固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、固体撮像システム
【課題】 固体撮像装置において、有効画素とリファレンス画素とが差動対を構成し、有効画素とリファレンス画素のそれぞれに設けられた増幅MOSトランジスタが差動対の入力段のMOSトランジスタとして動作する回路構成が知られている。従来の構成では、リファレンス画素に不具合があった場合に差動対が出力する信号の精度が低下する問題があった。
【解決手段】 リファレンス信号を出力する少なくとも1つのリファレンス画素を複数のリファレンス画素の中から選択する構成を有する固体撮像装置である。
【解決手段】 リファレンス信号を出力する少なくとも1つのリファレンス画素を複数のリファレンス画素の中から選択する構成を有する固体撮像装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有効画素とリファレンス画素とを有する固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法および固体撮像装置を有する固体撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
固体撮像装置では、光電変換に基づく信号を出力する有効画素と、光電変換を行わず基準信号を出力するリファレンス画素を設ける構成が知られている。有効画素の出力する信号とリファレンス画素が出力する基準信号との差分を得ることで、固体撮像装置が出力する信号のノイズの低減を行っている。
【0003】
固体撮像装置では、解像度向上のため画素サイズの微細化が進んでいる。しかしながら、画素サイズが微細化するにつれて、光電変換部の面積が減少し、固体撮像装置の感度が低下してしまう。固体撮像装置においては、光電変換部の面積の減少を抑えながらの画素サイズの微細化を行うことにより、高解像度化、感度低下の抑制の両立が求められている。
【0004】
特許文献1には、複数の有効画素と、光電変換を行わない点を除いて有効画素と同等の特性を有するリファレンス画素とで差動対を構成し、相関二重サンプリング(以下、CDSと表記する)を行う構成が開示されている。有効画素は、光電変換部が出力する電荷を保持し、増幅MOSトランジスタのゲートに接続された浮遊拡散容量Cfdが設けられている。リファレンス画素についても、電荷を保持し、増幅MOSトランジスタのゲートに接続された浮遊拡散容量Cfdが設けられている。また、有効画素とリファレンス画素とには容量Cioが設けられている。この容量Cioは一方の端子が差動対の出力部に接続され、他方の端子が増幅MOSトランジスタのゲートに接続される。特許文献1において、容量Cioは浮遊拡散容量Cfdに比べて容量は微小である。以下、容量Cioを微小容量Cioと表記する。
【0005】
有効画素とリファレンス画素とで差動対を構成する特許文献1に記載の固体撮像装置では、有効画素とリファレンス画素から出力された信号に含まれる、リセットノイズと固定パターンノイズの両方を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−271280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1には、有効画素とリファレンス画素とが差動対を構成し、有効画素とリファレンス画素のそれぞれに設けられた増幅MOSトランジスタが差動対の入力段のMOSトランジスタとして動作する回路構成が記載されている。従来の構成では、リファレンス画素に不具合があった場合にリファレンス信号の精度が低下し、結果として差動対が出力する信号の精度が低下する問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記の課題を解決するために為されたものであり、一の態様は、入射光を光電変換して生じた電荷に基づく光電変換信号を出力する光電変換信号出力画素と、入射光に基づかないリファレンス信号を出力する複数のリファレンス信号出力画素と、前記光電変換信号と前記リファレンス信号との差分処理を行って差分信号を出力する差分信号出力部と、前記差分信号出力部に前記リファレンス信号を出力する少なくとも1つの前記リファレンス信号出力画素を複数の前記リファレンス信号出力画素から選択するリファレンス選択部と、を有することを特徴とする固体撮像装置である。
【0009】
一の態様は、入射光を光電変換して生じた電荷に基づく光電変換信号を出力する光電変換信号出力画素と、入射光に基づかないリファレンス信号を出力する複数のリファレンス信号出力画素と、前記光電変換信号と前記リファレンス信号との差分処理を行って差分信号を出力する差分信号出力部と、を有する固体撮像装置の駆動方法であって、前記リファレンス信号を前記差分信号出力部に出力する少なくとも1つの前記リファレンス信号出力画素を複数の前記リファレンス信号出力画素から選択することを特徴とする固体撮像装置の駆動方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の固体撮像装置は、有効画素が出力する信号とリファレンス画素が出力するリファレンス信号との差分を得る差動増幅回路において、リファレンス信号を出力できるリファレンス画素が差動増幅回路ごとに複数設けられている。これにより、リファレンス信号の不具合による、信号の精度が低下することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の固体撮像装置の一例に関するブロック図
【図2】本発明の固体撮像装置の一例の画素内の詳細を表した等価回路図
【図3】本発明の固体撮像装置の一例のリファレンス選択部の詳細を表した等価回路図
【図4】本発明の固体撮像装置の一例のタイミング図
【図5】本発明の固体撮像装置の他の一例のブロック図
【図6】本発明の固体撮像装置の他の一例に関するブロック図
【図7】本発明の固体撮像装置の他の一例のリファレンス選択部の配置の例を表したブロック図
【図8】本発明の固体撮像装置の他の一例を示したブロック図
【図9】本発明の固体撮像装置の他の一例を示したブロック図
【図10】本発明の固体撮像装置の他の一例を表したブロック図
【図11】本発明の固体撮像装置の他の一例を表したブロック図
【図12】固体撮像システムの構成に関するブロック図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【実施例1】
【0013】
まず、本実施例に関わる固体撮像装置の構成について説明し、その後、固体撮像装置の動作について説明する。尚、以下の説明では、画素をNチャネルトランジスタで構成した例を説明する。画素をPチャネルトランジスタで構成する場合にも、Nチャネルトランジスタで構成する場合に対して電圧の極性を反対にすることによって本発明を適用することができる。
【0014】
図1は、本実施例の一例を示したブロック図である。100は光電変換により、入射光に基づく信号を出力する有効画素、101は光電変換を行わずに信号を出力するリファレンス画素である。本実施例の有効画素は光電変換信号出力画素、リファレンス画素はリファレンス信号出力画素である。有効画素100が行列状に配されている。即ち、有効画素100は複数行、複数列にわたって設けられている。また、リファレンス画素101は有効画素100が設けられた各列に配列されている。有効画素100、リファレンス画素101が複数行、複数列配列されることによって画素領域が形成されている。以下、有効画素100とリファレンス画素101とが配列された領域を画素領域、有効画素100のみが配列された領域を光電変換信号出力画素領域120、リファレンス画素101のみが配列された領域をリファレンス信号出力画素領域150と区別して表記する。
【0015】
リファレンス画素101は、同じ列に属する有効画素100の全てよりも、後述する差動増幅器112に近接して設けられており、有効画素100とリファレンス画素101とが配された画素領域の差動増幅器112側の端部に設けられている。この近接とは、有効画素100とリファレンス画素101のそれぞれの差動増幅器112側の端部を比較し、リファレンス画素101の差動増幅器112側の端部の方が差動増幅器112に近いことを意味している。102は、列に沿った方向に配列された複数の有効画素100が電気的に接続された第1の垂直信号線である。103は、リファレンス画素101が電気的に接続された第2の垂直信号線である。以下、第2の垂直信号線103が伝送するリファレンス画素101からの信号をリファレンス信号と表記する。
【0016】
104、105はそれぞれ第1の垂直信号線102、第2の垂直信号線103にドレインが電気的に接続された負荷MOSトランジスタであり、第1の垂直信号線102、第2の垂直信号線103に定電流を流す定電流源である。負荷MOSトランジスタ104は第1のトランジスタ、負荷MOSトランジスタ105は第2のトランジスタである。負荷MOSトランジスタ104、105は、制御電極であるゲートに共通ゲート配線116が、ソースにGND配線117が電気的に接続されている。共通ゲート配線116は制御信号線であり、第1の垂直信号線102、第2の垂直信号線103に供給する電流値を決める制御信号を印加する。
【0017】
C0s、C0r、Cfs、Cfrは容量であり、110、111はスイッチである。差動増幅器112は差分信号出力部140の一例であり、第1の垂直信号線102が伝送する有効画素100からの信号と、第2の垂直信号線103が伝送するリファレンス信号とを差動増幅して出力する。容量C0sと容量C0rは同じ容量値を有していることが好ましい。これは、有効画素100からの信号とリファレンス信号の増幅率を等しくするためである。さらに、容量Cfsと容量Cfrとが同じ容量値を有していることが好ましい。容量C0s、C0rによって、後述する第1のCDSが行われる。
【0018】
これは、有効画素100からの信号とリファレンス信号の増幅率を等しくするためである。差動増幅器112のゲインは容量比C0s/Cfsおよび容量比C0r/Cfrによって決定される。図示しないが、容量Cfs、Cfrのそれぞれを複数の容量で構成し、その容量値を可変とすることで、差動増幅器112のゲインを変更することができる。容量C0s、C0rのそれぞれに対して、容量Cfs、Cfrのそれぞれの容量値が大きいときは低ゲインとなる。逆に、容量C0s、容量C0rのそれぞれに対して、容量Cfs、容量Cfrのそれぞれの容量値が小さいときは高ゲインとなる。
【0019】
118は差動増幅器112にリファレンス電圧Vrefを供給するリファレンス電圧線である。差動増幅器112と容量C0s、C0r、Cfs、Cfr、スイッチ110、111により、スイッチトキャパシタを利用した差分回路を構成している。差動増幅器112の反転入力端子(−)には有効画素100からの信号が入力され、非反転入力端子(+)にはリファレンス信号が入力される。113は、信号処理回路であり、差動増幅器112に電気的に接続されている。
【0020】
有効画素100、リファレンス画素101、第1の垂直信号線102、第2の垂直信号線103、差動増幅器112は、複数列設けられている。114は水平シフトレジスタ(以下、HSRと表記する)であり、複数列設けられた信号処理回路113に電気的に接続されている。HSR114が複数列の信号処理回路113から信号を出力する信号処理回路113を選択する。HSR114によって選択された信号処理回路113から信号が出力され、出力された信号が固体撮像装置の出力する信号115となる。
【0021】
リファレンス信号選択スイッチ901〜904は、リファレンス画素101の第2の垂直信号線103への電気的な接続、非接続を切り替えるスイッチである。リファレンス信号選択スイッチ901〜904の各々のゲートは、リファレンス選択線908A〜Dの各々を介してリファレンス選択部905と電気的に接続されている。
【0022】
リファレンス選択部905はリファレンス信号選択スイッチ901、902、903、904を制御する。リファレンス選択部905には記憶回路909から制御線906を介してリファレンス画素選択情報が伝送される。リファレンス選択部905は、リファレンス画素選択情報に基づいて、有効画素100が配された各列に配された4つのリファレンス画素101A〜101Dのうち、第2の垂直信号線103に電気的に接続するリファレンス画素101を選択する。
【0023】
図2は有効画素100、リファレンス画素101の一例を示した図である。フォトダイオード201は光電変換により入射光を電荷に変換する光電変換部である。202は転送MOSトランジスタであり、ソースはフォトダイオード201、ゲートは転送制御線207、ドレインはフローティングディフージョン領域(以下、FD領域と表記する)203にそれぞれ電気的に接続されている。FD領域203はフォトダイオード201から転送MOSトランジスタ202を介して転送された電荷を保持する領域である。固体撮像装置を半導体基板上に形成する場合には、FD領域は例えば不純物拡散領域で形成される。204はリセットMOSトランジスタであり、ソースはFD領域203、ゲートはリセット制御線208、ドレインはリセット供給線209にそれぞれ電気的に接続されている。205は増幅MOSトランジスタであり、制御電極であるゲートはFD領域203、ドレインは電圧源Vdd、ソースは第1の垂直信号線102にそれぞれ電気的に接続されている。増幅MOSトランジスタ205は第1の増幅トランジスタであり、後述するリファレンス画素101が有する増幅MOSトランジスタ215は第2の増幅トランジスタである。増幅MOSトランジスタ205は、制御電極であるゲートに印加された電圧に基づく信号を第1の垂直信号線102に出力する。つまり、FD領域203に保持された電荷に基づいた信号を第1の垂直信号線102に出力する。リセット制御線208、リセット供給線209、転送制御線207は垂直走査回路210にそれぞれ電気的に接続されている。
【0024】
リファレンス画素101は、フォトダイオード201の代わりに容量211が設けられている。リファレンス画素101は、フォトダイオードの代わりに容量が設けられている点を除いて有効画素100と同一の等価回路を有する構造とすることができる。リファレンス画素101の増幅MOSトランジスタ215のソースは、第2の垂直信号線103に電気的に接続されている。リファレンス画素101の転送MOSトランジスタ202は、有効画素100の転送MOSトランジスタ202と同じ構成としてもよい。また、図2に例示したように、リファレンス画素101の転送MOSトランジスタ202のソースとドレインをショートさせた形態とすることもできる。この形態とした時には、転送MOSトランジスタ202のソースとドレイン間を導通させたON状態としなくとも、FD領域213と容量211の電位を揃えることができる。よって、転送MOSトランジスタ202のON、OFFを切り替えることによって生じるノイズの影響を少なくできる。同様に、リファレンス画素101において転送MOSトランジスタ202を設けず、FD領域213と容量211を接続させても良い。以下、リファレンス画素101の転送MOSトランジスタ202のソースとドレイン間が、図2で例示したようにショートされている形態として説明する。
【0025】
有効画素100、リファレンス画素101の転送制御線207、リセット制御線208、リセット供給線209は垂直走査回路210に電気的に接続されている。
【0026】
次にリファレンス選択部905について説明を行う。図3はリファレンス選択部905の構成の一例を示したものである。リファレンス選択部905は、AND回路912〜915とインバータ911−1、911−2とで構成され、2ビットのデマルチプレクサを構成している。制御線906は2ビット分の信号を伝送するため、制御線906−1、906−2の2本設けられている。
【0027】
記憶回路909にはリファレンス画素選択情報が記憶されている。制御線906−1、906−2を介して記憶回路909から出力される2ビットの選択信号がそれぞれAND回路912〜915に与えられる。制御線906−1においては、記憶回路909とAND回路914との間にインバータ911−1が配されている。従って、記憶回路909から制御線906−1に例えばHレベルの信号が出力されると、AND回路912、913にはHレベルの信号が、AND回路914、915にはLレベルの信号が与えられる。同様に、記憶回路909から制御線906−2に例えばHレベルの信号が出力されると、AND回路912、914に与えられる信号がHレベルであり、AND回路913、915に与えられる信号がLレベルとなる。従って、記憶回路909から制御線906−1、906−2の双方にHレベルの信号が与えられたとき、AND回路912のみに与えられる信号が全てHレベルである。これにより、AND回路912からリファレンス選択線908Aを介してリファレンス信号選択スイッチ901にHレベルの信号が出力される。これにより、リファレンス画素101Aが第2の垂直信号線103に電気的に接続される。他のリファレンス画素101B〜Dをそれぞれ第2の垂直信号線103に電気的に接続させる場合には、記憶回路909から制御線906−1、906−2に出力する信号を制御すればよい。具体的には、リファレンス画素101Bを選択する場合には、制御線906−1の電位はHレベル、制御線906−2の電位はLレベルである。同様に、リファレンス画素101Cを選択する場合には、制御線906−1の電位はLレベル、制御線906−2の電位はHレベルである。また、リファレンス画素101Dを選択する場合には、制御線906−1、制御線906−2の電位は共にLレベルである。
【0028】
このようにして、リファレンス選択部905はリファレンス選択線908A〜Dを介して、リファレンス信号選択スイッチ901、902、903、904のうち1つが第2の垂直信号線103と電気的に接続された状態となる。従って、4つのリファレンス画素101A〜Dのいずれかに不具合が生じていたとしても、他の正常なリファレンス画素101を選択することで、正常なリファレンス信号を取得することができる。
【0029】
次にリファレンス画素選択情報の取得方法と、リファレンス画素101の選択方法について述べる。まず固体撮像装置の全てのリファレンス画素101A〜Dを検査して、不具合のあるリファレンス画素101A〜Dのアドレスを検出する。次に不具合のレベルに応じてリファレンス画素101A〜Dをランク分けし、リファレンス画素欠陥マップを作成する。作成したリファレンス画素欠陥マップに応じて、4行のリファレンス画素行から不具合の少ない最適なリファレンス画素行を決定し、リファレンス画素101を選択するためのリファレンス画素選択情報を設定する。リファレンス画素選択情報を固体撮像装置内の記憶回路909に設定する。記憶回路909は、このリファレンス画素選択情報に基づいて、リファレンス画素行を選択する。リファレンス画素欠陥マップの作成は、予め取得して外部の記憶装置に記憶させてもよいし、電源の投入時に行ってもよい。
【0030】
図4(a)は、図1および図2に例示した固体撮像装置の駆動方法を例示したタイミング図である。PRESは、リセット制御線208に印加されるパルス、PSELは転送制御線207に印加されるパルスである。PTN、PTSは例えば不図示のタイミング発生部から信号処理回路113に印加されるパルスである。PTS、PTNが信号処理回路113に印加されることにより、差動増幅器112から出力された信号が信号処理回路113にて、後述する第2のCDSが行われる。VLine1は第1の垂直信号線102の電位、VLine2は第2の垂直信号線103の電位、GNDはGND配線117の電位、Voutは差動増幅器112からの出力電位を表している。
【0031】
図4(a)に例示したタイミング図においては、パルスをHighレベル(以下、Hレベルと表記する)とした時に、パルスが印加されたMOSトランジスタの、ソースとドレイン間が導通する。一方、Lowレベル(以下、Lレベルと表記する)とした時にはソースとドレイン間が電気的に遮断される。尚、Lレベルのパルスがゲートに印加されることでソースとドレイン間が導通するMOSトランジスタを用いた場合には、図4に示したパルスのHレベルとLレベルを反対にすることで、本実施例と同様の動作をすることができる。
【0032】
以下、図4(a)に例示したタイミング図について、時刻t1から順を追って、本実施例の固体撮像装置の駆動方法について説明する。
【0033】
時刻t1において、有効画素100とリファレンス画素101にそれぞれ印加するPRESをHレベルとし、また、リセット供給線209に信号を印加して、FD領域203、213の電位をリセットレベルとする。また、PRESをHレベルにする。
【0034】
時刻t2において、PRESをLレベルとし、FD領域203、213のリセットを解除する。リセットMOSトランジスタ204のソースとドレイン間が電気的に遮断される時に生じるチャージインジェクションにより、FD領域203、213の電位がリセットレベルより低下する。従って、増幅MOSトランジスタ205、215が出力する信号の電位が低下するため、VLine1、VLine2の電位も低下する。
【0035】
時刻t3において、スイッチ110、111をOFFにし、増幅MOSトランジスタ205、215が出力する信号(以下、リセット信号と表記する)を容量C0s、C0rに保持する。スイッチ110、111をOFFすることによって生じるチャージインジェクションにより、差動増幅器112の出力電位Voutが上昇する。この時の出力電位Voutは、リファレンス電圧Vrefと差動増幅器112のオフセット電圧Voffとして、Vout=Vref+Voffの式で表される。この状態の差動増幅器112の出力電位VoutをN信号と以下表記する。
【0036】
時刻t4において、PTNをHレベルとして、信号処理回路113に差動増幅器112が出力するN信号が読み出される。
時刻t5において、PTNをLレベルとして、信号処理回路113へのN信号の読み出しを終了する。
時刻t6において、有効画素100とリファレンス画素101に印加するPTXをHレベルとする。
【0037】
これにより、フォトダイオード201で生じた電荷がFD領域203に転送される。FD領域203に保持された電荷に基づいて増幅MOSトランジスタ205が出力する信号(以下、光電変換信号と表記する)が第1の垂直信号線102に伝送される。FD領域203に保持された電荷に応じて、第1の垂直信号線102の電位は低下する。フォトダイオード201の光電変換は、前回の信号読み出し期間においてPTXがHレベルからLレベルとなった時刻t7から、今回の信号読み出し期間の時刻t6までの間に行われればよい。この信号読み出し期間とは、時刻t1から時刻t9までの期間を表している。リファレンス画素101は光電変換を行わないため、負荷MOSトランジスタ105から供給される電流値に変動がない限りにおいては、FD領域213の電位は時刻t5時点の電位から変化しない。よって、リファレンス信号はリセット時から変化しない。容量C0r、C0sはリセット信号を時刻t3にスイッチ110、111をオフすることで保持している。よって、時刻t6にFD領域203の電位が変化すると、差動増幅器112の、第1の垂直信号線102と接続された端子には、光電変換信号とリセット信号との差分に基づく信号が入力される。第2の垂直信号線103に接続された端子には、時刻t3で保持したリセット信号と、時刻t6で増幅MOSトランジスタ215から出力される信号との差分に基づく信号が出力される。先述したように、リファレンス画素101は光電変換を行わないため、負荷MOSトランジスタ105から供給される電流値に変動がない限りにおいては第2の垂直信号線103の電位VLine2は変化しない。よって、差動増幅器112の、第2の垂直信号線103に接続された端子には、第2の垂直信号線103の電位VLine2に変化が無い場合には、時刻t3におけるレベルが信号として入力される。上述の動作によって、容量C0s、C0rによって第1のCDSが行われる。時刻t6の差動増幅器112の出力電位Voutは、容量比C0s/Cfsに応じて光電変換信号を増幅して出力した信号と、容量比C0r/Cfrに応じてリファレンス信号を増幅して出力した信号との差分である。この差分出力電位をS信号と以下表記する。
【0038】
リファレンス画素101と、リファレンス画素101と同じ列に属するN行目の有効画素100とのそれぞれに印加するPTXを、同時にHレベルとする。ここでいうN行目のNは、1以上の自然数である。これにより、リファレンス画素101からのリファレンス信号と、N行目の有効画素100が出力する光電変換信号とが、信号処理回路113に同時に出力される。つまり、1行目の有効画素100からの入射光に基づく信号を読み出す時には、1行目の有効画素100に印加するPTXと、この有効画素100と同じ列に属するリファレンス画素101に印加するPTXとを同時にHレベルとする。この動作を有効画素100の各行からの光電変換信号を読み出す時に行い、有効画素100からの信号とリファレンス信号との同時読み出しを行う。
【0039】
時刻t7において、PTXをHレベルからLレベルとして、フォトダイオード201とFD領域203とを電気的に遮断する。
時刻t8において、PTSをHレベルにすることで、信号処理回路113にS信号が読み出される。
時刻t9において、PTSをLレベルにすることによって、信号処理回路113へのS信号の読み出しが終了する。
【0040】
信号処理回路113は読み出されたS信号とN信号の差分を出力する。この差分処理により、S信号に含まれる差動増幅器112のオフセット電圧Voffが差し引かれる。つまり、第2のCDSが信号処理回路113によって行われる。そして、HSR114によって選択された信号処理回路113から信号が出力され、この信号が、固体撮像装置の出力する信号115である。
【0041】
本実施例の固体撮像装置は、リファレンス画素101を行単位で選択する構成である。よって、リファレンス画素101を画素ごとに選択する構成に比して、リファレンス選択部905の配置面積を小さくすることができるとともに、リファレンス選択部905の固体撮像装置内での配置位置の自由度も向上する。またリファレンス画素選択情報も4行から1行を選択するので、2ビットの情報で足りる。
【0042】
特許文献1のように、複数の有効画素100の出力に対して差分を取るリファレンス画素101が1つの構成の場合には、そのリファレンス画素101に不具合があると正常なリファレンス信号が得にくくなる。よって、複数の有効画素100が出力した信号とリファレンス信号との差分の信号が正しく得られなくなる場合がある。この場合には、撮像して得られた画像に線状の縞が生じることがある。本実施例の固体撮像装置は複数のリファレンス画素101からリファンレンス信号を出力する画素を選択可能にする構成を有している。この構成により、複数の有効画素100の出力に対して差分を取るリファレンス画素101A〜Dの1つに不具合があった場合でも、他のリファレンス画素101からの出力に切り替えることにより、画像に線状の縞が生じることをなくすことができる。
【0043】
本実施例の固体撮像装置は、増幅MOSトランジスタ205、215は差動増幅器112とは別に設けられた構成を有している。従って、増幅MOSトランジスタが差動対の入力段を兼ねる構成に比して、本実施例の固体撮像装置は増幅MOSトランジスタ205、215のパラメータの設定の自由度が向上する効果を有する。ここでいうパラメータとは、トランジスタの動作に影響する要素を指す。たとえばゲート面積、電圧増幅率、電流増幅率、しきい値電圧、許容損失など多様な要素がある。
【0044】
また、特許文献1に記載の固体撮像装置では、有効画素とリファレンス画素のそれぞれが出力する信号の差分を得て、有効画素の出力する信号に重畳されているノイズを精度よく低減するために、有効画素とリファレンス画素とで微小容量Cioと浮遊拡散容量Cfdの容量比を揃える必要があった。有効画素100のフォトダイオード201の面積を圧迫することなく1/fノイズを低減するためには、リファレンス画素101の増幅MOSトランジスタ215のゲート面積を大きくすることが考えられる。特許文献1に開示された構成の回路で、リファレンス画素の増幅MOSトランジスタのゲート面積を大きくした場合には、浮遊拡散容量Cfdも寄生容量の増大によって大きくなるため、微小容量Cioと浮遊拡散容量Cfdの容量比を調整する必要があった。これに対し、本実施例の構成では、有効画素100とリファレンス画素101の内部に微小容量Cioを設けない構成とすることができる。よって、微小容量Cio、浮遊拡散容量Cfdの容量比を調整することなく、増幅MOSトランジスタ215のゲート面積の拡大を行うことができ、1/fノイズの影響を少なくすることができる。
【0045】
リファレンス画素101は光電変換信号出力画素領域120の外に設けられている。従って、フォトダイオード201の面積を圧迫することなく、リファレンス画素101の増幅MOSトランジスタ215の制御電極であるゲートの面積を大きくすることができるため、1/fノイズの影響を少なくすることができる。また、リファレンス画素101は有効画素100よりも差動増幅器112に近接して設けられている。これにより、第2の垂直信号線103の配線長さを短くすることができるとともに、光電変換信号出力画素領域120内に第2の垂直信号線103が入り込まない構成とすることができるため、フォトダイオード201の面積を圧迫しない。
【0046】
増幅MOSトランジスタ205と増幅MOSトランジスタ215のゲートの面積を等しくする場合であっても、本実施例の固体撮像装置は、増幅MOSトランジスタ205、215のパラメータから独立して差動増幅器112を設計することができる効果を有している。
【0047】
また、有効画素100、リファレンス画素101が有する電圧源Vddは、差動増幅器112が有する不図示の電源とは別に設けられている。これにより、有効画素100、リファレンス画素101に供給する電圧源Vddとは別の電圧で差動増幅器112を動作させることができる。
【0048】
増幅MOSトランジスタ215を増幅MOSトランジスタ205よりも小さくする場合についても、増幅MOSトランジスタ205、215のパラメータから独立して差動増幅器112を設計することができる効果を有している。さらに、増幅MOSトランジスタ215を小さくできる分、光電変換信号出力画素領域120の面積を広くできるため、有効画素100のフォトダイオード201の面積も拡大できる。よって、感度の低下を低減できる。
【0049】
特許文献1に記載の固体撮像装置では、垂直信号線に接続された電流源はソース電極からゲート電極、ドレイン電極を経由して信号線に電流を供給している。よって、信号を読み出す有効画素を選択した時、垂直信号線を流れる電流の電流値が一時的に変動する。この電流値の変動が安定するまでの時間は差動増幅回路が持つ電流源の電流値に律速される。このため、信号線の電流値の変動の影響を受けずに信号を読み出すためには、有効画素を選択してから垂直信号線を流れる電流の電流値が落ち着くまでの待機時間を設ける必要がある。
【0050】
一方、本実施例で説明した固体撮像装置では、各画素の出力はソースフォロワ回路の電圧出力として与えられるので、垂直信号線の電位変動は電流源を流れる電流値に律速されない。そのため、複数の有効画素100を垂直走査して光電変換信号を読み出す時に、特許文献1に記載の固体撮像装置に比べて、有効画素を選択してから信号線を流れる電流の変動が落ち着くまでの待機時間を少なくすることができる。
【0051】
また、特許文献1に記載の固体撮像装置では、有効画素の内部に微小容量Cio、浮遊拡散容量Cfdが設けられている。これに対して、本実施例の固体撮像装置は微小容量Cioが設けられていない。特許文献1に記載の固体撮像装置と本実施例の固体撮像装置を、同じ面積に同じ数の有効画素を設けることを考えると、本実施例の固体撮像装置の方が光電変換部の面積を大きくすることができる。よって、感度低下を抑制することができる。
【0052】
次に、図4(a)に示したVLine1、VLine2、GNDに示した破線について説明しながら、固体撮像装置が出力する画像において問題となる、横スミアや横縞を本実施例の固体撮像装置が低減できることについて説明する。
【0053】
強い光が、光電変換信号出力画素領域120の一部の有効画素100に入射した場合を想定する。強い光が入射した有効画素100からの光電変換信号により第1の垂直信号線102の電位が大きく低下する。入射した光が非常に強い場合には、負荷MOSトランジスタ104のソース・ドレイン間の電圧が0Vに近づき、特に強い光が入射した場合には負荷MOSトランジスタ104がOFFしてしまう。GND配線117に流れる電流は、OFFしている負荷MOSトランジスタ104の数によって変化する。また、GND配線117のインピーダンスとGND配線117に流れる電流でGND配線117に生じる電圧降下によって、負荷MOSトランジスタ104、105に流れる電流が変化する。よって、強い光が入射している有効画素100の数が多い行ほどOFFしている負荷MOSトランジスタ104の数が多いため、GND配線117の電圧降下が小さく、負荷MOSトランジスタ104、105に流れる電流が多くなる。これにより、増幅MOSトランジスタ205、215のゲートとソース間の電位差が大きくなる。リファレンス画素101が設けられていない構成の場合、増幅MOSトランジスタ205のゲートとソース間の電位差が大きくなることにより、強い光が入射されている有効画素100を含む行と、そうでない行との光電変換信号の出力範囲が異なってしまう。その結果、強いスポット光が入射された画像で、スポットの左右に白っぽい帯が発生する横スミアが生じることがあった。
【0054】
本実施例はリファレンス画素101が設けられており、第2の垂直信号線103が負荷MOSトランジスタ105を介して共通ゲート配線116、GND配線117に電気的に接続された構成となっている。この構成を有することにより、強い入射光が有効画素100に入射した時、有効画素100の増幅MOSトランジスタ205のソースとゲート間の電位差が大きくなる。また、リファレンス画素101の増幅MOSトランジスタ215のソースとゲート間の電位差も同様に大きくなる。差動増幅器112からのS信号は、光電変換信号とリファレンス信号の差分であるため、増幅MOSトランジスタ205、215それぞれのソースとゲート間の電位差の増大の影響を差し引くことができる。従って、横スミアの発生を抑制することができる。
【0055】
また本実施例が、横スミアと同様に画像の品質低下を招く、横縞についても抑制することができる点について説明する。図4(b)は共通ゲート配線116の電位が変動した場合を表した図である。図4(b)は、図4(a)に対してVLine1、VLine2の電位以外は同じである。図4(b)に破線で示した共通ゲート配線116の電位の変動は、共通ゲート配線116に電圧を供給する電源回路から発生するランダムノイズや、他回路からのキックバックノイズによって生じる。リファレンス画素101が設けられていない場合、共通ゲート配線116の電位が変動することによって負荷MOSトランジスタ104に流れる電流が変化し、読み出し動作が選択されている行全体の光電変換信号の出力範囲が変化する。これにより、共通ゲート配線116の電位の変動が生じた画像において、変動が生じなかった行と生じた行とが出力する信号の差によって画像に横縞が発生する。
【0056】
本実施例の構成においては、共通ゲート配線116の電位に変動が生じた場合、負荷MOSトランジスタ104、105が受ける影響が等しい。よって、図4(b)に例示したように共通ゲート配線116の電位変動による、VLine1とVLine2の電位変動は等しい。差動増幅器112からのN信号とS信号は、有効画素100からの信号とリファレンス信号の差分であるため、共通ゲート配線116の電位変動の影響を差し引くことができる。よって、共通ゲート配線116の電位の変動が生じた場合であっても、変動が生じなかった行と生じた行とで光電変換信号の出力範囲が変わらないため、取得される画像に横縞が発生することを抑制することができる。
【0057】
本実施例では、固体撮像装置が出力する画像において問題となる横スミアや横縞を低減するため、負荷MOSトランジスタ104、105が共通ゲート配線116と、共通のGND配線117に接続されている。しかし負荷MOSトランジスタ104、105が共通ゲート配線116、共通のGND配線117に接続されておらず、別々のゲート配線、GND配線に接続されている形態であっても良い。つまり、複数のリファレンス画素101の中からリファレンス信号を出力するリファレンス画素を選択する構成であれば良い。
【0058】
時刻t1からt2までの間に行うリセット動作は、FD領域203、213の電位をリセットしていたが、この時にPTXをHレベルとしてフォトダイオード201、容量211の電位のリセットを行っても良い。この場合、フォトダイオード201の光電変換は、PRES、PTXをLレベルとする時刻t2から、次にPTXをHレベルにする時刻t6までの間で行えばよい。
【0059】
リファレンス画素101のFD領域213のリセットを、時刻t2で有効画素100のFD領域203のリセットと同時に終了させていた。しかし、リファレンス画素101は光電変換を行わないため、リセットを終了させることなく、FD領域213にリセットレベルの電位を与え続ける形態であっても良い。
【0060】
また、スイッチ110、111については、時刻t2から時刻t4までの期間でスイッチ110、111がONからOFFになる状態があれば良い。つまり、スイッチ110、111をONにするタイミングはPRESがHレベルとなる時刻t1に必ずしも一致している必要はなく、時刻t1以前から時刻t4までの間であれば良い。
【0061】
差動増幅器112への、光電変換信号とリファレンス信号のそれぞれの伝送は同時に終了することが好ましい。負荷MOSトランジスタ104、105のそれぞれが供給する電流値が変動し、時間によって電流値の変動量が異なることがある。この場合に、光電変換信号とリファレンス信号のそれぞれの読み出しを終えるタイミングを異ならせると、信号処理回路113に保持されたそれぞれの信号に含まれる負荷MOSトランジスタ104、105の変動量が異なることがある。よって、信号処理回路113がそれぞれの信号の差分を得ても、負荷MOSトランジスタ104、105の供給する電流値の変動による影響を、差し引ききれないことがあるためである。
【0062】
本実施例では、これまでリファレンス画素101が容量211、FD領域213、リセットMOSトランジスタ204を有する形態として説明した。しかし、リファレンス画素101は、少なくともそのゲートに印加された電圧に基づく信号を出力する増幅MOSトランジスタ215を有していれば良い。つまり、リセットMOSトランジスタ204を設けず、増幅MOSトランジスタ215のゲートに電圧供給線を接続し、電圧供給線から供給された電圧に基づく信号を増幅MOSトランジスタ215が出力する形態であっても良い。このように、電荷保持部であるFD領域213や、容量211、転送MOSトランジスタ202などを省略することで、増幅MOSトランジスタ215のゲート面積をより大きく設計することが可能となる。
【0063】
本実施例のリファレンス画素101は容量211が電荷を保持する形態として説明した。別の形態として、例えば、図2に示した容量211に代えてFD領域213が電荷を保持する構成であってもよい。また、図2のように容量211をFD領域213とは別に設けた構成であったり、有効画素100のようにフォトダイオード201を設けた構成であったりしても良い。フォトダイオードを設けた場合には、リファレンス画素101を、フォトダイオードが遮光されたオプティカルブラック画素とすることで、リファレンス画素101からリファレンス信号を得ることができる。
【0064】
本実施例は有効画素100のそれぞれの増幅MOSトランジスタ205が第1の垂直信号線102に電気的に接続された形態に限定されず、リセットMOSトランジスタ204やFD領域203を、複数の有効画素100で共有する構成としても良い。即ち、複数のフォトダイオード201やFD領域203が1つの増幅MOSトランジスタ205に接続されている形態であっても良い。
【0065】
本実施例では、各列のリファレンス画素101が光電変換信号出力画素領域120の同じ側の端部に設けられていた。他の形態として、光電変換信号出力画素領域120を挟んでリファレンス画素101が配された形態であっても良い。また、各列で交互にリファレンス画素101が光電変換信号出力画素領域120を挟んで配された形態であっても良い。この交互の配列は複数列毎としても良い。
【0066】
各々の差動増幅器112についても同様に、光電変換信号出力画素領域120を挟んで交互に設けられた構成としても良い。また、交互の配列は1列毎ではなく、複数列毎としても良い。
【0067】
また、信号処理回路113から出力された信号がアナログ信号である場合には、信号処理回路113が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器を設けると良い。このA/D変換器は、アナログデジタル変換部である。
【0068】
本実施例における差分信号出力部140は差動増幅器112である。他の形態として、さらに差分信号出力部140として図5のように、信号処理回路113に電気的に接続された差動アンプ129を設ける形態とすることもできる。図5に例示した固体撮像装置において、図1と同じ機能を有するものに関しては図1と同一の符号を付しており説明を省略する。701、702はそれぞれ反転増幅器であり、第1の増幅部、第2の増幅部である。それぞれの反転増幅器が共通の電圧源や電流源を用いることで増幅回路703を構成している。反転増幅器701、702は、それぞれが出力する信号レベルの範囲がなるべく等しくなるように、隣接して配置することが望ましい。反転増幅器701、702の構成としては、例えばソース接地回路が考えられる。スイッチ704、705は反転増幅器701、702の入力端子と出力端子とをショートさせるか否かを切り替えるスイッチである。スイッチ704、705を導通状態とすると、容量Cfr、Cfsの電荷が放電されてリセットされる。この場合、反転増幅器701からの出力に基づいた信号と、反転増幅器702の出力に基づいて信号のそれぞれを別に信号処理回路113が差動アンプ129に出力する。この信号処理回路113が出力する2つの信号の差分を、差動アンプ129が出力する。この形態の場合には、差動アンプ129からの出力信号が固体撮像装置の出力する信号115である。増幅回路703もしくはそれよりも信号処理回路113側で発生したノイズは、有効画素100とリファレンス画素101のそれぞれの出力に重畳される。従って、信号処理回路113で有効画素100とリファレンス画素101の出力の差分を得ることにより、増幅回路703と、増幅回路703よりも信号処理回路113側で発生したノイズも差し引くことができる。よって、撮像装置の出力する信号115に含まれるノイズを低減する効果が得られる。よって信号115に含まれる、増幅回路703と、増幅回路703よりも信号処理回路113側で発生したノイズを低減することができ、ノイズの少ない良好な画像を得ることができる。また、他の形態として、信号処理回路113のそれぞれが差動アンプ129を有している形態であっても良い。この形態においても、増幅回路703で発生したノイズを低減した信号115を得ることができる。
【0069】
本実施例は、画素が転送MOSトランジスタ、増幅MOSトランジスタ、リセットMOSトランジスタの3つのMOSトランジスタを有する形態を基に説明した。画素が他に、選択MOSトランジスタを有する形態であっても良い。この選択MOSトランジスタとは、ゲートが垂直走査回路210に電気的に接続されている。さらに、ドレインとソースの一方が第1の垂直信号線102あるいは第2の垂直信号線103、他方が増幅MOSトランジスタ205あるいは増幅MOSトランジスタ215にそれぞれ電気的に接続される。第1の垂直信号線102あるいは第2の垂直信号線103に信号を出力する画素の選択MOSトランジスタのゲートに、垂直走査回路210がパルスを印加する。これにより、選択された画素から信号が第1の垂直信号線102あるいは第2の垂直信号線103に出力される。
【0070】
本実施例は、画素内のトランジスタがMOSトランジスタである形態を例として説明した。本実施例はこれに限定されるものではなく、画素内のリセットトランジスタ、転送トランジスタがバイポーラトランジスタであっても良い。また、増幅トランジスタについても、接合型電界効果型トランジスタ(JFET)を用いることもできる。
【0071】
図1に例示した固体撮像装置では、リファレンス画素101が、有効画素100とリファレンス画素101とが配された画素領域の差動増幅器112側の端部にのみ配置されていた。しかし、本実施例はこの形態に限定されるものではなく、さらにリファレンス画素101が、画素領域の差動増幅器112側とは光電変換信号出力画素領域120を挟んで反対側の端部に設けられていても良い。
【0072】
本実施例では、有効画素100が複数行、複数列配列されており、またリファレンス画素101が複数列配列された形態に基づいて説明した。有効画素100は1行以上、1列以上配列されていれば良い。この場合、差動増幅器112、第1の垂直信号線102、第2の垂直信号線103についても1列ずつ設けられていれば良い。この形態においても、有効画素100の光電変換部の面積を圧迫させずにリファレンス画素101の増幅MOSトランジスタ215の制御電極であるゲートの面積を大きくすることができる。よって、1/fノイズの少ない光電変換信号を得ることができる。
【0073】
なお、本実施例では、リファレンス画素選択情報を保持するのは記憶回路909としたが、本発明はこの形態に限定されるものではない。例えば、固体撮像装置と、固体撮像装置が出力する信号を処理する出力信号処理部、固体撮像装置に駆動タイミングを供給するタイミング発生部、タイミング発生部を制御する全体制御・演算部を有する固体撮像システムの形態がある。この固体撮像システムの形態において、例えば全体制御・演算部がリファレンス画素選択情報を保持する形態であっても良い。
【0074】
また、本実施例ではリファレンス画素101が複数設けられた例として4つのリファレンス画素101A〜101Dが設けられた形態を示したが、2つ以上のリファレンス画素101が設けられている形態であれば本実施例の効果を好適に得ることができる。また、本実施例ではリファレンス信号を出力するリファレンス画素を1つ選択したが、複数を選択して出力させる形態であっても良い。つまり、リファレンス画素101A〜Dのうち、不具合のランクに応じて1つから4つのリファレンス画素を同時に選択し、リファレンス信号を差動増幅器112に出力する形態であっても良い。
【実施例2】
【0075】
本実施例について、実施例1と異なる点を中心に、図面を参照しながら説明する。本実施例の固体撮像装置は、複数列のリファレンス画素101を含むブロックが複数配されている形態である。
【0076】
図6は本実施例の一例を示したブロック図である。図6に例示した固体撮像装置において、図1と同じ機能を有するものに関しては図1と同一の符号を付しており説明を省略する。また有効画素100とリファレンス画素101の等価回路は実施例1の図2と同様とすることができる。図6に例示した固体撮像装置では、4列のリファレンス画素101を含んだブロック1010が複数配されている。
【0077】
1つのブロック1010に含まれる4列のリファレンス画素101を図6では101A1〜A4、101B1〜B4、101C1〜C4、101D1〜D4として図示した。4列のリファレンス画素101を含むブロック1010ごとにリファレンス選択部905が配されている。ブロック1010−1の各リファレンス信号選択スイッチ901〜904のそれぞれはリファレンス選択部905(BLOCK1)に電気的に接続されている。同様に、ブロック1010−2の各リファレンス信号選択スイッチ901〜904のそれぞれはリファレンス選択部905(BLOCK2)に電気的に接続されている。
【0078】
1つのブロックに含まれるリファレンス画素101は、第2の垂直信号線103に電気的に接続されるリファレンス画素101がリファレンス選択部905によって行単位で選択される構成を有している。すなわち、リファレンス選択部905は例えば1行目のリファレンス画素101A1〜A4を選択する場合には、リファレンス選択線908Aの電位をHレベルとする。同様にリファレンス選択部905は、2行目、3行目、4行目のリファレンス画素101B1〜B4、101C1〜C4、101D1〜D4をそれぞれ選択する場合には、リファレンス選択線908B、908C、908Dのそれぞれの電位をHレベルとする。
【0079】
図7において制御線906は記憶回路909からリファレンス画素選択情報をリファレンス選択部905に伝える。リファレンス選択部905は例えばデマルチプレクサとすることができる。
【0080】
リファレンス画素選択情報に基づきリファレンス選択部905は、第2の垂直信号線103にリファレンス出力を出力するリファレンス画素101を選択する。本実施例において1個のブロックは4行のリファレンス画素行から1行選択する。図7では制御線906を同層配線で形成した場合の概略配置をしめしたが、この場合配置面積が増大し、それに応じてチップサイズも増大する。そこで2ビットの制御線906について、一方は第1の配線層AL1(不図示)、他方は第2の配線層AL2(不図示)に配された2層配線とする。これにより、制御線906を同層配線とした場合に比べ配置面積を略1/2とすることができる。さらに多層配線を用いれば、より配線配置面積を減らすことができる。
【0081】
図6、図7に例示した撮像装置の本実施例における動作は、図4で例示した動作と同様とすることができる。
【0082】
本実施例においては、ブロックごとにリファレンス画素行の選択を行えることが特徴である。これにより、実施例1に比べリファレンス画素行の選択を異ならせることもでき、リファレンス画素行の選択の組み合わせの自由度が向上する。よって、撮像装置におけるリファレンス画素の選択を、不具合を有するリファレンス画素が少ない組み合わせとすることができる効果を有する。
【0083】
本実施例では、複数のリファレンス選択部905を水平走査方向に並べて配置した。他の形態として、リファレンス選択部905が画素の配された列の間に設けられている形態であっても良い。さらに言えば、本実施例はリファレンス選択部905が設けられる場所に制限はなく、ブロックごとにリファレンス画素行を選択できる構成を有していれば好適に実施することができる。
【0084】
本実施例においても、複数のリファレンス画素101A〜Dからリファレンス信号を出力するリファレンス画素101を選択する構成を有している。これにより本実施例の固体撮像装置においても、実施例1の固体撮像装置で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【実施例3】
【0085】
本実施例の固体撮像装置について、実施例1と異なる点を中心に、図面を参照しながら説明する。本実施例では、1列に配されたリファレンス画素101A〜Dを含む1つのリファレンス画素群が複数の差動増幅器に共通して電気的に接続されることを特徴としている。
【0086】
図8は本実施例の一例を示したブロック図である。
図8に例示した固体撮像装置において、図1と同じ機能を有するものに関しては図1と同一の符号を付しており説明を省略する。また有効画素100とリファレンス画素101の等価回路は実施例1の図2と同様とすることができる。
【0087】
本実施例においては、4列の有効画素で、4個のリファレンス画素を共有する構成であることを特徴とする。本実施例において、1つの第2の垂直出力線103は4列の差動増幅器112に電気的に接続されている。従って、4列の差動増幅器112には共通のリファレンス信号が与えられる。
【0088】
実施例1の固体撮像装置では各列の差動増幅器112にそれぞれ異なるリファレンス画素101からリファレンス信号が与えられていた。この形態では、それぞれの差動増幅器112に電気的に接続された第2の垂直出力線103が独立して駆動される。一方、本実施例の固体撮像装置は、第2の垂直信号線103は4つの差動増幅器112に共通して電気的に接続される構成であり、実施例1の固体撮像装置に比して消費電流を低減できる効果を有する。また、実施例1の固体撮像装置に比して、有効画素列4列あたりに含まれるリファレンス画素101の数が少ないことによる消費電流低減の効果も有する。
【0089】
本実施例においても、複数のリファレンス画素101A〜Dからリファレンス信号を出力するリファレンス画素101を選択する構成を有している。これにより本実施例の固体撮像装置においても、実施例1の固体撮像装置で得られる効果と同等の効果を得ることができる。
【0090】
なお、本実施例においては4個のリファレンス画素101A〜Dを1列に配置した形態を説明した。他の形態として図9に例示したように、リファレンス画素101A〜Dを1行に配置して、1つのリファレンス画素群が4つの差動増幅器112に共通して電気的に接続される形態であっても良い。この形態の場合には、1列にリファレンス画素101A〜Dを配する構成に比して、リファレンス信号出力画素領域150の面積を縮小することができる。その結果、固体撮像装置のチップサイズを縮小することができる。
【0091】
また、本実施例では、4つの差動増幅器112に1つのリファレンス画素群が共通して電気的に接続される形態を説明した。さらに1つのリファレンス画素群に共通して電気的に接続される差動増幅器112の個数を増やすことによって、実施例1の固体撮像装置に比して、更に消費電流を減らすことができる効果が得られる。
【0092】
また実施例2と本実施例とを組み合わせた場合には、実施例2で述べたブロック内で利用するリファレンス画素101を共有化することもできる。例えば4個のリファレンス画素101を複数列で共有することにより、消費電流を減らすことができる。さらに共有化により不必要になったリファレンス画素101の領域にリファレンス選択部905を配置することができるので、固体撮像装置のチップ面積の増大を抑制することができる。
【実施例4】
【0093】
本実施例の固体撮像装置について、実施例1と異なる点を中心に、図面を参照しながら説明する。図10に本実施例の固体撮像装置を例示したブロック図を示す。
【0094】
図10に例示した撮像装置において、図1と同じ機能を有するものに関しては図1と同一の符号を付しており説明を省略する。また有効画素100とリファレンス画素101の等価回路は実施例1の図2と同様とすることができる。
【0095】
図10の固体撮像装置では、有効画素100が配された画素列において4個のリファレンス画素101A〜Dと3個のオプティカルブラック画素801E〜Gが配置されている。オプティカルブラック画素801は有効画素100のフォトダイオード201を遮光した構造とすることができる。オプティカルブラック画素801の信号出力動作は図2における有効画素100と同様とすることができる。オプティカルブラック画素801E〜Gが配された領域がオプティカルブラック画素領域800である。本実施例においてはオプティカルブラック画素801と有効画素100の間にリファレンス画素101を配置することを特徴とする。つまり光電変換信号出力画素領域120とオプティカルブラック画素領域800の間にリファレンス信号出力画素領域150が配されている。すなわち、オプティカルブラック画素801は、同じ列に属するリファレンス画素101の全てよりも差動増幅器112に近接して設けられている。さらに言えば、オプティカルブラック画素801は有効画素100、リファレンス画素101、オプティカルブラック画素801の配された画素領域において、差動増幅器112側の端部に設けられている。この近接とは、リファレンス画素101とオプティカルブラック画素801それぞれの差動増幅器112側の端部を比較し、オプティカルブラック画素801の差動増幅器112側の端部の方が差動増幅器112に近いことを意味している。
【0096】
オプティカルブラック画素801を有効画素100に隣接して配置すると、高輝度の光が入射した場合、有効画素100に近接するオプティカルブラック画素801の信号出力に有効画素100の光電変換信号が影響を及ぼすことがある(ブルーミング)。これにより、オプティカルブラック画素801の信号出力の精度が低下する問題がある。
【0097】
一方、本実施例のようにオプティカルブラック画素801と有効画素100の間にリファレンス画素101を配置することで、有効画素100からオプティカルブラック画素801へのブルーミングの影響を低減することができる。
【0098】
なお、本実施例では、オプティカルブラック画素801が有効画素100の配された各画素列に3つずつ配されている構成を示したが、この構成に限定されるものではない。つまり、オプティカルブラック画素801が有効画素100の配された列に1つ以上配されていれば良い。また、複数列でオプティカルブラック画素801を共有する構成であっても良い。
【0099】
本実施例においても、複数のリファレンス画素101A〜Dからリファレンス信号を出力するリファレンス画素を選択する構成を有している。これにより本実施例の固体撮像装置においても、実施例1の固体撮像装置で得られる効果と同等の効果を得ることができる。
【実施例5】
【0100】
本実施例の固体撮像装置について、実施例1と異なる点を中心に図面を参照しながら説明する。
図11に本実施例の固体撮像装置を例示したブロック図を示す。有効画素100の等価回路は実施例1の図2と同様とすることができる。
図11に例示した撮像装置において、図1と同じ機能を有するものに関しては図1と同一の符号を付しており説明を省略する。
【0101】
図11の固体撮像装置では、有効画素100が配された各画素列において、8つのオプティカルブラック画素801A〜Hが配されている。オプティカルブラック画素801は有効画素100と同様の等価回路とすることができ、フォトダイオード201が遮光された構造とする。本実施例におけるリファレンス信号出力画素は、オプティカルブラック画素801A〜Dである。
【0102】
本実施例においては一部のオプティカルブラック画素801A〜Dが第1の垂直信号線102と第2の垂直信号線103に電気的に接続されている構成を有している。オプティカルブラック画素801A〜Dは、OB信号選択スイッチ910を介して第1の垂直信号線102に電気的に接続されている。また、オプティカルブラック画素801A〜Dは、リファレンス信号選択スイッチ901を介して第2の垂直信号線103に電気的に接続されている。リファレンス信号選択スイッチ901の各々は、リファレンス選択線908A−1、908B−1、908C−1、908D−1を介してリファレンス選択部905に電気的に接続されている。OB信号選択スイッチ910の各々は、リファレンス選択線908A−2、908B−2、908C−2、908D−2を介してリファレンス選択部905に電気的に接続されている。即ち、本実施例の固体撮像装置に設けられたオプティカルブラック画素801の一部のオプティカルブラック画素801A〜Dは第1の垂直信号線102、第2の垂直信号線103を介して信号を差動増幅器112に出力することができる。オプティカルブラック画素801から第1の垂直信号線を介して差動増幅器112に出力される信号をOB信号、第2の垂直信号線103を介して差動増幅器112に出力される信号をリファレンス信号と表記する。本実施例の固体撮像装置は、第2の垂直信号線103に電気的に接続されたオプティカルブラック画素801A〜Dの中から、リファレンス信号を出力させるオプティカルブラック画素801を選択する構成を有する。リファレンス信号を出力させるオプティカルブラック画素801の他のオプティカルブラック画素はOB信号を差動増幅器112に出力する。
【0103】
またオプティカルブラック画素801に不具合がある画素行はリファレンス信号出力画素としてもオプティカルブラック画素としても使わないようにすることができる。
本実施例のようにオプティカルブラック画素801A〜Dは、リファレンス信号出力画素を兼ねることができるので、リファレンス画素用の領域を節約できる。特にリファレンス画素を多く配置する場合の効果は大きい。
【0104】
図11に例示したオプティカルブラック画素のうち4個はリファレンス信号出力画素として兼用できる構成になっている。兼用画素は、リファレンス信号選択スイッチ901、902、903、904とOB信号出力用の画素選択手段(本実施例においてはOB信号選択スイッチ910)を有することを特徴とする。102は、画素列に沿った方向に配列された複数の有効画素100とオプティカルブラック画素が電気的に接続される第1の垂直信号線である。103は、リファレンス信号出力画素として動作するオプティカルブラック画素801A〜Dが電気的に接続される第2の垂直信号線である。これらのリファレンス信号選択スイッチ901、902、903、904とOB信号選択スイッチ910を制御することにより、オプティカルブラック画素からOB信号を出力させる場合は第1の垂直信号線に接続し、リファレンス信号を出力させる場合は第2の垂直信号線に接続する。つまりリファレンス信号出力画素としても動作するオプティカルブラック画素に、その出力を第1の垂直信号線に接続するか、第2の垂直信号線に接続するかの選択を行う選択手段を設けることが特徴となる。
【0105】
リファレンス信号出力画素として選択されたオプティカルブラック画素は、垂直走査回路210による走査から切り離される。このとき垂直走査回路210は、このリファレンス信号を出力するオプティカルブラック画素801を非選択とし、次のオプティカルブラック画素801を選択する動作となる。一方、OB信号を出力するオプティカルブラック画素801については、リファレンス選択部905は垂直走査回路210からの信号に基づいて選択を行う。例えば図11において第1行のオプティカルブラック画素801Aを、リファレンス信号を出力する画素として選択した場合、リファレンス選択部905はリファレンス信号選択スイッチ901を導通状態とする。また、リファレンス選択部905は、垂直走査回路210からのパルスPSELn−1、PSELn+1、PSELn+2、PSELn+3に基づいて、オプティカルブラック画素801B、801C、801Dのそれぞれに電気的に接続されたOB信号選択スイッチ910を順次、導通状態とする。垂直走査回路210は引き続き、PSELn+4、・・・PSELn+7と順次走査する。リファレンス信号を出力する画素として選択された第1行のオプティカルブラック画素801Aの動作については、実施例1におけるリファレンス画素101と同様の動作とすることができる。
【0106】
本実施例においても、複数のリファレンス信号出力画素であるオプティカルブラック画素801A〜Dからリファレンス信号を出力するリファレンス信号出力画素を選択する構成を有している。これにより本実施例の固体撮像装置においても、実施例1の固体撮像装置で得られる効果と同等の効果を得ることができる。
【0107】
本実施例では、オプティカルブラック画素801はフォトダイオード201を有する構成と先述したが、実施例1で説明したリファレンス画素101としてもよい。
【0108】
本実施例では、リファレンス信号を出力せず、OB信号を出力するオプティカルブラック画素801E〜Hを有する形態を説明した。本実施例はこの形態に限定されるものではなく、リファレンス信号とOB信号を共に差動増幅器112に出力可能なオプティカルブラック画素が設けられている形態であっても良い。例えば、本実施例のオプティカルブラック画素801E〜Hが設けられていない構成としても良い。この構成であっても、リファレンス信号を出力するオプティカルブラック画素と、OB信号を出力するオプティカルブラック画素とを有することにより、好適にリファレンス信号とOB信号とを得ることができる。また、OB信号のみを出力するオプティカルブラック画素を配さずとも良いため、固体撮像装置のチップ面積を縮小することができる。
【実施例6】
【0109】
これまでに述べた固体撮像装置を固体撮像システムに適用した場合の実施例について述べる。固体撮像システムとして、デジタルスチルカメラやデジタルカムコーダーや監視カメラなどがあげられる。図12に、固体撮像システムの例としてデジタルスチルカメラに固体撮像装置を適用した場合のブロック図を示す。
【0110】
図12において、1はレンズの保護のためのバリア、2は被写体の光学像を固体撮像装置4に結像させるレンズ、3はレンズ2を通った光量を可変にするための絞りである。5は固体撮像装置4より出力される出力信号の処理を行う出力信号処理部である。
【0111】
固体撮像装置4からの出力信号がアナログ信号である場合には、出力信号処理部5は、アナログ信号処理部、A/D変換器とデジタル信号処理部とを有する形態とする。固体撮像装置4からの出力信号をアナログ信号処理部が各種の補正を行って、A/D変換器に信号を出力する。アナログ信号処理部から出力された信号をA/D変換器がデジタル信号に変換し、デジタル信号処理部に出力する。デジタル信号処理部は必要に応じて各種の補正、圧縮を行ったうえで信号を出力する。
【0112】
一方、固体撮像装置4が先に示した実施例5のように、デジタル信号を出力する場合には、出力信号処理部5はデジタル信号処理部を有し、固体撮像装置4から出力されるデジタル信号に対して必要に応じて各種の補正、圧縮を行って信号を出力する。
【0113】
そして、図12において、6は画像データを一時的に記憶する為のメモリ部、8は記録媒体に記録または読み出しを行うためのインターフェース部、9は撮像データの記録または読み出しを行う為の半導体メモリ等の着脱可能な記録媒体である。7は外部コンピュータ等と通信する為のインターフェース部である。10は各種演算とデジタルスチルカメラ全体を制御する全体制御・演算部、11は固体撮像装置4、出力信号処理部5に、各種タイミング信号を出力するタイミング発生部である。ここで、タイミング信号などは外部から入力されてもよく、固体撮像システムは少なくとも固体撮像装置4と、固体撮像装置4から出力された出力信号を処理する出力信号処理部5とを有すればよい。
【0114】
以上のように、本実施例の固体撮像システムは、固体撮像装置4を適用して撮像動作を行うことが可能である。本実施例の固体撮像システムに、実施例1〜7に例示した固体撮像装置を適用することにより、ノイズの少ない撮影が可能となる。
【符号の説明】
【0115】
100 有効画素
101 リファレンス画素
102 第1の垂直信号線
103 第2の垂直信号線
112 差動増幅器
113 信号処理回路
901、902、903、904 リファレンス信号選択スイッチ
905 リファレンス選択部
908 リファレンス選択線
【技術分野】
【0001】
本発明は、有効画素とリファレンス画素とを有する固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法および固体撮像装置を有する固体撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
固体撮像装置では、光電変換に基づく信号を出力する有効画素と、光電変換を行わず基準信号を出力するリファレンス画素を設ける構成が知られている。有効画素の出力する信号とリファレンス画素が出力する基準信号との差分を得ることで、固体撮像装置が出力する信号のノイズの低減を行っている。
【0003】
固体撮像装置では、解像度向上のため画素サイズの微細化が進んでいる。しかしながら、画素サイズが微細化するにつれて、光電変換部の面積が減少し、固体撮像装置の感度が低下してしまう。固体撮像装置においては、光電変換部の面積の減少を抑えながらの画素サイズの微細化を行うことにより、高解像度化、感度低下の抑制の両立が求められている。
【0004】
特許文献1には、複数の有効画素と、光電変換を行わない点を除いて有効画素と同等の特性を有するリファレンス画素とで差動対を構成し、相関二重サンプリング(以下、CDSと表記する)を行う構成が開示されている。有効画素は、光電変換部が出力する電荷を保持し、増幅MOSトランジスタのゲートに接続された浮遊拡散容量Cfdが設けられている。リファレンス画素についても、電荷を保持し、増幅MOSトランジスタのゲートに接続された浮遊拡散容量Cfdが設けられている。また、有効画素とリファレンス画素とには容量Cioが設けられている。この容量Cioは一方の端子が差動対の出力部に接続され、他方の端子が増幅MOSトランジスタのゲートに接続される。特許文献1において、容量Cioは浮遊拡散容量Cfdに比べて容量は微小である。以下、容量Cioを微小容量Cioと表記する。
【0005】
有効画素とリファレンス画素とで差動対を構成する特許文献1に記載の固体撮像装置では、有効画素とリファレンス画素から出力された信号に含まれる、リセットノイズと固定パターンノイズの両方を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−271280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1には、有効画素とリファレンス画素とが差動対を構成し、有効画素とリファレンス画素のそれぞれに設けられた増幅MOSトランジスタが差動対の入力段のMOSトランジスタとして動作する回路構成が記載されている。従来の構成では、リファレンス画素に不具合があった場合にリファレンス信号の精度が低下し、結果として差動対が出力する信号の精度が低下する問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記の課題を解決するために為されたものであり、一の態様は、入射光を光電変換して生じた電荷に基づく光電変換信号を出力する光電変換信号出力画素と、入射光に基づかないリファレンス信号を出力する複数のリファレンス信号出力画素と、前記光電変換信号と前記リファレンス信号との差分処理を行って差分信号を出力する差分信号出力部と、前記差分信号出力部に前記リファレンス信号を出力する少なくとも1つの前記リファレンス信号出力画素を複数の前記リファレンス信号出力画素から選択するリファレンス選択部と、を有することを特徴とする固体撮像装置である。
【0009】
一の態様は、入射光を光電変換して生じた電荷に基づく光電変換信号を出力する光電変換信号出力画素と、入射光に基づかないリファレンス信号を出力する複数のリファレンス信号出力画素と、前記光電変換信号と前記リファレンス信号との差分処理を行って差分信号を出力する差分信号出力部と、を有する固体撮像装置の駆動方法であって、前記リファレンス信号を前記差分信号出力部に出力する少なくとも1つの前記リファレンス信号出力画素を複数の前記リファレンス信号出力画素から選択することを特徴とする固体撮像装置の駆動方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の固体撮像装置は、有効画素が出力する信号とリファレンス画素が出力するリファレンス信号との差分を得る差動増幅回路において、リファレンス信号を出力できるリファレンス画素が差動増幅回路ごとに複数設けられている。これにより、リファレンス信号の不具合による、信号の精度が低下することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の固体撮像装置の一例に関するブロック図
【図2】本発明の固体撮像装置の一例の画素内の詳細を表した等価回路図
【図3】本発明の固体撮像装置の一例のリファレンス選択部の詳細を表した等価回路図
【図4】本発明の固体撮像装置の一例のタイミング図
【図5】本発明の固体撮像装置の他の一例のブロック図
【図6】本発明の固体撮像装置の他の一例に関するブロック図
【図7】本発明の固体撮像装置の他の一例のリファレンス選択部の配置の例を表したブロック図
【図8】本発明の固体撮像装置の他の一例を示したブロック図
【図9】本発明の固体撮像装置の他の一例を示したブロック図
【図10】本発明の固体撮像装置の他の一例を表したブロック図
【図11】本発明の固体撮像装置の他の一例を表したブロック図
【図12】固体撮像システムの構成に関するブロック図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【実施例1】
【0013】
まず、本実施例に関わる固体撮像装置の構成について説明し、その後、固体撮像装置の動作について説明する。尚、以下の説明では、画素をNチャネルトランジスタで構成した例を説明する。画素をPチャネルトランジスタで構成する場合にも、Nチャネルトランジスタで構成する場合に対して電圧の極性を反対にすることによって本発明を適用することができる。
【0014】
図1は、本実施例の一例を示したブロック図である。100は光電変換により、入射光に基づく信号を出力する有効画素、101は光電変換を行わずに信号を出力するリファレンス画素である。本実施例の有効画素は光電変換信号出力画素、リファレンス画素はリファレンス信号出力画素である。有効画素100が行列状に配されている。即ち、有効画素100は複数行、複数列にわたって設けられている。また、リファレンス画素101は有効画素100が設けられた各列に配列されている。有効画素100、リファレンス画素101が複数行、複数列配列されることによって画素領域が形成されている。以下、有効画素100とリファレンス画素101とが配列された領域を画素領域、有効画素100のみが配列された領域を光電変換信号出力画素領域120、リファレンス画素101のみが配列された領域をリファレンス信号出力画素領域150と区別して表記する。
【0015】
リファレンス画素101は、同じ列に属する有効画素100の全てよりも、後述する差動増幅器112に近接して設けられており、有効画素100とリファレンス画素101とが配された画素領域の差動増幅器112側の端部に設けられている。この近接とは、有効画素100とリファレンス画素101のそれぞれの差動増幅器112側の端部を比較し、リファレンス画素101の差動増幅器112側の端部の方が差動増幅器112に近いことを意味している。102は、列に沿った方向に配列された複数の有効画素100が電気的に接続された第1の垂直信号線である。103は、リファレンス画素101が電気的に接続された第2の垂直信号線である。以下、第2の垂直信号線103が伝送するリファレンス画素101からの信号をリファレンス信号と表記する。
【0016】
104、105はそれぞれ第1の垂直信号線102、第2の垂直信号線103にドレインが電気的に接続された負荷MOSトランジスタであり、第1の垂直信号線102、第2の垂直信号線103に定電流を流す定電流源である。負荷MOSトランジスタ104は第1のトランジスタ、負荷MOSトランジスタ105は第2のトランジスタである。負荷MOSトランジスタ104、105は、制御電極であるゲートに共通ゲート配線116が、ソースにGND配線117が電気的に接続されている。共通ゲート配線116は制御信号線であり、第1の垂直信号線102、第2の垂直信号線103に供給する電流値を決める制御信号を印加する。
【0017】
C0s、C0r、Cfs、Cfrは容量であり、110、111はスイッチである。差動増幅器112は差分信号出力部140の一例であり、第1の垂直信号線102が伝送する有効画素100からの信号と、第2の垂直信号線103が伝送するリファレンス信号とを差動増幅して出力する。容量C0sと容量C0rは同じ容量値を有していることが好ましい。これは、有効画素100からの信号とリファレンス信号の増幅率を等しくするためである。さらに、容量Cfsと容量Cfrとが同じ容量値を有していることが好ましい。容量C0s、C0rによって、後述する第1のCDSが行われる。
【0018】
これは、有効画素100からの信号とリファレンス信号の増幅率を等しくするためである。差動増幅器112のゲインは容量比C0s/Cfsおよび容量比C0r/Cfrによって決定される。図示しないが、容量Cfs、Cfrのそれぞれを複数の容量で構成し、その容量値を可変とすることで、差動増幅器112のゲインを変更することができる。容量C0s、C0rのそれぞれに対して、容量Cfs、Cfrのそれぞれの容量値が大きいときは低ゲインとなる。逆に、容量C0s、容量C0rのそれぞれに対して、容量Cfs、容量Cfrのそれぞれの容量値が小さいときは高ゲインとなる。
【0019】
118は差動増幅器112にリファレンス電圧Vrefを供給するリファレンス電圧線である。差動増幅器112と容量C0s、C0r、Cfs、Cfr、スイッチ110、111により、スイッチトキャパシタを利用した差分回路を構成している。差動増幅器112の反転入力端子(−)には有効画素100からの信号が入力され、非反転入力端子(+)にはリファレンス信号が入力される。113は、信号処理回路であり、差動増幅器112に電気的に接続されている。
【0020】
有効画素100、リファレンス画素101、第1の垂直信号線102、第2の垂直信号線103、差動増幅器112は、複数列設けられている。114は水平シフトレジスタ(以下、HSRと表記する)であり、複数列設けられた信号処理回路113に電気的に接続されている。HSR114が複数列の信号処理回路113から信号を出力する信号処理回路113を選択する。HSR114によって選択された信号処理回路113から信号が出力され、出力された信号が固体撮像装置の出力する信号115となる。
【0021】
リファレンス信号選択スイッチ901〜904は、リファレンス画素101の第2の垂直信号線103への電気的な接続、非接続を切り替えるスイッチである。リファレンス信号選択スイッチ901〜904の各々のゲートは、リファレンス選択線908A〜Dの各々を介してリファレンス選択部905と電気的に接続されている。
【0022】
リファレンス選択部905はリファレンス信号選択スイッチ901、902、903、904を制御する。リファレンス選択部905には記憶回路909から制御線906を介してリファレンス画素選択情報が伝送される。リファレンス選択部905は、リファレンス画素選択情報に基づいて、有効画素100が配された各列に配された4つのリファレンス画素101A〜101Dのうち、第2の垂直信号線103に電気的に接続するリファレンス画素101を選択する。
【0023】
図2は有効画素100、リファレンス画素101の一例を示した図である。フォトダイオード201は光電変換により入射光を電荷に変換する光電変換部である。202は転送MOSトランジスタであり、ソースはフォトダイオード201、ゲートは転送制御線207、ドレインはフローティングディフージョン領域(以下、FD領域と表記する)203にそれぞれ電気的に接続されている。FD領域203はフォトダイオード201から転送MOSトランジスタ202を介して転送された電荷を保持する領域である。固体撮像装置を半導体基板上に形成する場合には、FD領域は例えば不純物拡散領域で形成される。204はリセットMOSトランジスタであり、ソースはFD領域203、ゲートはリセット制御線208、ドレインはリセット供給線209にそれぞれ電気的に接続されている。205は増幅MOSトランジスタであり、制御電極であるゲートはFD領域203、ドレインは電圧源Vdd、ソースは第1の垂直信号線102にそれぞれ電気的に接続されている。増幅MOSトランジスタ205は第1の増幅トランジスタであり、後述するリファレンス画素101が有する増幅MOSトランジスタ215は第2の増幅トランジスタである。増幅MOSトランジスタ205は、制御電極であるゲートに印加された電圧に基づく信号を第1の垂直信号線102に出力する。つまり、FD領域203に保持された電荷に基づいた信号を第1の垂直信号線102に出力する。リセット制御線208、リセット供給線209、転送制御線207は垂直走査回路210にそれぞれ電気的に接続されている。
【0024】
リファレンス画素101は、フォトダイオード201の代わりに容量211が設けられている。リファレンス画素101は、フォトダイオードの代わりに容量が設けられている点を除いて有効画素100と同一の等価回路を有する構造とすることができる。リファレンス画素101の増幅MOSトランジスタ215のソースは、第2の垂直信号線103に電気的に接続されている。リファレンス画素101の転送MOSトランジスタ202は、有効画素100の転送MOSトランジスタ202と同じ構成としてもよい。また、図2に例示したように、リファレンス画素101の転送MOSトランジスタ202のソースとドレインをショートさせた形態とすることもできる。この形態とした時には、転送MOSトランジスタ202のソースとドレイン間を導通させたON状態としなくとも、FD領域213と容量211の電位を揃えることができる。よって、転送MOSトランジスタ202のON、OFFを切り替えることによって生じるノイズの影響を少なくできる。同様に、リファレンス画素101において転送MOSトランジスタ202を設けず、FD領域213と容量211を接続させても良い。以下、リファレンス画素101の転送MOSトランジスタ202のソースとドレイン間が、図2で例示したようにショートされている形態として説明する。
【0025】
有効画素100、リファレンス画素101の転送制御線207、リセット制御線208、リセット供給線209は垂直走査回路210に電気的に接続されている。
【0026】
次にリファレンス選択部905について説明を行う。図3はリファレンス選択部905の構成の一例を示したものである。リファレンス選択部905は、AND回路912〜915とインバータ911−1、911−2とで構成され、2ビットのデマルチプレクサを構成している。制御線906は2ビット分の信号を伝送するため、制御線906−1、906−2の2本設けられている。
【0027】
記憶回路909にはリファレンス画素選択情報が記憶されている。制御線906−1、906−2を介して記憶回路909から出力される2ビットの選択信号がそれぞれAND回路912〜915に与えられる。制御線906−1においては、記憶回路909とAND回路914との間にインバータ911−1が配されている。従って、記憶回路909から制御線906−1に例えばHレベルの信号が出力されると、AND回路912、913にはHレベルの信号が、AND回路914、915にはLレベルの信号が与えられる。同様に、記憶回路909から制御線906−2に例えばHレベルの信号が出力されると、AND回路912、914に与えられる信号がHレベルであり、AND回路913、915に与えられる信号がLレベルとなる。従って、記憶回路909から制御線906−1、906−2の双方にHレベルの信号が与えられたとき、AND回路912のみに与えられる信号が全てHレベルである。これにより、AND回路912からリファレンス選択線908Aを介してリファレンス信号選択スイッチ901にHレベルの信号が出力される。これにより、リファレンス画素101Aが第2の垂直信号線103に電気的に接続される。他のリファレンス画素101B〜Dをそれぞれ第2の垂直信号線103に電気的に接続させる場合には、記憶回路909から制御線906−1、906−2に出力する信号を制御すればよい。具体的には、リファレンス画素101Bを選択する場合には、制御線906−1の電位はHレベル、制御線906−2の電位はLレベルである。同様に、リファレンス画素101Cを選択する場合には、制御線906−1の電位はLレベル、制御線906−2の電位はHレベルである。また、リファレンス画素101Dを選択する場合には、制御線906−1、制御線906−2の電位は共にLレベルである。
【0028】
このようにして、リファレンス選択部905はリファレンス選択線908A〜Dを介して、リファレンス信号選択スイッチ901、902、903、904のうち1つが第2の垂直信号線103と電気的に接続された状態となる。従って、4つのリファレンス画素101A〜Dのいずれかに不具合が生じていたとしても、他の正常なリファレンス画素101を選択することで、正常なリファレンス信号を取得することができる。
【0029】
次にリファレンス画素選択情報の取得方法と、リファレンス画素101の選択方法について述べる。まず固体撮像装置の全てのリファレンス画素101A〜Dを検査して、不具合のあるリファレンス画素101A〜Dのアドレスを検出する。次に不具合のレベルに応じてリファレンス画素101A〜Dをランク分けし、リファレンス画素欠陥マップを作成する。作成したリファレンス画素欠陥マップに応じて、4行のリファレンス画素行から不具合の少ない最適なリファレンス画素行を決定し、リファレンス画素101を選択するためのリファレンス画素選択情報を設定する。リファレンス画素選択情報を固体撮像装置内の記憶回路909に設定する。記憶回路909は、このリファレンス画素選択情報に基づいて、リファレンス画素行を選択する。リファレンス画素欠陥マップの作成は、予め取得して外部の記憶装置に記憶させてもよいし、電源の投入時に行ってもよい。
【0030】
図4(a)は、図1および図2に例示した固体撮像装置の駆動方法を例示したタイミング図である。PRESは、リセット制御線208に印加されるパルス、PSELは転送制御線207に印加されるパルスである。PTN、PTSは例えば不図示のタイミング発生部から信号処理回路113に印加されるパルスである。PTS、PTNが信号処理回路113に印加されることにより、差動増幅器112から出力された信号が信号処理回路113にて、後述する第2のCDSが行われる。VLine1は第1の垂直信号線102の電位、VLine2は第2の垂直信号線103の電位、GNDはGND配線117の電位、Voutは差動増幅器112からの出力電位を表している。
【0031】
図4(a)に例示したタイミング図においては、パルスをHighレベル(以下、Hレベルと表記する)とした時に、パルスが印加されたMOSトランジスタの、ソースとドレイン間が導通する。一方、Lowレベル(以下、Lレベルと表記する)とした時にはソースとドレイン間が電気的に遮断される。尚、Lレベルのパルスがゲートに印加されることでソースとドレイン間が導通するMOSトランジスタを用いた場合には、図4に示したパルスのHレベルとLレベルを反対にすることで、本実施例と同様の動作をすることができる。
【0032】
以下、図4(a)に例示したタイミング図について、時刻t1から順を追って、本実施例の固体撮像装置の駆動方法について説明する。
【0033】
時刻t1において、有効画素100とリファレンス画素101にそれぞれ印加するPRESをHレベルとし、また、リセット供給線209に信号を印加して、FD領域203、213の電位をリセットレベルとする。また、PRESをHレベルにする。
【0034】
時刻t2において、PRESをLレベルとし、FD領域203、213のリセットを解除する。リセットMOSトランジスタ204のソースとドレイン間が電気的に遮断される時に生じるチャージインジェクションにより、FD領域203、213の電位がリセットレベルより低下する。従って、増幅MOSトランジスタ205、215が出力する信号の電位が低下するため、VLine1、VLine2の電位も低下する。
【0035】
時刻t3において、スイッチ110、111をOFFにし、増幅MOSトランジスタ205、215が出力する信号(以下、リセット信号と表記する)を容量C0s、C0rに保持する。スイッチ110、111をOFFすることによって生じるチャージインジェクションにより、差動増幅器112の出力電位Voutが上昇する。この時の出力電位Voutは、リファレンス電圧Vrefと差動増幅器112のオフセット電圧Voffとして、Vout=Vref+Voffの式で表される。この状態の差動増幅器112の出力電位VoutをN信号と以下表記する。
【0036】
時刻t4において、PTNをHレベルとして、信号処理回路113に差動増幅器112が出力するN信号が読み出される。
時刻t5において、PTNをLレベルとして、信号処理回路113へのN信号の読み出しを終了する。
時刻t6において、有効画素100とリファレンス画素101に印加するPTXをHレベルとする。
【0037】
これにより、フォトダイオード201で生じた電荷がFD領域203に転送される。FD領域203に保持された電荷に基づいて増幅MOSトランジスタ205が出力する信号(以下、光電変換信号と表記する)が第1の垂直信号線102に伝送される。FD領域203に保持された電荷に応じて、第1の垂直信号線102の電位は低下する。フォトダイオード201の光電変換は、前回の信号読み出し期間においてPTXがHレベルからLレベルとなった時刻t7から、今回の信号読み出し期間の時刻t6までの間に行われればよい。この信号読み出し期間とは、時刻t1から時刻t9までの期間を表している。リファレンス画素101は光電変換を行わないため、負荷MOSトランジスタ105から供給される電流値に変動がない限りにおいては、FD領域213の電位は時刻t5時点の電位から変化しない。よって、リファレンス信号はリセット時から変化しない。容量C0r、C0sはリセット信号を時刻t3にスイッチ110、111をオフすることで保持している。よって、時刻t6にFD領域203の電位が変化すると、差動増幅器112の、第1の垂直信号線102と接続された端子には、光電変換信号とリセット信号との差分に基づく信号が入力される。第2の垂直信号線103に接続された端子には、時刻t3で保持したリセット信号と、時刻t6で増幅MOSトランジスタ215から出力される信号との差分に基づく信号が出力される。先述したように、リファレンス画素101は光電変換を行わないため、負荷MOSトランジスタ105から供給される電流値に変動がない限りにおいては第2の垂直信号線103の電位VLine2は変化しない。よって、差動増幅器112の、第2の垂直信号線103に接続された端子には、第2の垂直信号線103の電位VLine2に変化が無い場合には、時刻t3におけるレベルが信号として入力される。上述の動作によって、容量C0s、C0rによって第1のCDSが行われる。時刻t6の差動増幅器112の出力電位Voutは、容量比C0s/Cfsに応じて光電変換信号を増幅して出力した信号と、容量比C0r/Cfrに応じてリファレンス信号を増幅して出力した信号との差分である。この差分出力電位をS信号と以下表記する。
【0038】
リファレンス画素101と、リファレンス画素101と同じ列に属するN行目の有効画素100とのそれぞれに印加するPTXを、同時にHレベルとする。ここでいうN行目のNは、1以上の自然数である。これにより、リファレンス画素101からのリファレンス信号と、N行目の有効画素100が出力する光電変換信号とが、信号処理回路113に同時に出力される。つまり、1行目の有効画素100からの入射光に基づく信号を読み出す時には、1行目の有効画素100に印加するPTXと、この有効画素100と同じ列に属するリファレンス画素101に印加するPTXとを同時にHレベルとする。この動作を有効画素100の各行からの光電変換信号を読み出す時に行い、有効画素100からの信号とリファレンス信号との同時読み出しを行う。
【0039】
時刻t7において、PTXをHレベルからLレベルとして、フォトダイオード201とFD領域203とを電気的に遮断する。
時刻t8において、PTSをHレベルにすることで、信号処理回路113にS信号が読み出される。
時刻t9において、PTSをLレベルにすることによって、信号処理回路113へのS信号の読み出しが終了する。
【0040】
信号処理回路113は読み出されたS信号とN信号の差分を出力する。この差分処理により、S信号に含まれる差動増幅器112のオフセット電圧Voffが差し引かれる。つまり、第2のCDSが信号処理回路113によって行われる。そして、HSR114によって選択された信号処理回路113から信号が出力され、この信号が、固体撮像装置の出力する信号115である。
【0041】
本実施例の固体撮像装置は、リファレンス画素101を行単位で選択する構成である。よって、リファレンス画素101を画素ごとに選択する構成に比して、リファレンス選択部905の配置面積を小さくすることができるとともに、リファレンス選択部905の固体撮像装置内での配置位置の自由度も向上する。またリファレンス画素選択情報も4行から1行を選択するので、2ビットの情報で足りる。
【0042】
特許文献1のように、複数の有効画素100の出力に対して差分を取るリファレンス画素101が1つの構成の場合には、そのリファレンス画素101に不具合があると正常なリファレンス信号が得にくくなる。よって、複数の有効画素100が出力した信号とリファレンス信号との差分の信号が正しく得られなくなる場合がある。この場合には、撮像して得られた画像に線状の縞が生じることがある。本実施例の固体撮像装置は複数のリファレンス画素101からリファンレンス信号を出力する画素を選択可能にする構成を有している。この構成により、複数の有効画素100の出力に対して差分を取るリファレンス画素101A〜Dの1つに不具合があった場合でも、他のリファレンス画素101からの出力に切り替えることにより、画像に線状の縞が生じることをなくすことができる。
【0043】
本実施例の固体撮像装置は、増幅MOSトランジスタ205、215は差動増幅器112とは別に設けられた構成を有している。従って、増幅MOSトランジスタが差動対の入力段を兼ねる構成に比して、本実施例の固体撮像装置は増幅MOSトランジスタ205、215のパラメータの設定の自由度が向上する効果を有する。ここでいうパラメータとは、トランジスタの動作に影響する要素を指す。たとえばゲート面積、電圧増幅率、電流増幅率、しきい値電圧、許容損失など多様な要素がある。
【0044】
また、特許文献1に記載の固体撮像装置では、有効画素とリファレンス画素のそれぞれが出力する信号の差分を得て、有効画素の出力する信号に重畳されているノイズを精度よく低減するために、有効画素とリファレンス画素とで微小容量Cioと浮遊拡散容量Cfdの容量比を揃える必要があった。有効画素100のフォトダイオード201の面積を圧迫することなく1/fノイズを低減するためには、リファレンス画素101の増幅MOSトランジスタ215のゲート面積を大きくすることが考えられる。特許文献1に開示された構成の回路で、リファレンス画素の増幅MOSトランジスタのゲート面積を大きくした場合には、浮遊拡散容量Cfdも寄生容量の増大によって大きくなるため、微小容量Cioと浮遊拡散容量Cfdの容量比を調整する必要があった。これに対し、本実施例の構成では、有効画素100とリファレンス画素101の内部に微小容量Cioを設けない構成とすることができる。よって、微小容量Cio、浮遊拡散容量Cfdの容量比を調整することなく、増幅MOSトランジスタ215のゲート面積の拡大を行うことができ、1/fノイズの影響を少なくすることができる。
【0045】
リファレンス画素101は光電変換信号出力画素領域120の外に設けられている。従って、フォトダイオード201の面積を圧迫することなく、リファレンス画素101の増幅MOSトランジスタ215の制御電極であるゲートの面積を大きくすることができるため、1/fノイズの影響を少なくすることができる。また、リファレンス画素101は有効画素100よりも差動増幅器112に近接して設けられている。これにより、第2の垂直信号線103の配線長さを短くすることができるとともに、光電変換信号出力画素領域120内に第2の垂直信号線103が入り込まない構成とすることができるため、フォトダイオード201の面積を圧迫しない。
【0046】
増幅MOSトランジスタ205と増幅MOSトランジスタ215のゲートの面積を等しくする場合であっても、本実施例の固体撮像装置は、増幅MOSトランジスタ205、215のパラメータから独立して差動増幅器112を設計することができる効果を有している。
【0047】
また、有効画素100、リファレンス画素101が有する電圧源Vddは、差動増幅器112が有する不図示の電源とは別に設けられている。これにより、有効画素100、リファレンス画素101に供給する電圧源Vddとは別の電圧で差動増幅器112を動作させることができる。
【0048】
増幅MOSトランジスタ215を増幅MOSトランジスタ205よりも小さくする場合についても、増幅MOSトランジスタ205、215のパラメータから独立して差動増幅器112を設計することができる効果を有している。さらに、増幅MOSトランジスタ215を小さくできる分、光電変換信号出力画素領域120の面積を広くできるため、有効画素100のフォトダイオード201の面積も拡大できる。よって、感度の低下を低減できる。
【0049】
特許文献1に記載の固体撮像装置では、垂直信号線に接続された電流源はソース電極からゲート電極、ドレイン電極を経由して信号線に電流を供給している。よって、信号を読み出す有効画素を選択した時、垂直信号線を流れる電流の電流値が一時的に変動する。この電流値の変動が安定するまでの時間は差動増幅回路が持つ電流源の電流値に律速される。このため、信号線の電流値の変動の影響を受けずに信号を読み出すためには、有効画素を選択してから垂直信号線を流れる電流の電流値が落ち着くまでの待機時間を設ける必要がある。
【0050】
一方、本実施例で説明した固体撮像装置では、各画素の出力はソースフォロワ回路の電圧出力として与えられるので、垂直信号線の電位変動は電流源を流れる電流値に律速されない。そのため、複数の有効画素100を垂直走査して光電変換信号を読み出す時に、特許文献1に記載の固体撮像装置に比べて、有効画素を選択してから信号線を流れる電流の変動が落ち着くまでの待機時間を少なくすることができる。
【0051】
また、特許文献1に記載の固体撮像装置では、有効画素の内部に微小容量Cio、浮遊拡散容量Cfdが設けられている。これに対して、本実施例の固体撮像装置は微小容量Cioが設けられていない。特許文献1に記載の固体撮像装置と本実施例の固体撮像装置を、同じ面積に同じ数の有効画素を設けることを考えると、本実施例の固体撮像装置の方が光電変換部の面積を大きくすることができる。よって、感度低下を抑制することができる。
【0052】
次に、図4(a)に示したVLine1、VLine2、GNDに示した破線について説明しながら、固体撮像装置が出力する画像において問題となる、横スミアや横縞を本実施例の固体撮像装置が低減できることについて説明する。
【0053】
強い光が、光電変換信号出力画素領域120の一部の有効画素100に入射した場合を想定する。強い光が入射した有効画素100からの光電変換信号により第1の垂直信号線102の電位が大きく低下する。入射した光が非常に強い場合には、負荷MOSトランジスタ104のソース・ドレイン間の電圧が0Vに近づき、特に強い光が入射した場合には負荷MOSトランジスタ104がOFFしてしまう。GND配線117に流れる電流は、OFFしている負荷MOSトランジスタ104の数によって変化する。また、GND配線117のインピーダンスとGND配線117に流れる電流でGND配線117に生じる電圧降下によって、負荷MOSトランジスタ104、105に流れる電流が変化する。よって、強い光が入射している有効画素100の数が多い行ほどOFFしている負荷MOSトランジスタ104の数が多いため、GND配線117の電圧降下が小さく、負荷MOSトランジスタ104、105に流れる電流が多くなる。これにより、増幅MOSトランジスタ205、215のゲートとソース間の電位差が大きくなる。リファレンス画素101が設けられていない構成の場合、増幅MOSトランジスタ205のゲートとソース間の電位差が大きくなることにより、強い光が入射されている有効画素100を含む行と、そうでない行との光電変換信号の出力範囲が異なってしまう。その結果、強いスポット光が入射された画像で、スポットの左右に白っぽい帯が発生する横スミアが生じることがあった。
【0054】
本実施例はリファレンス画素101が設けられており、第2の垂直信号線103が負荷MOSトランジスタ105を介して共通ゲート配線116、GND配線117に電気的に接続された構成となっている。この構成を有することにより、強い入射光が有効画素100に入射した時、有効画素100の増幅MOSトランジスタ205のソースとゲート間の電位差が大きくなる。また、リファレンス画素101の増幅MOSトランジスタ215のソースとゲート間の電位差も同様に大きくなる。差動増幅器112からのS信号は、光電変換信号とリファレンス信号の差分であるため、増幅MOSトランジスタ205、215それぞれのソースとゲート間の電位差の増大の影響を差し引くことができる。従って、横スミアの発生を抑制することができる。
【0055】
また本実施例が、横スミアと同様に画像の品質低下を招く、横縞についても抑制することができる点について説明する。図4(b)は共通ゲート配線116の電位が変動した場合を表した図である。図4(b)は、図4(a)に対してVLine1、VLine2の電位以外は同じである。図4(b)に破線で示した共通ゲート配線116の電位の変動は、共通ゲート配線116に電圧を供給する電源回路から発生するランダムノイズや、他回路からのキックバックノイズによって生じる。リファレンス画素101が設けられていない場合、共通ゲート配線116の電位が変動することによって負荷MOSトランジスタ104に流れる電流が変化し、読み出し動作が選択されている行全体の光電変換信号の出力範囲が変化する。これにより、共通ゲート配線116の電位の変動が生じた画像において、変動が生じなかった行と生じた行とが出力する信号の差によって画像に横縞が発生する。
【0056】
本実施例の構成においては、共通ゲート配線116の電位に変動が生じた場合、負荷MOSトランジスタ104、105が受ける影響が等しい。よって、図4(b)に例示したように共通ゲート配線116の電位変動による、VLine1とVLine2の電位変動は等しい。差動増幅器112からのN信号とS信号は、有効画素100からの信号とリファレンス信号の差分であるため、共通ゲート配線116の電位変動の影響を差し引くことができる。よって、共通ゲート配線116の電位の変動が生じた場合であっても、変動が生じなかった行と生じた行とで光電変換信号の出力範囲が変わらないため、取得される画像に横縞が発生することを抑制することができる。
【0057】
本実施例では、固体撮像装置が出力する画像において問題となる横スミアや横縞を低減するため、負荷MOSトランジスタ104、105が共通ゲート配線116と、共通のGND配線117に接続されている。しかし負荷MOSトランジスタ104、105が共通ゲート配線116、共通のGND配線117に接続されておらず、別々のゲート配線、GND配線に接続されている形態であっても良い。つまり、複数のリファレンス画素101の中からリファレンス信号を出力するリファレンス画素を選択する構成であれば良い。
【0058】
時刻t1からt2までの間に行うリセット動作は、FD領域203、213の電位をリセットしていたが、この時にPTXをHレベルとしてフォトダイオード201、容量211の電位のリセットを行っても良い。この場合、フォトダイオード201の光電変換は、PRES、PTXをLレベルとする時刻t2から、次にPTXをHレベルにする時刻t6までの間で行えばよい。
【0059】
リファレンス画素101のFD領域213のリセットを、時刻t2で有効画素100のFD領域203のリセットと同時に終了させていた。しかし、リファレンス画素101は光電変換を行わないため、リセットを終了させることなく、FD領域213にリセットレベルの電位を与え続ける形態であっても良い。
【0060】
また、スイッチ110、111については、時刻t2から時刻t4までの期間でスイッチ110、111がONからOFFになる状態があれば良い。つまり、スイッチ110、111をONにするタイミングはPRESがHレベルとなる時刻t1に必ずしも一致している必要はなく、時刻t1以前から時刻t4までの間であれば良い。
【0061】
差動増幅器112への、光電変換信号とリファレンス信号のそれぞれの伝送は同時に終了することが好ましい。負荷MOSトランジスタ104、105のそれぞれが供給する電流値が変動し、時間によって電流値の変動量が異なることがある。この場合に、光電変換信号とリファレンス信号のそれぞれの読み出しを終えるタイミングを異ならせると、信号処理回路113に保持されたそれぞれの信号に含まれる負荷MOSトランジスタ104、105の変動量が異なることがある。よって、信号処理回路113がそれぞれの信号の差分を得ても、負荷MOSトランジスタ104、105の供給する電流値の変動による影響を、差し引ききれないことがあるためである。
【0062】
本実施例では、これまでリファレンス画素101が容量211、FD領域213、リセットMOSトランジスタ204を有する形態として説明した。しかし、リファレンス画素101は、少なくともそのゲートに印加された電圧に基づく信号を出力する増幅MOSトランジスタ215を有していれば良い。つまり、リセットMOSトランジスタ204を設けず、増幅MOSトランジスタ215のゲートに電圧供給線を接続し、電圧供給線から供給された電圧に基づく信号を増幅MOSトランジスタ215が出力する形態であっても良い。このように、電荷保持部であるFD領域213や、容量211、転送MOSトランジスタ202などを省略することで、増幅MOSトランジスタ215のゲート面積をより大きく設計することが可能となる。
【0063】
本実施例のリファレンス画素101は容量211が電荷を保持する形態として説明した。別の形態として、例えば、図2に示した容量211に代えてFD領域213が電荷を保持する構成であってもよい。また、図2のように容量211をFD領域213とは別に設けた構成であったり、有効画素100のようにフォトダイオード201を設けた構成であったりしても良い。フォトダイオードを設けた場合には、リファレンス画素101を、フォトダイオードが遮光されたオプティカルブラック画素とすることで、リファレンス画素101からリファレンス信号を得ることができる。
【0064】
本実施例は有効画素100のそれぞれの増幅MOSトランジスタ205が第1の垂直信号線102に電気的に接続された形態に限定されず、リセットMOSトランジスタ204やFD領域203を、複数の有効画素100で共有する構成としても良い。即ち、複数のフォトダイオード201やFD領域203が1つの増幅MOSトランジスタ205に接続されている形態であっても良い。
【0065】
本実施例では、各列のリファレンス画素101が光電変換信号出力画素領域120の同じ側の端部に設けられていた。他の形態として、光電変換信号出力画素領域120を挟んでリファレンス画素101が配された形態であっても良い。また、各列で交互にリファレンス画素101が光電変換信号出力画素領域120を挟んで配された形態であっても良い。この交互の配列は複数列毎としても良い。
【0066】
各々の差動増幅器112についても同様に、光電変換信号出力画素領域120を挟んで交互に設けられた構成としても良い。また、交互の配列は1列毎ではなく、複数列毎としても良い。
【0067】
また、信号処理回路113から出力された信号がアナログ信号である場合には、信号処理回路113が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器を設けると良い。このA/D変換器は、アナログデジタル変換部である。
【0068】
本実施例における差分信号出力部140は差動増幅器112である。他の形態として、さらに差分信号出力部140として図5のように、信号処理回路113に電気的に接続された差動アンプ129を設ける形態とすることもできる。図5に例示した固体撮像装置において、図1と同じ機能を有するものに関しては図1と同一の符号を付しており説明を省略する。701、702はそれぞれ反転増幅器であり、第1の増幅部、第2の増幅部である。それぞれの反転増幅器が共通の電圧源や電流源を用いることで増幅回路703を構成している。反転増幅器701、702は、それぞれが出力する信号レベルの範囲がなるべく等しくなるように、隣接して配置することが望ましい。反転増幅器701、702の構成としては、例えばソース接地回路が考えられる。スイッチ704、705は反転増幅器701、702の入力端子と出力端子とをショートさせるか否かを切り替えるスイッチである。スイッチ704、705を導通状態とすると、容量Cfr、Cfsの電荷が放電されてリセットされる。この場合、反転増幅器701からの出力に基づいた信号と、反転増幅器702の出力に基づいて信号のそれぞれを別に信号処理回路113が差動アンプ129に出力する。この信号処理回路113が出力する2つの信号の差分を、差動アンプ129が出力する。この形態の場合には、差動アンプ129からの出力信号が固体撮像装置の出力する信号115である。増幅回路703もしくはそれよりも信号処理回路113側で発生したノイズは、有効画素100とリファレンス画素101のそれぞれの出力に重畳される。従って、信号処理回路113で有効画素100とリファレンス画素101の出力の差分を得ることにより、増幅回路703と、増幅回路703よりも信号処理回路113側で発生したノイズも差し引くことができる。よって、撮像装置の出力する信号115に含まれるノイズを低減する効果が得られる。よって信号115に含まれる、増幅回路703と、増幅回路703よりも信号処理回路113側で発生したノイズを低減することができ、ノイズの少ない良好な画像を得ることができる。また、他の形態として、信号処理回路113のそれぞれが差動アンプ129を有している形態であっても良い。この形態においても、増幅回路703で発生したノイズを低減した信号115を得ることができる。
【0069】
本実施例は、画素が転送MOSトランジスタ、増幅MOSトランジスタ、リセットMOSトランジスタの3つのMOSトランジスタを有する形態を基に説明した。画素が他に、選択MOSトランジスタを有する形態であっても良い。この選択MOSトランジスタとは、ゲートが垂直走査回路210に電気的に接続されている。さらに、ドレインとソースの一方が第1の垂直信号線102あるいは第2の垂直信号線103、他方が増幅MOSトランジスタ205あるいは増幅MOSトランジスタ215にそれぞれ電気的に接続される。第1の垂直信号線102あるいは第2の垂直信号線103に信号を出力する画素の選択MOSトランジスタのゲートに、垂直走査回路210がパルスを印加する。これにより、選択された画素から信号が第1の垂直信号線102あるいは第2の垂直信号線103に出力される。
【0070】
本実施例は、画素内のトランジスタがMOSトランジスタである形態を例として説明した。本実施例はこれに限定されるものではなく、画素内のリセットトランジスタ、転送トランジスタがバイポーラトランジスタであっても良い。また、増幅トランジスタについても、接合型電界効果型トランジスタ(JFET)を用いることもできる。
【0071】
図1に例示した固体撮像装置では、リファレンス画素101が、有効画素100とリファレンス画素101とが配された画素領域の差動増幅器112側の端部にのみ配置されていた。しかし、本実施例はこの形態に限定されるものではなく、さらにリファレンス画素101が、画素領域の差動増幅器112側とは光電変換信号出力画素領域120を挟んで反対側の端部に設けられていても良い。
【0072】
本実施例では、有効画素100が複数行、複数列配列されており、またリファレンス画素101が複数列配列された形態に基づいて説明した。有効画素100は1行以上、1列以上配列されていれば良い。この場合、差動増幅器112、第1の垂直信号線102、第2の垂直信号線103についても1列ずつ設けられていれば良い。この形態においても、有効画素100の光電変換部の面積を圧迫させずにリファレンス画素101の増幅MOSトランジスタ215の制御電極であるゲートの面積を大きくすることができる。よって、1/fノイズの少ない光電変換信号を得ることができる。
【0073】
なお、本実施例では、リファレンス画素選択情報を保持するのは記憶回路909としたが、本発明はこの形態に限定されるものではない。例えば、固体撮像装置と、固体撮像装置が出力する信号を処理する出力信号処理部、固体撮像装置に駆動タイミングを供給するタイミング発生部、タイミング発生部を制御する全体制御・演算部を有する固体撮像システムの形態がある。この固体撮像システムの形態において、例えば全体制御・演算部がリファレンス画素選択情報を保持する形態であっても良い。
【0074】
また、本実施例ではリファレンス画素101が複数設けられた例として4つのリファレンス画素101A〜101Dが設けられた形態を示したが、2つ以上のリファレンス画素101が設けられている形態であれば本実施例の効果を好適に得ることができる。また、本実施例ではリファレンス信号を出力するリファレンス画素を1つ選択したが、複数を選択して出力させる形態であっても良い。つまり、リファレンス画素101A〜Dのうち、不具合のランクに応じて1つから4つのリファレンス画素を同時に選択し、リファレンス信号を差動増幅器112に出力する形態であっても良い。
【実施例2】
【0075】
本実施例について、実施例1と異なる点を中心に、図面を参照しながら説明する。本実施例の固体撮像装置は、複数列のリファレンス画素101を含むブロックが複数配されている形態である。
【0076】
図6は本実施例の一例を示したブロック図である。図6に例示した固体撮像装置において、図1と同じ機能を有するものに関しては図1と同一の符号を付しており説明を省略する。また有効画素100とリファレンス画素101の等価回路は実施例1の図2と同様とすることができる。図6に例示した固体撮像装置では、4列のリファレンス画素101を含んだブロック1010が複数配されている。
【0077】
1つのブロック1010に含まれる4列のリファレンス画素101を図6では101A1〜A4、101B1〜B4、101C1〜C4、101D1〜D4として図示した。4列のリファレンス画素101を含むブロック1010ごとにリファレンス選択部905が配されている。ブロック1010−1の各リファレンス信号選択スイッチ901〜904のそれぞれはリファレンス選択部905(BLOCK1)に電気的に接続されている。同様に、ブロック1010−2の各リファレンス信号選択スイッチ901〜904のそれぞれはリファレンス選択部905(BLOCK2)に電気的に接続されている。
【0078】
1つのブロックに含まれるリファレンス画素101は、第2の垂直信号線103に電気的に接続されるリファレンス画素101がリファレンス選択部905によって行単位で選択される構成を有している。すなわち、リファレンス選択部905は例えば1行目のリファレンス画素101A1〜A4を選択する場合には、リファレンス選択線908Aの電位をHレベルとする。同様にリファレンス選択部905は、2行目、3行目、4行目のリファレンス画素101B1〜B4、101C1〜C4、101D1〜D4をそれぞれ選択する場合には、リファレンス選択線908B、908C、908Dのそれぞれの電位をHレベルとする。
【0079】
図7において制御線906は記憶回路909からリファレンス画素選択情報をリファレンス選択部905に伝える。リファレンス選択部905は例えばデマルチプレクサとすることができる。
【0080】
リファレンス画素選択情報に基づきリファレンス選択部905は、第2の垂直信号線103にリファレンス出力を出力するリファレンス画素101を選択する。本実施例において1個のブロックは4行のリファレンス画素行から1行選択する。図7では制御線906を同層配線で形成した場合の概略配置をしめしたが、この場合配置面積が増大し、それに応じてチップサイズも増大する。そこで2ビットの制御線906について、一方は第1の配線層AL1(不図示)、他方は第2の配線層AL2(不図示)に配された2層配線とする。これにより、制御線906を同層配線とした場合に比べ配置面積を略1/2とすることができる。さらに多層配線を用いれば、より配線配置面積を減らすことができる。
【0081】
図6、図7に例示した撮像装置の本実施例における動作は、図4で例示した動作と同様とすることができる。
【0082】
本実施例においては、ブロックごとにリファレンス画素行の選択を行えることが特徴である。これにより、実施例1に比べリファレンス画素行の選択を異ならせることもでき、リファレンス画素行の選択の組み合わせの自由度が向上する。よって、撮像装置におけるリファレンス画素の選択を、不具合を有するリファレンス画素が少ない組み合わせとすることができる効果を有する。
【0083】
本実施例では、複数のリファレンス選択部905を水平走査方向に並べて配置した。他の形態として、リファレンス選択部905が画素の配された列の間に設けられている形態であっても良い。さらに言えば、本実施例はリファレンス選択部905が設けられる場所に制限はなく、ブロックごとにリファレンス画素行を選択できる構成を有していれば好適に実施することができる。
【0084】
本実施例においても、複数のリファレンス画素101A〜Dからリファレンス信号を出力するリファレンス画素101を選択する構成を有している。これにより本実施例の固体撮像装置においても、実施例1の固体撮像装置で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【実施例3】
【0085】
本実施例の固体撮像装置について、実施例1と異なる点を中心に、図面を参照しながら説明する。本実施例では、1列に配されたリファレンス画素101A〜Dを含む1つのリファレンス画素群が複数の差動増幅器に共通して電気的に接続されることを特徴としている。
【0086】
図8は本実施例の一例を示したブロック図である。
図8に例示した固体撮像装置において、図1と同じ機能を有するものに関しては図1と同一の符号を付しており説明を省略する。また有効画素100とリファレンス画素101の等価回路は実施例1の図2と同様とすることができる。
【0087】
本実施例においては、4列の有効画素で、4個のリファレンス画素を共有する構成であることを特徴とする。本実施例において、1つの第2の垂直出力線103は4列の差動増幅器112に電気的に接続されている。従って、4列の差動増幅器112には共通のリファレンス信号が与えられる。
【0088】
実施例1の固体撮像装置では各列の差動増幅器112にそれぞれ異なるリファレンス画素101からリファレンス信号が与えられていた。この形態では、それぞれの差動増幅器112に電気的に接続された第2の垂直出力線103が独立して駆動される。一方、本実施例の固体撮像装置は、第2の垂直信号線103は4つの差動増幅器112に共通して電気的に接続される構成であり、実施例1の固体撮像装置に比して消費電流を低減できる効果を有する。また、実施例1の固体撮像装置に比して、有効画素列4列あたりに含まれるリファレンス画素101の数が少ないことによる消費電流低減の効果も有する。
【0089】
本実施例においても、複数のリファレンス画素101A〜Dからリファレンス信号を出力するリファレンス画素101を選択する構成を有している。これにより本実施例の固体撮像装置においても、実施例1の固体撮像装置で得られる効果と同等の効果を得ることができる。
【0090】
なお、本実施例においては4個のリファレンス画素101A〜Dを1列に配置した形態を説明した。他の形態として図9に例示したように、リファレンス画素101A〜Dを1行に配置して、1つのリファレンス画素群が4つの差動増幅器112に共通して電気的に接続される形態であっても良い。この形態の場合には、1列にリファレンス画素101A〜Dを配する構成に比して、リファレンス信号出力画素領域150の面積を縮小することができる。その結果、固体撮像装置のチップサイズを縮小することができる。
【0091】
また、本実施例では、4つの差動増幅器112に1つのリファレンス画素群が共通して電気的に接続される形態を説明した。さらに1つのリファレンス画素群に共通して電気的に接続される差動増幅器112の個数を増やすことによって、実施例1の固体撮像装置に比して、更に消費電流を減らすことができる効果が得られる。
【0092】
また実施例2と本実施例とを組み合わせた場合には、実施例2で述べたブロック内で利用するリファレンス画素101を共有化することもできる。例えば4個のリファレンス画素101を複数列で共有することにより、消費電流を減らすことができる。さらに共有化により不必要になったリファレンス画素101の領域にリファレンス選択部905を配置することができるので、固体撮像装置のチップ面積の増大を抑制することができる。
【実施例4】
【0093】
本実施例の固体撮像装置について、実施例1と異なる点を中心に、図面を参照しながら説明する。図10に本実施例の固体撮像装置を例示したブロック図を示す。
【0094】
図10に例示した撮像装置において、図1と同じ機能を有するものに関しては図1と同一の符号を付しており説明を省略する。また有効画素100とリファレンス画素101の等価回路は実施例1の図2と同様とすることができる。
【0095】
図10の固体撮像装置では、有効画素100が配された画素列において4個のリファレンス画素101A〜Dと3個のオプティカルブラック画素801E〜Gが配置されている。オプティカルブラック画素801は有効画素100のフォトダイオード201を遮光した構造とすることができる。オプティカルブラック画素801の信号出力動作は図2における有効画素100と同様とすることができる。オプティカルブラック画素801E〜Gが配された領域がオプティカルブラック画素領域800である。本実施例においてはオプティカルブラック画素801と有効画素100の間にリファレンス画素101を配置することを特徴とする。つまり光電変換信号出力画素領域120とオプティカルブラック画素領域800の間にリファレンス信号出力画素領域150が配されている。すなわち、オプティカルブラック画素801は、同じ列に属するリファレンス画素101の全てよりも差動増幅器112に近接して設けられている。さらに言えば、オプティカルブラック画素801は有効画素100、リファレンス画素101、オプティカルブラック画素801の配された画素領域において、差動増幅器112側の端部に設けられている。この近接とは、リファレンス画素101とオプティカルブラック画素801それぞれの差動増幅器112側の端部を比較し、オプティカルブラック画素801の差動増幅器112側の端部の方が差動増幅器112に近いことを意味している。
【0096】
オプティカルブラック画素801を有効画素100に隣接して配置すると、高輝度の光が入射した場合、有効画素100に近接するオプティカルブラック画素801の信号出力に有効画素100の光電変換信号が影響を及ぼすことがある(ブルーミング)。これにより、オプティカルブラック画素801の信号出力の精度が低下する問題がある。
【0097】
一方、本実施例のようにオプティカルブラック画素801と有効画素100の間にリファレンス画素101を配置することで、有効画素100からオプティカルブラック画素801へのブルーミングの影響を低減することができる。
【0098】
なお、本実施例では、オプティカルブラック画素801が有効画素100の配された各画素列に3つずつ配されている構成を示したが、この構成に限定されるものではない。つまり、オプティカルブラック画素801が有効画素100の配された列に1つ以上配されていれば良い。また、複数列でオプティカルブラック画素801を共有する構成であっても良い。
【0099】
本実施例においても、複数のリファレンス画素101A〜Dからリファレンス信号を出力するリファレンス画素を選択する構成を有している。これにより本実施例の固体撮像装置においても、実施例1の固体撮像装置で得られる効果と同等の効果を得ることができる。
【実施例5】
【0100】
本実施例の固体撮像装置について、実施例1と異なる点を中心に図面を参照しながら説明する。
図11に本実施例の固体撮像装置を例示したブロック図を示す。有効画素100の等価回路は実施例1の図2と同様とすることができる。
図11に例示した撮像装置において、図1と同じ機能を有するものに関しては図1と同一の符号を付しており説明を省略する。
【0101】
図11の固体撮像装置では、有効画素100が配された各画素列において、8つのオプティカルブラック画素801A〜Hが配されている。オプティカルブラック画素801は有効画素100と同様の等価回路とすることができ、フォトダイオード201が遮光された構造とする。本実施例におけるリファレンス信号出力画素は、オプティカルブラック画素801A〜Dである。
【0102】
本実施例においては一部のオプティカルブラック画素801A〜Dが第1の垂直信号線102と第2の垂直信号線103に電気的に接続されている構成を有している。オプティカルブラック画素801A〜Dは、OB信号選択スイッチ910を介して第1の垂直信号線102に電気的に接続されている。また、オプティカルブラック画素801A〜Dは、リファレンス信号選択スイッチ901を介して第2の垂直信号線103に電気的に接続されている。リファレンス信号選択スイッチ901の各々は、リファレンス選択線908A−1、908B−1、908C−1、908D−1を介してリファレンス選択部905に電気的に接続されている。OB信号選択スイッチ910の各々は、リファレンス選択線908A−2、908B−2、908C−2、908D−2を介してリファレンス選択部905に電気的に接続されている。即ち、本実施例の固体撮像装置に設けられたオプティカルブラック画素801の一部のオプティカルブラック画素801A〜Dは第1の垂直信号線102、第2の垂直信号線103を介して信号を差動増幅器112に出力することができる。オプティカルブラック画素801から第1の垂直信号線を介して差動増幅器112に出力される信号をOB信号、第2の垂直信号線103を介して差動増幅器112に出力される信号をリファレンス信号と表記する。本実施例の固体撮像装置は、第2の垂直信号線103に電気的に接続されたオプティカルブラック画素801A〜Dの中から、リファレンス信号を出力させるオプティカルブラック画素801を選択する構成を有する。リファレンス信号を出力させるオプティカルブラック画素801の他のオプティカルブラック画素はOB信号を差動増幅器112に出力する。
【0103】
またオプティカルブラック画素801に不具合がある画素行はリファレンス信号出力画素としてもオプティカルブラック画素としても使わないようにすることができる。
本実施例のようにオプティカルブラック画素801A〜Dは、リファレンス信号出力画素を兼ねることができるので、リファレンス画素用の領域を節約できる。特にリファレンス画素を多く配置する場合の効果は大きい。
【0104】
図11に例示したオプティカルブラック画素のうち4個はリファレンス信号出力画素として兼用できる構成になっている。兼用画素は、リファレンス信号選択スイッチ901、902、903、904とOB信号出力用の画素選択手段(本実施例においてはOB信号選択スイッチ910)を有することを特徴とする。102は、画素列に沿った方向に配列された複数の有効画素100とオプティカルブラック画素が電気的に接続される第1の垂直信号線である。103は、リファレンス信号出力画素として動作するオプティカルブラック画素801A〜Dが電気的に接続される第2の垂直信号線である。これらのリファレンス信号選択スイッチ901、902、903、904とOB信号選択スイッチ910を制御することにより、オプティカルブラック画素からOB信号を出力させる場合は第1の垂直信号線に接続し、リファレンス信号を出力させる場合は第2の垂直信号線に接続する。つまりリファレンス信号出力画素としても動作するオプティカルブラック画素に、その出力を第1の垂直信号線に接続するか、第2の垂直信号線に接続するかの選択を行う選択手段を設けることが特徴となる。
【0105】
リファレンス信号出力画素として選択されたオプティカルブラック画素は、垂直走査回路210による走査から切り離される。このとき垂直走査回路210は、このリファレンス信号を出力するオプティカルブラック画素801を非選択とし、次のオプティカルブラック画素801を選択する動作となる。一方、OB信号を出力するオプティカルブラック画素801については、リファレンス選択部905は垂直走査回路210からの信号に基づいて選択を行う。例えば図11において第1行のオプティカルブラック画素801Aを、リファレンス信号を出力する画素として選択した場合、リファレンス選択部905はリファレンス信号選択スイッチ901を導通状態とする。また、リファレンス選択部905は、垂直走査回路210からのパルスPSELn−1、PSELn+1、PSELn+2、PSELn+3に基づいて、オプティカルブラック画素801B、801C、801Dのそれぞれに電気的に接続されたOB信号選択スイッチ910を順次、導通状態とする。垂直走査回路210は引き続き、PSELn+4、・・・PSELn+7と順次走査する。リファレンス信号を出力する画素として選択された第1行のオプティカルブラック画素801Aの動作については、実施例1におけるリファレンス画素101と同様の動作とすることができる。
【0106】
本実施例においても、複数のリファレンス信号出力画素であるオプティカルブラック画素801A〜Dからリファレンス信号を出力するリファレンス信号出力画素を選択する構成を有している。これにより本実施例の固体撮像装置においても、実施例1の固体撮像装置で得られる効果と同等の効果を得ることができる。
【0107】
本実施例では、オプティカルブラック画素801はフォトダイオード201を有する構成と先述したが、実施例1で説明したリファレンス画素101としてもよい。
【0108】
本実施例では、リファレンス信号を出力せず、OB信号を出力するオプティカルブラック画素801E〜Hを有する形態を説明した。本実施例はこの形態に限定されるものではなく、リファレンス信号とOB信号を共に差動増幅器112に出力可能なオプティカルブラック画素が設けられている形態であっても良い。例えば、本実施例のオプティカルブラック画素801E〜Hが設けられていない構成としても良い。この構成であっても、リファレンス信号を出力するオプティカルブラック画素と、OB信号を出力するオプティカルブラック画素とを有することにより、好適にリファレンス信号とOB信号とを得ることができる。また、OB信号のみを出力するオプティカルブラック画素を配さずとも良いため、固体撮像装置のチップ面積を縮小することができる。
【実施例6】
【0109】
これまでに述べた固体撮像装置を固体撮像システムに適用した場合の実施例について述べる。固体撮像システムとして、デジタルスチルカメラやデジタルカムコーダーや監視カメラなどがあげられる。図12に、固体撮像システムの例としてデジタルスチルカメラに固体撮像装置を適用した場合のブロック図を示す。
【0110】
図12において、1はレンズの保護のためのバリア、2は被写体の光学像を固体撮像装置4に結像させるレンズ、3はレンズ2を通った光量を可変にするための絞りである。5は固体撮像装置4より出力される出力信号の処理を行う出力信号処理部である。
【0111】
固体撮像装置4からの出力信号がアナログ信号である場合には、出力信号処理部5は、アナログ信号処理部、A/D変換器とデジタル信号処理部とを有する形態とする。固体撮像装置4からの出力信号をアナログ信号処理部が各種の補正を行って、A/D変換器に信号を出力する。アナログ信号処理部から出力された信号をA/D変換器がデジタル信号に変換し、デジタル信号処理部に出力する。デジタル信号処理部は必要に応じて各種の補正、圧縮を行ったうえで信号を出力する。
【0112】
一方、固体撮像装置4が先に示した実施例5のように、デジタル信号を出力する場合には、出力信号処理部5はデジタル信号処理部を有し、固体撮像装置4から出力されるデジタル信号に対して必要に応じて各種の補正、圧縮を行って信号を出力する。
【0113】
そして、図12において、6は画像データを一時的に記憶する為のメモリ部、8は記録媒体に記録または読み出しを行うためのインターフェース部、9は撮像データの記録または読み出しを行う為の半導体メモリ等の着脱可能な記録媒体である。7は外部コンピュータ等と通信する為のインターフェース部である。10は各種演算とデジタルスチルカメラ全体を制御する全体制御・演算部、11は固体撮像装置4、出力信号処理部5に、各種タイミング信号を出力するタイミング発生部である。ここで、タイミング信号などは外部から入力されてもよく、固体撮像システムは少なくとも固体撮像装置4と、固体撮像装置4から出力された出力信号を処理する出力信号処理部5とを有すればよい。
【0114】
以上のように、本実施例の固体撮像システムは、固体撮像装置4を適用して撮像動作を行うことが可能である。本実施例の固体撮像システムに、実施例1〜7に例示した固体撮像装置を適用することにより、ノイズの少ない撮影が可能となる。
【符号の説明】
【0115】
100 有効画素
101 リファレンス画素
102 第1の垂直信号線
103 第2の垂直信号線
112 差動増幅器
113 信号処理回路
901、902、903、904 リファレンス信号選択スイッチ
905 リファレンス選択部
908 リファレンス選択線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光を光電変換して生じた電荷に基づく光電変換信号を出力する光電変換信号出力画素と、入射光に基づかないリファレンス信号を出力する複数のリファレンス信号出力画素と、
前記光電変換信号と前記リファレンス信号との差分処理を行って差分信号を出力する差分信号出力部と、
前記差分信号出力部に前記リファレンス信号を出力する少なくとも1つの前記リファレンス信号出力画素を複数の前記リファレンス信号出力画素から選択するリファレンス選択部と、を有することを特徴とする固体撮像装置。
【請求項2】
複数の前記光電変換信号出力画素が行列状に配されるとともに、
前記リファレンス信号出力画素と前記光電変換信号出力画素が1列に配された画素列を複数有することを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記リファレンス選択部を、前記画素列に対応して複数有することを特徴とする請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記画素列を含むブロックを複数有し、
前記ブロックごとに前記リファレンス選択部を有することを特徴とする請求項3に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記画素列と、前記光電変換信号出力画素を有し、前記リファレンス信号出力画素を有しない列と、を有する前記ブロックを複数有することを特徴とする請求項4に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記差分信号出力部が前記光電変換信号出力画素の配された列に対応して複数設けられ、
前記リファレンス選択部によって選択された前記リファレンス信号出力画素と複数の前記差分信号出力部が電気的に接続されることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記差分信号出力部は第1の端子と第2の端子とを有し、
前記光電変換信号出力画素は前記差分信号出力部の第1の端子に電気的に接続され、
前記リファレンス信号出力画素は前記差分信号出力部の第2の端子に電気的に接続され、
さらに前記固体撮像装置はオプティカルブラック画素を有し、
前記オプティカルブラック画素は前記第1の端子に電気的に接続され、
前記オプティカルブラック画素と前記光電変換信号出力画素との間に前記リファレンス信号出力画素が配されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記リファレンス信号出力画素が、印加された電圧に基づく前記リファレンス信号を出力するリファレンス画素であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の固体撮像装置。
【請求項9】
前記リファレンス信号出力画素がオプティカルブラック画素であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の固体撮像装置。
【請求項10】
前記差分信号出力部は第1の端子と第2の端子とを有し、
前記光電変換信号出力画素は前記差分信号出力部の第1の端子に電気的に接続され、
前記リファレンス選択部が、
複数の前記オプティカルブラック画素のうちのいずれかを前記差分信号出力部の前記第1の端子と電気的に接続し、複数の前記オプティカルブラック画素の他のいずれかを前記差分信号出力部の前記第2の端子と電気的に接続することを特徴とする請求項9に記載の固体撮像装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の固体撮像装置と、該固体撮像装置からの出力信号を処理する出力信号処理部とを有することを特徴とする固体撮像システム。
【請求項12】
入射光を光電変換して生じた電荷に基づく光電変換信号を出力する光電変換信号出力画素と、
入射光に基づかないリファレンス信号を出力する複数のリファレンス信号出力画素と、
前記光電変換信号と前記リファレンス信号との差分処理を行って差分信号を出力する差分信号出力部と、を有する固体撮像装置の駆動方法であって、
前記リファレンス信号を前記差分信号出力部に出力する少なくとも1つの前記リファレンス信号出力画素を複数の前記リファレンス信号出力画素から選択することを特徴とする固体撮像装置の駆動方法。
【請求項13】
複数の前記光電変換信号出力画素が行列状に配されるとともに、
前記リファレンス信号出力画素と前記光電変換信号出力画素が1列に配された画素列を複数有することを特徴とする請求項12に記載の固体撮像装置の駆動方法。
【請求項14】
前記固体撮像装置は、前記差分信号出力部に前記リファレンス信号を出力する少なくとも1つの前記リファレンス信号出力画素を複数の前記リファレンス信号出力画素から選択するリファレンス選択部をさらに有し、
前記リファレンス選択部は、前記画素列に対応して前記リファレンス信号出力画素を選択することを特徴とする請求項13に記載の固体撮像装置の駆動方法。
【請求項15】
前記固体撮像装置は、前記画素列を含むブロックを複数有し、
前記リファレンス選択部は、前記ブロックごとに複数の前記リファレンス信号出力画素から、前記差分信号出力部に前記リファレンス信号を出力する前記リファレンス信号出力画素を選択することを特徴とする請求項14に記載の固体撮像装置の駆動方法。
【請求項16】
前記固体撮像装置は前記差分信号出力部が複数設けられ、
複数の前記差分信号出力部に共通の前記リファレンス信号を出力することを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の固体撮像装置の駆動方法。
【請求項17】
前記リファレンス信号出力画素がオプティカルブラック画素であり、
前記差分信号出力部は第1の端子と第2の端子とを有し、
前記光電変換信号出力画素は前記差分信号出力部の第1の端子に電気的に接続され、
複数の前記オプティカルブラック画素から、前記差分信号出力部の前記第1の端子に前記リファレンス信号を出力する少なくとも1つの前記オプティカルブラック画素と、前記差分信号出力部の前記第2の端子に前記リファレンス信号を出力する少なくとも1つの前記オプティカルブラック画素とを選択することを特徴とする請求項13〜16のいずれかに記載の固体撮像装置の駆動方法。
【請求項1】
入射光を光電変換して生じた電荷に基づく光電変換信号を出力する光電変換信号出力画素と、入射光に基づかないリファレンス信号を出力する複数のリファレンス信号出力画素と、
前記光電変換信号と前記リファレンス信号との差分処理を行って差分信号を出力する差分信号出力部と、
前記差分信号出力部に前記リファレンス信号を出力する少なくとも1つの前記リファレンス信号出力画素を複数の前記リファレンス信号出力画素から選択するリファレンス選択部と、を有することを特徴とする固体撮像装置。
【請求項2】
複数の前記光電変換信号出力画素が行列状に配されるとともに、
前記リファレンス信号出力画素と前記光電変換信号出力画素が1列に配された画素列を複数有することを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記リファレンス選択部を、前記画素列に対応して複数有することを特徴とする請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記画素列を含むブロックを複数有し、
前記ブロックごとに前記リファレンス選択部を有することを特徴とする請求項3に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記画素列と、前記光電変換信号出力画素を有し、前記リファレンス信号出力画素を有しない列と、を有する前記ブロックを複数有することを特徴とする請求項4に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記差分信号出力部が前記光電変換信号出力画素の配された列に対応して複数設けられ、
前記リファレンス選択部によって選択された前記リファレンス信号出力画素と複数の前記差分信号出力部が電気的に接続されることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記差分信号出力部は第1の端子と第2の端子とを有し、
前記光電変換信号出力画素は前記差分信号出力部の第1の端子に電気的に接続され、
前記リファレンス信号出力画素は前記差分信号出力部の第2の端子に電気的に接続され、
さらに前記固体撮像装置はオプティカルブラック画素を有し、
前記オプティカルブラック画素は前記第1の端子に電気的に接続され、
前記オプティカルブラック画素と前記光電変換信号出力画素との間に前記リファレンス信号出力画素が配されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記リファレンス信号出力画素が、印加された電圧に基づく前記リファレンス信号を出力するリファレンス画素であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の固体撮像装置。
【請求項9】
前記リファレンス信号出力画素がオプティカルブラック画素であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の固体撮像装置。
【請求項10】
前記差分信号出力部は第1の端子と第2の端子とを有し、
前記光電変換信号出力画素は前記差分信号出力部の第1の端子に電気的に接続され、
前記リファレンス選択部が、
複数の前記オプティカルブラック画素のうちのいずれかを前記差分信号出力部の前記第1の端子と電気的に接続し、複数の前記オプティカルブラック画素の他のいずれかを前記差分信号出力部の前記第2の端子と電気的に接続することを特徴とする請求項9に記載の固体撮像装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の固体撮像装置と、該固体撮像装置からの出力信号を処理する出力信号処理部とを有することを特徴とする固体撮像システム。
【請求項12】
入射光を光電変換して生じた電荷に基づく光電変換信号を出力する光電変換信号出力画素と、
入射光に基づかないリファレンス信号を出力する複数のリファレンス信号出力画素と、
前記光電変換信号と前記リファレンス信号との差分処理を行って差分信号を出力する差分信号出力部と、を有する固体撮像装置の駆動方法であって、
前記リファレンス信号を前記差分信号出力部に出力する少なくとも1つの前記リファレンス信号出力画素を複数の前記リファレンス信号出力画素から選択することを特徴とする固体撮像装置の駆動方法。
【請求項13】
複数の前記光電変換信号出力画素が行列状に配されるとともに、
前記リファレンス信号出力画素と前記光電変換信号出力画素が1列に配された画素列を複数有することを特徴とする請求項12に記載の固体撮像装置の駆動方法。
【請求項14】
前記固体撮像装置は、前記差分信号出力部に前記リファレンス信号を出力する少なくとも1つの前記リファレンス信号出力画素を複数の前記リファレンス信号出力画素から選択するリファレンス選択部をさらに有し、
前記リファレンス選択部は、前記画素列に対応して前記リファレンス信号出力画素を選択することを特徴とする請求項13に記載の固体撮像装置の駆動方法。
【請求項15】
前記固体撮像装置は、前記画素列を含むブロックを複数有し、
前記リファレンス選択部は、前記ブロックごとに複数の前記リファレンス信号出力画素から、前記差分信号出力部に前記リファレンス信号を出力する前記リファレンス信号出力画素を選択することを特徴とする請求項14に記載の固体撮像装置の駆動方法。
【請求項16】
前記固体撮像装置は前記差分信号出力部が複数設けられ、
複数の前記差分信号出力部に共通の前記リファレンス信号を出力することを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の固体撮像装置の駆動方法。
【請求項17】
前記リファレンス信号出力画素がオプティカルブラック画素であり、
前記差分信号出力部は第1の端子と第2の端子とを有し、
前記光電変換信号出力画素は前記差分信号出力部の第1の端子に電気的に接続され、
複数の前記オプティカルブラック画素から、前記差分信号出力部の前記第1の端子に前記リファレンス信号を出力する少なくとも1つの前記オプティカルブラック画素と、前記差分信号出力部の前記第2の端子に前記リファレンス信号を出力する少なくとも1つの前記オプティカルブラック画素とを選択することを特徴とする請求項13〜16のいずれかに記載の固体撮像装置の駆動方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−253741(P2012−253741A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−26816(P2012−26816)
【出願日】平成24年2月10日(2012.2.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月10日(2012.2.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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