説明

型枠保持具

【課題】軸足を使用せず、安価にかぶり部を長くして、建築物内部へ水を浸入し難くすることができる等、漏水対策や塩害対策、錆対策が求められる場所での施工に適した型枠固定具を提供すること。
【解決手段】この型枠固定具の樹脂製コーン12は、型枠側端部121が大径で、かつ、ジョイントナット側端部122が小径のほぼ円錐台形状であって、その軸心方向には締付具の締付ボルトが挿通されるボルト挿通孔123が形成されている一方、ジョイントナット側端部122には、そのボルト挿通孔123より内径が大であり、ジョイントナット11のコーン側端部112が挿入されるジョイントナット挿通孔124が形成された樹脂製コーン12とを備え、樹脂製コーン12の外周面には、型枠側端部121の端面まで達しない螺旋状凹条部127等が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セパレータの両端部に形成された雄ネジ部にそれぞれ螺合され、コンクリートの打設空間を形成する一対の型枠を所定の間隔だけ離間させて保持する型枠保持具に関し、特に、水との接触機会の多い場所、塩害対策や錆対策が求められる場所での施工に適した型枠保持用コーンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、コンクリート壁体を構築するにあたっては、2つの型枠をセパレータで相互に所定の間隔に固定保持してコンクリートの打設空間を形成し、当該コンクリート打設空間内にコンクリートを打設するようにしている。ここで、打設するコンクリート表面に近い箇所にセパレータやジョイントナットを埋設すると、鉄製のジョイントナット及びセパレータに錆が発生し、その錆の発生により打設後のコンクリートが劣化するおそれがある。そのため、型枠を支持するパッキン(型枠支持部)をストッパからジョイントナットに螺合するネジ部までの距離を6mm以上確保した型枠固定具が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、その他に、ブロック体の全体がコンクリートまたはモルタルにて一体に形成され、内部にジョイントナットが埋設されたコーン本体と、このコーン本体の一端部に配置され、上記ジョイントナットに接続される部材が導入される導入孔を有し、コーン本体と略同長かこれよりも長い延設部とを備えて構成され、延設部の導入孔がネジ形成されていない孔に形成され、コーン本体および延設部が何れも外周がコーン本体の端面に近いほど径の大きいテーパに形成され、コーン本体のテーパを延設部のテーパより大径に形成すると共に両外周聞に全周に亘る止水用の段部が形成されていることを特徴としたコンクリート型枠施工用の埋め込みコーンが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この発明では、コーン本体と略同長かこれよりも長い延設部を備えることで、この延設部の長さだけブロック体の全長、所謂かぶり部が長くなるので、ブロック体の外面と構造物との接触面積が大きく、従来に比べ両者の境界部から水を浸入し難くすることができ、貯水槽、堤防、橋脚等、水と頻繁に接触する構造物などに使用した場合であっても、構造物内部の鉄筋等の腐蝕を防ぐことができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3168231号公報
【特許文献2】実公平7−1443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述の特許文献1に記載された型枠固定具では、パッキン(型枠支持部)以外の軸足の部分に、プラスチック又は樹脂によるコーティング又は剥離剤が塗布されているため、打設したコンクリートから軸足を取り外す際、そのコーティングや剥離剤が剥がれ、上手く軸足等を取り外せないと共に、軸足等を再利用する際、再度、プラスチック又は樹脂によるコーティング又は剥離剤が塗布する必要が出てきて、手間がかかるという問題がある。
【0006】
上述の特許文献2に記載された型枠固定具では、型枠を支持するブロック体の全体がコンクリートまたはモルタルにて一体に形成されるため、製造コストが嵩むという問題がある。また、ブロック体の全長を長くすること、すなわち、かぶり部の長さを長くすることを、コンクリートまたはモルタルに替わる何らかの手段で安価に達成することができれば、製造コストを低減することが可能となる。
【0007】
また、大規模な土木工事のコンクリートの打設工事では、軸足を使用せずに、直接、フォームタイ(登録商標)などの締付具の締付ボルトを型枠固定具に挿入して使用するため、軸足を使用しない型枠支持具が要求されているが、上記特許文献1,2の型枠支持具では、軸足を使用しており、この要求を満たしていない。特に、軸足を使用せずに、コンクリートの打設後、型枠を支持するコーンを取り外してそこに耐水性ボンドや栓をする施工を採用する際、ジョイントナットとコーンとが外れ易く、型枠保持具の運搬時や施工時にコーンがジョイントナットから脱落することがあり、円滑な施工を阻害していた。特に、現場の作業者は、軍手などの手袋をして作業しているため、脱落したコーンをジョイントナットに装着に手間がかかっていた。特に、冬季などの厳寒時には、厚手の手袋をして作業しており、コーンがジョイントナットから脱落した場合、非常に作業が面倒になるという問題があった。
【0008】
また、コンクリートの硬化後に樹脂製コーンを取外して、樹脂製コーンを取り外した後に形成される空洞にモルタル成形コーン等により挿入するが、樹脂製コーンを取外す際、コンクリートと樹脂製コーンとが付着しており、樹脂製コーンを取外すことが困難であるという問題もある。
【0009】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、第1には、コンクリートの硬化後に樹脂製コーンを容易に取外すことができる型枠固定具を提供することを目的とする。また、第2には、軸足を使用せず、安価にかぶり部を長くして、建築物内部へ水を浸入し難くすることができる等、漏水対策や塩害対策、錆対策が求められる場所での施工に適した型枠固定具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため、本発明に係る型枠保持具は、セパレータの両端部に形成された雄ネジ部にそれぞれ螺合され、一対の型枠を所定の間隔だけ離間させて保持する型枠保持具であって、セパレータ側端部には前記セパレータの雄ネジ部が螺合するセパレータ側雌ネジ部が設けられていると共に、その外周側面に突出したストッパが設けられ、コーン側端部には締付具の締付ボルトの雄ネジ部が螺合するコーン側雌ネジ部が設けられたジョイントナットと、型枠側端部が大径で、かつ、ジョイントナット側端部が小径のほぼ円錐台形状であって、その軸心方向には前記締付具の締付ボルトが挿通されるボルト挿通孔が形成されている一方、ジョイントナット側端部には、前記ジョイントナットのコーン側端部が挿入されるジョイントナット挿通孔が形成された樹脂製コーンと、を備え、前記樹脂製コーンの外周面には、型枠側端部の端面まで達しない螺旋状の凸条部または凹条部が設けられている、ことを特徴とする。
ここで、前記螺旋状の凹条部は、前記樹脂製コーンの外周面であって、ジョイントナット側端部の端面から前記樹脂製コーンの長手方向の1/3付近までの範囲内に設けられているようにすると良い。
また、前記螺旋状の凸条部は、前記樹脂製コーンの外周面であって、ジョイントナット側端部の端面から前記樹脂製コーンの長手方向の1/3付近までの範囲内か、前記樹脂製コーンの長手方向の1/3〜2/3付近までの範囲内に設けられているようにすると良い。
また、前記樹脂製コーンのジョイントナット挿通孔の内周側面には、前記ジョイントナットの外周側面に係合する係合部が設けられているようにすると良い。
また、前記樹脂製コーンのボルト挿通孔の軸方向の長さは、少なくとも10mm以上の長さであるようにすると良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明の型枠支持具では、樹脂製コーンの外周面に、型枠側端部の端面まで達しない螺旋状の凸条部または凹条部が設けたので、コンクリートの硬化後に樹脂製コーンを容易に取外すことができる。また、その螺旋状の凸条部または凹条部は、型枠側端部の端面まで達せず、コンクリートの表面に近い側には樹脂製コーンの螺旋状の凸条部または凹条部に対応した凹条部または凸条部が形成されないので、樹脂製コーンの外周面に螺旋状の凸条部または凹条部を設けて取り外し易くしても、樹脂製コーンの外周面に螺旋状の凸条部または凹条部を設けない場合と同等の防水(止水)効果が得られると共に、外観上、美観を損なうこともなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る実施形態1の型枠保持具を構成するジョイントナットと樹脂製コーンとを示す斜視図である。
【図2】樹脂製コーンの正面図、断面図、右側面図、左側面図である。
【図3】本発明に係る実施形態1の型枠保持具を用いて片側の型枠を支持した状態を示している。
【図4】コンクリート打設後、型枠を取り外した状態を示す断面図である。
【図5】樹脂製コーンの取り外し方を示す断面図である。
【図6】樹脂製コーンを取り外した後の処理を示す断面図である。
【図7】樹脂製コーンを取り外した後の処理を示す断面図である。
【図8】ジョイントナットの他の例を示す斜視図である。
【図9】実施形態2の他の樹脂製コーンの正面図(一部が部分断面)、背面図である
【図10】実施形態2における樹脂製コーンの取り外し方を示す断面図である。
【図11】実施形態2における樹脂製コーンを取り外した後の処理を示す断面図である。
【図12】実施形態2における樹脂製コーンを取り外した後の処理を示す断面図である。
【図13】実施形態2における樹脂製コーンを取り外した後の処理を示す断面図である。
【図14】実施形態3の樹脂製コーンの正面図、背面図である。
【図15】実施形態3の樹脂製コーンの右側面図(部分拡大図を含む)、断面図である。
【図16】実施形態3における樹脂製コーンの取り外し方を示す断面図である。
【図17】実施形態3における樹脂製コーンを取り外した後の処理を示す断面図である。
【図18】実施形態3における樹脂製コーンを取り外した後の処理を示す断面図である。
【図19】実施形態3における樹脂製コーンを取り外した後の処理を示す断面図である。
【図20】実施形態4の他の樹脂製コーンの正面図、背面図である。
【図21】実施形態4の他の樹脂製コーンの右側面図(部分拡大図を含む)、断面図である。
【図22】実施形態4における樹脂製コーンの取り外し方を示す断面図である。
【図23】実施形態4における樹脂製コーンを取り外した後の処理を示す断面図である。
【図24】実施形態4における樹脂製コーンを取り外した後の処理を示す断面図である。
【図25】実施形態4における樹脂製コーンを取り外した後の処理を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、本発明に係る型枠保持具1を構成するジョイントナット11と樹脂製コーン12とを示す斜視図、図2(a)〜(d)は、それぞれ、樹脂製コーン12の正面図、断面図、右側面図、左側面図である。また、図3は、本発明に係る型枠保持具1を用いて片側の型枠を支持した状態を示している。
【0014】
図1〜図3に示すように、本発明に係る型枠保持具1は、丸セパレータ2の両端部に形成された雄ネジ部21にそれぞれ螺合され、一対の型枠(コンパネ)3,3を所定の間隔だけ離間させて保持するもので、ジョイントナット11と、樹脂製コーン12とから構成されており、軸足を不要としている。
【0015】
ジョイントナット11は、セパレータ側端部111に丸セパレータ2の雄ネジ部21が螺合するセパレータ側雌ネジ部111aが設けられていると共に、その外周側面には抜け止め用に突出したストッパ111bが設けられている。また、コーン側端部112には、後述するフォームタイ(登録商標)などの締付具4の締付ボルト41の雄ネジ部41aが螺合するコーン側雌ネジ部112aが設けられている。そして、セパレータ側雌ネジ部111aとコーン側雌ネジ部112aとの間には、水の浸入などを防ぐ隔壁113が設けられている。なお、隔壁113は省略されていても良い。また、締付具4は、図3に示すように、締付ボルト41の他に、ナット42と、型枠3を外側から支持する丸パイプ等のバタ材5を抑える座金43とからなる。
【0016】
樹脂製コーン12は、型枠側端部121が大径で、かつ、ジョイントナット側端部122が小径のほぼ円錐台形状の外形を有している。そのため、コンクリートの打設後に簡単に取り外すことができる。また、その軸心方向には締付具4の締付ボルト41が挿通されるボルト挿通孔123が形成されている一方、ジョイントナット側端部122には、そのボルト挿通孔123より内径が大であり、ジョイントナット11のコーン側端部112が挿入されるジョイントナット挿通孔124が形成されている。なお、本発明では、ボルト挿通孔123と、ジョイントナット挿通孔124とは、同じ内径でも勿論よい。
【0017】
そして、樹脂製コーン12のジョイントナット挿通孔124の内周側面には、図2(d)に示すように、その軸心に対し対称的に所定角度、例えば、90度毎に4箇所の内周側面がその軸心方向に出っ張ることにより係合部124a〜124dが設けられている。そのため、ジョイントナット11のコーン側端部112を樹脂製コーン12のジョイントナット挿通孔124に挿入すると、ジョイントナット挿通孔124の内周側面の係合部124a〜124dがジョイントナット11のコーン側端部112の外周に弾力的に係合するので、軸足を使用しなくても、型枠保持具1の運搬時や施工時に樹脂製コーン12がジョイントナット11から脱落することを防止でき、円滑に型枠工事を施工することができる。なお、係合部124a〜124dは、ジョイントナット挿通孔124の内周側面から平面形状で出っ張っていても良いし、凸部形状で出っ張っていても良い。また、係合部124a〜124dは、図1および図2に示すように、ジョイントナット側端部122の端面まで伸びていなくても良いし、ジョイントナット側端部122の端面まで伸びていてもどちらでも良い。ただし、この係合部124a〜124dは、図1および図2に示すように、ジョイントナット側端部122の端面まで伸びていないので、ジョイントナット挿通孔124の入り口では、係合部124a〜124dが存在しない分だけ開口面積が大きくなり、ジョイントナット挿通孔124にジョイントナット11のコーン側端部112を容易に挿入できる。さらに、係合部は、ジョイントナット挿通孔124の内周側面に、90度毎の4箇所に限定されるものではなく、120度毎の3箇所や、60度毎の6箇所等でも勿論よく、要は、型枠保持具1の運搬時や施工時に樹脂製コーン12がジョイントナット11から脱落することを防止できるような係合部が設けられていれば十分である。なお、本発明において、ジョイントナット挿通孔124の内周側面に係合部124a〜124dを設けることは任意であり、省略することもできる。
【0018】
また、樹脂製コーン12のボルト挿通孔123の軸方向の長さ、すなわちジョイントナット11のコーン側端部112の端面から型枠3までの間隔は、少なくとも10mm以上の長さであり、好ましくは、10mm〜120mmである。そのため、コンクリートを打設した際、コンクリートの表面からジョイントナット11のコーン側端部112の端面までのかぶり厚さとして、少なくとも10mm以上、好ましくは、10mm〜120mmの長さを確保できるので、貯水槽や、堤防、橋脚等、水と頻繁に接触する構造物などに使用した場合でも、構造物内部の鉄筋等の腐蝕を防ぐことができる。なお、樹脂製コーン12を形成している合成樹脂には、強度、曲げ弾性率等の観点から、エンジニアリングプラスチック又はスーパーエンジニアリングプラスチックを用いることが好ましい。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリアセターノレ、ポリアミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレブタレート、超高分子量ポリエチレン、シンジオタクチックポリスチレン等の材質を例示することができる。また、非品ポリアリレート、ポリスノレホン、ポリエーテノレサノレフォン、ポリフェニレンスノレファイド、ポリエーテノレエーテノレケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂等を材質として形成することも好ましいといえる。このほか、剛性、硬度、加工性、耐衝撃性、曲げ疲労性など機械的特性のバランスに優れるABS樹脂をはじめ、ガラス繊維等を適量混入させた硬質の合成樹脂等を用いることが、さらに好ましいといえる。
【0019】
また、樹脂製コーン12の型枠側端部121における型枠3に当接する端面には、当該樹脂製コーン12を取り外すための工具が挿入される凹部121a〜121hが設けられている。そのため、フランジ付きの軸足がなくても、コンクリートの打設後、型枠3を取り外す際に、簡単に樹脂製コーン12をジョイントナット11から取り外すことができる。なお、ここでは、凹部121a〜121hを8箇所設けているが、これは一例であり、3箇所や4箇所、10箇所など、8箇所より少なくても、多くても勿論よい。また、凹部121a〜121hの穴の形状は、丸穴に限らず、4角穴でも、6角穴でも、要は、コンクリートの打設後、樹脂製コーン12を取り外す際に、後述するコーン取り外し具7の凸部71が嵌まって引っ掛かり、樹脂製コーン12を取り外すことができる形状であれば良い。
【0020】
次に、コンクリート打設後の解体工事の手順について説明する。
【0021】
図3に示すように、本発明に係る型枠保持具1を用いて型枠3,3間にコンクリートを打設し、コンクリートを養生させて硬化した後、締付具4やバタ材5、型枠3を取り外すと、図4に示すように、硬化したコンクリート6内に丸セパレータ2と、型枠保持具1を構成するジョイントナット11と樹脂製コーン12とがそれぞれ連結された状態で埋設される。
【0022】
そのため、図5(a)に示すように、コンクリート6内に埋め込まれた樹脂製コーン12の型枠側端部121の端面の凹部121a〜121hに、コーン取り外し具7の凸部71を嵌合させて、図5(b)に示すように、コンクリート6に埋設された樹脂製コーン12を取り外す。
【0023】
樹脂製コーン12をコンクリート6から取り外すと、図6(a)に示すように、樹脂製コーン12の形状の空洞125が形成され、かつ、その空洞125にジョイントナット11のコーン側端部112が露出しているので、例えば、その空洞125に耐水性ボンド81を挿入して、次いで、図6(b)に示すように、その空洞125にほぼ樹脂製コーン12と同様の円錐台形状のモルタル成形コーン82を埋め込む。その際、モルタル成形コーン82の突出先端部82aをジョイントナット11のコーン側端部112のコーン側雌ネジ部112aが形成された軸孔に挿入する。また、モルタル成形コーン82を空洞部125に挿入した際、耐水性ボンド81がモルタル成形コーン82の側面82bに回り込むようにする。
【0024】
また、樹脂製コーン12をコンクリート6から取り外した後、図6に示すように施工する代わりに、図7(a)に示すように、その空洞125に水膨張性ゴムまたはモルタルからなる中栓83を挿入して、空洞125内に露出しているジョイントナット11のコーン側端部112を中栓83により被覆し、その後、図7(b)に示すように、耐水性ボンド81を挿入して、次いで、図7(c)に示すように、その空洞125にほぼ樹脂製コーン12と同様の円錐台形状のモルタル成形コーン82を埋め込むようにしても良い。
【0025】
なお、上記実施形態の説明では、ジョイントナット11のセパレータ側端部111に正面視円形状のストッパ111bを設けて説明したが、本発明では、これに限らず、例えば、図8に示すように、正面視6角形状のストッパ111b’等、外周側面に平面部(角部)を設けたストッパを設けるようにしても良い。このようにすると、ストッパ111b’が正面視円形状でなく、平面部(角部)を有するため、コンクリート打設後に型枠2等を取り外す際、締付具4を緩める方向に回転させても、ジョイントナット11が締付ボルト41と一緒に供回りすることを防止でき、型枠2等の取り外し作業を円滑に行うことができる。
【0026】
実施形態2.
コンクリート6に埋設された樹脂製コーン12を取り外す場合、図5(a)に示すように、樹脂製コーン12の型枠側端部121の端面における凹部121a〜121hに、コーン取り外し具7の凸部71を嵌合させて、回転させて取り外すが、樹脂製コーン12とコンクリートとの付着度が高いと、樹脂製コーン12を取り外すことが困難な場合がある。そこで、実施形態2〜4は、コンクリート6の硬化後に容易に樹脂製コーン12を取り外すことができる樹脂製コーン12を提供するものである。なお、実施形態2〜4の型枠保持具1では、樹脂製コーン12の下記で言及する特徴以外の構成、および樹脂製コーン12以外のジョイントナット11等の構成は、前述の実施形態1の型枠保持具1と同様であるので、説明を省略する。
【0027】
図9(a),(b)は、それぞれ、実施形態2の樹脂製コーン12の正面図、背面図、図10(a),(b)は、それぞれ、実施形態2の樹脂製コーン12の右側面図(部分拡大図を含む)、断面図である。
【0028】
実施形態2の樹脂製コーン12では、後述する図14〜図19に示す実施形態3や、図20〜図25に示す実施形態4とは異なり、図9および図10に示すように、樹脂製コーン12の外周面に、型枠側端部121の端面まで達しない、すなわちジョイントナット側端部122から型枠側端部121に向かって樹脂製コーン12の長手方向の途中まで、より具体的には長手方向の1/3付近まで凹部が螺旋状に延びる螺旋凹条部127を設けたことを特徴とする。なお、螺旋凹条部127の螺旋の巻き回数は、例えば、2回〜3回程度とする。
【0029】
そのため、この実施形態2の樹脂製コーン12を使用して型枠保持具1を組み、型枠3,3間にコンクリートを打設してコンクリート6を養生させて硬化させると、その樹脂製コーン12を取り外すと、図10(a)に示すように樹脂製コーン12の螺旋凹条部127に対応するコンクリート6側に螺旋凸条部62が形成されることになる。
【0030】
そのため、この実施形態2によれば、硬化後のコンクリート6に埋設された樹脂製コーン12を回転させて取り外す場合、図10(a)に示すように樹脂製コーン12の螺旋凹条部127がコンクリート6の螺旋凸条部62に螺合するので、図10(b)に示すように樹脂製コーン12がコンクリート6から簡単に脱着でき、実施形態1の取り外し作業よりも、コンクリート硬化後の樹脂製コーン12の取り外し作業が容易となる。
【0031】
また、この実施形態2では、螺旋凹条部127は、樹脂製コーン12の外周面全体でなく、樹脂製コーン12の型枠側端部121の端面まで達しないように設けているので、空洞部125に形成される螺旋凸条部62も、ジョイントナット11側となる空洞125の奥近傍に形成され、コンクリート6の表面に近い側には形成されないので、実施形態1の樹脂製コーン12と比較して同等の防水(止水)効果が得られる。
【0032】
また、この実施形態2では、空洞部125に螺旋凸条部62が突出して形成されるものの、空洞部125の奥底に形成されるので、図11(a)に示すように空洞125に耐水性ボンド81を挿入し、図11(b)に示すようにその空洞125に外周部分が短尺のモルタル成形コーン82を埋め込む場合や、図12(a)に示すように中栓83を挿入して空洞125内に露出しているジョイントナット11のコーン側端部112を中栓83により被覆して、その後図12(b)に示すように耐水性ボンド81を挿入し、さらに図12(c)に示すように外周部分が短尺のモルタル成形コーン82’を埋め込む場合でも、モルタル成形コーン82,82’の外周面が空洞125に突出して形成された螺旋凸条部62に支えないので、モルタル成形コーン82,82’の埋め込みに支障がない。また、防水(止水)効果の点、および空洞125の奥底に螺旋凸条部62が形成されたことによる外観の点は、上記実施形態1と同様である。
【0033】
特に、樹脂製コーン12の外周面に設ける螺旋凹条部127を、そのジョイントナット側端部122における端面からジョイントナット挿通孔124の深さまでとすれば、空洞125に突出して形成された螺旋凸条部62もジョイントナット21のコーン側端部112の端面まで達すことはない。そのため、モルタル成形コーン82,82’の中心軸に対する外周面の傾斜角度が樹脂製コーン12の中心軸に対する外周面の傾斜角度と同じでも、空洞部125にモルタル成形コーン82,82’を埋設した場合、モルタル成形コーン82,82’の外周面が空洞125の内周面と密着して、その間にほとんど隙間ができない場合でも、モルタル成形コーン82,82’の外周面先端が、空洞125に突出して形成された螺旋凸条部62まで到達せず、支えることもなくなるので、モルタル成形コーン82,82’の埋め込みに支障がない。なお、図6や図7、図11および図12等に示すモルタル成形コーン82,82’では、モルタル成形コーン82,82’の中心軸に対する外周面の傾斜角度が樹脂製コーン12の外周面の中心軸に対する外周面の傾斜角度よりも若干大きくて、モルタル成形コーン82,82’の外周面先端に向かうに従い空洞125の内周面との間に隙間ができるようにしている。
【0034】
なお、螺旋凹条部127を樹脂製コーン12の外周面の長手方向中間部分(約1/3の部分)に設けた場合には、図13(a)〜(c)に示すようにコンクリート6側の空洞125の長手方向中間部分(約1/3の部分)に螺旋凸条部62が形成されるので、短尺のモルタル成形コーン82,82’や,樹脂製コーン12と長手方向の長さが同寸かつほぼ同形状で、図6および図7に示す実施形態1のモルタル成形コーン82,82’よりも長尺のモルタル成形コーン82”であっても、モルタル成形コーン82,82’,82”の外周面先端が、空洞125に突出して形成された螺旋凸条部62に支えて完全に埋設することができない場合が生じる。螺旋凹条部127を樹脂製コーン12の外周面の型枠側端部121に近い側に設けた場合は尚更同様の問題が生じる。また、防水(止水)効果および外観の点でも前述の問題が生じる。そのため、樹脂製コーン12の外周面に螺旋凹条部127を形成する場合、本発明では、モルタル成形コーン82,82’,82”の外周面の長さや、中心軸に対する外周面の傾斜角度を考慮して、モルタル成形コーン82,82’,82”の埋設に悪影響を与えないよう、なるべく樹脂製コーン12の外周面におけるジョイントナット側端部122に近い側のみとし、モルタル成形コーン82,82’,82”と干渉しないようにする。
【0035】
なお、この実施形態2では、螺旋凹条部127は、その進行方向に対し垂直方向の断面形状は、図9や図10等に示すように半円ないしは半楕円形状にて説明したが、本発明では、これに限らず、四角形でも三角形でも良く、要は、樹脂製コーン12を回転させて取り外す場合に、コンクリート6の空洞125に形成された螺旋凸条部62に螺合して、容易に取り外すことが可能であれば良い。
【0036】
実施形態3.
次に、実施形態3の型枠保持具1の樹脂製コーン12について説明する。
【0037】
図14(a),(b)は、それぞれ、実施形態3の樹脂製コーン12の正面図、背面図、図15(a),(b)は、それぞれ、実施形態3の樹脂製コーン12の右側面図(部分拡大図を含む)、A−A線断面図である。
【0038】
図14および図15に示すように、実施形態3の樹脂製コーン12では、樹脂製コーン12の外周面に、型枠側端部121の端面まで達しない、すなわちジョイントナット側端部122から型枠側端部121に向かって樹脂製コーン12の長手方向の途中、例えば、長手方向の1/3付近まで凸部が螺旋状に延びる螺旋状に延びる螺旋凸条部126が設けられている。従って、この螺旋凸条部126の螺旋の巻き回数は、例えば、2回〜3回程度となる。なお、螺旋凸条部126は、型枠側端部121の端面まで達しない限りは、ジョイントナット側端部122から型枠側端部121に向かって樹脂製コーン12の長手方向の1/3以上設けることもできる。
【0039】
そして、この実施形態3の樹脂製コーン12をコンクリート6に埋設した状態で当該コンクリート6が硬化すると、図16(a)に示すように樹脂製コーン12の螺旋凸条部126に対応するコンクリート6側にも螺旋凹条部61が形成されることになる。
【0040】
そのため、この実施形態3の樹脂製コーン12によれば、コンクリート6に埋設された樹脂製コーン12を取り外す際に、樹脂製コーン12の凹部121a〜121gにコーン取り外し具7の凸部71を嵌合させて回転させると、図16(a)に示すように螺旋凸条部126が硬化したコンクリート6の螺旋凹条部61に螺合するので、図16(b)に示すように樹脂製コーン12を硬化後のコンクリート6から簡単に脱着できる。その結果、実施形態2と同様に、実施形態1の樹脂製コーン12の取り外し作業よりも、コンクリート硬化後の樹脂製コーン12の取り外し作業が容易となる。
【0041】
特に、この実施形態3の樹脂製コーン12では、螺旋凸条部126は、樹脂製コーン12の外周面全体でなく、樹脂製コーン12の型枠側端部121の端面まで達しないように、ジョイントナット側端部122から型枠側端部121に向かって樹脂製コーン12の長手方向の1/4〜1/2付近までの螺旋の巻き回数が例えば、2回〜3回程度であるため、コーン取り外し具7の凸部71を嵌合させて回転させることにより、樹脂製コーン12全体がコンクリート6から突出しないものの、樹脂製コーン12の長手方向の1/4〜1/2程度がコンクリート6の表面から突出するので、作業者は樹脂製コーン12の型枠側端部121側の外周面を掴むことが可能となるので、取り外しには十分である。
【0042】
また、この実施形態3の樹脂製コーン12では、図15(a)に示す螺旋凸条部126の右側面図の拡大図に示すように、螺旋凸条部126の開始部分126aの傾斜角度αは、その終了部分126bの直角に近い傾斜角度βよりも鋭角、すなわち緩やかに形成されており、また、樹脂製コーン12の長手方向の螺旋凸条部126の傾斜角度γ(図15(b)参照。)よりも鋭角にしている。そのため、コンクリート6の硬化後に樹脂製コーン12を取り外そうと回転させた際、螺旋凸条部126の開始部分12aは、コンクリート6の空洞部125の螺旋凹条部61が形成されていない内壁に接触するが、螺旋凸条部126の開始部分12aは鋭角で緩やかに形成されているので、樹脂製コーン12の回転に悪影響を与えることなく樹脂製コーン12を容易に取り外すことができる。ただし、螺旋凸条部126の開始部分126aの傾斜角度αや、その終了部分126bの傾斜角度βの関係は、任意であり、全て傾斜角度αの緩やかな鋭角に形成したり、さらには、コンクリート6の硬化後に樹脂製コーン12が回転する限りは全て傾斜角度βに形成するなどしても勿論よい。
【0043】
また、この実施形態3の樹脂製コーン12では、螺旋凸条部126は、樹脂製コーン12の外周面全体でなく、樹脂製コーン12の型枠側端部121の端面まで達しないように設けているので、コンクリート6の空洞部125に形成される螺旋凹条部61も、図16に示すようにジョイントナット11側となる空洞125の奥近傍に形成され、コンクリート6の表面に近い側には形成されないので、実施形態2と同様に、実施形態1の樹脂製コーン12と比較して同等の防水(止水)効果が得られる。
【0044】
なお、樹脂製コーン12をコンクリート6から取り外した後、図17(a)に示すように空洞125に耐水性ボンド81を挿入し、図17(b)に示すようにその空洞125に樹脂製コーン12と同様に円錐台形状のモルタル成形コーン82を埋め込む場合や、図18(a)に示すように中栓83を挿入して空洞125内に露出しているジョイントナット11のコーン側端部112を中栓83により被覆して、その後図18(b)に示すように耐水性ボンド81を挿入し、さらに図18(c)に示すように円錐台形状のモルタル成形コーン82’を埋め込む場合でも、空洞125に形成された螺旋凹条部61には、耐水性ボンド81が流れ込んだり、中栓83が水膨張性ゴムであれば水を吸収し自己膨張することにより埋めるので、実施形態1,2にて使用した円錐台形状のモルタル成形コーン82,82’を埋め込んでも、防水(止水)効果の点で実施形態1の場合と比較して何ら影響がない。
【0045】
また、樹脂製コーン12をコンクリート6から取り外した後、耐水性ボンド81を挿入し、その後、図19に示すように樹脂製コーン12と長手方向の長さが同寸かつほぼ同形状でモルタル成形コーン82,82’よりも長尺の円錐台形状のモルタル成形コーン82”を埋め込む場合でも、空洞125のコンクリート6内周面には、螺旋凹条部61が形成されており、空洞125内に突出しないので、螺旋凹条部61が円錐台形状のモルタル成形コーン82”の挿入に何ら悪影響を与えずに、ジョイントナット11のコーン側端部112を被覆するように挿入できる。そのため、実施形態3の場合には、実施形態2の場合よりも、モルタル成形コーン82”の形状を樹脂製コーン12の形状とほぼ同一に、すなわちモルタル成形コーン82”の先端側であるジョイントナット側の端部の外径をより太くすることが可能となる。
【0046】
さらに、この実施形態3の樹脂製コーン12によれば、空洞125の奥底に形成される螺旋凹条部61は、コンクリート6の表面側からはほとんど見えないので、樹脂製コーン12の外周面に螺旋凸条部126を設けて取り外し性を向上させても、外観に与える欠点もほとんど無視できる。
【0047】
なお、この実施形態3では、螺旋凸条部126は、その進行方向に対し垂直方向の断面形状は、図14や図15等に示すように半円ないしは半楕円形状にて説明したが、本発明では、これに限らず、四角形でも三角形でも良く、要は、樹脂製コーン12を回転させて取り外す場合に、コンクリート6の空洞125に形成された螺旋凹条部61に螺合して、容易に取り外すことが可能であれば良い。なお、このことは、後述する実施形態4でも同様である。
【0048】
実施形態4.
次に、実施形態4の樹脂製コーン12について説明する。
【0049】
図20(a),(b)は、それぞれ、実施形態4の樹脂製コーン12の正面図、背面図、図21(a),(b)は、それぞれ、実施形態4の樹脂製コーン12の右側面図(部分拡大図を含む)、断面図である。
【0050】
実施形態3の樹脂製コーン12では、図14等に示すように、樹脂製コーン12の外周面にジョイントナット側端部122から型枠側端部121に向かって樹脂製コーン12の長手方向の1/3付近まで螺旋凸条部126を設けて説明したが、実施形態4の樹脂製コーン12では、図20および図21に示すように、樹脂製コーン12の外周面の長手方向中間部分(約1/3の部分)にのみ螺旋凸条部126を設けたことを特徴とする。つまり、実施形態4の樹脂製コーン12は、実施形態3の螺旋凸条部126をジョイントナット側端部122から長手方向の中央部に移動したもので、実施形態3と同様に螺旋の巻き回数を例えば、2回〜3回程度とし、螺旋凸条部126の開始部分126aおよび終了部分126bがそれぞれ型枠側端部121およびジョイントナット側端部122まで達しないようにしている。なお、それ以外の構成は、実施形態1および実施形態3と同様である。なお、これ以外の特徴は、上述の実施形態3と同様である。
【0051】
そのため、この実施形態4によれば、実施形態3と同様に、コンクリート6に埋設された樹脂製コーン12を取り外す場合、図22(a)に示すように螺旋凸条部126が硬化したコンクリート6の螺旋凹条部61に螺合するので、図22(b)に示すように樹脂製コーン12が硬化したコンクリート6から簡単に脱着でき、実施形態1の取り外し作業よりも、コンクリート硬化後の樹脂製コーン12の取り外し作業が容易となる。また、この実施形態4では、螺旋凸条部126は、樹脂製コーン12の外周面全体でなく、樹脂製コーン12の外周面の長手方向中間部分(約1/3の部分)にのみ設けているため、回転させることにより樹脂製コーン12全体がコンクリート6から突出しないものの、実施形態3と同様に、樹脂製コーン12の長手方向の1/4〜1/2程度がコンクリート6の表面から突出するので、作業者は樹脂製コーン12の型枠側端部121側の外周面を掴むことが可能となり、取り外しには十分である。なお、螺旋凸条部126の開始部分126aの傾斜角度αと終了部分126bの傾斜角度βとの関係は、実施形態3と同様であるので、樹脂製コーン12の回転に悪影響を与えることがなくなり、樹脂製コーン12を容易に取り外すことができる。
【0052】
また、この実施形態4の樹脂製コーン12では、実施形態3と同様に、螺旋凸条部126は、樹脂製コーン12の外周面全体でなく、樹脂製コーン12の外周面の長手方向中間部分(約1/3の部分)にのみ設けているので、空洞部125に形成される螺旋凸条部61も、図22に示すように空洞部125の長手方向中間部分(約1/3の部分)にのみ設けられ、コンクリート6の表面に近い側には形成されないので、実施形態1の樹脂製コーン12と比較して同等の防水(止水)効果が得られる。
【0053】
また、実施形態4でも、実施形態3と同様に、樹脂製コーン12をコンクリート6から取り外した後、図23(a)に示すように空洞125に耐水性ボンド81を挿入し、図23(b)に示すようにその空洞125にモルタル成形コーン82を埋め込む場合や、図24(a)に示すように中栓83を挿入して空洞125内に露出しているジョイントナット11のコーン側端部112を中栓83により被覆して、その後図24(b)に示すように耐水性ボンド81を挿入し、さらに図24(c)に示すようにモルタル成形コーン82’を埋め込む場合でも、空洞125に形成された螺旋凸条部61には、共に、耐水性ボンド81が流れ込むので、円錐台形状のモルタル成形コーン82,82’を埋め込んでも、防水(止水)効果の点で実施形態1の場合と比較して何ら影響がない。なお、図25に示すように樹脂製コーン12と長手方向の長さが同寸で、ほぼ同形状の円錐台形状のモルタル成形コーン82”を埋め込む場合も、実施形態3と同様に、螺旋凸条部61が円錐台形状のモルタル成形コーン82”の挿入に何ら悪影響を与えずにジョイントナット11のコーン側端部112を被覆するように挿入できる。さらに、実施形態4では、空洞125の長手方向中間部分に螺旋凸条部61が形成されるので、実施形態3と同様に、コンクリート6の表面側からほとんど見えず、樹脂製コーン12の外周面に螺旋凸条部126を設けて取り外し性を向上させても、外観に与える欠点もほとんど無視できる。
【符号の説明】
【0054】
1 型枠保持具
11 ジョイントナット
111 セパレータ側端部
111a セパレータ側雌ネジ部
111b、111b’ ストッパ
112 コーン側端部
112a コーン側雌ネジ部
12 樹脂製コーン
121 型枠側端部
121a〜121h 凹部
122 ジョイントナット側端部
123 ボルト挿通孔
124 ジョイントナット挿通孔
124a〜124d 係合部
125 空洞
126 螺旋凸条部
127 螺旋凹条部
2 丸セパレータ
3 型枠
4 締付具
41 締付ボルト
42 ナット
43 座金
5 バタ材
6 コンクリート
61 螺旋凹条部
62 螺旋凸条部
7 コーン取り外し具
81 耐水性ボンド
82,82’,82” モルタル成形コーン
83 中栓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セパレータの両端部に形成された雄ネジ部にそれぞれ螺合され、一対の型枠を所定の間隔だけ離間させて保持する型枠保持具であって、
セパレータ側端部には前記セパレータの雄ネジ部が螺合するセパレータ側雌ネジ部が設けられていると共に、その外周側面に突出したストッパが設けられ、コーン側端部には締付具の締付ボルトの雄ネジ部が螺合するコーン側雌ネジ部が設けられたジョイントナットと、
型枠側端部が大径で、かつ、ジョイントナット側端部が小径のほぼ円錐台形状であって、その軸心方向には前記締付具の締付ボルトが挿通されるボルト挿通孔が形成されている一方、ジョイントナット側端部には、前記ジョイントナットのコーン側端部が挿入されるジョイントナット挿通孔が形成された樹脂製コーンと、を備え、
前記樹脂製コーンの外周面には、型枠側端部の端面まで達しない螺旋状の凸条部または凹条部が設けられている、
ことを特徴とする型枠保持具。
【請求項2】
請求項1に記載の型枠保持具において、
前記螺旋状の凹条部は、前記樹脂製コーンの外周面であって、ジョイントナット側端部の端面から前記樹脂製コーンの長手方向の1/3付近までの範囲内に設けられていることを特徴とする型枠保持具。
【請求項3】
請求項1に記載の型枠保持具において、
前記螺旋状の凸条部は、前記樹脂製コーンの外周面であって、ジョイントナット側端部の端面から前記樹脂製コーンの長手方向の1/3付近までの範囲内か、前記樹脂製コーンの長手方向の1/3〜2/3付近までの範囲内に設けられていることを特徴とする型枠保持具。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一の請求項に記載の型枠保持具において、
前記樹脂製コーンのジョイントナット挿通孔の内周側面には、前記ジョイントナットの外周側面に係合する係合部が設けられていることを特徴とする型枠保持具。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一の請求項に記載の型枠保持具において、
前記樹脂製コーンのボルト挿通孔の軸方向の長さは、少なくとも10mm以上の長さである、
ことを特徴とする型枠保持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2013−92032(P2013−92032A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−16562(P2012−16562)
【出願日】平成24年1月30日(2012.1.30)
【出願人】(505319658)BiC株式会社 (2)
【Fターム(参考)】