説明

地図データ提供システム

【課題】ユーザ毎に必要な範囲の地図データを効率的にナビゲーション装置にインストールする。
【解決手段】地図データ提供装置は、販売店などに設置された地図データインストール端末装置と通信可能に構成されている。通信型ナビゲーション装置のユーザは、販売店などを訪れて、地図データのプリインストール処理を行う。地図データインストール端末装置から、基準点のデータが送信されると、基準点に基づいて、不要メッシュを含まない所定枚数のメッシュが決定され、それらに対応する地図データが取得されて、通信手段により地図データインストール端末装置へ送信される。販売店などにおいては、地図データ提供装置から取得した地図データが通信型ナビゲーション装置へインストールされることになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信型ナビゲーション装置の技術分野に属し、特にナビゲーション装置の初期設定時に行われる地図データのプリインストール処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置においては、地図データはCD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)又はDVD−ROM(DVD-Read Only Memory)などの地図データ記録媒体に記憶されているものが使用されていた。即ち、ナビゲーション装置は、CD−ROMやDVD−ROMなどの地図データ記録媒体のドライブユニットを備え、車両の移動に応じて車両の現在位置付近の地図データを地図データ記録媒体から読み出し、車両の運転席付近に取り付けられた液晶モニタなどに表示していた。
【0003】
しかし、地図データの供給源をそのような記録媒体とすると、地図データの更新が頻繁に行えないという問題が生じる。地図データは、高速道路などの新たな道路網の整備などに応じて更新される。また、ナビゲーション装置において使用される地図データには、道路データの他に、付近の施設や店舗(例えば、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド)などの情報が含められている。最近では、比較的頻繁に新しい店舗ができたり、古い店舗が無くなったりする傾向があるので、常に最新の情報を得ようとすれば、頻繁に地図データ記録媒体を買い換える必要があり、これはユーザにとっては負担となる。また、地図データ記録媒体は、例えば半年、1年といったある周期毎に新版が発売されるので、たとえ毎回最新のものを購入したとしても現実の店舗の更新などには追いつけないことが多い。
【0004】
また、最近ではナビゲーション装置の高機能化に伴って、地図データに含められる道路データ以外の付随的データのデータが増加、複雑化する傾向もあり、例えば高度な経路検索や経路誘導を行うためにナビゲーション装置に高速処理が可能なマイクロプロセッサを搭載する必要が出てくる。これは、装置規模やコストの増大を招く。
【0005】
このような問題を解決するために、最近では通信型ナビゲーションシステムが提案されている。この通信型ナビゲーションシステムでは、車両に搭載されたナビゲーション装置と通信ネットワーク上の地図データ提供センタとの間で双方向の無線通信を利用し、地図データ提供センタから車両上のナビゲーション装置へ地図データを送信する。ナビゲーション装置は、受信した地図データを例えばハードディスクなどの記憶媒体上に記憶し、その地図データを使用して地図表示や経路案内などを行う。このような通信型ナビゲーション装置の例は、特許文献1及び2などに記載されている。
【0006】
このような通信型ナビゲーションシステムによれば、地図データ提供センタ側の地図データベースを更新すれば、ユーザは通信により常にその最新の地図データを利用することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−262495号公報
【特許文献2】特開平10−96644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、地図データ提供センタと通信して地図データを取得する際には、通信費用が発生し、これは通常はユーザ側の負担となる。従って、通信型ナビゲーション装置においてユーザが利用する地図データを全て通信により取得するとすれば、その費用はユーザにとってかなりの負担となる場合がある。
【0009】
本発明は、以上のような通信型ナビゲーション装置において、ユーザ毎に必要な範囲の地図データを効率的にナビゲーション装置にインストールする手法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の観点では、通信型ナビゲーション装置のための地図データインストール端末装置と通信手段を介して通信可能に構成された地図データ提供装置において、前記地図データインストール端末から、基準点を示す基準点データを受信する受信手段と、前記基準点データに基づいて、不要メッシュを含まない所定枚数のメッシュに対応する地図データを取得する地図データ取得手段と、取得された地図データを前記地図データインストール端末に送信する送信手段と、を備える。
【0011】
上記の地図データ提供装置は、販売店などに設置された地図データインストール端末装置と通信可能に構成されている。通信型ナビゲーション装置のユーザは、販売店などを訪れて、地図データのプリインストール処理を行う。地図データインストール端末装置から、基準点のデータが送信されると、基準点に基づいて、不要メッシュを含まない所定枚数のメッシュが決定され、それらに対応する地図データが取得されて、通信手段により地図データインストール端末装置へ送信される。販売店などにおいては、地図データ提供装置から取得した地図データが通信型ナビゲーション装置へインストールされることになる。
【0012】
上記地図データ提供装置の一態様では、前記地図データ取得手段は、前記基準点データに基づいて、前記所定枚数のメッシュを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された所定枚数のメッシュに含まれる不要メッシュを検出し、他のメッシュに置換する置換手段と、を備える。
【0013】
この態様によれば、基準点データに基づいて、まず所定枚数のメッシュが選択され、その内に不要メッシュが含まれるか否かが判定される。いくつかの不要メッシュが検出されると、それらは他のメッシュに置換され、結果的に不要メッシュを含まない所定枚数のメッシュについての地図データが地図データインストール端末装置へ提供される。
【0014】
上記地図データ提供装置のさらに他の一態様では、前記置換手段は、検出された不要メッシュを、前記基準点を基準として、当該検出された不要メッシュと反対方向に位置する他のメッシュに置換する。
【0015】
この態様によれば、不要メッシュが検出された場合には、その付近には不要メッシュが存在する可能性が比較的高いので、基準点を基準としてその不要メッシュと反対方向のメッシュに置換が行われる。
【0016】
上記地図データ提供装置のさらに他の一態様では、前記置換手段は、検出された不要メッシュを、前記選択手段により既に選択されたメッシュに隣接する他のメッシュに置換する。
【0017】
この態様によれば、置換により得られるメッシュは、既に選択されたメッシュに隣接することになり、上下又は左右方向に連続したメッシュの地図データを取得することができる。
【0018】
上記地図データ提供手段のさらに他の一態様では、前記置換手段は、置換した前記他のメッシュが不要メッシュである場合には、当該他のメッシュをさらに他のメッシュに置換する。
【0019】
この態様によれば、所定枚数のメッシュが不要メッシュを含まなくなるまで置換が行われるので、有効な地図データのみが地図データインストール端末装置へ提供される。
【0020】
上記地図データ提供装置のさらに他の一態様では、前記地図データ取得手段は、前記基準点データに基づいて、1枚のメッシュを選択する選択手段と、前記1枚のメッシュが不要メッシュであるか否かを判定し、不要メッシュでないメッシュを保持する保持手段と、保持されたメッシュが前記所定枚数に達するまで前記選択手段によるメッシュの選択及び前記保持手段による判定を行わせる手段と、を備える。
【0021】
この態様によれば、基準点を基にして1枚ずつメッシュが選択され、それが不要メッシュでないかが判定される。不要メッシュでない場合は、そのメッシュは有効なものとして採用され、不要メッシュである場合は、そのメッシュは採用されず次の1枚のメッシュが取得される。こうして、不要メッシュを含まない所定枚数のメッシュが得られるまで、選択及び判定が行われ、最終的には不要メッシュを含まない所定枚数のメッシュに対応する地図データが地図データインストール端末装置へ提供される。
【0022】
上記地図データ提供装置のさらに他の一態様では、前記選択手段は、前記基準点を中心として時計回り又は反時計回りに順に前記1枚のメッシュを選択する。
【0023】
この態様によれば、基準点を中心として連続的な地図データが取得される。
【0024】
上記地図データ提供装置のさらに他の一態様では、各メッシュに対応する前記地図データは道路データと付随データとにより構成されるデータ構造を有し、前記不要メッシュは、対応する地図データが道路データを含まないメッシュとする。
【0025】
この態様では、地図データの内容を判定することにより容易に不要メッシュを判別することができる。
【0026】
上記地図データ提供装置のさらに他の一態様では、前記不要メッシュは、当該メッシュに対応する地図上の地域全体が山林地域又は水域に属するメッシュとする。
【0027】
この態様によれば、ナビゲーション装置が車両用である場合に、車両が移動することが考えられない地域の地図データを排除することができる。
【0028】
上記地図データ提供装置のさらに他の一態様では、前記不要メッシュは、当該メッシュに対応する実体データが用意されていないメッシュとすることができる。
【0029】
この態様によれば、山林地域や水域などの地域について、予め地図データの実体が用意されていないような場合には、そのような地域の地図データは除外される。
【0030】
上記地図データ提供装置のさらに他の一態様では、前記所定枚数は、前記通信型ナビゲーション装置内のプリインストール用地図データ記憶ユニットの容量により定められる。
【0031】
この態様によれば、通信型ナビゲーション装置のプリインストール用地図データ記憶ユニットに記憶できる範囲内で出来る限り広範囲の地図データが提供される。
【0032】
上記地図データ提供装置のさらに他の一態様では、前記所定枚数は、前記基準点を中心として、予め決定された距離範囲内の地域に対応するメッシュの枚数とすることができる。
【0033】
この態様によれば、基準点から予め決定された距離範囲内で、有効な地図データのみが提供される。
【0034】
本発明の他の観点では、上述の地図データ提供装置と通信可能に構成された地図データインストール端末において、前記基準点データを前記地図データ提供装置に送信する手段と、前記地図データ提供装置から受信した地図データを、前記ナビゲーション装置に装着可能な記憶媒体に記憶する手段と、を備える。
【0035】
上記の地図データインストール端末によれば、基準点データを地図データ提供装置に送信し、基準点データに基づいて所定枚数のメッシュに対応する有効な地図データのみが、記憶媒体の形態で取得できる。ユーザは、地図データの入った記憶媒体を通信型ナビゲーション装置に挿入すれば、所定範囲の地図データをプリインストールすることができる。
【0036】
本発明の他の観点では、上述の地図データ提供装置と通信可能に構成された地図データインストール端末において、前記基準点データを前記地図データ提供装置に送信する手段と、前記地図データ提供装置から受信した地図データを、通信手段を通じて前記ナビゲーション装置に送信する手段と、を備える。
【0037】
上記の地図データインストール端末によれば、基準点データを地図データ提供装置に送信し、基準点データに基づいて所定枚数のメッシュに対応する有効な地図データのみが受信されて、これを通信により通信型ナビゲーション装置にプリインストールすることができる。
【0038】
本発明のさらに他の観点では、通信型ナビゲーション装置において、地図データを記憶するデータ記憶ユニットと、上記の地図データ提供装置から提供された地図データを、プリインストール用地図データとして前記データ記憶ユニットに保存する手段と、地図データ提供装置と通信することにより、地図データを取得して、前記データ記憶ユニットに保存する手段と、を備える。
【0039】
上記の通信型ナビゲーション装置によれば、地図データ提供装置から提供された地図データは、プリインストール用地図データとしてデータ記憶ユニットに保存される。また、移動体の移動中に通信により取得された地図データは、逐次データ記憶ユニットに保存される。よって、装置の導入時にはある程度の範囲の地図データをプリインストールしておき、その後は必要に応じて通信により地図データが取得されるので、通信費を節約して効率的に地図データを取得することができる。
【発明の効果】
【0040】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザ毎に必要な地図データを効率的にプリインストールすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態にかかる通信型ナビゲーション装置の利用状況を模式的に示す図である。
【図2】図1に示す通信型ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図3】プリインストール処理を実行するためのシステムの構成を概略的に示す。
【図4】ある地域を複数のメッシュに区分した状態を概略的に示す。
【図5】地図データ(メッシュデータ)の構成を示す。
【図6】第1のプリインストール方法のフローチャートである。
【図7】プリインストール用メッシュデータの決定例を示す。
【図8】第2のプリインストール方法のフローチャートである。
【図9】第2のプリインストール方法におけるメッシュの選択順を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
通信型ナビゲーション装置においては、基本的に地図データを通信により取得するが、装置の導入時などにおいては、比較的多量のデータを用意する必要があり、これを全て通信により行うとすれば、ユーザの通信費用の負担が大きくなる。そこで、本発明においては、ある程度の基本的な地図データは最初に装置側の地図データ記憶媒体に予め記憶させておき(以下、この処理を「プリインストール」とも呼ぶ。)、その後は必要に応じて、地図データ提供センタに接続して、必要な地図データを取得するという効率的な方法を採用する。
【0043】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、以下の説明は、本発明を車両用の通信型ナビゲーション装置(以下、単に「ナビゲーション装置」という。)に適用した例を示す。
【0044】
[1]ナビゲーション装置
図1に、本発明の実施形態にかかるナビゲーション装置の利用状況を模式的に示す。図1において、ナビゲーション装置7は車両5に搭載されている。ナビゲーション装置7は、複数の衛星4からの電波を受信することにより、自車位置を測位する。また、ナビゲーション装置7は通信機能を利用して地図データ提供センタ6に接続し、地図データをダウンロードして内部の地図データ記憶ユニットに記憶する。車両の進行に伴って、地図データ提供センタ6から必要な地図データを取得することにより、経路誘導や経路案内などの機能を実行することができる。
【0045】
図2に、ナビゲーション装置7の構成を示す。図2に示すように、ナビゲーション装置7は、自立測位装置10、GPS受信器18、システムコントローラ20、CD−ROMドライブ31、DVD−ROMドライブ32、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60を備えて構成されている。
【0046】
自立測位装置10は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13を含んで構成されている。加速度センサ11は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ12は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。
【0047】
距離センサ13は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号なる車速パルスを計測する。
【0048】
GPS受信器18は、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられるべき複数のGPS衛星からの測位用のデータを含む下り回線データを搬送する電波19を受信する部分である。
【0049】
システムコントローラ20は、インタフェース21、CPU(Central Processing Unit)22、ROM(Read Only Memory)23及びRAM(Random Access Memory)24を含んでおり、ナビゲーション装置7全体の制御を行うように構成されている。
【0050】
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13並びにGPS受信器18とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルスの他、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、GPS測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ20に入力する。CPU22は、システムコントローラ20全体を制御する。ROM23は、システムコントローラ20を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置60を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。
【0051】
システムコントローラ20、CD−ROMドライブ31、DVD−ROMドライブ32、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60は、バスライン30を介して相互に接続されている。
【0052】
CD−ROMドライブ31及びDVD−ROMドライブ32は、システムコントローラ20の制御の下、CD33及びDVD34から夫々、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータ及び後述の各処理に対応する制御プログラムを読み出し、出力する。なお、CD−ROMドライブ31及びDVD−ROMドライブ32は、いずれか一方だけ設けてもよいし、CD及びDVDコンパチブルのドライブを設けてもよい。
【0053】
また、本発明においては、地図データは、原則としては後述するプリインストールによるもの及び通信により地図データ提供センタ6から取得されたものを使用するが、CD−ROM33及びDVD−ROM34に記憶された地図データを読み出して使用することも可能なように構成されている。特に、一般的な地図データ以外の、特殊な企画もののディスク(例えば、ゴルフ場マップ、スキー場マップ、観光地の周遊プランガイドなど)を使用する際には、CD−ROMドライブ31又はDVD−ROMドライブ32を好適に利用することができる。
【0054】
データ記憶ユニット36は、主として地図データを記憶するユニットである。なお、地図データは、後述するプリインストール処理により取得されるとともに、車両の走行中に必要に応じて地図データ提供センタ6から取得されてデータ記憶ユニット36に記憶される。なお、データ記憶ユニット36は、必要に応じて、CD−ROMドライブ31或いはDVD−ROMドライブ32から読み込まれた音声データや映像データ、及び前述の企画もののディスクの地図データなどを格納することもできる。
【0055】
通信装置38は、例えば携帯電話からなり、モデム等を構成する通信用インタフェース37を介して、地図データ提供センタ6から地図データをダウンロード可能に構成されている。
【0056】
表示ユニット40は、システムコントローラ20の制御の下、各種表示データを表示する。表示ユニット40は、バスライン30を介してCPU22から送られる制御データに基づいて表示ユニット40全体の制御を行うグラフィックコントローラ41と、VRAM(Video RAM )等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ42と、グラフィックコントローラ41から出力される画像データに基づいて、液晶、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ44を表示制御する表示制御部43と、ディスプレイ44とを備えて構成されている。ディスプレイ44は、例えば対角5〜10インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。
【0057】
音声出力ユニット50は、システムコントローラ20の制御の下、CD−ROMドライブ31又はDVD−ROM32、若しくはRAM24等からバスライン30を介して送られる音声デジタルデータのD/A(Digital to Analog)変換を行うD/Aコンバータ51と、D/Aコンバータ51から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器(AMP)52と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ53とを備えて構成されている。
【0058】
入力装置60は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置60は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ44の周囲に配置される。
【0059】
[2]プリインストールシステム
次に、地図データのプリインストールを行うシステムについて説明する。本発明の通信型ナビゲーション装置7では、原則として地図データは通信により地図データ提供センタ6から取得されるが、ナビゲーション装置7の導入時には、例えば自宅付近など、比較的頻繁に使用するであろう地域の地図データをプリインストールする。これにより、ナビゲーション装置7の使用開始時に多量の地図データを通信によりダウンロードする必要がなくなる。
【0060】
図3に、プリインストール処理を実行するためのシステムの構成を概略的に示す。図3に示すように、販売店8と地図データ提供センタ6とが通信ネットワーク103を介して接続されている。販売店8は、ナビゲーションシステムの販売店であり、例えばカーディーラーやカー用品店などである。
【0061】
地図データ提供センタ6は、地図サーバ101と、地図データベース(以下、「DB」と記す。)104とを備える。地図DB104は地図データを記憶している。地図サーバ101は、販売店8からのリクエストに応じて、必要な地図データを地図DB104から取得し、通信ネットワーク103を通じて販売店8へ送信する。
【0062】
販売店8には、通信ネットワーク103に接続したプリインストール端末102が設置されている。プリインストール端末102は、ユーザのナビゲーション装置7にプリインストールすべき地図データのリクエストを地図データ提供センタ6に送信し、対応する地図データを受信して、内部のメモリなどに一時的に記憶する。そして、その地図データをナビゲーション装置7のデータ記憶ユニット36へ記憶させる。
【0063】
プリインストール端末102からナビゲーション装置7のデータ記憶ユニット36へ地図データを記憶させる方法はいくつかある。1つの方法は、プリインストール端末102が地図データをDVD−RAM、半導体メモリ、カード型記憶媒体などの記憶メディアに一時的に記憶し、それをナビゲーション装置7のドライブ装置に挿入してデータ記憶ユニット36に記憶する方法である。
【0064】
また、データ記憶ユニット36が半導体メモリやハードディスクなどの着脱可能な媒体により構成される場合には、プリインストール端末102からそのような媒体に地図データを記憶した後、その媒体をユーザに提供することもできる。ユーザは、その媒体を自己のナビゲーション装置7に装着するだけで、地図データのプリインストールが完了することになる。なお、この方法によれば、プリインストール用地図データが記憶された記憶媒体をユーザに郵送などの手段により提供することとして、ユーザがプリインストールのために販売店8に訪れる必要をなくすことも可能となる。そのほかに、ナビゲーション装置7の通信機能を利用してプリインストール端末102と例えば赤外線などにより無線通信し、又はデータ線を接続してデータ通信することにより、地図データをデータ記憶ユニット36に記憶させることができる。
【0065】
[3]地図データ
次に、地図データの構造について説明する。地図データは、所定の地理上の地域を所定の面積の複数の区画に区切った単位で作成される。この単位を、「メッシュ」と呼び、1つのメッシュに対応する地図データを「メッシュデータ」と呼ぶ。よって、地図データはメッシュデータの集合である。
【0066】
図4に、海沿いのある地域の地図を複数のメッシュに区分した状態を概略的に示す。図4において、線111は海岸線を示しており、その右側が水域(海)、左側は陸である。図4の左上の地域は山となっている。また、線110は道路を示している。
【0067】
この地域は、地図データとしては格子状に規定された複数のメッシュMに区画されている。図4においては、各メッシュMの内部にその識別番号(M11〜M55)が示されている。メッシュデータは、図4に示すメッシュ毎に用意されている。図4中のx及びy座標は、それぞれ経度及び緯度に対応する。
【0068】
また、図4に示す地図は、ある特定の縮尺のものであり、メッシュデータは複数の縮尺毎に作成される。日本地図は複数の縮尺のものが作成されているが、各縮尺毎に地図を複数のメッシュに区画し、メッシュデータが用意されている。
【0069】
図5に、メッシュデータの内容を示す。メッシュデータは、大別して道路データと、背景データと、注記データとを含む。道路データは、地図上の道路を示すベクトルデータである。背景データは、地図として表示される領域中の、道路以外を示すデータである。ナビゲーション装置7に表示される地図では、道路の他にその付近の状態が図示される。例えば、道路沿いに池があれば、池を示す画像が表示されるし、都会の地図であれば、地理上の区画が表示される。これらが背景データとして含まれている。
【0070】
また、注記データは、地図中に表示される文字、記号、マークなどに対応するデータであり、文字データ、施設の地図標識及びロゴマークを含む。ナビゲーション装置により表示された地図中には、地名、住所、交差点名、駅名などが文字により表示されるが、文字データはこれらの文字のデータである。また、地図上には、例えば学校、病院、郵便局などの施設が地図記号として表示される場合があり、これらが施設の地図標識を示すデータに含まれる。さらに、コンビニエンスストア、ガソリンスタンドなどの店舗を示すマークが表示されるが、これらロゴマークも注記データに含まれる。
【0071】
このように、メッシュデータは、基本的には道路データ、背景データ及び注記データを含んで構成される。但し、メッシュが対応する地域によっては、各データが存在しない場合がある。例えば、図4に示すメッシュM55などは完全に海の領域であり、道路、施設、店舗などは存在しない。よって、メッシュM55のメッシュデータには、道路データ及び注記データは含まれず、背景データのみが含まれる。メッシュM55の場合、地図表示としては海であることを示す青色で全領域が表示されるので、そのための背景データのみが含まれることになる。
【0072】
このことから理解されるように、各メッシュデータのデータ量はメッシュ毎に異なる。例えば、図4のメッシュM43やM34などは、複数の道路が交わり、さらに海岸線が含まれているので、メッシュデータに含まれるデータ量は大きくなる。一方、完全に海の領域であるメッシュM55や、完全に山の地域である(道路が存在しない)メッシュM11などは、メッシュデータのデータ量は少ない。
【0073】
このように、地図データは縮尺毎に複数のメッシュデータとして作成されているので、プリインストール処理も、メッシュデータ単位で行われることになる。つまり、複数のメッシュデータをナビゲーション装置7のデータ記憶ユニット36内に記憶することにより、プリインストールが行われる。
【0074】
[4]第1のプリインストール方法
次に、具体的なプリインストール処理の一例について図3、図4及び図6を参照して説明する。図6は、第1のプリインストール方法を示すフローチャートである。なお、以下の例は、図3に示すシステムにおいて、ナビゲーション装置7を購入したユーザが販売店8を訪れ、店員がユーザから必要な情報を得てプリインストール端末102を操作してプリインストール処理を実行するものとする。
【0075】
また、プリインストール端末102は、通信ネットワークによる通信機能を有するパーソナルコンピュータなどの端末装置とすることができ、プリインストールプログラムを実行することによりプリインストール端末として動作する。同様に、地図サーバ101も、以下に説明するステップを実行するプリインストールプログラムを実行することによりプリインストール処理を行う。
【0076】
まず、店員はプリインストール端末102を操作して、ユーザが指定する基準点を入力する(ステップS1)。ここで、「基準点」とは、プリインストールする地図データの範囲を決定するための基準となる地理的な場所をいう。基準点はユーザの希望する任意の場所とすることができ、通常は、ユーザは車両を頻繁に使用する自宅、勤務先などを基準点として設定することが多いであろう。なお、基準点の入力方法としては、例えば店員がプリインストールプログラム中で、基準点としてユーザが指定した住所を入力することができる。
【0077】
こうして設定された基準点の情報は、通信ネットワーク103を通じて地図データ提供センタ6へ送信される。地図データ提供センタ6の地図サーバ101は、基準点にもとづいて、予め決められた方法により所定枚数Dのメッシュを選択し、地図サーバ101内の図示しないメモリに一時的に記憶する(ステップS2)。
【0078】
ここで選択すべきメッシュの所定枚数Dは、例えば、ナビゲーション装置7のデータ記憶ユニット36中においてプリインストール地図データ用として確保できる記憶領域の大きさに基づいて決定することができる。即ち、プリインストール地図データ用の記憶領域が記憶容量Xを有し、メッシュ1枚の平均的データ量がYであれば、所定枚数D=X/Yとして決定することができる。
【0079】
また、所定枚数Dの他の決め方としては、例えば基準点(通常は自宅など)からユーザが日常的に又は比較的頻繁に行動するであろうエリアを統計的に検討してそのエリアが含まれるようにプリインストールするエリアを決定し、そのエリアをカバーする枚数のメッシュを所定枚数Dとすることもできる。ユーザが日常的に行動する範囲が例えば自宅又は勤務先から半径20km程度であるという統計的なデータがあれば、そのエリアをカバーできるようにメッシュの枚数を決定することができる。
【0080】
また、メッシュの選択方法としては、例えば基準点が含まれるメッシュを中心として、矩形又は円形の領域を想定し、上記所定枚数の範囲内で矩形又は円形にメッシュを選択することができる。なお、これらはいずれも単なる一例であり、他の方法でメッシュの数及び選択方法を決定することもできることはもちろんである。
【0081】
さて、こうして基準点に基づいて所定枚数のメッシュが選択されると、次に地図サーバ101は、選択したメッシュ中の不要メッシュを検出する(ステップS3)。ここで、不要メッシュとは、ナビゲーション装置7において不要(経路案内や検索において使用されない)と判断されるメッシュであり、基本的には道路データが含まれるか否かに基づいて不要メッシュを決定することができる。図4の例では例えば道路の存在しない山林地域のメッシュデータM11、M21など、及び、水域(海)のみしか存在しない(陸が含まれない)メッシュデータM54、M55などを不要メッシュとして扱うことができる。
【0082】
このように、不要メッシュを例えば道路データを含まないメッシュと定めれば、地図サーバ101はステップS2で選択した所定枚数のメッシュの各々について、道路データが含まれるか否かを調べることにより、不要メッシュを検出することができる。
【0083】
そして、地図サーバ101は、検出された不要メッシュを他のメッシュと置換する(ステップS4)。置換すべきメッシュの決定方法は、例えば基準点を含むメッシュを基準として、検出された不要メッシュと反対方向のメッシュを選択することができる。これは、不要メッシュとして最も一般的に想定されるのが山林地域及び海などの水域であり、そのような不要メッシュが検出された場合は、自宅や勤務先などに相当する基準点の反対方向が同様に山林地域や水域である可能性はあまり高くないであろうという推定に基づいている。また、その他の方法としては、既に選択したメッシュに隣接するメッシュを順に選択することもできる。
【0084】
ステップS4で不要メッシュを他のメッシュと置換すると、ステップS2で選択した全てのメッシュ中に不要メッシュが存在しなくなったか否かが判定される(ステップS5)。
【0085】
よって、ステップS3〜S5により、ステップS2で選択された所定枚数のメッシュ中に含まれる全ての不要メッシュが置換される。なお、不要メッシュとして検出されたメッシュを他のメッシュに置換した場合に、置換後のメッシュも不要メッシュである場合も考えられるが、その場合でも、ステップS3で再度不要メッシュとして検出され、置換されるので、最終的にステップS5の判定結果が肯定的(Yes)となった時には、所定枚数のメッシュ全ては不要メッシュでなくなっているはずである。
【0086】
こうして、所定枚数のメッシュに不要メッシュが含まれなくなると、地図サーバ101はそれらメッシュのメッシュデータを通信ネットワーク103を通じてプリインストール端末102へ送信する(ステップS6)。
【0087】
プリインストール端末102は、メッシュデータを受け取り(ステップS7)、ナビゲーション装置7のデータ記憶ユニット36へインストールする(ステップS8)。インストールする方法は、前述のように様々の方法を利用することができる。こうして、プリインストールが終了する。
【0088】
次に、図4を参照して上記のプリインストール処理の具体事例を説明する。いま、プリインストールを行うナビゲーション装置7のユーザが基準点として図4に示す点130を基準点として設定したとする。ステップS2で例えば基準点を含むメッシュを中心として縦横3個のメッシュにより構成される9枚のメッシュを選択するように定められているとすると、ステップS2ではメッシュM23〜M25、M33〜M35及びM43〜M45が選択される。ここで、メッシュM35及びM45は完全に水域に当たるメッシュであり、ステップS3で不要メッシュとして検出されて、ステップS4で他のメッシュと置換される。例えば、基準点を含むメッシュを基準として不要メッシュの反対方向に位置するメッシュに置換するとすると、ステップS4では例えばメッシュM35及びM45をメッシュM22及びM32に置換する。
【0089】
こうして、ステップS5で不要メッシュが無くなったかを判定すると、ステップS4で置換されたメッシュM22は山林地域中の道路がない地域のメッシュであり、これも不要メッシュであることがわかる。よって、ステップS3〜S5を繰り返し、ステップS4では基準点を含むメッシュを基準として最初の不要メッシュM35及びM45と反対方向にある、例えばメッシュM42をメッシュM22と置換する。こうして、ステップS5で、不要メッシュを含まない所定枚数のメッシュが揃うことになる。その結果、最終的にユーザのナビゲーション装置7にプリインストールされるメッシュデータは、図7に示すようにメッシュM23〜M25、M32〜M34及びM42〜M44となり、山林地域や水域などの不要メッシュを含まないようになる。
【0090】
このように、本発明のプリインストール処理によれば、ユーザが選択した基準点を中心として所定の範囲内の地図データであって、かつ、山林地域や水域などの不要なメッシュを含まない地図データがプリインストールされる。プリインストールできる地図データ量はナビゲーション装置7のデータ記憶ユニット36の記憶容量などにより制限があるので、上述の処理により有効な地図データのみを効率的にプリインストールすることが可能となる。
【0091】
[5]第2のプリインストール方法
次に、プリインストール処理の他の例について図8及び図9を参照して説明する。図8は第2のプリインストール方法のフローチャートであり、図9はその方法を概略的に示す図である。
【0092】
前述の例は、基準点が設定されると最初に所定枚数のメッシュを選択し、それに含まれる不要メッシュを有効なメッシュに置換する方法であった。これに対し、以下に述べる方法は、基準点が設定されると、それを基準にして不要メッシュか否かを判定しつつ1枚ずつメッシュを取得していく方法である。
【0093】
図8において、第1のプリインストール方法と同様に、ユーザにより基準点が設定されると(ステップS11)、基準点のデータが地図データ提供センタ6に送信され、地図サーバ101は基準点に基づいて1枚のメッシュを選択していく(ステップS12)。1枚ずつメッシュを選択していく方法の一例を図9に示す。図9の例では、基準点130の属するメッシュを中心として、順に時計回りにメッシュを選択してゆく(選択順120を参照)。そして、選択したメッシュが不要メッシュであるか否かを判定し(ステップS13)、不要メッシュである場合は、選択順120に従って次のメッシュを選択し(ステップS14)、ステップS13へ戻ってそのメッシュが不要メッシュであるか否かを判定する。
【0094】
ステップS13で不要メッシュでないと判定されると、地図サーバ101はそのメッシュのメッシュデータを地図DB104から取得し(ステップS15)、所定枚数のメッシュが取得されたか否かを判定する(ステップS16)。所定枚数のメッシュが取得されていない場合は、処理はステップS12に戻って次の1枚のメッシュを取得し、同様の処理を繰り返す。
【0095】
こうして、不要メッシュを含まない所定枚数のメッシュが取得されると(ステップS16;Yes)、地図サーバ101はそれらのメッシュのメッシュデータを販売店8のプリインストール端末102へ送信する(ステップS17)。販売店8では、メッシュデータを受信し(ステップS18)、前述の例と同様にナビゲーション装置7のデータ記憶ユニット36に記憶する。
【0096】
こうして、得られるメッシュデータは、結果的に図7に示すように第1のプリインストール方法の場合と同様になる。よって、ユーザは、自分が指定した基準点をもとにして、有効なメッシュの地図データをプリインストールすることができる。
【0097】
[6]変形例
上記の例では、基準点に基づいて、所定枚数のメッシュの地図データを取得するように構成したが、その代わりに、基準点からの距離により、取得する地図データの数を決定することもできる。
【0098】
また、例えば図4のメッシュM45やM55などの水域や、メッシュM11などの山林地域は、最初から実体的なメッシュデータが用意されていないという場合も考えられる。その場合でも、そのメッシュについては対応するメッシュデータが存在しないことを示す情報が地図DB104に記憶されているはずであるので、第1及び第2のプリインストール方法では、そのようなメッシュデータの存在しないメッシュを、不要メッシュと同等に扱って、他のメッシュと置換すればよい。
【0099】
以上の実施形態は、本発明を車両ナビゲーション装置に適用した場合であったが、本発明はこれには限られず、船舶、飛行機などの他の移動体についての通信型ナビゲーション装置に適用することが可能である。また、人間が持ち歩く携帯型のナビゲーション装置に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0100】
4 衛星
5 車両
6 地図データ提供センタ
7 通信型ナビゲーション装置
10 自立測位装置
18 GPS受信器
20 システムコントローラ
31 CD−ROMドライブ
32 DVD−ROMドライブ
36 データ記憶ユニット
37 通信用インタフェース
38 通信装置
40 表示ユニット
50 音声出力ユニット
60 入力装置
101 地図サーバ
102 プリインストール端末
103 通信ネットワーク
104 地図データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信型ナビゲーション装置のための地図データインストール端末装置と通信手段を介して通信可能に構成された地図データ提供装置において、
前記地図データインストール端末から、基準点を示す基準点データを受信する受信手段と、
前記基準点データに基づいて、不要メッシュを含まない所定枚数のメッシュに対応する地図データを取得する地図データ取得手段と、
取得された地図データを前記地図データインストール端末に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする地図データ提供装置。
【請求項2】
前記地図データ取得手段は、
前記基準点データに基づいて、前記所定枚数のメッシュを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された所定枚数のメッシュに含まれる不要メッシュを検出し、他のメッシュに置換する置換手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の地図データ提供サーバ装置。
【請求項3】
前記置換手段は、検出された不要メッシュを、前記基準点を基準として、当該検出された不要メッシュと反対方向に位置する他のメッシュに置換することを特徴とする請求項2に記載の地図データ提供装置。
【請求項4】
前記置換手段は、検出された不要メッシュを、前記選択手段により既に選択されたメッシュに隣接する他のメッシュに置換することを特徴とする請求項2又は3に記載の地図データ提供装置。
【請求項5】
前記置換手段は、置換した前記他のメッシュが不要メッシュである場合には、当該他のメッシュをさらに他のメッシュに置換することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の地図データ提供装置。
【請求項6】
前記地図データ取得手段は、
前記基準点データに基づいて、1枚のメッシュを選択する選択手段と、
前記1枚のメッシュが不要メッシュであるか否かを判定し、不要メッシュでないメッシュを保持する保持手段と、
保持されたメッシュが前記所定枚数に達するまで前記選択手段によるメッシュの選択及び前記保持手段による判定を行わせる手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の地図データ提供装置。
【請求項7】
前記選択手段は、前記基準点を中心として時計回り又は反時計回りに順に前記1枚のメッシュを選択することを特徴とする請求項6に記載の地図データ提供装置。
【請求項8】
各メッシュに対応する前記地図データは道路データと付随データとにより構成されるデータ構造を有し、前記不要メッシュは、対応する地図データが道路データを含まないメッシュであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の地図データ提供装置。
【請求項9】
前記不要メッシュは、当該メッシュに対応する地図上の地域全体が山林地域又は水域に属するメッシュであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の地図データ提供装置。
【請求項10】
前記不要メッシュは、当該メッシュに対応する実体データが用意されていないメッシュであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の地図データ提供装置。
【請求項11】
前記所定枚数は、前記通信型ナビゲーション装置内のプリインストール用地図データ記憶ユニットの容量により定められることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の地図データ提供装置。
【請求項12】
前記所定枚数は、前記基準点を中心として、予め決定された距離範囲内の地域に対応するメッシュの枚数であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の地図データ提供装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の地図データ提供装置と通信可能に構成された地図データインストール端末において、
前記基準点データを前記地図データ提供装置に送信する手段と、
前記地図データ提供装置から受信した地図データを、前記ナビゲーション装置に装着可能な記憶媒体に記憶する手段と、を備えることを特徴とする地図データインストール端末装置。
【請求項14】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の地図データ提供装置と通信可能に構成された地図データインストール端末において、
前記基準点データを前記地図データ提供装置に送信する手段と、
前記地図データ提供装置から受信した地図データを、通信手段を通じて前記ナビゲーション装置に送信する手段と、を備えることを特徴とする地図データインストール端末装置。
【請求項15】
地図データを記憶するデータ記憶ユニットと、
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の地図データ提供装置から提供された地図データを、プリインストール用地図データとして前記データ記憶ユニットに保存する手段と、
地図データ提供装置と通信することにより、地図データを取得して、前記データ記憶ユニットに保存する手段と、を備えることを特徴とする通信型ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−32548(P2010−32548A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256907(P2009−256907)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【分割の表示】特願2001−243239(P2001−243239)の分割
【原出願日】平成13年8月10日(2001.8.10)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】