説明

基体、皮膜形成方法、継ぎ目なしベルトの製造方法及び継ぎ目なしベルト

【課題】 樹脂皮膜の形成に用いた際、加熱硬化時に膨張しようとするガスを効果的に逃がすことができる基体、平滑な表面を有し膜厚が均一な樹脂皮膜を得ることができる皮膜形成方法、並びに、該皮膜形成方法を用いた継ぎ目なしベルトの製造方法を提供する。
【解決手段】 基体の表面に樹脂溶液を塗布して塗膜を形成し、該塗膜を基体上に保持したまま乾燥して半硬化状態の乾燥皮膜とし、更に加熱硬化して樹脂皮膜を成膜する皮膜形成方法に用いる前記基体であって、塗膜形成時には表面に隙間を有しておらず、塗膜を乾燥し半硬化状態となった段階で、前記乾燥皮膜で覆われた部分の表面に隙間を形成することができる基体、該基体を用いた皮膜形成方法、及び該皮膜形成方法を用いた継ぎ目なしベルトの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膜形成方法、並びに該皮膜形成方法に用いる基体に関し、更には、電子写真複写機やレーザープリンタ等の画像形成装置において、感光体、帯電ベルト、転写ベルト、及び定着ベルト等に好適に使用される継ぎ目なしベルト、及び前記皮膜形成方法を用いた継ぎ目なしベルトの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に樹脂溶液を塗布して得る皮膜は、樹脂材料等を有機溶剤に溶解或いは分散し、基体上に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥或いは加熱して形成される。このような皮膜形成方法を利用して得られるものの一つとしては継ぎ目なしベルトが挙げられる。一般的に、継ぎ目なしベルトは、円筒状基体の表面に樹脂溶液を均一に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を円筒状基体上に保持したまま加熱して樹脂を成膜した後、円筒状基体から分離することで得られ、電子写真機器等、様々な分野で利用されている。
【0003】
電子写真機器においては、従来、トナー像を用紙上に加熱定着するための定着体などに、金属や各種プラスチック、またはゴム製の回転体が使用されていたが、小型化或いは高性能化のために、定着体等の回転体は変形可能なものが好ましい場合があり、その回転体には肉厚が薄いプラスチック製のフィルムからなるベルトが用いられる。この場合、ベルトに継ぎ目(シーム)があると、出力画像に継ぎ目に起因する欠陥が生じるので、継ぎ目はない方が好ましく、継ぎ目なしベルトが用いられる。
【0004】
この継ぎ目なしベルトを形成する樹脂材料としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド等が挙げられる。これらの中では、強度、耐熱性、寸法安定性等の観点からポリイミドが特に好ましい。
ポリイミド樹脂製の継ぎ目なしベルトを作製するには、例えば、円筒体の内面にポリイミド前駆体溶液を展開し、回転しながら乾燥させる遠心成形法(例えば、特許文献1又は2参照)や、内面塗布法(例えば、特許文献3参照)などがある。しかしながら、最終的に焼成し熱硬化させるために、皮膜を円筒体の内面から加熱用の基体に載せ換える工程が必要であり、これがコストアップ要因であるほか、載せ換え時に異物故障等が発生して歩留まりが低下することもある。
そのため、乗せ替えが不要な継ぎ目なしベルトの製造方法として、例えば、所望の外径の円筒状基体を用意し、その外周表面に浸漬塗布法等の方法によってポリイミド樹脂皮膜を形成した後、皮膜を剥離する方法がある(例えば、特許文献4参照)。
【0005】
ここで、ポリイミド樹脂皮膜は、一般にポリイミド樹脂前駆体が溶解した溶液を塗布し、溶剤を乾燥した後、加熱焼成し硬化して形成される。このときの溶剤としては、非プロトン系極性溶剤が用いられるが、非プロトン性極性溶剤は、いずれも沸点が高く、乾燥が非常に遅いという性質がある。更に、ポリイミド樹脂はガス透過性の低い樹脂であるため、溶剤を乾燥させようとしても一部が残留する。
【0006】
浸漬塗布方法など、円筒状基体表面に塗膜を形成し硬化させてポリイミド樹脂皮膜を得る皮膜形成方法においては、溶剤乾燥後の加熱焼成工程にて、溶剤乾燥工程で除去されなかった溶剤やイミド化反応が進行する段階で発生する水等が皮膜内部や円筒状基体と皮膜との間に滞留し、焼成時の熱でガスとなって膨張し、皮膜の膜厚や外径は不均一になって変形をきたすことがあった。この現象は膜厚が厚くなるほど顕著であり、即ち膜厚が厚くなるほど均一な樹脂皮膜を得ることは困難であった。
【0007】
尚、このような現象はポリイミド樹脂皮膜には限られず、他の樹脂皮膜を形成する際においても同様な問題が生じ、改善が望まれていた。
【特許文献1】特開平10−100171号公報
【特許文献2】特開平10−296761号公報
【特許文献3】特開平1−139228号公報
【特許文献4】特開昭61−273919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来における諸問題を解決することを目的とする。
即ち、本発明の目的は、樹脂皮膜の形成に用いた際、加熱硬化時に膨張しようとするガスを効果的に逃がすことができる基体、平滑な表面を有し膜厚が均一な樹脂皮膜を得ることができる皮膜形成方法、並びに、該皮膜形成方法を用いた継ぎ目なしベルトの製造方法と該製造方法によって得られる継ぎ目なしベルトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明の円筒状基体は、
<1> 基体の表面に樹脂溶液を塗布して塗膜を形成し、該塗膜を基体上に保持したまま乾燥して半硬化状態の乾燥皮膜とし、更に加熱硬化して樹脂皮膜を成膜する皮膜形成方法に用いる前記基体であって、塗膜形成時には表面に隙間を有しておらず、塗膜を乾燥し半硬化状態となった段階で、前記乾燥皮膜で覆われた部分の表面に隙間を形成することができることを特徴とする基体である。
【0010】
乾燥され半硬化状態となった乾燥皮膜は、更に加熱し硬化する段階において、その端部が基体に張り付いた状態、或いは基体が円筒状である場合には収縮した状態となり、発生したガスが抜けにくくなっている。塗膜を乾燥し半硬化状態となった段階で、前記乾燥皮膜で覆われた部分の基体表面に隙間が形成されることにより、皮膜内部や基体と皮膜との間に滞留するガスを該隙間から効果的に逃がすことができる。
【0011】
<2> 円筒状の基体中央部と、該基体中央部の軸方向両端に接続される円筒状の基体端部と、からなり、軸方向に3分割可能な基体であって、塗膜形成時には、前記基体中央部と前記基体端部とが接触するように固定されて外周表面に隙間を有しておらず、塗膜を乾燥し半硬化状態となった段階で、前記基体中央部と前記基体端部が離間し3分割されて外周表面に隙間を形成することができることを特徴とする前記<1>に記載の基体である。
【0012】
また、本発明の皮膜形成方法は、
<3> 基体の表面に樹脂溶液を塗布して塗膜を形成し、該塗膜を基体上に保持したまま乾燥して半硬化状態の乾燥皮膜とし、更に加熱硬化して樹脂皮膜を成膜する皮膜形成方法であって、前記基体として前記<1>又は<2>に記載の基体を用い、且つ塗膜を乾燥し半硬化状態とした後、前記乾燥皮膜で覆われた部分の前記基体表面に隙間を形成してから加熱硬化を行うことを特徴とする皮膜形成方法である。
【0013】
<4> 前記樹脂溶液としてポリイミド前駆体溶液を用い、ポリイミドからなる樹脂皮膜を成膜することを特徴とする前記<3>に記載の皮膜形成方法である。
【0014】
更に、本発明の継ぎ目なしベルトの製造方法は、
<5> 前記<3>又は<4>に記載の皮膜形成方法を用いて円筒状の基体の外周表面に樹脂皮膜を形成し、該樹脂皮膜を基体から分離することを特徴とする継ぎ目なしベルトの製造方法である。
【0015】
また更に、本発明の継ぎ目なしベルトは、
<6> 前記<5>に記載の継ぎ目なしベルトの製造方法により得られることを特徴とする継ぎ目なしベルトである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、樹脂皮膜の形成に用いた際、加熱硬化時に膨張しようとするガスを効果的に逃がすことができる基体、平滑な表面を有し膜厚が均一な樹脂皮膜を得ることができる皮膜形成方法、並びに、該皮膜形成方法を用いた継ぎ目なしベルトの製造方法と該製造方法によって得られる継ぎ目なしベルトを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の皮膜形成方法は、基体表面に樹脂溶液を塗布して塗膜を形成し、該塗膜を基体上に保持したまま乾燥して半硬化状態の乾燥皮膜とし、更に加熱硬化して樹脂皮膜を成膜する皮膜形成方法であって、前記基体として、塗膜形成時には表面に隙間を有しておらず、塗膜を乾燥し半硬化状態となった段階で、前記乾燥皮膜で覆われた部分の表面に隙間を形成することができる基体を用い、乾燥後、基体表面に隙間を形成してから加熱硬化を行うことを特徴とする。
【0018】
尚、前記「半硬化状態」とは、固形分濃度が塗布直後よりも大きく、固形分濃度40質量%以上80質量%以下である状態を意味する。
【0019】
一般的に、樹脂塗膜を加熱して成膜する際、塗膜に含まれる残留溶剤、或いは加熱反応時に樹脂から発生する水が熱で膨張して高圧のガスとなる。そのガスが皮膜内部や基体と皮膜との間に滞留すると、樹脂皮膜に膨れが生じ変形をきたすことが避けられない。基体表面の皮膜は、端部が基体に張り付いた状態、或いは基体が円筒状である場合には収縮した状態となって、発生したガスが抜けにくくなる。このため、皮膜を乾燥し半硬化となった状態において基体の表面に隙間を形成することで、乾燥皮膜の加熱時に発生するガスを該隙間から効果的に逃がすことができ、皮膜に膨れが発生することを防止し、均一な皮膜を得ることができる。
尚、基体表面に形成される「隙間」は、基体の内部を通じてガスを外部に放出することができる態様であることが好ましく、必要に応じて、隙間から基体外部に通じる通路(ガス抜け穴)を設けることができる。
【0020】
ここで、上記基体表面とは皮膜を形成する面のことをさし、また皮膜表面とは基体とは接しない方の面をさす。
以下、本発明を詳細に説明するにあたり、まず本発明の基体について詳述し、その後皮膜形成方法、及び継ぎ目なしベルトの製造方法について詳述する。
【0021】
(基体)
本発明の基体は、前述のように、塗膜形成時には表面に隙間を有しておらず、塗膜を乾燥し半硬化状態となった段階で、前記乾燥皮膜で覆われた部分の表面に隙間を形成することができることを特徴とする。尚、本発明の基体は、皮膜を塗布形成する基板に相当するものであり、その材料種や形状は、用途に応じて適宜選択することができる。例えば、後述する継ぎ目なしベルトの作製に用いられる場合、例えば円筒状(円柱状も含む)、楕円筒状(楕円柱状も含む)等の形状が挙げられる。
また、円筒状、楕円筒状の基体である場合、より効率的にガスを逃がす観点から、隙間は軸方向両端付近に形成することが好ましい。
【0022】
本発明においては、半硬化状態の乾燥皮膜をその表面に有した状態で、該乾燥皮膜に覆われた部分の表面に隙間を形成することができる機構であれば特に制限はないが、以下、円筒状の基体表面に隙間を形成する好ましい機構について図を用いて説明する。
【0023】
図1は、基体中央部と基体端部とからなる3分割可能な円筒状基体の一例を示す斜視図である。また、図2(A)は、図1に記載の円筒状基体において、基体端部と基体中央部とが接触するように固定された状態を示す概略断面図であり、(B)は、基体端部と基体中央部とが離間し3分割された状態を示す概略断面図である。
【0024】
図1に示す円筒状基体1は、基体中央部1Aと基体端部1Bとにより構成されており、、基体端部1Bを基体中央部1Aに固定する端部固定ボルト5、隙間3の形成を担う隙間あけボルト6を有している。
該円筒状基体1は、その外周表面に樹脂塗膜4を形成し、半硬化状態になるまで乾燥する工程においては、図2(A)に示すように、端部固定ボルト5によって基体端部1Bが基体中央部1Aに接触するように固定され、外周表面には隙間3は形成されていない。その後、半硬化状態の乾燥皮膜4が形成され、外周表面に隙間3が設けられる。詳しくは、図2(B)に示すように、端部固定ボルト5を緩めて基体端部1Bがスライドできる余裕を作り、基体端部1Bの脇から隙間あけボルト6を押し込むことで、隙間3を任意の幅に調節しながら形成する。その後、隙間3を形成した状態で加熱硬化を行うことで、皮膜を得ることができる。
【0025】
尚、上記方法によって円筒状基体表面に形成される隙間の幅は、樹脂の種類や皮膜の膜厚、基体の外形等にもよるが、皮膜が破れることを防止する観点から0.1〜1mmが好ましく、0.1〜0.3mmがより好ましい。
更に、隙間3から逃がされるガスを円筒状基体1内部から排出するため、基体には必要に応じて抜け穴7を設けることができる。
【0026】
また、図3(A)は、外周表面に隙間(穴)3を有する円筒状基体の一例を示す斜視図であり、(B)は、該円筒状基体の軸方向から見た断面図である。
図3に示す円筒状基体1は、軸方向の両端付近に、外周表面から内周面まで通じる隙間(穴)3を複数有している。上記隙間(穴)3は、外周表面に樹脂塗膜4を形成し、半硬化状態になるまで乾燥する工程においては、隙間栓2によって埋められているため、円筒状基体1の外周表面には隙間(穴)3は形成されていない。その後、半硬化状態の乾燥皮膜4が形成されると、該隙間栓2は、図3(B)の矢印Aで示すように内側へ向かって取り外され、隙間(穴)3が形成される。更に、隙間3を形成した状態で加熱硬化を行うことで、皮膜を得ることができる。
【0027】
尚、膜厚や外径がより均一な樹脂皮膜を得る観点から、図1及び2に記載の円筒状基体を用いることがより好ましい。
【0028】
(皮膜形成方法)
本発明の皮膜形成方法は、上述のように特定の構成の基体を用い、半硬化の状態で隙間を設けること以外は、樹脂の種類に応じて従来公知の方法に従って形成することができる。樹脂の種類としては、用途に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ナイロン、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル等の汎用樹脂等が挙げられる。
このように、本発明の皮膜形成方法は、様々な用途の皮膜形成に適用することができ、中でも特に、後述する継ぎ目なしベルトの製造方法に好適に適用することができる。
【0029】
=継ぎ目なしベルトの製造方法=
本発明の継ぎ目なしベルトの製造方法は、基体(以下、継ぎ目なしベルトの製造に用いる基体を「芯体」と呼ぶ)の表面に樹脂溶液を均一に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を芯体上に保持したまま加熱して樹脂を成膜した後、芯体から分離して継ぎ目なしベルトを得る方法であって、前記芯体として、前述した特定の構成を有する基体を用いる。芯体が該特定の構成を有し、芯体表面の塗膜を乾燥して半硬化状態の乾燥皮膜を形成した後に、芯体表面に隙間を設けることで、皮膜の加熱時に発生するガスを効果的に逃がすことができ、皮膜の変形を防止し、均一な皮膜からなるベルトを容易に得ることができる。
尚、特に継ぎ目なしベルトの製造に用いる芯体としては、円筒状、楕円筒状の形状が好ましく、また材質はアルミニウムや銅、ステンレス等の金属が好ましい。その際、表面をクロムやニッケルでメッキしたり、フッ素樹脂やシリコーン樹脂で表面を被覆したり、あるいは表面にポリイミド樹脂が接着しないよう、離型剤を塗布することも有効である。
【0030】
継ぎ目なしベルトを形成する樹脂としては、上述のように、用途に応じて適宜選択することができ、また、その形成方法も従来公知の方法にて形成することができるが、特に樹脂として、ポリイミド樹脂が耐熱性、耐久性などの観点から好ましい。以下、ポリイミド樹脂皮膜からなる継ぎ目なしベルトの製造方法について説明する。
【0031】
ポリイミド樹脂皮膜からなる継ぎ目なしベルトの製造方法は、前記芯体上に、ポリイミド前駆体を溶剤(好ましくは、非プロトン系極性溶剤)に溶解した溶液を塗布し、ポリイミド前駆体塗膜を形成する工程(以下、「ポリイミド前駆体塗膜形成工程」という)と、ポリイミド前駆体塗膜から溶剤を除去して、ポリイミド前駆体が析出したポリイミド前駆体乾燥皮膜を形成する工程(以下、「ポリイミド樹脂皮膜乾燥工程」という)と、ポリイミド前駆体乾燥皮膜を加熱硬化して、ポリイミド樹脂皮膜を形成する工程(以下、「ポリイミド樹脂皮膜形成工程」という)と、ポリイミド樹脂皮膜を芯体から剥離する工程と、を有する。また、必要に応じてその他の工程を有してもよい。
【0032】
−ポリイミド前駆体塗膜形成工程−
ポリイミド前駆体塗膜形成工程において、ポリイミド前駆体を非プロトン系極性溶剤等の溶剤に溶解してポリイミド前駆体溶液を調製するが、該ポリイミド前駆体としては、従来公知のものを用いることができる。また、非プロトン系極性溶剤としては、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等、従来公知のものを用いることができる。なお、調製の際における混合比、粘度等は、適宜選択して行われる。
【0033】
ポリイミド前駆体塗膜形成工程おける、ポリイミド前駆体溶液の塗布方法としては、芯体の形状にもよるが、芯体をポリイミド前駆体溶液に浸漬して引き上げる浸漬塗布法、芯体を水平方向に回転させながらその外周表面にポリイミド前駆体溶液を吐出する流し塗り法、該流し塗り法の際にブレードで皮膜をレベリングするブレード塗布法等、公知の方法が採用できる。上記流し塗り法やブレード塗布法では、塗布部を芯体の軸方向に水平移動させることにより皮膜はらせん状に形成されるが、ポリイミド前駆体溶液の溶剤は常温での乾燥が遅いために継ぎ目は自然に平滑化される。
【0034】
また上記浸漬塗布法においては、ポリイミド前駆体溶液は粘度が非常に高いので、膜厚が所望値より厚くなりすぎることがある。その際には、環状のフロートにより膜厚を制御する浸漬塗布法が好適に適用できる。
【0035】
環状フロートにより膜厚を制御する浸漬塗布法を、図4を参照して説明する。図4はフロートにより膜厚を制御する浸漬塗布方法に用いる塗布装置の一例を示す概略構成図である。図4に示すように、この浸漬塗布法は、塗布槽9に満たされたポリイミド前駆体溶液8に、芯体1よりも大きな孔を設けたフロート10を浮かべ、該孔を通して芯体1をポリイミド前駆体溶液8に浸漬し、次いで引き上げる塗布法である。但し、図4は主要部のみを示した図面であり、他の装置は省略した。
【0036】
図5は塗布層に浮かべたフロートの概略斜視図である。図5に示すように、ポリイミド前駆体溶液8上に、芯体1の外径よりも一定の隙間だけ大きい孔11を設けたフロート10を浮かべてある。
【0037】
フロート10は、ポリイミド前駆体溶液8上に浮くものであれば、どのような材質のものであってもよい。但し、その材質は、ポリイミド前駆体溶液によって侵されないものであることが好ましい。材質の具体例としては、種々の金属、種々のプラスチック等が挙げられる。また、フロート10の構造が中空構造であってもよい。
【0038】
また、フロート10が塗布槽9の中央部に位置するように、フロート10を一時的に固定する固定手段を設けてもよい。このような固定手段としてフロート10に足を設ける手段などがある。但し、これらの固定手段を用いた場合、後述するように、芯体1を浸漬した後、引き上げる際に、フロート10が自由に動き得るように、それらは取り外し可能なように配置されているのがよい。
【0039】
芯体1の外径と孔11の内径との隙間は、所望の塗布膜厚を鑑みて調整する。所望の膜厚、即ち乾燥膜厚は、濡れ膜厚とポリイミド前駆体溶液8の不揮発分濃度の積になる。これから、所望の濡れ膜厚が求められる。尚、芯体1の外径と孔11の内径の隙間は、所望の濡れ膜厚の1倍〜3倍であることが好ましい。1倍〜3倍とするのは、ポリイミド前駆体溶液8の粘度及び/又は表面張力などにより、隙間の距離が濡れ膜厚になるとは限らないためである。このように、所望の乾燥膜厚及び所望の濡れ膜厚から、所望の孔11の内径が求められる。
【0040】
フロート10に設けられる孔11の内壁は、例えば、図4に示すように、側面側から断面を観察した場合に直線状であり且つその直線がポリイミド前駆体溶液の液面に垂直であるもの、図6に示すように、ポリイミド前駆体溶液に浸る下部が広く、上部が狭い、斜めの直線状であるもの等が挙げられる。特に、図6に示すように、ポリイミド前駆体溶液に浸る下部から上に向かって狭くなっている形状が好ましい。
【0041】
尚、浸漬塗布による塗膜の形成は、図4に示すように、芯体1を孔11を通してポリイミド前駆体溶液8に浸漬し、次いで、孔を通して芯体1を引き上げることによって行う。この際、芯体1とフロート10との隙間により塗膜4が形成される。引き上げ速度としては50〜500mm/min程度であるのが好ましい。この塗布方法に好適なポリイミド前駆体溶液の固形分濃度は10〜40%、粘度は1〜100Pa・sである。
【0042】
図4においては、フロート10はポリイミド前駆体溶液8上を自由に動くことができ、また、フロート10の孔は円形であり、且つ芯体の外周も円形である。したがって、芯体1を孔を通して引き上げる際、芯体1とフロート10との摩擦抵抗が一定になるように、フロート10は自由に動くことができる。即ち、芯体1を引き上げる際、ある位置で、フロート10と芯体1との隙間が狭まろうとした場合、狭まろうとした部分では摩擦抵抗が大きくなる一方、その反対側では摩擦抵抗が小さくなるという、一時的な摩擦抵抗の不均一状態が生じうる。しかしながら、フロート10が自由に動くこと、並びに芯体1が円形であり孔も円形であることから、そのような摩擦抵抗の不均一状態から均一な状態になるようフロート10が動き、フロート10と芯体1とが接触することはない。
【0043】
また、摩擦抵抗が均一となる位置は、芯体1の外周の円形と、孔の円形とがほぼ同心円となる位置である。よって、円筒状の芯体1を軸方向から見た断面の円の中心が、軸方向において、許容範囲内でずれている場合であっても、フロート10はそれに追随するように動き、芯体表面に一定の濡れ膜厚のポリイミド前駆体塗膜4が塗布される。
【0044】
−ポリイミド樹脂皮膜乾燥工程−
ポリイミド樹脂皮膜乾燥工程においては、ポリイミド前駆体塗膜から溶剤を除去する。その方法の一つとして、芯体を水平に回転させながら加熱することで溶剤を除去する方法がある。100〜200℃の温度で、30〜120分間残留溶剤を除去することが好ましい。この乾燥は、温度を段階的に上昇させたり、一定速度で上昇させてもよい。
【0045】
−ポリイミド樹脂皮膜形成工程−
本発明においては、上記乾燥工程によって半硬化状態の乾燥皮膜を形成した後、記述の方法等によって芯体外周表面に隙間を設け、次いでポリイミド樹脂皮膜形成工程に移行する。ポリイミド樹脂皮膜形成工程では、350℃前後(好ましくは350〜450℃)の温度で、20〜60分間ポリイミド前駆体乾燥皮膜を加熱硬化させることで、ポリイミド樹脂皮膜を形成する。尚、加熱時の熱によって残留溶剤または水から生じるガスは、芯体表面に形成された隙間から逃がされ、皮膜が膨れることはなくなる。
【0046】
以上の工程を経て、最後にポリイミド樹脂皮膜を芯体から外して継ぎ目なしベルトを得る。上記継ぎ目なしベルトには、更に必要に応じて端部のスリット加工、パンチング穴あけ加工、テープ巻き付け加工等を施すことができる。
なお、上述した形成方法は、ポリイミド樹脂皮膜の形成に限らず、他の樹脂皮膜形成に適用することができる。
【0047】
−利用分野−
本発明の継ぎ目なしベルトの製造方法により得られる継ぎ目なしベルトは、電子写真複写機やレーザープリンタ等の画像形成装置における感光体、帯電体(転写体等)、定着体等の継ぎ目なしベルト等、様々な分野において好適に利用することができる。これら継ぎ目なしベルトの厚さとしては5〜500μmの範囲であることが好ましく、10〜300μmがより好ましい。また、前述の皮膜形成方法によって得られる本発明の樹脂皮膜は、上記継ぎ目なしベルトとしての利用の他、半導体等の分野おける種々の絶縁材等にも好適に用いることができる。
【0048】
−導電性粒子−
上記継ぎ目なしベルトを転写ベルトや接触帯電フィルムのような帯電体として使用する場合には、樹脂材料の中に導電性粒子を分散させることができる。導電性粒子としては、例えば、カーボンブラック、カーボンブラックを造粒したカーボンビーズ、カーボンファイバー、グラファイト等の炭素系物質、銅、銀、アルミニウム等の金属又は合金、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、SnO2−In23複合酸化物等の導電性金属酸化物、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー等が挙げられる。
【0049】
−離型性樹脂皮膜−
また継ぎ目なしベルトを定着体として使用する場合には、表面に付着するトナーの剥離性の向上のため、ベルト表面に離型性の樹脂皮膜を形成することが有効である。その離型性の樹脂皮膜の材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂が好ましい。フッ素樹脂皮膜の厚さは2〜30μmの範囲が好ましい。また、離型性の樹脂皮膜には、耐久性や静電オフセットの向上のためにカーボン粉末が分散されていてもよい。
【0050】
これらフッ素樹脂皮膜を形成するには、その水分散液を継ぎ目なしベルトの表面に塗布して焼き付け処理する方法が好ましい。また、フッ素樹脂皮膜の密着性が不足する場合には、必要に応じて、ベルト表面にプライマー層をあらかじめ塗布形成する方法がある。プライマー層の材料としては、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリイミド及びこれらの誘導体が挙げられ、さらにフッ素樹脂から選ばれる少なくとも一つの化合物を含むことが好ましい。プライマー層の厚さは0.5〜10μmの範囲が好ましい。
【0051】
ベルト上にプライマー層、及びフッ素樹脂皮膜を形成するには、加熱硬化してポリイミド樹脂皮膜(ベルト)を芯体の表面に形成してから、これらを塗布形成してもよいが、ポリイミド前駆体溶液を塗布し、溶剤を乾燥させて乾燥皮膜を形成した後、または、溶剤を乾燥させないまま、プライマー層及びフッ素樹脂分散液を塗布し加熱してイミド転化完結反応とフッ素樹脂皮膜の焼成処理を同時に行う方法も好ましい。その場合、プライマー層がなくてもフッ素樹脂皮膜の密着性が強固になることもある。
【0052】
(継ぎ目なしベルト)
本発明の継ぎ目なしベルトは、前記本発明の継ぎ目なしベルトの製造方法により得られるものである。塗膜を乾燥し半硬化の状態となった段階で、表面に隙間を形成できる機構を有する基体を用いることにより、軸方向の平滑性がきわめて良好な継ぎ目なしベルトを得ることができる。上記継ぎ目なしベルトは、電子写真機器等の画像形成装置における感光体ベルト、定着ベルト、転写ベルト等、様々な分野におけるベルトとして好適に利用することができる。
【実施例】
【0053】
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、これら各実施例は本発明を制限するものではない。尚、実施例中において、「%」は特に断りのない限り「質量%」をあらわす。
【0054】
(実施例1)
図4及び5に示す浸漬塗布装置を用い芯体に浸漬塗布を行った。詳しくは、ポリイミド前駆体のN−メチルピロリドン溶液(商品名:Uワニス、宇部興産(株)製、固形分濃度18%、粘度約5Pa・s)を用意し、これを内径80mm、高さ500mmの円筒容器に注いだ。
上記芯体としては、外径30mm、軸方向長さ400mmのアルミニウム製芯体(長さ350mmの基体中央部と長さ25mmの基体端部とからなる、図1に記載の3分割可能な芯体)表面を、サンドブラストにて表面粗さRa0.5μmに粗面化したものを用意した。その表面にはシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布して、300℃で1時間、焼き付け処理した。
また、上記浸漬塗布装置におけるフロートとして、外径65mm、内径40mm、高さ30mmのステンレス製の中空状リングの内側に、外径が40mmで上部に向かって連続的に狭くなる内壁を有し、最も狭い部分の内径が31.3mmのテフロン(登録商標)製リングを嵌合させたもの(即ち、図6に記載のフロート)を用意した。
フロートを上記円筒容器の溶液に浮かべた後、フロートを動かないよう固定し、芯体を軸方向を垂直にしてその中に500mm/minの速度で挿入し、溶液に浸漬した。次いでフロートの固定を解除し、150mm/minの速度で芯体を引き上げた。溶液の粘度が高いので、引き上げ途中ではフロートが芯体に接触することはなく、芯体には濡れ膜厚が約650μmのポリイミド前駆体塗膜が形成された。
【0055】
芯体を引き上げた後、芯体の軸方向を水平にし回転させながら120℃で45分乾燥し、塗膜を半硬化状態(固形分濃度55%)の乾燥皮膜とした。この状態で、前述の方法により隙間あけボルトを調整し基体中央部と基体端部との間に0.2mmの隙間を設けた。次いで上記芯体を炉に入れ、150℃20分間、200℃20分間で更に加熱乾燥させN−メチルピロリドンと水を除去し、次いで350℃で30分間加熱してポリイミド前駆体の皮膜を硬化させ、ポリイミド樹脂皮膜を成膜した。室温に冷えてから皮膜を取り外すことにより、厚さ70μmの均一なポリイミド樹脂製継ぎ目なしベルトを得ることができた。尚、芯体表面には離型剤を塗布してあるので、ポリイミド樹脂が接着することはなかった。
得られた継ぎ目なしベルトについて、目視にてベルト表面の膨れについて調べた結果、膨れの発生は無く問題なかった。
【0056】
(比較例1)
実施例1において、芯体として、外径30mm、軸方向長さ400mmで、外周表面に隙間を形成する機構を有しないアルミニウム製芯体を用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド製の継ぎ目なしベルトを得て評価を行った。目視にてベルト表面の膨れについて調べた結果、膨れが発生しており、性能上問題があった。
【0057】
(実施例2)
実施例1において形成したポリイミド前駆体塗膜を120℃45分乾燥し半硬化状態の乾燥皮膜とした後、室温に冷却し、この表面にPFAのディスパージョン水性塗料(商品名:AD−2CR、ダイキン工業(株)製)を浸漬塗布した。
具体的には、芯体の軸方向を垂直にして塗料中に浸漬し、次いで300mm/minの速度で引き上げ、厚さ20μmのPFA塗膜を形成した。続いて室温で5分間の乾燥後、100℃10分間、150℃20分間、200℃20分間で加熱乾燥させた。この状態で実施例1と同様に、基体中央部と基体端部との間に0.2mmの隙間を設けた。その後、380℃で30分間加熱してポリイミド前駆体の皮膜を硬化させポリイミド樹脂皮膜を形成すると共に、PFA塗膜を焼成した。室温に冷えてから皮膜を取り外すことにより、厚さ70μmのポリイミド樹脂製の継ぎ目なしベルト上に、厚さ20μmのPFA層を有する電子写真用定着ベルトを得ることができた。得られた継ぎ目なしベルトについて、目視にてベルト表面の膨れについて調べた結果、膨れの発生は無く問題なかった。また、ポリイミド樹脂とPFA層の密着性も十分であった。
【0058】
(実施例3)
実施例1において、ポリイミド前駆体のN−メチルピロリドン溶液にカーボンブラック(商品名:Conductex975、コロンビヤンカーボン社製)を固形分質量比13%で混合し、次いでボールミルにより24時間分散して得た、粘度が約10Pa・sの溶液を用いた。
また、芯体として、外径160mm、軸方向長さ500mmのアルミニウム製芯体(長さ350mmの基体中央部と長さ75mmの基体端部とからなる、図1に記載の3分割可能な芯体)を用意し、その外周表面をサンドブラストにて表面粗さRa1.0μmに粗面化した。更に、その表面には実施例1と同じくシリコーン系離型剤を塗布し焼き付け処理をした。
更に、フロートとして、外径200mm、内径180mm、高さ30mmのステンレス製の中空状リングの内側に、外径が180mmで上部に向かって連続的に狭くなる内壁を有し、最も狭い部分の内径が161.2mmのテフロン(登録商標)製リングを嵌合させたもの(即ち、図6に記載のフロート)を用意した。
上記の他は実施例1と同様にし、上記フロートを備えた浸漬塗布装置を用いて芯体表面に浸漬塗布を行い、乾燥処理を行い、半硬化状態(固形分濃度60%)の乾燥皮膜とし、次いで実施例1と同様にして加熱硬化を行った。室温に冷えてからポリイミド樹脂皮膜を取り外すことにより、厚さ80μmの均一なポリイミド樹脂製の継ぎ目なしベルトを得ることができた。体積抵抗率を測定したところ約109Ω・cmであった。得られた継ぎ目なしベルトについて、目視にてベルト表面の膨れについて調べた結果、膨れの発生は無く問題なかった。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】基体中央部と基体端部とからなる3分割可能な円筒状基体の一例を示す斜視図である。
【図2】(A)は、図1に記載の円筒状基体において、基体端部と基体中央部とが接触するように固定された状態を示す概略断面図であり、(B)は、基体端部と基体中央部とが離間し3分割された状態を示す概略断面図である。
【図3】(A)は、外周表面に隙間(穴)を有する円筒状基体の一例を示す斜視図であり、(B)は、該円筒状基体の軸方向からの断面図である。
【図4】フロートにより膜厚を制御する浸漬塗布方法に用いる塗布装置の一例を示す概略構成図である。
【図5】塗布層に浮かべた状態のフロートを示す概略斜視図である。
【図6】フロートの内壁形状の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0060】
1 基体(円筒状基体)
1A 基体中央部
1B 基体端部
2 隙間栓
3 隙間
4 ポリイミド前駆体塗膜、若しくはポリイミド前駆体乾燥皮膜
5 端部固定ボルト
5H 端部固定ボルト用ねじ穴
6 隙間あけボルト
7 抜け穴
8 ポリイミド前駆体溶液
9 塗布槽
10 フロート
11 フロートの孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体の表面に樹脂溶液を塗布して塗膜を形成し、該塗膜を基体上に保持したまま乾燥して半硬化状態の乾燥皮膜とし、更に加熱硬化して樹脂皮膜を成膜する皮膜形成方法に用いる前記基体であって、
塗膜形成時には表面に隙間を有しておらず、塗膜を乾燥し半硬化状態となった段階で、前記乾燥皮膜で覆われた部分の表面に隙間を形成することができることを特徴とする基体。
【請求項2】
基体の表面に樹脂溶液を塗布して塗膜を形成し、該塗膜を基体上に保持したまま乾燥して半硬化状態の乾燥皮膜とし、更に加熱硬化して樹脂皮膜を成膜する皮膜形成方法であって、
前記基体として請求項1に記載の基体を用い、且つ塗膜を乾燥し半硬化状態とした後、前記乾燥皮膜で覆われた部分の前記基体表面に隙間を形成してから加熱硬化を行うことを特徴とする皮膜形成方法。
【請求項3】
請求項2に記載の皮膜形成方法を用いて円筒状の基体の外周表面に樹脂皮膜を形成し、該樹脂皮膜を基体から分離することを特徴とする継ぎ目なしベルトの製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の継ぎ目なしベルトの製造方法により得られることを特徴とする継ぎ目なしベルト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−326480(P2006−326480A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−153149(P2005−153149)
【出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】