説明

圧力制御装置

【課題】圧力制御装置において、減圧時における駆動弁の作動性を向上して高精度な圧力制御を可能とする。
【解決手段】ハウジング11内に駆動ピストン23と圧力制御弁19を相対移動自在に支持し、高圧ポートP1と制御圧ポートP3を連通する高圧通路を設けると共に、制御圧ポートP3と減圧ポートP2を連通する減圧通路を駆動ピストン23及び圧力制御弁19の内部に設け、駆動ピストン23をリターンスプリング25により付勢支持することで、減圧通路を開放して圧力室R3と減圧室R2を連通する一方、圧力制御弁19をリターンスプリング22により付勢支持することで、高圧通路を閉止して圧力室R3と高圧室R1を遮断するように構成し、ソレノイドにより駆動ピストン23を移動して減圧通路を閉止可能とする一方、圧力制御弁19を移動して高圧通路を開放可能としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁力によりポペット弁を移動して流路の連通遮断を行うことで圧力差を制御する圧力制御装置に関し、特に、三方電磁弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な圧力制御装置としてポペット式の三方電磁弁があり、この電磁弁は、弁体がスプリングの付勢力により一方方向に付勢されることで、高圧ポートと制御圧ポートとの連通路を遮断している。そして、ソレノイドに通電して弁体をスプリングの付勢力に抗して他方方向に移動することで、高圧ポートと制御圧ポートとの連通路を連通して制御ポートに作動油を供給可能とする一方、ソレノイドへの電流値を減少して弁体をスプリングの付勢力により一方方向に移動することで、高圧ポートと制御圧ポートとの連通路を遮断すると共に、減圧ポートと制御圧ポートとの連通路を連通し、制御圧ポートの作動油を排出可能としている。
【0003】
このような三方電磁弁としては、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。
【0004】
この特許文献1に記載された三方電磁弁は、本体部材に圧入部材を嵌着することで弁室を設け、この弁室に球状弁子を設けて2つの着座面に着座可能とすると共に、弁室に出力ポートと供給ポートと排出ポートを連通し、電磁ソレノイドの非励磁状態では、スプリングの付勢力によりプランジャを突き出すことで、球状弁子を第2着座面に着座して出力ポートと排出ポートを連通し、電磁ソレノイドの励磁状態では、スプリングの付勢力に抗してプランジャを後退することで、球状弁子を第1着座面に着座して供給ポートと出力ポートを連通するものである。
【0005】
【特許文献1】特許第2991079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来の特許文献1に記載された三方電磁弁にあっては、電磁ソレノイドの非励磁状態では、スプリングの付勢力によりプランジャが突き出されることで、球状弁子を第1着座面から離間して排出ポートを開放し、作動油が出力ポートから弁室を通って排出ポートに流動して減圧される。ところが、作動油が出力ポートから弁室を通って排出ポートに流動するとき、この作動油の流体力が弁室に収容されている球状弁子に作用し、この球状弁子を第1着座面に着座する方向、つまり、出力ポートと排出ポートを遮断する方向に付勢してしまい、作動油の排出量が変動して高精度な圧力制御を行うことができないという問題がある。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためのものであって、減圧時における駆動弁の作動性を向上して高精度な圧力制御を可能とした圧力制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の圧力制御装置は、中空形状をなして高圧ポート及び減圧ポート及び制御圧ポートを有するハウジングと、該ハウジング内に移動自在に支持された駆動弁と、前記ハウジング内に移動自在に支持されると共に前記駆動弁に係合して相対移動自在な圧力制御弁と、前記高圧ポートと前記制御圧ポートを連通するように前記ハウジングの内壁面と前記圧力制御弁との間に設けられて該圧力制御弁が該ハウジングの内壁面に当接することで遮断可能な高圧通路と、前記制御圧ポートと前記減圧ポートを連通するように前記駆動弁及び前記圧力制御弁の内部に設けられて前記駆動弁と前記圧力制御弁が相対移動することで遮断可能な減圧通路と、電磁力により前記駆動弁を移動可能であると共に該駆動弁を介して前記圧力制御弁を移動可能なソレノイドとを具えたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明の圧力制御装置では、前記駆動弁の端部が前記圧力制御弁の端部に嵌入することで互いに相対移動可能であり、前記駆動弁は、中心部に軸方向に貫通する第1連通路が設けられると共に該第1連通路における前記圧力制御弁側に第1弁座が設けられ、前記圧力制御弁は、内部に軸方向に貫通する第2連通路が設けられると共に中心部に該第2連通路を挿通して前記第1弁座に着座可能な第1弁部が設けられたことを特徴としている。
【0010】
本発明の圧力制御装置では、前記駆動弁は、第1付勢手段により前記第1弁座が前記第1弁部から離間して前記減圧通路を連通する方向に付勢支持され、前記圧力制御弁は、第2付勢手段により第2弁部が前記ハウジングの第2弁座に着座して前記高圧通路を遮断する方向に付勢支持されたことを特徴としている。
【0011】
本発明の圧力制御装置では、前記第2付勢手段の付勢力は、前記第1付勢手段の付勢力よりも大きく設定されたことを特徴としている。
【0012】
本発明の圧力制御装置では、前記圧力制御弁は、前記第2弁座に着座可能で前記高圧通路を連通及び遮断可能な前記第2弁部を有する増圧弁と、前記第1弁座に着座可能で前記減圧通路を連通及び遮断可能な前記第1弁部を有する減圧弁とが一体に連結されて構成されたことを特徴としている。
【0013】
本発明の圧力制御装置では、前記高圧通路の開放時における前記駆動弁の受圧面積と、前記減圧通路の開放時における前記駆動弁と前記減圧通路とのシール面積とが等価に設定されたことを特徴としている。
【0014】
本発明の圧力制御装置では、前記駆動弁は、前記ハウジングに移動自在に支持された第1支持部と、前記圧力制御弁に移動自在に支持された第2支持部を有し、前記第1支持部の受圧面積が前記第2支持部の受圧面積より大きく設定され、且つ、前記各支持部の面積差が最小となるように設定されたことを特徴としている。
【0015】
本発明の圧力制御装置では、前記ハウジングの外部から前記駆動弁を押圧可能な外部ピストンを設け、該外部ピストンに対して前記駆動弁側から作用する制御圧が外部から作用する外部圧以上となるように圧力制御する圧力制御手段が設けられたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の圧力制御装置によれば、中空形状をなして高圧ポート及び減圧ポート及び制御圧ポートを有するハウジング内に、駆動弁を移動自在に支持すると共に、駆動弁に係合して相対移動自在な圧力制御弁を移動自在に支持し、ソレノイドの電磁力により駆動弁を移動可能とすると共にこの駆動弁を介して圧力制御弁を移動可能とし、高圧ポートと制御圧ポートを連通するようにハウジングの内壁面と圧力制御弁との間に設けられて圧力制御弁がハウジングの内壁面に当接することで遮断可能な高圧通路と、制御圧ポートと減圧ポートを連通するように駆動弁及び圧力制御弁の内部に設けられて駆動弁と圧力制御弁が相対移動することで遮断可能な減圧通路を設けたので、ソレノイドに通電すると、駆動弁が圧力制御弁を押圧することで減圧通路を遮断すると共に、圧力制御弁がハウジングの内壁面から離間することで高圧通路を連通し、高圧ポートから高圧通路を通って制御圧ポートに作動油を供給可能であり、ソレノイドへの通電を停止すると、駆動弁が圧力制御弁から離間することで減圧通路を連通すると共に、圧力制御弁がハウジングの内壁面に当接することで高圧通路を遮断し、制御圧ポートから減圧通路を通って減圧ポートに作動油を排出可能であり、このとき、作動油は、駆動弁及び圧力制御弁の内部に設けられた減圧通路を通るため、作動油の流体力は駆動弁が減圧通路を開放する方向に作用することとなり、駆動弁の作動性を向上して高精度な圧力制御を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明に係る圧力制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明の一実施例に係る圧力制御装置を表す概略構成図、図2は、本実施例の圧力制御装置における減圧時の作動状態を表す要部断面図である。
【0019】
本実施例の圧力制御装置としてのポペット式の三方電磁弁において、図1及び図2に示すように、ハウジング11は、円筒形状をなす上部ハウジング12と下部ハウジング13とから構成され、上部ハウジング12の下部に下部ハウジング13が嵌合することで、両者が一体に固定されている。そして、上部ハウジング12の上部に支持ブロック14が嵌合すると共に、この支持ブロック14にケース15が嵌合することで、ハウジング11の内部が密閉状態となっている。
【0020】
このハウジング11内には、上下方向に沿って上部支持孔16及び下部支持孔17が形成されると共に、この上部支持孔16と下部支持孔17に連通する中部支持孔18が形成され、下部支持孔17の上部に下方に向けて広角する弁座(第2弁座)17aが形成されている。
【0021】
上部ハウジング12における下部支持孔17の中央部には、圧力制御弁19が配設されている。この圧力制御弁19は、増圧弁20と減圧弁21が一体に連結されて構成されている。増圧弁20は、先端部(図1にて、上端部)に球面傘形状をなす弁部(第2弁部)20aが形成されており、この増圧弁20のフランジ部20bと下部ハウジング13との間にリターンスプリング(第2付勢部材)22が介装されている。また、増圧弁20は、内部に上下に貫通する上部貫通孔20c及び下部貫通孔20dが形成されている。一方、減圧弁21は、増圧弁20の下端部に嵌合することで一体に連結され、且つ、下部ハウジング13の貫通孔13a,13bに上下方向に沿って移動自在に嵌合している。そして、減圧弁21は、先端(図1にて、上端)側が増圧弁20の下部貫通孔20dに下方から進入し、端部が球面傘形状をなす弁部(第1弁部)21aが形成されている。また、減圧弁21は、内部に上下方向に沿って貫通し、増圧弁20の下部貫通孔20dに連通する貫通孔21bが形成されている。
【0022】
従って、増圧弁20と減圧弁21が一体に連結された圧力制御弁19は、ハウジング11の下部支持孔17内で上下方向に沿って移動自在に支持されると共に、リターンスプリング22の付勢力により上方に付勢支持され、増圧弁20の弁部20aが上部ハウジング12の弁座17aに着座している。
【0023】
また、上部ハウジング12の上部支持孔16の中央部には、駆動ピストン23が配設されている。この駆動ピストン23は、上部に形成されて円柱形状をなす第1支持部23aと、中間部に形成されたフランジ部23bと、下部に形成されて増圧弁20の上部貫通孔20cから下部貫通孔20dに進入する円柱形状をなす第2支持部23cとから構成されている。また、駆動ピストン23は、第2支持部23cの下端部が拡径して増圧弁20の上部貫通孔20cと下部貫通孔20dの段部に係止し、上部ハウジング12の中部支持孔18と増圧弁20の下部貫通孔20dとを連通する連通孔24が形成されると共に、連通孔24の下端面に弁座(第1弁座)24aが形成されている。そして、圧力制御弁19における増圧弁20の下部貫通孔20dにて、駆動ピストン23の下端部と減圧弁21の上端部との間にリターンスプリング(第1付勢手段)25が介装されている。
【0024】
従って、駆動ピストン23は、ハウジング11の上部支持孔16内で上下方向に沿って移動自在に支持されると共に、リターンスプリング25の付勢力により上方に付勢支持され、弁座24aが減圧弁21の弁部21aから離間している。
【0025】
また、駆動ピストン23は、第1支持部23aの外周部に円環形状をなす外部ピストン26が上下移動自在嵌合しており、この外部ピストン26は、外周部が上部ハウジング12の上部支持孔16に移動自在に嵌合している。そして、ケース15内には、押圧ピストン27が上下方向に沿って移動自在に支持され、このケース15の外側には、押圧ピストン27に対向してコイル28が巻装されている。この押圧ピストン27と駆動ピストン23は直列状態で支持されており、この押圧ピストン27の下端部が駆動ピストン23に当接している。
【0026】
従って、駆動ピストン23は、リターンスプリング25の付勢力により上方に付勢されており、上端部が支持ブロック14に当接した位置に位置決めされている。そして、コイル28に電流を流すことで電磁力を発生し、吸引力により押圧ピストン27が下方に移動することで駆動ピストン23を押圧し、この駆動ピストン23をリターンスプリング25の付勢力に抗して下方に移動することができる。
【0027】
この場合、リターンスプリング22の付勢力がリターンスプリング25の付勢力よりも大きく設定されている。つまり、リターンスプリング22による増圧弁20のセット荷重が、リターンスプリング25による駆動ピストン23のセット荷重よりも大きく設定することで、増圧弁20の弁部20aによる上部ハウジング12の弁座17aへの着座動作と、減圧弁21の弁部21aからの駆動ピストン23の弁座24aの離間動作との順序を規定している。
【0028】
なお、本実施例では、駆動ピストン23と押圧ピストン27により本発明の駆動弁が構成され、支持ブロック14とコイル28により本発明のソレノイドが構成されている。
【0029】
本実施例の圧力制御装置は、上述したように、ハウジング11内に駆動ピストン23や圧力制御弁19が移動自在に支持されることから、上部ハウジング12と下部ハウジング13と圧力制御弁19により区画される高圧室R1と、下部ハウジング13と圧力制御弁19の貫通孔21bにより区画される減圧室R2と、上部ハウジング12と駆動ピストン23と外部ピストン26と圧力制御弁19により区画される圧力室R3とが設けられている。
【0030】
そして、上部ハウジング12を貫通して高圧室R1に連通する高圧ポートP1が形成されると共に、下部ハウジング13を貫通して減圧室R2に連通する減圧ポートP2が形成されている。また、上部ハウジング12を貫通して圧力室R3に連通する制御圧ポートP3が形成されている。
【0031】
本実施例では、高圧ポートP1から高圧室R1に至り、増圧弁20(圧力制御弁19)の弁部20aと上部ハウジング12の弁座17aとの隙間を通って圧力室R3から制御圧ポートP3に至る本発明の高圧通路が構成されており、増圧弁20の弁部20aが上部ハウジング12の弁座17aに着座することで、この高圧通路を遮断することができる。また、制御圧ポートP3から圧力室R3に至り、連通孔24から減圧弁21(圧力制御弁19)の弁部21aと駆動ピストン23の弁座24aとの隙間を通って圧力制御弁19の下部貫通孔20d及び貫通孔21bに至り、減圧室R2から減圧ポートP2に至る本発明の減圧通路が構成されており、減圧弁21の弁部21aが駆動ピストン23の弁座24aに着座することで、この減圧通路を遮断することができる。
【0032】
そして、高圧ポートP1は高圧ラインL1を介して高圧源29に連結され、減圧ポートP2は減圧ラインL2を介してリザーバタンク30に連結され、制御圧ポートP3は制御ラインL3を介して圧力供給部31に連結されている。なお、制御圧ポートP3は、分岐した分岐ポートP31が形成され、この岐ポートP31は下部ハウジング13と減圧弁21により区画された反圧力室R31に連通している。
【0033】
この場合、駆動ピストン23の第1支持部23aにおける前進側の受圧面積A1と、駆動ピストン23の第2支持部23cにおける後退側の受圧面積A2との関係は、A1>A2となるように、駆動ピストン23の各支持部23a,23cの外径が設定されている。そのため、駆動ピストン23が移動するとき、この駆動ピストン23を移動するために押圧ピストン27に付与する電磁力、つまり、コイル28への電流値は、駆動ピストン23の前後の受圧面積差A1−A2に対応する駆動力と、リターンスプリング25の付勢力及び各種の摺動抵抗に対応する駆動力と合力を確保できるものとすればよく、この受圧面積差A1−A2を小さく設定することで、消費電力を低減することができる。
【0034】
また、圧力制御弁19は、増圧弁20の弁部20aが上部ハウジング12の弁座17aに着座する第1シール部と、下部ハウジング13の支持孔13aに嵌合する第2シール部を有しており、圧力室R3と高圧室R1とをシールする第1シール部の受圧面積A3と、高圧室R1と減圧室R2とをシールする第2シールの受圧面積A4を同じ面積となるように設定している。そのため、駆動ピストン23は、高圧源29からの圧力の影響を排除し、リターンスプリング22,25の付勢力と各種の摺動抵抗に対応する駆動力と合力に打ち勝つだけの駆動力で十分となり、駆動ピストン23による圧力制御弁19の初期動作駆動力を低減することができる。
【0035】
更に、圧力制御弁19は、この受圧面積A3と駆動ピストン23における第2支持部23cの受圧面積A2との面積差と、下部ハウジング13の各支持孔13a,13bに嵌合する受圧面積A4,A6との面積差が等しくなるように設定している。そのため、圧力制御弁19は、圧力供給部31からの圧力の影響を排除し、駆動ピストン23による初期動作駆動力を低減することができる。
【0036】
上部ハウジング12と支持ブロック14と駆動ピストン23と外部ピストン26により外部圧力室R5が区画され、上部ハウジング12を貫通してこの外部圧力室R5に連通する外部圧力ポートP5が形成されており、この外部圧力ポートP5は外部圧力ラインL5を介して圧力変換部32及び入力部(圧力制御部)33に連結されている。更に、支持ブロック14とケース15と押圧ピストン27により圧力調整室R4が区画され、この圧力調整室R4に連通する圧力調整ポートP4が形成されており、この圧力調整ポートP4は圧力調整ラインL4を介してリザーバタンク30に連結されている。なお、この圧力調整ポートP4は、分岐した分岐ポートP41が形成され、この分岐ポートP41は外部ピストン26を径方向に貫通する貫通孔26aに連通している。
【0037】
この場合、制御圧ポートP3から制御ラインL3を介して圧力供給部31に供給される制御圧が、圧力室R3から外部ピストン26に上向きの力として作用する。一方、入力部33から圧力変換部32により外部圧力ラインL5及び外部圧力ポートP5を介して外部圧力室R5に外部圧が導入され、この外部圧が外部ピストン26に下向きの力として作用する。なお、本実施例では、この外部圧は前述した制御圧に設定されている。
【0038】
そして、上部ハウジング12の第1支持孔16に移動自在に嵌合する外部ピストン26は、圧力室R3からの受圧面積と外部圧力室R5からの受圧面積が同じ、つまり、制御圧×外部ピストン26の受圧面積=外部圧×外部ピストン26の受圧面積となり、外部ピストン23は、フローティング状態となって上部ハウジング12や駆動ピストン23への固着が防止される。
【0039】
従って、コイル28に通電しないとき、駆動ピストン23はリターンスプリング25の付勢力により支持ブロック14に接触した位置に位置決めされると共に、圧力制御弁19は、リターンスプリング22の付勢力により増圧弁20の弁部20aが上部ハウジング12の弁座17aに着座した位置に位置決めされており、駆動ピストン23の弁座24aが圧力制御弁19における減圧弁21の弁部21aから離間して減圧通路を連通している。
【0040】
この状態から、コイル28に通電すると、発生する吸引力により押圧ピストン27が下方に移動して駆動ピストン23を押圧し、この駆動ピストン23がリターンスプリング25の付勢力に抗して下方に移動する。すると、駆動ピストン23の弁座24aが減圧弁21の弁部21aに着座して通路を遮断した後、この減圧弁21と共に増圧弁20をリターンスプリング22の付勢力に抗して移動し、圧力制御弁19は、増圧弁20の弁部20aが上部ハウジング12の弁座17aから離間して高圧通路を連通することができる。
【0041】
そして、圧力制御装置の減圧時に、コイル28に通電する電流値を下げることで駆動ピストン23を上方に移動し、増圧弁20の弁部20aを上部ハウジング12の弁座17aに着座して圧力通路を遮断する一方、駆動ピストン23の弁座24aを減圧弁21の弁部21aから離間して減圧通路を連通する。このとき、圧力室R3の作動油が駆動ピストン23の連通孔24に流れ、弁座24aと増圧弁20の弁部20aとの隙間を通って下部貫通孔20d、貫通孔21bから減圧室R2に排出される。
【0042】
本実施例では、圧力室R3の作動油が減圧室R2に流れる減圧通路が駆動ピストン23及び圧力制御弁19(増圧弁20及び減圧弁21)の内部を貫通して設けられており、駆動ピストン23の連通孔24から減圧弁21の弁部21aの外側にある下部貫通孔20dを通過する。そのため、連通孔24から弁座24aと弁部20aとの隙間を通って流れる作動油は、駆動ピストン23に対して上方側、つまり、弁座24aが弁部20aから離間して減圧通路を開放する自開側の流体力を付与することとなり、駆動ピストン23は減圧通路を開放する位置に確実に位置決めされることとなり、安定した圧力制御が実行される。
【0043】
なお、上部ハウジング12と下部ハウジング13との間には、シール部材34が介装され、下部ハウジング13と減圧弁21との間にはシール部材35が介装され、上部ハウジング12と支持ブロック14との間にはシール部材36が介装され、支持ブロック14と駆動ピストン23との間にはシール部材37が介装され、外部ピストン26と上部ハウジング12及び駆動ピストン23との間にはシール部材38,39が介装され、駆動ピストン23の第2支持部23cと増圧弁20の上部貫通孔20cとの間にはシール部材40が介装されることで、シール性が確保されている。なお、シール部材38,39は、外部ピストン26に形成された貫通孔26aの上下に配置されている。また、ハウジング11は、図示しないケーシングに支持されており、上部ハウジング12とケーシングとの間にはシール部材41が介装されることで、シール性が確保されている。
【0044】
ここで、上述した本実施例の圧力制御装置による圧力制御について詳細に説明する。
【0045】
本実施例の圧力制御装置において、コイル28が消磁状態にあるとき、駆動ピストン23はリターンスプリング25により支持ブロック14に接触した位置にあり、一方、圧力制御弁19を構成する増圧弁20は、リターンスプリング22により弁部20aが上部ハウジング12の弁座17aに着座した位置にあり、且つ、駆動ピストン23の弁座24aが減圧弁21の弁部21aから離間した位置にある。従って、高圧室R1と圧力室R3とが遮断され、圧力室R3と減圧室R2とが連通している。
【0046】
この状態から、コイル28に通電すると、発生する電磁力により押圧ピストン27が下方に移動して駆動ピストン23を押圧し、リターンスプリング25の付勢力に抗して下方に移動する。このとき、外部ピストン26に対して圧力室R3から作用する制御圧と外部圧力室R5から作用する外部圧とが同等であるため、駆動ピストン23を下方に移動するための駆動力に対して制御圧及び外部圧が悪影響を与えることはなく、適正に駆動ピストン23を下方に移動することができる。
【0047】
そして、駆動ピストン23が下方に移動すると、まず、弁座24aが減圧弁21の弁部21aに着座して連通孔24を遮断し、更に駆動ピストン23が下方に移動すると、次に、減圧弁21及び増圧弁20をリターンスプリング22の付勢力に抗して下方に移動する。すると、増圧弁20は、弁部20aが上部ハウジング12の弁座17aから離間して高圧通路を開放する。
【0048】
従って、駆動ピストン23の弁座24aが減圧弁21の弁部21aに着座することで、減圧室R2と圧力室R3との連通が遮断される一方、増圧弁20の弁部20aが上部ハウジング12の弁座17aから離間することで、高圧室R1と圧力室R3とが連通される。そのため、高圧源29から高圧ポートP1を通して高圧室R1に作用する圧力、つまり、高圧の作動油は、増圧弁20の弁部20aと上部ハウジング12の弁座17aとの隙間を通って圧力室R3に流れ、制御圧ポートP3から制御ラインL3により制御圧として圧力供給部31に供給されることとなる。
【0049】
そして、この状態から、コイル28に通電する電流値を低下すると、発生する電磁力が減少して押圧ピストン27が上方に移動し、駆動ピストン23はリターンスプリング25の付勢力により上方に移動する。すると、弁座24aが減圧弁21の弁部21aに着座して連通孔24を遮断したまま、増圧弁20及び減圧弁21はリターンスプリング22の付勢力により上方に移動し、弁部20aが上部ハウジング12の弁座17aに着座して通路を遮断する。更に駆動ピストン23が上方に移動すると、弁座24aが減圧弁21の弁部21aから離間して連通孔24、つまり、減圧通路を開放する。
【0050】
従って、増圧弁20の弁部20aが上部ハウジング12の弁座17aに着座することで、高圧室R1と圧力室R3との連通が遮断される一方、駆動ピストン23の弁座24aが減圧弁21の弁部21aから離間することで、減圧室R2と圧力室R3とが連通する。そのため、圧力室R3から制御圧ポートP3及び制御ラインL3を通して圧力供給部31に作用する制御圧、つまり、作動油は、駆動ピストン23の連通孔24から弁座24aと増圧弁20の弁部20aとの隙間を通って下部貫通孔20d及び貫通孔21bから減圧室R2に流れ、減圧ポートP2から減圧ラインL2によりリザーバタンク30に排出される。
【0051】
この減圧時には、圧力供給部31に供給されている作動油が制御ラインL3から制御圧ポートP3に戻り、この制御圧ポートP3から駆動ピストン23の連通孔24に流れ、弁座24aと増圧弁20の弁部20aとの隙間を通ってこの増圧弁20の下部貫通孔20dに流入し、減圧弁21の貫通孔21bから減圧室R2に流れ、減圧ポートP2から減圧ラインL2によりリザーバタンク30に排出される。この場合、駆動ピストン23は、連通孔24から弁座24aと弁部20aとの隙間を通って増圧弁20の下部貫通孔20dに流入する作動油の流体力により上方側に力を受ける。即ち、駆動ピストン23は、内部を通過する作動油により駆動ピストン23の弁座24aと増圧弁20の弁部20aとが離間する側、所謂、リターンスプリング25の付勢力が作用する自開側に流体力を受けることとなる。従って、減圧時に、駆動ピストン23は、内部を通過する作動油の変動の影響を受けにくく、減圧通路を開放する位置に適正に位置決めされることとなり、圧力制御がばらつくことはない。
【0052】
また、駆動ピストン23の第1支持部23aにおける前進側の受圧面積A1から、駆動ピストン23の第2支持部23cにおける後退側の受圧面積A2を減算し、両者の面積差(A1−A2)から、連通孔24の通路面積A5を減算した面積差(A1−A2)−A5を0に近づけることが望ましい。即ち、減圧時に、駆動ピストン23における受圧面積A1と、駆動ピストン23における減圧ポートP2側へのシール面積A2+A5を等価にすることが望ましい。この面積差(A1−A2)−A5を正になると、圧力特性にヒステリシスが発生し、面積差(A1−A2)−A5を負になると、増圧時に減圧ポートP2側への流量が発生してしまう。
【0053】
ところで、コイル28に連結された電源系や制御系が失陥した場合には、このコイル28に通電しても電磁力が発生せず、押圧ピストン27により駆動ピストン23及び圧力制御弁19を移動することができず、高圧室R1と圧力室R3を連通して圧力供給部31に制御圧を供給することができない。
【0054】
しかし、本実施例では、駆動ピストン23におけるフランジ部23bの上方に外部ピストン26が移動自在に設けられると共に、この外部ピストン26の上方に外部圧力室R5が区画され、入力部33からの外部圧を上昇して高圧の作動油を圧力変換部32で所定圧に変換してから外部圧力ラインL5に出力し、外部圧力ポートP5から外部圧力室R5に供給することで、外部ピストン26を下方に押圧し、この外部ピストン26がフランジ部23bを介して駆動ピストン23を下方に押圧する。すると、この駆動ピストン23がリターンスプリング25の付勢力に抗して下方に移動し、弁座24aが減圧弁21の弁部21aに着座して連通孔24を遮断し、減圧弁21と共に増圧弁20がリターンスプリング22の付勢力に抗して下方に移動し、増圧弁20の弁部20aが上部ハウジング12の弁座17aから離間して通路を開放する。
【0055】
従って、前述と同様に、減圧室R2と圧力室R3との連通が遮断される一方、高圧室R1と圧力室R3とが連通し、高圧源29から高圧ポートP1を通して高圧室R1に高圧の作動油が供給され、増圧弁20の弁部20aと上部ハウジング12の弁座17aとの隙間を通って圧力室R3に流れ、制御圧ポートP3から制御ラインL3により制御圧として圧力供給部31に供給されることとなり、電源系や制御系が失陥した場合でも、適正に圧力制御を実行することができる。
【0056】
このように本実施例の圧力制御装置にあっては、ハウジング11内に駆動ピストン23を移動自在に支持すると共に、圧力制御弁19を駆動ピストン23と直列に配置して相対移動自在に支持し、高圧ポートP1と制御圧ポートP3を連通する高圧通路を設けると共に、制御圧ポートP3と減圧ポートP2を連通する減圧通路を駆動ピストン23及び圧力制御弁19の内部に設け、駆動ピストン23をリターンスプリング25により付勢支持することで、減圧通路を開放して圧力室R3と減圧室R2を連通する一方、圧力制御弁19をリターンスプリング22により付勢支持することで、高圧通路を閉止して圧力室R3と高圧室R1を遮断するように構成し、ソレノイドにより駆動ピストン23を移動して減圧通路を閉止可能とする一方、圧力制御弁19を移動して高圧通路を開放可能としている。
【0057】
従って、ソレノイドを構成するコイル28への電流値を調整することで、駆動ピストン23及び圧力制御弁19を移動することで、増圧弁20の弁部20aを上部ハウジング12の弁座17aに対して着座または離間することで、高圧通路を遮断または連通することができ、一方、駆動ピストン23の弁座24aを減圧弁21の弁部21aに対して着座または離間することで、減圧通路を遮断または連通することができ、圧力室R3に対する高圧室R1及び減圧室R2の連通、遮断状態を容易に切換えることが可能となり、容易に制御圧を調整することができる。
【0058】
この場合、圧力室R3の作動油が減圧室R2に流れる減圧通路が駆動ピストン23及び圧力制御弁19(増圧弁20及び減圧弁21)の内部を貫通して設けられており、駆動ピストン23の連通孔24から減圧弁21の弁部21aの外側にある下部貫通孔20dを通過する。従って、連通孔24から弁座24aと弁部20aとの隙間を通って流れる作動油は、駆動ピストン23に対して上方側、つまり、弁座24aが弁部20aから離間して減圧通路を開放する自開側の流体力を付与することとなり、駆動ピストン23は減圧通路を開放する位置に確実に位置決めされることとなり、安定した圧力制御を実行することができる。
【0059】
また、本実施例では、圧力制御弁19を付勢するリターンスプリング22の付勢力は、駆動ピストン23を付勢するリターンスプリング25の付勢力よりも大きく設定されている。従って、リターンスプリング22による増圧弁20のセット荷重が、リターンスプリング25による駆動ピストン23のセット荷重よりも大きく設定されることで、増圧弁20の弁部20aによる上部ハウジング12の弁座17aへの着座動作と、減圧弁21の弁部21aからの駆動ピストン23の弁座24aの離間動作との順序が規定され、高圧質R1から圧力室R3へ作動油を流す増圧作動と、圧力室R3から減圧室R2へ作動油を流す減圧作動が重複するとはなく、確実に圧力制御を行うことができる。
【0060】
また、本実施例では、駆動ピストン23の第1支持部23aにおける前進側の受圧面積A1から、駆動ピストン23の第2支持部23cにおける後退側の受圧面積A2を減算し、両者の面積差(A1−A2)から、連通孔24の通路面積A5を減算した面積差(A1−A2)−A5を等価としている。従って、増圧状態から減圧状態に切り換わるとき、コイル28に付与する電流値や駆動ピストン23に作用する圧力特性のヒステリシスを低減することができ、高精度な圧力制御を可能とすることができる。
【0061】
更に、本実施例の圧力制御装置にあっては、ハウジング11内に押圧ピストン27と駆動ピストン23と圧力制御弁19を直列配置して移動自在に支持すると共に、圧力室R3と減圧室R2を連通可能に付勢支持する一方、ソレノイドの電磁力により押圧ピストン27により駆動ピストン23及び圧力制御弁19を移動することで、高圧室R1と圧力室R3を連通可能とし、駆動ピストン23の外周部に外部ピストン26を移動自在に支持して上方に外部圧力室R5を区画し、入力部33からの外部圧を外部圧力ラインL5から外部圧力ポートP5を通してこの外部圧力室R5に供給可能としている。
【0062】
従って、電源系や制御系が失陥した場合であっても、入力部33から外部圧を外部圧力室R5に供給することで、駆動ピストン23に駆動力を伝達して下方に移動し、弁座24aを弁部20aに着座して連通孔24を遮断すると共に、圧力制御弁19を下方に移動して弁部20aを弁座17aから離間して通路を開放することができ、確実に高圧室R1の作動油を圧力室R3に供給して制御圧として圧力供給部31に供給することができる。その結果、別途切換機構などを用いることなく、適正に圧力制御を可能とすることができ、また、電源系や制御系の正常時には、外部圧が駆動ピストン23に対して悪影響を与えることはなく、信頼性を向上することができる。
【0063】
この場合、外部ピストン26に対して圧力室R3から作用する制御圧は、外部圧力室R5から作用する外部圧以上となるように設定している。電源系や制御系の正常時に、外部圧が駆動ピストン23に対して悪影響を与えることはなく、信頼性を向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上のように、本発明に係る圧力制御装置は、減圧時に駆動弁に対して自開側の流動力が作用するように減圧通路を設けることで、駆動弁の作動性を向上して高精度な圧力制御を可能とするものであり、いずれの種類の圧力制御装置に用いても好適である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施例に係る圧力制御装置を表す概略構成図である。
【図2】本実施例の圧力制御装置における減圧時の作動状態を表す要部断面図である。
【符号の説明】
【0066】
11 ハウジング
14 支持ブロック
17a 弁座(第2弁座)
19 圧力制御弁
20 増圧弁
20a 弁部(第2弁部)
20c 上部貫通孔
20d 下部貫通孔(減圧通路)
21 減圧弁
21a 弁部(第1弁部)
21b 貫通孔(減圧通路)
22 リターンスプリング(第2付勢部材)
23 駆動ピストン(駆動弁)
23a 第1支持部
23c 第2支持部
24 連通孔(減圧通路)
24a 弁座(第2弁座)
25 リターンスプリング(第1付勢部材)
26 外部ピストン
27 押圧ピストン(駆動弁)
28 コイル
29 高圧源
30 リザーバタンク
31 圧力供給部
33 入力部(圧力制御手段)
1 高圧室
2 減圧室
3 圧力室
4 圧力調整室
5 外部圧力室
1 高圧ポート
2 減圧ポート
3 制御圧ポート
4 圧力調整ポート
5 外部圧力ポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空形状をなして高圧ポート及び減圧ポート及び制御圧ポートを有するハウジングと、該ハウジング内に移動自在に支持された駆動弁と、前記ハウジング内に移動自在に支持されると共に前記駆動弁に係合して相対移動自在な圧力制御弁と、前記高圧ポートと前記制御圧ポートを連通するように前記ハウジングの内壁面と前記圧力制御弁との間に設けられて該圧力制御弁が該ハウジングの内壁面に当接することで遮断可能な高圧通路と、前記制御圧ポートと前記減圧ポートを連通するように前記駆動弁及び前記圧力制御弁の内部に設けられて前記駆動弁と前記圧力制御弁が相対移動することで遮断可能な減圧通路と、電磁力により前記駆動弁を移動可能であると共に該駆動弁を介して前記圧力制御弁を移動可能なソレノイドとを具えたことを特徴とする圧力制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の圧力制御装置において、前記駆動弁の端部が前記圧力制御弁の端部に嵌入することで互いに相対移動可能であり、前記駆動弁は、中心部に軸方向に貫通する第1連通路が設けられると共に該第1連通路における前記圧力制御弁側に第1弁座が設けられ、前記圧力制御弁は、内部に軸方向に貫通する第2連通路が設けられると共に中心部に該第2連通路を挿通して前記第1弁座に着座可能な第1弁部が設けられたことを特徴とする圧力制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の圧力制御装置において、前記駆動弁は、第1付勢手段により前記第1弁座が前記第1弁部から離間して前記減圧通路を連通する方向に付勢支持され、前記圧力制御弁は、第2付勢手段により第2弁部が前記ハウジングの第2弁座に着座して前記高圧通路を遮断する方向に付勢支持されたことを特徴とする圧力制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の圧力制御装置において、前記第2付勢手段の付勢力は、前記第1付勢手段の付勢力よりも大きく設定されたことを特徴とする圧力制御装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の圧力制御装置において、前記圧力制御弁は、前記第2弁座に着座可能で前記高圧通路を連通及び遮断可能な前記第2弁部を有する増圧弁と、前記第1弁座に着座可能で前記減圧通路を連通及び遮断可能な前記第1弁部を有する減圧弁とが一体に連結されて構成されたことを特徴とする圧力制御装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一つに記載の圧力制御装置において、前記高圧通路の開放時における前記駆動弁の受圧面積と、前記減圧通路の開放時における前記駆動弁と前記減圧通路とのシール面積とが等価に設定されたことを特徴とする圧力制御装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一つに記載の圧力制御装置において、前記駆動弁は、前記ハウジングに移動自在に支持された第1支持部と、前記圧力制御弁に移動自在に支持された第2支持部を有し、前記第1支持部の受圧面積が前記第2支持部の受圧面積より大きく設定され、且つ、前記各支持部の面積差が最小となるように設定されたことを特徴とする圧力制御装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一つに記載の圧力制御装置において、前記ハウジングの外部から前記駆動弁を押圧可能な外部ピストンを設け、該外部ピストンに対して前記駆動弁側から作用する制御圧が外部から作用する外部圧以上となるように圧力制御する圧力制御手段が設けられたことを特徴とする圧力制御装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−25712(P2008−25712A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−198718(P2006−198718)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】