説明

基板処理装置およびデバイス製造方法

【課題】高動作速度がロードロックのために使用されるときの温度効果を制限することができる装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置は、真空室と気体除去のためのロードロックを有する。ロードロックは、基板を支持するために支持テーブルを有する。カバープレートは、ロードロック内に設けられ、カバープレートは、支持テーブルの上方表面に面する下方表面を有する。開口が、カバープレートの下方表面に設けられ、下方表面に対して実質的に垂直な方向に基板上方から気体の除去を可能にする。一実施形態において、支持テーブルの上方表面内の開口を有する気体除去構成が設けられ、支持テーブルの上方表面と基板との間の気体圧力を、初期的に開口を介してロードロックの残り内の同時ロードロック圧力より低い所定圧力に低減する。ロードロックの残り内のロードロック圧力が所定より低く低下されるとき、支持テーブルの上方表面と基板との間の気体圧力はロードロックの残り内のロードロック圧力とともに低減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、リソグラフィ装置などの基板処理装置、およびデバイスを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上に、通常は基板のターゲット部分上に与える機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造で使用されることができる。そのような場合、代わりにマスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスは、ICの個別層上に形成されるべき回路パターンを生成するために使用されることができる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、1つまたは複数のダイの一部を含む)上に転写されることができる。パターンの転写は、一般に、基板上に設けられる放射感応性材料(レジスト)の層上への結像を介する。一般に、単一の基板は、連続してパターニングされる隣接するターゲット部分のネットワークを含む。知られているリソグラフィ装置は、各ターゲット部分が、一回でターゲット部分上にパターン全体を露光することによって放射されるいわゆるステッパと、各ターゲット部分が、所定の方向(「スキャニング」方向)の放射ビームを介してパターンをスキャニングし、一方、同時にこの方向と平行または反平行に基板をスキャニングすることによって放射されるいわゆるスキャナとを含む。また、基板上のパターンをインプリントすることによって、パターンニングデバイスから基板にパターンを転写することも可能である。
【0003】
[0003] 真空環境においてパターンで基板を放射することが望ましい。高い処理レートを達成するために、基板が真空環境と非真空環境との間で搬送されなければならないときでも、連続してこの真空環境を維持することが望ましい。欧州特許出願公開第1457830号は、この目的のためにロードロックの使用を記載する。ロードロックは、運河における船舶のためのロックのように作用し、交互に2つの環境に対して開放されることができる比較的小さい空間を提供し、ドアの他方側への圧力が実質的に影響を受けないままである一方、小さな空間内で圧力が上昇されまたは低下されることを可能にする。
【0004】
[0004] 欧州特許出願公開第1457830号は、排気の間にロードロック内で気体の断熱冷却が、基板の望ましくない冷却を生じ得ることを記載する。基板は、支持ユニットの上部表面のバンプ上に載る。一般的に、非常に狭いバンプは、基板の汚染を最小化するために使用される。残念なことに、そのようなバンプは、冷却を妨げない不十分な熱接触を導くことがある。冷却する問題を対処するために、様々な処置が提案された。一つの処置において、温度安定化された支持ユニットは、ロードロック内の基板に提供される。温度安定化された流体循環回路は、支持ユニットを通って延びる。基板と支持ユニットとの間の熱伝導を改善するために、気体が、バンプの周囲の空間内に導入される。基板下の気体がロードロック内へ流れることを妨げるために、リムが、支持ユニットの縁部に提供される。ロードロックが排気されたとき、基板が下方の気体によって吹き払われることができないように、基板は、支持ユニットにクランプされる。
【0005】
[0005] 欧州特許出願公開第1457830号は、基板上のロードロック内にカバープレートを提供する。一実施形態において、支持ユニットおよびカバープレートは、基板が支持ユニット上に配置された後、互いに向かって移動される。カバープレートは、温度に影響を及ぼすことができる、基板上の気体流れを低減するように機能する。一実施形態において、カバープレートは、支持ユニットへ固定して提供され、流体循環回路は、同様にカバープレートを通って延びる。
【0006】
[0006] さらに、欧州特許出願公開第1457830号は、中間期間が続くロードロック内の気体圧力の初期的な部分低減を使用することを提案し、圧力は、ロードロックが完全に排気される前のある時間について一定に維持される。この中間期間は、初期的な圧力低減に起因する初期的な断熱冷却の後に、基板とロードロックの温度安定化された壁との間の熱伝導の拡張された期間を提供する。
【発明の概要】
【0007】
[0007] ロードロックは、基板が、例えばリソグラフィ装置の露光部分へ入るまたは露光部分から取り除かれる速度を制限する。それは、リソグラフィ装置のスループットに関する制限要因を形成する。基板がロードロックで費やさなければならない時間間隔を最小化することが望ましい。しかしながら、増大された排気速度は、温度安定性と妥協する。またあるいは代わりに、カバープレートに対する距離は、それを、熱安定器として効果を無くさせることがある。
【0008】
[0008] 例えば、高動作速度がロードロックのために使用されるとき、温度効果を制限することが望ましい。
【0009】
[0009] 本発明の一態様によれば、処理チャンバを有する基板処理装置が提供され、該装置は、
基板が入ることを可能にする第1のドア、および処理チャンバへ直接的または間接的に基板が出ることを可能にする第2のドアを有する気体除去のためのロードロックと、
基板を支持するために上表面を有する、ロードロック内の支持テーブルと、
支持テーブルの上表面に面する下表面を有する、ロードロック内のカバープレートとを備え、
カバープレートの下表面に開口が設けられて、下表面に対して実質的に垂直方向に基板上方から気体の除去を可能にする。
【0010】
[0010] 本発明の一態様によれば、処理チャンバを有する基板処理装置が提供され、該装置は、
基板が入ることを可能にする第1のドア、および処理チャンバへ直接的または間接的に基板が出ることを可能にする第2のドアを有する気体除去のためのロードロックと、
支持ケーブルの上表面上に複数の等しい高さのバンプを備え、基板を支持するためにロードロック内の温度安定化された支持テーブルと、
支持テーブルの上表面内に開口を備える気体除去構成とを備え、
気体除去構成は、支持テーブルの上表面と基板との間の気体圧力を、開口を初期的に通して、ロードロックの残り内の同時ロードロック圧力より低い所定の圧力に低減し、かつ、ロードロックの残り内のロードロック圧力が所定の圧力より低く低下したときに、ロードロックの残り内のロードロック圧力とともに、支持テーブルの上表面と基板との間の気体圧力を低減する。
【0011】
[0011] 本発明の一態様によれば、処理チャンバを有する基板処理装置が提供され、装置は、
基板が入ることを可能にする第1のドア、および処理チャンバへ直接的または間接的に基板が出ることを可能にする第2のドアを有するロードロックと、
ロードロックが通気されたときに気体を提供するためにロードロックに結合され、ロードロックの容積より大きく、かつ/または拡散器を介してロードロックに結合された容積を有するバッファ容器と、
バッファ容器に結合された圧力安定器と、
バッファ容器とロードロックとの間に結合された弁と、
圧力安定器に、弁が閉鎖された間にバッファ容器内の気体圧力を安定化させ、かつロードロックが通気されたときに弁を開放する制御ユニットとを備える。
【0012】
[0012] 本発明の一態様によれば、処理チャンバを有するリソグラフィ装置が提供され、該装置は、
パターニングされた放射ビームを形成するために、放射ビームの断面にパターンを与えることができるパターニングデバイスを支持するサポートと、
処理チャンバ内に基板を保持する基板テーブルと、
処理チャンバ内の基板のターゲット部分上にパターニングされた放射ビームを投影する投影システムと、
基板にコーティングを施すコーティング塗布デバイスと、
コーティング塗布デバイスから搬送するための第1のドア、および処理チャンバに向けて搬送するための第2のドアを有し、コーティング塗布デバイスと処理チャンバとの間のロードロックと、
コーティング後でありかつロードロック内に入る前に、パターニングされたビームを使用してパターニングされていない基板の少なくとも一部を検査する基板インスペクションシステムとを備える。
【0013】
[0013] 本発明の一態様によれば、処理チャンバを有するリソグラフィ装置が提供され、装置は、
パターニングされた放射ビームを形成するために、放射ビームの断面にパターンを与えることができるパターニングデバイスを支持するサポートと、
処理チャンバ内に基板を保持する基板テーブルと、
処理チャンバ内の基板のターゲット部分上にパターニングされた放射ビームを投影する投影システムと、
基板にコーティングを施すためのコーティング塗布デバイスと、
コーティング塗布デバイスと処理チャンバとの間のロードロックであって、コーティング塗布デバイスに向かう第1のドア、および処理チャンバに向かう第2のドアを有し、かつコーティング塗布デバイスを通って進むことなく基板を入れるための第3のドアを有する、ロードロックとを備える。
【0014】
[0014] 本発明の一態様によれば、デバイス製造方法が提供され、該方法は、
処理チャンバ内で基板を処理するステップと、
ロードロックを通して処理チャンバへ基板を通過させるステップと、
支持テーブルとカバープレートとの間のロードロック内に基板を挿入するステップと、
ロードロックから気体を取り除くステップと、
カバープレート内の開口を通じて、基板の表面に対して実質的に垂直な方向に、基板とカバープレートとの間の領域からロードロックへ気体を取り除くステップとを含む。
【0015】
[0015] 本発明の一態様によれば、デバイス製造方法が提供され、
処理チャンバ内で基板を処理するステップと、
ロードロックを通して処理チャンバへ基板を通過させるステップと、
温度安定化支持テーブル上のロードロック内に基板を挿入するステップであって、支持テーブルは、基板を支持する支持テーブルの上表面上に複数の等しい高さのバンプを備え、開口が、支持テーブルの上表面に存在する、基板を挿入するステップと、
基板がバンプ上に載るとき、支持テーブルの上表面と基板との間の空間から開口を通じて気体を取り除くことによって、ロードロックの残り内の同時ロードロック圧力より低い所定の圧力に、初期的に支持テーブルの上表面と基板との間の気体圧力を低減するステップと、
ロードロックの残り内のロードロック圧力が、所定の圧力より低く低下したとき、ロードロックの残り内のロードロック圧力とともに、支持テーブルの上表面と基板との間の気体圧力を低減するステップとを含む。
【0016】
[0016] 本発明の一態様によれば、デバイス製造方法が提供され、
処理チャンバ内で基板を処理するステップと、
ロードロックを通して処理チャンバから基板を通過させるステップと、
少なくともバッファ容器がロードロックと連通していない間に、バッファ容器内の気体圧力を調整するステップと、
バッファ容器とロードロックとの間に気体流れ接続を提供することによってロードロックを通気するステップとを含む。
【0017】
[0017] 本発明の一態様によれば、デバイス製造方法が提供され、
基板にフォトレジストコーティングを施すステップと、
基板がコーティングされた後、ロードロックを介して処理チャンバへ基板を通過させるステップと、
処理チャンバ内の基板のターゲット部分上にパターニングされた放射ビームを投影するステップと、
コーティング後でありかつロードロック内に入る前に、パターニングされたビームを使用してパターニングされていない基板の少なくとも一部を自動的に検査するステップとを含む。
【0018】
[0018] 本発明の一態様によれば、デバイス製造方法が提供され、
基板にフォトレジストコーティングを施すステップと、
基板がコーティングされた後、ロードロックの第1のドアを介してロードロックへ基板を通過させるステップと、
基板がコーティングされた後、ロードロックの第2のドアを介してロードロックから処理チャンバへ基板を通過させるステップと、
処理チャンバ内の基板のターゲット部分上にパターニングされた放射ビームを投影するステップと、
ロードロックの第3のドアを介して、それからデバイスが製造されないさらなる基板を導入しかつ/または取り除くことによって、デバイスを製造するために使用される装置を洗浄しかつ/または較正するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
[0019] 本発明の実施形態は、対応する参照符号が対応する部品を示す添付の概略図を参照して、例示だけとして以下に記載される。
【0020】
【図1】[0020]リソグラフィ装置を示す図である。
【図2a】[0021]ロードロックを示す図である。
【図2b】[0021]ロードロックを示す図である。
【図2c】[0021]ロードロックを示す図である。
【図2d】[0021]ロードロックを示す図である。
【図3】[0022]支持テーブルの詳細を示す図である。
【図4】[0023]気体除去接続を有する支持テーブルを示す図である。
【図5】[0024]支持テーブルおよびカバープレートを示す図である。
【図6】[0025]インスペクションシステムを有するリソグラフィ装置を示す図である。
【図7】[0026]ロードロックを示す図である。
【図8】[0027]バッファ容器を有するロードロックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[0028] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置の概略を示す。装置は、
放射のビームB(例えば、UV放射またはEUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構成され、かつ所定のパラメータにしたがってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続される支持構造(例えば、マスクテーブル)MTと、
基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、かつ所定のパラメータにしたがって基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続される基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTと、
基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを投影するように構成される投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSとを含む。
【0022】
[0029] 照明システムは、放射を方向付け、成形し、または制御するための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電、および他のタイプの光学構成部品、またはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学構成部品を含むことができる。
【0023】
[0030] 支持構造は、パターニングデバイスを、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、および例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されるかどうかなどの他の状態に応じる方法で保持する。支持構造は、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電、または他のクランピング技術を使用することができる。支持構造は、必要に応じて固定または可動であり得る、例えばフレームまたはテーブルであり得る。支持構造は、パターニングデバイスが、例えば投影システムに対して所望の位置にあることを確実にすることができる。本明細書における用語「レチクル」または「マスク」の任意の使用は、より一般的な用語「パターニングデバイス」と同義語であると考えられることができる。
【0024】
[0031] 本明細書で使用される用語「パターニングデバイス」は、基板のターゲット部分にパターンを作るように、放射ビームにその断面にパターンを与えるために使用されることができる任意のデバイスを参照すると広範に解釈されるべきである。放射ビームに与えられるパターンは、例えば、パターンが、位相シフト特徴またはいわゆるアシスト特徴を含むなら、基板のターゲット部分に所望のパターンに正確には対応しないことがあることに留意すべきである。一般に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路など、ターゲット部分に作られるデバイス内の特定の機能層に対応する。
【0025】
[0032] パターニングデバイスは、透過性または反射性であり得る。パターニングデバイスの例は、マスク、プログラム可能なミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルを含む。マスクは、リソグラフィにおいて良く知られており、バイナリ、レベンソン型(alternating)位相シフト、およびハーフトーン型(attenuated位相シフト、ならびに様々なハイブリッドマスクタイプなどのマスクタイプを含む。プログラマブルミラーアレイの例は、小型ミラーのマトリクス配置を用い、各小型ミラーは、異なる方向に入射する放射ビームを反射するように個別に傾斜されることができる。傾斜されたミラーは、ミラーマトリクスによって反射される放射ビームにパターンを与える。
【0026】
[0033] 本明細書で使用される用語「投影システム」は、使用される露光放射、または液浸液の使用または真空の使用などの他の要因に適切なように、屈折、反射、反射屈折、磁気、電磁気、および静電光学系、または任意のその組み合わせを含む、任意のタイプの投影システムを包含するとして広範に解釈されるべきである。本明細書における用語「投影レンズ」の任意の使用は、より一般的な用語「投影システム」と同義語として考えられることができる。
【0027】
[0034] 本明細書で示されるように、装置は、反射タイプ(例えば、反射マスクを用いる)である。代わりに、装置は、透過タイプ(例えば、透過マスクを用いる)であり得る。
【0028】
[0035] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)またはより多い基板テーブル(および/または2つ以上のパターニングデバイス支持構造)を有するタイプであり得る。そのような「マルチステージ」機械において、追加のテーブルおよび/または支持構造は、並列に使用されることができ、または準備ステップが、1つ以上のテーブルおよび/または支持構造で実行されることができ、一方、1つ以上の他のテーブルおよび/または支持構造が、露光のために使用される。
【0029】
[0036] リソグラフィ装置は、少なくとも基板の一部が、投影システムと基板との間の空間を満たすように、比較的高い屈折率を有する液体、例えば水によって覆われることができるタイプであることもできる。液浸液は、例えば、マスクと投影システムとの間などリソグラフィ装置における他の空間に与えられることもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増大するために従来技術で良く知られている。本明細書で使用される用語「液浸」は、基板などの構造が液体内に沈められなければならないことを意味せず、むしろ、液体が、露光の間に投影システムと基板との間に配置されることだけを意味する。
【0030】
[0037] 図1を参照すると、イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受ける。放射源およびリソグラフィ装置は、例えば放射源がエキシマレーザであるとき、別個のエンティティであり得る。そのような場合、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成するとは考えられず、放射ビームは、例えば適切な方向付けミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを用いて、放射源SOからイルミネータILへ通過する。他の場合において、放射源は、例えば放射源が水銀ランプであるとき、リソグラフィ装置の一体部分であり得る。放射源SOおよびイルミネータILは、必要であればビームデリバリシステムBDとともに、放射システムと呼ばれることができる。
【0031】
[0038] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調整するためのアジャスタを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(一般に、それぞれσ−outerおよびσ−innerと呼ばれる)は、調整されることができる。さらに、イルミネータILは、インテグレータおよびコンデンサなどの様々な他のコンポーネントを備えることができる。イルミネータは、その断面において所望の均一性および強度分布を有するように、放射ビームを調整するために使用されることができる。
【0032】
[0039] 放射ビームBは、支持構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスク)MA上に入射し、パターニングデバイスによってパターニングされる。パターニングデバイスMAを横切って、放射ビームBは、基板Wのターゲット部分C上にビームを集束する投影システムPSを通過する。第2のポジショナPWおよび位置決めセンサIF2(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または容量センサ)を用いて、基板テーブルWTは、例えば、放射ビームBの経路内に異なるターゲット部分Cが位置決めされるように、正確に移動されることができる。同様に、第1のポジショナPMおよび他の位置決めセンサIF1は、例えば、マスクライブラリから機械的に取り出した後またはスキャンの間に、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めするために使用されることができる。一般に、支持構造MTの移動は、第1のポジショナPMの一部を形成する、ロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)を用いて実現されることができる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの一部を形成する、ロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを用いて実現されることができる。ステッパ(スキャナとは対照的に)の場合には、支持構造MTは、ショートストロークアクチュエータだけに接続されることができ、または固定されることができる。パターニングデバイスMAおよび基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2および基板アライメントマークP1、P2を使用してアライメントされることができる。示されるように基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占めるが、それらは、ターゲット部分間の空間(これらは、スクライブラインアライメントマークとして知られている)に配置されることができる。同様に、1つ以上のダイがパターニングデバイスMA上に提供される状況において、パターニングデバイスアライメントマークは、ダイ間に配置されることができる。
【0033】
[0040] 示される装置は、少なくとも1つの以下のモードで使用されることができる。
【0034】
[0041] 1.ステップモードにおいて、支持構造MTおよび基板テーブルWTは、本質的に静止して維持され、一方、放射ビームに与えられるパターン全体は、一度にターゲット部分C上に投影される(すなわち、単一の静止露光)。基板テーブルWTは、次に異なるターゲット部分Cが露光されることができるように、Xおよび/またはY方向にシフトされる。ステップモードにおいて、露光フィールドの最大サイズが、単一の静止露光で結像されるターゲット部分Cのサイズを制限する。
【0035】
[0042] 2.スキャンモードにおいて、支持構造MTおよび基板テーブルWTは、同期してスキャンされ、一方、放射ビームに与えられるパターンは、ターゲット部分C上に投影される(すなわち、単一の動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの(縮小率)倍率および画像反転特徴によって決定されることができる。スキャンモードにおいて、露光フィールドの最大サイズが、単一の動的露光におけるターゲット部分の幅(非スキャンニング方向)を制限し、一方、スキャンニング移動の長さは、ターゲット部分の高さ(スキャンニング方向)を決定する。
【0036】
[0043] 3.他のモードにおいて、支持構造MTは、本質的に静止してプログラマブルパターニングデバイスを保持したままであり、基板テーブルWTは、移動またはスキャンされ、一方、放射ビームに与えられるパターンは、ターゲット部分C上に投影される。このモードにおいて、一般にパルス放射源が用いられ、プログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの各移動の後、またはスキャンの間の連続する放射パルスの間に、必要に応じて更新される。動作のこのモードは、上記に参照されたようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に与えられることができる。
【0037】
[0044] 上述の使用モードまたは全く異なる使用モードの組み合わせおよび/または変形も用いられることができる。
【0038】
[0045] 基板テーブルWTを収容する室内に高真空が維持される。基板Wは、雰囲気気体圧力に関連する外側からリソグラフィ装置へ入る。リソグラフィ装置は、真空空間と外側との間の境界面でロードロックが設けられる。ロードロックの気体圧力は、外側圧力(またはわずかにより高い圧力)と真空圧力との間で循環され、一方、リソグラフィ装置の主真空空間は真空のままである。基板は、それぞれロードロックの内部が外側圧力であるときにロードロックに入れられ、かつロードロックの内部が真空圧力であるときに取り出される。
【0039】
[0046] ロードロックを通る基板の高いスループット速度が望ましい。スループット速度は、パターンがその上に投影されることができる前に、基板を正確に規定された温度に均一にする必要性によって制限されることがある。高速排気の間にロードロック内の気体の断熱膨張に起因して、基板の温度およびこの温度の均一性が妥協されることができる。これは、真空状況が熱伝達を低減するために、真空状況によって悪化されることがある遅延効果を有することがある。基板温度に対する効果は、気体圧力がまだ高い間ときに、最も強いことがある。
【0040】
[0047] 前の基板から残る汚染および/または高速気体流の作用によって生じる取り去りの両方に起因して、ロードロックが汚染源であり得るために、問題が生じることがある。ロードロックが、主真空空間に多すぎる汚染を移すなら、製造時間の著しい損失を生じることがある雰囲気圧力に主真空空間に戻す必要性が生じることがある。
【0041】
[0048] ロードロックが、異なる気体内容物を有する環境間で使用されるとき、同様の問題が生じることがある。この場合、またはロードロックが低減された圧力を実現するために使用されるとき、ロードロックは、排気され、かつその後異なるタイプの気体で再充填される。以下に記載される実施形態は、同様にそのようなロックロードのために使用されることができる。しかしながら、簡略性のために、真空処理チャンバを有する例が記載される。本明細書に議論される1つ以上の問題は、真空における気体を介する熱伝達の不在に起因する真空処理状況において最も著しいことがある。
【0042】
[0049] 図2a〜図2cは、それぞれリソグラフィ装置の外側に向かう第1のドア21a、およびリソグラフィ装置の真空空間に向かう第2のドア21bを有するロードロック20を示す。ロードロック20は、それぞれ気体の除去を可能にするポンプ接続22a、および気体の供給を可能にする通気接続22bを有する。動作において、基板Wが、リソグラフィ装置内に入れられたとき、基板Wは、図2aに示されるように第1のドア21aを介して挿入され、第1のドア21aは、その後閉鎖される。ロードロック20は、その後、十分に低い圧力が到達されるまで、図2bに示されるようにポンプ接続22aを介して排気される。その後、図2cに示されるように、真空空間に対する第2のドア21bが開放され、かつ基板Wは、ロードロック20の外に出される。基板Wが、リソグラフィ装置から取り出されたとき、逆の手順が続き、基板Wは、第2のドア21bを介して挿入され、第2のドア21bはその後閉鎖される。ロードロック20は、次に、通気接続22bを介する気体の供給によって外側圧力に戻る。その後、第1のドア21aは、外側に対して開放され、基板Wは、ロードロック20の外に出される。
【0043】
[0050] 図2a〜図2cに示されるように、ロードロック20は、支持テーブル24、支持ピン26、およびカバープレート28を備える。ロードロックから基板Bを掴みかつ真空空間内へ基板Wを移動するためにロボットのグリッパ29が、例示として示される。移動駆動機構(図示せず)は、支持テーブル24を支持ピン26に対して垂直に移動するために、支持テーブル24に結合される。支持テーブル24およびカバープレート28は、温度安定器システム(図示せず)に結合され、かつ支持テーブル24およびカバープレート28は、支持構造(図示せず)に結合される。温度安定器システムの構造は、同様に支持テーブル24およびカバープレート28のための支持構造として作用することができる。温度安定器システムは、パイプを備えることができ、パイプを通して温度安定化された流体が循環し、かつパイプは、支持テーブル24およびカバープレート28と接触し、またはそれら本体を通って延びる。熱ポンプ構造、または加熱抵抗器およびペルチェ素子などの冷却素子、あるいは流体循環、加熱、冷却、および/または熱ポンプの組み合わせが、使用されることができる。
【0044】
[0051] 支持ピン26は、垂直方向に支持テーブル24を通って延びる。支持テーブル24は、支持ピン26に対して垂直に移動可能である。支持ピン26は、簡略性のためにロードロック床上に支持されて示されるが、異なるサポートが使用されることができることは理解されるべきである。カバープレート28は、支持テーブル24に面する。支持テーブル24およびカバープレート28の両方は、望ましくは、基板Wが、支持テーブル24およびカバープレート28の両方の周囲内にはまり込むように、基板Wの幅より大きな幅を有する。支持ピン26の先端とカバープレート28との間の距離は、例えば約10mmであり得る。
【0045】
[0052] 動作において、基板が入れられるとき、支持テーブル24は、図2aに示されるように支持ピン26に対して初期的に低い位置にある。これは、基板Wの下方に到達するグリッパを用いて、支持ピン26上に基板Wを配置することを可能にする。その後、支持テーブル24は、基板Wが、支持ピン26に代わりにまたは支持ピン26に加えて支持テーブル24上に載るように、支持ピン26に対して上昇される。実施形態において、カバープレート28は、支持テーブル24が上昇されるときに固定位置に維持される。望ましくは、基板Wが、基板Wをカバープレート28との接触を強いることなく、それが支持ピン26上に載るときよりカバープレート28により近い位置に上昇されるように、支持テーブル24は、支持ピン26に対して上昇される。基板Wとカバープレート28との間の距離は、例えば3倍だけ低減されることができる。一実施形態において、それは、10mmから3mmへ低減される。カバープレート28は、距離を低減するために低下されることができる。圧力が十分に低減された後、第2のドア21bが開かれ、図2cに示されるようにグリッパ29が基板Wの下に延びることを可能にする十分な空間で、基板Wが支持ピン26上に載るように支持ピン26に対して支持テーブル24が低下される。
【0046】
[0053] 圧力の低減の間、支持テーブル24およびカバープレート28は、基板Wの温度を安定化するためにヒートシンクとして作用する。熱伝達は、支持テーブル24と、基板Wと支持テーブル24およびカバープレート28との間の放射との間の接触する、ロードロック20内の気体を介して生じる。基板W近傍の気体は、基板Wに対する支持テーブル24およびカバープレート28の近接性の結果として、支持テーブル24およびカバープレート28の安定化された温度近くに維持される。支持テーブル24は、気体の除去の間に、支持ピン26に対して支持テーブル24を上昇することによって基板Wにより近い近接性にされる。望ましくは、気体の除去の間に、基板Wは、同様に、支持テーブル24を用いて支持ピン26に対して基板Wを上昇させることによって、カバープレート28により近い近接性で維持される。
【0047】
[0054] 基板が、ロードロック20を介して真空空間の外に出されるとき、基板は、支持テーブル24上、またはこの支持テーブルを通って延びるピン上に配置されることができる。しかしながら、一実施形態において、さらなるサポートが、移動されて出される基板Wを配置するために、ラック(図示せず)などロードロック20内に設けられる。基板は、雰囲気圧力が到達される間にさらなるサポート上に留まることができる。このサポートは、内部に移動される他の基板が、支持テーブル24から取り出される前に、外部に移動される基板が、ロードロック20内に挿入されることができる利点を有する。これは、例えばロボットが、ロードロック20内に基板を置き、かつその後、入るおよび出る基板の両方が同じ位置を占める場合であり得る空いているロードロックへまたはロードロックから移動しなければならないことなく、ロードロック20から基板を取り出すことを可能にすることによって、処理の速度を上げることを可能にする。
【0048】
[0055] 代替として、カバープレート28は、省略されることができる。この場合に、支持テーブル24だけが、温度安定化を提供する。しかしながら、カバープレート28の使用は、例えば支持テーブル24の側部から半導体基板を介する熱伝導は非常に小さいので、構成をはるかにより効率的にするであろう。
【0049】
[0056] 図2dは、支持ピン26が省略された実施形態を示す。この実施形態において、基板Wは、支持テーブル24上に直接配置される。基板Wの下方に到達するグリッパを可能にするために、この実施形態において、支持テーブル24の周辺の少なくとも一部上の支持テーブル24の幅は、基板Wの幅より短く、その結果、基板Wは、支持テーブル24上方のとき、例えば両方が互いに反対側部の支持テーブル24の周囲を越えて水平方向に延びる。望ましくは、例えば、基板Wの面積の80%未満が、支持テーブル24の周囲を越えて延びるように、延長は、多くとも著しくグリッパが必要である。したがって、良好な熱伝導が、まだ提供されることができる。図2a〜図2cの実施形態において、支持テーブル24は、ロードロック20内の基板Wの配置後、カバープレート28に向かって上昇されることができる。代わりにまたは追加して、カバープレート28は低下されることができる。
【0050】
[0057] 図3は、基板Wおよび支持テーブル24の詳細を示す。示される実施形態において、バンプ30のアレイは、支持テーブル24上に設けられる。任意に、バンプの集合の周囲に支持テーブル24から延びるリング34が、設けられることができ、基板Wの幅より小さい幅を有する領域を周辺で囲む。バンプ20の先端間に延びる面セグメントを有する仮想表面が、バンプ外側の支持テーブル24の表面に実質的に平行であり(望ましくは平坦な面)、かつ基板Wが、バンプ30上に載ることができるように、全てのバンプ30は、実質的に等しい高さを有する。例えば、10ミクロン高さのバンプ30が使用されることができる(バンプは、誇張された高さで示される)。例えば1mm〜10mmの間の選択された相互距離で望ましい数のバンプ30が設けられることができる。基板Wが、バンプ30上に載るときに、基板Wと支持テーブル24との間の距離は小さくされる。バンプ30は、支持テーブル24と基板Wとの間に空間を残し、気体が存在し、気体は、基板Wに対する支持テーブル24からの熱伝達を著しく改善する。基板Wと支持テーブル24との間の空間が非常に小さく維持されるので、熱伝達は効果的である。一実施形態において、孔32(1つの孔が例示によって示される)は、支持テーブル24と基板Wとの間の空間内への気体の供給を可能にするために支持テーブル24に設けられることができる。低い高さが、気体を介する熱伝達を改善する利点を有するが、低い高さは、気体分布をより困難にする欠点も有する妥協として、バンプ30の高さは選択される。この問題は、気体の供給を可能にするために、例えば基板の下方に10個〜50個の孔である多数の孔32を使用して低減されることができる。任意のリング34は、基板Wと支持テーブル24との間の空間からロードロック20内への側方気体流れを低減することができる。望ましくは、このリングの高さは、基板Wとの接触を避けるために、例えば0.2ミクロンメートルと5ミクロンメートル未満との間の高さのバンプ30の高さよりわずかに低い。
【0051】
[0058] 図4は、別個のポンプ接続40が、支持テーブル24と基板Wとの間の空間から気体を部分的に取り除くために提供される実施形態を示す。孔が、気体を取り除くために支持テーブル24に設けられる。望ましくは、気体の供給および除去を可能にするために別個の孔32が存在するが、代わりに、気体供給および別個のポンプ接続40に交互に結合される同一の孔が使用されることができる。弁44、46は、ポンプ接続40とロードロック20内の空間との間で、気体を取り除くために孔に対する接続を切り替えるように設けられる。気体を取り除く孔は、例えば支持テーブル24内の空洞を介して、または気体導管を介して弁44、46に接続される。別個のポンプは、別個のポンプ接続40およびロードロックの主ポンプ接続22aに接続されることができる。代わりに、同一のポンプが、両方の接続に接続されることができるが、初期的により低い圧力が、別個のポンプ接続40を介して実現されるように、主ポンプ接続22aに対するより多くの別個のポンプ接続に直接接続されることができる。
【0052】
[0059] 動作において、別個のポンプ接続40は、支持テーブル24と基板Wとの間の気体の圧力を、所定の非ゼロ圧力レベルへ、初期的に基板Wがロードロック20内に配置され、かつ支持テーブル24が上昇されたときに、例えば0.5〜0.8バール以下(50kPa〜80kPa以下)の範囲内の圧力へ低減するために使用される。この圧力は、基板W上方の圧力より速く低減される。このように、基板Wは、圧力差の効果によってバンプ30上の支持テーブル24に初期的にクランプされる。これは、基板Wを真っ直ぐにし、支持テーブル24への距離を低減し、それによって基板Wと支持テーブル24との間の熱伝導を増大する。所定の非ゼロ圧力は、熱伝達を促進するように維持される。基板W上方の圧力が所定の非ゼロ圧力に近づくまで、この所定の非ゼロ圧力は維持される。次に気体を取り除くための孔が、例えば弁44、46を切り替えることによって、ロードロック圧力に結合される。このように、支持テーブル24と基板Wとの間の圧力は、次に基板W上方の圧力とともに、または基板W上方の圧力を低下することに先立って低下される。これは、基板Wが、支持テーブル24を吹き払うことを妨げる。もちろん、これは、基板Wがもはやクランプされず、かつ圧力が低下するので、基板Wと支持テーブル24との間の熱伝導率も低下する効果を有するが、断熱膨張に起因する主熱伝達が、ロードロック20内、すなわち基板Wがまだクランプされるときの最高圧力で生じる。圧力が十分に低減されると、わずかな効果だけが生じる。
【0053】
[0060] 代わりにまたは追加して、静電クランピングが、支持テーブル24上に基板Wを維持するために使用されることができる。これは、例えば、基板Wに面する支持テーブルの異なる部分に異なる電圧をかけることによって達成されることができる。静電クランピングは、気体が、基板W上方のより高い圧力で支持テーブル24と基板Wとの間に存在するときでも、支持テーブル24上に基板を維持するように作用する。この場合、孔32は、支持テーブル24と基板Wとの間の圧力が維持され、または全体としてロードロック20内の圧力より遅く少なくとも低減されるように、省略されまたは接続されることができる。これは、支持テーブル24と基板Wとの間の熱伝達を改善する。
【0054】
[0061] 図5は、リッジ50、52が、支持テーブル24およびカバープレート28の縁部近くに設けられる実施形態を示す。基板Wは、支持テーブル24およびカバープレート28の正反対側上のリッジ50、52間にはまる。本明細書において使用されるように、「はまる」は、リッジが基板Wの周囲に延びるときに基板Wに関する十分な場所が存在する、または基板が側方に移動して出ることができない意味で実質的にその周囲に存在することを意味する。正確にはまることを必要ではない。
【0055】
[0062] 孔54が、カバープレート28に設けられる。孔54は、基板W上方からの気体の除去を可能にするように作用する。リッジ50、52は、基板Wの周辺からまたは周辺への気体の流れを低減するように作用する。支持テーブル24およびカバープレート28の両方上のリッジ50、52の代わりに、支持テーブル24上だけの1つ以上のリッジ50、またはカバープレート28上だけの1つ以上のリッジ52が、気体流れを妨げるように使用されることができる。孔54は、それぞれ1mm〜10mmの幅を有することができ、例えば5個から50個の間の孔54が、使用されることができる。一実施形態において、カバープレート24の表面の1パーセントから50パーセントが、孔54で開放されることができる。
【0056】
[0063] 孔54は、ロードロックが減圧されるとき、基板Wから上方へ気体が流れる効果を有する。このように、基板Wの全表面を横切る側方の気体流れが低減される。これは、基板Wの温度不均一性および冷却を低減する。孔は、この効果を有するために垂直方向に延びる必要性なく、低い表面で孔での初期的な気体流れが、垂直成分を有するには十分であることを留意されることができる。
【0057】
[0064] リッジ50、52は任意である。リッジ50、52は、ロードロック20へ向かうかつロードロック20からの基板Wの縁部を超える気体の側方流れを低減する。これは、さらに基板Wの温度不均一性および冷却を低減することができる。理解されるように、この効果は、支持テーブル24およびカバープレート28の両方上のリッジ50、52を用いて、またはそれらの一方だけ上の1つ以上のリッジ50、52を用いて達成されることができる。カバープレート28上でのリッジ52の使用は、支持テーブル24上の基板Wの配置を妨げない利点を有する。望ましくは、1つ以上のリッジ50、52は、周囲全体に沿って延びる。代わりに、わずかな遮断が、リッジ内に存在することができる。これらの遮断が、基板Wが側方に入りかつ出て移動されることを可能にする距離など、望ましい距離を越えて延びない限り、温度均一性および安定性の改善が実現されることができる。留意されるように、リッジ50、52は任意である。リッジ50、52による低減が無くとも、孔54の使用は、温度安定性を改善することができる、リッジ50、52は、さらに温度安定性を改善する。
【0058】
[0065] 望ましくは、カバープレート28は、同様に温度安定化された支持テーブル24であり得る。しかしながら、カバープレート28の安定化が無くとも、基板Wへのカバープレート28からの熱伝達が、両者の間の比較的大きな距離に起因して小さいので、改善された効果が実現されることができる。熱伝達は、カバープレート28と基板Wとの間の距離が10mmから3mmへ低減されるように、カバープレート28と支持テーブル24との間の距離を低減することによって改善されることができる。リッジ50、52は、この低減された距離で互いに接触することができる。
【0059】
[0066] 孔54が基板W上の領域をロードロック20の残りに接続する実施形態が示されるが、孔54は、ロードロック20と同じ圧力である任意の他の空間と同様に接続することができることが理解されるべきである。一実施形態において、カバープレート24は、ロードロック20の天井の一部である。孔54が他の空間に接続するなら、その空間内の圧力は、周辺を横切る気体流れを生じることを避けるために、ロードロック20と同一であることが望ましい。しかしながら、周辺が密封されるなら、カバープレート28および支持テーブル24は、効果的に他のロードロックを形成する。この場合に、他の空間内の圧力は、主ロードロック20の残り内の圧力より高い、または低いことがあり得る。
【0060】
[0067] 図6は、リソグラフィ処理システムを示し、リソグラフィ処理システムは、フォトレジストコーティング塗布器60、インスペクションデバイス62、ロードロック20、および真空空間内の基板テーブルWTとを備え、ロボット64、66は、それぞれロードロッド20およびコーティング塗布器60および基板テーブルWT間で、基板Wをロードロック20内へかつ外へ移動させる。インスペクションデバイス62は、ロードロック20とコーティング塗布器60との間、またはコーティング塗布器60内に配置される。望ましくは、インスペクションデバイス62は、基板Wの後側(すなわち、フォトレジストでコーティングされた側と反対の側)、基板Wの縁部、および/または基板Wの縁部に隣接する基板Wの前側の縁部領域などの、パターニングされたビームPBで照明されないが、取り扱いおよび支持デバイスと接触する基板Wの選択された部分を検査するように構成される。一実施形態において、インスペクションデバイス62は、パターニングされた放射で照明される基板Wの部分を検査するようにも構成される。インスペクションデバイス62は、フォトレジスト材料のトレースを検出するように構成された光学インスペクションデバイスであり得る。示されるように、インスペクションデバイス62は、それぞれ基板Wの前側および後側をインスペクションのためのいくつかの部品を有することができる。インスペクションデバイス62が、基板Wの選択された部分上のフォトレジスト材料のトレースが検出しないとき、インスペクションデバイス62は、基板Wがロードロック20内へ移動されることを可能にするようにロボット64に信号を送信する。ロードロック20内への基板Wの移動は、フォトレジスト材料の少なくともトレースが、選択された部分の少なくとも一部で検出された検出に応答して妨げられる。このように、長い停止時間を導くことがあるロードロック20の汚染が低減される。ロボット64は、信号が、フォトレジスト材料のトレースが、選択された部分の少なくとも一部で検出されたことを示すときに、基板Wを排除レセプタクル(図示せず)へ移動するようにプログラムされる。
【0061】
[0068] 一実施形態において、インスペクションは、ロードロックの外側で実行され、すなわち、基板Wの周りの雰囲気を排気する前に実行される。これは、インスペクションを簡単にし、かつ汚染が排気に起因してあいまいになる危険性を低減する。望ましくは、基板は、インスペクションの間および任意に温度安定化された雰囲気内で、温度安定化された構造(図示せず)によって保持されまたは支持される。構造は、支持テーブル24の温度を安定化するために使用される流体を通過する1つ以上の導管によって、温度安定化されることができる。雰囲気は、インスペクションの位置に隣接する壁を介してこの流体を通過することによって安定化されることができる。インスペクションの間に温度調整を与えることによって、インスペクションのために必要な時間は、基板温度を準備するために使用されることができる。これは、ロードロック20による温度安定化の必要性を低減することができる。
【0062】
[0069] 図7は、追加のドア70に加えて、第1のドア21aおよび第2のドア21Bを備えるロードロック20の上面図を示す。第1のドア21aは、ロードロック20をフォトレジストコーティング塗布器60に結合する。追加のドア70は、1つ以上の基板が補助モジュール72から入れられることを可能にする。動作において、追加のドア70は、フォトレジストコーティング塗布器60を通過することなく、洗浄および/または較正などの特定の動作のために基板を入れるために使用される。これは、追加のロードロックを使用することなく、かつフォトレジストコーティング塗布器60を分離することなく、そのような特定の動作を実行することを可能にする。特に、フォトレジストコーティング塗布器60が例えば保守のために一時的に使用されないときに、特定の動作が実行されることができる。特定の洗浄動作の一例において、事前洗浄された基板は、追加のドア70を通って入れられ、基板が、そのような位置から汚染を取り上げるために、処理の間にリソグラフィ装置と通常接触する1つ以上の位置に配置される。これは、ロードロック20内および/または主真空空間内に複数の位置を含むことができる。このように洗浄が実行されることができる。他のアプリケーションにおいて、較正構造を有する基板が、リソグラフィ装置内で較正測定を実行するために追加のドア70を通して入れられることができる。そのような動作に使用される基板は、その後、追加のドア70を通して再び取り除かれることができる。追加のドア70が、そのようなハンドラへの結合を可能にするように構成されたサイズおよび形状を有する場合に、知られているFOUPハンドラなどの標準の基板ハンドラ(キャリア)が使用されることができる。各場合に、フォトレジストコーティング塗布器60のための第1のドア21aは、そのような特定の動作のために基板を供給しかつ/または取り除くために必要は無い。典型的に、そのような動作のために基板から製造されるデバイスは無い。
【0063】
[0070] 図8は、ロードロック20、バッファ容器80、弁82、拡散器82、および圧力レギュレータ86を備える装置の実施形態を示す。バッファ容器80は、連続して弁82および拡散器84を介してロードロック20の通気接続22bに接続される。圧力レギュレータ86は、バッファ容器80に結合される。プログラムされたコンピュータなどの制御回路は、弁82および圧力レギュレータ86の動作を制御する。動作において、制御回路は、ロードロック20が通気されるまで弁82を閉鎖する。弁82が閉鎖されている間に、圧力レギュレータ86は作動される。作動時、圧力レギュレータ86は、例えばバッファ容器80に気体を追加するまたは気体を取り除くことによって、バッファ容器80内の気体圧力を所定の圧力に調整する。基板Wが、リソグラフィ装置の真空空間からリソグラフィ装置の外側に搬送されるとき、基板Wは、ロードロック20内に挿入される。ロードロック20のドア21a、bが閉鎖されたとき、圧力レギュレータ86は作動されず、かつ弁82は開放され、拡散器84を通してバッファ容器80からロードロック20へ気体が流れることを可能にする。このように、ロードロック20およびバッファ容器80内の圧力は、均等化される。望ましくは、圧力均等化の後で、ロードロック20内の圧力が、外側の圧力に等しいまたはわずかに超えるように、バッファ容器80内の調整された圧力が選択される。一実施形態において、バッファ容器80の容積は、ロードロック20の容積と同じ大きさである。これは、強い気体流れを妨げる。代わりに、より高い圧力でより小さな容器が、気体流れ抵抗、および/またはバッファ容器80とロードロック20との間に結合される粒子フィルタを組み合わせて使用されることができる。これは、通気速度を増大するために使用されることができる。バッファ容器80内の圧力調整は、弁82が閉鎖されるときのほとんどの全時間間隔の間に低速で行われることができ、かつ非常に高圧力を有さないバッファ容器からの気体を用いる圧力均等化も強い流れを避ける。拡散器84は、さらに流れ速度を低減する。
【0064】
[0071] 基板を真空空間内の基板テーブルWTへ搬送するための1つのロードロックが、図面に示されたが、リソグラフィ装置が、並行に複数の同様のロードロックを有することができることが理解されるべきである。このように、サイクル時間は、1つまたは複数のロードロックが排気されまたは通気される間に、基板を1つのロードロックに入れることによって得られることができる。望ましくは、一旦、基板がロードロックの外に取り出されると、他の基板が、関連するドアが開放されたままでいる間に挿入される。このように、1つの排気通気サイクルが、複数の基板のために使用されることができる。
【0065】
[0072] 同一のロードロックが、真空空間に基板を搬送するため、および真空空間から基板を搬送するための両方に使用される実施形態が示されたが、代替として、一方向搬送のために特定化されたロードロックが使用されることができることが理解されるべきである。その場合に、支持テーブル24およびカバープレート28などの構成部品は、真空空間に向かう搬送のためにロードロック内に設けられることができる。それらは、必ずしも真空空間からの搬送のためにロードロック内で使用される必要は無い。同じことが、インスペクションデバイスの使用に当てはまる。2つの方向の搬送のためのロードロックの使用は、必要であるロードロックが少ない利点を有する。ほとんどのサイクル時間が、全てのロードロックについて実行されなければならないロードロックの排気および通気に使用されるので、これは、結果として処理サイクル時間のわずかな損失を生じる。
【0066】
[0073] ロードロックが、真空室内に直接開放される構成が示されたが、1つ以上の中間室が、ロードロックと主真空室との間に存在することができるが理解されるべきである。また複数のロボットが、連続する搬送ステップを実行するために使用されることができる。
【0067】
[0074] 基板Wが、ロードロック20内に水平方向に載る構成が示されたが、クランピングが使用されるとき、任意の他の方位が使用され得ることが理解されるべきである。これに関して、基板が水平方向に向けられたときに垂直に上方および下方に対応する同様の用語「上方」および「下方」は、上方・下方方向の一般的な意味にしたがって使用され、パターニングされるべき基板の表面は、下方方向である基板の反対表面に対して上方方向である。
【0068】
[0075] 特定の参照が、ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に対して本明細書で行われることができるが、本明細書に記載されるリソグラフィ装置は、集積された光学システム、磁気ドメインメモリのためのガイドおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造などの他のアプリケーションを有することができることは理解されるべきである。当業者は、そのような代わりのアプリケーションに関連して、本明細書における用語「ウェーハ」または「ダイ」の任意の使用は、それぞれより一般的な用語「基板」または「ターゲット部分」と同義であると考えられることができることを理解する。本明細書に参照される基板は、例えばトラック(一般的に基板にレジストの層を塗布し、かつ露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジツール、および/またはインスペクションツールで、露光の前または後で処理されることができる。適切な場合、本明細書における開示は、そのような基板処理ツールおよび他の基板処理ツールに与えられることができる。さらに、基板は、本明細書で使用される用語基板は、既に複数の処理された層を含む基板も参照することができるように、例えば複数層ICを作るために1回以上処理されることができる。
【0069】
[0076] 特定の参照が、光学リソグラフィに関連して本発明の実施形態の使用に対して上記で行われることができるが、本発明が、例えばインプリントリソグラフィなどの他のアプリケーションで使用されることができ、および文脈が可能であれば光学リソグラフィに制限されないことが理解される。インプリントリソグラフィにおいて、パターニングデバイスにおけるトポグラフィは、基板上に作られるパターンを規定する。パターニングデバイスのトポグラフィは、レジストが、電磁気放射、熱、圧力、またはそれらの組み合わせを印加することによって硬化されたとき、基板に供給されるレジストの層に押圧されることができる。パターニングデバイスは、レジストが硬化された後、レジストの外に移動され、その内にパターンを残す。
【0070】
[0077] 本明細書に使用される用語「放射」または「ビーム」は、紫外(UV)放射(例えば、365、355、248、193、157、または126nmの波長、またはほぼそれらの波長を有する)、および極紫外(EUV)放射(例えば、5nmから20nmの範囲の波長を有する)、ならびにイオンビームまたは電子ビームなどの粒子ビームを含む、全てのタイプの電磁放射を包含する。
【0071】
[0078] 文脈が許容する場合に用語「レンズ」は、屈折、反射、磁気、電磁気、および静電光学構成部品を含む様々なタイプの光学構成部品の任意の1つまたはそれらの様々な組み合わせを参照することができる。
【0072】
[0079] 本発明の特定の実施形態が、上述されたが、本発明は、記載されるより他の方法で実施されることができることは理解される。例えば、本発明は、上記で開示される方法を記載する機械読取可能な命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラム、またはそのようなコンピュータプログラムを内部に記憶するデータ格納媒体(例えば、半導体メモリ、磁気または光ディスク)の形態をとることができる。
【0073】
[0080] 上記記載は、限定せず例示されることを目的とする。したがって、修正は、示される請求項の範囲を逸脱することなく、記載された本発明に行われることができることは当業者には明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバを有する基板処理装置であって、
基板が入ることを可能にする第1のドア、および前記処理チャンバへ直接的または間接的に前記基板が出ることを可能にする第2のドアを有する気体除去のためのロードロックと、
前記基板を支持するために上表面を有する、前記ロードロック内の支持テーブルと、
前記支持テーブルの前記上表面に面する下表面を有する、前記ロードロック内のカバープレートとを備え、
前記カバープレートの前記下表面に開口が設けられて、前記下表面に対して実質的に垂直方向に前記基板上方から気体の除去を可能にする、基板処理装置。
【請求項2】
前記開口は、前記ロードロックの残りへの、または前記ロードロックの前記残りと同一の気体圧力を有する空間への気体の除去を可能にする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記カバープレートは前記基板の幅より大きい幅を有し、前記支持テーブルおよび/または前記カバープレートの縁部に沿って、前記支持テーブルの前記上表面および/または前記カバープレートの前記下表面から延びるリッジが設けられ、前記基板が前記リッジにはめ込まれる、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記支持テーブルの前記上表面および/または前記カバープレートの前記下表面をこれら表面に対して実質的に垂直方向に互いに対して移動する駆動機構を備える、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記カバープレートは温度安定化される、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記支持テーブルは温度安定化される、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記基板を支持するための、前記支持テーブルの前記上表面上の複数の等しい高さのバンプと、
前記支持テーブルの前記上表面内に開口を備える気体除去構成とを備え、
前記気体除去構成は、前記支持テーブルの前記上表面と前記基板との間の気体圧力を、前記支持テーブルの前記上表面内の前記開口を初期的に通して、前記ロードロックの残り内の同時ロードロック圧力より低い所定の圧力に低減し、かつ、前記ロードロックの前記残り内の前記ロードロック圧力が前記所定の圧力より低く低下したときに、前記ロードロックの前記残り内の前記ロードロック圧力とともに、前記支持テーブルの前記上表面と前記基板との間の前記気体圧力を低減する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記支持テーブル内の孔を通って延びる支持ピンと、駆動機構とを備え、前記駆動機構は、少なくとも、前記支持ピンが前記支持テーブルから上方に延びる第1の位置と、前記支持テーブルの上表面が前記支持ピンの頂部または前記支持ピンの頂部上の上昇したレベルにある第2の位置との間で、前記支持ピンに対して前記支持テーブルを移動する、請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
基板処理装置はリソグラフィ装置であり、前記基板処理装置は、
パターニングされた放射ビームを形成するために、前記放射ビームの断面にパターンを与えることができるパターニングデバイスを支持するサポートと、
前記処理チャンバ内に基板を保持する基板テーブルと、
前記処理チャンバ内の前記基板のターゲット部分上に前記パターニングされた放射ビームを投影する投影システムとを備える、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
処理チャンバを有する基板処理装置であって、
基板が入ることを可能にする第1のドア、および前記処理チャンバへ直接的または間接的に前記基板が出ることを可能にする第2のドアを有する気体除去のためのロードロックと、
支持ケーブルの上表面上に複数の等しい高さのバンプを備え、前記基板を支持するために前記ロードロック内の温度安定化された支持テーブルと、
前記支持テーブルの前記上表面内に開口を備える気体除去構成とを備え、
前記気体除去構成は、前記支持テーブルの前記上表面と前記基板との間の気体圧力を、前記開口を初期的に通して、前記ロードロックの残り内の同時ロードロック圧力より低い所定の圧力に低減し、かつ、前記ロードロックの前記残り内の前記ロードロック圧力が前記所定の圧力より低く低下したときに、前記ロードロックの前記残り内の前記ロードロック圧力とともに、前記支持テーブルの前記上表面と前記基板との間の気体圧力を低減する、基板処理装置。
【請求項11】
前記支持テーブル内の孔を通って延びる支持ピンと、駆動機構とを備え、前記駆動機構は、少なくとも、前記支持ピンが前記支持テーブルから上方に延びる第1の位置と、前記支持テーブルの上表面が前記支持ピンの頂部または前記支持ピンの頂部上の上昇したレベルにある第2の位置との間で、前記支持ピンに対して前記支持テーブルを移動する、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記支持テーブルは前記基板の幅より大きい幅を有する、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項13】
基板処理装置はリソグラフィ装置であり、前記基板処理装置は、
パターニングされた放射ビームを形成するために、前記放射ビームの断面にパターンを与えることができるパターニングデバイスを支持するサポートと、
前記処理チャンバ内に基板を保持する基板テーブルと、
前記処理チャンバ内の前記基板のターゲット部分上に前記パターニングされた放射ビームを投影する投影システムとを備える、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項14】
処理チャンバを有する基板処理装置であって、
基板が入ることを可能にする第1のドア、および前記処理チャンバへ直接的または間接的に前記基板が出ることを可能にする第2のドアを有するロードロックと、
前記ロードロックが通気されたときに気体を提供するために前記ロードロックに結合されたバッファ容器であって、前記ロードロックの容積より大きい、および/または拡散器を介して前記ロードロックに結合された容積を有するバッファ容器と、
前記バッファ容器に結合された圧力安定器と、
前記バッファ容器と前記ロードロックとの間に結合された弁と、
前記圧力安定器に、前記弁が閉鎖されている間に前記バッファ容器内の気体圧力を安定化させ、かつ前記ロードロックが通気されたときに前記弁を開放させせる制御ユニットとを備える、基板処理装置。
【請求項15】
処理チャンバを有するリソグラフィ装置であって、
パターニングされた放射ビームを形成するために、前記放射ビームにその断面にパターンを与えることができるパターニングデバイスを支持するサポートと、
前記処理チャンバ内に基板を保持する基板テーブルと、
前記処理チャンバ内の前記基板のターゲット部分上に前記パターニングされた放射ビームを投影する投影システムと、
前記基板にコーティングを施すように構成されたコーティング塗布デバイスと、
前記コーティング塗布デバイスから搬送するための第1のドアおよび前記処理チャンバに向けて搬送するための第2のドアを有し、前記コーティング塗布デバイスと前記処理チャンバとの間のロードロックと、
コーティング後でありかつ前記ロードロック内に入る前に、前記パターニングされたビームを使用してパターニングされていない前記基板の少なくとも一部を検査する基板インスペクションシステムとを備える、リソグラフィ装置。
【請求項16】
検査の間に前記基板を支持する温度安定構造、および/または検査の間に前記基板と接触する気体の温度を調整する気体温度レギュレータとを備える、請求項15に記載のリソグラフィ装置。
【請求項17】
処理チャンバを有するリソグラフィ装置であって、
パターニングされた放射ビームを形成するために、前記放射ビームにその断面にパターンを与えることができるパターニングデバイスを支持するサポートと、
前記処理チャンバ内に基板を保持する基板テーブルと、
前記処理チャンバ内の前記基板のターゲット部分上に前記パターニングされた放射ビームを投影する投影システムと、
前記基板にコーティングを施すためのコーティング塗布デバイスと、
前記コーティング塗布デバイスと前記処理チャンバとの間のロードロックであって、前記コーティング塗布デバイスに向かう第1のドア、および前記処理チャンバに向かう第2のドアを有し、かつ前記コーティング塗布デバイスを通って進むことなく基板を入れるための第3のドアを有するロードロックとを備える、リソグラフィ装置。
【請求項18】
デバイス製造方法であって、
処理チャンバ内で基板を処理するステップと、
ロードロックを通して前記処理チャンバへ前記基板を通過させるステップと、
支持テーブルとカバープレートとの間の前記ロードロック内に前記基板を挿入するステップと、
前記ロードロックから気体を取り除くステップと、
前記カバープレート内の開口を通じて、前記基板の表面に対して実質的に垂直な方向に、前記基板と前記カバープレートとの間の領域から前記ロードロックへ気体を取り除くステップとを含むデバイス製造方法。
【請求項19】
前記基板の周辺へ、または前記基板の周辺から前記基板の中心に向かう気体流れを妨げるステップを含む、請求項18に記載のデバイス製造方法。
【請求項20】
前記基板が、前記支持テーブルの上表面上に配置された後、前記支持テーブルの前記上表面および/または前記カバープレートの下表面を互いに向かって移動させるステップを含む請求項18に記載のデバイス製造方法。
【請求項21】
デバイス製造方法であって、
処理チャンバ内で基板を処理するステップと、
ロードロックを通して前記処理チャンバへ前記基板を通過させるステップと、
温度安定化支持テーブル上の前記ロードロック内に前記基板を挿入するステップであって、前記支持テーブルは前記基板を支持する前記支持テーブルの上表面上に複数の等しい高さのバンプを備え、前記支持テーブルの前記上表面に開口が存在する、前記基板を挿入するステップと、
前記基板が前記バンプ上に載るとき、前記支持テーブルの前記上表面と前記基板との間の空間から前記開口を通じて気体を取り除くことによって、前記ロードロックの残り内の同時ロードロック圧力より低い所定の圧力に、初期的に前記支持テーブルの前記上表面と前記基板との間の気体圧力を低減するステップと、
前記ロードロックの前記残り内の前記ロードロック圧力が前記所定の圧力より低く低下したときに、前記ロードロックの前記残り内の前記ロードロック圧力とともに、前記支持テーブルの前記上表面と前記基板との間の気体圧力を低減するステップとを含むデバイス製造方法。
【請求項22】
前記基板の上表面に面する下表面を有する前記カバープレートを有する前記ロードロック内に配置されたカバープレートを提供するステップを含む、請求項21に記載のデバイス製造方法。
【請求項23】
前記基板が前記支持テーブルの前記上表面上に配置された後、前記支持テーブルの前記上表面および/または前記カバープレートの前記下表面を互いに向けて移動させるステップを含む、請求項22に記載のデバイス製造方法。
【請求項24】
前記カバープレートの前記下表面内の開口を通じて前記基板上の空間から気体を取り除くステップを含む、請求項22に記載のデバイス製造方法。
【請求項25】
前記基板の周辺から前記基板の中心に向かう気体流れを妨げるステップを含む、請求項24に記載のデバイス製造方法。
【請求項26】
前記処理チャンバ内の前記基板上にパターニングされたビームを投影するステップを含む、請求項21に記載のデバイス製造方法。
【請求項27】
デバイス製造方法であって、
処理チャンバ内で基板を処理するステップと、
ロードロックを通して前記処理チャンバから前記基板を通過させるステップと、
少なくともバッファ容器が前記ロードロックと連通していない間に、前記バッファ容器内の気体圧力を調整するステップと、
前記バッファ容器と前記ロードロックとの間に気体流れ接続を提供することによって前記ロードロックを通気するステップとを含む、デバイス製造方法。
【請求項28】
デバイス製造方法であって、
基板にフォトレジストコーティングを施すステップと、
前記基板がコーティングされた後、ロードロックを介して処理チャンバへ前記基板を通過させるステップと、
前記処理チャンバ内の前記基板のターゲット部分上にパターニングされた放射ビームを投影するステップと、
コーティング後でありかつ前記ロードロック内に入る前に、前記パターニングされたビームを使用してパターニングされていない前記基板の少なくとも一部を自動的に検査するステップとを含む、デバイス製造方法。
【請求項29】
検査の間に前記基板の温度を安定化させるステップを含む、請求項28に記載のデバイス製造方法。
【請求項30】
デバイス製造方法であって、
基板にフォトレジストコーティングを施すステップと、
前記基板がコーティングされた後、ロードロックの第1のドアを介して前記ロードロックへ前記基板を通過させるステップと、
前記基板がコーティングされた後、ロードロックの第2のドアを介して前記ロードロックから処理チャンバへ前記基板を通過させるステップと、
前記処理チャンバ内の前記基板のターゲット部分上にパターニングされた放射ビームを投影するステップと、
前記ロードロックの第3のドアを介して、それからデバイスが製造されないさらなる基板を導入しかつ/または取り除くことによって、前記デバイスを製造するために使用される装置を洗浄しかつ/または較正するステップとを含む、デバイス製造方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−9883(P2012−9883A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−177939(P2011−177939)
【出願日】平成23年8月16日(2011.8.16)
【分割の表示】特願2008−286357(P2008−286357)の分割
【原出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】