説明

基地局装置および無線通信方法

【課題】高温環境下、送信機能が著しく低下することを防止ができる基地局装置および無線通信方法を提供する。
【解決手段】ダイバーシチ方式で移動端末装置と無線通信を行うとき、基地局本体装置から送信されるベースバンド信号に基づいて生成される搬送波信号を、複数の送信系を用いて生成する。生成された搬送波信号を、電力増幅器を用いて増幅し、増幅した搬送波信号を用いて別々に電波を放射する。その際、複数の送信系のそれぞれについて電力増幅器の温度を表す温度情報を取得し、取得した温度情報に応じて、ベースバンド信号のパワーを所定量、低下させることにより、電力増幅器の出力を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイバーシチ方式で移動端末装置と無線通信を行う基地局装置および無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、W−CDMA等の無線通信において、基地局の設置コスト低下や基地局設置箇所の小型化等の目的のために、張り出し基地局装置(RE:Remote Equipment)と、基地局本体装置(REC:Radio Equipment Control)とを組にして基地局を構成する場合が多い。張り出し基地局装置は、移動端末装置のベースバンド信号に対する処理を行う基地局本体装置から離間して設けられ、ベースバンド信号から搬送波信号を作成し、この搬送波信号の直交変調、周波数変換および電力増幅を行い、アンテナから携帯電話等の移動端末装置に送信を行う。基地局本体装置と張り出し基地局装置の間は、ベースバンド信号を光通信で伝送する。このような張り出し基地局装置は、基地局本体装置に比べて小型であり、設置コストは低く、種々の環境に適応させて設置することが可能であるため、小型の張り出し基地局装置の需要は近年大きい。
【0003】
ところで、張り出し基地局装置は、電力増幅の際に生じる熱を蓄積しないように、電力増幅器の冷却が行われる。このとき、冷却ファンは騒音を発生し、メンテナンスを要するため、冷却ファンを用いることは好ましくない。空冷方式による冷却では、冷却フィンを用いて電力増幅器の冷却を行うが、張り出し基地局の小型化のために冷却フィンも同時に小さくすると、冷却効果が十分に得られない場合がある。
【0004】
例えば、小型の冷却フィンを設けた空冷方式の装置構成では、高温環境のとき、電力増幅時の発熱で内部温度が上昇し、電力増幅器が故障に至る可能性が高くなる。このため、電力増幅器の故障を回避するために、張り出し基地局装置内に温度監視機能を設けることにより、故障の可能性が高い温度に達したとき、送信出力を停止することを行っている。
【0005】
図8は、従来の張り出し基地局装置100の構成を示す図である。張り出し基地局装置100は、2系統の送信系を備えるダイバーシチ方式の装置である。それぞれの送信系は、ベースバンド処理部102a,102bと、DAコンバータ104a,104bと、変調器106a,106bと、電力増幅器108a,108bと、故障検出部110a,110bと、送信機能を制御する演算処理ユニット112と、を有する。電力増幅器108a,108bは、アンテナ114a,114bと接続されている。
【0006】
ベースバンド処理部102a,102bは、基地局本体装置から送信されるI信号およびQ信号に対して、フィルタリング処理、歪補償処理、補間処理等を行う部分であり、処理された信号はDAコンバータ104a,104bにおいてアナログ信号に変換される。変調器106a,106bは、アナログ信号に対して、直交変調およびアップコンバージョンによる周波数変換を行い、搬送波信号を生成する。電力増幅器108a,108bは、搬送波信号を増幅して出力用搬送波信号を生成する。この出力用搬送波信号は、アンテナ114a,114bに給電される。
【0007】
故障検出部110a,110bは、電力増幅器108a,108bの温度を検出する。演算処理ユニット112は、検出した温度を用いて、電力増幅器108a,108bが高温状態にあるか、設定された温度閾値と比較する。演算処理ユニット112は、高温状態にあると判定した場合、電力増幅器108a,108bを増幅しアンテナ114a,114bから電波を放射する送信出力を停止するように電力増幅器108a,108bを制御する。
【0008】
また、下記特許文献1には、電力増幅器に温度監視機能を設け故障発生の可能性が高くなる危険温度に達したとき、送信出力を停止する無線送信装置が記載されている。
当該文献に記載の無線送信装置では、音声やデータ等の送信信号は符号化部で符号化され、アンテナA用信号処理系統では、アンテナA用信号処理部で所定の信号処理が行われ、拡散/変調部では、拡散及び変調が行われる。送信電力増幅部において、電力増幅が行われた後、アンテナAをそれぞれ介して送信する。アンテナB用信号処理系統でも、同様に送信信号が形成される。基地局装置の送信ダイバーシチ機能に関わる部位に障害が発生した場合、障害検出部が障害を検出し、処理切替設定部が障害を検出した信号処理系統の機能を停止し、障害の検出されなかった信号処理系統から通常の送信を行う設定に切り替える。さらに、処理切替設定部は、送信ダイバーシチ機能に関わる障害を検出した場合、障害が検出されなかった信号形成系統により形成する送信信号の送信電力を送信ダイバーシチ適用時よりも大きくする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−169006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上記文献に記載される無線送信装置では、高温環境下、一方の送信機能が完全に停止するため、送信機能が著しく低下する問題が生じる。また、故障を検出するので、送信停止は避けられないといった問題もある。
【0011】
そこで、本発明は、従来技術の問題を解決するために、高温環境下でも、送信機能が著しく低下することを防止できる基地局装置および無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は、
(A)送信信号の出力を調整する調整部と、
(B)前記出力調整部で出力が調整された送信信号を増幅する増幅部と、
(C)前記増幅部の温度情報を検出する検出部と、
(D)前記検出部で検出された温度情報と所定の閾値との比較に基づき、前記調整部の出力調整量を制御する制御部と、
を備えた基地局装置により達することができる。
この基地局装置は、例えば、ダイバーシチ方式で移動端末装置と無線通信を行う。
【0013】
また、上記目的は、ダイバーシチ方式で移動端末装置と無線通信を行う、以下に記載の無線通信方法で達成することもできる。すなわち、無線通信方法は、
(E)基地局本体装置から送信されるベースバンド信号から、複数の送信系を用いて搬送波信号を生成するステップと、
(F)生成された前記搬送波信号を、電力増幅器を用いて増幅し、増幅した前記搬送波信号を用いてそれぞれ電波を放射するステップと、
(G)前記複数の送信系のそれぞれについて前記電力増幅器の温度を表す温度情報を取得し、前記複数の送信系毎に、取得した前記温度情報に応じて、前記ベースバンド信号のパワーを調整するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0014】
上述の張り出し基地局装置および無線通信方法は、高温環境下においても、送信機能が著しく低下することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の張り出し基地局装置における一実施形態の張り出し基地局装置の構成を示す図である。
【図2】(a),(b)は、図1に示す張り出し基地局装置で実行される温度制御を説明する図である。
【図3】図1に示す張り出し基地局装置で実行される温度制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】図1に示す張り出し基地局装置で実行される温度制御処理の他の例を示すフローチャートである。
【図5】(a),(b)は、本発明の張り出し基地局装置における他の実施形態の張り出し基地局装置の構成を示す図である。
【図6】(a),(b)は、図5(a)に示す張り出し基地局装置が用いるアドレス信号とゲインテーブルの例を示す図である。
【図7】図5(a)に示す張り出し基地局装置を変形した張り出し基地局装置の構成を示す図である。
【図8】従来の張り出し基地局装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の基地局装置および無線通信方法について詳細に説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
図1(a)は、本発明の基地局装置の一実施形態の基地局装置(以降、装置という)10の構成を示す図である。
装置10は、ダイバーシチ方式で、サービスエリア内に在圏する移動端末装置と無線通信を行う装置であり、例えばW−CDMA等の無線通信に用いることができる。装置10は、予め定めた送信出力で電波を放射する正常送信モードと、電力増幅器の温度の上昇を抑制するために、正常送信モードの送信電力に対して送信電力を6dB低下した送信電力抑制モードと、送信を一時停止する停止モードと、を備える。
装置10は、後述するように、同じ装置構成の送信系を2系統備えるが、3系統、4系統等複数の送信系を備えることもできる。
【0018】
(装置10の構成)
装置10は、ビットシフト処理部12a,12bと、ベースバンド処理部14a,14bと、DAコンバータ16a,16bと、変調器18a,18bと、電力増幅器20a,20bと、アンテナ22a,22bと、温度検出部24a,24bと、処理ユニット(CPU)26と、を有する。すなわち、ビットシフト処理部12aと、ベースバンド処理部14aと、DAコンバータ16aと、変調器18aと、電力増幅器20aと、アンテナ22aとで送信系Aを成し、ビットシフト処理部12bと、ベースバンド処理部14bと、DAコンバータ16bと、変調器18bと、電力増幅器20bと、アンテナ22bとで他方の送信系Bを成している。装置10は、処理ユニット26においてソフトウェアを起動させて動作させることにより、送信電力を制御する信号を生成する。
【0019】
ベースバンド処理部12a,12bは、基地局本体装置から送信されるデジタル信号のI信号およびQ信号の入力を受け、このI信号およびQ信号に対して、フィルタリング処理、歪補償処理、補間処理等のベースバンド処理を行う部分であり、例えばDSP(Digital Signal Processor)により構成される。
DAコンバータ14a,14bは、ベースバンド処理済の信号をアナログ信号に変換する。
変調器16a,16bは、アナログ信号に対して、直交変調およびアップコンバージョンによる周波数変換を行い、搬送波信号を生成する。
電力増幅器18a,18bは、ドハティ増幅器等の増幅器を用いて、20〜40Wの送信電力を持つ搬送波信号に増幅し、アンテナ22a,22bは、増幅された搬送波信号を用いて電波を放射する。
温度検出部24a,24bは、電力増幅器20a,20bの温度を計測して温度データを取得する部分で、温度センサIC等のセンサが用いられる。電力増幅器20a,20bの基板上にセンサが設けられる。
【0020】
処理ユニット26は、温度検出部24a,24bで取得された温度データを用いて、電力増幅器20a,20bの温度が高温状態にあるか否かを判定し、判定結果に応じて、入力信号のパワーを低下し、あるいは、温度の上昇が急激な場合、電力増幅器20a,20bの増幅を停止して送信機能を停止するように制御する。
【0021】
ビットシフト処理部12a,12bは、ベースバンド処理部14a,14bの前段に設けられ、処理ユニット26の制御にしたがって、送信信号の出力を調整する。ビットシフト処理部12a,12bは、入力されたI信号及びQ信号の信号レベル(パワー)を低下する調整を行う。例えば、送信系Aにおける温度検出部24aの検出した温度が図2(a)に示すように略一定の状態を保ち、送信系Bにおける温度検出部24bの検出した温度が図2(a)に示すように温度閾値Tthを越えたとき、越えたときの時刻taから、温度閾値Tthを越えた状態で一定の時間経過した時刻tbにおいて、入力信号に対してビットシフトの低下を開始する。すなわち、送信系Bは、正常送信モードから送信電力抑制モードに移行する。これにより、図2(b)に示すように、電力増幅器20bにおいて送信電力が、予め設定された正常送信モードにおける送信電力Wに対して6dB低下する。送信系Aは、正常送信モードを維持する。
【0022】
さらに、ビットシフト処理部12a,12bは、送信電力の低下により、送信系Bにおける電力増幅器20bの温度が温度閾値Tthを下回ったとき、下回ったときの時刻tcから、温度閾値Tthを下回った状態で一定の時間経過した時刻tdにおいて、入力信号に対するビットシフトの低下を終了させて、図2(b)に示すように出力電力を6dB上昇させて、元の状態に戻る。すなわち、送信系Bは、送信電力抑制モードから正常送信モードに復帰する。なお、図2(a)には、電力増幅器20a,20bのアラーム温度Tmaxも示している。アラーム温度Tmaxは、電力増幅器20a,20bに対して定められている値であり、アラーム温度Tmaxでは故障が発生する可能性が極めて高い、警報を発すべき温度である。なお、図2(a)では、一例としてアラーム温度Tmax=90℃、温度閾値Tth=85℃としているが、これらの温度に限定されない。勿論、温度閾値Tthがアラーム温度Tmax=から5℃低い温度に設定されることも限定されない。
このように、送信電力抑制モードを備えるので、一方の送信機能が完全に停止する回数を極めて少なくすることができる。
【0023】
このような装置10では、まず、基地局本体装置から送信されるベースバンド信号から、ベースバンド処理部14a,14b、DAコンバータ16a,16b、および変調器18a,18bを通じて、搬送波信号を生成する。生成された搬送波信号を、電力増幅器20a,20bを用いて増幅し、増幅した搬送波信号を用いてそれぞれ電波をアンテナ22a,22bから放射する。そのとき、送信系A,Bのそれぞれについて電力増幅器20a,20bの温度データを取得し、取得した温度データに応じて、ベースバンド信号のパワーを6dB低下させることにより、電力増幅器20a,20bの出力を抑制する。以下、電力増幅器20a,20bの出力の抑制について詳細に説明する。
【0024】
(正常送信モードから送信電力抑制モードまたは送信停止モードへの移行)
図3は、電力増幅器20a,20bの温度が高くなったとき、正常送信モードから送信電力抑制モードまたは送信停止モードへ移行するフローを示すフローチャートである。
まず、温度検出部24a,24bにおいて、一定時間間隔、例えば2秒間隔で、電力増幅器20a,20bの温度データTがサンプリングされて取得される(ステップS10)。取得された温度データTは、処理ユニット26に送られる。
【0025】
処理ユニット26では、送られた送信系A,Bの温度データTのそれぞれが予め定められた温度閾値Tthを越えたか否かが判定される(ステップS12)。ここで、温度閾値Tthは、アラーム温度Tmaxに対して低く設定された温度である。
判定結果が否定(No)となる送信系がある場合、ステップS10に戻り、温度データTの取得が一定時間間隔で続行される。一方、判定結果が肯定(Yes)の場合、処理ユニット26では、カウント値Nが0に設定され(ステップS14)、さらに、カウント値Nが予め定められた回数閾値Nth以上であるか否かが判定される(ステップS16)。このとき、判定結果が否定(No)の場合、カウント値Nが1増加して、温度データTが再度取得される(ステップS18)。このときの温度データTの取得は、上述した一定時間間隔で行われる。次に、取得された温度データTが依然として温度閾値Tthを越えているか否かが判定される(ステップS20)。この判定結果が否定(No)の場合、ステップS10に戻り、温度データTの取得と、ステップS12の温度の判定が再度続行される。一方、ステップS20における判定結果が肯定(Yes)の場合、ステップS16においてカウント値Nが回数閾値Nth以上であるか否かの判定が行われる。このように、温度データTが温度閾値Tthを越え、かつカウント値Nが回数閾値Nthと同じになるまで、ステップS16,S18,S20が繰り返される。温度データは一定時間間隔で取得されるので、回数閾値Nthに一定時間間隔を乗算した時間が、図2(b)における(t−t)の時間に対応する。
【0026】
ステップS16において、カウント値Nが回数閾値Nth以上と判定された場合、次に、温度傾斜(温度変化)ΔTが算出される(ステップS22)。温度傾斜ΔTは、取得した最新の温度データをTNとして、この温度データTNから、予め設定されたm(mは1以上Nth以下の整数)回前に取得した以前の温度データT(N-m)を差し引いた差分である。このような温度傾斜ΔTを算出するのは、急激な温度上昇に対応して送信電力を制御するためである。
【0027】
次に、算出された温度傾斜ΔTが予め設定された温度傾斜閾値ΔTthを越えるか否かが判定される(ステップS24)。判定結果が否定(No)の場合、送信電力が6dB低下する送信電力抑制モードに移行する(ステップS26)。送信出力抑制モードでは、ビットシフト処理部12aまたはビットシフト処理部12bにおいて、デジタル信号である入力信号の信号値がビットシフトにより低下される。
一方、判定結果が肯定(Yes)の場合、電力増幅器24aまたは電力増幅器24bの温度がアラーム温度Tmaxに到達する危険性が高いため、送信停止モードに移行する(ステップS28)。すなわち、電力増幅器24aまたは電力増幅器24bの出力は停止され、送信は停止される。このような処理は、送信系A,Bのそれぞれについて行われる。
【0028】
このように、装置10では、アラーム温度Tmaxに到達する前に、送信系Aまたは送信系Bの送信電力を一時的に低下する送信電力抑制モードを備えるので、送信機能を維持しながら、電力増幅器20a,20bの温度がアラーム温度Tmaxに達しないように温度の上昇を抑制することができる。すなわち、従来のように故障になったことを検出するのではなく、電力増幅器が故障する温度に達しないように送信電力を制御する。したがって、従来に比べて、送信出力を停止する回数は極めて少なくなる。また、ダイバーシチ方式の送信電力抑制モードでは、従来のように一方の送信系の送信機能が完全に停止するわけではないので、送信機能が著しく低下することはない。
【0029】
(送信電力抑制モードまたは送信停止モードから正常送信モードへの移行)
図4は、送信電力抑制モード、送信停止モードから正常送信モードへ移行するフローを示すフローチャートである。
【0030】
送信電力抑制モードまたは送信停止モードの状態で、温度検出部24a,24bにおいて、一定時間間隔、例えば2秒間隔で、電力増幅器20a,20bの温度データTがサンプリングされて取得される(ステップS40)。取得された温度データTは、処理ユニット26に送られる。
処理ユニット26では、送られた送信系A,Bの温度データTのそれぞれが予め定められた温度閾値Tthを下回るか否かが判定される(ステップS42)。
判定結果が否定(No)の場合、ステップS40に戻り、温度データTの取得が一定時間間隔で続行される。一方、判定結果が肯定(Yes)の場合、処理ユニット26では、カウント値Nが0に設定され(ステップS44)、さらに、カウント値Nが予め定められた回数閾値Nth以上であるか否かが判定される(ステップS46)。判定結果が否定(No)の場合、カウント値Nが1増加して、温度データTが再度取得される(ステップS48)。このときの温度データTの取得は、上述した一定時間間隔で行う。したがって、回数閾値Nthに一定時間間隔を乗算した時間が、図2(b)における(t−t)の時間に対応する。なお、ステップS46において用いる回数閾値Nthは、図3に示すステップS16において用いる回数閾値Nthと同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
【0031】
次に、取得された温度データTが依然として温度閾値Tthを下回るか否かが判定される(ステップS50)。この判定結果が否定(No)の場合、ステップS40に戻り、温度データTの取得と、ステップS42の判定が再度続行される。一方、ステップS50における判定結果が肯定(Yes)の場合、ステップS46において、カウント値Nの判定が行われる。このように、温度データTが温度閾値Tthを下回り、かつカウント値Nが回数閾値Nthと同じになるまで、ステップS46,S48,S50が繰り返される。ステップS46において、判定結果が肯定(Yes)の場合、温度Tは温度閾値Tthに対して十分に低下したと判断して、正常送信モードに移行する(ステップS52)。このような処理は、送信電力抑制モードまたは送信停止モードにある送信系について行われる。
【0032】
このように、電力増幅器20a,20bの温度データが、温度閾値Tthに対して確実に低下したとき、すみやかに正常送信モードに移行するので、送信電力の低下や送信機能が低下する期間を最小限に抑えることができる。
【0033】
[第2の実施形態]
図5(a)は、図1に示す装置10の構成と異なる他の実施形態の張り出し基地局装置(以降、装置という)30の構成を示す図である。
図1に示す装置10は、演算処理ユニット26を用いたソフトウェアの実行により送信電力の制御を行うが、装置30は専用回路を用いて送信電力の制御を行うように構成される。
【0034】
装置30は、同じ装置構成の送信系を2系統備え、ゲイン調整部42a,42bと、ベースバンド処理部44a,44bと、DAコンバータ46a,46bと、変調器48a,48bと、電力増幅器50a,50bと、アンテナ52a,52bと、温度検出部54a,54bと、出力データ生成回路56と、を有する。すなわち、ベースバンド処理部44a,44bと、DAコンバータ46a,46bと、変調器48a,48bと、電力増幅器50a,50bと、アンテナ52a,52bと、温度検出部54a,54bとは、図1に示す対応する部分と同じものを用いるので、これらの部分の説明等は省略する。
【0035】
ゲイン調整部42a,42bは、出力データ生成回路56から送られる設定値に応じて入力信号のゲインを調整する部分である。
出力データ生成回路56は、図5(b)に示すように、温度検出部54a,54bから送られる温度データ#0,温度データ#1を用いて、入力信号のゲインの調整のための設定値を生成する。温度データ#0は、送信系Aの温度検出部54aから送られてくる温度データTであり、温度データ#1は、送信系Bの温度検出部54bから送られてくる温度データTである。出力データ生成回路56は、コンパレータを備えた閾値比較器58と、Nカウンタ60と、ゲインテーブル62と、温度履歴バッファ64と、アドレス生成回路66とを有する。
【0036】
温度検出部54a,54bは、電力増幅器50a,50bにおける温度を一定時間間隔で検出して温度データを取得し、一定時間間隔で温度データ#0、#1として出力データ生成回路56に順次送る。
閾値比較回路58は、順次送られてくる温度データ#0および温度データ#1を予め設定された温度閾値Tthと比較し、温度データTが温度閾値Tthを横切ったとき、Nカウンタ60のカウントを開始するカウント開始信号を生成する。さらに、閾値比較回路58は、温度閾値Tthを超える温度データを取得したとき、温度閾値Tthを超える温度データを取得したことを表す閾値オーバ信号を、温度閾値Tthを下回る温度データを取得したとき、温度閾値Tthを下回る温度データを取得したことを表す閾値アンダー信号を生成して、Nカウンタ60に出力する。
【0037】
Nカウンタ60は、閾値比較回路58からカウント開始信号が送られてくると、閾値オーバ信号あるいは閾値アンダー信号の回数(カウント値N)の計数を開始し、一定の時間間隔で連続して送られてくる閾値オーバ信号あるいは閾値アンダー信号を計数する。こうして、一定時間間隔で連続して送られてくる温度データが温度閾値Tthに対して連続して高いとき、あるいは低いときのカウント値Nを求める。このカウント値Nが回数閾値Nthと同じになるとき、Nカウンタ60は、ゲインテーブル62にゲイン調整信号を送る。
【0038】
一方、温度履歴バッファ64は、一定の時間間隔で順次送られてくる温度データ#0、#1を、予め定められたデータ個数(m個)記録する。温度履歴バッファ64は、最新の温度データと、m個前の温度データをアドレス生成回路66に送る。
アドレス生成回路66は、送られてきた最新の温度データとm個前の温度データの差分を温度傾斜ΔTとして求める。アドレス生成回路66は、温度傾斜ΔTの情報と、ゲイン調整すべき送信系(系Aまたは系B)を特定する情報とを含んだアドレスを生成し、ゲインテーブル62に送る。ゲイン調整すべき送信系に関しては、温度データ#0,#1のうち、温度データが高い方の送信系が定められる。
【0039】
図6(a)は、アドレス生成回路66が生成するアドレスの一例を説明する図である。図6(a)に示すアドレスは4ビットアドレスであり、上位1ビットは、ゲイン調整すべき送信系(AまたはB)を特定する情報を、下位3ビットは、温度傾斜ΔTを3ビットで表したデータ情報を含んでいる。
【0040】
ゲインテーブル62は、アドレス生成回路66から送られてくるアドレスを用いて、ゲイン調整部42a,42bにおけるゲイン調整のための設定値を生成し、ゲイン調整部42a,42bに設定値を送る。
図6(b)は、ゲインテーブル62に記録される参照テーブルの一例を示す図である。図6(b)に示す参照テーブルでは、アドレス“0h”〜“7h”に、系Aの送信電力を制御する設定値が設定され、アドレス“8h”〜“Fh”に、送信系Bの送信電力を制御する設定値が設定されている。例えば、温度傾斜ΔTが温度傾斜閾値ΔTthに対して小さいこと表すアドレス“1h”〜“3h”では、送信電力抑制モードを実行するように、送信系Aの入力信号のゲインを調整する設定値Yが定められる。温度傾斜ΔTが温度傾斜閾値ΔTthに対して大きいこと表すアドレス“4h”〜“7h”では、送信停止モードを実行するように、送信系Aの入力信号のゲインを調整する設定値0が定められる。温度傾斜ΔTが略0の場合、正常送信モードを実行するように、送信系Aの入力信号のゲインを調整する設定値Xが定められる。
このように、アドレスに応じて、正常送信モード、送信電力抑制モード、あるいは、送信停止モードに対応する設定値がゲイン調整部42a,42bに送られる。
【0041】
装置30では、装置10と同様に、アラーム温度Tmaxに到達する前に、送信系Aまたは送信系Bの送信電力を一時的に低下する送信電力抑制モードを備えるので、送信機能を維持しながら、電力増幅器50a,50bの温度がアラーム温度Tmaxに達しないように温度の上昇を抑制することができる。すなわち、従来のように故障になったことを検出するのではなく、電力増幅器が故障する温度に達しないように送信電力を制御する。したがって、従来に比べて、送信出力を停止する回数は極めて少なくなる。また、ダイバーシチ方式の送信電力抑制モードでは、従来のように一方の送信系の送信機能が完全に停止するわけではないので、送信機能が著しく低下することはない。
【0042】
[第2の実施形態の変形例]
図7は、図5(a)に示す装置30を変形した装置60である。
装置60は、電力増幅器50a,50bの温度データを、外部環境温度の温度データと電力増幅器50a,50bの送信電力とを用いて電力増幅器50a,50bの温度データを推定算出する点で、装置30と異なる。
【0043】
装置60は。図5(a)に示す装置30と同様の、ゲイン調整部42a,42bと、ベースバンド処理部44a,44bと、DAコンバータ46a,46bと、変調器48a,48bと、電力増幅器50a,50bと、アンテナ52a,52bと、出力データ生成回路56と、を有し、温度検出部54a,54bを有さない。装置60は。温度検出部54a,54bを有さない替わりに送信出力検出部68a,68bと、外部温度情報取得部70と、を有する。
送信出力検出部68a,68bは、電力増幅器50a,50bが実際に増幅して出力する送信電力を検出する回路で構成され、検出した送信出力を出力データ生成回路56に供給する。
一方、外部温度情報取得部70は、外部環境温度を計測する温度センサを備え、温度センサにより検出された現在の外部環境温度の情報を出力データ生成回路56に供給する。
【0044】
出力データ生成回路56は、送信出力検出部68a,68bから送られた送信出力に基づいて、この送信出力によって、電力増幅器50a,50bの、外部環境温度からの温度上昇分を計算する。具体的には、この温度上昇分は、検出した送信出力に熱抵抗値を乗算して得られるものであるため、送信出力をパラメータとする関数で規定することができる。したがって、出力データ生成回路56は、この関数を予め作成し記憶し、送られてくる送信出力から温度上昇分を求める。
さらに、出力データ生成回路56は、送られてくる外部環境温度の情報に、上記温度上昇分を加算することにより、電力増幅器50a,50bの温度データ#0,#1を推定算出し取得する。この温度データ#0,#1を用いて、装置30と同様の処理を行う。すなわち、外部温度情報取得部70、送信出力検出部68a,68bおよび出力データ生成回路56が、温度情報取得部として機能して、温度データ#0,#1が取得される。
なお、装置60は、外部温度情報取得部70として温度センサを用いるが、外部環境温度を取得することができれば、いかなる方法を用いてもよく、例えば、基地局本体装置等の上位装置から外部環境温度の情報を取得するように構成してよい。
【0045】
装置60においても、装置30と同様に、アラーム温度Tmaxに到達する前に、送信系Aまたは送信系Bの送信電力を一時的に低下する送信電力抑制モードを備えるので、送信機能を維持しながら、電力増幅器50a,50bの温度がアラーム温度Tmaxに達しないように温度の上昇を抑制することができる。すなわち、従来のように故障になったことを検出するのではなく、電力増幅器が故障する温度に達しないように送信電力を制御する。したがって、従来に比べて、送信出力を停止する回数は極めて少なくなる。また、ダイバーシチ方式の送信における送信電力抑制モードでは、従来のように一方の送信系の送信機能が完全に停止するわけではないので、送信機能が著しく低下することはない。
【0046】
以上の実施形態に関し、以下の付記を開示する。
【0047】
(付記1)
ダイバーシチ方式で移動端末装置と無線通信を行う基地局装置であって、
ベースバンド信号のパワーを調整する調整部と、該パワーが調整されたベースバンド信号に基づいて搬送波信号を生成する信号処理部と、生成された前記搬送波信号を増幅する電力増幅器と、増幅された前記搬送波信号を用いて電波を放射するアンテナと、を含む送信系を、複数備える送信部と、
複数の送信系のそれぞれの前記電力増幅器の温度情報を取得する温度情報取得部と、
前記複数の送信系毎に、前記温度情報取得部で取得した前記温度情報に応じて、前記調整部のパワー調整量を制御する制御部と、
を有することを特徴とする基地局装置。
【0048】
(付記2)
前記温度情報取得部は、前記温度情報を一定の時間間隔毎に取得し、
前記温度情報が、予め設定された第1の温度閾値を、所定の回数連続して超える送信系があるとき、前記制御部は、前記温度情報が前記第1の温度閾値を所定の回数連続して超える送信系が用いるベースバンド信号のパワーを所定量低下させるように、前記パワー調整量を制御する、付記1に記載の基地局装置。
【0049】
(付記3)
前記ベースバンド信号のパワーを低下させて前記電力増幅器の出力を抑制した送信系において、前記温度情報が、前記第1の温度閾値を所定の回数連続して下回るとき、前記制御部は、前記ベースバンド信号のパワーの低下を終了させるように、前記パワー調整量を制御する、付記2に記載の基地局装置。
【0050】
(付記4)
前記温度情報から求められる温度変化が予め定められた値を超えるとき、前記制御部は、
前記温度変化が予め定められた値を越える送信系の電力増幅器の出力を停止するように、前記パワー調整量を制御する、付記1〜3のいずれか1つに記載の基地局装置。
【0051】
(付記5)
前記温度情報取得部は、前記張り出し基地局装置の周囲の環境温度を取得する環境温度情報取得部と、前記電力増幅器の送信電力を検出する送信電力検出部と、前記環境温度と前記送信電力から算出される前記電力増幅器の内部温度上昇量との加算結果を前記温度情報として取得する処理部とを有する、付記1〜4のいずれか1つに記載の基地局装置。
【0052】
(付記6)
ダイバーシチ方式で移動端末装置と無線通信を行う無線通信方法であって、
基地局本体装置から送信されるベースバンド信号から、複数の送信系を用いて搬送波信号を生成するステップと、
生成された前記搬送波信号を、電力増幅器を用いて増幅し、増幅した前記搬送波信号を用いてそれぞれ電波を放射するステップと、
前記複数の送信系のそれぞれについて前記電力増幅器の温度を表す温度情報を取得し、前記複数の送信系毎に、取得した前記温度情報に応じて、前記ベースバンド信号のパワーを調整するステップと、を有することを特徴とする無線通信方法。
【0053】
(付記7)
前記温度情報は一定の時間間隔毎に取得され、
前記温度情報が、予め設定された第1の温度閾値を、所定の回数連続して超える送信系があるとき、前記調整部は、前記温度情報が前記第1の温度閾値を所定の回数連続して超える送信系が用いるベースバンド信号のパワーを所定量低下させる、付記6に記載の無線通信方法。
【0054】
(付記8)
前記ベースバンド信号のパワーを低下させて前記電力増幅器の出力を抑制した送信系において、前記温度情報が、前記第1の温度閾値を所定の回数連続して下回るとき、前記調整部は、前記ベースバンド信号のパワーの低下を終了させる、付記7に記載の無線通信方法。
【0055】
(付記9)
さらに、前記温度情報から求められる温度変化が予め定められた値を超えるとき、前記温度変化が予め定められた値を越える送信系の電力増幅器の出力を停止するステップを、有する付記6に記載の無線通信方法。
【0056】
(付記10)
送信信号の出力を調整する出力調整部と、
前記出力調整部で出力が調整された送信信号を増幅する増幅部と、
前記増幅部の温度情報を検出する検出部と、
前記検出部で検出された温度情報と所定の閾値との比較に基づき、前記出力調整部の出力調整量を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする基地局装置。
【0057】
複数のアンテナを用いてダイバーシチ送信を行う基地局装置において、
前記複数のアンテナのそれぞれについて、送信信号の出力を調整する出力調整部と、前記出力調整部で出力が調整された送信信号を増幅する増幅部と、
を備え、更に、
前記増幅部の温度情報を検出する検出部と、
前記検出部で検出された温度情報と所定の閾値との比較に基づき、前記出力調整部の出力調整量を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする基地局装置。
【0058】
以上、本発明の基地局装置および無線通信方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0059】
10,30 張り出し基地局装置
12a,12b ビットシフト処理部
14a,14b,44a,44b ベースバンド処理部
16a,16b,46a,46b DAコンバータ
18a,18b,48a,48b 変調器
20a,20b,50a,50b 電力増幅器
22a,22b,52a,52b アンテナ
24a,24b,54a,54b 温度検出部
26 処理ユニット(CPU)
42a,42b ゲイン調整部
56 出力データ生成回路
58 閾値比較回路
60 Nカウンタ
62 ゲインテーブル
64 温度履歴バッファ
66 アドレス生成部
68a,68b 送信電力検出部
70 外部温度情報取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイバーシチ方式で移動端末装置と無線通信を行う基地局装置であって、
ベースバンド信号のパワーを調整する調整部と、該パワーが調整されたベースバンド信号に基づいて搬送波信号を生成する信号処理部と、生成された前記搬送波信号を増幅する電力増幅器と、増幅された前記搬送波信号を用いて電波を放射するアンテナと、を含む送信系を、複数備える送信部と、
複数の送信系のそれぞれの前記電力増幅器の温度情報を取得する温度情報取得部と、
前記複数の送信系毎に、前記温度情報取得部で取得した前記温度情報に応じて、前記調整部のパワー調整量を制御する制御部と、
を有することを特徴とする基地局装置。
【請求項2】
前記温度情報取得部は、前記温度情報を一定の時間間隔毎に取得し、
前記温度情報が、予め設定された第1の温度閾値を、所定の回数連続して超える送信系があるとき、前記制御部は、前記温度情報が前記第1の温度閾値を所定の回数連続して超える送信系が用いるベースバンド信号のパワーを所定量低下させるように、前記パワー調整量を制御する、請求項1に記載の基地局装置。
【請求項3】
前記ベースバンド信号のパワーを低下させて前記電力増幅器の出力を抑制した送信系において、前記温度情報が、前記第1の温度閾値を所定の回数連続して下回るとき、前記制御部は、前記ベースバンド信号のパワーの低下を終了させるように、前記パワー調整量を制御する、請求項1または2に記載の基地局装置。
【請求項4】
前記温度情報から求められる温度変化が予め定められた値を超えるとき、前記制御部は、
前記温度変化が予め定められた値を越える送信系の電力増幅器の出力を停止するように、前記パワー調整量を制御する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項5】
前記温度情報取得部は、前記基地局装置の周囲の環境温度を取得する環境温度情報取得部と、前記電力増幅器の送信電力を検出する送信電力検出部と、前記環境温度と前記送信電力から算出される前記電力増幅器の内部温度上昇量との加算結果を前記温度情報として取得する処理部とを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項6】
ダイバーシチ方式で移動端末装置と無線通信を行う無線通信方法であって、
基地局本体装置から送信されるベースバンド信号から、複数の送信系を用いて搬送波信号を生成するステップと、
生成された前記搬送波信号を、電力増幅器を用いて増幅し、増幅した前記搬送波信号を用いてそれぞれ電波を放射するステップと、
前記複数の送信系のそれぞれについて前記電力増幅器の温度を表す温度情報を取得し、前記複数の送信系毎に、取得した前記温度情報に応じて、前記ベースバンド信号のパワーを調整するステップと、を有することを特徴とする無線通信方法。
【請求項7】
送信信号の出力を調整する出力調整部と、
前記出力調整部で出力が調整された送信信号を増幅する増幅部と、
前記増幅部の温度情報を検出する検出部と、
前記検出部で検出された温度情報と所定の閾値との比較に基づき、前記調整部の出力調整量を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする基地局装置。
【請求項8】
複数のアンテナを用いてダイバーシチ送信を行う基地局装置において、
前記複数のアンテナのそれぞれについて、送信信号の出力を調整する出力調整部と、前記出力調整部で出力が調整された送信信号を増幅する増幅部と、
を備え、更に、
前記増幅部の温度情報を検出する検出部と、
前記検出部で検出された温度情報と所定の閾値との比較に基づき、前記調整部の出力調整量を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする基地局装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−220053(P2010−220053A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−66556(P2009−66556)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】