説明

埋め込み型医療データ取得デバイスのためのNFC通信

各々がNFC通信機能を有する個人と関連付けられた複数の埋め込み型及び/又は装着型医療データ取得デバイス(30)は医療データを収集する。各デバイスは一意の識別子を有する。医療データは、一意の識別子を有する無線通信システム移動局(10)のNFCリーダ又はトランシーバ(26)によりセキュリティ保護されたリンクを介してデバイスから読み出される。医療データは、セキュリティ保護されたリンクを介して移動局から医療グループに対するデータサービスを管理するよう構成されたプレゼンス及びグループ管理(PGM)サーバ(32、34)に対して選択的に送信される。医療専門家による医療データへのセキュリティ保護されたアクセスは、ポリシーシステム(36)に従って制限される。暗号鍵は、グループ鍵管理サーバ(32)によりグループ毎に管理され、該グループ鍵管理サーバは一意の識別子に基づいて医療データ取得デバイス(30)及び移動局(10)をグループに割り当てる。PGMサーバ(32、34)は、移動局(10)を介して警告及び/又は情報をユーザに送出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に無線通信に関し、特に近距離無線通信機能を有する無線通信システムの移動局により、埋め込み型又は装着型医療データ取得デバイスから医療データを収集することに関する。
【背景技術】
【0002】
電波方式の個体識別(RFID)デバイスは、従来技術において周知であり、例えばIDタグとして広く展開されている。最も単純な形態のうち、パッシブRFIDデバイスは、RFアンテナ及び単純な電子回路を含む。回路には、RFIDリーダより送られるRF搬送波が存在する場合にアンテナにおいて誘導される小さな電流により電力が供給される。RFIDデバイスは、RF搬送波を後方散乱変調することにより一意の識別子等のデータを送信する。RFIDリーダは、後方散乱変調を検出し、RFIDデバイスより送信された識別子を取得する。このようなRFID「タグ」は、在庫管理及びサプライチェーンマネジメントに広く使用されており、消費者製品の包装及び書類の宅配用封筒等における「バーコード」等の光学コードに代わるものとして期待されている。アクティブRFIDデバイスは、バッテリ等の電源を備え、多くの場合、RFIDリーダと双方向通信を行うことができるフルトランシーバ及びより高度な回路(例えば、プロセッサ及びメモリ)を備える。
【0003】
更に一般的に、NFC(Near Field Communication)は、狭域の高周波無線通信技術を示す。RFID技術はNFCの一部である。NFCは、「スマートカード」のインタフェース及びリーダを単一デバイスに組み合わせてなるISO14443近接型カード規格を拡張したものである。NFCデバイスは磁界誘導を介して通信する。ここで、2つのループアンテナは互いの近距離場内に配置され、空芯変成器を効果的に形成する。空芯変成器は、ほぼ2MHzの帯域幅を使用して国際的に利用可能な免許不要の無線周波数である13.56MHzのISM(産業・科学・医療)バンド内で動作する。NFC技術は、主に公共交通機関の切符販売及びデビット/クレジット支払いトランザクションアプリケーション用として無線通信移動局(例えば、携帯電話、PDA及びラップトップ等)において展開される。
【0004】
当該技術においては、埋め込み型アプリケーションに対してNFC通信機能を有するデータ取得デバイスを提供する構成が知られている。例えば、タイヤ圧を監視し且つ車両のタイヤに近接して位置付けられるRFIDリーダにそのタイヤ圧を通知するために、RFID通信インタフェースに結合された変換器及び圧力センサがそのタイヤに埋設される。RFIDタグは、長い間、識別を目的として、動物に埋め込まれてきた。更に実験的には、アクセス制御等の識別に基づくアプリケーション用の人間にも埋め込まれてきた。
【0005】
将来性がある1つの医療研究分野として、NFC等の無線通信機能を有する埋め込み型及び/又は装着型データ取得デバイスを使用することが挙げられる。例えば埋め込み型デバイスは、血糖及び抗凝固因子等の血液中の種々の化学物質の濃度を監視することができる。装着型デバイスは、体温又は電流皮膚反応を監視することができる。NFC通信機能により、埋め込み型又は装着型デバイスからNFCリーダに医療データを無線転送することが可能である。当該研究の関連分野として、ペースメーカや薬物送達デバイス等の埋め込み型デバイスの作動を制御するためにNFC通信(又はBluetoth(登録商標)等の他の無線通信技術)を使用することが挙げられる。データ取得機能は、双方向NFC通信機能を有する作動可能なデバイスと結合されうることは明らかである。
【0006】
このような埋め込み型又は装着型デバイスからのデータの検索は、アドホックに実行される。これは、専用NFCリーダの要件及びNFC送信機とリーダとの間において必要とされる近さにより制限される。例えば、個人が開業医のところにいる場合には、医療データは主に埋め込み型デバイスから読み取られるように構成することが期待される。いつでもどこでも埋め込み型デバイスからデータを検索できる機能は有利である。これにより、時系列の測定値の収集が可能になり、開業医を訪れている間に収集された離散値と比較して個人の病状又は健康状態について、より完璧な特徴を得ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、医療専門家からの説明及び助言がないと、データだけでは個人にとっては有意義なものとはならない可能性があるため、埋め込み型デバイスから医療データを広範囲に読み出すだけでは不十分である。更に、医療データは非常に注意を要するものであり且つ重要なプライバシーの問題に関係するため、埋め込み型デバイスから医療データを広範囲に読み出すことにより、大きなセキュリティリスクがもたらされる。最後に、医療データは、グループサポート及び段階アクセスを提供するシステムにおいて、個人のプライバシーを保護しつつ、種々の関係者(例えば、内科医、専門医又は薬剤師)が特定のサービスを個人に最適に提供するのに必要な医療データのレベルに対してのみアクセスできるように構成することではじめて効率的に使用される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書で説明され且つ請求の範囲で示される1つ以上の実施形態によると、複数の埋め込み型及び/又は装着型医療データ取得デバイスが個人と関連付けられており、それぞれがNFC通信機能を有しており、医療データの収集を行う。各デバイスは一意の識別子を有する。医療データは、一意の識別子を有する無線通信システム移動局のNFCリーダ又はトランシーバによりセキュリティ保護されたリンクを介してそれらのデバイスから読み出される。医療データは、移動局から医療グループに対するデータサービスを管理するように構成されたプレゼンス及びグループ管理(PGM)サーバにセキュリティ保護されたリンクを介して選択的に送信される。医療専門家による医療データに対するセキュリティ保護されたアクセスは、ポリシーシステムに従って制限される。暗号鍵は、グループ鍵管理サーバによりグループ毎に管理され、一意の識別子に基づいて医療データ取得デバイス及び移動局を所定のグループに割り当てる。PGMサーバは、移動局を介して警告及び/又は情報をユーザに送出する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することにより、本発明の更なる目的及び利点と共に最もよく理解されるであろう。
【図1】図1は、NFCリーダを搭載した移動局を示す機能ブロック図である。
【図2】図2は、球面復号化を実行するように構成されたCDMAゴールド符号受信機を示す機能ブロック図である。
【図3】図3は、個人と関連付けられた医療データを収集及び処理する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
一実施形態に係る無線通信システム移動局10を図1に示す。移動局10は、WCDMA、UTRAN又はGSM等の1つ以上の業界標準の無線プロトコルに準拠するRFトランシーバ12を含む。RFトランシーバ12は、無線通信システムの基地局又はネットワークアクセスポイントと無線通信を行うために外部アンテナ14に接続されている。メモリ18に接続された制御器16は、移動局10の動作を制御する。制御器16は、従来技術において知られているように、ソフトウェア、カスタムハードウェア回路又はハードウェア及びソフトウェアの任意の組合せを実行するマイクロプロセッサ又はデジタル信号プロセッサ(DSP)を含む。ユーザインタフェース20は、個人との通信を可能にするディスプレイ、キーパッド、スピーカ、マイク及び他の要素を含む。移動局10は、Bluetooth(登録商標)トランシーバ22及びBluetooth(登録商標)アンテナ24(移動局10の内部に配設されてもよいし、その筺体に組み込まれていてもよい)をオプションとして含む。
【0011】
一実施形態において、移動局10は、移動局10の内部に同様に配設され、又はその筺体に組み込まれているNFCリーダ26及び関連するNFCアンテナ28を含む。NFCリーダ26は、パッシブNFC送信機を作動させ且つ後方散乱変調等によりアクティブNFC送信機及びパッシブNFC送信機の双方からデータを受信するように動作可能である。別の実施形態において、NFCリーダ26は、NFCデバイスにデータを送信し且つNFCデバイスからデータを受信するよう動作可能なNFCトランシーバである。本明細書に更に詳細に説明するように、少なくともいくつかの実施形態において、NFCリーダ又はトランシーバ26はセキュリティ保護されたリンク又は暗号化されたリンクを介してNFCデバイスと通信する。
【0012】
図2に示すように、移動局10のNFCリーダ又は送信機26は、個人と関連付けられた1つ以上の埋め込み型又は装着型医療データ取得デバイス30から医療データを受信するよう動作可能である。各デバイス30は、医療データを検出又は測定するよう構成されたある形態のセンサを備える。センサは、化学物質の濃度、体温、血圧、血流量又は緊張等の物理的特性を検出又は測定する。各センサは、変換器及びNFC通信機能に結合されている。
【0013】
各埋め込み型又は装着型医療データ取得デバイス30は一意の識別子を有する。各医療データ取得デバイス30は、その一意の識別子を使用してグループに割り当てられる。医療データ取得デバイス30と移動局10との間の通信リンクの暗号化は、各デバイス30が割り当てられるグループに従って実行される。医療データ取得デバイス30は、割り当てられたグループ内でのみ通信する。すなわち、医療データ取得デバイス30は、(自身の一意の識別子を介して)自身のグループに割り当てられた移動局10に対してのみデータを送信する。尚、個人は医療データ取得デバイス30の2つ以上のグループを有していてもよく、同一の移動局10が個人と関連付けられた医療データ取得デバイス30の全てのグループに割り当てられていてもよい。
【0014】
暗号化は、医療データ取得デバイス30において行われてもよい。この場合、デバイスは一意の識別子及び暗号鍵又は本人確認機能により更新可能である必要があり、鍵は製造時にデバイス30に割り当てられ且つ組み込まれている必要がある。グループ暗号鍵の管理は、3GPPP IPマルチメディアサブシステム(IMS)プロトコルに従って実行されてもよい。グループ鍵管理サーバ32は、医療データ取得デバイス30のグループを個人の移動局10の一意の識別子と関連付け、グループに対する暗号鍵を管理する。移動局10は、グループ鍵管理サーバ32と通信し、それに割り当てられた鍵を管理し、且つ医療データ取得デバイス30と他のネットワークエンティティとの間のセキュリティ保護されたリンクを確立及び管理すべく暗号化/復号化動作を実現するのに必要とされるグループ鍵管理機能を含む。このグループ鍵管理機能は、例えばメモリ18に格納され且つ制御器16で実行される1つ以上のソフトウェアモジュールを含んでいてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態において、移動局10と1つ以上の埋め込み型又は装着型医療データ取得デバイス30との間のデータ通信は双方向であってもよく、双方のリンクが暗号化される。この通信リンクは、NFCトランシーバ26、Bluetooth(登録商標)トランシーバ22又は他の狭域無線通信規格を利用してもよい。一実施形態として、各々が相対的に単純で低価格な通信機能を有する複数の医療データ取得デバイス30は、アドレス変換等のより高度な通信機能を有するゲートウェイデバイス30を介して移動局10と通信する。ゲートウェイデバイスは、移動局10に送信する医療データを収集してもよく且つ/又は移動局10からコマンドを受信し且つそれらのコマンドを複数の医療データ取得デバイス30に配信してもよい。
【0016】
個人の医療データが埋め込み型又は装着型医療データ取得デバイス30から移動局10によって受信されると、それらのデータはセキュリティ保護されたリンクを介してプレゼンスサーバ34に選択的に送信される。グループ鍵管理サーバ32及びプレゼンスサーバ34は、図2では別個のネットワークエンティティとして示されているが一体化されていてもよい。それらの構成に関係なく、サーバ32、34は、医療グループに適応された医療情報と管理されるサービスとを提供するように拡張されたプレゼンス及びグループ管理(PGM)サーバを共に含む。
【0017】
個人の医療データのどの部分へのアクセス権を誰に付与するかを制御するアクセスポリシーを実現するポリシーシステム36は、プレゼンスサーバ34と関連付けられている。例えば個人の主治医は、埋め込み型又は装着型医療データ取得デバイス30により収集されたデータを含む全ての医療データへのアクセス権を有する。腫瘍遺伝子学者等の専門医は、癌を監視及び治療するのに必要であると考えられる情報にのみアクセス権が付与される。別の例として、薬剤師は、医療データ取得デバイス30により取得された医療データのうち、個人の薬剤処方及び風邪に対する処置を提案するための最近の体温の測定値等の医療データへのアクセス権を有する。薬剤師は、例えば個人のHIVの状態又は過去の外科の記録へのアクセス権までは有していない。
【0018】
ポリシーシステム36で実現される特定のポリシーは、オペレータにより提供されてもよく、医療施設により公式化されてもよく且つ/又は個々のユーザにより構成されてもよい。移動局10は、アクティブポリシーにより要求されるように、ポリシーシステム36と通信し且つ移動局10においてアクセス制御を実施するのに必要とされるポリシー機能を備える。例えば移動局10は、ユーザインタフェース20を介して医療データを公開する前にPIN又は生体識別を要求する。例えばこのポリシー機能は、メモリ18に格納され且つ制御器16において実行される1つ以上のソフトウェアモジュールを含む。
【0019】
図3は、個人に関する医療情報を収集及び処理する方法100の一実施形態を示す。各々がNFC通信機能を有する1つ以上の埋め込み型又は装着型医療データ取得デバイス30には、本人確認機能及び暗号鍵が提供される(ブロック102)。これは、医療データ取得デバイス30の製造時に又は図3に示すように医療データ取得デバイス30を個人に埋め込む前に開業医のところで実行される。あるいは、一意の識別子は、医療データ取得デバイス30の製造時に提供されてもよく、暗号鍵は、公開鍵暗号化技術を使用して個人に埋め込まれた後に医療データ取得デバイス30に送信されてもよい。その後、医療データ取得デバイス30は個人に埋め込まれ(ブロック104)且つ検査される。
【0020】
医療データ取得デバイス30は、医療データを収集する(ブロック106)。個人の移動局10のNFCリーダ又はトランシーバ26は、セキュリティ保護された(暗号化された)リンクを介して医療データ取得デバイス30のNFC送信機から医療データを読み出す(ブロック108)。一実施形態において、移動局10における医療データの読み出し及び格納は、原子的な2相コミット動作を含み、ロバスト性を有する既知のトランザクションプロトコルは、送信の失敗による破損に対する耐性を提供する。医療データ取得デバイス30と移動局10との間のデータリンクは妨害を防止するために暗号化され、さらに、医療データ取得デバイス30は許可されたリーダに対してのみデータを送出する。
【0021】
一実施形態において、破線で示すように、医療データの収集及び移動局10への送信の処理は連続的であってもよいし周期的であってもよい。本実施形態において、データはデータ収集の時間又は移動局10への送信時間を示すためにタイムスタンプが押されるのが好ましい。これにより、単一の別個の測定値より多くの情報を提供する体温等の時系列データが収集される。個人が毎日の体重、血圧又は食事等の医療データをユーザインタフェース20を介して移動局10に直接入力してもよい。
【0022】
データは、周期的に又はスケジュールされた時間に、医療グループに対するデータサービスを管理するよう構成されたプレゼンス及びグループ管理(PGM)サーバの一部であるプレゼンスサーバ34に対して選択的に送信される(ブロック110)。一実施形態において、収集されたデータの送信は、ポリシーシステム36に従って、データ値が所定の閾値範囲外になった時にトリガされる。例えば体温が平熱を上回った(例えば、発熱)場合や、HIV陽性の場合には、PGMサーバへのデータ及び警告の送信をトリガし、また、HIV陰性の場合にはトリガしない。
【0023】
データ送信は、グループ鍵管理サーバ32により提供及び管理される鍵を使用して暗号化されることが好ましい。データは、ポリシーシステム36に従ってランク付けされ、データベースに格納される。医療専門家は、セキュリティ保護された送信のための暗号鍵がグループ鍵管理サーバ32により提供及び管理されている状態で、ポリシーシステム36により実施されるポリシーに従って医療データへのアクセスが、選択的に許可される。
【0024】
プレゼンスサーバ34は、移動局10を介して個人に情報及び/又は警告を送出する(ブロック114)。例えば、埋め込み型及び/又は装着型医療データ取得デバイス30により収集されたデータを閲覧した後、医療専門家は個人の処方薬又はその服用量、あるいはその服用時間を変更する。プレゼンスサーバ34は、移動局10を介して個人からの入力に対話的に応答する。例えば、個人が市販の風邪薬を買う場合、その個人は2つ以上の製品を入力してもよく、プレゼンスサーバ34は、個人の処方薬及び/又は他の健康要因との適合性を考慮して好ましい製品を示す。別の例として、市販の製品を薦める際に個人のアレルギー又は他の不耐性が考慮されてもよい。このフィードバックは自動化され且つ即座に行われてもよく、あるいはプレゼンスサーバ34がユーザクエリを医療専門家に転送し、応答を個人に返すようにしてもよい。
【0025】
公開された医療データの量及び重要度は、ポリシーシステム36により実現されるポリシーに従って変動するものとする。上記例において、個人の薬剤師は、プレゼンスサーバ34に要求した場合、個人に助言するために、個人が直接受信する場合と比較して個人の処方薬及び/又は他の健康要因に関するより完璧な情報を受信する。一実施形態において、関連したポリシーが許可するよりも多くの情報を薬剤師が要求する場合、例えば通常は当該情報が関連したポリシーによって薬剤師に通知されないようにするが、個人がある病状があることを申し出る場合、その個人がポリシーを無効にし且つ追加の医療データを流すことを許可するようにしてもよい。
【0026】
当然、本発明の実施形態により提供されるハードウェア、システムアーキテクチャ及び機能性は、上述した医療データを直接監視することに加え、種々の使用方法又は使用モードを可能にする。例えば個人は、自己療法を計画するために使用してもよい。ポリシーシステム36は、例えば医学辞典及び薬学辞典(例えば、スウェーデンのFASS又は米国のFDA)を参照することにより、個人が服用又は薬の相互作用の安全閾値に近付いた時に警告してもよい。
【0027】
埋め込み型又は装着型医療データ取得デバイス30により収集されたデータは、病気の治療時の薬の効果及び薬の相互作用等を監視するために他の医療データ及び健康データと組み合わされてもよい。これにより、従来技術ではなかった方法で特定の個人に合わせた治療を今までになかった程度まで微調整することができる。データは、更に、抽出され(個人識別情報を除去する)且つ治療中の他の個人に関連する同様のデータと組み合わされてもよく、これにより既知の多数の医療データに更に寄与することができる。
【0028】
更にシステムは、埋め込み型医療デバイスにおけるより優れた制御を可能にする。例えば埋め込み型薬物送達デバイスは、埋め込み型又は装着型医療データ取得デバイス30により収集されたごく最近の医療データに応答して特定の服用量を公開するために特定の時間に作動されてもよい。すなわち、本発明の実施形態によれば、従来技術では病室等の制御された環境においてのみ達成された薬物治療のほぼリアルタイムの制御を広範囲に広げることが可能になる。
【0029】
当然、本発明は、本発明において不可欠な特徴から逸脱することなく本明細書で特に示された方法と別の方法で実行されてもよい。本発明の実施形態は、例示されるような全ての態様において考慮されるべきであり且つ限定されるものではない。添付の請求の範囲の意味及び同等の範囲内で行われる全ての変更は、請求の範囲内に含まれることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人についての医療情報を収集し処理する方法であって、
該個人は、該個人と関連付けられた1つ以上の医療データ取得デバイスを保持しており、それぞれの医療データ取得デバイスは、狭域無線通信送信機と一意の識別子とを有しており、更に、該個人は、一意の識別子を有する無線通信システム移動局を保持しており、
前記方法は、
前記医療データ取得デバイス(30)により医療データを収集する工程と、
前記移動局(10)の無線通信受信機(26、22)によりセキュリティ保護されたリンクを介して、前記医療データ取得デバイス(30)から医療データを読み出す工程と、
前記移動局(10)から医療グループに対するデータサービスを管理するよう構成されたサーバ(34)に前記医療データを選択的に送信する工程と
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記狭域無線通信送信機はNFC(Near Field Communication)送信機を含み、前記無線通信受信機はNFCリーダ(26)を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記医療グループに対するデータサービスを管理するよう構成されたサーバ(34)は、前記医療グループに対するデータサービスを管理するよう構成されたプレゼンス及びグループ管理(PGM)サーバ(32、34)を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記個人と関連付けられた1つ以上の医療データ取得デバイス(30)は、前記個人の体内に埋め込まれた1つ以上の医療データ取得デバイスを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記個人と関連付けられた1つ以上の医療データ取得デバイス(30)は、前記個人に装着された1つ以上の装着型医療データ取得デバイスを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記NFC送信機は、パッシブ電波方式による個体識別(RFID)送信機又はアクティブRFID送信機を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記NFC送信機はトランシーバであり、前記移動局NFCリーダ(26)は、更に、セキュリティ保護されたリンクを介して1つ以上のNFCトランシーバにデータを書き込むよう動作可能であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記移動局により、前記個人の体内に埋め込まれた1つ以上の医療データ取得デバイス(30)を作動させる工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記セキュリティ保護されたリンクは、グループ暗号鍵管理システムに従って確立され、前記医療データ取得デバイスの一意の識別子により前記医療データ取得デバイスをグループ化し、前記移動局の一意の識別子により前記医療データ取得デバイスと前記移動局とを関連付けることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記グループ暗号鍵管理システムは、3GPPP IPマルチメディアサブシステム(IMS)を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記移動局(10)から前記医療データを選択的に送信する工程は、ポリシー管理システム(36)に従って前記医療データを送信する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記医療データを送信する工程は、前記ポリシー管理システム(36)内で前記個人に対して確立された1つ以上のポリシーに従って制限されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記医療データは離散値を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記医療データは時系列の値を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記個人と関連付けられた1つ以上の医療データ取得デバイス(30)によって医療データを収集する工程は、前記個人と関連付けられた複数の医療データ取得デバイス(30)であって、それぞれがゲートウェイ医療データ取得デバイス(30)に医療データを送信するよう構成された医療データ取得デバイス(30)によって医療データを収集する工程を含み、
無線通信受信機(26、22)によりセキュリティ保護されたリンクを介して前記1つ以上の狭域無線通信送信機から医療データを読み出す工程は、前記ゲートウェイ医療データ取得デバイス(30)から医療データを読み出す工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
トランシーバ(12)を有する無線通信システム移動局(10)であって、
個人と関連付けられた1つ以上の医療データ取得デバイス(30)からセキュリティ保護されたリンクを介して少なくとも医療データを読み出すように動作可能な狭域無線通信受信機(26)を備え、
前記トランシーバ(12)は、医療グループに対するデータサービスを管理するよう構成されたサーバ(34)との間で前記医療データを通信するよう動作可能であることを特徴とする移動局(10)。
【請求項17】
前記医療グループに対するデータサービスを管理するよう構成された前記サーバ(34)は、前記医療グループに対するデータサービスを管理するよう構成されたプレゼンス及びグループ管理(PGM)サーバ(32、34)を含むことを特徴とする請求項16に記載の移動局(10)。
【請求項18】
前記狭域無線通信受信機は、NFC(Near Field Communication)リーダを含むことを特徴とする請求項16に記載の移動局(10)。
【請求項19】
前記NFCリーダ(26)は、1つ以上の医療NFC送信機との間でセキュリティ保護された双方向通信を行うよう動作可能であることを特徴とする請求項18に記載の移動局(10)。
【請求項20】
前記双方向通信は、原子的な2相コミット動作を含むことを特徴とする請求項19に記載の移動局(10)。
【請求項21】
3GPPP IPマルチメディアサブシステム(IMS)に従って前記1つ以上の医療NFC送信機との間のセキュリティ保護された通信を管理するよう動作可能なグループ鍵管理機能を更に備えることを特徴とする請求項16に記載の移動局(10)。
【請求項22】
個人と関連付けられた全てのNFC送信機は、鍵管理の目的でグループを構成することを特徴とする請求項21に記載の移動局(10)。
【請求項23】
1つ以上の所定のポリシーに従って前記医療データを選択的に通信するよう動作可能なポリシー機能を更に備えることを特徴とする請求項16に記載の移動局(10)。
【請求項24】
ポリシーシステム(36)と関連付けられたプレゼンスサーバ(34)及びグループ鍵管理サーバ(32)を含み且つ医療グループに対するデータサービスを管理するよう構成されたプレゼンス及びグループ管理(PGM)サーバ(32、34)であって、
個人と関連付けられた埋め込み型又は装着型医療データ取得デバイス(30)から取得された医療データを無線通信システム移動局(10)を介して受信し且つ前記医療データをデータベースに格納するよう動作可能であり、且つ前記医療データに対するアクセス権を制限する所定のポリシーを実現するよう動作可能な前記プレゼンスサーバ(34)と、
グループ毎に暗号鍵を管理するよう動作可能な前記グループ鍵管理サーバ(32)と、を備え、
医療専門家が、前記グループ鍵管理サーバ(32)により管理された暗号鍵を有するセキュリティ保護されたリンクを介して、前記所定のポリシーに従って、前記データベースから個人と関連付けられた医療データにアクセスできるよう構成されていることを特徴とするPGMサーバ(32、34)。
【請求項25】
前記グループ鍵管理サーバ(32)は、3GPPP IPマルチメディアサブシステム(IMS)プロトコルを実現することを特徴とする請求項24に記載のPGMサーバ(32、34)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−521493(P2011−521493A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500727(P2011−500727)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【国際出願番号】PCT/SE2008/050310
【国際公開番号】WO2009/116906
【国際公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】