説明

圧縮ガス用容器及びその生産方法

本発明は圧縮燃料ガス用容器に関する。容器は非円筒形状を有し、その容器内にバルクヘッドを備える。容器は、その周囲に巻回される繊維強化材を含む混合物によって包囲される。容器は、所望の容器形状とほぼ同一の形状のライナを具備する。ライナは、ライナの周囲に延在しかつ通路により相互に接続された切片にライナを分割する少なくとも一つの凹部を備える。繊維強化材はライナの周囲に様々な方向に連続的に巻回されて十分な容器強度を確保し、凹部は繊維で埋め尽くされて、凹部内の繊維はバルクヘッドを構成する。本発明はさらに本願請求項記載の容器の生産方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は圧縮ガス用容器、前記容器の生産方法及び生産プラントに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な種類のガスが多くの様々な用途において使用されている。ガスは通常、容器内のガスからの圧力に耐えるように設計された高圧力容器に密閉される。その圧力は、容器内のガスの用途、温度、量及びガスの特定の種類に応じて相当な圧力に達することから、圧力容器はそれに合わせて設計されなければならない。
【0003】
多くの様々な圧力容器が入手可能である。その大半は、円形断面を有する円筒形状であり、なぜならば円筒形状、円形断面及び充分な強度を有する圧力容器はかなり容易に生産できるからである。容器は、金属であるか、マンドレルの周囲またはライナの周囲に巻回される繊維強化材を含む混合物からできている。
【0004】
今日、例えば圧縮天然ガス(CNG)やバイオガスを原動力とする車両の数は増加している。車両の所望の走行距離範囲を確保するため、容器の容積は十分に大きくなければならない。しかし、車両内の利用可能空間は非常に限定される。容器の容量を増加させるには、利用可能空間に適合し得る非円筒形状及び非円形断面を有する容器が必要である。
【0005】
非円筒形状及び非円形断面を有する容器中の荷重は、円筒形状及び円形断面を有する容器中の荷重と比べると相当程度異なり、より大きい。荷重に耐えるのに十分強い容器を作るため、容器は、容器内に配置されるバルクヘッドを備えることができる。バルクヘッドは容器中の応力を減少させる。非円筒形状を有する、繊維によって強化された圧力容器と内部バルクヘッドが、国際公開第2007/106035号パンフレットに開示されている。
【0006】
開示されている容器は、複数の小片状に作製されて、容器の最終形状に組立てられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2007/106035号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、一つの小片状に生産された、非円形断面を有する繊維強化材の容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は請求項1に記載の圧力容器、前記容器の生産のための請求項7に記載の方法及び請求項13に記載の生産プラントに関する。
【0010】
本願請求項に記載の容器は、非円筒形状を有し、容器内にバルクヘッドを備える。容器は、容器の周囲に巻回される繊維強化材を含む混合物によって包囲される。容器は、所望の容器形状と略同一の形状のライナを具備する。ライナは、ライナの周囲に延在しかつ接続部により相互に接続された切片へとライナを分割する少なくとも一つの凹部を備える。繊維強化材はライナの周囲に様々な方向に連続的に巻回されて十分な容器強度を確保し、凹部は繊維で埋め尽くされて、凹部内の繊維はバルクヘッドを構成する。
【0011】
本発明は、非円筒形状を有し、バルクヘッドを有する容器を一つの小片状に生産することを可能にする。形状と寸法は、特定の用途に適合させることができる。なぜならば、さらに別の凹部をライナに設けて、繊維の巻回をそれに適合するように行うことによって、容器内のバルクヘッドの数を容易に増加させることができるからである。
【0012】
容器の好適な実施形態は、丸み縁部を有する平行六面体のような形状であり、容器用に利用し得る空間に応じて、例えば正方形や三角形や矩形の断面を有する。容器は、平行六面体の長手方向に対して直角をなす平面において前記ライナの周囲に延在する少なくとも一つの凹部を備える。
【0013】
容器の幅に対する凹部の深さは、凹部によって分割される容器切片間の、相違する容器切片を接続する通路を有する接続部が少なくとも約50mmとなり得るように選択される。これは、容器内の十分な連通を提供するためであり、また凹部内で作製されたバルクヘッドが容器に十分な強度を提供することを確保するためである。
【0014】
凹部の側部は、ライナの長手軸から略半径方向に延在しあるいは内側もしくは外側に斜設される。バルクヘッドに十分な強度を提供するため、凹部の幅は10mm乃至50mmで、好適には12mm乃至25mmであってもよい。また凹部は、特定の用途に応じて、様々な寸法を有することができる。
【0015】
繊維はガラス、アラミド、炭素または玄武岩のうちのいずれかの繊維であり、前記繊維は、凹部が繊維で完全に埋め尽くされるまで、ライナの各切片の周囲に接線方向そして軸方向に巻回される。凹部が繊維で埋め尽くされると、巻回は継続されそして十分な容器強度を確保するために容器全体に軸方向に巻回される。
【0016】
所要の繊維強化度は、容器内に密閉されたガスに容器が耐え得るはずの圧力、容器の寸法、そして容器の形状から算定される。容器の総重量は、好適にはできるだけ低く保たれ、また、必要以上に多くの繊維は容器の重量を増加させる。十分な強度を提供するために、繊維はライナ上に接線方向そして軸方向の両方に巻回される。
【0017】
ライナの周囲に巻回される繊維は、エポキシ樹脂を通常含む熱硬化性樹脂に予め含浸されたプリプレグ繊維か、またはライナ上に掛けられる前に生産プラントにおいて浸漬された繊維のいずれかである。両方の選択肢において、掛けられた繊維がライナの周囲に巻回された後、容器は、熱硬化性樹脂が硬化する特定の温度まで加熱される。熱硬化性樹脂が完全に硬化するまで、混合物が全強度に達することはない。
【0018】
ライナは、例えば熱可塑性プラスチック材料を原料とし、鋳型内でブロー成形されて所望の形状とされる。ライナが前記ライナを漏れ防止材料で作製される場合、繊維強化材は圧縮天然ガス(CNG)からの荷重に耐えるのに十分な強度を提供するだけである。
【0019】
容器は、次の工程を含む方法によって製造される;
− ライナの周囲に延在しかつ前記ライナを接続部によって接続された切片へと分割する少なくとも一つの凹部を備えた前記ライナを回転させる工程と、
− 繊維または一連の繊維を前記ライナの各切片の周囲に連続して巻回する工程と、
− 前記凹部全体が繊維で埋め尽くされるまで巻回を継続する工程と、
− 十分な容器強度を確保するのに十分な繊維によって前記ライナが包囲されるまで前記ライナ全体の周囲に繊維を巻回する工程と、
− 前記混合物を硬化する工程。
【0020】
使用される繊維がプリプレグ繊維でない場合、その繊維は、ライナ上に巻回される前に熱硬化性樹脂に浸漬された繊維である。
【0021】
容器の製造方法の好適な一実施形態は、工程2と工程3との間に、次の工程を追加的に実施することを含む;
− 前記ライナの外周囲と前記凹部の側部との間の縁部の近傍の保持手段を用いて前記繊維または一連の繊維を保持する工程と、
− 前記凹部内において前記繊維または一連の繊維が連続して巻回される間、前記ライナを少なくとも60度回転させる工程。
【0022】
これらの追加的な工程は、ライナの周囲と凹部の側部との間の縁部において所望の位置に繊維を固定する保持手段の使用を含む。この追加的な工程は、繊維が所望の位置にとどまり、巻回が凹部内において継続している時に繊維が滑らないよう確保する。そうでなければ、ライナの継続的な回転及び縁部の周囲における繊維の角度の変化によって繊維または複数の繊維がこの領域で滑るという相当のリスクが存在する。
【0023】
ライナが少なくとも60度回転されるまで、保持手段は繊維を所望の位置に保持する。ライナが指定された角度に回転し終えたとき、ライナの回転に起因して繊維に作用する横力は残存していない。また保持手段はもはや必要ではなく、その結果、繊維がライナの周囲と凹部の側部との間の縁部を次回通過する際に使用するために保持手段は取外される。
【0024】
前記方法のさらに好適な実施形態においては、工程2はまず各切片に接線方向に巻回された繊維を供給し、次いで軸方向に巻回された繊維を供給する工程を含む。
【0025】
前記方法のさらに好適な実施形態においては、前記軸方向の巻回は、前記繊維の長手方向と前記ライナの長手軸との間の角度が10度乃至60度となり得るようになされ、十分な容器強度及び総重量の軽減を確保する。
【0026】
前記方法のさらに好適な実施形態においては、工程4でライナの周囲に巻回された繊維は、前記繊維の長手方向と前記ライナの長手軸との間の角度が5度乃至40度となり得るように掛けられ、十分な容器強度及び総重量の軽減を確保する。
【0027】
本発明は、本願請求項記載の方法によって本願請求項記載の容器を生産する生産プラントにも関する。前記生産プラントは、ライナを固定し及び回転させる手段と回転するライナに繊維または一連の繊維を掛ける手段とを含む。
【0028】
前記生産プラントの好適な一実施形態では、繊維または一連の繊維を掛ける前記手段は、少なくとも7本の異なる軸に沿って移動可能である産業用ロボットである。
【0029】
前記好適な生産方法と組合せて使用される他の好適な実施形態は、前記繊維または一連の繊維を前記ライナの周囲と前記凹部の側部との間の縁部の近傍の位置に保持する手段をさらに含む。
【0030】
前記生産プラントの他の好ましい実施形態において、前記保持手段は、少なくとも6本の異なる軸に沿って移動可能である産業用ロボットである。
【0031】
前記生産プラント及び前記生産プラント内部の様々な手段は、好適にはコンピュータ及びコンピュータプログラムによって制御される。
【0032】
本発明の一実施形態は、添付の図面において開示される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1a】本発明に係るライナの斜視図を示す。
【図1b】図1aのライナのA−A線断面図を示す。
【図2a】接線方向に巻回された繊維を備えたライナの側面図を示す。
【図2b】図2aのAI−AI線断面図を示す。
【図3a】ライナの一切片の周囲に軸方向に巻回された繊維を設けた図1aのライナの斜視図を示す。
【図3b】軸方向の巻回の角度を示した図3aのライナの側面図を示す。
【図3c】図3bのB−Bライナ断面図を示す。
【図4】容器全体にわたる軸線全体の巻回の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1aと1bには、本発明に係る容器で使用されるライナ10の一実施形態が開示されている。ライナ10は、略正方形の断面を有する平行六面体である。ライナ10は、ライナ10の長手方向の中心の近傍に配置される凹部11を備えている。凹部11は半径方向にライナ10に向かって延在するが、凹部11によって分割された2つの切片13及び14はライナ10の中心にある接続部15によって接続される。凹部11は、ライナ10の長手軸から略半径方向に延在する2つの側部12を有する。しかし前記側部は内側にまたは外側に斜設することもできる。
【0035】
ライナ10の相異なる切片13及び14間の接続部15は、前記相異なる切片13及び14のそれぞれの内側を相互に接続する通路を具備する。接続部15は円形断面を有するが、正方形や三角形等の他の断面形状を有してもよい。しかし、接続部15の周囲に巻回された繊維を支承するため、断面形状を凹形にするべきではない。
【0036】
前記平行六面体の両端部16も、またライナ10の周囲と凹部10の側部12との間の縁部17と同様に丸められている。ライナ10の各端部16は、容器へのアクセスを提供して生産中にライナ10を固定及び回転するのに用いられるアダプタ20を具備する。
【0037】
容器の生産中に、ライナ10は生産プラント内に配置されて、そこで回転し、繊維または一連の繊維がライナの周囲に巻回される。第一に、各切片13及び14の周囲に接線方向に巻回された繊維が設けられる。接線方向に巻回された繊維を図2a及び2bに示す。
【0038】
第2に、繊維は各切片13及び14の周囲に軸方向に巻回される。繊維または一連の繊維は、前記切片の周囲に、ライナの長手方向に対して所定の方向に巻回される。繊維の長手方向とライナ10の長手方向との間の角度αは、容器の所要の強度及び容器の特定の用途に応じて、約10度乃至60度である。
【0039】
繊維または一連の繊維がライナ10の周囲と凹部10の側部12との間の縁部17に達すると、巻回は、凹部の側部12に沿って略半径方向に進み、凹部11の底部に向かって継続する。ライナ10の回転は継続して繊維は容器の切片13、14間の通路15の部分の周囲に巻回され、その後、回転は側部12に沿って外側に、縁部17の周囲に、そして同一の切片の周囲に沿って軸方向にライナの端部16に向かって継続する。そして回転は測地線沿いに丸み端部16の周囲で継続し、同一の切片の周囲における次の巻回ループを開始する。各切片13及び14は別々に巻回され、また凹部11の全体が完全に繊維で埋め尽くされるまで、あるいは前記切片の周囲における軸方向の巻回において十分な強度が達成されるまで、巻回は継続する。
【0040】
繊維は丸み縁部17の周囲に巻回されて、凹部側部12沿いに容器の切片13、14間の接続部15に向かって継続する。しかしライナは継続的に回転するのであり、繊維の所望の正しい位置から逸れて縁部17沿いに滑るという相当のリスクが存在する。容器を生産する生産プラントは、ライナの固定及び回転の手段と、巻回中に繊維の位置決めを制御する装置とを備える。このことは好適には、少なくとも7本の軸に沿って作動し得る産業用ロボットによってなされる。繊維が所望の正しい位置から縁部17沿いに滑ることを防止するために、保持装置を使うことができる。保持装置は、繊維または一連の繊維をライナに向かって押圧して繊維または一連の繊維が滑ることを防止するのに用いられる略直線状の保持エッジを備える。繊維が接続部15を通過すると、もはや保持装置は必要でなくなる。なぜならば、巻回された繊維が接続部15を通過すると、縁部17の繊維に横力がそれ以上作用しないからである。したがって保持装置は取外されて、次の巻回ループで縁部17を通過する際に繊維を保持し得るようにする。ライナは少なくとも約150度回転し、ここで保持装置は繊維または一連の繊維に対して作動する。
【0041】
繊維が接続部15から進んで縁部17を覆う場合には保持装置は必要ない。なぜならその後、繊維は測地線沿いに巻回されるので、繊維または一連の繊維が滑るというリスクがないからである。
【0042】
保持装置は好適には、少なくとも7本の軸に沿って作動し得る産業用ロボットによって制御される。
【0043】
必要に応じて、各切片13及び14の周囲における所要の軸方向の巻回において所望の強度が達成された後には、凹部11を埋め尽くすために接線方向の巻回を用いる。凹部11が繊維で完全に埋め尽くされると、容器は前記容器の周囲全体を覆うように延在する繊維で軸方向に巻回される。
【0044】
繊維は、熱硬化性樹脂に含浸されたプリプレグ繊維か、またはライナ/容器の周囲に巻回される前に熱硬化性樹脂に浸漬される繊維のいずれかである。全ての繊維がライナに巻回されると、熱硬化性樹脂は硬化し、混合物はその全強度に達する。凹部11に収められた繊維は、硬化した後、容器のバルクヘッドとなる。このバルクヘッドは、容器の強度を相当程度増すものであり、そして非円筒形状を有する容器に十分な容器強度を提供するために必要なものである。硬化は、温度を熱硬化性樹脂に適した特定の温度にまで上昇させることによって開始する。
【0045】
本発明に係る容器は、多くの異なる形状及び寸法を有するように形成することができる。なぜなら、さらに大きい容器の場合、追加的な凹部によって分割されるさらに別の切片に分割すればよいからである。さらに容器のプレ断面は、例えば長方形や三角形など多くの異なる形状を有することができる。ただし、凹型面の場合巻回がさらに複雑になることから、周囲が凹形切片を有していないことを条件とする。
【0046】
ライナは巻回プロセスのマンドレルとして用いられるが、仮にライナが繊維からの負荷に耐え得るほどに十分な強度を有していない場合には、ライナに空気を注入することにより、空気からの圧力がライナの耐性を増すようにすることができる。
【0047】
本発明は記載された実施形態に制限されるものではない。なぜならばこれらの実施形態は、添付の請求項によって規定される本発明の範囲に該当する実施例としてのみ供されるものであるからである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮ガス燃料用容器であって、前記容器は非円筒形状を有し、前記容器内にバルクヘッドを備え、前記容器の周囲に巻回される繊維強化材を含む混合物によって包囲される容器において、
前記容器は所望の容器形状と略同一の形状を有するライナを具備し、
前記ライナは、前記ライナの周囲に延在しかつ接続部により相互に接続された切片に前記ライナを分割する少なくとも一つの凹部を備え、
前記繊維強化材は前記ライナの周囲に様々な方向に連続的に巻回されて十分な容器強度を確保し、
前記凹部は繊維で埋め尽くされて、前記凹部内の繊維がバルクヘッドを構成する容器。
【請求項2】
前記容器は丸み縁部を有する平行六面体のような形状を有し、前記少なくとも一つの凹部は前記平行六面体の長手方向に対して直角をなす平面において前記ライナの周囲に延在する請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記容器の幅に対する前記凹部の深さは、前記凹部によって分割される容器切片間の接続部が少なくとも5cmとなるように選択される請求項1または2に記載の容器。
【請求項4】
前記凹部の側部は、ライナの長手軸から略半径方向に延在しまたは内側もしくは外側に斜設され、前記凹部の幅は10mm乃至50mmであり好適には12mm乃至25mmである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の容器。
【請求項5】
繊維はガラス、アラミド、炭素または玄武岩のうちのいずれかの繊維であり、前記繊維は、前記凹部が繊維で完全に埋め尽くされるまで、前記ライナ切片のそれぞれの周囲に接線方向そして軸方向に巻回され、その後、容器全体に軸方向に巻回される請求項1乃至4のいずれか一項に記載の容器。
【請求項6】
前記繊維は、プリプレグ繊維か、または前記ライナ上に巻回される前にエポキシ樹脂を通常含む熱硬化性樹脂に浸漬された繊維のいずれかである請求項1乃至5のいずれか一項に記載の容器。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の非円筒形状を有する繊維強化材混合物の容器の製造方法であって、
a)ライナの周囲に延在しかつ前記ライナを接続部によって接続された切片へと分割する少なくとも一つの凹部を備えた前記ライナを回転させる工程と、
b)繊維または一連の繊維を前記ライナの各切片の周囲に連続して巻回する工程と、
c)前記凹部全体が繊維で埋め尽くされるまで巻回を継続する工程と、
d)十分な容器強度を確保するのに十分な繊維によって前記ライナが包囲されるまで前記ライナ全体の周囲に繊維を巻回する工程と、
e)前記混合物を硬化する工程とを含む方法。
【請求項8】
前記繊維はライナ上に巻回される前に熱硬化性樹脂に浸漬される請求項7に記載の方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載の方法であって、工程b)と工程c)との間に、
f)前記ライナの外周囲と前記凹部の側部との間の縁部の近傍の保持手段を用いて前記繊維または一連の繊維を保持する工程と、
g)前記凹部内において繊維または一連の繊維が連続して巻回される間、前記ライナを少なくとも60度回転させる工程とを追加的に実施することを含む方法。
【請求項10】
工程b)は、まず各切片に接線方向に巻回された繊維を供給し、次いで軸方向に巻回された繊維を供給する工程を含む請求項7乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記軸方向の巻回は、前記繊維の長手方向と前記ライナの長手軸との間の角度が10度乃至60度となるようになされる請求項10に記載の方法。
【請求項12】
工程d)においてライナの周囲に巻回された繊維は、前記繊維の長手方向と前記ライナの長手軸との間の角度が5度乃至40度となるように掛けられる請求項7乃至11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ライナを固定し及び回転させる手段と回転するライナに繊維または一連の繊維を掛ける手段とを含む請求項7または8に記載の方法によって請求項1乃至6のいずれか一項に記載の容器を生産する生産プラント。
【請求項14】
繊維または一連の繊維を掛ける前記手段は、少なくとも7本の軸に沿って移動可能である産業用ロボットである請求項10に記載の生産プラント。
【請求項15】
前記繊維または一連の繊維を前記ライナの周囲と前記凹部の側部との間の縁部の近傍の位置に保持する手段をさらに含む、請求項9に記載の方法によって容器を生産する請求項11に記載の生産プラント。
【請求項16】
前記保持手段は、少なくとも6本の軸に沿って移動可能である産業用ロボットである請求項12に記載の生産プラント。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−504567(P2011−504567A)
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531985(P2010−531985)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【国際出願番号】PCT/SE2007/050802
【国際公開番号】WO2009/058060
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(510123323)ガスタンク スウェーデン アーベー (1)
【Fターム(参考)】