説明

固定クリップ

【課題】園芸用支柱或いはビニ−ルハウス等の枠材を組み立てる時、支柱及び枠材が直交または任意の角度で交差する部分を簡単で確実に固定するものであり、安定した枠組みをすることができると共に取り外しも簡単にできる固定クリップを提供する。
【解決手段】第1の辺と所定の角度をなして連続する第2の辺からなる本体部と、第1の辺に連続し、第1の辺と第2の辺によって形成される平面に対して直角方向に延び、略コの字形の形状をなし、その先端が第1の辺の方向へ湾曲した第1のフックと、第2の辺に連続し、前記平面に対して直角であって、第1のフックとは反対方向に延び、その先端が第1の辺に対して反対方向へ湾曲した略J字形の形状をなす第2のフックとから構成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、園芸用支柱或いはビニ−ルハウス等の枠材を組み立てる時、支柱及び枠材が直交したりまたは任意の角度で交差したりする部分を簡単で確実に固定するものであり、安定した枠組みをすることができると共に取り外しも簡単にできる固定クリップである。
【背景技術】
【0002】
園芸において、キュウリ等を栽培する際には、生育するツルを伝わせるために、一般に直径8mm〜20mmの支柱を土壌に立てるとともに複数の支柱の交差部を紐や針金で縛り枠組みをして用いているため、縛る作業に手間と時間を必要としていた。
【0003】
この面倒な縛る作業を簡便化するために、「支柱固定クリップ」(例えば、特許文献1参照。)や「枠材組立用締具」(例えば、特許文献2参照。)などが提案されている。一方、ビニ−ルハウス等を組み立てる時は、一般に直径22mm〜48.6mmの金属の枠材を枠組みして用いているが、それを固定するために「ビニ−ルハウスの骨材固定用楔」(例えば、特許文献3参照。)などが提案されている。
【0004】
特許文献1記載の「支柱固定クリップ」は支柱を挟持する3個の挟持片を備えていて、その中の1個が他の2個に対して直角に形成され、これらの挟持片で直交するそれぞれの支柱を挟持して固定するものである。特許文献2記載の「枠材組立用締具」は鉄等の金属線を縦長の逆U字形に折り曲げて縦枠材締付部を形成し、さらに逆U字形の辺の中間部を折り曲げて横枠材締付部を形成したもので、この縦および横枠材締付部を直交するそれぞれの支柱へ掛けて固定するものである。特許文献3記載の「ビニ−ルハウスの骨材固定用楔」は中央部に湾曲した支柱材抱持部を形成した略U字状金具で、その両側壁部の下方から側壁部の略中央にかけ、梁材が嵌入する係合切り欠きを形成し、両側壁部の下端に内側へ向け屈曲部を形成したものであり、梁材と前記屈曲部間に楔を打ち込むことにより梁材どうしを固定するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−298015号公報
【特許文献2】特開平10−47320号公報
【特許文献3】特開2008−301765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1記載の「支柱固定クリップ」、特許文献2記載の「枠材組立用締具」や、特許文献3記載の「ビニ−ルハウスの骨材固定用楔」は支柱や枠材を固定するものであり、いずれも取扱いが容易で、作業を簡便化するものであるが、2本の支柱あるいは2本の枠材を係合する方向が90度に定まり、直角方向に交差している場合にしか使えないため、枠組みとしては不安定さが残る。
【0007】
本発明が解決しょうとする課題は、2本の支柱あるいは2本の枠材が直交している場合だけではなく互いに任意の角度で交差している場合でも、確実に固定することができると同時に安定した枠組みをすることができ、しかも取扱いが容易な、固定クリップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の固定クリップは、第1の辺と、前記第1の辺と所定の角度をなして連続する第2の辺からなる本体部と、前記第1の辺に連続し、前記第1の辺と前記第2の辺によって形成される平面に対して直角方向に延びる第1のフックと、前記第2の辺に連続し、前記平面に対して直角であって、前記第1のフックとは反対方向に延びる第2のフックとから構成されることを特徴とするものである。
【0009】
前記第1のフックは、前記第2の辺に対して反対方向へ屈曲する略コの字形の形状をなし、前記第2のフックは、その先端が前記第1の辺に対して反対方向へ湾曲した略J字形の形状をなし、
【0010】
さらに前記第1のフックは、そのなす平面が前記第1の辺に対して所定の角度をなし、前記第2のフックは、そのなす平面が前記第2の辺に対して所定の角度をなし、
【0011】
また前記第1のフックは、その先端が前記第1の辺の方向へ湾曲するように形成されている。
【0012】
前記固定クリップは、素材とする金属線の有する弾力性を利用するもので、直交あるいは任意の角度で交差する直径8mm〜20mmの園芸用支柱や、直径22mm〜48.6mmのビニ−ルハウス等の金属の枠材(以下支柱と記す)を押圧して固定するものである。
【0013】
前記固定クリップを使用するときは、直交あるいは任意の角度で交差する2本の支柱の一方に前記第1のフックを掛け、前記本体部を前記交差部の対角方向へ当接させて、前記第2の辺を前記第1のフックを掛けている支柱側の方向へ撓ませることにより前記本体部の屈曲部において前記交差部を押圧し、前記第1のフックを掛けている支柱に前記第2のフックを掛けて支柱どうしを固定し、その固定状態を維持するものである。
【0014】
このとき、前記固定クリップが支柱に及ぼす押圧力により生じる、前記本体部と前記本体部が当接している支柱間の摩擦力、および直交あるいは任意の角度で交差する支柱どうしの間の摩擦力、および前記本体部の押圧力に対する反力により生じる、前記第2のフックと第2のフックを掛けた支柱間の摩擦力、および前記第1のフックの、それを掛けている支柱に対するこじりによる抵抗力のために支柱どうしを簡単にしかも確実に固定することができる。
【0015】
また、前記本体部の屈曲部の曲率半径を、屈曲部が当接している支柱の半径より大きくすることにより屈曲部と該支柱の接触は点接触となり、この接触点を中心として前記固定クリップと該支柱との間には相対的な回転動作が可能となる。このため支柱どうしが直交したときだけでなく、任意の角度で交差したときも固定することができ、安定した確固な枠組みをすることができる。
【0016】
また、前記固定クリップを使用したとき、前記固定クリップの固定力の要素の1つである前記第1のフックのこじりによる抵抗力が大きいために、前記固定力の強さに方向性が生じ、前記第1のフックを掛けた支柱の軸方向において大きく、他方の支柱の軸方向へはその1/3程度の大きさとなる。そのため前記固定クリップを使用するときは2個を1組として使用すれば、さらに強固で確実な固定力が得られる。
【0017】
また固定クリップには支柱の直径や枠組みの大きさによって必要な固定力が要求され、その固定力に応じて、素材として直径が1.2mm〜5.0mmの範囲のいずれかの弾力性の強い金属線を用い、材質としてピアノ線、硬鋼線、ばね用炭素鋼オイルテンパ−線、ばね用シリコンマンガン鋼オイルテンパ−線、ばね用ステンレス鋼線のいずれかを用いる。
【発明の効果】
【0018】
本発明を使用すると、支柱の枠組みの際、任意の角度での枠組みが可能になるため、直交だけの枠組みのときの不安定さがなくなり安定した確固な枠組みをすることができる。
【0019】
また、取扱いが容易であるために、枠組みあるいは取り外しの作業に要する時間と手間は、従来の紐や針金で縛り枠組みをする方法と比較して大幅に節減することができる。
【0020】
さらに、固定クリップが有する弾撥性もフック部で抑止されるために、弾けることなく安全に取り扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本体部の第1の辺と第2の辺の長さが異なる場合の、本発明の固定クリップC1の斜視図である。
【図2】支柱どうしが直交した時の固定クリップC1の使用状態を示した正面図である。
【図3】支柱どうしが任意の角度で交差した時の固定クリップC1の使用状態を示した正面図である。
【図4】固定クリップC1の自由なときの状態と、使用したときの状態の比較図である。
【図5】固定クリップC1あるいはC2を使用して支柱を枠組みしたときの正面図である。
【図6】固定クリップC1あるいはC2を使用して支柱を枠組みしたときの側面図である。
【図7】固定クリップC1あるいはC2を使用したときの第1のフックの状態図である。
【図8】固定クリップC1あるいはC2を使用したときの第2のフックの状態図である。
【図9】本体部の第1の辺と第2の辺の長さが等しい場合の、本発明の固定クリップC2の斜視図である。
【図10】支柱どうしが直交した時の固定クリップC2の使用状態を示した正面図である。
【図11】支柱どうしが任意の角度で交差した時の固定クリップC2の使用状態を示した正面図である。
【図12】固定クリップC2の自由なときの状態と、使用したときの状態の比較図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〈実施形態1〉
以下、図面に基づいて本発明の実施形態1を説明する。図1に示すように本実施形態の固定クリップC1は、第1の辺2aと、前記第1の辺2aと所定の角度7aをなして連続する長さの異なる第2の辺3aからなる本体部1aと、
【0023】
前記第1の辺2aに連続し、前記第1の辺2aと前記第2の辺3aによって形成される平面に対して直角方向に延びる第1のフック4aと、
【0024】
前記第2の辺3aに連続し、前記平面に対して直角であって、前記第1のフック4aとは反対方向に延びる第2のフック5aとから構成されている。
【0025】
前記第1のフック4aは、前記第2の辺3aに対して反対方向へ屈曲する略コの字形の形状をなし、
【0026】
前記第2のフック5aは、その先端が前記第1の辺2aに対して反対方向へ湾曲した略J字形の形状をなし、
【0027】
さらに図4に示すように前記第1のフック4aは、そのなす平面が前記第1の辺2aに対して所定の角度8aをなし、前記第2のフック5aは、そのなす平面が前記第2の辺3aに対して所定の角度9aをなし、
【0028】
また前記第1のフック4aは、その先端が突出して作業者に対して危険を及ぼすのを防ぐために前記第1の辺2aの方向へ湾曲するように形成されている。
【0029】
前記固定クリップC1は、固定される支柱の直径の大きさに応じて、前記本体部1aについては、前記第1の辺2aの長さを20mm〜120mmの範囲、前記第2の辺3aの長さを40mm〜260mmの範囲、前記第1の辺2aと前記第2の辺3aの屈曲部の半径を5mm〜35mmの範囲、およびこの2辺がなす所定の角度7aを70度〜120度の範囲において形成し、
【0030】
前記第1のフック4aについては、幅を10mm〜80mmの範囲、および高さを10mm〜80mmの範囲において略コの字形の形状に形成し、その先端が突出して作業者に対して危険を及ぼすのを防ぐために、該先端を半径が5mm〜30mmの範囲において前記第1の辺2aの方向へ湾曲するように形成し、
【0031】
前記第2のフック5aについては、その高さを10mm〜80mmの範囲、その先端を前記第1の辺2aに対して反対方向へ半径が5mm〜30mmの範囲において円弧状に湾曲させて、略J字形の形状に形成したものである。
【0032】
また図4において前記第1のフック4aは、前記第1の辺2aと支柱P1のなす角度が90度に近づくことにより前記第1のフック4aの幅が大きくなるのを防ぐために、前記第1の辺2aと前記第1のフック4aのなす平面とがなす所定の角度8aを45度〜90度の範囲において形成し、
【0033】
前記第2のフック5aは、前記固定クリップC1の外形が大きくなるのを防ぐためと、また使用するのを容易にするために、前記第2の辺3aと前記第2のフック5aのなす平面とがなす所定の角度9aを50度〜90度の範囲において形成している。
【0034】
前記固定クリップC1を使用するときは、図2あるいは図3に示すように、直交あるいは任意の角度で交差する2本の支柱の一方の支柱P1に前記第1のフック4aを掛け、
【0035】
他方の支柱P2あるいはP3に前記本体部1aの屈曲部6aを前記交差部の対角方向へ当接させて、図4に示すように前記第2の辺3aを前記支柱P1側の方向へ角度10aだけ撓ませることにより前記屈曲部6aにおいて前記交差部を押圧し、
【0036】
また前記第1のフック4aを角度11aだけねじることにより前記支柱P1に対してこじりを生じさせ、
【0037】
前記第2のフック5aを前記支柱P1に掛けて支柱どうしを固定し、その固定状態を維持する。
【0038】
そして図2あるいは図3に示すように2個を1組として使用すれば、1個のときと比べてより強固な枠組みが得られる。
【0039】
さらに図7に示すように前記固定クリップC1が有する弾撥性も前記第1のフック4aで抑止されるために、弾けることなく安全に取り扱うことができる。
【0040】
また図8に示すように、前記第2のフック5aの先端は略J字形をなすように湾曲しているために、ひとりでに外れることなく確実に固定した状態を維持することができ、取り外す場合も前記第2のフック5aを前記支柱P1から外すだけでよいから取扱いも容易である。
【0041】
また、前記第2の辺3aの長さより、前記第1の辺2aの長さが大きいため、梃子の原理により小さな力で前記第2のフック5aを操作することができ、素手でも容易に取扱うことができる。しかも前記第1のフック4aには前記第2のフック5aを操作する力よりも大きな負荷を受持たせることになり、前記本体部1aの屈曲部6aも大きな力で支柱を押圧することができて、確実な固定力が得られる。
〈実施形態2〉
【0042】
同じく、図面に基づいて本発明の実施形態2を説明する。図9に示すように本実施形態の固定クリップC2は、第1の辺2bと、前記第1の辺2bと所定の角度7bをなして連続する長さの等しい第2の辺3bからなる本体部1bと、
【0043】
前記第1の辺2bに連続し、前記第1の辺2bと前記第2の辺3bによって形成される平面に対して直角方向に延びる第1のフック4bと、
【0044】
前記第2の辺3bに連続し、前記平面に対して直角であって、前記第1のフック4bとは反対方向に延びる第2のフック5bとから構成されている。
【0045】
前記第1のフック4bは、前記第2の辺3bに対して反対方向へ屈曲する略コの字形の形状をなし、
【0046】
前記第2のフック5bは、その先端が前記第1の辺2bに対して反対方向へ湾曲した略J字形の形状をなし、
【0047】
さらに図12に示すように前記第1のフック4bは、そのなす平面が前記第1の辺2bに対して所定の角度8aをなし、前記第2のフック5bは、そのなす平面が前記第2の辺3bに対して所定の角度9bをなし、
【0048】
また前記第1のフック4bは、その先端が突出して作業者に対して危険を及ぼすのを防ぐために前記第1の辺2bの方向へ湾曲するように形成されている。
【0049】
前記固定クリップC2は、固定される支柱の直径の大きさに応じて、前記本体部1bについては、前記第1の辺2bおよび前記第2の辺3bの長さを30mm〜220mmの範囲、前記第1の辺2bと前記第2の辺3bの屈曲部の半径を5mm〜35mmの範囲、およびこの2辺がなす所定の角度7bを110度〜160度の範囲において形成し、
【0050】
前記第1のフック4bについては、幅を10mm〜65mmの範囲、および高さを10mm〜80mmの範囲において略コの字形の形状に形成し、その先端が突出して作業者に対して危険を及ぼすのを防ぐために、該先端を半径が5mm〜30mmの範囲において前記第1の辺2bの方向へ湾曲するように形成し、
【0051】
前記第2のフック5bについては、その高さを10mm〜80mmの範囲、その先端を前記第1の辺2bに対して反対方向へ半径が5mm〜30mmの範囲おいて円弧状に湾曲させて、略J字形の形状に形成したものである。
【0052】
また図12において前記第1のフック4bは、その幅が大きくなるのを防ぐために、前記第1の辺2bと前記第1のフック4bのなす平面とがなす所定の角度8bを50度〜90度の範囲において形成し、
【0053】
前記第2のフック5bは、前記固定クリップC2の外形が大きくなるのを防ぐためと、また使用するのを容易にするために、前記第2の辺3bと前記第2のフック5bのなす平面とがなす所定の角度9bを50度〜90度の範囲において形成している。
【0054】
前記固定クリップC2を使用するときは、図10あるいは図11に示すように、直交あるいは任意の角度で交差する2本の支柱の一方の支柱P1に前記第1のフック4bを掛け、
【0055】
他方の支柱P2あるいはP3において前記本体部1bの屈曲部6bを前記交差部の対角方向へ当接させて、図12に示すように前記第2の辺3bを前記支柱P1側の方向へ角度10bだけ撓ませることにより前記屈曲部6bにおいて前記交差部を押圧し、
【0056】
また前記第1のフック4bを角度11bだけねじることにより前記支柱P1に対してこじりを生じさせ、
【0057】
前記第2のフック5bを前記支柱P1に掛けて支柱どうしを固定し、その固定状態を維持する。
【0058】
そして図10あるいは図11に示すように2個を1組として使用すれば、1個のときと比べてより強固な枠組みが得られる。
【0059】
さらに図7に示すように前記固定クリップC2が有する弾撥性も前記第1のフック4bで抑止されるために、弾けることなく安全に取り扱うことができる。
【0060】
また図8に示すように、前記第2のフック5bの先端は略J字形をなすように湾曲しているために、ひとりでに外れることなく確実に固定した状態を維持することができ、取り外す場合も前記第2のフック5bを前記支柱P1から外すだけでよいから取扱いも容易である。
【実施例1】
【0061】
以下、本発明の実施例を説明する。直径2.3mmの硬鋼線を折り曲げて、第1の辺の長さを38mm、第2の辺の長さを74mmとし、前記第1の辺と前記第2の辺の屈曲部の半径を10mm、およびこの2つの辺がなす角度を96度として本体部を形成し、
【0062】
前記第1の辺に連続し、前記第1の辺と前記第2の辺によって形成される平面に対して直角方向に延び、その幅を24mmおよび高さを24mmの略コの字形の形状として、前記第2の辺に対して反対方向へ屈曲させ、その先端が前記第1の辺の方向へ半径11mmにて円弧状に湾曲させて第1のフックを形成し、かつ前記第1のフックのなす平面と前記第1の辺がなす角度を69度となるようにし、
【0063】
前記第2の辺に連続し、前記第1の辺と前記第2の辺によって形成される前記平面に対して直角であって、前記第1のフックとは反対方向に延び、その高さを26mmとし、その先端を半径10mmにて前記第1の辺に対して反対方向へ湾曲させた略J字形の形状として第2のフックを形成し、かつ前記第2のフックがなす平面と前記第2の辺がなす角度を58度となるようにした固定クリップを用いて、
【0064】
図5および図6に示すように、縦材と横材及び斜材として直径が16mm、長さが1800mmの園芸用支柱を枠組みしたところ確実で安定した枠組みが得られた。またこのとき横材と斜材のなす角度が20度〜120度の範囲において組み付け可能であった。
【0065】
また前記園芸用支柱は、細い金属のパイプを合成樹脂の薄い膜にて被覆したものであるから、その表面は金属の表面と比べて滑りにくく、交差部1か所に使用する固定クリップの数は1個で十分であった。
【実施例2】
【0066】
次に、本発明の実施例1と同様に製作した。直径3.2mmの硬鋼線を折り曲げて、第1の辺の長さを51mm、第2の辺の長さを113mmとし、前記第1の辺と前記第2の辺の屈曲部の半径を14mm、およびこの2つの辺がなす角度を97度として本体部を形成し、
【0067】
前記第1の辺に連続し、前記第1の辺と前記第2の辺によって形成される平面に対して直角方向に延び、その幅を37mmおよび高さを33mmの略コの字形の形状として、前記第2の辺に対して反対方向へ屈曲させ、その先端が前記第1の辺の方向へ半径13mmにて円弧状に湾曲させて第1のフックを形成し、かつ前記第1のフックのなす平面と前記第1の辺がなす角度を76度となるようにし、
【0068】
前記第2の辺に連続し、前記第1の辺と前記第2の辺によって形成される平面に対して直角であって、前記第1のフックとは反対方向に延び、その高さを37mmとし、その先端を半径14mmにて前記第1の辺に対して反対方向へ湾曲させた略J字形の形状として第2のフックを形成し、かつ前記第2のフックがなす平面と前記第2の辺がなす角度を63度となるようにした固定クリップを用いて、
【0069】
直径が22mmのビニ−ルハウス用の枠材を、枠組みしたところ確実で安定した枠組みが得られた。またこのとき横材と斜材のなす角度が35度〜110度の範囲において組み付け可能であった。
【0070】
また前記枠材は金属のパイプで、その表面はなめらかで滑りやすいため、交差部1か所に対して固定クリップを2個使用して強固な枠組みが得られた。
【実施例3】
【0071】
次に、本発明の実施例1と同様に製作した。直径2.3mmのピアノ線を折り曲げて、第1の辺と第2の辺の長さを等しくして、この2辺の長さを70mmとし、この2辺の屈曲部の半径を10mm、およびこの2辺がなす角度を140度として本体部を形成し、
【0072】
前記第1の辺に連続し、前記第1の辺と前記第2の辺によって形成される平面に対して直角方向に延び、その幅を19mmおよび高さを24mmの略コの字形の形状として、前記第2の辺に対して反対方向へ屈曲させ、その先端が前記第1の辺の方向へ半径10mmにて円弧状に湾曲させて第1のフックを形成し、かつ前記第1のフックのなす平面と前記第1の辺がなす角度を90度となるようにし、
【0073】
前記第2の辺に連続し、前記第1の辺と前記第2の辺によって形成される平面に対して直角であって、前記第1のフックとは反対方向に延び、その高さを24mmとし、その先端を半径10mmにて前記第1の辺に対して反対方向へ湾曲させた略J字形の形状として第2のフックを形成し、かつ前記第2のフックがなす平面と前記第2の辺がなす角度を59度となるようにした固定クリップを用いて、
【0074】
図5および図6に示すように、縦材と横材及び斜材として直径が16mm、長さが1800mmの園芸用支柱を枠組みしたところ確実で安定した枠組みが得られた。またこのとき横材と斜材のなす角度が30度〜150度の範囲で組み付け可能であった。
【0075】
また前記園芸用支柱は、細い金属のパイプを合成樹脂の薄い膜にて被覆したものであるから、その表面は金属の表面と比べて滑りにくく、実施例1と同様に、交差部1か所に使用する固定クリップの数は1個で十分であった。
【符号の説明】
【0076】
C1 固定クリップ
C2 固定クリップ
1a 固定クリップC1の本体部
2a 本体部1aの第1の辺
3a 本体部1aの第2の辺
4a 固定クリップC1の第1のフック
5a 固定クリップC1の第2のフック
6a 第1の辺2aと第2の辺3aの屈曲部
7a 第1の辺2aと第2の辺3aとがなす角度
8a 第1の辺2aと第1のフック4aの有する平面とがなす角度
9a 第2の辺3aと第2のフック5aの有する平面とがなす角度
10a 固定クリップC1を使用したときの第2の辺3aのたわみ角
11a 固定クリップC1を使用したときの第1のフック4aの回転角
1b 固定クリップC2の本体部
2b 本体部1bの第1の辺
3b 本体部1bの第2の辺
4b 固定クリップC2の第1のフック
5b 固定クリップC2の第2のフック
6b 第1の辺2bと第2の辺3bの屈曲部
7b 第1の辺2bと第2の辺3bとがなす角度
8b 第1の辺2bと第1のフック4bの有する平面とがなす角度
9b 第2の辺3bと第2のフック5bの有する平面とがなす角度
10b 固定クリップC2を使用したときの第2の辺3bのたわみ角
11b 固定クリップC2を使用したときの第1のフック4bの回転角
P1 水平方向の支柱
P2 垂直方向の支柱
P3 水平方向の支柱P1に対して任意の角度で交差する支柱


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の辺と、前記第1の辺と所定の角度をなして連続する第2の辺からなる本体部と、前記第1の辺に連続し、前記第1の辺と前記第2の辺によって形成される平面に対して直角方向に延びる第1のフックと、前記第2の辺に連続し、前記平面に対して直角であって、前記第1のフックとは反対方向に延びる第2のフックとから構成されることを特徴とする固定クリップ。
【請求項2】
前記第1のフックは、前記第2の辺に対して反対方向へ屈曲する略コの字形の形状をなし、前記第2のフックは、その先端が前記第1の辺に対して反対方向へ湾曲した略J字形の形状をなすことを特徴とする請求項1に記載の固定クリップ。
【請求項3】
前記第1のフックは、そのなす平面が前記第1の辺に対して所定の角度をなし、前記第2のフックは、そのなす平面が前記第2の辺に対して所定の角度をなすことを特徴とする請求項2に記載の固定クリップ。
【請求項4】
前記第1のフックは、その先端が前記第1の辺の方向へ湾曲することを特徴とする請求項2または3に記載の固定クリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−115257(P2012−115257A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205933(P2011−205933)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(509080668)
【出願人】(509080864)
【Fターム(参考)】