説明

基板処理システム

【課題】基板処理システムを提供する。
【解決手段】ウェハ200を処理する基板処理装置100と、少なくとも一台の前記基板処理装置に接続される群管理システムを含む基板処理システムであって、前記基板処理装置は、前記群管理装置に少なくとも前記基板処理装置の状態を含むデータを送信し、前記群管理装置は、前記基板処理装置から送信される前記データを蓄積する第一の蓄積手段と、前記第一の蓄積手段がデータ蓄積時に待機する第二の蓄積手段と、受信した前記基板処理装置の状態に応じて、前記データの蓄積を前記第一の蓄積手段から第二の蓄積手段へ切替える切替制御手段とを備えた基板処理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一つの基板処理装置と、基板処理装置から情報を収集して、この基板処理装置を管理する群管理装置とで少なくとも構成される基板処理システムにおいて、特に、収集したデータを蓄積するデータベースやファイルのメンテナンスや動作チェックを自動に可能とするデータ処理方式に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、本発明の群管理装置(データ管理システム)において、基板処理装置の一種である半導体製造装置からのデータの蓄積を蓄積手段としてのデータベースやファイルで行っている。例えば、特許文献1において、半導体製造装置から送信されたデータがデータベースとしての装置情報格納装置に格納されている。
【0003】
そして、半導体製造装置からデータを取得し、そのデータを処理するのと並行して、半導体製造装置のデータを遠隔で管理するデータ管理システムにおいて、データの蓄積をデータベースやファイルで行っている場合、フラグメンテーションの発生等の要因による性能劣化や停止(ダウン)を防止するため、定期的(3ヶ月〜1年)にメンテナンスを行う必要がある。しかし、一般的にメンテナンス中は、データベースの再構築やDISKのデフラグなどを行うため、仮にアクセスできても蓄積性能や検索性能に影響が生じてしまう。従い、実際の半導体製造装置の運用中にメンテナンスを行うことは適切ではない。
【0004】
半導体製造装置の稼働状況により、休んでいる時間がほとんど無いこと、また、データ管理システム(本発明の群管理装置)は、複数の半導体製造装置と接続していることから、データベースやファイルのメンテナンスを定期的に行うことが難しく、半導体製造装置からのデータの蓄積を停止させてメンテナンスを行ったり、また、接続している全ての半導体製造装置のメンテナンス時、半導体製造装置からのデータの蓄積が不要なタイミングを見計らって、データベースやファイルのメンテナンスを行ったりしていた。あるいは、上述したようなメンテナンスをしないリスクを覚悟の上で、なんらかの障害が出るまでデータベースやファイルのメンテナンスを行わずに連続して動作していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−27772号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、複数の半導体製造装置から送信されるデータを一元管理するデータ管理システムを備えた基板処理システムにおいて、前記データを蓄積する蓄積手段のメンテナンスを基板処理装置の稼働中に行うデータ処理方式を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の特徴は、基板を処理する基板処理装置と、少なくとも一台の前記基板処理装置に接続される群管理装置を含む基板処理システムであって、前記基板処理装置は、前記群管理装置に少なくとも前記基板処理装置の状態を含むデータを送信し、前記郡管理装置は、前記基板処理装置から送信される前記データを蓄積する第一の蓄積手段と、前記第一の蓄積手段がデータ蓄積時に待機する第二の蓄積手段と、受信した前記基板処理装置の状態に応じて、前記データの蓄積を前記第一の蓄積手段から第二の蓄積手段へ切替える切替制御手段を備えたところにある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、蓄積手段としてのデータベースやファイルのメンテナンスを基板処理装置の状態によらず行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施の形態に係る基板処理システムの一例を示す構成図である。
【図2】本発明に係る基板処理装置の平面透視図である。
【図3】本発明に係る基板処理装置の側面透視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の状態を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る群管理システムのデータベース/ファイルの状態と基板処理装置の状態との関連性を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る基板処理装置が非実行中(IDLE)時の群管理システムのデータベース/ファイルの状態を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
まず、図1を用いて、本発明の一実施形態に係る基板処理システムの構成及び動作について説明する。
【0011】
図1に示すとおり、基板処理システム1は、少なくとも一台の基板処理装置と、前記基板処理装置と接続して、前記基板処理装置からのデータを取得し、そのデータを監視(モニタリング)や、そのデータの健全性をチェックする群管理装置としてのデータ管理システムと、前記データを蓄積する蓄積手段としてのデータベース/ファイルとで構成される。ここで、蓄積手段は、少なくとも2つを有する。尚、図1によれば、データの流れを表すためにデータ管理システムと蓄積手段が別体に示されているが、便宜的なものであって、データ管理システムと蓄積手段が一体となった構成でも構わない。更に、図1によれば、データ管理システムは、基板処理装置から受信したデータベース/ファイル(A)に直接蓄積しているが、一例を示しているに過ぎず、データベース/ファイル(B)に蓄積するように構成しても良い。同様に、データベース/ファイル(B)は、データベース/ファイル(A)からのデータを蓄積するようにしているが、データベース/ファイル(B)のデータを、データベース/ファイル(A)に蓄積するように構成しても良い。これら2つのデータベース/ファイルのうち、少なくとも1つは、本発明の課題を解決するために、基板処理装置から受信したデータを蓄積するために利用される。このように、群管理装置が、データベースを複数備えることで、定期的な蓄積手段(データベース/ファイル)のメンテナンスを行うことができる。尚、データベースは2つ以上備えても構わないのはいうまでも無い。
【0012】
尚、図1のデータ管理システムは、図示されていないが、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ、FD(Flexible Disk)ドライブを含むコンピュータと、キーボードと、マウスと、モニタとを備える。更に、図示されていないが、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムを記憶するためのROM(Read Only Memory)と、CPUに接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスクと、CPU、ROM等を相互に接続するバスとを備える。
【0013】
次に、図2乃至図3を参照して本発明に係る基板処理装置100を説明する。
【0014】
基板処理装置100は、本実施の形態においては、半導体装置(IC)の製造方法における処理工程を実施する半導体製造装置100として構成されている。
なお、以下の説明では、基板処理装置100として基板に酸化、拡散処理やCVD処理などを行う縦型の装置(以下、単に基板処理装置という)を適用した場合について説明する。
【0015】
図2は、本発明に適用される基板処理装置100の平面透視図として示されている。また、図3は図2に示す基板処理装置の側面透視図である。
図2及び図3に示されているように、シリコン等からなるウエハ(基板)200を収納したウエハキャリアとしてフープ(基板収容器。以下ポッドという。)110が使用されている本発明の基板処理装置100は、筐体111を備えている。
筐体111の正面壁111aの正面前方部にはメンテナンス可能なように設けられた開口部としての正面メンテナンス口103が開設され、この正面メンテナンス口103を開閉する正面メンテナンス扉104、104がそれぞれ建て付けられている。
筐体111の正面壁111aにはポッド搬入搬出口(基板収容器搬入搬出口)112が筐体111の内外を連通するように開設されており、ポッド搬入搬出口112はフロントシャッタ(基板収容器搬入搬出口開閉機構)113によって開閉されるようになっている。
ポッド搬入搬出口112の正面前方側にはロードポート(基板収容器受渡し台)114が設置されており、ロードポート114はポッド110を載置されて位置合わせするように構成されている。ポッド110はロードポート114上に工程内搬送装置(図示せず)によって搬入され、かつまた、ロードポート114上から搬出されるようになっている。
【0016】
筐体111内の前後方向の略中央部における上部には、回転式ポッド棚(基板収容器載置棚)105が設置されており、回転式ポッド棚105は複数個のポッド110を保管するように構成されている。すなわち、回転式ポッド棚105は垂直に立設されて水平面内で間欠回転される支柱116と、支柱116に上下四段の各位置において放射状に支持された複数枚の棚板(基板収容器載置台)117とを備えており、複数枚の棚板117はポッド110を複数個宛それぞれ載置した状態で保持するように構成されている。
筐体111内におけるロードポート114と回転式ポッド棚105との間には、ポッド搬送装置(基板収容器搬送装置)118が設置されており、ポッド搬送装置118は、ポッド110を保持したまま昇降可能なポッドエレベータ(基板収容器昇降機構)118aと搬送機構としてのポッド搬送機構(基板収容器搬送機構)118bとで構成されており、ポッド搬送装置118はポッドエレベータ118aとポッド搬送機構118bとの連続動作により、ロードポート114、回転式ポッド棚105、ポッドオープナ(基板収容器蓋体開閉機構)121との間で、ポッド110を搬送するように構成されている。
【0017】
筐体111内の前後方向の略中央部における下部には、サブ筐体119が後端にわたって構築されている。
サブ筐体119の正面壁119aにはウエハ200をサブ筐体119内に対して搬入搬出するためのウエハ搬入搬出口(基板搬入搬出口)120が一対、垂直方向に上下二段に並べられて開設されており、上下段のウエハ搬入搬出口120、120には一対のポッドオープナ121、121がそれぞれ設置されている。
ポッドオープナ121はポッド110を載置する載置台122、122と、ポッド110のキャップ(蓋体)を着脱するキャップ着脱機構(蓋体着脱機構)123、123とを備えている。ポッドオープナ121は載置台122に載置されたポッド110のキャップをキャップ着脱機構123によって着脱することにより、ポッド110のウエハ出し入れ
口を開閉するように構成されている。
【0018】
サブ筐体119はポッド搬送装置118や回転式ポッド棚105の設置空間から流体的に隔絶された移載室124を構成している。移載室124の前側領域にはウエハ移載機構(基板移載機構)125が設置されており、ウエハ移載機構125は、ウエハ200を水平方向に回転乃至直動可能なウエハ移載装置(基板移載装置)125a及びウエハ移載装置125aを昇降させるためのウエハ移載装置エレベータ(基板移載装置昇降機構)125bとで構成されている。
これら、ウエハ移載装置エレベータ125b及びウエハ移載装置125aの連続動作により、ウエハ移載装置125aのツイーザ(基板保持体)125cをウエハ200の載置部として、ボート(基板保持具)217に対してウエハ200を装填(チャージング)及び脱装(ディスチャージング)するように構成されている。
【0019】
図2に示されているように移載室124のウエハ移載装置エレベータ125b側と反対側である右側端部には、清浄化した雰囲気もしくは不活性ガスであるクリーンエア133を供給するよう供給フアン及び防塵フィルタで構成されたクリーンユニット134が設置されており、ウエハ移載装置125aとクリーンユニット134との間には、ウエハ200の円周方向の位置を整合させる基板整合装置としてのノッチ合わせ装置135が設置されている。
クリーンユニット134から吹き出されたクリーンエア133は、ノッチ合わせ装置135及びウエハ移載装置125aに流通された後に、図示しないダクトにより吸い込まれて、筐体111の外部に排気がなされるか、もしくはクリーンユニット134の吸い込み側である一次側(供給側)にまで循環され、再びクリーンユニット134によって、移載室124内に吹き出されるように構成されている。
【0020】
移載室124の後側領域には、大気圧未満の圧力(以下、負圧という。)を維持可能な機密性能を有する筐体(以下、耐圧筐体という。)140が設置されており、この耐圧筐体140によりボート217を収容可能な容積を有するロードロック方式の待機室であるロードロック室141が形成されている。
耐圧筐体140の正面壁140aにはウエハ搬入搬出開口(基板搬入搬出開口)142が開設されており、ウエハ搬入搬出開口142はゲートバルブ(基板搬入搬出口開閉機構)143によって開閉されるようになっている。耐圧筐体140の一対の側壁にはロードロック室141へ窒素ガスを給気するためのガス供給管144と、ロードロック室141を負圧に排気するための排気管145とがそれぞれ接続されている。 ロードロック室141上方には、処理炉202が設けられている。処理炉202の下端部は炉口ゲートバルブ(炉口開閉機構)147により開閉されるように構成されている。耐圧筐体140の正面壁140aの上端部には、炉口ゲートバルブ147を処理炉202の下端部の開放時に収容する炉口ゲートバルブカバー149が取り付けられている。
【0021】
図2に示されるように、耐圧筐体140にはボート217を昇降させるためのボートエレベータ(基板保持具昇降機構)115が設置される。ボートエレベータ115に連結された連結具としてのアーム128には蓋体としてのシールキャップ219が水平に据え付けられており、シールキャップ219はボート217を垂直に支持し、処理炉202の下端部を閉塞可能なように構成される。
ボート217は複数本の保持部材を備えており、複数枚(例えば、50枚〜125枚程度)のウエハ200をその中心を揃えて垂直方向に整列させた状態で、それぞれ水平に保持するように構成される。
【0022】
次に、本発明の基板処理装置の動作について説明する。
図2及び図3に示されるように、ポッド110がロードポート114に供給されると、ポッド搬入搬出口112がフロントシャッタ113によって開放され、ロードポート114の上のポッド110はポッド搬送装置118によって筐体111の内部へポッド搬入搬出口112から搬入される。
搬入されたポッド110は回転式ポッド棚105の指定された棚板117へポッド搬送装置118によって自動的に搬送されて受け渡され、一時的に保管された後、棚板117から一方のポッドオープナ121に搬送されて載置台122に移載されるか、もしくは直接ポッドオープナ121に搬送されて載置台122に移載される。この際、ポッドオープナ121のウエハ搬入搬出口120はキャップ着脱機構123によって閉じられており、移載室124にはクリーンエア133が流通され、充満されている。例えば、移載室124にはクリーンエア133として窒素ガスが充満されることにより、酸素濃度が20ppm以下と、筐体111の内部(大気雰囲気)の酸素濃度よりも遥かに低く設定されている。
【0023】
載置台122に載置されたポッド110はその開口側端面がサブ筐体119の正面壁119aにおけるウエハ搬入搬出口120の開口縁辺部に押し付けられるとともに、そのキャップがキャップ着脱機構123によって取り外され、ポッド110のウエハ出し入れ口が開放される。
また、予め内部が大気圧状態とされていたロードロック室141のウエハ搬入搬出開口142がゲートバルブ143の動作により開放されると、ウエハ200はポッド110からウエハ移載装置125aのツイーザ125cによってウエハ出し入れ口を通じてピックアップされ、ノッチ合わせ装置135にてウエハを整合した後、ウエハ搬入搬出開口142を通じてロードロック室141に搬入され、ボート217へ移載されて装填(ウエハチャージング)される。
ボート217にウエハ200を受け渡したウエハ移載装置125aはポッド110に戻り、次のウエハ200をボート217に装填する。
【0024】
この一方(上段または下段)のポッドオープナ121におけるウエハ移載装置125aによるウエハ200のボート217への装填作業中に、他方(下段または上段)のポッドオープナ121には回転式ポッド棚105乃至ロードポート114から別のポッド110がポッド搬送装置118によって搬送され、ポッドオープナ121によるポッド110の開放作業が同時進行される。
【0025】
予め指定された枚数のウエハ200がボート217装填されると、ウエハ搬入搬出開口142がゲートバルブ143によって閉じられ、ロードロック室141は排気管145から真空引きされることにより、減圧される。ロードロック室141が処理炉202内の圧力と同圧に減圧されると、処理炉202の下端部が炉口ゲートバルブ147によって開放される。このとき、炉口ゲートバルブ147は炉口ゲートバルブカバー149の内部に搬入されて収容される。
続いて、シールキャップ219がボートエレベータ115の昇降台161によって上昇されて、シールキャップ219に支持されたボート217が処理炉202内へ搬入(ローディング)されていく。
【0026】
ローディング後は、処理炉202内が所定の圧力(処理圧力)、所定の温度(目標温度)に調整され、処理炉202にてウエハ200に任意の処理が実施される。処理後は、ボートエレベータ115によりボート217が引き出され、更に、ロードロック室141内部を大気圧に復圧させた後にゲートバルブ143が開かれる。その後は、ノッチ合わせ装置135でのウエハの整合工程を除き、概上述の逆の手順で、ウエハ200及びポッド110は筐体111の外部へ払い出される。
【0027】
次に、本発明の一実施形態にかかるデータ管理システムの動作について説明する。まず、図1に示すように、データ管理システムは、半導体製造装置から受信したデータをデータベース/ファイル(A)に蓄積する。このときの、データ管理システム内のデータベース/ファイル状態は、表1に示すように、データベース/ファイル(A)の状態が、運用中で、データベース/ファイル(B)の状態が、待機中となる。
【0028】
【表1】

【0029】
1回当たりのコピー量を平準化するよう、データベース/ファイル(A)の1日分のデータをデータベース/ファイル(B)に定期的(例えば、1回/日)にコピーする。その際、データベース/ファイルの容量を加味して、超過していれば、古い日付のデータから削除する。ここで、半導体製造装置の状態として、図4に示すように、生産が行われていない状態である非実行中(IDLE)と生産が行われている状態である実行中(RUN)がある。実行中(RUN)のデータは、データベース/ファイルに蓄積する必要がある。一方、非実行中(IDLE)のデータは、装置が稼動していない(装置内に製品基板が投入されていない)ため、データの変化が少ないことから、途中のデータが欠損しても支障が少ない。よって、このタイミングで、データベース/ファイル(A)からデータベース/ファイル(B)に蓄積されたデータを移行する。このときのデータ管理システム内のデータベース/ファイル状態は、表2に示すように、データベース/ファイル(A)の状態が、コピー中(コピー元)で、データベース/ファイル(B)の状態が、コピー中(コピー先)となる。また、このときの半導体製造装置の状態との関連性を図5に示す。このように、非実行中(IDLE)にデータのコピーを行うので、データの欠損することを防止できる。
【0030】
【表2】

【0031】
メンテナンス登録日時(例えば、3ヶ月〜1年)毎に、半導体製造装置(A)の状態を確認し、非実行中(IDLE)であれば、データベース/ファイル(A)の当日のデータをデータベース/ファイル(B)に時刻順(古い順)にコピーし、コピー中も定期的に装置状態(半導体製造装置(A)の状態)を確認する。このコピー完了時点で、半導体製造装置(A)の状態が非実行中(IDLE)の状態を継続していれば、図6に示すように、データ管理システムからのデータベース/ファイルへの蓄積や参照先をデータベース/ファイル(B)に移行する。移行する際に、表3に示すように、データ管理システム内の参照先データベース/ファイル情報も、データベース/ファイル(A)からデータベース/ファイル(B)に変更する。これにより、データ検索において、データベース/ファイル(B)より連続したデータを取得することが可能となる。
【0032】
【表3】

【0033】
一方、コピー中も定期的に装置状態を確認し、半導体製造装置(A)の状態が実行中(RUN)であれば、非実行中(IDLE)になるまで待つ。コピーが実行中であればコピーを中断し、定期的に装置状態(半導体製造装置の状態)の監視を続ける。そして、非実行中(IDLE)になった時点で、データ管理システムからのデータベース/ファイルへの蓄積や参照先をデータベース/ファイル(B)に移行し、データ管理システム内の参照先データベース/ファイル情報も、データベース/ファイル(A)からデータベース/ファイル(B)に変更する。また、コピーの中断が発生した場合、表4に示すように、どこまでコピーしたかの情報を内部に保持する。これにより、次回コピー時に、重複しないように、次の時刻からコピーを行うことが可能となる。
【0034】
【表4】

【0035】
接続される全ての半導体製造装置から蓄積されたデータが、データベース/ファイル(B)に移行した時点(コピー終了時点)で、表5に示すように、データ管理システム内のデータベース/ファイル状態のデータベース/ファイル(A)の状態を移行中(コピー中)からメンテナンス中に変更し、データベース/ファイル(B)の状態を移行中(コピー中)から運用中に変更し、データベース/ファイル(A)のメンテナンスを開始する。メンテナンスは、データベースの再構築やDISKのデータ整理やデフラグを行う。
【0036】
【表5】

【0037】
尚、データベース/ファイル(B)をメンテナンスする場合には、上記のデータベース/ファイル(A)をデータベース/ファイル(B)に読み替え、データベース/ファイル(B)をデータベース/ファイル(A)に読み替えることで実現できる。上記を交互に行うことにより、連続的にメンテナンスを提供可能になる。
【0038】
図1のデータ管理システムに、上記実施の形態による機能を実行させるプログラムは、CD−ROM、またはFDに記憶されて、CD−ROMドライブ、またはFDドライブに挿入され、ハードディスクに転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、ネットワークを介して図示しないコンピュータから送信され、ハードディスクに記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAMにロードされる。なお、プログラムは、CD−ROMやFD、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0039】
なお、本発明の実施の形態では、半導体製造装置として縦型の基板処理装置を説明したが枚葉式の基板処理装置や横型の基板処理装置にも適用できる。また、基板(ウエハ)を処理する半導体製造装置だけでなく、LCD装置のようなガラス基板を処理する処理装置にも適用することができる。このように、本発明は種々の改変が可能であり、本発明はこのように改変された発明に及ぶことは当然である。

【符号の説明】
【0040】
1 基板処理システム
20 群管理システム(データ管理システム)
100 基板処理装置(半導体製造装置)
200 ウエハ(基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する基板処理装置と、少なくとも一台の前記基板処理装置に接続される群管理装置を含む基板処理システムであって、前記基板処理装置は、前記群管理装置に少なくとも前記基板処理装置の状態を含むデータを送信し、前記群管理装置は、前記基板処理装置から送信される前記データを蓄積する第一の蓄積手段と、前記第一の蓄積手段がデータ蓄積時に待機する第二の蓄積手段と、受信した前記基板処理装置の状態に応じて、前記データの蓄積を前記第一の蓄積手段から第二の蓄積手段へ切替える切替制御手段とを備えた基板処理システム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−33779(P2013−33779A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167879(P2011−167879)
【出願日】平成23年7月31日(2011.7.31)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】