地中管路形成筒材
【課題】 土圧に対する耐圧変形強度を備え、短縮状態に変化でき、地形に合わせた曲げ配管もできる筒体でありながら、筒内へのケーブル挿通時には、筒壁がケーブルとの摩擦で摩耗し破損することが生じにくい構造とした地中管路形成筒材の提供。
【解決手段】 筒壁1の全体または一部に形成した不等辺三角形状の筒壁1部分が、山頂部分2に続く左右の傾斜壁3,4が長短不等長に形成され、一方の長尺側傾斜壁3の谷部分5側の肉厚Tが他方の短尺側傾斜壁4の谷部分5側の肉厚tに比して厚肉に形成され、これらの長尺側傾斜壁3と短尺側傾斜壁4とが、断面視V字形に開いた離隔姿勢と、短尺側傾斜壁4が屈折自在としたヒンジ部6を介して長尺側傾斜壁3の上に折り重なった重畳姿勢とに変形可能に形成され、該ヒンジ部6が、管軸方向において、長尺側傾斜壁3における最小径部pの位置よりも短尺側傾斜壁4の方向に変位して形成した構成としたもの。
【解決手段】 筒壁1の全体または一部に形成した不等辺三角形状の筒壁1部分が、山頂部分2に続く左右の傾斜壁3,4が長短不等長に形成され、一方の長尺側傾斜壁3の谷部分5側の肉厚Tが他方の短尺側傾斜壁4の谷部分5側の肉厚tに比して厚肉に形成され、これらの長尺側傾斜壁3と短尺側傾斜壁4とが、断面視V字形に開いた離隔姿勢と、短尺側傾斜壁4が屈折自在としたヒンジ部6を介して長尺側傾斜壁3の上に折り重なった重畳姿勢とに変形可能に形成され、該ヒンジ部6が、管軸方向において、長尺側傾斜壁3における最小径部pの位置よりも短尺側傾斜壁4の方向に変位して形成した構成としたもの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として電線や電話線若しくは光ケーブルのような通信ケーブルを内挿して保護するための地中管路を形成するケーブル保護管及びケーブル保護管用継手として使用するのに適した構造とした合成樹脂製の地中管路形成筒材に関するものである。
【0002】
より具体的には、筒材を構成する筒壁の全体または少なくとも一部が、筒軸方向に伸長した通常姿勢と筒軸方向に縮小した短縮姿勢との二つの安定した長さを自己保持できる構造とした筒体に関するものである。
【背景技術】
【0003】
従来から、電線や電話線若しくは光ケーブルのような地中埋設用のケーブルを内挿して保護するための地中管路形成筒材、殊にケーブル保護管は各種構造のものが実施されていて、その存在は一般にも知られている。
【0004】
他方、合成樹脂素材で形成した筒体であって、軸方向に伸長した通常姿勢と軸方向に縮小した短縮姿勢との二つの安定した長さを自己維持できる構造とした筒体は、例えば食品用としては飲料用ストローが一般に周知であり、食品用以外のものとしては布団乾燥機用の送風筒や洗濯機用の排水ホースが知られている。
【0005】
これらの筒体は、何れも筒壁の断面形状を略三角形状とし、一方の傾斜壁と他方の傾斜壁とが八の字形に離れた三角形状と、一方の傾斜壁と他方の傾斜壁とが接近して重なり合った重合状態とに変化させることができ、これら二つの状態を自己保持できるようになっている。
【0006】
このように筒壁を伸縮自在として、その伸長状態と縮小状態とを自己保持できるようにしたパイプは、例えば、特公昭56−45032号公報(特許文献1)や、特開平5−180377号公報(特許文献2)に見られるように、既に公知となっている。
【0007】
これらのうち、前者の文献には、軸方向に二つの安定した長さを有するパイプとして、
略三角波形を形成する隣接斜壁2,5のうち、一方の斜壁2において前記パイプ1の突出襞部3から少し離れた箇所に薄肉部分を設け、谷底部4又はこれに近い位置部分にも薄肉の部分を有せしめて…パイプ1の長短切換のための伸縮を容易に行なわせ得るようにしたパイプ構造が示されている。
【0008】
また、後者の文献には、電線保護管や上下水道管のように地中に埋設して使用する耐圧扁平性能を備えた合成樹脂管が示されていて、具体的には、硬質素材で形成した筒壁1の両傾斜壁3,4のうちの一方の傾斜壁3の山頂部2近く部分2aと、谷底部5または谷底部5近く部分5aとを、部分的に可撓性のある樹脂素材で形成することによって、可撓性のある樹脂素材部分を支点として一方の傾斜壁を他方の傾斜壁に近接する方向に移行させることができ、その姿勢を自己保持させることができるようにした地中埋設用の耐圧管が示されている。
【特許文献1】特公昭56−45032号公報
【特許文献2】特開平5−180377号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来技術としての前者のパイプは、パイプ壁に薄肉部分を形成することによって、この薄肉部分を利用して伸縮姿勢変更を行うようにしたものであり、また、後者の耐圧合成樹脂管にあっては、硬質素材で形成した筒壁の一部を部分的に可撓性のある樹脂素材で形成することによって、この可撓性のある樹脂素材部分を利用して伸縮姿勢変更を行うことができるようにしたものであるから、これらの従来技術として示されている技術の技術思想は、パイプ壁や筒壁の一部に、他の部分よりも曲がり易い部分を形成するという共通した思想に基づくものである。
【0010】
しかしながら、このように筒壁の一部に曲がり易い部分を形成することは、筒壁に耐圧変形強度に弱い部分を設けること、即ち、管軸方向に伸縮姿勢変更させるために耐圧扁平強度を犠牲にするという技術思想に基づいたものである。それ故に、耐圧扁平強度を強化するためには、曲がり易い部分を除くその他の部分を強化させなければならないという課題を有するものとなっている。
【0011】
本発明は、これらの従来技術が有するところの、管軸方向の長さを縮小させることができ、嵩を小さくすることによって保管スペースを小さくでき、輸送に当たっては嵩を小さくした長尺の管を輸送でき、地中への配管作業に当たっては、地形に沿わせた曲げ配管もできるという利点を享受することができるものでありながら、筒壁全体を強度のある素材で一体的に形成することができ、筒壁全体が部分的な脆弱部を有していないものとすることができるようにしたものである。
【0012】
更に、本発明は、内部にケーブルを挿通して保護させるのに好適な筒体であって、ケーブルの挿通時に生じるケーブルとの摩擦によって、筒壁が摩耗して破損するというような事態の生じることを管自体の構造によって回避することができるようにしたものである。
【0013】
換言すると、本発明は、地中に埋設したときには、従来の地中埋設用合成樹脂管が有していた土圧に対する耐圧変形強度と同様の耐圧変形強度を備えている管でありながら、保管時や輸送時にあっては、管の長さを短縮させて嵩を小さくして保管空間を小さくし、長尺の管を輸送することができ、地中への埋設配管に際しては、配管地の地形に合わせた曲げ配管ができる筒体でありながら、筒内へのケーブルの挿通に際しては、筒壁がケーブルとの摩擦によって摩耗し破損するようなことの生じにくい構造とした地中管路形成筒材を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
該目的を達成するための本発明の構成を、実施例に対応する図面に記載の符号を用いて説明すると、本発明にいうところの請求項1に記載の地中管路形成筒材の構成は、筒壁1の全体または少なくとも一部が、断面形状が略不等辺三角形状に形成されている合成樹脂製の筒材であって、該不等辺三角形状に形成されている筒壁1部分が、山頂部分2に続く左右の傾斜壁3,4が長短不等長に形成され、一方の長尺側傾斜壁3の谷部分5側の肉厚Tが他方の短尺側傾斜壁4の谷部分5側の肉厚tに比して厚肉に形成され、これらの長尺側傾斜壁3と短尺側傾斜壁4とが、断面視V字形に開いた離隔姿勢と、短尺側傾斜壁4が屈折自在としたヒンジ部6を介して長尺側傾斜壁3の上に折り重なった重畳姿勢とに変形可能に形成され、該ヒンジ部6が、管軸方向において、長尺側傾斜壁3における最小径部pの位置よりも短尺側傾斜壁4の方向に変位して形成され、前記離隔姿勢と重畳姿勢とを自己保持できる構成としたものである。
【0015】
また、本発明にいうところの請求項2に記載の地中管路形成筒材の構成は、筒壁1の長手方向の中間部11が、断面形状が略不等辺三角形状に形成されている合成樹脂製の筒材であって、該不等辺三角形状に形成されている筒壁1部分が、山頂部分2に続く左右の傾斜壁3,4が長短不等長に形成され、一方の長尺側傾斜壁3の谷部分5側の肉厚Tが他方の短尺側傾斜壁4の谷部分5側の肉厚tに比して厚肉に形成され、これらの長尺側傾斜壁3と短尺側傾斜壁4とが、断面視V字形に開いた離隔姿勢と、短尺側傾斜壁4が屈折自在としたヒンジ部6を介して長尺側傾斜壁3の上に折り重なった重畳姿勢とに変形可能に形成され、該ヒンジ部6が、管軸方向において、長尺側傾斜壁3における最小径部pの位置よりも短尺側傾斜壁4の方向に変位して形成され、前記離隔姿勢と重畳姿勢とを自己保持できる構造とされ、長手方向両端の所要長さ部分が、螺旋凹凸波形筒12,12に形成されている構成としたものである。
【0016】
また、請求項3に記載の地中管路形成筒材の構成は、筒壁1の長手方向の中間部11が、断面形状が略不等辺三角形状に形成されている合成樹脂製の筒材であって、該不等辺三角形状に形成されている筒壁1部分が、山頂部分2に続く左右の傾斜壁3,4が長短不等長に形成され、一方の長尺側傾斜壁3の谷部分5側の肉厚Tが他方の短尺側傾斜壁4の谷部分5側の肉厚tに比して厚肉に形成され、これらの長尺側傾斜壁3と短尺側傾斜壁4とが、断面視V字形に開いた離隔姿勢と、短尺側傾斜壁4が屈折自在としたヒンジ部6を介して長尺側傾斜壁3の上に折り重なった重畳姿勢とに変形可能に形成され、該ヒンジ部6が、管軸方向において、長尺側傾斜壁3における最小径部pの位置よりも短尺側傾斜壁4の方向に変位して形成され、前記離隔姿勢と重畳姿勢とを自己保持できる構造とされ、長手方向両端の所要長さ部分が、環状凹凸波形筒13,13に形成されている構成としたものである。
【0017】
更にまた、請求項4に記載の地中管路形成筒材の構成は、筒壁1の長手方向の中間部11が、断面形状が略不等辺三角形状に形成されている合成樹脂製の筒材であって、該不等辺三角形状に形成されている筒壁1部分が、山頂部分2に続く左右の傾斜壁3,4が長短不等長に形成され、一方の長尺側傾斜壁3の谷部分5側の肉厚Tが他方の短尺側傾斜壁4の谷部分5側の肉厚tに比して厚肉に形成され、これらの長尺側傾斜壁3と短尺側傾斜壁4とが、断面視V字形に開いた離隔姿勢と、短尺側傾斜壁4が屈折自在としたヒンジ部6を介して長尺側傾斜壁3の上に折り重なった重畳姿勢とに変形可能に形成され、該ヒンジ部6が、管軸方向において、長尺側傾斜壁3における最小径部pの位置よりも短尺側傾斜壁4の方向に変位して形成され、前記離隔姿勢と重畳姿勢とを自己保持できる構造とされ、長手方向の両端部分が、雄側継手筒14と雌側継手筒15に形成されている構成としたものである。
【0018】
以上のような構成とした本発明にいうところの地中管路形成筒材を実施するに当たっては、請求項5に記載したように、山頂部分2の肉厚を、長尺側傾斜壁3と短尺側傾斜壁4の肉厚よりも薄肉に形成してある構造として実施することが好ましい。
【0019】
また、請求項6に記載したように、山頂部分2の形状を、外周方向に向かって突出する円弧状に形成してある構造として実施することも好ましい。
【0020】
更に、請求項7に記載したように、長尺側傾斜壁3と短尺側傾斜壁4の肉厚を、山頂部分2から谷部分5に向けて順次厚肉となる形状に形成してある構造として実施することができる。
【0021】
更には、請求項8に記載したように、長尺側傾斜壁3と短尺側傾斜壁4とが、断面視V字形の離隔姿勢において、長尺側傾斜壁3の傾斜角に比して短尺側傾斜壁4の傾斜角が急角度となるように形成してある構造のものとして実施することもできる。
【0022】
更にはまた、請求項9に記載したように、不等辺三角形状に形成された筒壁1部分における長尺側傾斜壁3の最小径部pにおいて、肉厚が最大となる構造に形成されているものとして実施することもできる。
【0023】
本発明にいうところの筒体を形成する樹脂素材としては、所要の硬度を有する樹脂素材であれば特に限定されるものではないが、入手の容易さと、廉価さと、耐候性とを備え、経時劣化の少ない点で、ポリオレフィン系の樹脂が好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明にいうところの地中管路形成筒材は、筒壁を形成する略不等辺三角形状とした傾斜壁部分の長さを長短不等長に形成し、長尺側傾斜壁の谷部分側の肉厚Tを短尺側傾斜壁の谷部分側の肉厚tに比して厚肉に形成してあることと、屈折自在としたヒンジ部の位置を、管軸方向において、長尺側傾斜壁の最小径部pの位置よりも短尺側傾斜壁の方向に変位させてある構造としてあるので、、順次接続して長区間に渡って配管された管内に、長尺のケーブルを挿入配線する場合でも、挿通ケーブルとの摩擦によって摩耗の激しい管内小径部が容易には損傷することがなく、安全にケーブル保護をさせることができると同時に、前記ヒンジ部における短尺側傾斜壁の谷部分の肉厚tを小さくすることができるので、ヒンジ部における屈折が容易にでき、ひいては、筒体全体を縮小姿勢に加圧変形させる力を小さくできるという効果も期待できるに至ったのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
図1乃至図5は、本発明の第一実施例の地中管路形成筒材を示す図であって、図1は伸長状態とした筒壁の一部縦断面図、図2は同管の縮小状態とした筒壁の一部縦断面図、図3は図1の伸長状態とした筒壁の拡大端面図、図4は図2の縮小状態とした筒壁の拡大端面図、図5は曲げ姿勢とした状態の一例を示す図である。
【0026】
該実施例に示した地中管路形成筒材は、合成樹脂素材の一例としてポリプロピレン樹脂を円筒形状とした樹脂押し出し機のダイから移動金型の内部にチューブを押し出し、チューブ内に空気を吹き込んでチューブを膨張させて金型の内面に押し付けて成型する周知のブロー成形手段を用いて成型した樹脂管体である。
【0027】
該実施例に示した地中管路形成筒材は、図1及び図3に示したように、筒壁1の断面形状を、図示のように、筒壁1の山頂部分2に続く左右の傾斜壁3,4の長さを長短のある不等辺三角形状に形成してある管体である。
【0028】
而して、これら左右の傾斜壁3,4を山頂部分2側から谷部分5側に向かって順次厚肉となる形状とし、かつ、片側の長尺側傾斜壁3を他方の短尺側傾斜壁4に比して、図3に見られるように、傾斜角αを緩く、平均肉厚を厚くし、逆に、他方の短尺側傾斜壁4を片側の長尺側傾斜壁3に比して、傾斜角βを急角度にするとともに、平均肉厚を薄くしてある。
【0029】
また、図3に示したように、片側の長尺側傾斜壁3における谷部分5側の、管周方向の肉厚Tを、他方の短尺側傾斜壁4における谷部分5側の、管周方向の肉厚tと比較して厚肉に形成してあり、この長尺側傾斜壁3の厚肉部Tに対して短尺側傾斜壁4の薄肉部tが曲がり変形し易くしてある。更に、これら長尺側傾斜壁3と短尺側傾斜壁4との外周面側の交差部分をヒンジ部6とし、即ち、これら両傾斜壁3,4が、図1,3に示した断面視V字形に開いた離隔姿勢から、短尺側傾斜壁4が長尺側傾斜壁3の外周面側に接近して折り重なった重畳姿勢に姿勢変形するときの屈曲支点となるようにするとともに、該ヒンジ部6の管軸方向における位置を、長尺側傾斜壁3における最小径部pの位置よりも短尺側傾斜壁4の方向に少し偏った位置としてある。また、この最小径部Pにおいて肉厚が最大となるようにして内面における耐耗性を最大限に向上させてある。
【0030】
このようにすることによって、ヒンジ部6を屈曲支点として短尺側傾斜壁4が長尺側傾斜壁3の外周面側に接近して折り重なる姿勢に変形し易くしてある。また、その逆に、この短尺側傾斜壁4が長尺側傾斜壁3の外周面側から離れて断面視V字形に開いた離隔姿勢に変化する姿勢への変形もし易くできるようにしてある。
【0031】
更に、これら長尺側傾斜壁3と短尺側傾斜壁4とが交差する山頂部分2においても、その肉厚を両傾斜壁3,4の平均肉厚よりも薄肉に形成するとともに、該山頂部分2の形状を半円弧状に形成してある。このことによっても、短尺側傾斜壁4と長尺側傾斜壁3との接近姿勢への変形移行と、その逆に、この短尺側傾斜壁4が長尺側傾斜壁3の外周面側から離れて断面視V字形に開いた離隔姿勢への変形移行とが、より一層容易にできるようにしてある。
【0032】
該実施例に示した地中管路形成筒材は、筒壁1の全体、または後の実施例に示すように筒壁1の一部を長尺側傾斜壁3と短尺側傾斜壁4との離隔姿勢と重畳姿勢とに変形させることができるようにし、かつ、管軸方向への圧縮力や引っ張り力等の外力を加えない限りその状態、即ち、離隔姿勢と重畳姿勢とを自己保持できるようにしたものであるから、地中に埋設して地中管路を形成するに際して、必要に応じて筒壁1に曲げ力を与える。例えば図5に例示したように、筒壁1の一方Bを図1のような伸張姿勢とさせたまま、筒壁1の他方Sを図2のように縮小姿勢に変化させることによって、曲げ配管とすることができるものとしてある。
【0033】
図6乃至図8は、本発明の第2実施例を示したものであって、該実施例に示した筒体は、所要長さ11A部分を前記第1実施例に示した伸縮自在構造11とした筒壁1の長手方向両端の所要長さ部分12A,12Aを、一般にみられる螺旋凹凸波形筒12,12に一体的に形成されている構造としたものである。
【0034】
このような構造とした筒体を他の管体と接続する手段としては、図7に示したように、前記螺旋凹凸波形筒12,12と同形に形成した他の螺旋管22,22とを突き合わせ状とし、これらの管体部分12,22を連結する管継手によって連結すればよい。
【0035】
図7では、この管継手の例として、これらの管体部分12,22を外嵌する内径を備えた管状継手21,21で接続する手段を示してある。また、この図7に示した管状継手21は、その内面に、吸水すると体積膨張して止水効果を発揮する吸水膨張ファイバーfを貼り付けてある継手を示してある。この継手21を用いて、2つの螺旋管22,22の中間に該実施例の筒体とを一連に連結した状態を図8に示してある。
【0036】
図9は、第3実施例の筒体を示したものであって、該筒体は、前記第2実施例に示した筒体の左右両端部分に一体的に連結されている螺旋凹凸波形筒12,12の外周面に、前記第2実施例の説明に示した管状継手21の内面に貼り付けてある吸水膨張ファイバーfと同様の吸水膨張ファイバーfを、予め貼着してある構造としたものである。このような構造として実施してもよいものである。
【0037】
図10に示した筒体は、第4実施例の筒体であって、該筒体は、所要長さ11Aに形成した伸縮自在構造とした筒壁1の長手方向両端の所要長さ部分13A,13Aを、一般に知られた環状凹凸波形筒13,13に一体的に形成されている構造としたものである。本発明はこのようにして実施することもできるものである。
【0038】
図11乃至図13は、本発明の第5実施例を示したものであって、該実施例に示した筒体は、所要長さ11A部分を前記第1実施例や第2実施例に示した伸縮自在構造11とした筒壁1の長手方向の両端部分に、その一方(図において左側)14Aに雄側継手筒14を一体的に連結形成してある構造とし、他方15Aに雌側継手筒15を一体的に連結形成されてある構造とした筒体の実施例である。
【0039】
この実施例に示した雄側継手筒14は、他の雌側継手筒内に差し込むための差し込み筒iの外周部に突出形成した2つのリング状突出リブr,rの間に断面形状を横向きV字形とした水止用パッキングPを外嵌してあるものとし、他方の雌側継手筒15は、他の雄側継手筒を受け入れる内径とした受け入れ筒jの内部に、環状で一部を切断してC字形に形成してある係合リングRを内嵌させてある構造としてある。
【0040】
このような構造とした筒体を他の管体と接続する手段としては、図12に示したように、一端側(末端側)に前記雌側継手筒15と同形状とした雌側継手筒25Aを備えた管体25に、雄側継手筒15を挿入して連結すると共に、一端側(先端側)に前記雄側継手筒14と同形状とした雄側継手筒24Aを備えた別の管体24を、雌側継手筒15に挿入して連結する。このようにして図13に示したように左右2つの管体25,24の間に介在させて連結して使用することができるようにしたものである。なお、該第5実施例に示した筒体は、図11において左側に示した雄側継手筒14と、同右側に示した雌側継手筒15とを、互いに挿入可能な形状に形成してあるものとし、伸縮自在部分の伸縮調整に加えて、必要に応じて、同じ筒体を2個または3個連結して、連結管体25,24の長さを調節するのにも使用することができるようにしてある。
【0041】
以上本発明の代表的と思われる実施例について説明したが、本発明は必ずしもここに記載した実施例構造の筒体のみに限定されるものではなく、本発明にいう前記の構成要件を備え、本発明にいう目的を達成し、前記の効果を有する範囲内において適宜改変して実施することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明にいう地中管路形成筒材は、以上に説明したように、保管と運搬を嵩の低い状態で行い、配管現場においては、通常管のように伸長させた状態で、地形に沿わせた管路形成ができるものでありながら、伸縮変形が容易にでき、筒内へのケーブルの挿通に際しては、筒内部の厚肉部でケーブルの摩擦による摩損を負担させてケーブルの保護を安全にできる利点を備えているので、市場に供給された後は大いに普及するものと期待される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1実施例の筒体の伸長状態を示した一部縦断正面図。
【図2】同筒体の縮小状態を示した一部縦断正面図。
【図3】図1の縦断壁部分の拡大端面図。
【図4】図2の縦断壁部分の拡大端面図。
【図5】曲がり状態を示す例示図。
【図6】第2実施例の筒体を示す縦断正面図。
【図7】同筒体と他の管体との接続説明用分解縦断正面図。
【図8】同筒体と他の管体との接続状態を示す縦断正面図。
【図9】第3実施例の筒体を示す縦断正面図。
【図10】第4実施例の筒体を示す縦断正面図。
【図11】第5実施例の筒体を示す縦断正面図。
【図12】同筒体と他の管体との接続説明用分解縦断正面図。
【図13】同筒体と他の管体との接続状態を示す縦断正面図。
【符号の説明】
【0044】
1 筒壁
2 山頂部分
3 長尺側の傾斜壁
4 短尺側の傾斜壁
5 谷部分
6 ヒンジ部
11 中間部
12 螺旋凹凸波形筒
13 環状凹凸波形筒
14 雄側継手筒
15 雌側継手筒
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として電線や電話線若しくは光ケーブルのような通信ケーブルを内挿して保護するための地中管路を形成するケーブル保護管及びケーブル保護管用継手として使用するのに適した構造とした合成樹脂製の地中管路形成筒材に関するものである。
【0002】
より具体的には、筒材を構成する筒壁の全体または少なくとも一部が、筒軸方向に伸長した通常姿勢と筒軸方向に縮小した短縮姿勢との二つの安定した長さを自己保持できる構造とした筒体に関するものである。
【背景技術】
【0003】
従来から、電線や電話線若しくは光ケーブルのような地中埋設用のケーブルを内挿して保護するための地中管路形成筒材、殊にケーブル保護管は各種構造のものが実施されていて、その存在は一般にも知られている。
【0004】
他方、合成樹脂素材で形成した筒体であって、軸方向に伸長した通常姿勢と軸方向に縮小した短縮姿勢との二つの安定した長さを自己維持できる構造とした筒体は、例えば食品用としては飲料用ストローが一般に周知であり、食品用以外のものとしては布団乾燥機用の送風筒や洗濯機用の排水ホースが知られている。
【0005】
これらの筒体は、何れも筒壁の断面形状を略三角形状とし、一方の傾斜壁と他方の傾斜壁とが八の字形に離れた三角形状と、一方の傾斜壁と他方の傾斜壁とが接近して重なり合った重合状態とに変化させることができ、これら二つの状態を自己保持できるようになっている。
【0006】
このように筒壁を伸縮自在として、その伸長状態と縮小状態とを自己保持できるようにしたパイプは、例えば、特公昭56−45032号公報(特許文献1)や、特開平5−180377号公報(特許文献2)に見られるように、既に公知となっている。
【0007】
これらのうち、前者の文献には、軸方向に二つの安定した長さを有するパイプとして、
略三角波形を形成する隣接斜壁2,5のうち、一方の斜壁2において前記パイプ1の突出襞部3から少し離れた箇所に薄肉部分を設け、谷底部4又はこれに近い位置部分にも薄肉の部分を有せしめて…パイプ1の長短切換のための伸縮を容易に行なわせ得るようにしたパイプ構造が示されている。
【0008】
また、後者の文献には、電線保護管や上下水道管のように地中に埋設して使用する耐圧扁平性能を備えた合成樹脂管が示されていて、具体的には、硬質素材で形成した筒壁1の両傾斜壁3,4のうちの一方の傾斜壁3の山頂部2近く部分2aと、谷底部5または谷底部5近く部分5aとを、部分的に可撓性のある樹脂素材で形成することによって、可撓性のある樹脂素材部分を支点として一方の傾斜壁を他方の傾斜壁に近接する方向に移行させることができ、その姿勢を自己保持させることができるようにした地中埋設用の耐圧管が示されている。
【特許文献1】特公昭56−45032号公報
【特許文献2】特開平5−180377号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来技術としての前者のパイプは、パイプ壁に薄肉部分を形成することによって、この薄肉部分を利用して伸縮姿勢変更を行うようにしたものであり、また、後者の耐圧合成樹脂管にあっては、硬質素材で形成した筒壁の一部を部分的に可撓性のある樹脂素材で形成することによって、この可撓性のある樹脂素材部分を利用して伸縮姿勢変更を行うことができるようにしたものであるから、これらの従来技術として示されている技術の技術思想は、パイプ壁や筒壁の一部に、他の部分よりも曲がり易い部分を形成するという共通した思想に基づくものである。
【0010】
しかしながら、このように筒壁の一部に曲がり易い部分を形成することは、筒壁に耐圧変形強度に弱い部分を設けること、即ち、管軸方向に伸縮姿勢変更させるために耐圧扁平強度を犠牲にするという技術思想に基づいたものである。それ故に、耐圧扁平強度を強化するためには、曲がり易い部分を除くその他の部分を強化させなければならないという課題を有するものとなっている。
【0011】
本発明は、これらの従来技術が有するところの、管軸方向の長さを縮小させることができ、嵩を小さくすることによって保管スペースを小さくでき、輸送に当たっては嵩を小さくした長尺の管を輸送でき、地中への配管作業に当たっては、地形に沿わせた曲げ配管もできるという利点を享受することができるものでありながら、筒壁全体を強度のある素材で一体的に形成することができ、筒壁全体が部分的な脆弱部を有していないものとすることができるようにしたものである。
【0012】
更に、本発明は、内部にケーブルを挿通して保護させるのに好適な筒体であって、ケーブルの挿通時に生じるケーブルとの摩擦によって、筒壁が摩耗して破損するというような事態の生じることを管自体の構造によって回避することができるようにしたものである。
【0013】
換言すると、本発明は、地中に埋設したときには、従来の地中埋設用合成樹脂管が有していた土圧に対する耐圧変形強度と同様の耐圧変形強度を備えている管でありながら、保管時や輸送時にあっては、管の長さを短縮させて嵩を小さくして保管空間を小さくし、長尺の管を輸送することができ、地中への埋設配管に際しては、配管地の地形に合わせた曲げ配管ができる筒体でありながら、筒内へのケーブルの挿通に際しては、筒壁がケーブルとの摩擦によって摩耗し破損するようなことの生じにくい構造とした地中管路形成筒材を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
該目的を達成するための本発明の構成を、実施例に対応する図面に記載の符号を用いて説明すると、本発明にいうところの請求項1に記載の地中管路形成筒材の構成は、筒壁1の全体または少なくとも一部が、断面形状が略不等辺三角形状に形成されている合成樹脂製の筒材であって、該不等辺三角形状に形成されている筒壁1部分が、山頂部分2に続く左右の傾斜壁3,4が長短不等長に形成され、一方の長尺側傾斜壁3の谷部分5側の肉厚Tが他方の短尺側傾斜壁4の谷部分5側の肉厚tに比して厚肉に形成され、これらの長尺側傾斜壁3と短尺側傾斜壁4とが、断面視V字形に開いた離隔姿勢と、短尺側傾斜壁4が屈折自在としたヒンジ部6を介して長尺側傾斜壁3の上に折り重なった重畳姿勢とに変形可能に形成され、該ヒンジ部6が、管軸方向において、長尺側傾斜壁3における最小径部pの位置よりも短尺側傾斜壁4の方向に変位して形成され、前記離隔姿勢と重畳姿勢とを自己保持できる構成としたものである。
【0015】
また、本発明にいうところの請求項2に記載の地中管路形成筒材の構成は、筒壁1の長手方向の中間部11が、断面形状が略不等辺三角形状に形成されている合成樹脂製の筒材であって、該不等辺三角形状に形成されている筒壁1部分が、山頂部分2に続く左右の傾斜壁3,4が長短不等長に形成され、一方の長尺側傾斜壁3の谷部分5側の肉厚Tが他方の短尺側傾斜壁4の谷部分5側の肉厚tに比して厚肉に形成され、これらの長尺側傾斜壁3と短尺側傾斜壁4とが、断面視V字形に開いた離隔姿勢と、短尺側傾斜壁4が屈折自在としたヒンジ部6を介して長尺側傾斜壁3の上に折り重なった重畳姿勢とに変形可能に形成され、該ヒンジ部6が、管軸方向において、長尺側傾斜壁3における最小径部pの位置よりも短尺側傾斜壁4の方向に変位して形成され、前記離隔姿勢と重畳姿勢とを自己保持できる構造とされ、長手方向両端の所要長さ部分が、螺旋凹凸波形筒12,12に形成されている構成としたものである。
【0016】
また、請求項3に記載の地中管路形成筒材の構成は、筒壁1の長手方向の中間部11が、断面形状が略不等辺三角形状に形成されている合成樹脂製の筒材であって、該不等辺三角形状に形成されている筒壁1部分が、山頂部分2に続く左右の傾斜壁3,4が長短不等長に形成され、一方の長尺側傾斜壁3の谷部分5側の肉厚Tが他方の短尺側傾斜壁4の谷部分5側の肉厚tに比して厚肉に形成され、これらの長尺側傾斜壁3と短尺側傾斜壁4とが、断面視V字形に開いた離隔姿勢と、短尺側傾斜壁4が屈折自在としたヒンジ部6を介して長尺側傾斜壁3の上に折り重なった重畳姿勢とに変形可能に形成され、該ヒンジ部6が、管軸方向において、長尺側傾斜壁3における最小径部pの位置よりも短尺側傾斜壁4の方向に変位して形成され、前記離隔姿勢と重畳姿勢とを自己保持できる構造とされ、長手方向両端の所要長さ部分が、環状凹凸波形筒13,13に形成されている構成としたものである。
【0017】
更にまた、請求項4に記載の地中管路形成筒材の構成は、筒壁1の長手方向の中間部11が、断面形状が略不等辺三角形状に形成されている合成樹脂製の筒材であって、該不等辺三角形状に形成されている筒壁1部分が、山頂部分2に続く左右の傾斜壁3,4が長短不等長に形成され、一方の長尺側傾斜壁3の谷部分5側の肉厚Tが他方の短尺側傾斜壁4の谷部分5側の肉厚tに比して厚肉に形成され、これらの長尺側傾斜壁3と短尺側傾斜壁4とが、断面視V字形に開いた離隔姿勢と、短尺側傾斜壁4が屈折自在としたヒンジ部6を介して長尺側傾斜壁3の上に折り重なった重畳姿勢とに変形可能に形成され、該ヒンジ部6が、管軸方向において、長尺側傾斜壁3における最小径部pの位置よりも短尺側傾斜壁4の方向に変位して形成され、前記離隔姿勢と重畳姿勢とを自己保持できる構造とされ、長手方向の両端部分が、雄側継手筒14と雌側継手筒15に形成されている構成としたものである。
【0018】
以上のような構成とした本発明にいうところの地中管路形成筒材を実施するに当たっては、請求項5に記載したように、山頂部分2の肉厚を、長尺側傾斜壁3と短尺側傾斜壁4の肉厚よりも薄肉に形成してある構造として実施することが好ましい。
【0019】
また、請求項6に記載したように、山頂部分2の形状を、外周方向に向かって突出する円弧状に形成してある構造として実施することも好ましい。
【0020】
更に、請求項7に記載したように、長尺側傾斜壁3と短尺側傾斜壁4の肉厚を、山頂部分2から谷部分5に向けて順次厚肉となる形状に形成してある構造として実施することができる。
【0021】
更には、請求項8に記載したように、長尺側傾斜壁3と短尺側傾斜壁4とが、断面視V字形の離隔姿勢において、長尺側傾斜壁3の傾斜角に比して短尺側傾斜壁4の傾斜角が急角度となるように形成してある構造のものとして実施することもできる。
【0022】
更にはまた、請求項9に記載したように、不等辺三角形状に形成された筒壁1部分における長尺側傾斜壁3の最小径部pにおいて、肉厚が最大となる構造に形成されているものとして実施することもできる。
【0023】
本発明にいうところの筒体を形成する樹脂素材としては、所要の硬度を有する樹脂素材であれば特に限定されるものではないが、入手の容易さと、廉価さと、耐候性とを備え、経時劣化の少ない点で、ポリオレフィン系の樹脂が好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明にいうところの地中管路形成筒材は、筒壁を形成する略不等辺三角形状とした傾斜壁部分の長さを長短不等長に形成し、長尺側傾斜壁の谷部分側の肉厚Tを短尺側傾斜壁の谷部分側の肉厚tに比して厚肉に形成してあることと、屈折自在としたヒンジ部の位置を、管軸方向において、長尺側傾斜壁の最小径部pの位置よりも短尺側傾斜壁の方向に変位させてある構造としてあるので、、順次接続して長区間に渡って配管された管内に、長尺のケーブルを挿入配線する場合でも、挿通ケーブルとの摩擦によって摩耗の激しい管内小径部が容易には損傷することがなく、安全にケーブル保護をさせることができると同時に、前記ヒンジ部における短尺側傾斜壁の谷部分の肉厚tを小さくすることができるので、ヒンジ部における屈折が容易にでき、ひいては、筒体全体を縮小姿勢に加圧変形させる力を小さくできるという効果も期待できるに至ったのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
図1乃至図5は、本発明の第一実施例の地中管路形成筒材を示す図であって、図1は伸長状態とした筒壁の一部縦断面図、図2は同管の縮小状態とした筒壁の一部縦断面図、図3は図1の伸長状態とした筒壁の拡大端面図、図4は図2の縮小状態とした筒壁の拡大端面図、図5は曲げ姿勢とした状態の一例を示す図である。
【0026】
該実施例に示した地中管路形成筒材は、合成樹脂素材の一例としてポリプロピレン樹脂を円筒形状とした樹脂押し出し機のダイから移動金型の内部にチューブを押し出し、チューブ内に空気を吹き込んでチューブを膨張させて金型の内面に押し付けて成型する周知のブロー成形手段を用いて成型した樹脂管体である。
【0027】
該実施例に示した地中管路形成筒材は、図1及び図3に示したように、筒壁1の断面形状を、図示のように、筒壁1の山頂部分2に続く左右の傾斜壁3,4の長さを長短のある不等辺三角形状に形成してある管体である。
【0028】
而して、これら左右の傾斜壁3,4を山頂部分2側から谷部分5側に向かって順次厚肉となる形状とし、かつ、片側の長尺側傾斜壁3を他方の短尺側傾斜壁4に比して、図3に見られるように、傾斜角αを緩く、平均肉厚を厚くし、逆に、他方の短尺側傾斜壁4を片側の長尺側傾斜壁3に比して、傾斜角βを急角度にするとともに、平均肉厚を薄くしてある。
【0029】
また、図3に示したように、片側の長尺側傾斜壁3における谷部分5側の、管周方向の肉厚Tを、他方の短尺側傾斜壁4における谷部分5側の、管周方向の肉厚tと比較して厚肉に形成してあり、この長尺側傾斜壁3の厚肉部Tに対して短尺側傾斜壁4の薄肉部tが曲がり変形し易くしてある。更に、これら長尺側傾斜壁3と短尺側傾斜壁4との外周面側の交差部分をヒンジ部6とし、即ち、これら両傾斜壁3,4が、図1,3に示した断面視V字形に開いた離隔姿勢から、短尺側傾斜壁4が長尺側傾斜壁3の外周面側に接近して折り重なった重畳姿勢に姿勢変形するときの屈曲支点となるようにするとともに、該ヒンジ部6の管軸方向における位置を、長尺側傾斜壁3における最小径部pの位置よりも短尺側傾斜壁4の方向に少し偏った位置としてある。また、この最小径部Pにおいて肉厚が最大となるようにして内面における耐耗性を最大限に向上させてある。
【0030】
このようにすることによって、ヒンジ部6を屈曲支点として短尺側傾斜壁4が長尺側傾斜壁3の外周面側に接近して折り重なる姿勢に変形し易くしてある。また、その逆に、この短尺側傾斜壁4が長尺側傾斜壁3の外周面側から離れて断面視V字形に開いた離隔姿勢に変化する姿勢への変形もし易くできるようにしてある。
【0031】
更に、これら長尺側傾斜壁3と短尺側傾斜壁4とが交差する山頂部分2においても、その肉厚を両傾斜壁3,4の平均肉厚よりも薄肉に形成するとともに、該山頂部分2の形状を半円弧状に形成してある。このことによっても、短尺側傾斜壁4と長尺側傾斜壁3との接近姿勢への変形移行と、その逆に、この短尺側傾斜壁4が長尺側傾斜壁3の外周面側から離れて断面視V字形に開いた離隔姿勢への変形移行とが、より一層容易にできるようにしてある。
【0032】
該実施例に示した地中管路形成筒材は、筒壁1の全体、または後の実施例に示すように筒壁1の一部を長尺側傾斜壁3と短尺側傾斜壁4との離隔姿勢と重畳姿勢とに変形させることができるようにし、かつ、管軸方向への圧縮力や引っ張り力等の外力を加えない限りその状態、即ち、離隔姿勢と重畳姿勢とを自己保持できるようにしたものであるから、地中に埋設して地中管路を形成するに際して、必要に応じて筒壁1に曲げ力を与える。例えば図5に例示したように、筒壁1の一方Bを図1のような伸張姿勢とさせたまま、筒壁1の他方Sを図2のように縮小姿勢に変化させることによって、曲げ配管とすることができるものとしてある。
【0033】
図6乃至図8は、本発明の第2実施例を示したものであって、該実施例に示した筒体は、所要長さ11A部分を前記第1実施例に示した伸縮自在構造11とした筒壁1の長手方向両端の所要長さ部分12A,12Aを、一般にみられる螺旋凹凸波形筒12,12に一体的に形成されている構造としたものである。
【0034】
このような構造とした筒体を他の管体と接続する手段としては、図7に示したように、前記螺旋凹凸波形筒12,12と同形に形成した他の螺旋管22,22とを突き合わせ状とし、これらの管体部分12,22を連結する管継手によって連結すればよい。
【0035】
図7では、この管継手の例として、これらの管体部分12,22を外嵌する内径を備えた管状継手21,21で接続する手段を示してある。また、この図7に示した管状継手21は、その内面に、吸水すると体積膨張して止水効果を発揮する吸水膨張ファイバーfを貼り付けてある継手を示してある。この継手21を用いて、2つの螺旋管22,22の中間に該実施例の筒体とを一連に連結した状態を図8に示してある。
【0036】
図9は、第3実施例の筒体を示したものであって、該筒体は、前記第2実施例に示した筒体の左右両端部分に一体的に連結されている螺旋凹凸波形筒12,12の外周面に、前記第2実施例の説明に示した管状継手21の内面に貼り付けてある吸水膨張ファイバーfと同様の吸水膨張ファイバーfを、予め貼着してある構造としたものである。このような構造として実施してもよいものである。
【0037】
図10に示した筒体は、第4実施例の筒体であって、該筒体は、所要長さ11Aに形成した伸縮自在構造とした筒壁1の長手方向両端の所要長さ部分13A,13Aを、一般に知られた環状凹凸波形筒13,13に一体的に形成されている構造としたものである。本発明はこのようにして実施することもできるものである。
【0038】
図11乃至図13は、本発明の第5実施例を示したものであって、該実施例に示した筒体は、所要長さ11A部分を前記第1実施例や第2実施例に示した伸縮自在構造11とした筒壁1の長手方向の両端部分に、その一方(図において左側)14Aに雄側継手筒14を一体的に連結形成してある構造とし、他方15Aに雌側継手筒15を一体的に連結形成されてある構造とした筒体の実施例である。
【0039】
この実施例に示した雄側継手筒14は、他の雌側継手筒内に差し込むための差し込み筒iの外周部に突出形成した2つのリング状突出リブr,rの間に断面形状を横向きV字形とした水止用パッキングPを外嵌してあるものとし、他方の雌側継手筒15は、他の雄側継手筒を受け入れる内径とした受け入れ筒jの内部に、環状で一部を切断してC字形に形成してある係合リングRを内嵌させてある構造としてある。
【0040】
このような構造とした筒体を他の管体と接続する手段としては、図12に示したように、一端側(末端側)に前記雌側継手筒15と同形状とした雌側継手筒25Aを備えた管体25に、雄側継手筒15を挿入して連結すると共に、一端側(先端側)に前記雄側継手筒14と同形状とした雄側継手筒24Aを備えた別の管体24を、雌側継手筒15に挿入して連結する。このようにして図13に示したように左右2つの管体25,24の間に介在させて連結して使用することができるようにしたものである。なお、該第5実施例に示した筒体は、図11において左側に示した雄側継手筒14と、同右側に示した雌側継手筒15とを、互いに挿入可能な形状に形成してあるものとし、伸縮自在部分の伸縮調整に加えて、必要に応じて、同じ筒体を2個または3個連結して、連結管体25,24の長さを調節するのにも使用することができるようにしてある。
【0041】
以上本発明の代表的と思われる実施例について説明したが、本発明は必ずしもここに記載した実施例構造の筒体のみに限定されるものではなく、本発明にいう前記の構成要件を備え、本発明にいう目的を達成し、前記の効果を有する範囲内において適宜改変して実施することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明にいう地中管路形成筒材は、以上に説明したように、保管と運搬を嵩の低い状態で行い、配管現場においては、通常管のように伸長させた状態で、地形に沿わせた管路形成ができるものでありながら、伸縮変形が容易にでき、筒内へのケーブルの挿通に際しては、筒内部の厚肉部でケーブルの摩擦による摩損を負担させてケーブルの保護を安全にできる利点を備えているので、市場に供給された後は大いに普及するものと期待される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1実施例の筒体の伸長状態を示した一部縦断正面図。
【図2】同筒体の縮小状態を示した一部縦断正面図。
【図3】図1の縦断壁部分の拡大端面図。
【図4】図2の縦断壁部分の拡大端面図。
【図5】曲がり状態を示す例示図。
【図6】第2実施例の筒体を示す縦断正面図。
【図7】同筒体と他の管体との接続説明用分解縦断正面図。
【図8】同筒体と他の管体との接続状態を示す縦断正面図。
【図9】第3実施例の筒体を示す縦断正面図。
【図10】第4実施例の筒体を示す縦断正面図。
【図11】第5実施例の筒体を示す縦断正面図。
【図12】同筒体と他の管体との接続説明用分解縦断正面図。
【図13】同筒体と他の管体との接続状態を示す縦断正面図。
【符号の説明】
【0044】
1 筒壁
2 山頂部分
3 長尺側の傾斜壁
4 短尺側の傾斜壁
5 谷部分
6 ヒンジ部
11 中間部
12 螺旋凹凸波形筒
13 環状凹凸波形筒
14 雄側継手筒
15 雌側継手筒
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒壁(1)の全体または少なくとも一部が、断面形状が略不等辺三角形状に形成されている合成樹脂製の筒材であって、該不等辺三角形状に形成されている筒壁(1)部分が、山頂部分(2)に続く左右の傾斜壁(3),(4)が長短不等長に形成され、一方の長尺側傾斜壁(3)の谷部分(5)側の肉厚(T)が他方の短尺側傾斜壁(4)の谷部分(5)側の肉厚(t)に比して厚肉に形成され、これらの長尺側傾斜壁(3)と短尺側傾斜壁(4)とが、断面視V字形に開いた離隔姿勢と、短尺側傾斜壁(4)が屈折自在としたヒンジ部(6)を介して長尺側傾斜壁(3)の上に折り重なった重畳姿勢とに変形可能に形成され、該ヒンジ部(6)が、管軸方向において、長尺側傾斜壁(3)における最小径部(p)の位置よりも短尺側傾斜壁(4)の方向に変位して形成され、前記離隔姿勢と重畳姿勢とを自己保持できる構造とされている地中管路形成筒材。
【請求項2】
筒壁(1)の長手方向の中間部(11)が、断面形状が略不等辺三角形状に形成されている合成樹脂製の筒材であって、該不等辺三角形状に形成されている筒壁(1)部分が、山頂部分(2)に続く左右の傾斜壁(3),(4)が長短不等長に形成され、一方の長尺側傾斜壁(3)の谷部分(5)側の肉厚(T)が他方の短尺側傾斜壁(4)の谷部分(5)側の肉厚(t)に比して厚肉に形成され、これらの長尺側傾斜壁(3)と短尺側傾斜壁(4)とが、断面視V字形に開いた離隔姿勢と、短尺側傾斜壁(4)が屈折自在としたヒンジ部(6)を介して長尺側傾斜壁(3)の上に折り重なった重畳姿勢とに変形可能に形成され、該ヒンジ部(6)が、管軸方向において、長尺側傾斜壁(3)における最小径部(p)の位置よりも短尺側傾斜壁(4)の方向に変位して形成され、前記離隔姿勢と重畳姿勢とを自己保持できる構造とされ、長手方向両端の所要長さ部分が、螺旋凹凸波形筒(12),(12)に形成されている地中管路形成筒材。
【請求項3】
筒壁(1)の長手方向の中間部(11)が、断面形状が略不等辺三角形状に形成されている合成樹脂製の筒材であって、該不等辺三角形状に形成されている筒壁(1)部分が、山頂部分(2)に続く左右の傾斜壁(3),(4)が長短不等長に形成され、一方の長尺側傾斜壁(3)の谷部分(5)側の肉厚(T)が他方の短尺側傾斜壁(4)の谷部分(5)側の肉厚(t)に比して厚肉に形成され、これらの長尺側傾斜壁(3)と短尺側傾斜壁(4)とが、断面視V字形に開いた離隔姿勢と、短尺側傾斜壁(4)が屈折自在としたヒンジ部(6)を介して長尺側傾斜壁(3)の上に折り重なった重畳姿勢とに変形可能に形成され、該ヒンジ部(6)が、管軸方向において、長尺側傾斜壁(3)における最小径部(p)の位置よりも短尺側傾斜壁(4)の方向に変位して形成され、前記離隔姿勢と重畳姿勢とを自己保持できる構造とされ、長手方向両端の所要長さ部分が、環状凹凸波形筒(13),(13)に形成されている地中管路形成筒材。
【請求項4】
筒壁(1)の長手方向の中間部(11)が、断面形状が略不等辺三角形状に形成されている合成樹脂製の筒材であって、該不等辺三角形状に形成されている筒壁(1)部分が、山頂部分(2)に続く左右の傾斜壁(3),(4)が長短不等長に形成され、一方の長尺側傾斜壁(3)の谷部分(5)側の肉厚(T)が他方の短尺側傾斜壁(4)の谷部分(5)側の肉厚(t)に比して厚肉に形成され、これらの長尺側傾斜壁(3)と短尺側傾斜壁(4)とが、断面視V字形に開いた離隔姿勢と、短尺側傾斜壁(4)が屈折自在としたヒンジ部(6)を介して長尺側傾斜壁(3)の上に折り重なった重畳姿勢とに変形可能に形成され、該ヒンジ部(6)が、管軸方向において、長尺側傾斜壁(3)における最小径部(p)の位置よりも短尺側傾斜壁(4)の方向に変位して形成され、前記離隔姿勢と重畳姿勢とを自己保持できる構造とされ、長手方向の両端部分が、雄側継手筒(14)と雌側継手筒(15)に形成されている地中管路形成筒材。
【請求項5】
不等辺三角形状に形成された筒壁(1)部分における山頂部分(2)の肉厚が、長尺側傾斜壁(3)と短尺側傾斜壁(4)の肉厚よりも薄肉に形成されている請求項1乃至4の何れかに記載の地中管路形成筒材。
【請求項6】
不等辺三角形状に形成された筒壁(1)部分における山頂部分(2)の形状が、外周方向に向かって突出する円弧状に形成されている請求項1乃至5の何れかに記載の地中管路形成筒材。
【請求項7】
不等辺三角形状に形成された筒壁(1)部分における長尺側傾斜壁(3)と短尺側傾斜壁(4)の肉厚が、山頂部分(2)から谷部分(5)に向けて順次厚肉となる形状に形成されている請求項1乃至6の何れかに記載の地中管路形成筒材。
【請求項8】
不等辺三角形状に形成された筒壁(1)部分における長尺側傾斜壁(3)と短尺側傾斜壁(4)とが、断面視V字形の離隔姿勢において、長尺側傾斜壁(3)の傾斜角に比して短尺側傾斜壁(4)の傾斜角が急角度となるように形成されている請求項1乃至7の何れかに記載の地中管路形成筒材。
【請求項9】
不等辺三角形状に形成された筒壁(1)部分における長尺側傾斜壁(3)の最小径部(p)において、肉厚が最大となる構造に形成されている請求項1乃至8の何れかに記載の地中管路形成筒材。
【請求項1】
筒壁(1)の全体または少なくとも一部が、断面形状が略不等辺三角形状に形成されている合成樹脂製の筒材であって、該不等辺三角形状に形成されている筒壁(1)部分が、山頂部分(2)に続く左右の傾斜壁(3),(4)が長短不等長に形成され、一方の長尺側傾斜壁(3)の谷部分(5)側の肉厚(T)が他方の短尺側傾斜壁(4)の谷部分(5)側の肉厚(t)に比して厚肉に形成され、これらの長尺側傾斜壁(3)と短尺側傾斜壁(4)とが、断面視V字形に開いた離隔姿勢と、短尺側傾斜壁(4)が屈折自在としたヒンジ部(6)を介して長尺側傾斜壁(3)の上に折り重なった重畳姿勢とに変形可能に形成され、該ヒンジ部(6)が、管軸方向において、長尺側傾斜壁(3)における最小径部(p)の位置よりも短尺側傾斜壁(4)の方向に変位して形成され、前記離隔姿勢と重畳姿勢とを自己保持できる構造とされている地中管路形成筒材。
【請求項2】
筒壁(1)の長手方向の中間部(11)が、断面形状が略不等辺三角形状に形成されている合成樹脂製の筒材であって、該不等辺三角形状に形成されている筒壁(1)部分が、山頂部分(2)に続く左右の傾斜壁(3),(4)が長短不等長に形成され、一方の長尺側傾斜壁(3)の谷部分(5)側の肉厚(T)が他方の短尺側傾斜壁(4)の谷部分(5)側の肉厚(t)に比して厚肉に形成され、これらの長尺側傾斜壁(3)と短尺側傾斜壁(4)とが、断面視V字形に開いた離隔姿勢と、短尺側傾斜壁(4)が屈折自在としたヒンジ部(6)を介して長尺側傾斜壁(3)の上に折り重なった重畳姿勢とに変形可能に形成され、該ヒンジ部(6)が、管軸方向において、長尺側傾斜壁(3)における最小径部(p)の位置よりも短尺側傾斜壁(4)の方向に変位して形成され、前記離隔姿勢と重畳姿勢とを自己保持できる構造とされ、長手方向両端の所要長さ部分が、螺旋凹凸波形筒(12),(12)に形成されている地中管路形成筒材。
【請求項3】
筒壁(1)の長手方向の中間部(11)が、断面形状が略不等辺三角形状に形成されている合成樹脂製の筒材であって、該不等辺三角形状に形成されている筒壁(1)部分が、山頂部分(2)に続く左右の傾斜壁(3),(4)が長短不等長に形成され、一方の長尺側傾斜壁(3)の谷部分(5)側の肉厚(T)が他方の短尺側傾斜壁(4)の谷部分(5)側の肉厚(t)に比して厚肉に形成され、これらの長尺側傾斜壁(3)と短尺側傾斜壁(4)とが、断面視V字形に開いた離隔姿勢と、短尺側傾斜壁(4)が屈折自在としたヒンジ部(6)を介して長尺側傾斜壁(3)の上に折り重なった重畳姿勢とに変形可能に形成され、該ヒンジ部(6)が、管軸方向において、長尺側傾斜壁(3)における最小径部(p)の位置よりも短尺側傾斜壁(4)の方向に変位して形成され、前記離隔姿勢と重畳姿勢とを自己保持できる構造とされ、長手方向両端の所要長さ部分が、環状凹凸波形筒(13),(13)に形成されている地中管路形成筒材。
【請求項4】
筒壁(1)の長手方向の中間部(11)が、断面形状が略不等辺三角形状に形成されている合成樹脂製の筒材であって、該不等辺三角形状に形成されている筒壁(1)部分が、山頂部分(2)に続く左右の傾斜壁(3),(4)が長短不等長に形成され、一方の長尺側傾斜壁(3)の谷部分(5)側の肉厚(T)が他方の短尺側傾斜壁(4)の谷部分(5)側の肉厚(t)に比して厚肉に形成され、これらの長尺側傾斜壁(3)と短尺側傾斜壁(4)とが、断面視V字形に開いた離隔姿勢と、短尺側傾斜壁(4)が屈折自在としたヒンジ部(6)を介して長尺側傾斜壁(3)の上に折り重なった重畳姿勢とに変形可能に形成され、該ヒンジ部(6)が、管軸方向において、長尺側傾斜壁(3)における最小径部(p)の位置よりも短尺側傾斜壁(4)の方向に変位して形成され、前記離隔姿勢と重畳姿勢とを自己保持できる構造とされ、長手方向の両端部分が、雄側継手筒(14)と雌側継手筒(15)に形成されている地中管路形成筒材。
【請求項5】
不等辺三角形状に形成された筒壁(1)部分における山頂部分(2)の肉厚が、長尺側傾斜壁(3)と短尺側傾斜壁(4)の肉厚よりも薄肉に形成されている請求項1乃至4の何れかに記載の地中管路形成筒材。
【請求項6】
不等辺三角形状に形成された筒壁(1)部分における山頂部分(2)の形状が、外周方向に向かって突出する円弧状に形成されている請求項1乃至5の何れかに記載の地中管路形成筒材。
【請求項7】
不等辺三角形状に形成された筒壁(1)部分における長尺側傾斜壁(3)と短尺側傾斜壁(4)の肉厚が、山頂部分(2)から谷部分(5)に向けて順次厚肉となる形状に形成されている請求項1乃至6の何れかに記載の地中管路形成筒材。
【請求項8】
不等辺三角形状に形成された筒壁(1)部分における長尺側傾斜壁(3)と短尺側傾斜壁(4)とが、断面視V字形の離隔姿勢において、長尺側傾斜壁(3)の傾斜角に比して短尺側傾斜壁(4)の傾斜角が急角度となるように形成されている請求項1乃至7の何れかに記載の地中管路形成筒材。
【請求項9】
不等辺三角形状に形成された筒壁(1)部分における長尺側傾斜壁(3)の最小径部(p)において、肉厚が最大となる構造に形成されている請求項1乃至8の何れかに記載の地中管路形成筒材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−236976(P2008−236976A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−76471(P2007−76471)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(000221502)東拓工業株式会社 (61)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(000221502)東拓工業株式会社 (61)
【Fターム(参考)】
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