説明

基板処理方法および基板処理装置

【課題】氷の微粒子を用いて基板の洗浄処理を行う場合において、処理むらを生じることなく均一な基板処理が可能であり、基板上に形成された被膜にダメージを与えることもない装置を提供する。
【解決手段】マイクロバブルを含有した氷の微粒子を含む純水を貯留する貯液槽12と、純水中でマイクロバブルを発生させるバブル発生ユニット14と、純水中で氷の微粒子を生成する製氷ユニット16と、ノズルヘッド管22から基板Wの主面に対しマイクロバブルを含有した氷の微粒子を窒素ガスと共に吹き付けて基板の洗浄処理を行う洗浄処理ユニット10と、貯液槽12からノズルヘッド管22へマイクロバブルを含有した氷の微粒子を供給する手段とを備えて装置を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体ウエハ、液晶表示装置(LCD)用ガラス基板、プラズマディスプレイ(PDP)用ガラス基板、磁気や光ディスク用のガラスやセラミックス基板、プリント基板、電子デバイス基板等の基板に対し、氷の微粒子を用いて洗浄処理を施す基板処理方法、および、その方法を実施するために使用される基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、LCD、PDP等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造装置における基板の洗浄は、エキシマレーザのUV照射による有機物汚染の除去、ロールブラシを使用したスクラブ洗浄による1μm以上の汚染物質の除去、置換洗浄による薬液洗浄後の薬液の除去、2流体洗浄による精密洗浄および最終水洗による仕上げ洗浄といったような一連の工程で行われる。ところが、ロールブラシを使用した洗浄処理では、基板の表面に形成された金属膜にブラシによる傷を付けてしまったり、ブラシにバクテリアが発生したり、ブラシの摩耗によって基板面に対する押圧が変化しまたゴミが発生したりする、という問題点があった。そこで、近年では、ロールブラシ洗浄に代えて、液体中に氷の微粒子が分散してシャーベット状の懸濁液となった状態の氷スラリーを調製し、ノズルから氷スラリーを基板の表面へ噴射し氷の微粒子を基板に衝突させて基板を洗浄する、といった洗浄方法も提案され実施されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特許第3380021号公報(第3頁、図1および図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の氷スラリーを用いた洗浄方法は、ノズルから氷スラリーを基板の表面へ噴射し氷の微粒子を基板に衝突させて氷の微粒子で基板の表面を擦るものであり、洗浄効果を高めるためには、氷スラリーを加圧してノズルから或る程度の圧力で氷スラリーを噴出させる必要がある。ところが、微小な氷粒とは言え固形物を含んだ液体を基板表面の広範囲にわたって均一に分散させることは極めて困難であり、このため、氷スラリーを加圧してノズルから噴出させた際に、基板の表面上の位置によって氷スラリーが基板の表面に衝突するときのエネルギにむらを生じる。特に、近年におけるように基板が大型化すると、基板表面のより広範囲にわたって氷スラリーを拡散させるためには、ノズルからの氷スラリーの吐出圧力を高める必要があるため、氷スラリーをノズルから吐出して基板表面へ均一に分散させることは益々困難となり、氷スラリーが基板の表面に衝突するときのエネルギむらが大きくなる。この結果、洗浄むら等の処理むらを生じる、といった問題点がある。
【0004】
また、例えばLCDの製造では、液晶パターン用の金属膜は、アルミニウム(Al)またはアルミ合金などのように物理的に軟らかい金属材料で形成されており、氷の微粒子と基板表面との衝突エネルギのむらにより、金属膜が部分的にダメージを受ける、といった問題点がある。
【0005】
この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、氷の微粒子を用いて基板の洗浄処理を行う場合において、処理むらを生じることなく均一な基板処理が可能であり、基板上に形成された金属膜等の被膜にダメージを与えることもない基板処理方法、および、その方法を好適に実施することができる基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、氷の微粒子を用いて基板を処理する基板処理方法において、超微細気泡を含有した氷の微粒子を生成する氷粒生成工程と、この氷粒生成工程で生成された氷の微粒子を流体と共に基板の主面へ供給して基板の主面を洗浄する氷粒供給工程とを含むことを特徴とする。ここで、超微細気泡とは、直径が70μm〜50μm以下であって一般的にマイクロバブルと呼ばれる気泡であり(以下、「超微細気泡」を「マイクロバブル」という)、液中において比較的長時間滞留し続け次第に収縮して破壊され、その収縮に伴い内部圧力が高まって消滅時にエネルギを放出(例えば、直径が1μmであるマイクロバブルが圧壊により放出するエネルギは約3kgfである)するものである。なお、直径が70μmより大きい気泡は、液中において次第に拡大し短時間で破裂して液面付近で消滅する。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の基板処理方法において、前記氷粒供給工程でマイクロバブルを含有した氷の微粒子を気体と共に基板の主面に対し吹き付けることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の基板処理方法において、前記氷粒供給工程でマイクロバブルを含有した氷の微粒子を含む処理液を基板の主面へ供給することを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の基板処理方法において、マイクロバブルを含有した氷の微粒子を含む処理液を容器内に貯留し、その容器内において前記処理液を基板に対し相対的に流動させつつ基板の主面と接触させることを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の基板処理方法において、マイクロバブルを含有した氷の微粒子を含む処理液を、固定された容器内へ連続して供給し容器内で流動させて容器内から排出しつつ、基板を、前記容器内へ搬入し容器内を搬送して容器内から搬出することを特徴とする。
【0011】
請求項6に係る発明は、氷の微粒子を用いて基板を処理する基板処理装置において、マイクロバブルを含有した氷の微粒子を生成する氷粒生成手段と、この氷粒生成手段によって生成された氷の微粒子を流体と共に基板の主面へ供給して基板の主面を洗浄する氷粒供給手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の基板処理装置において、前記氷粒供給手段は、マイクロバブルを含有した氷の微粒子を気体と共に基板の主面に対し吹き付ける気体吹付け手段であることを特徴とする。
【0013】
請求項8に係る発明は、請求項6に記載の基板処理装置において、前記氷粒供給手段は、マイクロバブルを含有した氷の微粒子を含む処理液を基板の主面へ供給する処理液供給手段であることを特徴とする。
【0014】
請求項9に係る発明は、請求項8に記載の基板処理装置において、マイクロバブルを含有した氷の微粒子を含む処理液を貯留する容器と、この容器内へ基板を搬入する基板搬入手段とを備え、前記処理液供給手段が前記容器内へマイクロバブルを含有した氷の微粒子を含む処理液を供給し、前記容器内においてマイクロバブルを含有した氷の微粒子を含む処理液を基板に対し相対的に流動させつつ基板の主面と接触させることを特徴とする。
【0015】
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の基板処理装置において、前記容器が、スリット状の基板搬入口およびスリット状の基板搬出口ならびに氷の微粒子を含む処理液の供給口および排出口を有する密閉状の矩形筐体であることを特徴とする。
【0016】
請求項11に係る発明は、請求項9または請求項10に記載の基板処理装置において、前記容器が固定され、前記処理液供給手段が、マイクロバブルを含有した氷の微粒子を含む処理液を前記容器内へ連続して供給し容器内で流動させて容器内から排出させる処理液流通手段であり、前記基板搬入手段が、基板を、前記容器内へ搬入し容器内を搬送して容器内から搬出する基板搬送手段であることを特徴とする。
【0017】
請求項12に係る発明は、請求項6ないし請求項11のいずれかに記載の基板処理装置において、前記氷粒生成手段が、マイクロバブルを含有した氷の微粒子を含む液体を貯留する貯液槽と、この貯液槽の第1の液流出口と流路接続する液流入口および前記貯液槽の第1の液流入口と流路接続する液流出口を有し、前記貯液槽との間で液体を循環させて、前記貯液槽から前記液流入口を通して流入した液体を加圧しかつ液体中に気体を溶解させて液体中でマイクロバブルを発生させる気泡発生手段と、前記貯液槽の第2の液流出口と流路接続する液流入口および前記貯液槽の第2の液流入口と流路接続する液流出口を有し、前記貯液槽との間で液体を循環させて、前記貯液槽から前記液流入口を通して流入した液体を冷却して液体中で氷の微粒子を生成し、その生成された氷の微粒子を含む液体を前記液流出口から流出させて前記貯液槽へ戻す製氷手段とを備えて構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明の基板処理方法によると、マイクロバブルを含有した氷の微粒子が流体と共に基板の主面へ供給されることにより、基板表面の凹部などに存在するパーティクル等の汚染物質が氷の微粒子によって掻き出され、汚染物質が流体と共に基板の主面上から流出して除去される。そして、氷の微粒子中にはマイクロバブルが含有されているので、基板の主面上で氷の微粒子が溶解した際に、氷の微粒子中に含有されていたマイクロバブルが破壊されて消滅するときに放出されるエネルギにより、基板の洗浄効果が高まる。このため、氷の微粒子が基板の主面に衝突する力によって汚染物質を基板上から除去しなくてもよいので、氷の微粒子を流体と共に高圧に加圧して基板の主面へ噴出させる必要が無い。また、氷の微粒子は、その中にマイクロバブルが含有されていることにより、マイクロバブル等の気泡が含有されていない普通の氷の微粒子に比べて軟らかい。このため、例えば、加圧された流体と共に氷の微粒子をノズルから噴出させた際に、基板の表面上の位置によって氷の微粒子が基板の表面に衝突するときのエネルギに多少のむらがあっても、例えば液晶パターン用の金属膜が部分的にダメージを受ける、といったことが防止される。
したがって、請求項1に係る発明の基板処理方法に用いると、処理むらを生じることがなく均一な基板処理を行うことができ、また、基板上に形成された金属膜等の被膜にダメージを与えることもない。
【0019】
請求項2に係る発明の基板処理方法では、マイクロバブルを含有した氷の微粒子が気体と共に基板の主面に対し吹き付けられることにより、請求項1に係る発明の上記作用効果が奏される。
【0020】
請求項3に係る発明の基板処理方法では、マイクロバブルを含有した氷の微粒子を含む処理液が基板の主面へ供給されることにより、請求項1に係る発明の上記作用効果が奏される。
【0021】
請求項4に係る発明の基板処理方法では、容器内においてマイクロバブルを含有した氷の微粒子を含む処理液が基板に対し相対的に流動しつつ基板の主面と接触することにより、基板表面の凹部などに存在するパーティクル等の汚染物質が氷の微粒子によって掻き出され、汚染物質が処理液と共に基板の主面上から流出して除去される。
また、処理液中の氷の微粒子が溶解すると、氷の微粒子中に含有されていたマイクロバブルが処理液中に放出されることになるが、例えば、氷の微粒子を含む処理液中を通過するように基板を搬送しつつ基板の洗浄処理を行う場合において、基板の周囲の氷の微粒子が溶解した後に基板の周囲で再氷結しようとしても、基板の周囲で処理液中に放出されたマイクロバブルによって基板の周囲に生成した気体層により再氷結が防止される。このため、基板の周囲での再氷結によって基板の搬送が阻害される、といったことがなく、基板の搬送を安定して行うことができる。
【0022】
請求項5に係る発明の基板処理方法では、マイクロバブルを含有した氷の微粒子を含む処理液が容器内へ連続して供給され容器内で流動して容器内から排出されつつ、基板が容器内へ搬入され容器内を搬送されて容器内から搬出されることにより、容器内においてマイクロバブルを含有した氷の微粒子を含む処理液が流動しつつ、基板の主面と接触して、基板の洗浄処理が行われる。
【0023】
請求項6に係る発明の基板処理装置においては、氷粒生成手段によりマイクロバブルを含有した氷の微粒子が生成され、その生成された氷の微粒子が流体と共に氷粒供給手段によって基板の主面へ供給されることにより、基板表面の凹部などに存在するパーティクル等の汚染物質が氷の微粒子によって掻き出され、汚染物質が流体と共に基板の主面上から流出して除去される。そして、氷の微粒子中にはマイクロバブルが含有されているので、基板の主面上で氷の微粒子が溶解した際に、氷の微粒子中に含有されていたマイクロバブルが破壊されて消滅するときに放出されるエネルギにより、基板の洗浄効果が高まる。このため、氷の微粒子が基板の主面に衝突する力によって汚染物質を基板上から除去しなくてもよいので、氷の微粒子を流体と共に高圧に加圧して基板の主面へ噴出させる必要が無い。また、氷の微粒子は、その中にマイクロバブルが含有されていることにより、マイクロバブル等の気泡が含有されていない普通の氷の微粒子に比べて軟らかい。このため、例えば、加圧された流体と共に氷の微粒子をノズルから噴出させた際に、基板の表面上の位置によって氷の微粒子が基板の表面に衝突するときのエネルギに多少のむらがあっても、例えば液晶パターン用の金属膜が部分的にダメージを受ける、といったことが防止される。
したがって、請求項6に係る発明の基板処理装置を使用すると、処理むらを生じることがなく均一な基板処理を行うことができ、また、基板上に形成された金属膜等の被膜にダメージを与えることもない。
【0024】
請求項7に係る発明の基板処理装置では、マイクロバブルを含有した氷の微粒子が気体と共に気体吹付け手段によって基板の主面に対し吹き付けられることにより、請求項6に係る発明の上記作用効果が奏される。
【0025】
請求項8に係る発明の基板処理装置では、マイクロバブルを含有した氷の微粒子を含む処理液が処理液供給手段によって基板の主面へ供給されることにより、請求項6に係る発明の上記作用効果が奏される。
【0026】
請求項9に係る発明の基板処理装置では、処理液供給手段によって容器内へマイクロバブルを含有した氷の微粒子を含む処理液が供給されるとともに、基板搬入手段によって容器内へ基板が搬入されて、容器内においてマイクロバブルを含有した氷の微粒子を含む処理液が基板に対し相対的に流動しつつ基板の主面と接触することにより、基板表面の凹部などに存在するパーティクル等の汚染物質が氷の微粒子によって掻き出され、汚染物質が処理液と共に基板の主面上から流出して除去される。
【0027】
請求項10に係る発明の基板処理装置では、マイクロバブルを含有した氷の微粒子を含む処理液が密閉状の矩形筐体内へ供給口を通して供給されることにより、氷の微粒子を含む処理液が矩形筐体内に充填され、氷の微粒子を含む処理液が充填された矩形筐体内へスリット状の基板搬入口を通って基板が搬入されることにより、矩形筐体内においてマイクロバブルを含有した氷の微粒子を含む処理液が流動しつつ基板の主面と接触して、基板の洗浄処理が行われる。そして、使用後の処理液は、矩形筐体内から排出口を通して排出され、洗浄処理が終わった基板は、矩形筐体内からスリット状の基板搬出口を通って搬出される。
【0028】
請求項11に係る発明の基板処理装置では、処理液流通手段によってマイクロバブルを含有した氷の微粒子を含む処理液が容器内へ連続して供給され容器内で流動して容器内から排出されるとともに、基板搬送手段によって基板が容器内へ搬入され容器内を搬送されて容器内から搬出されることにより、容器内においてマイクロバブルを含有した氷の微粒子を含む処理液が流動しつつ基板の主面と接触して、基板の洗浄処理が行われる。
【0029】
請求項12に係る発明の基板処理装置では、貯液槽と気泡発生手段との間で処理液が循環することにより、気泡発生手段によって処理液中でマイクロバブルが発生させられ、貯液槽と製氷手段との間を処理液が循環することにより、製氷手段によって処理液中で氷の微粒子が生成される。そして、貯液槽内にマイクロバブルを含有した氷の微粒子を含む処理液が貯留される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、この発明の最良の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、この発明の実施形態の1例を示し、基板処理装置の概略構成を示す模式図である。
【0031】
この基板処理装置は、基板の洗浄処理を行う洗浄処理ユニット10、マイクロバブルを含有した氷の微粒子を含む液体、例えば純水(以下、「氷スラリー」という)を貯留する貯液槽12、純水を加圧しかつ純水中に気体、例えば清浄な空気や酸素を溶解させて純水中でマイクロバブルを発生させるためのバブル発生ユニット14、および、純水を冷却して純水中で氷の微粒子を生成する製氷ユニット16を備えて構成されている。洗浄処理ユニット10は、チャンバ18を備え、そのチャンバ18の内部に、基板Wを支持して水平方向(紙面に対し垂直な方向)へ搬送するための複数の搬送ローラ20からなるローラコンベアが配設され、基板Wの搬送路の途中に、基板Wの幅方向に複数のノズルが並列して設けられたノズルヘッド管22が配設されている。
【0032】
貯液槽12には、第1の液流出口24および第1の液流入口26が設けられている。そして、貯液槽12の第1の液流出口24は、バブル発生ユニット14の液流入口28と流路接続し、貯液槽12の第1の液流入口26は、バブル発生ユニット14の液流出口30と流路接続していて、貯液槽12とバブル発生ユニット14との間で低温の純水が循環している。バブル発生ユニット14には、内部流路32が形設されており、内部流路32の途中にアスピレータ34が設けられ、また、内部流路32の、アスピレータ34の上流側に加圧ポンプ36が介挿されている。このバブル発生ユニット14においては、加圧、例えば9kgf/cm程度に加圧された純水がアスピレータを通過する際に旋回流となり、その旋回流中に気体、例えば清浄な空気が吸入されて、その旋回流中で空気が粉砕される。そして、バブル発生ユニット14から流出した気泡を含んだ純水が大気圧状態の貯液槽12内の氷スラリー中に噴出することにより、純水中でマイクロバブルが発生する。発生したマイクロバブルは、数分間、純水中で消滅せずに滞留する。純水中でマイクロバブルを発生させる方法としては、アスピレータを利用したキャビテーション方式に限らず、各種の方式を用いればよい。また、マイクロバブルを発生させて氷スラリーの氷粒中に含有させる気体は、空気や酸素に限らず、二酸化炭素やオゾン、過酸化水素などであってもよい。
【0033】
また、貯液槽12には、第2の液流出口38および第2の液流入口40が設けられている。そして、貯液槽12の第2の液流出口38は、製氷ユニット16の液流入口42と流路接続し、貯液槽12の第2の液流入口40は、製氷ユニット16の液流出口44と流路接続していて、貯液槽12と製氷ユニット16との間で低温の純水(もしくは氷スラリー)が循環している。製氷ユニット16には、冷却器(図示せず)が設けられており、冷却器によって純水が冷却されて純水中で氷の微粒子が生成され、氷スラリーが貯液槽12内へ戻されるようになっている。純水中で氷の微粒子を生成して氷スラリーを製造する方法としては、各種方式を用いればよく、例えば純水を過冷却状態とした後に過冷却を解除する方式や、純水を収容した容器の壁面を冷却し内壁面に付着生成した氷をスクリュー刃等で掻き取る方式などを用いればよい。
【0034】
上記したように、貯液槽12とバブル発生ユニット14との間で低温の純水を循環させて、純水中で連続的にマイクロバブルを発生させるとともに、貯液槽12と製氷ユニット16との間で低温の純水(もしくは氷スラリー)を、例えば−5℃付近の温度下で循環させることにより、氷粒中にマイクロバブルを閉じ込めたマイクロバブル含有氷スラリーが生成される。そして、生成されたマイクロバブル含有氷スラリーは、貯液槽12内に貯留される。
【0035】
貯液槽12には、液流出口46が設けられており、液流出口46に氷粒供給管48が連通接続されている。氷粒供給管48は、洗浄処理ユニット10のノズルヘッド管22に流路接続されており、氷粒供給管48の途中に、貯液槽12内からノズルヘッド管22へマイクロバブル含有氷スラリーを送給するためのポンプ50が介設されている。また、氷粒供給管48の途中には、マイクロバブル含有氷スラリーから水を除去する脱水処理部52が設けられている。マイクロバブル含有氷スラリーは、その脱水処理部52を通過する間に、液体部分が減少させられあるいはマイクロバブルを含有した氷の微粒子(固体)のみとされる。
【0036】
また、ノズルヘッド管22には、キャリア流体、例えば液化窒素の供給管54が流路接続されている。この液化窒素供給管54を通ってノズルヘッド管22へ液化窒素が供給されるとともに、氷粒供給管48を通ってノズルヘッド管22へマイクロバブルを含有した氷の微粒子が供給されて、ノズルヘッド管22の内部で氷の微粒子と液化窒素とが混合される。そして、その混合流体がノズルヘッド管22の複数のノズルから噴出することにより、マイクロバブルを含有した氷の微粒子が窒素ガスと共に基板Wの主面へ吹き付けられる。
【0037】
上記した構成の基板処理装置を使用して基板の洗浄処理を行うときは、基板処理ユニット12のチャンバ18内へ基板Wを搬入し、複数の搬送ローラ20からなるローラコンベアにより基板Wを水平方向へ搬送する。そして、ローラコンベアにより支持されてチャンバ18内を搬送されている基板Wの主面に対し、ノズルヘッド管22の複数のノズルからマイクロバブルを含有した氷の微粒子を窒素ガスと共に吹き付ける。これにより、基板Wの表面の凹部などに存在するパーティクル等の汚染物質が氷の微粒子によって掻き出され、氷粒の融解水や窒素ガスと共に基板Wの主面上から流出して除去される。このようにして基板Wの洗浄処理が行われるが、氷の微粒子中にはマイクロバブルが含有されているので、基板Wの主面上で氷の微粒子が溶解した際に、氷の微粒子中に含有されていたマイクロバブルが破壊されて消滅するときに放出されるエネルギにより、基板Wの洗浄効果がより高まることとなる。また、氷の微粒子中にはマイクロバブルが含有されていることにより、その氷の微粒子は、マイクロバブル等の気泡が含有されていない普通の氷の微粒子に比べて軟らかい。このため、窒素ガスと共に氷の微粒子が基板Wの主面に対し吹き付けられた際に、基板Wの表面上の位置によって氷の微粒子が基板Wの表面に衝突するときのエネルギに多少のむらがあっても、金属膜等の被膜が部分的にダメージを受ける、といったことが防止される。
【0038】
なお、上記した実施形態では、氷粒供給管48の途中に脱水処理部52を設けて、マイクロバブルを含有した氷の微粒子をノズルヘッド管22へ供給するようにしたが、脱水処理部52を設けないで、マイクロバブル含有氷スラリーをノズルヘッド管22へ供給するようにし、ノズルヘッド管22のノズルからマイクロバブル含有氷スラリーを窒素ガスと共に(したがって3相流として)、基板Wの主面に対し吹き付けるようにしてもよい。また、上記した実施形態において、キャリア流体として液化窒素の代わりに窒素ガスをノズルヘッド管22へ供給するようにし、ノズルヘッド管22の内部でマイクロバブルを含有した氷の微粒子を一部溶解させて、ノズルヘッド管22のノズルから氷スラリーの状態でマイクロバブルを含有した氷の微粒子を窒素ガスと共に基板Wの主面に対し吹き付けるようにしてもよい。
【0039】
さらに、バブル発生ユニット14において、空気や酸素に代えてオゾンや過酸化水素のマイクロバブルを発生させるようにしたときは、オゾンや過酸化水素のマイクロバブルを含有した氷の微粒子が窒素ガスと共に基板Wの主面に対し吹き付けられることとなる。これにより、基板Wの主面上で氷の微粒子が溶解してオゾンや過酸化水素が基板Wの主面へ供給され、オゾンや過酸化水素の酸化作用によって有機物が分解され除去される。このため、基板の有機物汚染の程度がそれほど大きくない場合などには、基板の一連の洗浄処理において有機物汚染の除去工程を省略することも可能となる。さらに、オゾンや過酸化水素の殺菌作用によって細菌類の発生を抑える効果もある。
【0040】
次に、図2は、この発明の別の実施形態を示し、基板処理装置における洗浄処理ユニットの基板洗浄部の構成例を示す模式的斜視図である。
この基板洗浄部56は、内部で基板Wの洗浄処理が行われる密閉状の矩形筐体からなる洗浄槽58を備えている。洗浄槽58の平面形状は、基板Wの幅より大きい幅寸法と基板Wの搬送方向長さより小さい長さ寸法を有する矩形状である。洗浄槽58には、互いに対向する一対の側面に基板搬入口60および基板搬出口62が形設されるととも、互いに対向する他の一対の側面に氷スラリーの供給口64および排出口66が形設されている。基板搬入口60および基板搬出口62は、横寸法が基板Wの幅より僅かに大きく縦寸法が基板Wの厚みより僅かに大きくそれぞれスリット状に開口している。このように構成された基板洗浄部56を、洗浄処理ユニットの基板Wの搬送路の途中に配置し、図示していないが、洗浄槽58の前・後に、基板Wを水平方向へ連続して搬送し洗浄槽58内へ基板搬入口60を通って搬入し洗浄槽58内から基板搬出口62を通って搬出する複数の搬送ローラを配設する。洗浄槽58および複数の搬送ローラは、基板Wの搬送方向と直交する方向においてそれぞれ傾斜するように設けられている。
【0041】
洗浄槽58の供給口64に連通した導入管部68には、図1に示したようにマイクロバブル含有氷スラリーを貯留した貯液槽12の液流出口46に連通接続されポンプ50が介設された氷スラリー供給管が連通接続される。但し、氷スラリー供給管には、図1に示したような脱水処理部52を設けないで、貯液槽12内から氷スラリー供給管を通って導入管部68へマイクロバブル含有氷スラリーが供給されるようにする。また、図示していないが、洗浄槽58の排出口66に連通した導出管部70には回収用配管が接続されており、回収用配管を通しフィルタなどを経て氷スラリーの一部が貯液槽12内へ戻されるようになっている。導出管部70には流路を仕切るように流路中に、メッシュ、多数の小孔が形成されたパンチング板、多数のスリットが形成されたスリット板などで形成された仕切り部材72が介設されている。この仕切り部材72は、洗浄槽58内の氷スラリー中の水を容易に通過させ、一方、氷の微粒子の通過を制限する。
【0042】
図2に示した基板洗浄部56においては、ローラコンベアにより基板Wが水平方向へ搬送されて、基板Wが基板洗浄部56の洗浄槽58内へ送り込まれる。一方、洗浄槽58内には、貯液槽12から氷スラリー供給管を通って氷粒中にマイクロバブルを含有した氷スラリーが連続して供給され、その氷スラリーは、洗浄槽58内を流動して、洗浄槽58内から回収用配管を通って排出される。そして、基板Wが洗浄槽58内へ搬入され洗浄槽58内を通過して洗浄槽58内から搬出される間に、洗浄槽58内を供給口64から排出口66に向かって流動する氷スラリーが基板Wの主面と接触することにより、基板Wの表面の凹部などに存在するパーティクル等の汚染物質が氷スラリー中の氷の微粒子によって掻き出され、汚染物質が氷スラリーの水と共に基板Wの主面上から流出して除去される。このようにして基板Wの洗浄処理が行われるが、氷スラリーの氷粒中にはマイクロバブルが含有されているので、氷スラリー中の氷の微粒子が溶解した際に、氷の微粒子中に含有されていたマイクロバブルが破壊されて消滅するときに放出されるエネルギにより、基板Wの洗浄効果がより高まることとなる。そして、基板Wは、氷スラリーと接触するだけであり、かつ、その全面が氷スラリーと均等に接触するので、処理むらを生じることがなく均一な洗浄処理が行われ、また、基板W上に形成された金属膜等の被膜にダメージが与えられることもない。
【0043】
また、氷スラリー中の氷の微粒子が溶解すると、氷の微粒子中に含有されていたマイクロバブルが純水中に放出される。このため、洗浄槽58内において、搬送中の基板Wの周囲の氷の微粒子が溶解した後に基板Wの周囲で再氷結しようとしても、基板Wの周囲で純水中に放出されたマイクロバブルによって基板Wの周囲に空気層が生成され、この空気層によって純水の再氷結が防止される。したがって、基板Wの周囲での再氷結によって基板Wの搬送が阻害される、といったことが防止され、洗浄槽58内での基板Wの搬送を安定して行うことができる。
【0044】
なお、図2に示した上記実施形態では、氷スラリーを洗浄槽58内へ連続して供給し洗浄槽58内から連続して排出しつつ、基板Wを連続して搬送し洗浄槽58内を通過させるようにして、氷スラリーを基板Wの主面と接触させるようにしたが、氷スラリーを連続供給しつつ基板Wを連続搬送しなくても、洗浄槽58内において氷スラリーを基板Wに対し相対的に流動させつつ基板Wの主面と接触させることができれば、どのような方式であってもよい。例えば、氷スラリーを洗浄槽58内へ連続して供給し洗浄槽58内から連続して排出しつつ、基板Wを間欠的に搬送するようにしたり、氷スラリーを洗浄槽58内へ間欠的に供給し洗浄槽58内から間欠的に排出しつつ、基板Wを連続して搬送し洗浄槽58内を通過させるようにしたりしてもよい。また、氷スラリーを洗浄槽58内へ間欠的に供給し洗浄槽58内から間欠的に排出しつつ、基板Wを間欠的に搬送して洗浄槽58内を通過させ、基板Wが停止している時に、氷スラリーを洗浄槽58内へ供給するとともに洗浄槽58内から排出させ、あるいは、洗浄槽58内への氷スラリーの供給を停止している時に、基板Wを搬送するようにしてもよい。さらに、基板Wを静止させ、氷スラリーを洗浄槽58内へ連続してあるいは間欠的に供給し洗浄槽58内から連続してあるいは間欠的に排出しつつ、洗浄槽58を基板Wに対して移動させるようにしてもよい。また、上記した実施形態では、洗浄槽58を傾斜させるとともに基板Wを傾斜姿勢に支持して水平方向へ搬送するようにしたが、洗浄槽58を水平に保持するとともに基板Wを水平姿勢に支持して水平方向へ搬送し、洗浄槽58による洗浄処理後に、基板Wを傾斜させて水洗処理するようにしてもよい。
【0045】
次に、図3は、この発明のさらに別の実施形態である基板処理装置の概略構成を示す要部斜視図である。
この基板処理装置は、図示していないが、互いに平行に並設された複数の搬送ローラから構成され基板Wを傾斜姿勢に支持してその傾斜方向と直交する方向でかつ水平方向へ基板Wを搬送するローラコンベアと、このローラコンベアによって搬送される基板Wの主面へ、氷粒中にマイクロバブルを含有した氷スラリーを供給するノズル74とを備えて構成されている。ノズル74は、基板Wの、その搬送方向と直交する幅方向の寸法とほぼ同等の長さを有し、基板Wの直上位置に、基板搬送方向と交叉するようにかつ基板Wの傾斜に沿うように配設されている。ノズル74の下端面には、その長手方向にスリット状吐出口が形設されており、そのスリット状吐出口から氷スラリーが適当な圧力で吐出される。このノズル74には、その内部に形成された流路に連通するように配管76が接続されており、図示していないが、ノズル74は、その配管76を通して貯液槽(図1参照)に流路接続されている。そして、貯液槽からマイクロバブル含有氷スラリーがポンプ(図示せず)により加圧されてノズル74へ供給され、ノズル74のスリット状吐出口から、ローラコンベアによって傾斜姿勢で水平方向へ搬送される基板Wの主面に対し、氷粒中にマイクロバブルを含有した氷スラリーが吐出されるようになっている。
【0046】
図3に示した構成の基板処理装置では、ノズル74のスリット状吐出口から基板Wの主面に対して氷スラリーが吐出されることにより、基板Wの表面の凹部などに存在するパーティクル等の汚染物質が氷スラリー中の氷の微粒子によって掻き出され、汚染物質が氷スラリーおよびその融解水と共に基板Wの主面上から基板Wの傾斜に沿って流下し除去される。そして、氷スラリーの氷粒中にはマイクロバブルが含有されているので、基板Wの主面上で氷の微粒子が溶解した際に、氷の微粒子中に含有されていたマイクロバブルが破壊されて消滅するときに放出されるエネルギにより、基板Wの洗浄効果がより高まることとなる。このため、ノズル74のスリット状吐出口から吐出される氷スラリーの吐出圧をそれほど大きくしなくても、基板Wの洗浄処理を行うことができる。さらに、氷スラリー中の氷の微粒子は、その中にマイクロバブルが含有されていることにより、マイクロバブル等の気泡が含有されていない普通の氷の微粒子に比べて軟らかい。したがって、処理むらを生じることがなく均一な洗浄処理を行うことができ、また、基板W上に形成された金属膜等の被膜にダメージを与えることもない。
【0047】
図4は、この発明のさらに別の実施形態である基板処理装置(スピンスクラバ)の要部の構成を示す概略正面図である。
この基板処理装置は、基板Wを水平姿勢に保持するスピンチャック78を備えている。スピンチャック78は、回転支軸80により鉛直軸回りに回転自在に支持されており、回転支軸80に連結されたモータ(図示せず)によって鉛直軸回りに回転させられる。図示を省略しているが、スピンチャック78に保持された基板Wの周囲には、基板W上から周囲へ飛散する氷スラリーを捕集するためのカップが基板Wを取り囲むように配設されている。また、スピンチャック78に保持された基板Wの上方には、氷粒中にマイクロバブルを含有した氷スラリーを基板Wの表面へ吐出する吐出ノズル82が配設されている。吐出ノズル82には、氷スラリー送液用の配管84が接続されており、図示していないが、吐出ノズル82は、その配管84を通して貯液槽(図1参照)に流路接続されている。そして、貯液槽から氷粒中にマイクロバブルを含有した氷スラリーがポンプ(図示せず)により加圧されて吐出ノズル82へ供給され、吐出ノズル82の吐出口から、スピンチャック78によって水平姿勢に支持され鉛直軸回りに回転している基板Wの表面に対し、マイクロバブル含有氷スラリーが吐出されるようになっている。
【0048】
図4に示した構成の基板処理装置では、吐出ノズル82の吐出口から基板Wの表面に対して氷スラリーが吐出されることにより、基板Wの表面の凹部などに存在するパーティクル等の汚染物質が氷の微粒子によって掻き出され氷スラリーと共に基板Wの表面上から流出して除去される。この場合において、吐出ノズル82から基板Wの表面へ吐出される氷スラリーの氷粒中にはマイクロバブルが含有されているので、基板Wの主面上で氷の微粒子が溶解した際に、氷の微粒子中に含有されていたマイクロバブルが破壊されて消滅するときに放出されるエネルギにより、基板Wの洗浄効果がより高まることとなる。このため、吐出ノズル82の吐出口から吐出される氷スラリーの吐出圧をそれほど大きくしなくても、基板Wの洗浄処理を行うことができる。したがって、処理むらを生じることがなく均一な洗浄処理を行うことができ、また、基板W上に形成された金属膜等の被膜にダメージを与えることもない。さらに、氷スラリー中の氷の微粒子は、その中にマイクロバブルが含有されていることにより、マイクロバブル等の気泡が含有されていない普通の氷の微粒子に比べて軟らかい。このため、基板Wの表面上において、吐出ノズル82から吐出される氷スラリー中の氷の微粒子が基板Wの表面に衝突するときのエネルギに多少のむらがあっても、基板Wの表面に形成されたパターン状の金属膜等が部分的にダメージを受ける、といったことが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】この発明の実施形態の1例を示し、基板処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】この発明の別の実施形態を示し、基板処理装置における洗浄処理ユニットの基板洗浄部の構成例を示す模式的斜視図である。
【図3】この発明のさらに別の実施形態である基板処理装置の概略構成を示す要部斜視図である。
【図4】この発明のさらに別の実施形態である基板処理装置の要部の構成を示す概略正面図である。
【符号の説明】
【0050】
10 洗浄処理ユニット
12 貯液槽
14 バブル発生ユニット
16 製氷ユニット
18 チャンバ
20 搬送ローラ
22 ノズルヘッド管
24 貯液槽の第1の液流出口
26 貯液槽の第1の液流入口
28 バブル発生ユニットの液流入口
30 バブル発生ユニットの液流出口
32 内部流路
34 アスピレータ
36 加圧ポンプ
38 貯液槽の第2の液流出口
40 貯液槽の第2の液流入口
42 製氷ユニットの液流入口
44 製氷ユニットの液流出口
46 貯液槽の液流出口
48 氷粒供給管
50 ポンプ
52 脱水処理部
54 液化窒素供給管
56 基板洗浄部
58 洗浄槽
60 基板搬入口
62 基板搬出口
64 氷スラリーの供給口
66 氷スラリーの排出口
74 ノズル
76、84 配管
78 スピンチャック
82 吐出ノズル
W 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
氷の微粒子を用いて基板を処理する基板処理方法において、
超微細気泡を含有した氷の微粒子を生成する氷粒生成工程と、
この氷粒生成工程で生成された氷の微粒子を流体と共に基板の主面へ供給して基板の主面を洗浄する氷粒供給工程と、
を含むことを特徴とする基板処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理方法において、
前記氷粒供給工程で超微細気泡を含有した氷の微粒子を気体と共に基板の主面に対し吹き付けることを特徴とする基板処理方法。
【請求項3】
請求項1に記載の基板処理方法において、
前記氷粒供給工程で超微細気泡を含有した氷の微粒子を含む処理液を基板の主面へ供給することを特徴とする基板処理方法。
【請求項4】
請求項3に記載の基板処理方法において、
超微細気泡を含有した氷の微粒子を含む処理液を容器内に貯留し、その容器内において前記処理液を基板に対し相対的に流動させつつ基板の主面と接触させることを特徴とする基板処理方法。
【請求項5】
請求項4に記載の基板処理方法において、
超微細気泡を含有した氷の微粒子を含む処理液を、固定された容器内へ連続して供給し容器内で流動させて容器内から排出しつつ、基板を、前記容器内へ搬入し容器内を搬送して容器内から搬出することを特徴とする基板処理方法。
【請求項6】
氷の微粒子を用いて基板を処理する基板処理装置において、
超微細気泡を含有した氷の微粒子を生成する氷粒生成手段と、
この氷粒生成手段によって生成された氷の微粒子を流体と共に基板の主面へ供給して基板の主面を洗浄する氷粒供給手段と、
を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の基板処理装置において、
前記氷粒供給手段は、超微細気泡を含有した氷の微粒子を気体と共に基板の主面に対し吹き付ける気体吹付け手段であることを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項6に記載の基板処理装置において、
前記氷粒供給手段は、超微細気泡を含有した氷の微粒子を含む処理液を基板の主面へ供給する処理液供給手段であることを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の基板処理装置において、
超微細気泡を含有した氷の微粒子を含む処理液を貯留する容器と、
この容器内へ基板を搬入する基板搬入手段と、
を備え、前記処理液供給手段が前記容器内へ超微細気泡を含有した氷の微粒子を含む処理液を供給し、前記容器内において超微細気泡を含有した氷の微粒子を含む処理液を基板に対し相対的に流動させつつ基板の主面と接触させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の基板処理装置において、
前記容器が、スリット状の基板搬入口およびスリット状の基板搬出口ならびに氷の微粒子を含む処理液の供給口および排出口を有する密閉状の矩形筐体であることを特徴とする基板処理装置。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載の基板処理装置において、
前記容器が固定され、
前記処理液供給手段が、超微細気泡を含有した氷の微粒子を含む処理液を前記容器内へ連続して供給し容器内で流動させて容器内から排出させる処理液流通手段であり、
前記基板搬入手段が、基板を、前記容器内へ搬入し容器内を搬送して容器内から搬出する基板搬送手段であることを特徴とする基板処理装置。
【請求項12】
請求項6ないし請求項11のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記氷粒生成手段が、
超微細気泡を含有した氷の微粒子を含む液体を貯留する貯液槽と、
この貯液槽の第1の液流出口と流路接続する液流入口および前記貯液槽の第1の液流入口と流路接続する液流出口を有し、前記貯液槽との間で液体を循環させて、前記貯液槽から前記液流入口を通して流入した液体を加圧しかつ液体中に気体を溶解させて液体中で超微細気泡を発生させる気泡発生手段と、
前記貯液槽の第2の液流出口と流路接続する液流入口および前記貯液槽の第2の液流入口と流路接続する液流出口を有し、前記貯液槽との間で液体を循環させて、前記貯液槽から前記液流入口を通して流入した液体を冷却して液体中で氷の微粒子を生成し、その生成された氷の微粒子を含む液体を前記液流出口から流出させて前記貯液槽へ戻す製氷手段と、
を備えて構成されたことを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−118065(P2008−118065A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302220(P2006−302220)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】