説明

地点検索装置、地点検索方法及び地点検索プログラム

【課題】一つの評価項目によって下位に分類された地点候補のうち、他の評価項目で優位な点を有する地点候補を、ユーザに選択させやすくすることができる地点検索装置、地点検索方法及び地点検索プログラムを提供する。
【解決手段】制御装置は、評価項目に対する評価値を地点候補毎に取得し(ステップS13)、評価項目の中から規定の評価項目を特定し(ステップS15)、規定の評価項目に対応する評価値の高低順に各地点候補を上位群と下位群とに分類する(ステップS16)。制御装置は、他の評価項目に対する評価基準値を、上位群に分類された地点候補の他の評価項目に対応する評価値に基づき設定し(ステップS17)、下位群に分類された地点候補のうち評価基準値よりも高い評価値の他の評価項目である優位評価項目を有する地点候補を、該地点候補が優位評価項目の点で優位である旨と共に案内する(ステップS19)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザによって選択された施設属性に合致する施設などの地点候補を検索して該検索結果を案内する地点検索装置、地点検索方法及び地点検索プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の地点検索装置として、例えば特許文献1に記載の地点検索装置が提案されている。この地点検索装置では、ユーザによってジャンル(施設属性)が選択された場合に、該ジャンルに合致する複数の目的地候補(地点候補)が目的地情報データベースから検索される。そして、検索された各目的地候補は、ユーザによって選択されたジャンルに基づいて設定されるソート条件(規定の評価情報)に従って並び替えられ、ディスプレイに表示(案内)される。
【0003】
例えば、ソート条件が目的地候補までの移動距離であった場合、各目的地候補のうち、地点検索装置を搭載する車両の現在位置から近い目的地候補は、ソート条件によって上位に分類されてディスプレイに表示される。一方、車両の現在位置から遠い目的地候補は、ソート条件によって下位に分類されてディスプレイに表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−114134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、設定されたソート条件によって下位に分類された目的地候補の中には、他の評価条件(例えば、利用料金、混雑度)の観点から見ると、上位に分類された目的地候補よりも優位な目的地候補(以下、「優位候補」ともいう。)がある可能性がある。しかしながら、こうした優位候補は、選択されたジャンルに基づいたソート条件によって、ユーザによって選択されにくい位置又は態様でディスプレイに表示されるため、上位に分類された目的地候補と比較してユーザによって選択されにくい。したがって、ユーザに優位候補が選択される可能性を高めるためには、該優位候補の案内方法を工夫する必要があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。その目的は、一つの評価項目によって下位に分類された地点検索のうち、他の評価項目で優位な点を有する地点候補を、ユーザに選択させやすくすることができる地点検索装置、地点検索方法及び地点検索プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の地点検索装置は、選択された施設属性に合致する地点候補を検索する検索手段と、地点候補を評価する複数の評価項目に対する評価値を、地点候補毎に取得する評価値取得手段と、前記各評価項目の中から規定の評価項目を特定する特定手段と、前記検索手段によって検索された地点候補が複数存在する場合に、前記特定手段によって特定された規定の評価項目に対する評価値の高低順に、前記各地点候補を上位群と下位群とに分類する分類手段と、前記各評価項目のうち前記規定の評価項目とは異なる他の評価項目に対する評価基準値を、前記分類手段によって前記上位群に分類された地点候補の前記他の評価項目に対する評価値に基づき設定する基準設定手段と、前記分類手段によって前記下位群に分類された地点候補のうち、前記基準設定手段によって設定された評価基準値よりも高い評価値の前記他の評価項目である優位評価項目を有する地点候補を、該地点候補が前記優位評価項目の点で優位である旨と共に案内する案内手段と、を備えることを要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、検索された複数の地点候補は、規定の評価項目に対する評価値の高低順に、上位群と下位群とに分類される。続いて、規定の評価項目とは異なる他の評価項目に対する評価基準値が、上位群に分類された地点候補の他の評価項目に対する評価値に基づき設定される。そして、下位群に分類された地点候補のうち、評価基準値よりも高い評価値の他の評価項目である優位評価項目を有する地点候補は、優位評価項目の点で優位である旨と共にユーザに案内される。したがって、一つの評価項目によって下位群に分類された地点候補のうち、他の評価項目で優位な点(即ち、優位評価項目)を有する地点候補を、ユーザに選択させやすくすることができる。
【0009】
本発明の地点検索装置において、前記案内手段は、前記分類手段によって前記下位群に分類された地点候補のうち、前記優位評価項目を一つも有さない地点候補を案内しない。
上記構成によれば、下位群に分類された地点候補のうち、優位評価項目を一つも有さない地点候補は、ユーザに案内されない。そのため、優位評価項目を一つも有さない地点候補も案内する場合と比較して、ユーザにとって選択するメリットがある地点候補のみを案内することが可能となり、当該地点候補をユーザに選択させやすくすることができる。
【0010】
本発明の地点検索装置において、前記検索手段による検索結果は、表示装置の表示画面に表示されるようになっており、前記案内手段は、前記表示画面に、前記分類手段によって前記上位群に分類された地点候補を案内表示する上位群領域と、前記下位群に分類された地点候補を案内表示する下位群領域とを形成させ、前記上位群領域には、前記上位群に分類された地点候補を表示させる一方、前記下位群領域には、前記下位群に分類された地点候補のうち前記優位評価項目を有する地点候補を、該地点候補が前記優位評価項目の点で優位である旨と共に表示させる。
【0011】
上記構成によれば、上位群に分類された地点候補と、下位群に分類された地点候補とでは、表示画面上で表示される領域が異なる。そのため、規定の評価項目の観点で、優位な地点候補と優位ではない地点候補とを、ユーザに識別させやすくすることができる。
【0012】
本発明の地点検索方法は、選択された施設属性に合致する地点候補を検索させる検索ステップと、地点候補を評価する複数の評価項目に対する評価値を、地点候補毎に取得させる取得ステップと、前記各評価項目の中から規定の評価項目を特定させる特定ステップと、前記検索ステップで検索した地点候補が複数存在する場合に、前記特定ステップで特定した規定の評価項目に対する評価値の高低順に、前記各地点候補を上位群と下位群とに分類させる分類ステップと、前記各評価項目のうち前記規定の評価項目とは異なる他の評価項目に対する評価基準値を、前記分類ステップで前記上位群に分類した地点候補の前記他の評価項目に対する評価値に基づき設定させる基準設定ステップと、前記分類ステップで前記下位群に分類した地点候補のうち、前記基準設定ステップで設定した評価基準値よりも高い評価値の前記他の評価項目である優位評価項目を有する地点候補を、該地点候補が前記優位評価項目の点で優位である旨と共に案内させる案内ステップと、を有することを要旨とする。
【0013】
上記構成によれば、上記地点検索装置と同等の作用・効果を得ることができる。
本発明は、選択された施設属性に合致する地点候補を制御装置に検索させる地点検索プログラムにおいて、前記制御装置に、地点候補を評価する複数の評価項目に対する評価値を、地点候補毎に取得させる取得ステップと、前記各評価項目の中から規定の評価項目を特定させる特定ステップと、前記検索ステップで検索した地点候補が複数存在する場合に、前記特定ステップで特定した規定の評価項目に対する評価値の高低順に、前記各地点候補を上位群と下位群とに分類させる分類ステップと、前記各評価項目のうち前記規定の評価項目とは異なる他の評価項目に対する評価基準値を、前記分類ステップで前記上位群に分類した地点候補の前記他の評価項目に対する評価値に基づき設定させる基準設定ステップと、前記分類ステップで前記下位群に分類した地点候補のうち、前記基準設定ステップで設定した評価基準値よりも高い評価値の前記他の評価項目である優位評価項目を有する地点候補を、該地点候補が前記優位評価項目の点で優位である旨と共に案内させる案内ステップと、を実行させることを要旨とする。
【0014】
上記構成によれば、上記地点検索装置と同等の作用・効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の地点検索装置を備える車両のナビゲーション装置の一実施形態を説明するブロック図。
【図2】地点候補検索処理ルーチンを説明するフローチャート。
【図3】検索された各地点候補と、評価項目と、評価項目に対応する評価値との関係の一例を説明するテーブル。
【図4】ディスプレイでの表示態様の一例を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図1〜図4に従って説明する。
図1に示すように、車両のナビゲーション装置11は、表示装置12と、該表示装置12を制御する地点検索装置の一例としての制御装置20とを備えている。表示装置12には、車両の乗員(ユーザ)に各種情報を視認可能な状態で提供する表示画面の一例としてのディスプレイ13と、該ディスプレイ13の前面に配置される液晶のタッチパネル(入力手段)14とが設けられている。また、表示装置12においてディスプレイ13の側方には、複数種類の操作ボタン(入力手段)15が設けられている。
【0017】
こうした表示装置12は、乗員による操作ボタン15及びタッチパネル14の操作を受付けた場合、その操作内容に応じた信号を制御装置20に送信する。そして、表示装置12は、送信した信号の返答として制御装置20から送信された画像データに基づいた画像をディスプレイ13に表示させる。
【0018】
例えば、車両の乗員が「○×県」内にある施設属性の一例としての海水浴場を検索する場合、乗員は、検索用の画面をディスプレイ13に表示させるべく操作ボタン15及びタッチパネル14を操作する。そして、検索用の画面がディスプレイ13に表示されると、乗員は、「○×県」内にある海水浴場を制御装置20に検索させるべくタッチパネル14を操作する。その結果、ディスプレイ13には、「○×県」内にある海水浴場という条件に合致する海水浴場(地点候補)が表示(案内)される。そして、ディスプレイ13に表示された海水浴場が乗員によって選択された場合、車両の現在位置から選択された海水浴場までのルートが、地図と共にディスプレイ13に表示される。
【0019】
制御装置20には、車両側I/F21を介して位置検出部30及び通信部40が情報の送受信が可能な状態で接続されている。位置検出部30は、GPS(Global Positioning System )受信部31、車速センサ32及びジャイロセンサ33を有している。制御装置20は、GPS受信部31によって受信された受信信号に基づき、電波航法によって緯度・経度などの絶対位置を検出する。また、制御装置20は、車速センサ32及びジャイロセンサ33からの検出信号に基づき、自律航法を用いて基準位置からの相対位置を算出する。そして、制御装置20は、位置検出部30から出力される絶対位置及び相対位置を組み合わせて自車両の現在地を特定する。
【0020】
通信部40は、車両の乗員によって選択された施設属性に合致する地点候補が制御装置20で検索された場合、該検索された地点候補を評価するための評価項目に対する評価値を含む評価情報を、車外に設置された情報管理サーバ41に要求する。そして、通信部40は、情報管理サーバ41から受信した評価情報を制御装置20に出力する。
【0021】
ちなみに、情報管理サーバ41は、本実施形態のナビゲーション装置11によって検索可能な地点候補と、該地点候補を評価するための各種情報とを管理している。地点候補を評価するための評価項目としては、検索された地点候補のジャンルによっても多少異なるが、例えば、利用料金、混雑度、きれいさ、口コミ評価などが挙げられる。また、地点候補の評価項目に対する評価は、情報管理サーバ41で収集した各種情報に基づいた評価である。そして、こうした評価を数値化した結果、即ち評価項目に対する評価値が、情報管理サーバ41で管理されている。なお、評価項目に対する評価値は、評価項目についての地点候補に対する評価が高いほど大きい値に設定される。例えば、評価項目がきれいさである場合、該きれいさという項目に対する評価値は、きれいさを数値化した値であって、きれいであるほど大きな値に設定される。そして、情報管理サーバ41は、ナビゲーション装置11から評価情報が要求された場合、検索された地点候補の評価項目に対する評価値を含む評価情報をナビゲーション装置11に送信する。
【0022】
制御装置20は、制御部22、画像処理プロセッサ23及び情報記憶装置24などを備えている。制御部22には、CPU22a、ROM22b及びRAM22cなどを有するデジタルコンピュータが設けられている。ROM22bには、乗員によって選択された施設属性に合致する地点候補(例えば、海水浴場やレストラン)を検索するためのプログラム(地点検索プログラム)及び目的地までのルートの探索や案内をするためのプログラムなどが記憶されている。RAM22cには、CPU22aの作業領域及び探索された経路などを記憶する記憶領域が形成される。
【0023】
画像処理プロセッサ23は、制御部22からの制御信号に基づいてディスプレイ13に表示するための各種の画像データを生成し、該生成した画像データを表示装置12に出力する。その結果、表示装置12のディスプレイ13には、入力された画像データに基づく画像が表示させる。例えば、自車両の現在位置から目的地までのルートが制御部22で探索された場合、画像処理プロセッサ23は、探索されたルートと、該ルートに沿った案内の開始の許可を求める画面となどを表示させるための画像データを生成し、該画像データに基づく画像をディスプレイ13に表示させる。また、目的とする地点候補が制御部22によって検索された場合、画像処理プロセッサ23は、検索された地点候補を案内するための画像データを生成し、該画像データに基づく画像をディスプレイ13に表示させる。
【0024】
情報記憶装置24は、ハードディスクや光ディスクなどの外部記憶媒体である。こうした情報記憶装置24には、地図データ記憶部24a、探索データ記憶部24b及び施設データ記憶部24cが形成されている。地図データ記憶部24aは、道路地図、住宅地図及び建物形状地図などの地図データを記憶している。探索データ記憶部24bは、所定の地点間の道路及びその道路の交通規制情報、距離及び通行料金といった各種道路情報に関するデータを記憶している。
【0025】
施設データ記憶部24cは、区役所、病院、駅、レストラン、遊園地、駐車場などの各種施設及び該各種施設の名称、住所、電話番号及び施設属性などのデータを記憶している。また、利用料金(入場料など)が発生する施設に関しては、利用料金に関するデータも施設データ記憶部24cに記憶されている。なお、施設属性とは、施設(地点候補)を特定するためのジャンルを含んだ概念である。
【0026】
本実施形態のナビゲーション装置11で地点候補を検索した場合、該検索結果がディスプレイ13に表示される。このときにディスプレイ13に表示される画面は、従来の画面とは異なる特徴的な画面となる。なお、「従来の画面」とは、検索された複数の検索対象が所定のソート条件に沿って順番に表示されるような画面のことである。
【0027】
そこで次に、本実施形態の制御部22が実行する地点候補検索処理ルーチンについて、図2に示すフローチャート、図3に示すテーブル及び図4に示す説明図を参照して説明する。なお、ここでは、「○×県」に存在する海水浴場(施設属性)という条件に基づき検索し、合計7つの海水浴場が検索されたものとする。
【0028】
さて、地点候補検索処理ルーチンは、乗員によるタッチパネル14及び操作ボタン15の操作によって検索実行の要求が制御部22に入力されたことを契機に実行される。そして、地点候補検索処理ルーチンにおいて、制御部22は、乗員によって選択された条件に合致する施設である地点候補を、情報記憶装置24の施設データ記憶部24cから検索する(ステップS10)。この点で、本実施形態では、制御部22が、検索手段として機能する。また、ステップS10が、検索ステップに相当する。なお、検索の方法としては、ジャンル(海水浴場などの施設属性)のみを指定して検索する方法と、エリア(○×県など)とジャンルとを指定して検索する方法などが挙げられる。
【0029】
続いて、制御部22は、ステップS10で検索された地点候補が複数あるか否かを判定する(ステップS11)。検索された地点候補が「1つ」又は「0(零)個」である場合(ステップS11:NO)、制御部22及び画像処理プロセッサ23は、第1表示処理を行う(ステップS12)。この第1表示処理では、検索された地点候補が「0(零)」個である場合、制御部22及び画像処理プロセッサ23は、条件にあった地点候補がない旨をディスプレイ13に表示させる。また、検索された地点候補が「1つ」である場合、制御部22及び画像処理プロセッサ23は、該地点候補をディスプレイ13に表示させる。その後、制御部22は、地点候補検索処理ルーチンを終了する。
【0030】
一方、検索された地点候補が複数有る場合(ステップS11:YES)、制御部22は、地点候補を評価するための評価項目を取得すると共に、評価項目に対する評価値を地点候補毎に取得する(ステップS13)。したがって、本実施形態では、制御部22が、項目取得手段としても機能するし、評価値取得手段としても機能する。また、ステップS13が、取得ステップに相当する。
【0031】
ここで、評価項目と評価値の取得方法について説明する。
まず、制御部22は、ステップS10で検索した地点候補であるA〜E海水浴場を評価するための評価項目として、所要時間、利用料金、混雑度及びきれいさという評価項目を取得する(図3参照)。具体的には、制御装置20が備えるROM22bなどのメモリには施設属性と評価項目とを対応付けたテーブル(図示略)が格納されている。そして、制御部22は、乗員によって選択された施設属性に対応する評価項目を当該テーブルに基づいて取得する。
【0032】
そして、制御部22は、取得した評価項目に対する評価値を地点候補であるA〜E海水浴場毎に取得する。なお、当該評価項目に対する評価値の取得について、各評価項目に対する評価値のうち、所要時間及び利用料金に対する評価値は、制御部22自身で取得される一方、他の項目(混雑度及びきれいさ)に対する評価値は、通信部40を介して情報管理サーバ41(図1参照)から取得される。
【0033】
各評価項目に対する評価値の取得について、以下具体的に説明する。
所要時間という項目に対する評価値は、所要時間が短いほど高くなるように設定される。つまり、制御部22は、車両の現在地から各海水浴場までの経路を探索し、当該探索した経路を走行するために必要な旅行時間を、各海水浴場までの所要時間として算出する。そして、制御部22は、算出した所要時間に基づいて、所要時間に対する評価値をA〜E海水浴場毎に設定する。例えば、図3に示すように、A海水浴場までの所要時間が「15分」であり、B海水浴場までの所要時間が「20分」であり、C海水浴場までの所要時間が「25分」であり、D海水浴場までの所要時間が「40分」であり、E海水浴場までの所要時間が「50分」であり、F海水浴場までの所要時間が「65分」であり、G海水浴場までの所要時間が「80分」であったとする。この場合、A海水浴場の評価値が「7」に、B海水浴場の評価値が「6」に、C海水浴場の評価値が「5」に、D海水浴場の評価値が「4」に、E海水浴場の評価値が「3」に、F海水浴場の評価値が「2」に、G海水浴場の評価値が「1」に設定される。
【0034】
尚、上記所用時間の算出については、例えば、一般道は30km/h、高速道路は80km/hで走行すると仮定し、経路を走行するための旅行時間を算出してもよいし、リンク毎の渋滞状況を加味して算出するようにしてもよい。
【0035】
利用料金という項目に対する評価値は、利用料金が安いほど高くなるように設定される。つまり、制御部22は、施設データ記憶部24cから各海水浴場の利用料金を読み出す。そして、A海水浴場の利用料金が「1500円」であり、B海水浴場の利用料金が「1200円」であり、C海水浴場の利用料金が「2000円」であり、D海水浴場の利用料金が「800円」であり、E海水浴場の利用料金が「1200円」であり、F海水浴場の利用料金が「1000円」であり、G海水浴場の利用料金が「800円」であったとする。この場合、D海水浴場及びG海水浴場の評価値が「5」に、F海水浴場の評価値が「4」に、B海水浴場及びE海水浴場の評価値が「3」に、A海水浴場の評価値が「2」に、C海水浴場の評価値が「1」に設定される。
【0036】
混雑度という項目に対する評価値は、すいているほど高くなるように設定される。つまり、制御部22は、情報管理サーバ41に対して、各海水浴場の混雑度に対する評価値を要求する。そして、制御部22は、要求に対する返答として、各海水浴場の混雑度に対する評価値を情報管理サーバ41から車両側I/F21を介して取得する。本実施形態では、各海水浴場の混雑度に対する評価値は、情報管理サーバ41で設定されている。そのため、情報管理サーバ41側で取得された各海水浴場の評価値が、そのまま各海水浴場の評価値とされる。その結果、すいているC海水浴場及びG海水浴場の評価値が「3」に設定される。また、混雑度が普通のB海水浴場、E海水浴場及びF海水浴場の評価値が「2」に設定される。また、混雑しているA海水浴場及びD海水浴場の評価値が「1」に設定される。
【0037】
きれいさという項目に対する評価値は、きれいであるほど高くなるように設定される。つまり、制御部22は、情報管理サーバ41に対して、各海水浴場のきれいさに対する評価値を要求する。そして、制御部22は、要求に対する返答として、各海水浴場のきれいさに対する評価値を情報管理サーバ41から車両側I/F21を介して取得する。本実施形態では、各海水浴場のきれいさに対する評価値は、情報管理サーバ41で設定されている。そのため、情報管理サーバ41側で取得された各海水浴場の評価値が、そのまま各海水浴場の評価値とされる。その結果、きれいなG海水浴場の評価値が「3」に設定される。また、きれいさが普通のA海水浴場、C海水浴場、D海水浴場、E海水浴場及びF海水浴場の評価値が「2」に設定される。また、ゴミなどが散乱する所謂汚いB海水浴場の評価値が「1」に設定される。
【0038】
図2のフローチャートに戻り、制御部22は、分類用のルールが設定されているか否かを判定する(ステップS14)。この分類用のルールとは、検索された複数の地点候補を、複数の群に分類するためのルールである。制御部22は、ステップS13で取得された各評価項目のうち何れの項目を最も重要視するのかを車両の乗員に選択させるための画面をディスプレイ13に表示させる。そして、乗員による選択結果を示す信号が制御部22に入力されない間はステップS14の判定結果がNOであるため、制御部22は、ステップS14の判定処理を繰り返し実行する。一方、乗員による選択結果を示す信号が制御部22に入力された場合(ステップS14:YES)、制御部22は、入力された信号に基づき、選択された評価項目(規定の評価項目)を特定する(ステップS15)。したがって、本実施形態では、制御部22が、特定手段としても機能する。また、ステップS15が、特定ステップに相当する。
【0039】
続いて、制御部22は、ステップS15で特定された規定の評価項目に対する評価値の高低順に、各地点候補を複数の群に分類する(ステップS16)。したがって、本実施形態では、制御部22が、分類手段としても機能する。また、ステップS16が、分類ステップに相当する。なお、本実施形態では、各地点候補を3つの群に階層別に分類する。
【0040】
ここで、分類処理について、図3を参照して説明する。なお、ステップS15で特定された規定の評価項目は、所要時間という項目であるものとする。
図3に示すように、制御部22は、所要時間という項目に対する評価値の高低順に、各海水浴場を並べる。この場合、各海水浴場は、所要時間の短い順に、A海水浴場、B海水浴場、C海水浴場、D海水浴場、E海水浴場、F海水浴場、G海水浴場の順に並べられる。そして、制御部22は、規定の評価項目についての閾値に基づいて、各地点候補を上位群と下位群とに分類する。本実施形態では、規定の評価項目である所要時間についての閾値が30分と60分とに設定されている。そのため、制御部22は、30分以内で到着可能な海水浴場を第1群G1に分類し、30分以上であって且つ60分以内に到着可能な海水浴場を第2群G2に分類し、到着までに60分以上かかる海水浴場を第3群G3に分類する。この場合、図3にて実線で囲まれるA海水浴場、B海水浴場及びC海水浴場は、第1群G1に分類される。また、図3にて破線で囲まれるD海水浴場及びE海水浴場は、第2群G2に分類される。そして、図3にて一点鎖線で囲まれるF海水浴場及びG海水浴場は、第3群G3に分類される。
【0041】
規定の評価項目についての閾値は、2つ以外の任意数(1つや3つなど)でもよい。また、規定の評価項目についての閾値を、各評価項目と対応付けてメモリなどに予め記憶しておいてもよいし、ステップS16での処理の一環としてその都度設定してもよい。その都度設定する方法としては、例えば、各施設候補の評価値の平均値を閾値として採用する方法や、当該平均値に所定の係数を乗じて閾値を算出する方法などがある。
【0042】
なお、本実施形態では、第1群G1は、第2群G2及び第3群G3から見て上位群に相当する。また、第2群G2は、第1群G1から見て下位群に相当する一方、第3群G3から見て上位群に相当する。また、第3群G3は、第1群G1及び第2群G2から見て下位群に相当する。
【0043】
図2のフローチャートに戻り、ステップS16の分類処理が完了すると、制御部22は、各評価項目のうち規定の評価項目とは異なる他の評価項目の観点で、下位群に分類された地点候補を評価するための評価基準値を設定する(ステップS17)。この評価基準値は、上位群に分類された地点候補の他の評価項目に対する評価値に基づき設定される。すなわち、第2群G2に分類された地点候補を他の評価項目の観点で評価するための評価基準値は、第2群G2よりも上位群である第1群G1に分類された地点候補の他の評価項目に対する評価値に基づき設定される。また、第3群G3に分類された地点候補を他の評価項目の観点で評価するための評価基準値は、第3群G3よりも上位群である第1群G1及び第2群G2に分類された地点候補の他の評価項目に対する評価値に基づき設定される。したがって、本実施形態では、制御部22が、基準設定手段としても機能する。また、ステップS17が、基準設定ステップに相当する。
【0044】
なお、第3群G3に分類された地点候補を他の評価項目の観点で評価するための評価基準値を、第2群G2に分類された地点候補の他の評価項目に対する評価値に基づき設定してもよいし、第1群G1に分類された地点候補の他の評価項目に対する評価値に基づき設定してもよい。
【0045】
ここで、評価基準値の設定方法を、図3を参照して説明する。
図3に示すように、利用料金という項目(他の評価項目)の観点で第2群G2に分類されたD海水浴場及びE海水浴場を評価するための第1の評価基準値は、第1群G1に分類された各海水浴場の利用料金という項目に対する評価値に基づき設定される。例えば、第1群G1に分類された各海水浴場のうち、利用料金という項目で最も優位な海水浴場は、B海水浴場である。そこで、第1の評価基準値は、B海水浴場の利用料金という項目に対する評価値(3)に設定される。
【0046】
同様に、混雑度という項目(他の評価項目)の観点で第2群G2に分類されたD海水浴場及びE海水浴場を評価するための第2の評価基準値は、第1群G1に分類された各海水浴場の混雑度という項目に対する評価値に基づき設定される。例えば、第1群G1に分類された各海水浴場のうち、混雑度という項目で最も優位な海水浴場は、C海水浴場である。そこで、第2の評価基準値は、C海水浴場の混雑度という項目に対する評価値(3)に設定される。
【0047】
同様に、きれいさという項目(他の評価項目)の観点で第2群G2に分類されたD海水浴場及びE海水浴場を評価するための第3の評価基準値は、第1群G1に分類された各海水浴場のきれいさという項目に対する評価値に基づき設定される。例えば、第1群G1に分類された各海水浴場のうち、きれいさという項目で最も優位な海水浴場は、A海水浴場及びC海水浴場である。そこで、第3の評価基準値は、A海水浴場及びC海水浴場のきれいさという項目に対する評価値(2)に設定される。
【0048】
また、利用料金という項目(他の評価項目)の観点で第3群G3に分類されたF海水浴場及びG海水浴場を評価するための第4の評価基準値は、第1群G1及び第2群G2に分類された各海水浴場の利用料金という項目に対する評価値に基づき設定される。例えば、第1群G1及び第2群G2に分類された各海水浴場のうち、利用料金という項目で最も優位な海水浴場は、D海水浴場である。そこで、第4の評価基準値は、D海水浴場の利用料金という項目に対する評価値(5)に設定される。
【0049】
同様に、混雑度という項目(他の評価項目)の観点で第3群G3に分類されたF海水浴場及びG海水浴場を評価するための第5の評価基準値は、第1群G1及び第2群G2に分類された各海水浴場の混雑度という項目に対する評価値に基づき設定される。例えば、第1群G1及び第2群G2に分類された各海水浴場のうち、混雑度という項目で最も優位な海水浴場は、C海水浴場である。そこで、第5の評価基準値は、C海水浴場の混雑度という項目に対する評価値(3)に設定される。
【0050】
同様に、きれいさという項目(他の評価項目)の観点で第3群G3に分類されたF海水浴場及びG海水浴場を評価するための第6の評価基準値は、第1群G1及び第2群G2に分類された各海水浴場のきれいさという項目に対する評価値に基づき設定される。例えば、第1群G1及び第2群G2に分類された各海水浴場のうち、きれいさという項目で最も優位な海水浴場は、A海水浴場、C海水浴場、D海水浴場及びE海水浴場である。そこで、第6の評価基準値は、A海水浴場、C海水浴場、D海水浴場及びE海水浴場のきれいさという項目に対する評価値(2)に設定される。
【0051】
図2のフローチャートに戻り、ステップS17の処理が完了すると、制御部22は、各地点候補のうち、ディスプレイ13に表示させる地点候補を選択する表示選択処理を行う(ステップS18)。制御部22は、第2群G2に分類された各地点候補のうち、ステップS17で取得された評価基準値よりも高い評価値の他の評価項目である優位評価項目を有する地点候補の案内を許可する。一方、制御部22は、第2群G2に分類された各地点候補のうち、ステップS17で取得された評価基準値よりも高い評価値の他の評価項目(即ち、優位評価項目)を一つも有さない地点候補の案内を禁止する。同様に、制御部22は、第3群G3に分類された各地点候補のうち、ステップS17で取得された評価基準値よりも高い評価値の他の評価項目である優位評価項目を有する地点候補の案内を許可する。一方、制御部22は、第3群G3に分類された各地点候補のうち、ステップS17で取得された評価基準値よりも高い評価値の他の評価項目(即ち、優位評価項目)を一つも有さない地点候補の案内を禁止する。
【0052】
ここで、表示選択処理の具体例について、図3を参照して説明する。
図3に示すように、第2群G2に分類された各海水浴場のうち、D海水浴場は、ステップS17にて設定された評価基準値よりも高い評価値の評価項目(即ち、優位評価項目)として「利用料金」を有している。つまり、D海水浴場は、利用料金という項目の観点で、第1群G1に分類された各海水浴場よりも優位である。一方、E海水浴場は、ステップS17にて設定された評価基準値よりも高い評価値の評価項目(即ち、優位評価項目)を一つも有していない。つまり、E海水浴場は、利用料金という観点でB海水浴場と同等であり、混雑度という観点でC海水浴場よりも優位ではなく、きれいさという観点でA海水浴場などと同等である。そのため、D海水浴場のディスプレイ13での案内表示は許可される一方で、E海水浴場のディスプレイ13での案内表示は禁止される。
【0053】
また、第3群G3に分類された各海水浴場のうち、G海水浴場は、ステップS17にて設定された評価基準値よりも高い評価値の評価項目(即ち、優位評価項目)として「きれいさ」を有している。つまり、G海水浴場は、きれいさという項目の観点で、第1群G1及び第2群G2に分類された各海水浴場よりも優位である。一方、F海水浴場は、ステップS17にて設定された評価基準値よりも高い評価値の評価項目(即ち、優位評価項目)を一つも有していない。つまり、F海水浴場は、利用料金という観点でD海水浴場よりも優位ではなく、混雑度という観点でC海水浴場よりも優位ではなく、きれいさという観点でA海水浴場などと同等である。そのため、G海水浴場のディスプレイ13での案内表示は許可される一方で、F海水浴場のディスプレイ13での案内表示は禁止される。
【0054】
図2のフローチャートに戻り、ステップS18の処理が完了すると、制御部22及び画像処理プロセッサ23は、ステップS18で選択された地点候補をディスプレイ13で案内表示させる第2表示処理を行う(ステップS19)。したがって、本実施形態では、制御部22及び画像処理プロセッサ23により、案内手段が構成される。また、ステップS19が、案内ステップに相当する。その後、制御部22は、地点候補検索処理ルーチンを終了する。
【0055】
ここで、第2表示処理によってディスプレイ13に表示される画像の一例について、図4を参照して説明する。
制御装置20は、ディスプレイ13の表示領域を、ステップS16にて分類した群の個数に等分させる。本実施形態では、ステップS16にて分類した群の個数が「3」であるため、図4に示すように、制御装置20は、ディスプレイ13の表示領域を上下に三等分させる。そして、制御装置20は、図4において最上位の表示領域を第1群G1用の表示領域D1とすると共に、中位の表示領域を第2群G2用の表示領域D2とし、さらに、最下位の表示領域を第3群G3用の表示領域D3とする。このとき、第3群G3に分類された各海水浴場のうち案内表示が許可された海水浴場がない場合、制御装置20は、ディスプレイ13の表示領域を、第1群G1用の表示領域D1と第2群G2用の表示領域D2とに2分割させる。同様に、第2群G2に分類された各海水浴場のうち案内表示が許可された海水浴場がない場合、制御装置20は、ディスプレイ13の表示領域を、第1群G1用の表示領域D1と第3群G3用の表示領域D3とに2分割させる。
【0056】
そして、制御装置20は、第1群G1用の表示領域D1に、第1群G1に分類された各海水浴場を案内表示させる。制御装置20は、規定の評価項目である所要時間という項目の評価値の高い順に、左から右に沿って各海水浴場を案内表示させる。このとき、A海水浴場は、第1群G1に分類された各海水浴場の中で最も混雑している(図3参照)。また、B海水浴場は、第1群G1に分類された各海水浴場の中で、最も低料金である一方で、最も汚い(図3参照)。さらに、C海水浴場は、第1群G1に分類された各海水浴場の中で、最も高料金である一方で、最もすいている(図3参照)。
【0057】
そのため、制御装置20は、第1群G1用の表示領域D1に、混雑度の点で優位ではない旨と共にA海水浴場を案内表示させる。また、制御装置20は、第1群G1用の表示領域D1に、利用料金の点で優位である旨ときれいさの点で優位ではない旨と共にB海水浴場を案内表示させる。また、制御装置20は、第1群G1用の表示領域D1に、利用料金の点で優位ではない旨と混雑度の点で優位である旨と共にC海水浴場を案内表示させる。
【0058】
また、制御装置20は、第2群G2用の表示領域D2に、第2群G2に分類された各海水浴場のうち案内表示が許可されたD海水浴場を案内表示させる。このD海水浴場は、利用料金の点で、第1群G1に分類された各海水浴場よりも優位である。そのため、制御装置20は、第2群G2用の表示領域D2に、利用料金の点で優位である旨と共にD海水浴場を案内表示させる。しかも、制御装置20は、D海水浴場が利用料金の点で優位である旨を、B海水浴場が利用料金の点で優位である旨よりも強調させる。
【0059】
また、制御装置20は、第3群G3用の表示領域D3に、第3群G3に分類された各海水浴場のうち案内表示が許可されたG海水浴場を案内表示させる。このG海水浴場は、きれいさの点で、第1群G1及び第2群G2に分類された各海水浴場よりも優位である。そのため、制御装置20は、第3群G3用の表示領域D3に、きれいさの点で優位である旨と共にG海水浴場を案内表示させる。
【0060】
本実施形態では、第1群G1用の表示領域D1は、他の表示領域D2,D3から見て上位群領域に相当する。また、第3群G3用の表示領域D3は、他の表示領域D1,D2から見て下位群領域に相当する。また、第2群G2用の表示領域D2は、第1群G1用の表示領域D1から見て下位群に相当する一方で、第3群G3の表示領域D3から見て上位群領域に相当する。
【0061】
ディスプレイ13に案内表示された各海水浴場のうち何れか一つ(例えば、D海水浴場)が車両の乗員によって選択されると、D海水浴場までのルート探索を行ってよいか否かを確認するための画像がディスプレイ13に表示される。そして、乗員のタッチパネル14の操作などによってルート探索が許可されると、制御装置20では自車両の現在位置からD海水浴場までのルート探索が行われる。その結果、ディスプレイ13には、探索したルートが地図と共に表示される。その後、ルート案内を許可するための操作を乗員が行うと、目的地であるD海水浴場への案内がディスプレイ13で行われる。
【0062】
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)検索された複数の地点候補は、規定の評価項目(本実施形態では、所要時間という項目)に対する評価値の高低順に、第1群G1、第2群G2及び第3群G3に分類される。続いて、所要時間という項目以外の他の評価項目(例えば、利用料金という項目)に対する評価基準値が、上位群に分類された地点候補の利用料金という項目に対する評価値に基づき設定される。例えば、利用料金という項目の観点で第2群G2に分類された各海水浴場を評価するための第1の評価基準値は、第1群G1に分類された各海水浴場の利用料金という項目に対する評価値に基づき設定される。また、利用料金という項目の観点で第3群G3に分類された各海水浴場を評価するための第4の評価基準値は、第1群G1及び第2群G2に分類された各海水浴場の利用料金という項目に対する評価値に基づき設定される。
【0063】
そして、下位群に分類された地点候補のうち、設定された評価基準値よりも高い評価値の他の評価項目である優位評価項目を有する地点候補(本実施形態では、D海水浴場及びG海水浴場)は、優位評価項目の点で優位である旨と共に車両の乗員に案内される。したがって、一つの評価項目によって下位に分類された地点候補のうち、他の評価項目で優位な点(即ち、優位評価項目)を有する地点候補を、車両の乗員に選択させやすくすることができる。
【0064】
(2)その一方で、下位群に分類された地点候補のうち、優位評価項目を一つも有さない地点候補(本実施形態では、E海水浴場及びG海水浴場)は、車両の乗員に案内されない。そのため、優位評価項目を一つも有さない地点候補も案内する場合と比較して、下位群に分類されたにも拘わらず案内される地点候補(本実施形態では、D海水浴場及びG海水浴場)を、乗員に印象付けることができる。したがって、一つの評価項目によって下位に分類された地点候補のうち、優位評価項目を有する地点候補を車両の乗員に選択させやすくすることができる。
【0065】
(3)上位群に分類された地点候補と、下位群に分類された地点候補とでは、ディスプレイ13上で表示される領域が異なる。そのため、規定の評価項目の観点で、優位な地点候補と優位ではない地点候補とを、車両の乗員に識別させやすくすることができる。
【0066】
(4)また、本実施形態では、最上位の第1群G1に分類された各海水浴場は、優位な点と優位ではない点と共に案内される。すなわち、車両の乗員に目的地を選択させるために、単なる検索結果だけではなく、様々な情報も提供している。そのため、乗員の趣向に沿った目的地を、乗員に選択させることができる。
【0067】
なお、上記実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・実施形態において、上位群に分類された地点候補と下位群に分類された地点候補とをディスプレイ13上にて識別可能であれば、ディスプレイ13を任意のルールで区分してもよい。例えば、ディスプレイ13の左側に上位群用の表示領域を形成し、その右側に下位群の表示領域を形成してもよい。
【0068】
・実施形態において、第1群G1に分類された地点候補については、規定の評価項目以外の他の評価項目の観点で優位であるか優位でないかという情報と共に案内しなくてもよい。この場合であっても、第1群G1に分類された地点候補は、第1群G1用の表示領域D1に表示される。そのため、車両の乗員は、第1群G1に分類された地点候補が規定の評価項目の点で他の地点候補よりも優位であることを容易に認識することができる。
【0069】
・実施形態において、下位群に分類された各地点候補のうち、ステップS17で取得された評価基準値よりも高い評価値の他の評価項目、即ち優位評価項目を一つも有さない地点候補についても、ディスプレイ13上で案内表示してもよい。
【0070】
なお、優位評価項目を一つも有さない地点候補についても表示する場合には、優位評価基準値を有する地点候補と識別可能な態様にて表示することが好ましい。例えば、優位評価項目を一つも有さない地点候補を、優位評価項目を有する地点候補よりも目立たないようにディスプレイ13上に表示させるなどの表示態様がある。即ち、第1の実施形態において、E海水浴場を案内する表示領域の輝度を、D海水浴場を案内する表示領域の輝度よりも低くしてもよい。また、E海水浴場を案内する表示領域を白黒表示させ、D海水浴場を案内する表示領域をカラー表示させてもよい。
【0071】
・実施形態において、表示選択処理(ステップS18)では、第2群G2に分類された各地点候補のうち、評価基準値以上の評価値の他の評価項目である優位評価項目を有する地点候補の案内を許可してもよい。同様に、第3群G3に分類された各地点候補のうち、評価基準値以上の評価値の他の評価項目である優位評価項目を有する地点候補の案内を許可してもよい。第1の実施形態の場合では、第2群G2に分類されたD海水浴場及びE海水浴場は、利用料金及びきれいさの点で優位である旨と共にそれぞれ案内される。また、第3群G3に分類されたF海水浴場は、きれいさの点で優位である旨と共に案内される。即ち、本発明において「優位評価項目」とは、評価基準値よりも高い評価点の他の評価項目を示す場合だけではなく、評価基準値以上の高い評価点の他の評価項目を示す場合も含んでいる。
【0072】
・実施形態において、規定の評価項目とは異なる他の評価項目に対する評価基準値については、上位群に分類された地点候補の他の評価基準に対する評価値に基づき設定するのであれば、任意の方法で設定してもよい。例えば、第1の実施形態において、第2群G2に分類された各海水浴場を利用料金という項目で評価するための第1の評価基準値は、第1群G1に分類された各海水浴場の利用料金という項目に対する評価値の平均値(この場合、2)であってもよい。上記第2〜第6の各評価基準値についても、同様の方法で設定してもよい。
【0073】
また、上位群に分類された各地点候補の中から、総合的に最も優位な地点候補(評価値の合計、最も評価値が高い評価項目の個数など)を特定し、当該最も優位な地点候補の各評価項目に対する評価値を評価基準値としてもよい。例えば、第1群G1に分類された各海水浴場の中では、C海水浴場は、他の海水浴場よりも2つの評価項目の観点で優位である。そこで、第1の評価基準値をC海水浴場の利用料金という項目に対する評価値(1)とし、第2の評価基準値をC海水浴場の混雑度という項目に対する評価値(3)とし、第3の評価基準値をC海水浴場のきれいさという項目に対する評価値(2)としてもよい。上記第4〜第6の各評価基準値についても、同様の方法で設定してもよい。
【0074】
・実施形態において、第3群G3に分類されたF海水浴場及びG海水浴場は、規定の評価項目の観点では、第3群G3から見た上位群である第2群G2に分類されたD海水浴場及びE海水浴場よりも優位ではない。そのため、第3群G3に分類された各海水浴場のうちディスプレイ13での案内表示を許可するための基準を、第2群G2に分類された各海水浴場のうちディスプレイ13での案内表示を許可するための基準よりも厳しくしてもよい。例えば、第3群G3に分類された各海水浴場のうち、第1群G1及び第2群G2に分類された各海水浴場よりも規定の評価項目とは異なる他の評価項目の観点で2つ以上優位な点を有する海水浴場を、ディスプレイ13で案内表示させてもよい。なお、この場合、第3群G3に分類された各海水浴場は、ディスプレイ13に案内表示されない(図3参照)。
【0075】
・実施形態において、規定の評価項目として利用料金が選択された場合、各海水浴場を利用料金の安い順に並べ、利用料金という項目に対する評価点の高低順に各海水浴場を上位群と下位群とに分類してもよい。
【0076】
・実施形態において、規定の評価項目を予め設定しておいてもよい。例えば、規定の評価項目を、予め所要時間としてもよい。この場合、制御部22は、ROM22aなどの記憶手段から、規定の評価項目に関する情報を読み出し、該読出し結果に基づき分類処理(ステップS16)を行う。このような制御構成としても、制御部22が、特定手段としても機能する。なお、この場合には、上記地点候補検索処理ルーチンにおいてステップS14の判定処理を省略してもよい。
【0077】
・実施形態において、各地点候補を規定の評価項目に対する評価値の高低順に並べ、各地点候補のうち、上位N個の地点候補を上位群に分類し、それ以外の地点候補を下位群に分類してもよい。
【0078】
・上記各実施形態では、利用料金は、海水浴場への入場に要する料金としているが、現在位置から海水浴場まで行く際に要する料金(有料道路の料金や、燃料代など)であってもよい。もちろん、利用料金は、海水浴場への入場に要する料金と、現在位置から海水浴場まで行く際に要する料金との合計であってもよい。この場合、制御部22は、現在位置から各海水浴場までの経路を探索し、経路上の有料道路区間や経路の総距離などに基づいて、経路を走行する際に要する料金を算出する。
【0079】
・上記各実施形態において、自車両の現在位置とは異なる他の位置を基準位置に設定し、該基準位置から各地点候補までに要する時間又は距離を所要時間又は所用距離としてもよい。例えば、旅行に行く際において、宿泊する旅館を基準位置に設定し、旅館を中心に観光する施設を決定する場合に、旅館を基準に所要時間又は所用距離が算出される。
【0080】
・本発明を、海水浴場以外の他の施設(例えば、レストラン、ショッピングモール)を検索する場合に具体化してもよい。検索対象がレストランである場合、評価項目の一例としては、現在位置からの目的地までの所要時間、混雑度、駐車場の広さ(有るか否かも含む。)、平均予算などが挙げられる。また、検索対象がショッピングモールである場合、評価項目の一例としては、現在位置からの目的地までの所要時間、混雑度、駐車場の広さ、出店数の多さなどが挙げられる。
【0081】
・実施形態において、ナビゲーション装置11内で、地点候補に関する評価項目を少なくとも2つ取得できる場合には、地点候補を評価するための評価項目に対する評価値を、情報管理サーバ41から受信しなくてもよい。
【0082】
・実施形態において、施設属性と評価項目とを対応付けたテーブルを、ナビゲーション装置11側ではなく、情報管理サーバ41に用意してもよい。この場合、選択された施設属性に基づいた地点候補が検索されると、ナビゲーション装置11からは、施設属性に対応する評価項目を取得するための要求が情報管理サーバ41になされる。すると、情報管理サーバ41からは、受信した要求に対する返答として、施設属性に対応する評価項目を含んだ情報がナビゲーション装置11に送信される。その結果、制御部22は、施設属性に対応する評価項目を取得する。
【0083】
・実施形態では、第2群G2や第3群G3に分類された地点候補を、第1群G1に分類された地点候補と同時にディスプレイ13に表示させなくてもよい。この場合、ディスプレイ13の右端などにスクロールバーを表示させ、該スクロールバーが操作された場合に第2群G2や第3群G3に分類された地点候補をディスプレイ13に表示させるようにしてもよい。
【0084】
・上記地点候補検索処理ルーチンの実行による検索結果を、車両に搭載されるスピーカを用いて案内してもよい。
・実施形態において、地点候補を検索させるための施設属性を、タッチパネル14や操作ボタン15ではなく、音声入力によって乗員に選択させてもよい。この場合、制御部22及び音声処理用のプロセッサ(図示略)によって、案内手段が構成される。
【0085】
・本発明の地点検索装置を、携帯電話などの移動式情報端末に具体化してもよい。この場合、移動式情報端末に、地点検索プログラムをインストールさせ、上記地点候補検索処理ルーチンを実行させる。そして、検索結果が移動式情報端末のディスプレイに表示される。
【0086】
・また、本発明の地点検索装置を、パーソナルコンピュータなどの情報端末に具体化してもよい。この場合、情報端末に、地点検索プログラムをインストールさせ、上記地点候補検索処理ルーチンを実行させる。そして、検索結果を、情報端末に接続されるディスプレイに表示させてもよいし、情報端末に接続されるプリンターで出力させてもよい。
【0087】
次に、上記実施形態及び別の実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記案内手段は、前記分類手段によって最も上位の群に分類された地点候補を、前記規定の評価項目とは異なる他の評価項目の観点で優位であるか否かという情報と共に案内することを特徴とする地点検索装置。
【0088】
(ロ)前記検索手段によって検索された地点候補を評価するための評価項目を取得する項目取得手段をさらに備え、
前記評価値取得手段は、前記項目取得手段によって取得された評価項目に対する評価値を地点候補毎に取得することを特徴とする地点検索装置。
【符号の説明】
【0089】
12…表示装置、13…表示画面としてのディスプレイ、20…地点検索装置の一例としての制御装置、22…案内手段を構成する制御部(検索手段、評価値取得手段、特定手段、分類手段、基準設定手段)、23…案内手段を構成する画像処理プロセッサ、D1,D2,D3…表示領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択された施設属性に合致する地点候補を検索する検索手段と、
地点候補を評価する複数の評価項目に対する評価値を、地点候補毎に取得する評価値取得手段と、
前記各評価項目の中から規定の評価項目を特定する特定手段と、
前記検索手段によって検索された地点候補が複数存在する場合に、前記特定手段によって特定された規定の評価項目に対する評価値の高低順に、前記各地点候補を上位群と下位群とに分類する分類手段と、
前記各評価項目のうち前記規定の評価項目とは異なる他の評価項目に対する評価基準値を、前記分類手段によって前記上位群に分類された地点候補の前記他の評価項目に対する評価値に基づき設定する基準設定手段と、
前記分類手段によって前記下位群に分類された地点候補のうち、前記基準設定手段によって設定された評価基準値よりも高い評価値の前記他の評価項目である優位評価項目を有する地点候補を、該地点候補が前記優位評価項目の点で優位である旨と共に案内する案内手段と、を備えることを特徴とする地点検索装置。
【請求項2】
前記案内手段は、前記分類手段によって前記下位群に分類された地点候補のうち、前記優位評価項目を一つも有さない地点候補を案内しないことを特徴とする請求項1に記載の地点検索装置。
【請求項3】
前記検索手段による検索結果は、表示装置の表示画面に表示されるようになっており、
前記案内手段は、
前記表示画面に、前記分類手段によって前記上位群に分類された地点候補を案内表示する上位群領域と、前記下位群に分類された地点候補を案内表示する下位群領域とを形成させ、
前記上位群領域には、前記上位群に分類された地点候補を表示させる一方、
前記下位群領域には、前記下位群に分類された地点候補のうち前記優位評価項目を有する地点候補を、該地点候補が前記優位評価項目の点で優位である旨と共に表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の地点検索装置。
【請求項4】
選択された施設属性に合致する地点候補を検索させる検索ステップと、
地点候補を評価する複数の評価項目に対する評価値を、地点候補毎に取得させる取得ステップと、
前記各評価項目の中から規定の評価項目を特定させる特定ステップと、
前記検索ステップで検索した地点候補が複数存在する場合に、前記特定ステップで特定した規定の評価項目に対する評価値の高低順に、前記各地点候補を上位群と下位群とに分類させる分類ステップと、
前記各評価項目のうち前記規定の評価項目とは異なる他の評価項目に対する評価基準値を、前記分類ステップで前記上位群に分類した地点候補の前記他の評価項目に対する評価値に基づき設定させる基準設定ステップと、
前記分類ステップで前記下位群に分類した地点候補のうち、前記基準設定ステップで設定した評価基準値よりも高い評価値の前記他の評価項目である優位評価項目を有する地点候補を、該地点候補が前記優位評価項目の点で優位である旨と共に案内させる案内ステップと、を有することを特徴とする地点検索方法。
【請求項5】
選択された施設属性に合致する地点候補を制御装置に検索させる地点検索プログラムにおいて、
前記制御装置に、
地点候補を評価する複数の評価項目に対する評価値を、地点候補毎に取得させる取得ステップと、
前記各評価項目の中から規定の評価項目を特定させる特定ステップと、
前記検索ステップで検索した地点候補が複数存在する場合に、前記特定ステップで特定した規定の評価項目に対する評価値の高低順に、前記各地点候補を上位群と下位群とに分類させる分類ステップと、
前記各評価項目のうち前記規定の評価項目とは異なる他の評価項目に対する評価基準値を、前記分類ステップで前記上位群に分類した地点候補の前記他の評価項目に対する評価値に基づき設定させる基準設定ステップと、
前記分類ステップで前記下位群に分類した地点候補のうち、前記基準設定ステップで設定した評価基準値よりも高い評価値の前記他の評価項目である優位評価項目を有する地点候補を、該地点候補が前記優位評価項目の点で優位である旨と共に案内させる案内ステップと、を実行させることを特徴とする地点検索プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−108034(P2012−108034A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257832(P2010−257832)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】