し、案内板241、242を兼ねる。その結果、案内板241、242として別段の部材を用意する必要がないので、部品点数を増やすことなく冷却媒体RFの案内板241、242を形成できるという効果が得られる。
【0036】
第3の実施の形態の回転電機を以下のように変形して実施することができる。
(1)絶縁紙5は、所望する電気絶縁性能を確保できれば、必ずしも絶縁紙である必要はなく、例えば樹脂板などでも構わない。
【0037】
(2)絶縁紙5をステータコア21のスロットに設置し、ステータコイル22を巻き回した後に、張り出し部53における所定長さの側端部を、ステータコア21の内径側または外径側へ折り曲げることにより、案内板241、242を第2の実施の形態と同様の形状とすることができる。これによって、第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0038】
(3)図17に示すように、案内板241を形成する絶縁紙5に、孔53aを設け、冷却媒体RFの流れを円滑にすることにより、冷却効果を高めることができる。
(4)図18に示すように、第3の実施の形態の案内板241、242を形成する絶縁紙5の張り出し部53に、周方向に延びるリブ54を設けてもよい。案内板241、242上において、冷却媒体RFを保持、案内し、流れを円滑にすることにより、冷却効果を高めることができる。なお、リブ54を周方向に対してある角度を持って形成してもよい。
【0039】
−第4の実施の形態―
本発明による回転電機の第4の実施の形態を図8、図9により説明する。
図8は、案内板341(342)の表面の詳細を示す斜視図、図9は案内板341、342を適用した回転電機1を示す斜視図である。図8において、a方向がステータの周方向に相当し、b方向が回転軸20の軸方向に相当する。なお、図中、第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0040】
案内板341(342)の表面には、周方向に延在される複数のリブ43が周方向に並列して形成されている。案内板341は外周面にリブ43を設け、案内板342は内周面にリブ43を設ければよいが、案内板341,342を共通部品とする場合には、図示のように案内板341,342の両面にリブ43が設けられることになる。
【0041】
このような第4の実施の形態の回転電機によれば、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができるとともに。さらに以下の作用効果を奏することができる。
(1)冷却媒体RFはリブ43によって案内されて、周方向に円滑に流れる。これにより、第2の実施の形態のように、軸方向への冷媒の離脱防止機能を有する薄板41R、42Rを設けることなく、冷媒を案内板341の周方向両端部、さらには案内板342の最下端部まで導くことができる。これによって、冷却性能を向上することができる。
【0042】
(2)第2の実施の形態同様、案内板341,342の軸方向先端部を折りまげてL字状流路を形成した場合、平滑な表面のL字状流路よりも冷却媒体RFの流れを制御しやすくなり、冷却性能を向上する効果が得られる。
【0043】
(3)すなわち、第4の実施の形態は、第1、第2の実施の形態の効果に加え、冷却媒体RFの流れの制御が容易になることにより、冷却性能を向上する効果が得られる。
【0044】
第4の実施の形態の回転電機を以下のように変形して実施することができる。
(1)図8では、リブ43をステータコイル22の周方向(a方向)と平行に設置しているが、図10に示すように、リブ43をa方向とある角度を持った方向に設置しても良い。
【0045】
−第5の実施の形態−
本発明による回転電機の第5の実施の形態を図11、図12により説明する。
図11は第5の実施の形態による回転電機のステータの斜視断面の一部、図12は同回転電機の斜視図を示している。
【0046】
第5の実施の形態は、上述した案内板を設けず、ステータコイル22のコイルエンド22Eそれ自体に冷却媒体RFを保持、案内する機能を付与している。
【0047】
図11、図12に示すように、コイルエンド22Eの内周表面には、周方向に延びる案内溝23が形成されている。上述したようにステータコイル22はコイル導体をスロットに巻き回して構成されているから、案内溝23は、コイル導体の表面に設けられる。たとえば、コイル導体の表面に治具を圧接して圧痕を形成する等の方法で形成することができる。
【0048】
このような第5の実施の形態の回転電機によれば、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)ステータコイル22に向かって噴射され、コイルエンド22Eの内周に到達した冷却媒体RFは、案内溝23によって案内されつつ、コイルエンド22Eの内周に沿って流れる。これによって、冷却媒体RFは、コイルエンド22Eから離脱することなく、コイルエンド22Eの内周に長時間接触するので、冷却性能を向上する効果が得られる。
【0049】
(2)ステータコイル22それ自体に冷却媒体RFの保持、案内機能をもたせることによって、案内板41、42は不要となり、部品点数が減少し、製造原価低減につながる。
【0050】
第5の実施の形態の回転電機を以下のように変形して実施することができる。
(1)図11、図12では、ステータコイルエンド22の内周表面に案内溝23を形成しているが、テータコイルエンド22の外周に案内溝23を形成し、あるいは内外周の両方に形成してもよい。
【0051】
(2)図11、図12では、案内溝23を円周方向に形成しているが、円周方向にある角度を持って形成してもよい。
【0052】
−第6の実施の形態−
本発明による回転電機の第6の実施の形態を図13および図14により説明する。
図13は、本発明による回転電機の第6の実施の形態におけるステータの斜視断面図、図14は、図13のステータの部分斜視図と分解図。なお、図中、第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0053】
本実施の形態による回転電機は、複数のコアブロックを円周方向に連結して構成した分割式ステータコアを用い、かつ、ステータの巻線方式が集中巻である回転電機を対象とし、ステータコイルを巻き回すボビンの一部を案内板として利用するものである。
【0054】
図13に示すように、回転電機1のステータコア21は、図14に示す複数のステータコアブロック21Bを円周方向に連結して構成されている。ステータコアブロック21Bは、コア部CBとティース部TBとからなり、ティース部TBにはボビン6を介してステータコイル22が巻き回されている。ボビン6は2分割され、一対のボビン6のそれぞれは、ティース部24の回転軸方向両端から挿入される。ティース部24に挿入したボビン6にコイル導体を所定回数巻き回したものがステータコイル22である。なお、コア部CBの円周方向両端面には突部21aと凹部21bが設けられている。
【0055】
ボビン6の両端(図14の上下方向)には、ステータコイル22の軸方向に延びる上下一対のつば61が形成されている。一方のつば61、すなわち、回転軸20を含む水平面よりも上側のボビン6では、ティース先端側のつば61を回転電機外径方向に折り曲げることにより、第2の実施の形態と同様に、断面L字型の案内板441が形成される。回転軸20を含む水平面よりも下側のボビン6では、ティース基部側のつば61の先端部を回転電機内径方向に折り曲げることによって、第2の実施の形態と同様に、断面L字型の案内板442が形成される。
【0056】
ボビン6にはコイル導体が巻き回されるが、つば61を折り曲げた状態では、ステータコイル22をボビン6に巻回すことが困難になるので、ステータコイル22を巻き回した後、ボビン6のつば61の先端部を折り曲げる。なお、各コアブロック21Bからコイル導体の両端部が引き出され、隣り合う同相のコイル導線の両端部同士が接続コイルで接続される。
【0057】
図13に示すように、回転軸20を含む水平面よりも上側では、先端が回転電機外径方向に折り曲げられたつば61がステータコイル22の内周側に配置されている。一方、回転軸20を含む水平面よりも下側では、先端が回転電機内径方向に折り曲げられたつば61がステータコイル22の外周側に配置され、かつ径方向内側に折り曲げられる。
【0058】
第6の実施の形態の回転電機によれば、第1および第2の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。また、既存の部品であるボビン6の改良によって、部品点数を増やすことなく、製造原価を増加することなく、案内板441、442を形成することができる。
【0059】
第6の実施の形態の回転電機を以下のように変形して実施することができる。
(1)内周側のつば61のみを外径側に向けて折り曲げ、あるいは、外周側のつば61のみを内径側に折り曲げてもよい。
【0060】
(2)必ずしも、一定領域のつば61を全て折り曲げる必要はなく、間欠的な折り曲げ、一部の折り曲げを省略する等、多様な組み合わせが可能である。
【0061】
−第7の実施の形態−
本発明による第7の実施の形態を図15により説明する。
図15は、本発明による回転電機の第7の実施の形態におけるステータの部分斜視断面図である。なお、図中、第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0062】
本実施の形態はステータの巻線方式が分布巻きである回転電機を対象とし、周方向に隣接するセグメントコイル端部の隙間に絶縁性樹脂を充填して樹脂膜を形成し、セグメントコイル端部と樹脂膜との連続によって、案内板441、442を形成するものである。
【0063】
ステータコア21には、軸方向にスロット21Sが設けられ、各スロット21S内には、セグメントコイル22Uが挿入されている。同相の隣り合うスロット21Sにそれぞれ挿入されたセグメントコイル22Uのそれぞれの端部22UEは、ステータコア21の軸方向端面21Fから突出しており、コイルエンド部において、互いに接続されている。
【0064】
周方向に隣接するセグメントコイル22Uの端部22UEの隙間22Gには、ワニス等の絶縁性樹脂よりなる樹脂膜PMが形成されている。樹脂膜PMと端部22UEとが連続して一体化され、第1実施の形態の案内板41、42と同様な冷却媒体の案内部材が形成されている。
【0065】
樹脂膜PMの形成に際しては、隙間22Gの下側を治具によって塞いだ状態で、ワニス等を充填し、ワニス等が硬化した後に、治具を除去する等の方法を採用する。
【0066】
第7の実施の形態の回転電機によれば、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。また、ワニスによる樹脂膜PMを形成する工程は増えるものの、別部材が不要である。したがって、部品点数を増やすことなく、製造原価を増加せることなく、案内板41、42と同等の機能を有する冷却媒体案内部材を形成することができる。
【0067】
図12では、隣接するセグメントコイル22UEの最外径側に樹脂膜PMを形成しているが、最内径側に樹脂膜PMを形成しても構わない。また、周方向の位置により、たとえば、回転電機の上半分と下半分で樹脂膜PMの形成位置を変更しても構わない。
【0068】
−第8の実施の形態−
本発明による回転電機の第8の実施の形態を図16により説明する。
図16は、本発明による回転電機の第8の実施の形態におけるステータの部分斜視断面図である。なお、図中、第5の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0069】
本実施の形態による回転電機では、第5の実施の形態における案内溝23に代えて、コイルエンド22Eの内周面に絶縁性のリブ25を突設するものである。リブ25の形成に際しては、コイルエンド22Eの内周面に樹脂型を密着して設置し、絶縁性樹脂を流し込んで、硬化させる等の方法が使用される。
【0070】
本実施の形態による回転電機によれば、第5の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0071】
―第9の実施の形態-―
本発明による回転電機の第9の実施の形態を図19により説明する。
図19は、本発明による回転電機の第9の実施の形態を示す斜視図である。なお、図中、第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0072】
本実施の形態は、コイルエンド22Eの少なくとも一部を覆う蓋状部材を設けるようにしたものである。
【0073】
図19に示すように、コイルエンド22Eの下半部は半円環状の蓋状部材70によって覆われ、コイルエンド22Eの上半部から、コイルエンド22Eに沿って流下した冷却媒体RFは、蓋状部材70内に流入し、蓋状部材70によって保持される。蓋状部材70には、その下部に排出孔71が穿設され、蓋状部材70内に保持された冷却媒体RFは、コイルエンド22Eを充分冷却した後に、排出される。これによって、冷却性能が高められる。
【0074】
−第10の実施の形態−
次に、本発明による回転電機の第10の実施の形態を図20により説明する。
図20は、本発明による回転電機の第10の実施の形態を示す斜視図である。なお、図中、第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0075】
第10の実施の形態は、コイルエンド22Eの表面への塗料塗布により、冷却媒体RFの流れを改良するようにしたものである。
【0076】
図20に示すように、コイルエンド22Eの側面22ESには、親水性の塗料が塗布され、冷却媒体RFは側面22ESに沿って案内される。すなわち、コイルエンド22Eの側面ESは、先端面に比較して親水性の高い材料の塗料で塗布した。これによって、極めて簡易な対策によって、冷却媒体RFの流れを改善でき、冷却効果を高めることができる。
【0077】
なお、次のように変形しても良い。
(1)コイルエンド22Eの内周面および/外周面に親水性の高い塗料を塗布してもよいし、一方の面にのみ塗布してもよい。
(2)コイルエンド22Eの先端面22ETに疎水性の塗料を塗布することにより、さらに冷媒の流れを改善してもよい。
(3)コイルエンド22Eの先端面22ETに疎水性の塗料を塗布し、側面22ESへの親水性の塗料の塗布を省略することも可能である。
【0078】
以上の実施の形態ではインナーロータの回転電機について説明したが、本発明をアウターロータの回転電機に適用することもできる。
【符号の説明】
【0079】
RF 冷却媒体 1 回転電機
3 ロータ 5 絶縁紙
6 ボビン 7 ワニス
11 冷却媒体供給管
20 回転軸 21 ステータコア
22 ステータコイル 22E コイルエンド
23 案内溝
41,42,141,142,241,242,341,342,441,442 案内板
43 リブ
61 ボビンのつば

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータコアとステータコイルとを有するステータと、
前記ステータに対して回転するロータと、
前記ステータコアから突出したコイルエンドに冷却媒体を供給する冷媒供給口と、
前記コイルエンドの少なくとも一部に沿って設けられ、前記冷媒供給口で供給された冷却媒体を前記コイルエンドに沿って流すための案内部材とを備えることを特徴とする回転電機。
【請求項2】
請求項1に記載の回転電機において、
前記ロータの回転軸を水平に配置し、
前記回転軸を含む水平面内よりも上側では、前記案内部材を前記コイルエンドの内周側の少なくとも一部に設けるとともに、前記回転軸を含む水平面内よりも下側では、前記案内部材を前記コイルエンドの外周側の少なくとも一部に設けたことを特徴とする回転電機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の回転電機において、
前記案内部材を、前記ステータコアと前記ステータコイルとを絶縁する絶縁紙によって形成したことを特徴とする回転電機。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転電機において、
前記案内部材の表面に前記冷却媒体の流れを周方向に導くための案内溝を形成したことを特徴とする回転電機。
【請求項5】
請求項1に記載の回転電機において、
前記ステータコイルは前記ステータコアのティースにボビンを介して巻き回され、
前記ボビンの軸方向端部には前記ロータの回転軸方向に延びるつばが形成され、
前記つばの端部を前記ロータの径方向に折り曲げて前記案内部材を形成したことを特徴とする回転電機。
【請求項6】
請求項5に記載の回転電機において、
前記ロータの回転軸を水平に配置し、
前記回転軸を含む水平面内よりも上側では、前記コイルエンドの径方向内側に配置されている前記つばを径方向外側に折り曲げて前記案内部材を形成し、
前記回転軸を含む水平面内よりも下側では、前記コイルエンドの径方向外側に配置されている前記つばを径方向内側に折り曲げて前記案内部材を形成したことを特徴とする回転電機。
【請求項7】
ステータコアとステータコイルとを有するステータと、
前記ステータに対して回転するロータと、
前記ステータコアから突出したコイルエンドに冷却媒体を供給する冷媒供給口とを有し、
前記コイルエンドの外周面および/または内周面に、前記冷却媒体を案内する案内溝を形成したことを特徴とする回転電機。
【請求項8】
請求項7に記載の回転電機において、
前記ロータの回転軸を水平に配置し、
前記回転軸を含む水平面内よりも上側では、前記コイルエンドの外周表面に案内溝を形成するとともに、前記回転軸を含む水平面内よりも下側では、前記コイルエンドの内周表面に案内溝を形成したことを特徴とする回転電機。
【請求項9】
請求項7または8に記載の回転電機において、
前記案内溝は、コイルエンドの表面に凹設されて形成されていることを特徴とする回転電機。
【請求項10】
請求項7または8に記載の回転電機において、
前記案内溝は、前記コイルエンドの表面に絶縁性のリブを突設することによって形成されていることを特徴とする回転電機。
【請求項11】
ステータコアとステータコイルとを有するステータと、
前記ステータに対して回転するロータと、
前記ステータコアから突出したコイルエンドに冷却媒体を供給する冷媒供給口とを有し、
前記ステータコイルは複数のセグメントコイルを接続して構成され、
前記コイルエンドにおいて、セグメントコイルの端部同士を接続する接続端部の隙間の少なくとも一部に絶縁性樹脂膜を形成し、
前記接続端部および前記絶縁性樹脂膜によって案内部材を形成したことを特徴とする回転電機。
【請求項12】
請求項11に記載の回転電機において、
前記ロータの回転軸を水平に配置し、
前記回転軸を含む水平面内よりも上側では、前記コイルセグメントの接続端部の内周に前記絶縁性樹脂膜を形成するとともに、前記回転軸を含む水平面内よりも下側では、前記コイルセグメントの接続端部の外周に前記絶縁性樹脂膜を形成することにより、前記案内部材を形成したことを特徴とする回転電機。
【請求項13】
ステータコアとステータコイルとを有するステータと、
前記ステータに対して回転するロータと、
前記コイルエンドに冷却媒体を供給する冷媒供給口と、
前記コイルエンドの少なくとも一部を覆うとともに、冷却媒体流入、排出が可能な蓋状部材とを備えることを特徴とする回転電機。
【請求項14】
ステータコアとステータコイルとを有するステータと、
前記ステータに対して回転するロータと、
前記ステータコアから突き出したコイルエンドに冷却媒体を供給する冷媒供給口とを有し、
前記コイルエンドの内周面および/または外周面を、先端面に比較して親水性の高い材料の塗料で塗布したことを特徴とする回転電機。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−35992(P2011−35992A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−178119(P2009−178119)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】