説明

地球通報表示探索システム

地球全体の地域を対象に、緊急時においてGPSと通報釦機能を備える通報装置から通報される現在位置情報が通信手段を通して通報管理装置で受信され、衛星地図画像データ情報により編集される地球地図画像データ情報の地球地図表示手段の正確かつ具体的な詳細地図に現在位置を特定表示し、表示探索をするものである。これまで地球全体を対象に緊急通報の現在位置を具体的詳細地図に表示することは困難であった。通報された現在位置情報を地球全体表示から現在位置の地域詳細エリアまでを表示する地図データに、現在位置情報と地球地図画像データ情報との位置情報照合機能と、多様なネットワーク地図編集制御機能とを通して照合された現在位置を正確に特定表示する。また、この通報された現在位置情報を探索する場合、移動体運搬手段搭載の通報管理装置が備えるカメラ撮像手段が現在位置情報にあわせて自動追尾の制御機能を有することにより表示探索をするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、地球全体を対象とする現在位置の位置情報の通報表示と、その通報場所の地図特定表示と、表示探索に関する。
【背景技術】
従来から、現在位置の位置情報の特定表示については、一般にGlobal Positioning System(汎地球測位システム、以下GPSと称する)から発信される緯度、経度の位置情報が利用されている。このGPSから発信される位置情報を地図上に表す地図表示手段は、測量計測が可能な範囲においてはこれまで多様な測量手段を通して編集作成される地図により特定表示されている。また、国内の行政区域のような限定された地域については現在位置情報が衛星地図画像地図データ情報による地図に表示される方法も取られている。また、この現在位置情報を通報する場合、通信データ回線を通して、緯度・経度の位置情報を知らせる方法がとられていた。
これまで現在位置情報を地図に表わすことは、例えば、車両の現在位置に利用されるカーナビゲーションのように、GPSから発信される位置情報と測量により編集作成される地図データの位置情報が数mの誤差において一致できる場合においては特定位置の表示が可能となるものである。しかし、地球全体の地域を対象とした場合、地球地図データを構築するための測量、この測量による編集作成から地球地図データの全体情報を正確に編集作成することは技術的に困難である。
また、地球全体の地域において現在位置情報の特定表示を行う場合、現在位置情報の緯度、経度情報をその場所を表す正確な緯度、経度の位置情報を有する地図データ上に正確に一致させることが必要である。これまで地球規模の世界地図、世界の一大陸州全体、あるいは海洋地域を対象とする場合において、通報される現在位置情報が正確かつ具体的詳細を表す地図データに位置特定の表示をする方法が困難であった。
また、地球全体の地域において現在位置情報の特定表示を行う場合、少なくとも現在位置が地球全体の中のどの地域かを判断できることが必要である。例えば正確な緯度、経度を有する南アメリカ、アフリカなどの大陸を表す全地域を対象とした地図データ、あるいは地球全体の全地域を対象とする正確な地図データを作成することが必要である。この方法として唯一利用できるのが人工衛星の衛星地図による画像データ情報である。しかし単なる人工衛星の衛星画像データ情報を寄せ集めて地球の全域を表示する地球地図画像データを作成しても、各地図測量面、全方位面の照合がされず正確な地球全体の地図とならないため、この地図に現在位置の特定表示をすることはできない。また正確な地球規模の地図が作成されても、この地図から実際の現在位置情報の具体的詳細を示す場所を正確に特定表示することは全く不可能である。
反対に、実際の現在位置が明確に特定ができる人の捜索、救助を可能とする範囲を表す詳細地図データをつなぎ合わせ、世界全体の地域をカバーする膨大な地球規模地図データだけを作成しても、この地図データがそもそも世界のどこの位置にあるか明確にならず、現在位置の正確な場所の特定を探し出すことは困難である。このように単なる地図データの寄せ集めから現在位置の位置情報を引き出し特定表示することは不可能である。
以上から、地球全体の地域において正確な緯度、経度の位置情報を表示する方法として、一方において地球全体の地域を対象に全ての場所の緯度、経度の位置情報を備える正確な地球地図データ情報の確立が必要であり、他方、地球の全ての地域を対象に通報される現在位置情報を表示する場所が、人が捜索、救助ができる範囲を示すことを可能にする正確な詳細地図データの確立を必要とする。この2つの相反する両方の要求を同時に満たし正確な緯度、経度の位置情報を有する地図上に、通報される現在位置情報と地図データによる緯度、経度の位置情報が正確に照合一致させる必要があるが極めて困難であった。
また、世界全体の地域を対象にこれまでは公衆通信回線を利用して現在位置情報を通報し明確な通報場所の特定表示を行うことは困難であった。
現在、公衆通信回線の通じない、また公衆通信手段のない地域を含む地球上の全地域において通信できる手段として唯一、衛星通信回線により通報が可能となる。しかし単に位置情報の通報だけでは無線と全く同一であり現在位置の地図上への特定表示はできない。
また、これまで衛星通信回線を通して現在位置情報を通報し衛星地図による世界全体が表示される地図あるいは限られた部分的な地域詳細地図に現在位置を表示することは可能であるが、単にこれらの地図に現在位置情報を表示されても、この地図から通報された場所を人が捜索、救助することは不可能に近い。現在位置情報を単に世界全体地図に表示する通報位置の特定と、通報された現在位置情報を示す具体的詳細の場所を正確に地図上へ表示することは別次元のものである。
従来、このような場合においては、地図から現在位置の場所を推測表示されるものであるが、地球全体規模の地図レベルでは数10km、数100kmの位置の誤差があり、また仮に位置の誤差が小さい場合であっても国境、河川、湖、山脈、などにおいては、全く違う場所が指定されるため現実の現在位置の特定は全く不可能である。このように通報される現在位置情報が地球全体を対象として地図から実際の現在位置の経度・緯度を正確に割り出し具体的詳細の通報場所を特定表示することは困難であり、さらに通報された現在位置情報をもとに迅速かつ的確に人が捜索、救助することは殆ど困難であった。
【発明の開示】
本発明は、前記目的を達成するため、地球の全地域を対象とするあらゆる場所、とくに公衆通信回線の通じない地域、公衆通信手段のない地域、また地図データ上に正確な詳細の現在位置情報が特定表示できない地域において、緊急事態など現在位置を知らせる必要が生じた場合、通報者が所持する通報装置から現在位置情報が衛星通信回線を有する通信回線を通して通報される現在位置情報が、別の場所に設けられる通報管理装置で受信され、通報された具体的場所の位置を特定表示することを目的とする。
この通報管理装置において、人工衛星の衛星地図画像データ情報を編集する地球地図編集部にもとに管理される地図画像管理手段が有する、地球の全ての地域を対象とする地球地図画像データ情報部を備える地図表示手段に現在位置を表示するもので、この現在位置情報は、人の捜索、救助が可能な程度に具体化され確認できる通報表示場所、以下、具体的通報場所と称する、の位置を表わす地図を通して特定表示をすることを特徴とする。
本発明は、Global Positioning System、以下、GPSと称する、を有する通報装置による地球の全ての地域を対象として通報される現在位置の緯度、経度の位置情報信号と、通報管理装置が備える衛星地図画像データ情報にもとづき編集、管理され地球の全ての地域を対象とする上記地球地図画像データ情報部を基礎に表示される正確な地球地図表示手段の緯度、経度の位置情報信号とにより、現在位置情報の具体的通報場所の位置を特定表示することを特徴とする。
本発明は、通報装置から現在位置情報が通報された場合、現在位置情報の位置情報信号と、地図画像管理手段の有する地球地図画像データ情報部の位置情報信号とが照合一致する前記地球地図表示手段により、現在位置情報の具体的通報場所の位置を特定表示することを特徴とする。
本発明の地球通報表示探索システムは、同時に地球の全地域を対象に全ての個別の場所において人が捜索、救助できることが可能な範囲を表し、正確な緯度、経度の位置情報信号を有する詳細地図の表示を可能とする地球地図表示手段により、現在位置情報の具体的通報場所の位置を特定表示することを特徴とする。
本発明は、通報装置から現在位置情報が通報された場合、人工衛星の衛星地図画像データ情報にもとづき地球の全方位情報と全地域情報を正確に照合編集する地球地図編集部による前記地球地図表示手段を通して、現在位置情報の具体的通報場所の位置を特定表示することを特徴とする。
本発明は、地図画像管理手段が有する地球地図画像データ情報部のデータ情報信号の正確な拡大、縮小の制御を行う、ズーミング可変表示機能部と、地図の位置、場所の表示を自由に移動させるスクロール可変表示機能部とを有しており、前記通報装置から現在位置情報が通報された場合、これらの機能部を通して表示される地球地図表示手段のデータ情報に合わせて、現在位置情報が地球地図表示手段のデータ情報に正確に位置を特定表示することを特徴とする。
本発明は、地図画像管理手段が地球地図画像データ情報のデータ情報信号を圧縮解凍の制御をするリアルタイム圧縮解凍機能部を有しており、通報装置から現在位置情報が通報された場合、この機能部を通して表示される地球地図表示手段のデータ情報に合わせて、現在位置情報が地球地図表示手段のデータ情報に正確に具体的通報場所の位置を特定表示することを特徴とする。
本発明は、通報装置から現在位置情報が通報された場合、上記各機能が相互に関連制御し直ちに具体的通報場所の位置の特定表示を可能にするネットワークデータ編集機能部を具備することを特徴とする。
本発明は、通報装置から発信された現在位置情報が通報管理装置に受信された場合、その受信されたことの通報確認が前記通報装置において受信確認できる機能を有することを特徴とする。
本発明の通報装置は、移動通話手段を含む移動通信手段を兼ねていることを特徴とする。
本発明の通報管理装置は、カメラ撮像手段を具備し移動体運搬手段に搭載されることを想定するものであり、現在位置情報が通報された場合、この現在位置情報にあわせてカメラ撮像手段の制御部が連動一致制御をする自動追尾制御機能部と、遠隔制御機能部とを有することを特徴とする。
上述を通して地球の全ての地域を対象に通報装置から現在位置情報を通報し通報管理装置の地球地図表示手段に正確な具体的通報場所の特定表示を行い、人の捜索、救助が可能な表示探索がされることを特徴とする。
本発明は、上記課題を解決するため公衆通信回線の通じない地域、また公衆通信手段のない地域、また地図データ上に正確な詳細の現在位置情報が特定表示できない地域などの地球の全地域を対象として、通報された現在位置情報が地球の全地域を対象として正確な緯度、経度の位置情報を正確に地図上に割出し、照合し、表示するものである。
一方において地球全体を表す地図において、地球全体の地域を対象に全ての場所の緯度、経度の位置情報を備える正確な地球全体地図データ情報手段の確立と、同時に他方において地球の全地域を対象に全ての個別の場所を表示可能とする、人が捜索、救助ができる範囲を表す正確な詳細地図データ情報手段の確立とを図り、これら2つの地図データ情報手段の任意可変倍率による相互変換機能を図るものである。この相互変換機能は、前記リアルタイム圧縮解凍機能と、前記ズーミング可変表示機能と、前記スクロール可変表示機能と、これらの各機能を相互一体の関連制御を行うネットワークデータ編集機能を通して、正確な緯度、経度の位置情報を有する地図データ上に、正確な現在位置情報の具体的通報場所を特定表示するものである。
上記通報装置から通報される現在位置情報は、上記通報管理装置への通報以外に、別の通報装置との間においても相互通報されることも可能とする。
また、通報される現在位置情報にもとづき人が捜索、救助を行う表示探索をする場合、移動体運搬手段に搭載する前記通報管理装置が備えるカメラ撮像手段は、現在位置情報にあわせてカメラ撮像手段の各制御部が一体連動する自動追尾制御機能部と、遠隔制御機能部を通して映像による表示探索をするものである。
以上から本発明は以下に記載される効果を有する。
地球上の陸、海を含む地球全体の地域について、これまで不可能とされた地球の全地域を対象とするあらゆる場所、とくに公衆通信回線の通じない地域、公衆通信手段のない地域、また地図データ上に正確な詳細の現在位置情報が特定表示できない地域において、現在位置情報を人が明確に通報場所の特定ができる地域詳細場所を示す正確な地図データ上に、正確な現在位置情報の具体的通報場所の位置を特定表示することができる効果を有する。
また、緯度、経度情報と標高情報の3次元地図データ情報をもとに、地球の全地域について現在位置情報が3次元の詳細場所に特定表示を行う効果を有する。
また、地球上の公衆通信回線の通じない地域、また公衆通信手段のない地域、また地図データ上に正確な詳細の現在位置情報が特定表示できない地域において紛争、テロ、略奪、誘拐、海賊などに遭遇した場合、本発明の緊急時の通報により直ちに現在位置の特定が明確になり、人の捜索、救助が容易かつ確実にできる効果を有する。陸上、海上を問わずこれまで全く不可能とされた僻地の詳細の場所においても通報された現在位置情報を上述の地球地図表示手段に正確に具体的通報場所の特定表示ができる効果を有する。
また、通報管理装置から地球全体の全ての場所を対象に個別の各通報装置の現在位置、移動経歴が明確に把握できる効果を有する。
また、この通報管理装置は固定場所の設置以外に移動携帯手段方式、また自動車、航空機、船舶などの移動体運搬手段に搭載することにより具体的通報場所の特定を容易にし、最大に効率よく人の捜索、救助を可能にする効果を有する。
また通報装置は、発信された緊急通報が指定された特定の地域、場所に間違いなく送信され受信したことの受信確認が表示されるとともに、移動通信手段、移動通話手段との併用手段により本発明の簡素化、高効率化、汎用化を最大限に可能にする運用効果を有する。
また本発明の通報装置は、複数の通報装置間において相互に通報受信され通報された現在位置情報を上述の地球地図表示手段に正確に具体的通報場所の特定表示ができる効果を有する。
また、移動体運搬手段に搭載される通報管理装置がカメラ撮像手段を具備する場合、現在位置情報にあわせてカメラ撮像手段の制御部が一体制御を行う自動追尾機能に最も迅速、的確な捜索、救助することが可能になる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の地球通報表示探索システムの全体構成を表すシステムブロック図である。
第2図は、現在位置情報の通報を受信する通報管理装置の全体システム図である。
第3図は、地球通報表示探索システムの通報装置の全体フロー図である。
第4図は、地球通報表示探索システムの通報管理装置の全体フロー図である。
第5図は、通報装置からの現在位置情報と通報管理装置の地球地図表示手段により表示される現在位置の特定表示を示す構成図である。
第6図は、通報装置からの現在位置情報と通報管理装置の地球地図表示手段の圧縮、解凍機能を通して現在位置の特定表示を示す概要図である。
第7図は、通報装置からの現在位置情報と通報管理装置の地球地図表示手段のズーミング・スクロール可変表示機能を通して現在位置の特定表示を示す概要図である。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明の地球通報表示探索システムの実施の形態を図面に即して説明する。第1図は、本発明の地球通報表示探索システムの全体構成を表すシステムブロック図である。第2図は、現在位置情報の通報を受信する通報管理装置の全体システム図である。第3図は、地球通報表示探索システムの通報装置の全体フロー図である。第4図は、地球通報表示探索システムの通報管理装置の全体フロー図である。第5図は、通報装置からの現在位置情報と通報管理装置の地球地図表示手段により表示される現在位置の特定表示を示す構成図である。第6図は、通報装置からの現在位置情報と通報管理装置の地球地図表示手段の圧縮、解凍機能を通して現在位置の特定表示を示す概要図である。第7図は、通報装置からの現在位置情報と通報管理装置の地球地図表示手段のズーミング・スクロール可変表示機能を通して現在位置の特定表示を示す概要図である。
第1図は、本発明の地球通報表示探索システムの全体構成を表すシステムブロック図である。地球における全地域のあらゆる場所において、とくに公衆通信回線の通じない地域、公衆通信手段のない地域、また地図データ上に正確な詳細の現在位置情報が特定表示できない地域において、現在位置の通報する必要(例えば、緊急事態が発生した場合)が生じた場合に、その現在位置の場所から人が所持する通報装置100の通報釦スイッチ130により現在位置情報010が衛星通信回線210を含む通信回線200を通して通報管理装置300に通報し、現在位置の具体的場所を特定表示020する。また移動体運搬手段に搭載される通報管理装置301とカメラ撮像手段400との連動一体制御を通して表示探索を行うものである。
また、現在位置情報の通報010は、通報装置100のGPS110より得られる現在位置の緯度・経度の位置情報を通報するものであり、また通報装置100の備える情報管理手段120は、現在位置の緯度・経度の位置情報のほか、場所、時刻、履歴、行動その他の付帯データ情報の管理、編集、記録、保存、履歴を行う機能を有することも可能である。
第1図の図示のように、前記通報装置100は、GPS110と、これを管理編集する情報管理手段120と、通報釦スイッチ部130と、衛星通信回線210へ通信する通信手段900と、電源140とから構成される。現在位置情報010を通報する場合、通報者が所持する通報装置100において前記通信手段900の通報釦スイッチ部130をONさせることにより、この通報が通信回線200を通して通報管理装置300に通報され、地球地図表示手段320に現在位置の具体的場所を特定表示020するものである。
現在位置情報の通報は、例えば、紛争、テロ、災害、事件、事故などの緊急時において通報する場合のほか、日常時における定時、随時あるいは業務上必要が生じた場合にも通報できるものである。また通報内容は、現在位置の通報以外に過去の緯度・経度の位置情報信号にもとづく経過時刻と位置経路情報等を通報することも可能である。
また、現在位置情報の通報は、前記通報装置100において通報のための通報釦スイッチ130を設けているが、これ以外の通報する手段として定期的に自動通報を可能とするものである。例えば、海上の遭難者、輸送手段の通報などにおいて予め位置情報、時間、場所などを設定し通信手段の一定の通信可能状態をもとに自動通報することも可能である。この場合、複数の通信手段を有する通報装置の自動通報発信により、通報管理装置200において捜索、救助を容易にするものである。
また、前記通報装置100から通報される現在位置情報は、前記通報管理装置300の上述機能を有する複数の通報装置101間において相互に特定表示されることも可能にするものである。
第2図の図示のように、前記通報管理装置300は、人工衛星の衛星地図画像データ情報230にもとづき編集される地球の全地域の緯度・経度情報を全方位的に包含する全方位データ編集部331と、地球の全地域を包含する衛星地図画像データ情報230の全地域データ編集部332とから照合編算される地球地図編集部330を備えており、通報装置100から通報される現在位置情報010が、この地球地図編集部330をもとに管理される地図画像管理手段310を通して正確な緯度・経度情報を有する正確な地球地図表示手段320に、通報と具体的場所の特定表示020がされるものである。
第1図の図示のように通報管理装置300は、通信手段900と、受信された現在位置情報を管理する通報情報管理手段340と、地球地図編集部330と、地図画像管理手段310と、地球地図表示手段320とにより構成される。通報情報管理手段340は通報装置100から通報される現在位置情報010の詳細データ管理を行い、地球地図編集部330は人工衛星の衛星地図画像データ情報230にもとづき現在位置情報の特定表示を可能にする地球地図画像データ情報部311の編集作成を行う。また地球地図画像データ情報部311を管理する地図画像管理手段310は、地球地図画像データ情報を編集制御するリアルタイム圧縮解凍機能部600と、ズーミング・スクロール可変表示機能部700と、位置情報信号照合機能部500とを有しており、これら各機能部を相互関連制御するネットワークデータ編集機能部800により相互に連動され瞬時の画面操作を可能にし、これら上記の管理、表示、記録とデータ保存を行う。
以上を通して、地球の全ての地域において地球全体の地図表示から詳細地域の地図表示までの任意可変倍率の正確な地図表示を可能とする地球地図表示手段320に現在位置情報の具体的場所の特定表示020を行うものである。
前記通報管理装置300の備える地球地図画像データ情報部311は、緯度・経度情報以外の高度情報にもとづく3次元地図の編集を可能とし、その3次元地図に現在位置情報を特定表示するものである。
地球地図表示手段320には、海図、陸地の山、川等の自然地名、国、都市、道路、行政区域名等の地図データ情報を合わせて表示ができる。
また第1図の図示のように通報管理装置は、固定設置だけでなく車両、航空機、船舶など移動体運搬手段に搭載する通報管理装置301を示している。この場合、カメラ撮像手段400を備える通報管理装置301は、通報情報管理手段340からの現在位置情報にあわせて、カメラ撮像手段の有する撮像制御機能部420と連動一体制御を行う自動追尾照合制御部410と、撮像遠隔監視制御部430を有しており、人の捜索、救助を必要とする地域詳細エリアを移動しながら通報された現在位置情報の映像監視の表示検索をするものである。
第3図とは、現在位置情報010が地球地図表示手段320により位置特定の表示020がされるまでの過程を、第3図の通報装置100と第4図の通報管理装置300にわけて図示したものである。
現在位置の特定表示020を正確に具体的場所の表示をするため、第5図の図示のように、地球地図表示手段320において基礎地図画像データ情報となる上記人工衛星の衛星地図画像データ情報230による地球地図画像データ情報部311の構築が重要である。
この地球地図画像データ情報部311は、地球上の全ての地域をカバーする膨大な数量の衛星地図画像データ情報230をもとに地球の全方位データの照合編集と地球の全地域データの照合編集を行い、地球全体のあらゆる地域の地図画像データの編集作成を可能にするとともに、これら全方位情報と全地域情報とを一体化照合編集を行う地球地図編集部330を通して正確な地球地図画像データ情報部311が構築される。この地球地図画像データ情報部311を管理する地図画像管理手段310を通して表示される地球地図表示手段320と、通報された現在位置情報とが位置情報照合機能部500において正確な位置照合を行われ、現在位置情報の具体的場所の特定表示020をするものである。
また、第6図の図示のように通報管理装置300には、リアルタイム圧縮解凍制御機能部600を有しており、人工衛星の衛星画像データ情報230にもとづき地図画像管理手段310の編集管理する地球全ての地域を表す膨大な圧縮された地球地図画像データ情報部311を基礎に、地球地図表示手段320の有する地図画像データ情報信号表示部321において現在位置情報の特定表示を表す地図データ情報量、例えば世界地図611あるいは地域詳細地図621のデータ情報量に合わせて任意可変倍率の圧縮解凍処理を行うものである。
このデータ圧縮解凍は、第6図の図示のように地球地図画像データ情報部311は圧縮された膨大な数の最少単位画素データ311−zで構成され、総圧縮画素データ数を640で表している。現在位置を表示する地図データ情報は、地球地図表示手段320で表示される地図画像データ情報信号表示部321の有する画面データ情報容量にあわせて、総圧縮データ数640から必要な表示画素データが取捨選択される。例えば、圧縮解凍により消えない画素データ641−x、消える画素データ641−yとすると、地球全体地図データ611あるいは地域詳細地図データ621にあわせて必要とする地図データ641−x、641−yを取捨選択するものである。
また、任意可変倍率による自由な解凍を可能とし解凍レベル処理時におけるデータ情報は、瞬時に圧縮に戻り表示画面に表したまま解凍するリアルタイム圧縮解凍制御機能部600を通して、連続したデータの解凍画面において現在位置情報の特定表示を行うものである。これにより地球地図表示手段320において処理中の解凍が表示状態でおこなわれるため画面において表示が消えずそのまま拡大縮小して表示されるものである。
また、第7図の図示のように通報管理装置300は、一方において人工衛星の衛星画像データ情報230にもとづき地図画像管理手段310の編集管理する地球全域を表す圧縮された膨大な地球地図画像データ情報部311を有しており、他方において地球地図表示手段320の地図画像データ情報信号表示部321において必要となる世界地図720あるいは地域詳細地図730のデータ情報量に合わせて、任意可変倍率のズーミング・スクロール可変表示の制御を行う拡大と縮小を可能とするズーミング可変表示機能部700とスクロール可変表示機能部710を有するものである。通報された現在位置情報は、この機能を有する地球地図表示手段320に表示される地図データに正確に具体的場所の特定表示を行うものである。
第7図の図示において、地球地図表示手段320を表す地図画像データ情報信号表示部321は、予め決められた必要な画面データ情報量により構成されており、この地球地図表示手段320を表す必要なデータ情報量は、衛星画像データ情報230にもとづく地球全域を表す膨大な地球地図画像データ情報部311から必要な画素数を取捨選択し、地球地図表示手段320の地図画像データ情報信号表示部321において拡大、縮小の表示をするものである。
例えば、地球地図画像データ情報部311には地球全体地図を表す総圧縮地図画像データの画素数全体(n)が内包されており、地球地図表示手段320において表示に必要な地図データに合わせて画素数全体(n)が解凍され、任意可変倍率を有する地図が拡大表示される。最大限拡大できる地域詳細地図の画素数全体を(a)グループとすると、この(a)グループの個々1画素Aの702にはグループ(b)の画素数全体が内包されており、さらにこのグループ(b)の個々の1画素aの701にはグループ(c)の画素数全体が内包されているもので、最終的には地球地図画像データ情報部311を構成するグループ(n)に分かれるものである。これにより地球地図表示手段320において任意可変倍率のズーミングをしても鮮明な映像が可能となるものである。同時にズーミング可変表示機能部700は各画面表示において自由自在のスクロール可変表示機能部710を有しスクロール移動表示740するものである。通報された現在位置情報は、この機能を有する地球地図表示手段320に表示される地図データに正確に具体的場所の特定表示を行うものである。
【産業上の利用可能性】
このように、本発明の地球緊急通報表示システムは、地球上の陸、海を問わずこれまで全く不可能とされた地球上の全ての地域を対象に現在位置が地図上に正確かつ具体的場所の位置を特定表示できるもので、地球上のあらゆる場所において居住する人にとり最大の安全と安心を確保できる唯一の有効な手段となるものである。その意味で本発明を利用する産業上の利用可能性はこれを利用する地域の人々にとって計り知れないものである。
今日、地球上のあらゆる場所で発生する紛争、テロ、海賊、略奪、誘拐、殺人などの犯罪、事件に対して、これまでは直ちに現在位置を通報ができても正確な現在位置の位置特定ができないため何ら有効な救助手段が不可能であった。本発明によりこれらの危難遭遇時において直ちに「SOS」の緊急通報が可能となり、地球の隅々まで安全が確保され保安警備分野に大きく寄与する。
また、陸、海を問わずこれまで通信手段の全く不可能な地球上の地域において発生する災害、危難、事故などの緊急時或いは危難遭遇時において緊急通報ができ正確な現在位置の位置特定が可能となり、直ちに遭難者を現場の救助ができる災害、遭難の救助活動分野に大きく寄与する。
また、これまで通信手段の不可能な地球上の地域において衛星通信手段が利用されるが、電話、通信以外に地図上に現在位置の具体的場所を詳細表示することが困難で業務、行動の把握が不可能であった。世界のあらゆる地域、場所における現在位置、行動の経過が履歴確認を通して正確に地図上に表示、管理されるため、プラント、資源開発、現地業務などこれらの低開発国、未開地域で活動するあらゆる産業の業務関係分野に大きく寄与する。
また、海外の旅行先での紛争、テロ、犯罪、事件、事故等の危難遭遇時において緊急通報により現在位置の具体的場所の特定表示を可能とするとともに、これまで通信手段のない旅行先の行動の経路、履歴が把握できることにより、旅行業界の安全確保と、業務活動の分野に大きく寄与する。
また、石油タンカー、資源、コンテナ、自動車、危険物などの海上輸送においてテロ、海賊などの危難遭遇時において緊急通報により現在位置の具体的場所の特定表示を可能とするとともに、略奪された船舶の現在位置情報が具体的場所の経路履歴により明確に特定表示され、船舶航海の保安、安全分野に大きく寄与し、さらに遠洋漁業を初め漁業関係分野、船舶輸送などの船舶航行管理の業務分野に大きく寄与する。
また、ヒマラヤ、世界未開地域の登山、探検、海上ヨットレジャースポーツなどのスポーツ、レジャー分野において大きく寄与する。
また、本発明の通報装置を組込む通信手段との一体化併用とにより、単なる衛星通信手段が機能的にもシンプルで優れた現在位置通報確認手段としての運用が可能となり、衛星通信分野の利用において大きく寄与する。
また、本発明による現在位置情報が緯度、経度情報にあわせた標高情報の地球地図表示手段の正確な立体的3次元地図を通して、あるいは現在位置情報が通報管理装置と移動体運搬手段とカメラ撮像手段との一体連動制御により、最も迅速かつ的確な捜索、救助を可能にし捜索、救助の活動分野において大きく寄与する。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
緯度、経度の位置情報信号を有する現在位置情報が通報者の所持する通報装置から通報され、この現在位置情報が衛星通信回線を含む通信回線を通して通報管理装置により通報受信され通報場所の特定表示をするシステムであって、前記通報装置は、人工衛星を用いた汎地球測位システムであるGlobal Positioning System(以下、GPSと称する)と、このGPSの位置情報信号を管理する情報管理手段と、この位置情報信号を通報する通報釦スイッチ部と、通信手段と、電源とを備えており、前記通報管理装置は、前記現在位置情報を受信する通信手段と、この位置情報を管理、保存する通報情報管理手段と、人工衛星による地球全域の衛星地図画像データ情報にもとづき構築される地球地図画像データ情報を編集する地球地図編集部と、これを管理する地図画像管理手段と、この地図画像管理手段が有する地球地図画像データ情報により表示される地球地図表示手段とを備えており、前記通報装置から現在位置情報が通報された場合、この現在位置情報と、前記地図画像管理手段の有する位置情報信号との照合を行う位置情報照合機能部を通して表示される前記地球地図表示手段に現在位置情報を表示、管理することを特徴とする地球緊急通報表示探索システム。
【請求項2】
前記通報装置から現在位置情報が通報された場合、この現在位置情報の通報は、前記衛星地図画像データ情報にもとづき地球の全方位情報と全地域情報とを正確に照合一致する前記地球地図編集部を通して構築される地球地図画像データ情報により表示する前記地球地図表示手段に現在位置情報を表示、管理することを特徴とする請求項1記載の地球緊急通報表示探索システム。
【請求項3】
前記地図画像管理手段は、前記地球地図画像データ情報のデータ情報信号の正確な拡大、縮小および水平移動の制御を行う、ズーミング可変表示機能部とスクロール可変表示機能部とを有しており、前記通報装置から現在位置情報が通報された場合、これらの機能部を通して表示される前記地球地図表示手段のデータ情報に合わせて、前記現在位置情報が正確に位置特定の表示、管理をすることを特徴とする請求項1または2記載の地球緊急通報表示探索システム。
【請求項4】
前記地図画像管理手段は、前記地球地図画像データ情報のデータ情報信号を圧縮解凍の制御するリアルタイム圧縮解凍機能部を有しており、前記通報装置から現在位置情報が通報された場合、この機能部を通して表示される前記地球地図表示手段のデータ情報に合わせて、前記現在位置情報が正確に位置特定の表示、管理をすることを特徴とする請求項1、2または3記載の地球緊急通報表示探索システム。
【請求項5】
前記通報装置から発信された現在位置情報が前記通報管理装置に受信された場合、この通報確認が前記通報装置において受信確認できる機能を有することを特徴とする請求項1の地球緊急通報表示探索システム。
【請求項6】
前記通報装置は、移動通信手段を兼ねていることを特徴とする請求項1地球緊急通報表示探索システム。
【請求項7】
前記通報管理装置は、カメラ撮像手段を具備する移動体運搬手段に搭載されており、前記通報装置から現在位置情報が通報された場合、この現在位置情報と前記カメラ撮像手段の撮像制御機能との連動一体制御をする自動追尾照合機能部を有することを特徴とする請求項1、2、3または4記載の地球緊通報表示探索システム。

【国際公開番号】WO2004/072924
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【発行日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−568175(P2004−568175)
【国際出願番号】PCT/JP2003/001456
【国際出願日】平成15年2月12日(2003.2.12)
【出願人】(598028512)株式会社世須羅 (4)
【出願人】(506030066)
【Fターム(参考)】