説明

地中熱と太陽熱を利用した空調システム。

【課題】年間を通じて安定した地中恒温層の地中熱と冬期は屋根下の太陽熱の熱が加算利用できる空調システムを提供する。
【解決手段】空調システムは地中熱と太陽熱を利用した建築物の空調システムであって、断熱壁は建築物の外壁部断熱材23とその外壁部断熱材23の地中側に連結され地中3m以上に挿入されている遮水性能を付加した地中側断熱材1と、建築物の1階床の下側に天井部を1階床に設けた断熱床、壁部を壁断熱、底部を蓄熱層20により形成した床下放熱ボックス3と、循環ダクト10と、各室と床下放熱ボックス3を接続した、屋根下ダクト14と床下放熱ボックス3を接続した太陽熱循環ダクト13と、からなり、床下放熱ボックス3の太陽熱循環ダクト10の吹出口Aは循環ダクト10の吹出口Cより蓄熱層20側に設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中熱と太陽熱を利用した空調システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
地中熱や太陽熱を利用した空調システムはいろいろな構成が考えられているが、例
えば、特許文献1に開示されている空調システムは地中熱を建築物の冷暖房等に利用
するシステムであって地中恒温層まで延びる板状の断熱壁で建築物を囲い埋設し、地
中熱を有効に利用している構成である。断熱壁は板状で相互に連接する突合せ縁の一
方に嵌合条、残る他方に嵌合溝を有する構造であり、内外を連通する通湿孔も設け、
通気性又は通水性を発揮できる構造になっている。
【0003】
また、特許文献2に開示されている地中熱と太陽熱を利用している空調システムで
は地中熱は夏期に太陽熱は冬期に使い分けしているシステムである。建物の地下に水
槽を設け、水槽の周囲は断熱壁でおおわれている。水槽には熱交換パイプが設けられ、
換気パイプを介して各室と接続されている。夏期は水槽の床構造であるコンクリート
ブロック内に中空層を設け、その中空層に水を入れて、地中熱をその水を介して水槽
に伝導するようにして、地中熱の15〜16℃を利用するようにしている。
冬期は水槽の床のコンクリートブロックの水を抜いて空気を入れ地中熱が水槽に伝
わらないようにし、屋根に設けた太陽熱温水器により採熱した太陽熱を水槽に伝導さ
せる様にして、太陽熱のみを利用する様にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−120297号公報
【特許文献2】特開2005−296603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、この地中熱のみを建築物の冷暖房等に利用する地熱利用構造物にお
いては、地中恒温層の地中熱を利用するシステムとしては優れているシステムである
が夏期は地中熱を利用して一定の冷房ができるが、冬期は地中熱15℃〜16℃では
暖房温度を十分に得ることが難しい。
また、断熱壁は突合せ縁の嵌合条、嵌合溝や板状の断熱壁の内外を連通する通湿孔
を設けているので地下水や雨水が流出入し、その結果、地中熱が影響を受けて、安定
的な地中熱の確保が難しい。
【0006】
特許文献2については、夏期は地中熱を伝熱床に伝導し、水槽を介して熱交換パイ
プに地中熱を伝導し、連通換気パイプを経て各室換気パイプで吹き出し冷房するので
一定の冷房ができるが熱交換パイプに結露が発生するので機能の持続が難しい。
冬期は太陽熱温水器から温水循環パイプから水槽を介して水槽の温水熱交換パイプ
で水槽内の熱交換パイプに伝導し、連通換気パイプを経て各室換気パイプで吹き出し
暖房するが冬期の太陽の日射のみでは不安定で暖房温度の確保が難しい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はかかる問題点を解決すべく発明されたものであって、地中熱と太陽熱を利
用した建築物の空調システムにおいて、断熱壁は建築物の外壁部断熱材とその外壁部
断熱材の地中側に連結され地中3m以上に挿入されている遮水性能を付加した地中側
断熱材と、
建築物の1階床の下側に天井部を1階床に設けた断熱床、壁部を壁断熱、底部を蓄
熱層により形成した床下放熱ボックスと、
建築物の各室には天井側と床側に吹出吸込口を設け、床下放熱ボックスに設けた冬
期用送風機、夏期用送風機を介して床下放熱ボックスと各室を循環ダクトで接続し、
床下放熱ボックス上部に吹出口を設けた循環ダクトと、
床下放熱ボックス上部に吸込口を設け、壁ダクト、軒先、屋根下ダクト、降下ダク
トに接続し、降下送風機を介して床下放熱ボックス下部の吹出口に接続している太陽
熱循環ダクトと、
からなり、床下放熱ボックスの太陽熱循環ダクトの吹出口は循環ダクトの吹出口よ
り蓄熱層側に設けていることを特徴とする。
【0008】
また、床下放熱ボックスは地上側と地中側からなることを特徴とする。
【0009】
また、蓄熱層は床下放熱ボックスの断熱壁内側の床面に蓄熱材と基礎コンクリート
を設けることを特徴とする。
【0010】
また、地中側断熱材は断熱板であって、断熱板を矢板に装着して床下放熱ボックス
の周囲に形成しているオーガー工法のベントナイト、ソイルセメント、コンクリート
内に挿入することを特徴とする。
【0011】
また、地中側断熱材単体を掘削部に施工することを特徴とする。
【0012】
また、太陽熱循環ダクトは外気を取り入れるための吸気口で取り入れた外気を排出
するための自然換気窓に接続していることを特徴とする。
【0013】
本発明の地中熱と太陽熱を利用した空調システムは夏期に地中熱を利用して冬期に
は地中熱に太陽熱を加算して熱を床下放熱ボックスに蓄熱し、床下放熱ボックスより
夏期用送風機、冬期用送風機を介して各室の天井側と床側に設けた吹出吸込口で循環
させることによって空調するシステムである。
特に冬期は地中熱の15〜16℃と晴天時の太陽熱の40〜60℃を加算蓄熱でき、
冬期でも十分な温度の確保ができるように構成されている。
【0014】
本発明の断熱壁は建築物の外壁部断熱材とその外壁部断熱材の地中側に連結され地
中3m以上に挿入され、遮水性能を持った地中側断熱材により地下水や雨水の影響を
受けずに地中恒温層の地中熱を利用し、また、断熱壁で囲まれた床下放熱ボックス内と蓄熱層に安定した地中熱を熱平衡で確保ができる。
地中側断熱材の地中3m以下では外気温の影響を地中熱が受けるため地中3m以上
とすることで外気温の影響が少なくなり安定した地中熱の確保ができる。
【0015】
床下放熱ボックスの太陽熱循環ダクトの吹出口は循環ダクトの吹出口より蓄熱層側
に設けていることで循環ダクトの吹出口より吹き出した空気が混合することが避けら
れ、蓄熱層に直接的に蓄熱されて地中熱に太陽熱を加算蓄熱できる利点があり冬期で
も暖房温度の確保できる。
また、断熱壁が建築物の4方を囲み、上部を断熱床で囲まれているので、床下放熱
ボックスは外気温の影響が少ない。
【発明の効果】
【0016】
本発明の床下放熱ボックスにより効率的に冷暖房ができ、夏期には一定の冷房がで
き、また、晴天時の冬期には地中熱に太陽熱を加算できるため快適な温かさが確保で
き、年間を通して十分な冷暖房が達成できる。
【0017】
床下放熱ボックスは地上側と地中側からなることで外気温の影響を小さくでき、地
中側を掘り下げて体積を多くすることで床下放熱ボックスの放熱量が多くなり各室の
暖房効率が改善される。
【0018】
蓄熱層は床下放熱ボックスの断熱壁内側の床面に蓄熱材と基礎コンクリートを設け
ることで地中熱に太陽熱を効率的に加算蓄熱できる。
【0019】
地中側断熱材は断熱板であって、断熱板を矢板に装着し、また、断熱壁単体で床下
放熱ボックスの周囲に形成しているオーガー工法のベントナイト、ソイルセメント、
コンクリート内に挿入することで、隣接地近くに施工でき、土地利用が図れ、施工精
度もよくなる。
【0020】
地中側断熱材単体を掘削部に施工することで工事の単純化、工事費が削減でき、工
期の短縮になる。
【0021】
太陽熱循環ダクトは外気を取り入れるための吸気口で取り入れた外気を排出するた
めの自然換気窓に接続しているので夏期の屋根面の太陽熱を排気でき、地中熱による
冷房が効率よくなる。
【0022】
雪国の冬期には地中熱を床下放熱ボックス上部に吸込口を設け、壁ダクト、軒先、
屋根下ダクトに地中熱を通気し、軒先、屋根の融雪が図れ、屋根下ダクトで日射の太
陽熱を早期に地中熱に太陽熱を加算できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る全体構成断面図
【図2】同地中側断熱材挿入側面図
【図3】同地中側断熱材矢板装着・遮水連結部平断面図
【図4】同地中側断熱材単体・遮水連結部・連結金物付き平断面図
【図5】同地中側断熱壁単体・遮水連結部平断面図
【図6】同操作盤及び温度制御部の構成図
【図7】同冬期の全体構成断面図
【図8】同夏期の全体構成断面図
【図9】別の実施例1の冬期の地下野菜工場・地上ガラス温室全体構成断面図
【図10】別の実施例1の夏期の地下野菜工場・地上ガラス温室全体構成断面図
【図11】別の実施例2の冬期の地下野菜工場・地上定温倉庫全体構成断面図
【図12】別の実施例2の夏期の地下野菜工場・地上定温倉庫全体構成断面図
【図13】別の実施例1、2の冬期の地下野菜工場全体構成平面図
【図14】別の実施例1、2の夏期の地下野菜工場全体構成平面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。本発
明の図1の全体構成断面図に示しているように、断熱壁は建築物の外壁部断熱材23
とその外壁部断熱材23の地中側に連結され地中3m以上に挿入されている遮水性能
を付加した地中側断熱材1と、
建築物の1階床の下側に天井部を1階床に設けた断熱床、壁部を壁断熱、底部を蓄
熱層20により形成した床下放熱ボックス3と、
建築物の各室には天井側と床側に吹出吸込口12を設け、床下放熱ボックス3に設
けた冬期用送風機7、夏期用送風機8を介して床下放熱ボックス3と各室を循環ダク
ト10で接続し、床下放熱ボックス3上部に吹出口Bを設けた循環ダクト10と、
床下放熱ボックス3上部に吸込口Dを設け、壁ダクト17、軒先、屋根下ダクト1
4、降下ダクト15に接続し、降下送風機16を介して床下放熱ボックス3下部の吹
出口Aに接続している太陽熱循環ダクト13と、
からなり、床下放熱ボックス3の太陽熱循環ダクト13の吹出口Aは循環ダクト1
0の吹出口Bより蓄熱層20側に設けている。
【0025】
本発明の図2に記載されているように、地上側の板状の外壁断熱材23と連結され
ており、遮水性能を付加した板状の地中側断熱材1と設計地盤付近で遮水連結され、
3m以上の深さに挿入されている。
【0026】
本発明の図3に記載されているように、矢板29に装着され、地中側断熱材1は遮
水連結部2には補強金物43で隅部を補強し、水3倍膨張ゴム11aを補強金物43と
補強金物43の間に装着しており、地中に埋設後は水3倍膨張ゴム11aが水膨張し、
遮水隔離できるようにしている。
【0027】
尚、図3のように矢板29に装着されることなく連結する構成としては、図4に記
載されているように、例えば地中側断熱材1を重ねて、その隅部を補強金物43bと
連結金物44を持ち、水3倍膨張ゴム11bを地中側断熱材1と地中側断熱材1の間
に装着しており、地中に埋設後は水3倍膨張ゴム11bが水膨張し、遮水隔離できる
ようにしている。
【0028】
あるいは、図5に記載されているように、遮水連結部2には水3倍膨張ゴム11c
を地中側断熱材1と地中側断熱材1の間に装着しており、地中に埋設後は水3倍膨張
ゴム11cが水膨張し、遮水隔離できるようにしている。
【0029】
冬期の太陽熱の集熱の仕組みについては屋根材と屋根材受け登り桟木と屋根材受け
登り桟木の間と屋根下地材に囲まれた空間か筒型ダクトが屋根下ダクト14で屋根材
下部空間で太陽熱の集熱し、上昇気流で暖気を換気棟25に集中させて降下送風機1
6を介して降下ダクト15で床下放熱ボックス3の蓄熱層20に送風して蓄熱させて
いる。
また、太陽熱温水器18でも太陽熱の集熱し、循環ポンプ39を介して2系統の温
水パイプで床下放熱ボックス3の放熱機19で蓄熱層20に送風して蓄熱させている。
尚、床下放熱ボックス3の蓄熱層20のパラフィン材料の蓄熱材41と基礎コンク
リートに地中熱に太陽熱を加算蓄熱され、ゆっくりと床下放熱ボックス3内に放熱を
する。
循環ダクト10、壁ダクト17は縦桟と縦桟、壁下地と壁下地の間にある空間か筒
型ダクトで断熱材に囲われている。
【0030】
本発明は図6に記載されているように、操作盤及び温度制御部の構成図で温度制御
は温度制御部によって行なわれる。室内には温度センサーと湿度センサーと操作盤が
設置されていて、操作盤には温度設定部、冷房・暖房と自動・強・中・弱の切換部が
あり、冬期用送風機7、夏期用送風機8、降下送風機16の切換部がある。冬期送風
機7、夏期送風機8には強・中・弱の切換部があり、除湿機9のON/OFFの切換
部もある。
また、温度制御部には温度センサーのための温度検出部、湿度センサーのための湿
度検出部、温度コントロール部、冬期送風機7、夏期送風機8、降下送風機16の風
量調節部、除湿機9のON/OFFが内蔵されている。降下ダクト15内には降下送
風機16とダンパー6が内蔵され、床下放熱ボックス3内には冬期送風機7、夏期送
風機8や除湿機9のON/OFFが内蔵され、床下放熱ボックス3内に循環ダクト1
0にはダンパー6のON/OFFが設けられ、循環ダクト10上部にもダンパー6が
設けられ連動している。
【0031】
このような制御によって、例えば、室内の温度を温度設定部で調節することで放熱
ボックス3内の冬期送風機7、夏期送風機8で送風し、風量も調節され、放熱量が調
節される。
また、同時に各室に吹き出すための冬期送風機7、夏期送風機8の風量も調節され、
室内温度が調節される。
操作盤には冬期送風機7、夏期送風機8の送風調整スィッチがあり自動、強、中、弱がある。また、風量調整スィッチがあり自動、強、中、弱があり、風量も調節され、これを組み合わせることで各室温度を調節することができる。
【0032】
例えば、夏期には室内の温度が30℃の時に操作盤で室内の温度設定を操作し、2
5℃に設定すると、自動制御であれば、床下放熱ボックス3内の黴除去フィルター2
4に通気し、除湿機9で除湿し、夏期送風機8が送風し、風量も調整され、15〜1
6℃位の温度を放冷しつつ、天井側、吹出吸込口12より各室に吹き出し、風量も調
整され、室内温度センサーが25℃になるまで自動的に運転される。
冬期に室内の温度が5℃の時に操作盤で室内の温度設定を操作し、13℃に設定す
ると、自動制御であれば、床下放熱ボックス3内の黴除去フィルター24に通気し、
冬期送風機7で送風し、風量も調整され、15〜16℃位の温度を放熱しつつ、床下
放熱ボックス3内の循環ダクト10で床側の吸込吹出口12より各室に吹き出し、風
量も調整され、室内温度センサーが13℃になるまで自動的に運転される。
尚、冬期の晴天時に屋根下ダクト14の太陽熱と太陽温水器18の太陽熱を床下放
熱ボックス3に放熱すると25℃位で放熱するが各室に循環するがの熱損失もあり1
8〜20位の室内温度になる。
【0033】
このような構成によって、例えば関西地区以西では、地中下部3m以上の地中熱は
年間を通じて15〜16℃前後であるので、24時間冷暖房した場合、夏期では室内
温度が22〜28℃になり、冬期には各室暖房温度が地中熱だけでは13℃位になる
が晴天時に屋根下からの太陽熱を循環送風し、太陽熱温水器18の熱を加算すること
で室内温度が18〜20℃位になる。
【0034】
本発明の図7に記載されているように、冬期の全体構成断面図で矢板29に装着し
た地中側断熱材1(遮水・断熱材3m以上)を遮水連結挿入し、基礎コンクリート4、
床下放熱ボックス3を囲う。
床下放熱ボックス3内に地中恒温層21から24時間熱平衡できる地中熱と晴天時
の屋根下ダクト14の太陽熱を屋根下の降下送風機16を介して開放したダンパー6
に通気し、降下ダクト13で下降し、床下放熱ボックス3下部の吹出口Aより床下放
熱ボックス3と蓄熱層20の蓄熱材41と基礎コンクリート4に加算蓄熱ができ、さ
らに、太陽熱温水器18の温水を循環ポンプを介して放熱機19で放熱し、床下放熱
ボックス3と蓄熱層20の蓄熱材41と基礎コンクリート4にさらに加算蓄熱し、暖
房温度を上昇させて床下放熱ボックス3に放熱し、床下放熱ボックス3上部の吸込口
Dより黴除去フィルター24と開放したダンパー6を通気して循環をする。
床下放熱ボックス3内の黴除去フィルター24に通気させて冬期用送風機7を介し
て循環ダクト10で壁下の吹出吸込口12より吹き出し各室の暖房し、壁上の吹出吸
込口12より吸い込み循環ダクト10で床下放熱ボックス3上部に設けた吹出口Bよ
り吹き出し循環をする。
また、冬期は床下放熱ボックス3の上部の吸込口Dより地中熱を壁ダクト17、軒
先42、屋根下ダクト14に通気させることで軒先42と屋根の融雪が図れ、軒先4
2のすが漏りがなくなり、太陽熱の採取を早めることができ、耐久性が向上する。
さらに、地中恒温層21からの地下水の毛細管現象防止のための毛細管現象防止用利水シート27が基礎コンクリート4下に敷き込み床下放熱ボックス3内の乾燥を確保する。
【0035】
本発明の図8に記載されているように、夏期の全体構成断面図で矢板29に装着し
た地中側断熱材1(遮水・断熱材3m以上)を遮水連結挿入し、基礎コンクリート4、
床下放熱ボックス3を囲う。
地中恒温層21から24時間熱平衡できる地中熱を効率よく床下放熱ボックス3と
蓄熱層20に蓄冷し、黴除去フィルター24と除湿機9に通気させて夏期用送風機8
を介して循環ダクト10で壁上の吹出吸込口12より吹き出し、各室の冷房し、壁下
の吹出吸込口12より吸い込み循環ダクト10で床下放熱ボックス3の上部の吹出口
Cに吹き出し循環をする。
また、夏期には換気口34より外気を吸い込み壁ダクト17、軒先42、屋根下ダ
クト14に通気し、太陽熱を換気棟25の自然換気窓26で排気して建築物内への影
響を排除して冷房効率の向上を図る。
【0036】
本発明の別実施例を図9によって説明すると冬期の地下野菜工場・地上ガラス温室
全体構成断面図で地中側断熱材1(遮水・断熱材3m以上、厚さ100〜400mm
)単体で囲まれた床下放熱ボックス3(地下野菜工場)で地中恒温層21から熱平衡
で床下放熱ボックス3(地下野菜工場)と蓄熱層20を暖房しつつ、地上ガラス温室
内の床を伝導保温する。
また、黴除去フィルター24に通気させて冬期送風機7を介して循環ダクト10か
ら地上ガラス温室の下部の吹出吸込口12より吹き出し暖房をし、上部の吹出吸込口
12より吸い込み床下放熱ボックス3(地下野菜工場)の上部の吹出口Bに循環送風
する。
さらに、床下放熱ボックス3(地下野菜工場)の上部の吸込口Dより吸い込み壁ダ
クト17、屋根下ダクト14に通気し、太陽熱を加算しながら降下送風機16を介し
て降下ダクト13で降下し、床下放熱ボックス3(地下野菜工場)の下部の吹出口A
より吹き出し床下放熱ボックス3(地下野菜工場)と蓄熱層20に地中熱に太陽熱を
加算し、暖房効率の向上を図る。
空中ビニールフィルム32は日照と外気温の影響を減らすために設け、温度センサ
ー付き換気扇30は一定の温度になると作動して屋外に排気調整する。
【0037】
本発明は図10に記載されているように、夏期の地下野菜工場・地上ガラス温室全
体構成断面図で単体の地中側断熱材1(遮水・断熱材3m以上、厚さ100〜400
mm)で囲まれた床下放熱ボックス3(地下野菜工場)で地中恒温層21から熱平衡
で床下放熱ボックス3(地下野菜工場)と蓄熱層20を冷房しつつ、地上ガラス温室
内の床を伝導冷温する。
また、黴除去フィルター24と除湿機9に通気させて除湿しつつ夏期送風機8を介
して循環ダクト10から地上ガラス温室の上部の吹出吸込口12より吹き出し冷房を
し、下部の吹出吸込口12より吸い込み床下放熱ボックス3(地下野菜工場)の上部
の吹出口Cに吹き出し循環送風する。
さらに、外気を吸気口34より吸入し、壁ダクト17と屋根下ダクト14に通気し
て換気棟25の自然換気窓26で排気する。
空中ビニールフィルム32は日照と気温の影響を減らすために設け、温度センサー
付き換気扇30は一定の温度になると作動して屋外に排気し、温度・湿度を調整する。
【0038】
本発明は図11に記載されているように、冬期の地下野菜工場・地上定温倉庫全体
構成断面図で地中側断熱材1(遮水・断熱材3m以上、厚さ100〜400mm)単
体で囲まれた基礎コンクリート4、床下放熱ボックス3(地下野菜工場)で地中恒温
層21から熱平衡で床下放熱ボックス3(地下野菜工場)と蓄熱層20を暖房しつつ、
地上定温倉庫の床を伝導保温する。
また、黴除去フィルター24に通気させて冬期送風機7を介して循環ダクト10か
ら地上定温倉庫の下部の吹出吸込口12より吹き出し暖房をし、上部の吹出吸込口1
2より吸い込み床下放熱ボックス3(地下野菜工場)の上部の吹出口Bに吹き出し循
環送風する。
さらに、床下放熱ボックス3(地下野菜工場)の上部より地中熱で暖められた空気
を吸込口Dより吸い込み壁ダクト17、屋根下ダクト14に通気し、太陽熱を加算し、
降下送風機16を介して降下ダクト13で降下し、床下放熱ボックス3(地下野菜工
場)の下部の吹出口Aより吹き出し床下放熱ボックス3(地下野菜工場)と蓄熱層2
0に地中熱に太陽熱を加算でき、暖房効率の向上を図る。
【0039】
本発明は図12に記載されているように、夏期の地下野菜工場・地上定温倉庫の全
体構成断面図で地中側断熱材1(遮水・断熱材3m以上、厚さ100〜400mm)
単体で囲まれた基礎コンクリート4、床下放熱ボックス3(地下野菜工場)で地中恒
温層21から熱平衡で床下放熱ボックス3(地下野菜工場)と蓄熱層20を冷房しつ
つ、地上定温倉庫の床を伝導冷却する。
また、黴除去フィルター24と除湿機9に通気させて除湿しつつ、夏期送風機8を
介して循環ダクト10から地上定温倉庫の上部の吹出吸込口12より吹き出し冷房を
し、下部の吹出吸込口12より吸い込み循環ダクト10に通気し、床下放熱ボックス
3(地下野菜工場)の上部の吹出口Cに吹き出し循環送風する。
さらに、外気を吸気口34より吸入し、壁ダクト17と屋根下ダクト14に通気し
て太陽熱を換気棟25の自然換気窓26で排気して建物への影響を排除し、冷房効率
の向上を図る。
【0040】
本発明は図13に記載されているように、冬期の地下野菜工場の全体構成平面図で
地中側断熱材1(遮水・断熱材3m以上、厚さ100〜400mm)で囲まれた基礎
コンクリート4、床下放熱ボックス3(地下野菜工場)と蓄熱層20を地中熱で暖房
し、黴除去フィルター24に通気させて冬期用送風機7を介して循環ダクト10から
地上へ送風し、暖房して床下放熱ボックス3(地下野菜工場)の上部の吹出口Bに吹
き出し循環する。
床下放熱ボックス3(地下野菜工場)の下部の吸込口Dより壁ダクト17、屋根下
ダクト14に通気し、太陽熱を加算して降下送風機16を介して降下ダクト15で床
下放熱ボックス3(地下野菜工場)の下部の吹出口Aより吹き出し循環する。
【0041】
本発明は図14に記載されているように、夏期の地下野菜工場の全体構成平面図で
地中側断熱材1(遮水・断熱材3m以上、厚さ100〜400mm)で囲まれた基礎
コンクリート4、地中恒温層21から熱平衡で床下放熱ボックス3(地下野菜工場)
と蓄熱層20を地中熱で冷房し、黴除去フィルター24に通気させて夏期用送風機7
を介して循環ダクト10から地上へ送風し、冷房して床下放熱ボックス3(地下野菜
工場)の上部の吹出口Bに吹き出し循環する。
床下放熱ボックス3(地下野菜工場)の外気の給気口34より壁ダクト17、屋根
下ダクト14に通気し、太陽熱を換気棟25の自然換気窓26より排気する。
【実施例】
【0042】
本発明は、地域特性としてその地域の年平均気温が地中恒温層3m以上の地中熱で
あり場所により採用できる。地熱の違いがあるが何処の地域でも冷暖房が可能となる。
また、木造住宅、一般住宅、定温倉庫、農業用温室等、野菜工場、学校、体育館、劇
場、公会堂、集会所、マンション、事務所、公共建築物、既設建物、木造2×4工法、
鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造等の建物の空調システムに適
用できる。
【符号の説明】
【0043】
1・・地中側断熱材
2・・遮水連結部
3・・床下放熱ボックス
4・・基礎コンクリート
5・・排水口
6・・ダンパー
7・・冬期用送風機
8・・夏期用送風機
9・・除湿機
10・・循環ダクト
11・・水3倍膨張ゴム
12・・吹出吸込口
13・・太陽熱循環ダクト
14・・屋根下ダクト
15・・降下ダクト
16・・降下送風機
17・・壁ダクト
18・・太陽熱温水器
19・・放熱機
20・・蓄熱層
21・・地中恒温層
22・・外壁
23・・外壁部断熱材
24・・黴除去フィルター
25・・換気棟
26・・自然換気窓
27・・毛細管現象防止用利水シート
28・・オーガー掘削(チエン式)
29・・矢板
30・・温度センサー付き換気扇
31・・TOP換気ロ
32・・空中ビニールフィルム
33・・上部換気口
34・・吸気口
35・・耕作土
36・・ガラス
37・・防水層
38・・小屋裏
39・・循環ポンプ
40・・防水シート
41・・蓄熱材
42・・軒先
43・・端部補強金物
44・・連結金物
A・・吹出口
B・・吹出口
C・・吹出口
D・・吸込口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中熱と太陽熱を利用した建築物の空調システムにおいて、
断熱壁は建築物の外壁部断熱材とその外壁部断熱材の地中側に連結され地中3m
以上に挿入されている遮水性能を付加した地中側断熱材と、
建築物の1階床の下側に天井部を1階床に設けた断熱床、壁部を壁断熱、底部を
蓄熱層により形成した床下放熱ボックスと、
建築物の各室には天井側と床側に吹出吸込口を設け、床下放熱ボックスに設けた
冬期用送風機、夏期用送風機を介して床下放熱ボックスと各室を循環ダクトで接続
し、床下放熱ボックス上部に吹出口を設けた循環ダクトと、
床下放熱ボックス上部に吸込口を設け、壁ダクト、軒先、屋根下ダクト、降下ダ
クトに接続し、降下送風機を介して床下放熱ボックス下部の吹出口に接続している
太陽熱循環ダクトと、
からなり、床下放熱ボックスの太陽熱循環ダクトの吹出口は循環ダクトの吹出口
より蓄熱層側に設けていることを特徴とする地中熱と太陽熱を利用した空調システ
ム。
【請求項2】
床下放熱ボックスは地上側と地中側からなることを特徴とする請求項1に記載の地中熱と太陽熱を利用した空調システム。
【請求項3】
蓄熱層は床下放熱ボックスの断熱壁内側の床面に蓄熱材と基礎コンクリートを設
けることを特徴とする請求項1に記載の地中熱と太陽熱を利用した空調システム。
【請求項4】
地中側断熱材は断熱板であって、断熱板を矢板に装着して床下放熱ボックスの周
囲に形成しているオーガー工法のベントナイト、ソイルセメント、コンクリート内
に挿入することを特徴とする請求項1に記載の地中熱と太陽熱を利用した空調シス
テム。
【請求項5】
地中側断熱材単体を掘削部に施工することを特徴とする請求項1に記載の地中熱
と太陽熱を利用した空調システム。
【請求項6】
太陽熱循環ダクトは外気を取り入れるための吸気口で取り入れた外気を排出するための自然換気窓に接続していることを特徴とする請求項1に記載の地中熱と太陽熱を利用した空調システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−159227(P2012−159227A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18421(P2011−18421)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【特許番号】特許第4809498号(P4809498)
【特許公報発行日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(598143402)
【Fターム(参考)】