説明

地域警備システム

【課題】住宅分譲地の外まで警戒範囲を広げた場合でも、その特定地域における不審者の存在位置を一目で把握できるようにして、住人にとって必要な警戒だけを実施することにより警備の実効性を高めること。
【解決手段】住宅分譲地11の住人は、各々ID端末Tを所持する。住宅分譲地エリア11を含む地域には、人感センサ41、監視カメラ42及びID通信装置43が多数設置されている。人感センサ41で人が検知されると、管理サーバ31は予め登録されたIDコードを受信したか否かによりその人が住人か非住人かを判別する。そして、非住人であれば、監視カメラ42による画像から得られる人物情報をもとにその存在位置を把握する。非住人が所定条件を満たして不審者と認定されると、地域表示モニタ37の表示画面にはその不審者の存在位置に該当する地図上の箇所に不審者マークを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅分譲地を含む特定地域の警戒を行う地域警備システムに関する。
【背景技術】
【0002】
個別の住宅や敷地等において、不審者の侵入に対して警戒を行う警備システムが一般的に知られている。例えば、住宅や敷地等に不審者が侵入した場合にはその不審者に警告等を発して威嚇したり、住人や警備会社等に通報したりするようになっている。
【0003】
しかしながら、このような戸別単位で設置される警備システムはその設置費用や維持費用が負担となり、金銭的に余裕がある者しか導入できないというのが実情である。
【0004】
そこで、複数の住宅が集合した分譲地という単位で防犯対策を実施することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この場合、住宅分譲地内の私道と公道との境界部に防犯ゲートが設置されており、各分譲区画地の所有者や該所有者に認められた者のみ私道への通過を許可することで、住宅分譲地への不審者の侵入を防止するというものである。これにより、警備システムの設置費用や維持費用の負担が分散され、個々の負担が小さくなって導入し易くなるというメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−63582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、中には私道が設けられない住宅分譲地も存在するため、そのような分譲地の防犯対策に上記従来技術は適していない。また、近年の防犯意識の高まりから、学校への通学路など住宅分譲地の外であっても不審者に対する警戒が必要とされる場所もあるが、上記従来技術はあくまで住宅分譲地を外から遮断して不審者をシャットアウトするというものであるため、住宅分譲地外の防犯には全く対処できない。
【0007】
ここで、住宅分譲地を含む特定地域まで範囲を広げ、その範囲で警戒を行うことがその対策の一つとして考えられる。ところが、このように住宅分譲地の外まで警戒範囲を広げると、分譲地の住人にとって警戒の必要性が低い場所まで含まれてしまうことがあり得る。そのような場合、住人にとって不要な警戒も実施されてしまうおそれがあり、警備の実効性に疑問が生じる。
【0008】
そこで、本発明は、住宅分譲地の外まで警戒範囲を広げた場合でも、その特定地域における非住人の存在位置を一目で把握できるようにして、住人にとって必要な警戒だけを実施することにより、警備の実効性を高めることができる地域警備システムの提供を主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
【0010】
すなわち、第1の発明では、住宅分譲地を含む特定地域の警戒を行う地域警備システムであって、前記特定地域に設けられ、当該特定地域に存在する人を検知する人検知手段と、同じく前記特定地域に設けられ、前記住宅分譲地に住む住人の識別情報を取得する住人識別情報取得手段と、前記人検知手段により人が検知された場合に、前記住人識別情報の取得結果に基づいて、その人が前記住人でないことを判別する非住人判別手段と、前記非住人判別手段により非住人と判別された当該非住人の存在位置を把握する非住人存在位置把握手段と、前記非住人の行動態様を判別する非住人行動態様判別手段と、前記特定地域の地図情報を表示画面上に表示する地域表示手段と、前記非住人存在位置把握手段により把握された前記非住人の存在位置に該当する前記地図情報上の箇所に、当該非住人の行動態様に応じた表示形式で非住人情報を表示するように前記地域表示手段を制御する地域表示制御手段と、を備えた。
【0011】
この第1の発明によれば、特定地域に存在する人が住人でない(すなわち、非住人)と判別されると、地域表示手段の表示画面には当該非住人の存在位置に該当する地図上の箇所に非住人情報が表示される。その表示では、非住人の行動態様(例えば、滞在時間など)に応じて表示形式が異なっている。このため、表示画面の監視者は特定地域のどの場所でいかなる行動態様の非住人が存在しているかを一目で把握することができる。これにより、住宅分譲地の外まで警戒範囲を広げた場合でも、非住人情報の表示形式から住人にとって警戒の要否を判断し、必要な警戒だけを実施することができることになり、警備の実効性が高まる。なお、非住人の行動態様だけでなく、存在状況(例えば、人数など)も判別して、その存在状況に応じた表示形式としてもよい。
【0012】
第2の発明では、前記地域表示制御手段は、前記非住人情報を表示する表示形式として、色、形状、大きさ、動きのうち少なくとも一つを異ならせて表示させるものとした。
【0013】
この第2の発明によれば、色、形状、大きさ、動きのうち少なくとも一つを異ならせて非住人情報を表示することにより、多彩な表示が可能となる。このため、表示形式を異ならせる行動態様の種類が多様なものとすることができる。なお、ここでいう動きを異ならせるとは、例えば、点灯方式(点灯、点滅、点滅サイクル等の相違)や、非住人情報としての表示図柄を振動させるといったものである。
【0014】
第3の発明では、前記地域表示手段の表示画面は、複数の画面ブロックに区画されているものとした。
【0015】
この第3の発明によれば、地域表示手段の表示画面が複数の画面ブロックに区画されていることにより、表示画面の監視者は非住人情報が地図上に表示された場合に、その表示位置を把握しやすいという点で好適である。
【0016】
第4の発明では、前記住人の存在位置を把握する住人存在位置把握手段と、前記非住人及び前記住人の存在位置に該当する前記地図情報上の箇所が、前記表示画面のどの画面ブロックに該当するかを把握し、少なくとも前記住人の存在する画面ブロックと同一ブロックに前記非住人が存在する場合に、当該非住人に対する警戒を行う警戒制御手段と、さらに備えた。
【0017】
この第4の発明によれば、地域表示手段の表示画面において、少なくとも前記住人の存在する画面ブロックと同一ブロックに前記非住人が存在する場合、当該非住人に対する警戒が行われる。これにより、住人に対し、付近に非住人が存在する旨の注意を喚起することができる。警戒の内容としては、例えば、当該住人が所持する携帯電話に対して通報し、携帯電話に警告表示させたり、振動や音を発生させたりすることが考えられる。
【0018】
第5の発明では、前記住宅分譲地の戸別住宅がそれぞれ、前記表示画面のどの画面ブロックに該当するかを把握し、少なくとも、戸別住宅が所属する画面ブロックと同一ブロックに前記非住人が存在する場合に、当該戸別住宅における警戒を行う戸別警戒制御手段を備えた。
【0019】
この第5の発明によれば、地域表示手段の表示画面において、少なくとも、戸別住宅が所属する画面ブロックと同一ブロックに前記非住人が存在する場合、当該戸別住宅に対する警戒が行われる。これにより、戸別住宅では防犯性能を向上させることができる。警戒の内容としては、例えば、窓やシャッタ装置等を自動で閉動作させたり、自動で施錠させたりすることが考えられる。
【0020】
第6の発明では、前記表示画面の各画面ブロックのうち、いずれの画面ブロックで前記非住人情報が表示されたかを、その情報表示された非住人の行動態様に関する情報とともに記憶する非住人表示記憶手段を備えた。
【0021】
この第6の発明によれば、個々の画面ブロックにおける、非住人の行動態様に関する情報が得られるため、この情報を様々な場面で利用できる。例えば、住宅分譲地が含まれる画面ブロックであれば、その情報は分譲地内の戸別住宅で住人が防犯対策を行う上での参考となる。また、住宅メーカがかかる情報を得れば、担当者は戸別住宅の防犯設備の状況からみて推奨される防犯対策アドバイスを提示できる。例えば、非住人の滞在時間が長いのに防犯設備が不十分である場合には、格子窓やシャッタ装置の設置等を勧めるといったアドバイスを行える。
【0022】
第7の発明では、前記特定地域に設けられ、前記非住人判別手段により非住人と判別された人の識別情報を取得する非住人識別情報取得手段と、その取得された非住人識別情報を管理する非住人識別情報管理手段と、前記住宅分譲地の戸別住宅に設けられ、前記非住人識別情報管理手段から取得した前記非住人識別情報に基づいて個々の戸別住宅における防犯制御を実施する戸別防犯制御手段と、を備えた。
【0023】
この第7の発明によれば、特定地域の各所から非住人識別情報が非住人識別情報取得手段によって取得されると、その情報は非住人識別情報管理手段に集められてそこでまとめて管理される。そして、個々の戸別住宅における防犯制御は、この非住人識別情報管理手段から各戸に出力された非住人識別情報に基づいて行われる。このように、非住人識別情報を一元的に管理することで、情報管理を効率化することができる。
【0024】
第8の発明では、前記住宅分譲地の戸別住宅に設けられ、戸別住宅ごとの戸別監視画像を取得する戸別監視手段と、地域警備を担う管理者側に設けられ、前記戸別監視画像を表示画面上に表示する戸別画像表示手段と、前記住人の同意が予め登録されていることを条件として、前記戸別監視画像を表示するように前記戸別画像表示手段を制御する戸別表示制御手段と、を備えた。
【0025】
この第8の発明によれば、戸別画像表示手段は、住人の同意が予めなされている場合に限り、その同意があった戸別住宅での戸別監視画像を表示する。戸別監視画像は住人のプライバシ情報が含まれるため、予めの同意を要求することで住人のプライバシを保護することができる。また、戸別監視画像を管理者側に設けられた戸別画像表示手段に表示させることで、住人だけでなく管理者も監視することが可能となり、より充実した非住人の監視を行える。この場合、住人側での画像提供の同意だけでなく、所定の料金を徴収して初めて管理者側での監視業務を行うようにすれば、この監視業務を有料サービスとして捉えることができる。この場合、管理者を警備会社等とすれば、これを一つのビジネスモデルとして確立できる。
【0026】
第9の発明では、前記特定地域にはその地域内の道路に多数の街灯が設置されており、前記非住人存在位置把握手段により把握された非住人の存在位置周辺の街灯を選択的し、その街灯を非住人警戒用に点灯制御する街灯制御手段を備えた。
【0027】
この第9の発明によれば、街灯を非住人警戒用に点灯制御することで、非住人に対する威嚇となるし、周辺に存在する人に対して非住人が存在する旨の注意を喚起することができる。また、非住人が存在する場所に地域警備を担う管理者が駆けつける場合に、その場所を特定しやすいというメリットがある。
【0028】
第10の発明では、前記住宅分譲地の各戸別住宅に設けられた住宅側表示手段と、前記住宅側表示手段の表示画面に、前記非住人が前記特定地域に存在する旨の非住人存在情報と、前記住宅分譲地の各戸別住宅で前記非住人存在情報が確認されていることに関する確認済住宅情報とを表示させる住宅側表示制御手段と、を備えた。
【0029】
この第10の発明によれば、住宅分譲地の住人は、住宅側表示手段の表示画面に表示された確認済住宅情報を確認することにより、分譲地内の自宅以外の住宅で非住人の存在が確認されたか否かを把握することができる。これにより、非住人の存在を認識した住人は、自分だけではなく近隣ではどの程度認識されているかを知ることができ、それ次第で適切な対処を行える。例えば、近隣でも数多く認識されているのであれば安心感を得られるし、認識が少なければ隣近所で非住人に関する情報を連絡しあうことで、情報未確認の住人も情報を共有できる。この場合、どの住宅で確認されたか、何件の住宅で確認されたかの情報を表示させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】特定地域の一モデルであるX地域の全体概略図。
【図2】地域警備システムの電気的構成を示すブロック図。
【図3】地域表示モニタの表示画面を示す図。
【図4】画面上のマトリックスの一部を表示した図。
【図5】不審者情報の内容の一部について、図3の表示例に対応する例を示した表。
【図6】詳細表示モニタの表示画面を示す図。
【図7】戸別監視モニタの表示画面を示す図。
【図8】宅内モニタの表示画面を示す図であり、(a)は不審者存在表示画像の表示例、(b)は監視カメラ画像の表示例、(c)は確認済住宅表示画像の表示例をそれぞれ示している。
【図9】宅内モニタで表示される画像の段階を示す図。
【図10】画面ブロックごとで不審者の滞在状況を例示する表。
【図11】別例として、進入記録装置の設置例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、地域警備システムの一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0032】
初めに、この地域警備システムの警備対象となる特定地域について説明する。この特定地域には住宅分譲地が少なくとも含まれている。併せて、その分譲地外の学校、公園、通学路、最寄り駅に至るルート等、分譲地の住人にとって警戒を必要とする各種エリアもその一つ又は複数が含まれている。
【0033】
図1は、特定地域の一つのモデルとなるX地域について、全体の概略を示す図である。なお、この図1では、便宜上、X地域内のすべて道路が記載されているわけではなく、適宜省略されている。図1に示されているように、X地域は住宅分譲地11、小学校12、公園13及び通学路14の各エリアが含まれている。住宅分譲地11は多数(例えば、80戸〜100戸程度)の戸別住宅が建てられた比較的規模の大きな分譲地であり、そのエリア内には戸別住宅の他に防犯管理センタ21が設置されている。防犯管理センタ21には防犯管理者が常駐し、防犯管理者は住宅分譲地11の戸別住宅や分譲地住人に対する防犯業務に従事している。通学路14は住宅分譲地11と小学校12との間に設定され、住宅分譲地11に居住する小学生はこの通学路14を通って小学校12との間を往復する。
【0034】
次に、地域警備システムの構成について説明する。図2はそのシステムの電気的構成を示すブロック図である。
【0035】
地域警備システムにおいては、住宅分譲地11に居住する各住人によってID端末T1〜Tnがそれぞれ所持されるようになっている。ID端末Tは常時携帯することが可能な小型機器であり、例えば、玄関ドアの開閉に使用される電子キーや、携帯電話、通信機能を有するICカードがID端末Tとして用いられる。なお、住人ごとに形式・形態の異なるID端末Tを使用してもよい。
【0036】
ID端末T1〜TnにはメモリM1〜Mnが設けられており、そのメモリMにはそれぞれの所有者ごとに異なる固有のIDコードが予め記憶されている。IDコードは、少なくとも本システムにおいて、住宅分譲地11の住人であり、かつ多数の住人の中から個別の住人が認識可能となる情報となっている。そして、ID端末Tは無線通信機能を有しており、外部との間でIDコードの無線通信が行われる。
【0037】
次に、地域警備システムは、管理サーバ31を備えている。管理サーバ31はCPU等からなるマイクロコンピュータを有しており、住宅分譲地11の防犯管理センタ21に設置されている。この管理サーバ31がX地域に存在する人の各種情報を前記ID端末TのIDコード、当該管理サーバ31に接続された人感センサ41や監視カメラ42等の検知機器類44−1〜44−nを通じて取得し、その情報に基づいて不審者に対する警戒のための制御を行う。
【0038】
管理サーバ31はメモリとして、IDコード記憶部32、非住人情報記憶部33、不審者情報記憶部34とを有している。IDコード記憶部32には、住宅分譲地11の住人が所持する前記ID端末T1〜TnのIDコードが認証IDコードとして予め記憶されている。この認証IDコードを用いて、管理サーバ31は受信したIDコードの認証を行う。非住人情報記憶部33には、IDコードの認証がNGの者(つまり、非住人)に関する識別情報(非住人識別情報)が記憶されている。非住人識別情報とは、監視カメラ42によって撮影された非住人の画像を解析して得られる人物情報(例えば、顔情報、体格情報等)、非住人が所持する携帯電話等から得られたIDコード等である。不審者情報記憶部34には、前記非住人のうちで所定条件(例えば、一定時間滞在など)を満たした者が不審者として認定され、その不審者に関する情報(不審者情報)が記憶されている。不審者情報とは、不審者と認定された非住人の前記非住人識別情報を不審者識別情報として書き替えたものの他、その非住人識別情報を取得した検知機器類44の機器アドレスから随時把握される不審者の存在位置、日付、X地域での滞在時間等である(後述する図5参照)。非住人を不審者と認定する所定条件は、管理サーバ31に接続された操作部35を用いて適宜設定される。
【0039】
この管理サーバ31には、前記人感センサ41や監視カメラ42等、システムを構成する各種のセンサや装置が接続されている。まず、管理サーバ31には、外部通信装置36が接続されている。管理サーバ31は住人に警戒の注意喚起をしたり、外部機関へ警戒が必要である旨を知らせたりするため、この外部通信装置36を利用して住人が所持する携帯電話等の携帯機器、警備会社や警察等の外部機関に警戒信号を出力する。
【0040】
また、管理サーバ31には、人感センサ41、監視カメラ42及びID通信装置43がそれぞれ接続されている。人感センサ41はその検知範囲で人を検知した場合に、人検知信号を管理サーバ31に対して出力する。この人検知信号を取得することにより、管理サーバ31はセンサ設置場所における人の存否を把握する。監視カメラ42はカメラ周辺を常時撮影し、その撮影画像情報を解析することで画像情報に含まれる人物情報を取得する。そして、この取得した人物情報を管理サーバ31に対して逐次出力する。ID通信装置43はその設置箇所周辺を通信範囲としてID端末(非住人所持のものを含む)との間で無線通信が可能であり、リクエスト信号を送信して応答したID端末からIDコードを取得する。このIDコード取得により、管理サーバ31はID認証を実施したり、ID端末T1〜Tnを所持する住人の存在を把握したりする。
【0041】
ちなみに、前記人感センサ41が前記人検知手段に、前記ID通信装置43が住人識別情報取得手段に相当する。監視カメラ42は管理サーバ31に画像情報を逐次出力するものとし、管理サーバ31がその画像情報から人物情報を取得するようにしてもよい。
【0042】
これら人感センサ41、監視カメラ42及びID通信装置43は、X地域の道路全域が検知範囲、画像取得範囲及びID通信範囲としてカバーされるように、そのX地域の道路に多数設置されている。このため、図1に図示した道路以外の省略された道路にも設置されている。その設置態様としては、例えば、人感センサ41、監視カメラ42及びID通信装置43を一組の検知機器類44とし、それが道路に沿って数〜10m程度の間隔で、電柱や新設の設置ポール等を利用して設置されている。各人感センサ41、各監視カメラ42及び各ID通信装置43にはそれぞれ機器アドレスが付与され、その個々の機器アドレスはX地域の地図情報上で当該検知機器類44の設置箇所に該当する位置と対応付けられている。このため、検知機器類44から人検知信号、人物情報及びIDコードを取得すると、管理サーバ31はその機器アドレスによってその出力先がX地域のどの場所にあたるのかを把握できる。つまり、管理サーバ31は人の移動によって随時入力される人検知信号、人物情報及びIDコードの出力先から、住人、非住人、不審者のX地域における存在位置を随時把握する。
【0043】
このように管理サーバ31は、X地域に存在する不審者(所定条件を満たした非住人)の存在位置を随時把握するため、X地域内での不審者の行動や滞在時間を随時把握している。これにより、管理サーバ31は滞在時間、行動範囲、特定場所での滞留時間等の各種の行動態様を不審者ごとに認識する。それに加え、所定範囲内に存在する不審者の人数等、X地域のおける不審者の存在状況についても把握できる。
【0044】
ここで、前記不審者情報記憶部34に記憶されている前記不審者情報には、前述したように、不審者の存在位置情報が含まれている。この不審者の存在位置情報とは、詳しくは、不審者識別情報(人物情報やIDコード等)を取得した検知機器類44の機器アドレスを含むものである。この不審者の存在位置情報は定期的に更新され、不審者がX地域内を移動したためにその情報取得した検知機器類44が更新時に変更された場合には、その最新の情報に書き換えられる。
【0045】
また、管理サーバ31には地域表示手段としての地域表示モニタ37、詳細表示モニタ38及び戸別画像表示手段としての戸別監視モニタ39が接続され、管理サーバ31はこれら各モニタ37〜39での表示を制御する。各モニタ37〜39では、図3、図5及び図6に示されているように、次のような情報や画像がその表示画面37a〜39aに表示される。なお、図3は地域表示モニタ37の表示画面37aを、図5は詳細表示モニタ38の表示画面38aを、図6は戸別監視モニタ39の表示画面39aをそれぞれ示す図である。
【0046】
まず、図3に示されているように、地域表示モニタ37の表示画面37aは縦横の区画線61によってマトリックス状(格子状)に区画され、そこにX地域の地図情報が表示される。そして、X地域に不審者が存在する場合には、その地図情報上で不審者の存在位置に該当する箇所に不審者マーク(不審者図柄)62(図では62a〜62d)が表示される。これにより、地域表示モニタ37を監視する防犯管理センタ21の防犯管理者は、X地域における不審者の存在位置を一目で把握できる。なお、マトリックス表示された表示画面37aにおけるブロックを画面ブロックということにする。不審者マーク62は、表示画面37aに表示される非住人情報に相当する。
【0047】
また、不審者マーク62の表示形式は、管理サーバ31が認識した不審者の行動態様や存在状況に応じて、表示形式が異なったものとなっている。表示形式を異ならせる態様としては、表示色、形状、大きさ、動き等を異ならせている。このうち、動きの相違については、点灯方式の相違(点灯、点滅、点滅サイクル等の相違)や、不審者マーク62を振動させるといった内容とする。これにより、不審者マーク62で表示された不審者について、その注意度に違いがあることの意味を持たせている。例えば、次のような表示形式が例として考えられる。X地域での滞在時間が1時間未満の場合は不審者マーク62を黄色で点灯表示し、1時間以上となれば注意度を高めて赤色で点滅表示する。また、表示画面37aを区画するマトリックスの一つのブロックに複数の不審者が存在する場合には、より大きくした一つの不審者マーク62を赤色で点滅表示し、複数の不審者をまとめて表示する。これにより、より一層注意度を高める。さらに、住宅分譲地11のエリア内や小学校12の周辺及びそのエリア内、通学路14等の警戒レベルの高い場所に不審者が存在する場合に、注意度をより高めるため、滞在時間や人数とは無関係に、より大きい不審者マーク62を赤色で点滅表示する。
【0048】
その上で、防犯管理者に対し、不審者マーク62が地域表示モニタ37に表示されたことの注意喚起を促すため、管理サーバ31は、不審者マーク62を指し示す指示矢印63も同不審者マーク62の表示に併せて表示する。
【0049】
このように地域表示モニタ37に不審者マーク62が表示される場合において、管理サーバ31は、不審者マーク62が表示された画面ブロックを前記不審者情報の一つとして前記不審者情報記憶部34に記憶する。例えば、図3に示された表示例の場合であれば、マトリックスの一部を表示した図4に示されているように、座標(横5,縦4)の画面ブロック64にて不審者マーク62が表示されている。また、図4では図示されていない別の画面ブロック64でも、同様に不審者マーク62が表示されている。このため、これら各座標の画面ブロック64で不審者マーク62が表示されたこと(つまり、これら各座標の画面ブロック64に不審者が存在したこと)の情報が不審者情報の一つとして記憶される。
【0050】
ここで、不審者情報に関するこれまでの説明を、まとめとして簡単に確認しておく。図5は、不審者情報の内容の一部について、図3の表示例に対応する例を示した表である。不審者情報は、前記不審者識別情報の他、この図5に示されているように、日付、不審者の人物情報やIDコードを取得した検知機器類44の機器アドレス、X地域での滞在時間、不審者マーク62が表示された画面ブロック64の座標等の情報を含むものである。かかる不審者情報が、不審者ごとに不審者情報記憶部34に記憶されている。このため、不審者情報記憶部34は、非住人表示記憶手段に相当する。
【0051】
モニタに関する説明に戻る。図6に示されているように、詳細表示モニタ38の表示画面38aには、前記地域表示モニタ37の表示画面37aが区画された各画面ブロック64のうち、一つの画面ブロック64だけの地図情報が詳細に表示される。併せて、その画面ブロック64に不審者が存在すれば、その不審者の存在位置も不審者マーク62で表示される。この詳細表示モニタ38は、防犯管理センタ21において一つ又は複数設けられている。防犯管理センタ21の防犯管理者が操作部35を用いて特定の画面ブロック64を選択することにより、管理サーバ31はその選択された画面ブロック64の地図情報及び不審者マーク62を詳細表示モニタ38に詳細表示させる。図6に示された表示例は、図3の地域表示モニタ表示例において、住宅分譲地11に存在する不審者が表示されている座標(横4,縦9)の画面ブロック64を詳細表示したものである。この場所は住宅分譲地11であるため、詳細表示モニタ38の表示画面38aには戸別敷地71に建てられた住宅72やアプローチ73が表示されている。このように詳細表示モニタ38に詳細表示されることで、モニタを監視する防犯管理者は不審者の存在位置をより詳しく把握することができる。
【0052】
また、図7に示されているように、戸別監視モニタ39の表示画面39aには、住宅分譲地11の各戸別敷地71及び各住宅72の戸別監視画像が表示される。この戸別監視画像の情報は各戸別住宅72側から管理サーバ31に出力されるものであり、戸別敷地71内の画像や戸別住宅72の室内画像等のプライバシ情報が含まれている。このため、住人が自宅の戸別監視画像の出力を予め同意している場合にのみ、その同意した住人の敷地71及び住宅72の戸別監視画像が戸別監視モニタ39に表示される。ちなみに、住宅分譲地11には多数の戸別住宅72が存在するため、戸別監視モニタ39に戸別監視画像が表示される住宅72も多い。そこで、戸別監視モニタ39は複数設けられたり、図7に表示例として示したように、一つの表示画面39aに複数(図では4つ)の表示部65を設けて、各表示部65に各戸の戸別監視画像を表示したりする。各表示部65には、異なる戸別住宅72の戸別監視画像を所定時間ごとに順次表示させるようにしてもよい。
【0053】
再度図2に戻り、管理サーバ31には住宅分譲地11に多数設けられた街灯46−1〜46−n、及び住宅分譲地11の外の各道路に沿って多数設けられた街灯47−1〜47−nが接続されている。管理サーバ31は、指令信号を出力することにより各街灯46,47の点灯制御を行う。この場合、各街灯46,47にも機器アドレスが付与されており、管理サーバ31は任意の街灯46,47を選択してその点灯制御を実施することが可能となっている。各街灯46,47は点灯や点滅、点滅サイクルといった点灯方式、点灯色の変更(例えば、昼白色や電球色から青色、黄色、赤色等への変更)が可能となっており、点灯制御によりその点灯方式や点灯色の変更を行う。
【0054】
この街灯46,47の点灯制御が、X地域に存在する不審者に対する警戒となる。つまり、前述したように、前記検知機器類44の検知情報によって不審者のX地域における存在位置が把握されるため、管理サーバ31がその存在位置周辺の街灯46,47を特定して点灯制御を実施すれば、それが不審者に対する威嚇となる。また、周辺に存在する歩行者等に対する注意喚起にもなる。さらに、不審者への対処が必要となったために防犯管理者が駆けつける場合には、その不審者が存在する場所を特定しやすい。
【0055】
次に、管理サーバ31には、住宅分譲地11の各戸別住宅72に対応したホームサーバ51−1〜51−nが接続され、管理サーバ31は各ホームサーバ51に対して指令信号や不審者情報を個別に出力し、また各ホームサーバ51側から情報を受信する。
【0056】
各ホームサーバ51はCPUや各種メモリ等からなるマイクロコンピュータを備えており、各戸別住宅72に設置されている。そして、各ホームサーバ51には監視カメラ52、宅内モニタ53、防犯機器54及び玄関灯55がそれぞれ接続されている。各ホームサーバ51は管理サーバ31から受信した指令信号や不審者情報に基づいてこれら各種機器の動作制御を行ったり、監視カメラ52の監視画像情報を管理サーバ31に送信したりする。
【0057】
戸別監視手段としての監視カメラ52は、住宅分譲地11の各戸別敷地71及び戸別住宅72において、住宅72の室内、一階部分の窓外側周辺、車庫や車両駐車スペース、離れ、庭、塀等の外構周辺、門扉周辺等の各所に、防犯用に必要な数だけ設置されている。この場合、監視カメラ52は住宅72の外壁部や、新設された設置ポール等を利用して設置されている。そして、カメラ周辺を常時撮影し、その撮影した監視画像情報をホームサーバ51に対して逐次出力する。そして、ホームサーバ51は、受信したこの監視画像情報を管理サーバ31に出力する。この場合、前述したように、監視カメラ52によって撮影される監視画像にはプライバシ情報が含まれているため、自宅の監視画像を管理サーバ31に出力することに同意するか否かを、ホームサーバ51に予め登録しておく。そして、同意する旨の登録がなされている場合に限り、ホームサーバ51は監視画像情報を管理サーバ31に出力する。
【0058】
宅内モニタ53は、各戸別住宅72のリビング壁面等に設置されており、各種画像や表示切替用ボタン等を表示するタッチパネル式の表示画面53a、及び報知音や音声を出力可能なスピーカ等を有している。図8はこの宅内モニタ53の表示画面53aを示す図である。この表示画面53aに表示される画像としては、不審者存在表示画像、監視カメラ画像、確認済住宅表示画像がある。なお、不審者存在表示画像は非住人存在情報に、確認済住宅表示画像は確認済住宅情報に相当する。
【0059】
図8(a)に示された不審者存在表示画像の表示例は、管理サーバ31から宅内モニタ53の表示制御の指令を受けた場合に表示されるものであり、「不審者存在」を示す文字情報81が表示画面53aに黄色で点滅表示される。なお、この実施形態における不審者は所定条件を満たした非住人であるため、この不審者存在表示画像が非住人存在表示画像に相当する。
【0060】
併せて確認ボタン82も表示され、不審者存在の文字情報81を認識した住人によってこの確認ボタン82が押し操作される。ホームサーバ51はこの確認ボタン82が押し操作されたことにより、不審者存在の表示を住人が確認したことを把握する。そして、この表示を確認済みであるという確認済み情報を管理サーバ31に送信する。管理サーバ31は住宅分譲地11の全戸別住宅72についての確認済み情報を把握し、どの戸別住宅72で確認がなされているかの情報を集中して管理する。この全戸別住宅72の確認済み情報はホームサーバ51側から情報送信があるごとに更新され、管理サーバ31はその更新された情報を各ホームサーバ51に随時出力する。
【0061】
図8(b)に示された監視カメラ画像の表示例は、個々の住宅72に設置された前記監視カメラ52による撮影画像であり、各監視カメラ52で撮影された画像が表示画面53aの表示部83に表示される。前述した不審者存在の確認ボタン82が住人によって押し操作されると、表示画面53aの表示画像はこの監視カメラ画像に切り替わる。これにより、住人は自宅や敷地内に不審者が存在しないかを監視することができる。
【0062】
この場合、監視カメラ画像を解析してそこに含まれる人の人物情報を取得することにより、それと管理サーバ31から受信した不審者識別情報とを照合することができる。この照合の結果、不審者の存在が把握されれば、ホームサーバ51は宅内モニタ53の表示画面53aやスピーカ等で住人に対してさらなる注意喚起が行われる。また、確認済住宅表示ボタン84も表示されており、住人によってこのボタン84が押し操作されると、表示画面53aは確認済住宅表示画像に切り替わる。
【0063】
図8(c)に示された確認済住宅表示画像の表示例は、住宅分譲地11の全戸別住宅72のうち、どの住宅72で前記不審者存在表示画像が確認されたかを表示するものであり、住宅分譲地11の全区画部分を示す分譲地画像85が表示画面53aに表示される。その分譲地画像85では、自宅がどこにあるのか一目で把握できるように、自宅にあたる区画部分86が強調された状態で表示される。また、前記不審者存在表示画像で確認ボタン82が操作されて確認済みとなっている区画部分87が黄色等の表示色で表示され、他方、いまだ確認済みでない区画部分88は白色等の表示色で表示される。この場合、ホームサーバ51は、管理サーバ31から受信した全戸別住宅72の前記確認済み情報に基づいて、どの戸別住宅72が確認済みであるか否かを把握する。なお、前記監視カメラ画像を再び表示画面53aに表示させるための戻るボタン89も表示されている。
【0064】
続いて、宅内モニタ53と同じく前記ホームサーバ51に接続されている防犯機器54は、戸別住宅72の玄関ドアや窓等の施錠装置、車庫の出入口や窓の室外側に設置されたシャッタ装置及びその施錠装置等である。ホームサーバ51は、これらの防犯機器54に指令信号を出力してその開閉動作を制御する。また、玄関灯55は玄関ドアの室外側に設けられた照明であり、ホームサーバ51は指令信号を出力して玄関灯55の点灯制御を行う。これら防犯機器54や玄関灯55の動作制御は、不審者が住宅分譲地11のエリア内に存在する場合に、不審者の周辺領域に存在する戸別住宅72で行われる。
【0065】
戸別住宅72が不審者の周辺領域に存在するか否かは、地域表示モニタ37における画面ブロック64を単位として判断される。このため、個々の戸別住宅72が地域表示モニタ37上のいずれの画面ブロック64に含まれるのか、管理サーバ31において予め登録されている。また、個々の戸別住宅72が所属する画面ブロック及びそれに隣接する画面ブロック64が周辺領域として予め設定されている。
【0066】
以上が地域警備システムの構成である。上記説明から把握されるように、この実施形態では、管理サーバ31が非住人判別手段、非住人存在位置把握手段、非住人状況判別手段、地域表示制御手段、警戒制御手段、非住人識別情報管理手段、戸別表示制御手段及び街灯制御手段に相当する。
【0067】
次に、この地域警備システムにおいて、管理サーバ31が実行する警戒制御処理を説明する。この警戒制御処理はX地域に不審者が存在する場合に実行するもので、まずはその前提となる不審者の判定処理について説明する。
【0068】
特定地域であるX地域において、人感センサ41によって人検知されると、その人に対してID認証を行う。この認証処理では、ID通信装置43よりリクエスト信号を送信し、その応答として住人のID端末TnからIDコードを受信したか否かを判別する。その受信があれば、そのIDコードはIDコード記憶部32に記憶された認証IDコードと一致するため、その人は住宅分譲地11の住人であると判断する。
【0069】
これに対し、認証IDコードを受信しない場合は認証NGとし、その人は住宅分譲地11の住人でない非住人であると判断する。この場合、監視カメラ42から得られた当該非住人の人物情報等の非住人識別情報を非住人情報記憶部33に記憶する。この非住人識別情報をもとに、非住人がX地域に所定時間(例えば、数10分〜1時間程度)滞在しているかを判別し、所定時間滞在している場合にその非住人を不審者であると認定する。そして、この不審者と認定した非住人に関する識別情報、当該非住人の存在位置(詳しくは、非住人識別情報を取得した検知機器類44の機器アドレス)、日付、X地域での滞在時間等の情報を不審者情報として不審者情報記憶部34に書き込む。なお、X地域での滞在時間情報については、その後もカウントを継続する。なお、このように所定時間滞在を不審者認定の条件としたのは、非住人とはいっても単なる通行人等も含まれ、その全部に対して防犯対策を行う必要がないからである。
【0070】
このようにX地域で不審者の存在が認定されると、管理サーバ31は各種の警戒制御処理を実行する。その警戒制御処理として具体的には、防犯管理センタ21の各種モニタ37〜39に対する表示制御、不審者に対する通常警戒制御、個々の戸別住宅72における防犯制御を行う。以下、これら各制御を順次説明する。
【0071】
まず、防犯管理センタ21に設置された各種モニタ37〜39に対する表示制御は次の通りである。
【0072】
はじめに、不審者の存在位置情報に基づいて、当該不審者の行動態様や存在状況を判別する。行動態様の内容としては、滞在時間、行動範囲、特定場所での滞留時間等であり、存在状況の内容としては、所定範囲内に存在する不審者の人数等である。その後、地域表示モニタ37の表示画面37aにおいて、不審者情報として記憶されている非住人の存在位置情報に基づき、図3に示すように不審者マーク62及び指示矢印63をX地域の地図情報上に表示する。この場合、存在位置情報、つまり、不審者の識別情報を取得した検知機器類44の機器アドレスに対応付けられた位置に、不審者マーク62を表示させる。その表示形式は、前述の判別処理にて判別した不審者の行動態様や存在状況に応じ、表示色、形状、大きさ、動きが異なったものとなっている。併せて、不審者マーク62が表示された画面ブロック64の座標を前記不審者情報の一つとして前記不審者情報記憶部34に書き込む。これにより、防犯管理センタ21の防犯管理者は不審者が存在する旨を認識することができる。
【0073】
操作部35を用いて不審者マーク62を表示する画面ブロック64が選択されると、図6に示すようにその選択された画面ブロック64の詳細な地図情報及び不審者マーク62を詳細表示モニタ38に表示する。これにより、防犯管理者は不審者の存在位置をより詳しく把握することができる。
【0074】
また、各戸別住宅72での戸別監視画像を、予め住人の同意がある戸別住宅72からのみ取得し、その提供された戸別監視画像を図7に示すように戸別監視モニタ39に表示する。防犯管理者はこの戸別監視モニタ39に表示された戸別住宅72の監視画像を監視して、警戒の程度、出動の要否等を把握し、不審者に必要な対処を行う。
【0075】
次に、不審者に対する通常警戒制御は次の通りである。
【0076】
X地域に不審者が存在する旨を、外部通信装置36によって住宅分譲地11の住人が所持する携帯電話、警備会社や警察等の外部機関に通報する。この場合、住人への通報は、次のような処理を経て行う。まず、住人の存在位置を把握した後、その存在位置が地域表示モニタ37の画面ブロック64クのうち、どの画面ブロック64にあたるかを判断する。そして、不審者情報のうち不審者マーク62が表示された画面ブロック64の情報を用い、住人が存在する画面ブロック64と同一又は隣接する画面ブロック64に不審者が存在する場合、当該住人の携帯電話に対して通報する。通報を受けた携帯電話では、そのモニタで付近に不審者が存在する旨の警告表示をしたり、振動や音を発生させたりすることが考えられる。
【0077】
また、不審者情報の一つである不審者の存在位置情報をもとに、不審者周辺の街灯46,47を選択的に点灯制御する。この場合、存在する不審者の数に応じて点灯形式を変更させることが考えられる。例えば、一人の不審者の周辺であれば黄色の点灯色で点灯させ、複数人の不審者の周辺であれば赤色の点灯色で点灯させる。また、10人以上の不審者の辺であれば赤色の点灯色で点滅させる。このような街灯46,47の点灯制御により、不審者に対して警戒中であることを告知したり、周辺の者に対して注意を喚起したりする。また、不審者が存在する現場に防犯管理者や外部機関の係員が駆けつける場合には、不審者が存在する場所を特定しやすいというメリットもある。
【0078】
次に、個々の戸別住宅72における防犯制御は次の通りである。
【0079】
この防犯制御には宅内モニタ53の表示制御と、防犯機器54や玄関灯55の動作制御とがある。前者の表示制御は、不審者の存在を認定した場合に管理サーバ31が各ホームサーバ51に対して制御開始のトリガとなる指令を出し、その指令により各ホームサーバ51が主体となって行う。他方、後者の動作制御は、管理サーバ31が主体となって行う。なお、この防犯制御は、住宅分譲地11の全戸別住宅72ではなく、予め登録された戸別住宅72だけを対象とするものである。
【0080】
まず宅内モニタ53の表示制御を、図9を参照しながら説明する。なお、図9は宅内モニタ53で表示される画像の段階を示す図である。この図9に示されているように、管理サーバ31からの指令を受けたホームサーバ51は、宅内モニタ53の表示画面53aに、まずは不審者表示画像(図8(a)参照)を表示する。この状態で、住人よって確認ボタン82が押し操作されると、表示画面53aの表示を監視カメラ画像(図8(b)参照)に切り替える。この表示をもとに、住人は自宅や敷地内に不審者が存在しないかを監視することができる。
【0081】
そして、このような住人による単なる監視だけでなく、管理サーバ31から不審者の識別情報を指令信号とともに取得して、それと監視カメラ画像から得られた人物情報とを照合することで、各ホームサーバ51による不審者の存在監視も併せて行う。不審者の存在を把握すると、宅内モニタ53の表示画面53aやスピーカ等で住人に対してさらなる注意喚起を行う。
【0082】
次いで、住人により確認済住宅表示ボタン84が押し操作されると、表示画面53aの表示を確認済住宅表示画像(図8(c)参照)に切り替える。この表示により、住人は不審者表示を確認済となっている区画部分87の最新情報が一目で把握できるようになっている。そして、戻るボタン89が押し操作されれば、再び監視カメラ画像が表示される。このため、住人は、監視カメラ画像が表示されている状態で、所望すればいつでも確認済住宅表示画像を表示させて各住宅72での確認の様子を把握し、その後再び監視カメラ画像に戻すという操作が行える。
【0083】
続いて、防犯機器54及び玄関灯55の動作制御について説明する。不審者マーク62が表示された画面ブロック64を不審者情報から把握し、その画面ブロック及びそれに隣接する画面ブロック64に対応付けられた戸別住宅72を選択する。その選択された複数の戸別住宅72は不審者の周辺領域に存在するとして、当該戸別住宅72における防犯機器54や玄関灯55の動作を制御する。その制御内容としては、例えば、防犯機器54については、それが開状態となっていれば自動で閉動作させたり、住人によって防犯機器54が開動作された後に自動で行う閉動作について通常よりも動作速度を速めたりする。玄関灯55については、個々の住宅72が不審者の周辺領域にあたる限り、それを点滅させる。これにより、不審者周辺の戸別住宅72において防犯性能が高められ、不審者に対しては各住宅72が不審者の存在を把握して警戒中である旨を告知する。
【0084】
以上の構成により、以下に示す有利な効果が得られる。
【0085】
(1)X地域に存在する人が不審者と判別されると、地域表示モニタ37の表示画面37aには当該不審者の存在位置に該当する地図上の箇所に不審者マーク62を表示する。その表示では、不審者の行動態様(例えば、滞在時間、存在場所など)や存在状況(例えば、人数など)に応じて表示形式が異なっている。このため、防犯管理センタ21の防犯管理者はX地域のどの場所でいかなる行動態様や状況で不審者が存在しているかを一目で把握することができる。これにより、住宅分譲地11の外まで警戒範囲を広げた場合でも、不審者マーク62の表示態様から住人にとって警戒の要否を判断し、必要な警戒だけを実施することができることになり、警備の実効性が高まる。
【0086】
(2)宅内モニタ53の表示画面53aには、確認済住宅表示画像が表示される。住宅分譲地11の住人は、この画像を確認することにより、住宅分譲地11内で確認済みとなっている区画部分87を一目で把握することができる。これにより、不審者の存在を認識した住人は、自分だけではなく近隣ではどの程度認識されているかを知ることができ、それ次第で適切な対処を行える。例えば、近隣でも数多く認識されているのであれば安心感を得られるし、認識が少なければ隣近所で不審者存在に関する情報を連絡しあうことで、情報未確認の住人も情報を共有できる。
【0087】
(3)地域表示モニタ37の表示画面37aは、区画線61によって多数の画面ブロック64に区画されている。これにより、防犯管理者は地図上における不審者マーク62の表示位置を把握しやすいという点で好適である。
【0088】
(4)X地域に住人が存在する場合、その住人の存在位置に対応する画面ブロック64を把握する。それと不審者マーク62が表示された画面ブロック64の情報を用い、住人が存在する画面ブロック64と同一ブロック又は隣接ブロックに不審者が存在する場合には、当該住人の携帯電話に対して通報する。これにより、住人に対し、付近に非住人が存在する旨の注意を喚起することができる。
【0089】
(5)不審者マーク62が表示された画面ブロック64を不審者情報から把握し、その画面ブロック及びそれに隣接する画面ブロック64と対応付けられた戸別住宅72で、防犯機器54や玄関灯55の動作を制御する。これにより、不審者の周辺に存在する戸別住宅72で防犯性能を向上させることができる。
【0090】
(6)不審者の識別情報は管理サーバ31側で管理されており、各ホームサーバ51は管理サーバ31からその識別情報を取得することにより、それと監視カメラ52の画像とを利用して自宅周辺に不審者が存在しないか監視する。このように、不審者情報を管理サーバ31側で一元管理することにより、情報管理を効率化することができる。
【0091】
(7)戸別監視モニタ39では、住人が予め同意している場合に限り、その同意があった戸別住宅72での監視カメラ画像を表示画面39aに表示する。監視カメラ画像は住人のプライバシ情報が含まれるため、予めの同意を要求することで住人のプライバシを保護することができる。また、監視カメラ画像を戸別監視モニタ39で表示させることにより、住人だけでなく防犯管理者も監視することが可能となり、より充実した不審者の監視を行える。この場合、住人側での画像提供の同意だけでなく、所定の料金を徴収して初めて防犯管理者側での監視業務を行うようにすれば、この監視業務を有料サービスとして捉えることができる。この場合、管理者を警備会社等とすれば、これを一つのビジネスモデルとして確立できる。
【0092】
(8)街灯46,47を不審者に対する警戒用として点灯制御している。これにより、不審者に対する威嚇となるし、周辺に存在する人に対して不審者が存在する旨の注意を喚起することができる。また、不審者が存在する場所に防犯管理者が駆けつける場合に、その場所を特定しやすいというメリットもある。
【0093】
なお、以上説明した実施の形態に限らず、例えば以下に別例として示した形態で実施することもできる。
【0094】
(a)上記実施の形態では、不審者情報として、日付、X地域での滞在時間、不審者マーク62が表示された画面ブロック64の座標等の情報が含まれている。このため、この不審者情報記憶部34に記憶されている不審者情報をもとにすれば、住宅分譲地11部分に存在する画面ブロック64ごとで、不審者の滞在状況を把握することができる。例えば、図10の表に示されているように、ある画面ブロック64では不審者の存在頻度が少なく、また、一度の滞在時間や総滞在時間が短い、別の画面ブロック64では不審者の存在頻度が多く、また、一度の滞在時間が長く総滞在時間も長い。なお、この場合、図示のように不審者を特定しない情報としてもよいし、不審者の特定も含めた情報としてもよい。後者の場合であれば、不審者ごとの行動態様や存在状況も加味したより詳細な情報が得られる。
【0095】
このため、かかる情報を利用すれば、住人に対して防犯対策のアドバイスをする上で役立つ。この場合、管理サーバ31において対策情報を把握し、それを各ホームサーバ51に出力して宅内モニタ53に表示させてアドバイスすることが考えられる。また、住宅メーカ側の管理サーバに情報を出力し、メーカの担当者が住人にアドバイスしてもよい。
【0096】
管理サーバ31や住宅メーカの担当者が行う防犯対策アドバイスの内容としては、例えば次のようなことが考えられる。不審者対策の必要性が低い画面ブロック64と対応付けられている戸別住宅72の住人に対しては、インターホン、外壁等に設置されるセンサライト、窓の屋外側に設置される窓格子等の設置を提案する。また、不審者対策の必要性が高い場合、前述のインターホン等の他、監視カメラ、閉状態でも上部数枚のスラットだけが開閉可能なシャッタ装置の設置、防犯管理者による警備の巡回等を提案する。また、中間程度の必要性であれば、警備巡回を除いた各種装置の設置を提案する。
【0097】
さらに、このように戸別住宅72だけを対象とする提案に限定されず、住宅分譲地11へ進入するすべての人や車両の映像を記録する進入記録装置を設置するようにしてもよい。図11は、その進入記録装置の設置例を示す図である。この図11に示されているように、道路に面して住宅分譲地11が存在し、その道路から分譲地11内の道路91へ入る入り口部分にはゲート92が設置されている。そのゲート92には、進入記録装置93が設置されている。この進入記録装置93は、道路91への入り口部分の全域を撮影範囲とする監視カメラと、進入者及び進入車両のIDコードを受信するID受信機とを備えている。また、道路91への入り口両脇には告知看板94が設置され、両告知看板94にはそれぞれ進入検知センサ95の送信部95aと受信部95bとが相対向するように設けられている。告知看板94には図示されているように、記録システムが導入されている旨が記載されている。
【0098】
かかる構成において、進入検知センサ95によって道路91に人や車両が進入したことが検知されると、進入記録装置93は予め登録されたIDコードを受信したか否かにより当該進入者及び進入車両が住人及び住人所有の車両か否かを判断する。そして、それが否定された場合には、監視カメラを駆動してその者や車両の映像を記録する。これにより、その記録を不審者に対する警戒に利用できる。また、告知看板94の存在により、不審者に対して侵入を躊躇させることも可能である。
【0099】
(b)上記実施の形態では、人感センサ41によって人検知を行っているが、自動車等の車両に乗ってX地域に進入することもあることから、車両を検知する検知センサが設置されてもよい。また、人に付与されたIDコードを用いて住人か非住人かを判別するだけではなく、ETC車載機等で車両に付与されたIDコード、車両のナンバープレートに表示された番号を用いて住人か非住人かを判別するようにしてもよい。
【0100】
(c)上記実施の形態では、X地域で検知された人が非住人である場合、地域内に所定時間滞在することでその者を不審者と認定するようにしているが、非住人であれば直ちに不審者であるとして警戒処理を行うようにしてもよい。また、滞在時間だけで不審者か否かを判別するのではなく、監視カメラ42で撮影した画像を解析し、不審な服装や行動様式として予め設定された情報に該当する場合に、その非住人を不審者として認定するようにしてもよい。また、指名手配犯や逃亡者等、予め不審者であることが確定している者については、その顔情報等の人物情報を不審者情報として予め記憶させておいてもよい。
【0101】
(d)上記実施の形態では、不審者に対する警戒である通常警戒制御としては、外部への通報や街灯46,47の点灯制御を行うだけであるが、X地区に点在するように多数のスピーカを設置して、不審者周辺のスピーカから選択的に警報音を出力させるなど、他の警戒内容を実施してもよい。
【0102】
(e)上記実施の形態では、不審者に対する通常警戒制御や、戸別住宅72での防犯制御において、その制御内容に段階を設けていないが、それを設けてもよい。例えば、住宅分譲地11での滞在が長時間に及ぶ不審者が存在する場合には、当該不審者に対する警戒レベルを上げ、より警戒度の強い制御を実施するようにしてもよい。警戒度の強い制御内容としては、例えば、外部への通報は警戒レベルが上げられた場合のみ行うとか、宅内モニタ53での不審者存在表示をより強度なものにしたり、不在の戸別住宅72では照明装置を点灯させたりするといった内容が考えられる。
【0103】
(f)上記実施の形態において、小学校12のエリア内やその周辺、通学路14に不審者が存在する場合、小学校12でさらなる警戒を行うようにしてもよい。例えば、外部通信装置36で小学校12にも通報するとか、小学校12にモニタを設置してそのモニタに不審者情報を表示したり、小学校12の防犯機器(監視カメラや施錠装置等)を動作制御したりするようにしてもよい。
【0104】
(g)上記実施の形態では、個々の戸別住宅72における防犯制御は予め登録された住宅72のみが制御対象となっている。このため、防犯制御に際して管理サーバ31からの指令を受けたり、不審者情報を受領したりするには事前登録を必要としている。これに代えて、住宅分譲地11に存在するすべての戸別住宅72を防犯制御の対象としてもよい。
【0105】
(h)上記実施の形態では、住宅分譲地11の全住人に共通する特定地域(X地域)が設定されているが、住人が所属する特定属性(女性、小学生、高齢者等)と特定地域とを対応付けるようにしてもよい。この場合、住人が所持するID端末T1〜TnのメモリM1〜Mnに属性コードも併せて記憶させておく。そして、例えば、上記X地域には小学校12や通学路14が含まれていることからこれを小学生という属性と対応付け、X地域に不審者が存在すると認定された場合には、戸別住宅72に対する防犯制御はその小学生という属性を有する住人の戸別住宅72を対象とするようにしてもよい。
【0106】
(i)上記実施の形態では、地域表示モニタ37や詳細表示モニタ38に表示させるのは不審者マーク62及び指示矢印63であるが、住宅分譲地11の住人も住人マークによって表示させてもよい。これにより、不審者の存在位置と住人の存在位置とを画面37a,38a上で把握することができ、例えば、不審者が存在する場所に向かっている住人に通報して注意を喚起するなど、より幅広い警戒を行うことができる。
【0107】
(j)上記実施の形態では、宅内モニタ53に表示される確認済住宅表示画像は、どの戸別住宅72で不審者存在表示画像が確認されたかを分譲地画像85で表示しているが、何件の住宅で確認されているのかを数字で示したり、確認済みの住宅72を住所等で特定し、それを表に列挙したりしてもよい。
【0108】
(k)上記実施の形態では、住人か非住人かを判別するID情報として、ID端末T1〜Tnに付与された固有のIDコードを用いているが、監視カメラ42によって撮影された画像情報を基に得られた顔情報等の人物情報を住人判別用のID情報として利用してもよい。この場合、監視カメラ42が住人識別情報取得手段となる。
【0109】
(l)上記実施の形態では、地域表示モニタ37の表示画面37aに非住人情報としての不審者マーク62を表示させたが、この不審者マーク62とともに又はそれに代えて、滞在時間等の他の不審者に関する情報を表示させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0110】
11…住宅分譲地、31…管理サーバ(非住人判別手段、非住人存在位置把握手段、非住人行動態様判別手段、地域表示制御手段、住人存在位置把握手段、警戒制御手段、戸別警戒制御手段、非住人識別情報管理手段、戸別表示制御手段、街灯制御手段)、34…不審者情報記憶部(非住人表示記憶手段)、37…地域表示モニタ(地域表示手段)、37a…表示画面、39…戸別監視モニタ(戸別画像表示手段)、41…人感センサ(人検知手段)、42…監視カメラ(非住人識別情報取得手段)、43…ID通信装置(住人識別情報取得手段)、46,47…街灯、51…ホームサーバ(住宅側表示制御手段、戸別防犯制御手段)、52…監視カメラ(戸別監視手段)53…宅内モニタ(住宅側表示手段)、53a…表示画面、62…不審者マーク(非住人情報)、64…画面ブロック、72…戸別住宅、X…X地域(特定地域)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅分譲地を含む特定地域の警戒を行う地域警備システムであって、
前記特定地域に設けられ、当該特定地域に存在する人を検知する人検知手段と、
同じく前記特定地域に設けられ、前記住宅分譲地に住む住人の識別情報を取得する住人識別情報取得手段と、
前記人検知手段により人が検知された場合に、前記住人識別情報の取得結果に基づいて、その人が前記住人でないことを判別する非住人判別手段と、
前記非住人判別手段により非住人と判別された当該非住人の存在位置を把握する非住人存在位置把握手段と、
前記非住人の行動態様を判別する非住人行動態様判別手段と、
前記特定地域の地図情報を表示画面上に表示する地域表示手段と、
前記非住人存在位置把握手段により把握された前記非住人の存在位置に該当する前記地図情報上の箇所に、当該非住人の行動態様に応じた表示形式で非住人情報を表示するように前記地域表示手段を制御する地域表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする地域警備システム。
【請求項2】
前記地域表示制御手段は、前記非住人情報を表示する表示形式として、色、形状、大きさ、動きのうち少なくとも一つを異ならせて表示させることを特徴とする請求項1に記載の地域警備システム。
【請求項3】
前記地域表示手段の表示画面は、複数の画面ブロックに区画されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の地域警備システム。
【請求項4】
前記住人の存在位置を把握する住人存在位置把握手段と、
前記非住人及び前記住人の存在位置に該当する前記地図情報上の箇所が、前記表示画面のどの画面ブロックに該当するかを把握し、少なくとも前記住人の存在する画面ブロックと同一ブロックに前記非住人が存在する場合に、当該非住人に対する警戒を行う警戒制御手段と、
さらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の地域警備システム。
【請求項5】
前記住宅分譲地の戸別住宅がそれぞれ、前記表示画面のどの画面ブロックに該当するかを把握し、少なくとも、戸別住宅が所属する画面ブロックと同一ブロックに前記非住人が存在する場合に、当該戸別住宅における警戒を行う戸別警戒制御手段を備えたことを特徴とする請求項3又は4に記載の地域警備システム。
【請求項6】
前記表示画面の各画面ブロックのうち、いずれの画面ブロックで前記非住人情報が表示されたかを、その情報表示された非住人の行動態様に関する情報とともに記憶する非住人表示記憶手段を備えたことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の地域警備システム。
【請求項7】
前記特定地域に設けられ、前記非住人判別手段により非住人と判別された人の識別情報を取得する非住人識別情報取得手段と、
その取得された非住人識別情報を管理する非住人識別情報管理手段と、
前記住宅分譲地の戸別住宅に設けられ、前記非住人識別情報管理手段から取得した前記非住人識別情報に基づいて個々の戸別住宅における防犯制御を実施する戸別防犯制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の地域警備システム。
【請求項8】
前記住宅分譲地の戸別住宅に設けられ、戸別住宅ごとの戸別監視画像を取得する戸別監視手段と、
地域警備を担う管理者側に設けられ、前記戸別監視画像を表示画面上に表示する戸別画像表示手段と、
前記住人の同意が予め登録されていることを条件として、前記戸別監視画像を表示するように前記戸別画像表示手段を制御する戸別表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の地域警備システム。
【請求項9】
前記特定地域にはその地域内の道路に多数の街灯が設置されており、
前記非住人存在位置把握手段により把握された非住人の存在位置周辺の街灯を選択的し、その街灯を非住人警戒用に点灯制御する街灯制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の地域警備システム。
【請求項10】
前記住宅分譲地の各戸別住宅に設けられた住宅側表示手段と、
前記住宅側表示手段の表示画面に、前記非住人が前記特定地域に存在する旨の非住人存在情報と、前記住宅分譲地の各戸別住宅で前記非住人存在情報が確認されていることに関する確認済住宅情報とを表示させる住宅側表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の地域警備システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−113255(P2011−113255A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268521(P2009−268521)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【Fターム(参考)】