説明

圧縮コイルスプリング組付構造及び車両用フードリフト装置

【課題】圧縮コイルスプリングをスプリング受け部に簡単かつ確実に取付け可能とする。
【解決手段】圧縮コイルスプリング8は、端部にコイル部83の内径側に折曲した平らな係止部81を有するとともに、係止部81と係止部81に隣接する最終巻きコイル部83との間に、スプリング受け部10を弾性力により挟みつけた状態でスプリング受け部10に固定される。スプリング受け部10は、係止部81が圧縮コイルスプリング8の軸線周りの回転を抑えるように係合する係合凹部101と、最終巻きコイル部83の外周に係合して、圧縮コイルスプリング8の軸線方向に直交する方向の動きを阻止する抱持部102とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付けプレートに設けたスプリング受け部に、コイルスプリングの端部を固定する圧縮コイルスプリング組付構造及びその組付構造を含む車両用フードリフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用フードリフト装置においては、全閉状態にあるフードに対して上向きの力を付与するための圧縮コイルスプリングを備えている。この圧縮コイルスプリングの端部を所定部分、例えば、フードの内側パネルに取り付ける手段としては、フードの内側パネルに引掛片を設け、この引掛片に圧縮コイルスプリングの上端部を係止するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】米国特許第2,275,740号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のような従来の圧縮コイルスプリング組付構造においては、圧縮コイルスプリングをフードの内側パネルに取り付けた状態で、圧縮コイルスプリングが回転してその高さ方向の位置がずれないように、上端部を引掛片により係止している。そのため、圧縮コイルスプリングの上端部を固定するには、引掛片を折り曲げて圧縮コイルスプリングの上端部を係止する作業を必要として、組付作業が面倒である問題を有している。
【0004】
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、コイルスプリングを所定部分に簡単かつ確実に取付け可能とした圧縮コイルスプリング組付構造及び車両用フードリフト装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)取付けプレートに設けたスプリング受け部に、圧縮コイルスプリングの端部を固定する圧縮コイルスプリング組付構造において、前記圧縮コイルスプリングは、前記端部にコイル部の内径側に折曲した平らな係止部を有するとともに、前記係止部と前記係止部に隣接する最終巻きコイル部との間に、前記スプリング受け部を弾性力により挟みつけた状態で前記スプリング受け部に固定され、前記スプリング受け部は、前記係止部が前記圧縮コイルスプリングの軸線周りの回転を抑えるように係合する係合凹部と、前記最終巻きコイル部の外周に係合して、前記圧縮コイルスプリングの軸線方向に直交する方向の動きを阻止する抱持部とを有する。
【0006】
(2)上記(1)項において、前記圧縮コイルスプリングにおける互いに隣接するコイル部間に前記スプリング受け部を挟んだ状態で、前記圧縮コイルスプリングを、そのコイル部の巻き方向と反対方向に回転させることによって、前記圧縮コイルスプリングの前記端部が前記スプリング受け部に固定される。
【0007】
(3)上記(1)または(2)項において、前記圧縮コイルスプリングの前記係止部を、前記圧縮コイルスプリングの端部から見てほぼU字状に形成し、前記スプリング受け部の前記係合凹部に、前記係止部に対して前記軸線方向に直交する動きに対して当接可能な突部を設ける。
【0008】
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、前記スプリング受け部の前記係合凹部は、前記取付けプレートの一般面から前記圧縮コイルスプリングの素線径に前記取付けプレートの板厚を加算した寸法にほぼ相当する量だけ凹んでいる。
【0009】
(5)全閉状態にある車両のフードに上向きの力を付与する車両用フードリフト装置において、上記(1)〜(4)のいずれかに記載された前記圧縮コイルスプリング組付構造の前記取付けプレートを、前記係合凹部が前記フードの内側または車体のいずれか一方の取付面に対面するように固定する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、次のような効果が奏せられる。
請求項1記載の発明によると、スプリング受け部は、圧縮コイルスプリングの係止部がその軸線周りの回転を抑えるように係合する係合凹部と、最終巻きコイル部の外周に係合して、圧縮コイルスプリングの軸線方向に直交する方向の動きを阻止する抱持部とを有することにより、圧縮コイルスプリングの端部をスプリング受け部に簡単かつ確実に固定することができる。
【0011】
請求項2記載の発明によると、圧縮コイルスプリングにおける互いに隣接するコイル部間にスプリング受け部を挟んだ状態で、圧縮コイルスプリングを、そのコイル部の巻き方向と反対方向に回転させることによって、圧縮コイルスプリングの端部がスプリング受け部に固定されることにより、圧縮コイルスプリングの端部をスプリング受け部に簡単に固定することができる。
【0012】
請求項3記載の発明によると、圧縮コイルスプリングの係止部を、圧縮コイルスプリングの端部から見てほぼU字状に形成し、スプリング受け部の係合凹部に、係止部に対して軸線方向に直交する動きに対して当接可能な突部を設けたことにより、圧縮コイルスプリングをスプリング受け部により確実に固定することができる。
【0013】
請求項4記載の発明によると、スプリング受け部の係合凹部は、取付けプレートの一般面から圧縮コイルスプリングの素線径に取付けプレートの板厚を加算した寸法にほぼ相当する量だけ凹んでいることにより、圧縮コイルスプリングをスプリング受け部に対してほぼ直角に取り付けることができる。
【0014】
請求項5記載の発明によると、圧縮コイルスプリング組付構造の取付けプレートを、係合凹部がフードの内側または車体のいずれか一方の取付面に対面するように固定したことにより、圧縮コイルスプリングの係止部がフードの内側または車体の取付面と係合凹部との間に介在されるため、圧縮コイルスプリングの端部をより確実に固定して、フードに対して上向きの力を確実に付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係わる一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態を適用した車両前部の斜視図、図2は、フードリフト装置の正面図、図3は、フードリフト装置の平面図、図4は、フードリフト装置の後面図、図5は、図3におけるV−V線縦断面図、図6は、図5におけるVI−VI線縦断面図、図7は、図5におけるVII−VII線横断面図、図8は、図7におけるVIII−VIII線縦断面図、図9は、緩衝部材の底面図、図10は、圧縮コイルスプリングの縦断面図、図11は、図10におけるXI矢視図、図12は、図10におけるXII矢視図、図13、14は、圧縮コイルスプリングの組付作業途中のフードリフト装置の斜視図、図15は、圧縮コイルスプリングの組付完了後のフードリフト装置の斜視図である。
【0016】
図1に示すように、開閉体をなすフード(1)は、車体前部に上下方向へ開閉自在に枢着され、その前端部の左右両側に設けられたストライカ(図示略)が車体フレーム(2)に設けられた左右のフードロック装置(3)(3)に係合することにより、全閉状態に拘束され、また、車内に設けられたハンドル(図示略)の操作により、フードロック装置(3)とストライカとの係合を解除すると、フード(1)の前端部中央に配置されたフードリフト装置(4)によって、フード(2)に上向きの力を付与して、その前端部と車体フレーム(2)との間の隙間に手を差し入れることができる程度のリフト位置まで持ち上げられる。なお、本発明の開閉体は、車両のフードのみに特定されるものではなく、トランクリッド、バックドア等であっても良い。
【0017】
フード(1)がリフト位置まで持ち上げられると、フードリフト装置(4)に組み付けられた後述のセカンダリーラッチ(5)が車体フレーム(2)に設けられたストライカ部(図示略)に係合することによって、リフト位置に保持される。この状態で、フード(1)の前端部と車体フレーム(2)との間の隙間に手を差し入れて、セカンダリーラッチ(5)に設けられたハンドル部(51)を操作して、セカンダリーラッチ(5)と車体フレーム(2)のストライカ部との係合を解除することによって、フード(1)を開けることができる。
【0018】
各図に示すように、フードリフト装置(4)は、フード(1)の内側パネル(1a)にボルト(図示略)により固定される水平片(62)及び水平片(62)の前端からほぼ直角に垂下する垂直片(61)を有してほぼL字状の金属製の取付けプレート(6)と、取付けプレート(6)の垂直片(61)に前後方向を向く枢軸(7)により枢着される前述のセカンダリーラッチ(5)と、取付けプレート(6)における水平片(62)に設けたスプリング受け部(10)に下方へ向けて取り付けられる圧縮コイルスプリング(8)とを備える。
【0019】
セカンダリーラッチ(5)は、フード(1)がリフト位置にあるとき、車体フレーム(2)のストライカ部(図示略)に対して開き方向へ係合するフック部(52)と、フード(1)と車体フレーム(2)との間の隙間から操作可能なハンドル部(51)とを有し、ハンドル部(51)を上方へ操作して、枢軸(7)に嵌装されたスプリング(9)の付勢力に抗して、解除方向(図2において反時計方向)へ回動させられることにより、フック部(52)が車体フレーム(2)のストライカ部から離脱して、フード(1)の開きを可能にする。
【0020】
圧縮コイルスプリング(8)は、上端側のコイル径(D1)(図10参照)が下端側のコイル径(D2)(図10参照)より大径となる円すいコイルばねとして形成されるとともに、上端部が取付けプレート(6)のスプリング受け部(10)に固定されるとともに、下端部には、ゴム等の弾性材により形成される緩衝部材(11)が固定される。
【0021】
フード(1)が全閉状態にある場合、圧縮コイルスプリング(8)は、圧縮された状態で、図2、4に2点鎖線で示すように、下端部が緩衝部材(11)を介して車体フレーム(2)に当接することによって、フード(1)に上向きの力を付与する。
【0022】
圧縮コイルスプリング(8)の上端部及び下端部のそれぞれには、端部が平らになるように仕上げられた座、すなわち係止部(81)(82)が設けられている。各係止部(81)(82)の根本部分(81a)(82a)は、それぞれに隣接するコイル部(83)(83)に接触する。
【0023】
主に図11に示すように、圧縮コイルスプリング(8)の上側の係止部(81)は、コイル部(83)の内径側に向けてほぼU字状に折曲されている。主に図12に示すように、下側の係止部(82)は、コイル部(83)の内径側に向けて直線状に折曲されている。
【0024】
圧縮コイルスプリング(8)の上端部は、上側の係止部(81)とそれに隣接するコイル部(83)との間に、スプリング受け部(10)の上下面を弾性力で挟みつけた状態でスプリング受け部(10)に固定される。
【0025】
プリング受け部(10)は、その後方から圧縮コイルスプリング(8)の上端部を固定することができるように、水平片(62)の後端部に形成され、上側の係止部(81)が圧縮コイルスプリング(8)の軸線周りの回転を抑えるように係合する下方へ所定量凹んだ係合凹部(101)と、上側の係止部(81)に隣接するコイル部(83)の外周及び内周に上側から係合する2個の下向コ字型の抱持部(102)と、係合凹部(101)から上方へ切り起こされて、上側の係止部(81)が係合可能な上向き突部(103)とを含んで形成される。また、スプリング受け部(10)の下面には、上側の係止部(81)に隣接するコイル部(83)の内周に係合し得るように下方へ所定突出する円形状の凸部(104)(図5、6参照)が形成されている。
【0026】
取付けプレート(6)における水平片(62)のスプリング受け部(10)の左右両側には、水平片(62)をフード(1)の内側パネル(1a)に固定するためのボルトが挿入される取付孔(63)が穿設されている。
【0027】
図6に示すように、係合凹部(101)は、後方が開放するとともに、取付けプレート(6)における水平片(62)の基準面(上面、すなわちフード(1)の内側パネル(1a)に対面する面)から圧縮コイルスプリング(8)の素線径(d)に水平片(62)の板厚(t)を加えた寸法にほぼ相当する寸法(y)だけ下方へ凹んでいる。これにより、スプリング受け部(10)の係合凹部(101)に係合した上側の係止部(81)とスプリング受け部(10)の下面側に回り込んだ係止部(81)に隣接するコイル部(83)とを同一高さにすることができるため、圧縮コイルスプリング(8)を、スプリング受け部(10)の下側にほぼ直角に固定することができる。また、係合凹部(101)の側面には、傾斜面(101a)が形成されている。
【0028】
各抱持部(102)は、スプリング受け部(10)の後部に、圧縮コイルスプリング(8)の軸線を中心とした円周方向へ互いにほぼ120度離間する位置にそれぞれ設けられ、圧縮コイルスプリング(8)の上側の係止部(81)に隣接するコイル部(83)の外周及び内周に係合することによって、圧縮コイルスプリング(8)の軸線方向に直交する方向(前後方向)の動きを阻止する。
【0029】
上向き突部(103)は、圧縮コイルスプリング(8)の軸心(O)(図3参照)に対して偏心した位置に設けられるとともに、その上端部が、水平片(62)の基準面と同一高さかまたは僅かに低くなるように設定される。
【0030】
圧縮コイルスプリング(8)の上側の係止部(81)は、スプリング受け部(10)の係合凹部(101)に係合するとともに、上向き突部(103)にも係合する。上側の係止部(81)が係合凹部(101)に係合すると、上述のように、圧縮コイルスプリング(8)の軸線周りの回転を抑え、また、同じく上向き突部(103)に係合すると、圧縮コイルスプリング(8)の軸線周りの回転を抑えると同時に、上側の係止部(81)が係合凹部(101)から後方へ外れるような方向の動きを規制する。
【0031】
圧縮コイルスプリング(8)の下端部に固定される緩衝部材(11)は、フード(1)が全閉状態にあるとき、車体フレーム(2)の上面に当接する円板状の座部(111)と、座部(111)の上面(車体フレーム(2)の上面に当接する当接面(111a)と反対側の面)に設けられ、圧縮コイルスプリング(8)の下側の係止部(82)に隣接するコイル部(83)の内周に嵌合する隆起部(112)と、圧縮コイルスプリング(8)の下側の係止部(82)が横方向(圧縮コイルスプリング(8)の軸線方向に直交する方向)から差し込まれて係合する差込孔(113)と、コイルスプリング(8)の下側の係止部(82)に隣接するコイル部(83)の外周を包囲するように、隆起部(112)の周囲に設けられた環状突部(114)とを含んで形成される。
【0032】
差込孔(113)の差込口上面には、下側の係止部(82)の差込孔(113)への差し込みを容易にするためのテーパー面(113a)(図8参照)が形成されている。
【0033】
座部(111)及び隆起部(112)には、差込孔(113)に連通する上下方向(軸線方向)を向く孔(115)(116)が設けられている。孔(115)(116)は、主体が上下型により成型される緩衝部材(11)に、横向きの孔を成型する際の上下型の抜き孔である。
【0034】
緩衝部材(11)における座部(111)の当接面(111a)には、車体フレーム(2)の上面に当接する下方に突出する多数の突部(117)が設けられている。この突部(117)は、座部(111)が車体フレーム(2)に当接する際の衝撃を吸収する作用をなすとともに、長時間、座部(111)の当接面(111a)が車体フレーム(2)の上面に当接した際、熱影響等により座部(111)の当接面(111a)が車体フレーム(2)の上面に貼着することを防止する。
【0035】
緩衝部材(11)を圧縮コイルスプリング(8)の下端部に固定するには、圧縮コイルスプリング(8)の下側の係止部(82)の端部を、横方向から差込孔(113)に差し込むとともに、緩衝部材(11)の隆起部(112)を下側の係止部(82)に隣接するコイル部(83)の内周側に嵌合する。そして、下側の係止部(82)に隣接するコイル部(83)を、隆起部(112)と環状突部(114)の間に嵌合する。
【0036】
これにより、緩衝部材(11)は、下側の係止部(82)が差込孔(113)に係合し、かつコイル部(83)を隆起部(112)と環状突部(114)との間に挟み込むことによって、圧縮コイルスプリング(8)の下端部に確実に固定される。
【0037】
次に、圧縮コイルスプリング(8)を、取付けプレート(6)のスプリング受け部(10)に取付ける作業要領について説明する。先ず、図13に示すように、スプリング受け部(10)の後方から、圧縮コイルスプリング(8)の上側の係止部(81)に隣接するコイル部(83)とその下のコイル部(83)との間にスプリング受け部(10)を挟み込んだ状態で、コイル部(83)の一部を一方の抱持部(102)に係合させつつ、圧縮コイルスプリング(8)をコイル部(83)の巻き方向と反対側(矢印A方向)へ回転する。
【0038】
これにより、圧縮コイルスプリング(8)全体が下方へ移動して、図14に示すように、上側の係止部(81)に隣接するコイル部(83)の一部が他方の抱持部(102)に係合するとともに、上側の係止部(81)が上向き突部(103)を巻き込むように係合凹部(101)の傾斜面(101a)を摺接する。そして、さらに、圧縮コイルスプリング(8)を回転させると、図15に示すように、上側の係止部(81)が係合凹部(101)に係合して、それ以上の回転が阻止されることによって、上側の係止部(81)とそれに隣接するコイル部(83)との間にスプリング受け部(10)を弾性力で挟みつけるとともに、各抱持部(102)に上側の係止部(81)に隣接するコイル部(83)の外周及び内周が係合して、圧縮コイルスプリング(8)の上端部が、スプリング受け部(10)に固定される。
【0039】
圧縮コイルスプリング(8)をスプリング受け部(10)に固定した状態においては、上側の係止部(81)が、係合凹部(101)及び上向き突部(103)に係合するため、圧縮コイルスプリング(8)の軸線周りの回転が抑えられて、圧縮コイルスプリング(8)が組付方向と反対方向へ回転して、上下方向の位置がずれたり、及びスプリング受け部(10)から外れたりすることを防止することができる。また、コイル部(83)が各抱持部(102)に係合して、圧縮コイルスプリング(8)の軸線方向に直交する方向(前後左右方向)の動きが阻止されるため、圧縮コイルスプリング(8)の上端部が、スプリング受け部(10)に対する取付位置からずれたりすることを確実に防止することもできる。
【0040】
圧縮コイルスプリング(8)をスプリング受け部(10)から取り外す必要がある場合には、圧縮コイルスプリング(8)を組付方向と反対方向へ強引に回転させることによって、簡単に取り外すことができる。すなわち、圧縮コイルスプリング(8)を強引に反対方向へ回転させると、上側の係止部(81)の湾曲部(81b)が、弾性力に抗して、係合凹部(101)の傾斜面(101a)に乗り上げることによって、上側の係止部(81)が係合凹部(101)から外れる。後は、圧縮コイルスプリング(8)を組付方向と反対方向へ所定量回転させることによって、スプリング受け部(10)から簡単に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態を適用した車両前部の斜視図である。
【図2】フードリフト装置の正面図である。
【図3】フードリフト装置の平面図である。
【図4】フードリフト装置の後面図である。
【図5】図3におけるV−V線縦断面図である。
【図6】図5におけるVI−VI線縦断面図である。
【図7】図5におけるVII−VII線横断面図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII線縦断面図である。
【図9】緩衝部材の底面図である。
【図10】圧縮コイルスプリングの縦断面図である。
【図11】図10におけるXI矢視図である。
【図12】図10におけるXII矢視図である。
【図13】圧縮コイルスプリングの組付作業途中のフードリフト装置の斜視図である。
【図14】圧縮コイルスプリングの組付作業途中のフードリフト装置の斜視図である。
【図15】圧縮コイルスプリングの組付完了後のフードリフト装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
(1)フード(開閉体)
(1a)内側パネル
(2)車体フレーム
(3)フードロック装置
(4)フードリフト装置
(5)セカンダリーラッチ
(6)取付けプレート
(7)枢軸
(8)圧縮コイルスプリング
(9)スプリング
(10)スプリング受け部
(11)緩衝部材
(51)ハンドル部
(52)フック部
(61)垂直片
(62)水平片
(63)取付孔
(81)上側の係止部
(81a)根本部分
(81b)湾曲部
(82)下側の係止部
(82a)根本部分
(83)コイル部
(101)係合凹部
(101a)傾斜面
(102)抱持部
(103)上向き突部(突部)
(104)凸部
(111)座部
(111a)当接面
(112)隆起部
(113)差込孔
(113a)テーパー面
(114)環状突部
(115)(116)孔
(117)突部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付けプレートに設けたスプリング受け部に、圧縮コイルスプリングの端部を固定する圧縮コイルスプリング組付構造において、
前記圧縮コイルスプリングは、前記端部にコイル部の内径側に折曲した平らな係止部を有するとともに、前記係止部と前記係止部に隣接する最終巻きコイル部との間に、前記スプリング受け部を弾性力により挟みつけた状態で前記スプリング受け部に固定され、
前記スプリング受け部は、前記係止部が前記圧縮コイルスプリングの軸線周りの回転を抑えるように係合する係合凹部と、前記最終巻きコイル部の外周に係合して、前記圧縮コイルスプリングの軸線方向に直交する方向の動きを阻止する抱持部とを有することを特徴とする圧縮コイルスプリング組付構造。
【請求項2】
前記圧縮コイルスプリングにおける互いに隣接するコイル部間に前記スプリング受け部を挟んだ状態で、前記圧縮コイルスプリングを、そのコイル部の巻き方向と反対方向に回転させることによって、前記圧縮コイルスプリングの前記端部が前記スプリング受け部に固定されるようにしたことを特徴とする請求項1記載の圧縮コイルスプリング組付構造。
【請求項3】
前記圧縮コイルスプリングの前記係止部を、前記圧縮コイルスプリングの端部から見てほぼU字状に形成し、前記スプリング受け部の前記係合凹部に、前記係止部に対して前記軸線方向に直交する動きに対して当接可能な突部を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の圧縮コイルスプリング組付構造。
【請求項4】
前記スプリング受け部の前記係合凹部は、前記取付けプレートの一般面から前記圧縮コイルスプリングの素線径に前記取付けプレートの板厚を加算した寸法にほぼ相当する量だけ凹んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮コイルスプリング組付構造。
【請求項5】
全閉状態にある車両のフードに上向きの力を付与する車両用フードリフト装置において、
請求項1〜4のいずれかに記載された前記圧縮コイルスプリング組付構造の前記取付けプレートを、前記係合凹部が前記フードの内側または車体のいずれか一方の取付面に対面するように固定したことを特徴とする車両用フードリフト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−56094(P2008−56094A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−235459(P2006−235459)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(000006183)三井金属鉱業株式会社 (1,121)
【Fターム(参考)】