説明

基板処理装置の供給異常検知方法及びそれを用いた基板処理装置

【課題】異なる監視時間の時間帯を複数設定することにより、供給異常を適切に検知することができる。
【解決手段】SPM処理液が生成されてから新たなSPM処理液を生成するまでの間を二つの時間帯(第1の時間帯TZ1、第2の時間帯TZ2)に区切り、積算するための監視間隔がそれぞれ第1の監視間隔TI1と第2の監視間隔TI2との個別に設定されている。したがって、SPM処理液が生成されてからの経過時間に応じて薬液の補充頻度が異なる場合であっても、供給異常を適切に検知することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ用基板、プラズマディスプレイ用基板、有機EL用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスプレイ用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板(以下、単に基板と称する)に対して、処理液によって処理を行う基板処理装置の供給異常検知方法及びそれを用いた基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の方法として、薬液を含む処理液の薬液濃度を測定しつつ、処理液を基板に対して供給し、基板に対する処理が正常に行われた場合における、ある一定の監視間隔内における薬液の供給量を積算して正常値として算出して予め記憶しておく。そして、監視間隔内における薬液の供給量を積算して実績値を算出し、正常値と実績値とを比較する。その結果、正常値に対して設定された上下限の範囲を実績値が超える場合には、濃度計を含む濃度制御系に何らかの異常が発生していると判断するものが挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−235812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、例えば、硫酸と過酸化水素水を混合して生成される処理液(SPM(Sulfuric acid/hydrogen Peroxide Mixture)とも呼ばれる)では、処理液を生成した後、硫酸の脱水作用により過酸化水素水の濃度が低下する。そのため、過酸化水素水の補充が頻繁に行われることになる。その後、過酸化水素水が分解され、処理液中における水分が増えるので、次第に硫酸の濃度が低下し、逆に硫酸の補充が頻繁に行われることになる。
【0005】
このように、硫酸と過酸化水素水の混合溶液を処理液とした場合では、それぞれに補充頻度が高い時間帯と、補充頻度が低い時間帯とが存在し、かつ、それぞれの時間帯が異なる。したがって、供給量を積算する監視間隔が全液交換するまでの間で一定であると、適切に供給異常を検知することができないという問題がある。
【0006】
なお、上記の例では、二薬液を含む処理液で説明したが、一薬液を含む処理液であっても処理液生成後と、生成後からの経過時間に応じて薬液の補充頻度が変化する場合があり、やはり上記と同様の問題が生じ得る。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、異なる監視時間の時間帯を複数設定することにより、供給頻度が変わる場合であっても供給異常を適切に検知することができる基板処理装置の供給異常検知方法及びそれを用いた基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、処理液を基板に供給して処理を行う基板処理装置の供給異常検知方法において、薬液供給手段により薬液が供給される供給配管を流れる処理液中の薬液濃度を濃度測定手段により測定しつつ処理液を供給する過程と、前記処理液の生成から新たな処理液を生成するまでを、第1の時間帯と第2の時間帯との少なくとも二つの時間帯に区分けし、第1の時間帯において、第1の監視間隔で薬液供給手段からの薬液の供給量を積算して第1の実績値として算出する過程と、薬液の供給が正常な状態における前記第1の時間帯において、薬液の供給量を前記第1の監視間隔で積算して予め得られている第1の正常値と、前記第1の実績値とを比較することにより供給異常の有無を判断する過程と、前記第2の時間帯において、第2の監視間隔で薬液供給手段からの薬液の供給量を積算して第2の実績値として算出する過程と、薬液の供給が正常な状態における前記第2の時間帯において、薬液の供給量を前記第2の監視間隔で積算して予め得られている第2の正常値と、前記第2の実績値とを比較することにより供給異常の有無を判断する過程と、を備えていることを特徴とするものである。
【0009】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、薬液供給手段から薬液が供給される供給配管の薬液濃度を濃度測定手段で測定しつつ処理液を供給する。処理液の生成から新たな処理液を生成するまでを、少なくとも第1の時間帯と第2の時間帯とに区分けしておき、第1の時間帯においては、第1の監視間隔で薬液の供給量を積算して第1の実績値として算出し、第1の正常値と比較する。第1の正常値は、薬液の供給が正常に行われた際の第1の時間帯において、薬液の供給量を第1の監視間隔で積算して予め得られている値であるので、薬液の濃度測定系に異常があれば、第1の実績値と第1の正常値との間に差異が生じる。したがって、これに基づき第1の時間帯において供給異常の発生を判断することができる。
【0010】
また、第2の時間帯においては、第2の監視間隔で薬液の供給量を積算して第2の実績値として算出し、第2の正常値と比較する。第2の正常値は、薬液の供給が正常に行われた際の第2の時間帯において、薬液の供給量を第2の監視間隔で積算して予め得られている値であるので、薬液の濃度測定系に異常があれば、第2の実績値と第2の正常値との間に差異が生じる。したがって、これに基づき第2の時間帯において供給異常の発生を判断することができる。
【0011】
このように、処理液が生成されてから新たな処理液を生成するまでの間を少なくとも二つの時間帯に区切り、積算するための監視間隔がそれぞれ個別に設定されているので、処理液が生成されてからの経過時間に応じて薬液の補充頻度が異なる場合であっても、供給異常を適切に検知することができる。
【0012】
なお、「処理液の生成から」とは、液交換後の処理液生成後からであり、ここで処理液生成とは液交換後の処理液が処理に使用可能な状態となった時点である。また、「新たな処理液を生成するまで」とは、処理液が時間的な交換時期に達した時点である。
【0013】
また、本発明において、前記第1の実績値は、前記第1の時間帯において、薬液供給手段からの供給回数を前記第1の監視間隔で計数して得られる値であり、前記第1の正常値は、薬液供給手段からの薬液の供給が正常な状態における前記第1の時間帯において、薬液供給手段からの供給回数を前記第1の監視間隔で計数して予め得られている値であり、前記第2の実績値は、前記第2の時間帯において、薬液供給手段からの供給回数を前記第2の監視間隔で計数して得られる値であり、前記第2の正常値は、薬液供給手段からの薬液の供給が正常な状態における前記第2の時間帯において、薬液供給手段からの供給回数を前記第2の監視間隔で計数して予め得られている値であることが好ましい(請求項2)。薬液の供給量に代えて、第1の監視間隔内における供給回数を第1の実績値及び第1の正常値とし、第2の監視間隔内における供給回数を第2の実績値及び第2の正常値とすることで、測定を比較的容易に行うことができる。
【0014】
また、本発明において、前記第1の時間帯は、前記処理液を生成した時点を基準として、一定の無視時間を経過した時点から設定されていることが好ましい(請求項3)。処理液生成後の一定時間は、薬液濃度が安定しづらいので、その不安定期間では供給異常の判断から除外することで、供給異常の判断の精度を向上させることができる。
【0015】
また、本発明において、前記異常の有無を判断する過程は、前記第1の正常値を基準とした上限値と下限値の範囲が用いられるとともに、上限値は下限値よりも第1の正常値からの偏差が小さく設定され、前記第2の正常値を基準とした上限値と下限値の範囲が用いられるとともに、上限値は下限値よりも第2の正常値からの偏差が小さく設定されていることが好ましい(請求項4)。薬液の濃度が高い場合には基板に対してダメージが大きく、再処理が不可能となる場合があるので、上限値に関しては早く異常検知ができる方が好ましいからである。
【0016】
請求項5に記載の発明は、処理液を基板に供給して処理を行う基板処理装置において、処理液を貯留し、基板を収容する処理槽と、薬液を含む処理液を前記処理槽に供給する供給配管と、前記供給配管に薬液を供給する薬液供給手段と、処理液中の薬液濃度を測定する濃度測定手段と、前記濃度測定手段の測定結果に応じて前記薬液供給手段を操作して、薬液の濃度を制御する濃度制御手段と、処理液の生成から新たな処理液を生成するまでを、第1の時間帯と第2の時間帯との少なくとも二つの時間帯に区分けし、薬液の供給が正常な状態における第1の時間帯において、第1の監視間隔で前記薬液供給手段からの薬液の供給量を積算して第1の正常値を予め求めておき、薬液の供給が正常な状態における第2の時間帯において、第2の監視間隔で前記薬液供給手段からの薬液の供給量を積算して第2の正常値を予め求めておき、少なくとも前記第1の時間帯と前記第2の時間帯と、前記第1の監視間隔と前記第2の監視間隔と、前記第1の正常値と前記第2の正常値とを予め記憶する記憶手段と、前記第1の時間帯において、前記薬液供給手段からの供給量を第1の時間間隔で積算して第1の実績値として算出し、前記第2の時間帯において、前記薬液供給手段からの供給量を第2の時間間隔で積算して第2の実績値として算出する実績値算出手段と、前記第1の正常値と前記第1の実績値、及び前記第2の正常値と前記第2の実績値とに基づいて供給異常の有無を判断する判断手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0017】
[作用・効果]請求項5に記載の発明によれば、供給配管に薬液供給手段から薬液を供給し、薬液濃度を濃度測定手段が測定し、その結果に応じて濃度制御手段が薬液供給手段を操作して、濃度を制御し、処理液が生成されて処理槽に供給される。薬液の濃度測定系に異常があるか否かは、記憶手段に予め記憶されている第1の時間帯と第2の時間帯と、第1の監視間隔と第2の監視間隔と、第1の正常値と第2の正常値とに基づき判断手段が判断を行う。つまり、判断手段は、第1の時間帯における第1の監視間隔で実績値算出手段により算出された第1の実績値と、第2の時間帯における第2の監視間隔で実績値算出手段により算出された第2の実績値とを、記憶手段に予め記憶されている第1の時間帯における第1の正常値と、第2の時間帯における第2の正常値とそれぞれ比較する。薬液の濃度測定系に異常があれば、第1の実績値と第1の正常値と、第2の実績値と第2の正常値との間に差異が生じる。したがって、これに基づき第1の時間帯及び第2の時間帯において供給異常の発生を判断することができる。このように、処理液が生成されてから新たな処理液を生成するまでの間を少なくとも二つの時間帯に区切り、積算するための監視間隔がそれぞれ個別に設定されているので、処理液が生成されてからの経過時間に応じて薬液の補充頻度が異なる場合であっても、供給異常を適切に検知することができる。
【0018】
なお、「処理液の生成から」とは、液交換後の処理液生成後からであり、ここで処理液生成とは液交換後の処理液が処理に使用可能な状態となった時点である。また、「新たな処理液を生成するまで」とは、処理液が時間的な交換時期に達した時点である。
【0019】
また、本発明において、前記第1の実績値は、前記第1の時間帯において、前記薬液供給手段からの供給回数を前記第1の監視間隔で計数して得られる値であり、前記第1の正常値は、前記薬液供給手段からの薬液の供給が正常な状態における前記第1の時間帯において、前記薬液供給手段からの供給回数を前記第1の監視間隔で計数して予め得られている値であり、前記第2の実績値は、前記第2の時間帯において、前記薬液供給手段からの供給回数を前記第2の監視間隔で計数して得られる値であり、前記第2の正常値は、前記薬液供給手段からの薬液の供給が正常な状態における前記第2の時間帯において、前記薬液供給手段からの供給回数を前記第2の監視間隔で計数して予め得られている値であることが好ましい(請求項6)。薬液の供給量に代えて、第1の監視間隔内における供給回数を第1の実績値及び第1の正常値とし、第2の監視間隔内における供給回数を第2の実績値及び第2の正常値とすることで、測定を比較的容易に行うことができる。
【0020】
また、本発明において、前記判断手段は、前記処理液を生成した時点を基準として、一定の無視時間を経過した時点から前記第1の時間帯までは異常の判断を行わないことが好ましい(請求項7)。処理液生成後の一定時間は、薬液濃度が安定しづらいので、その不安定期間では判断手段が供給異常の判断を行わないことで、供給異常の判断の精度を向上させることができる。
【0021】
また、本発明において、前記記憶手段は、前記第1の正常値を基準とした上限値と下限値と、前記第2の正常値を基準とした上限値と下限値とを予め記憶し、前記第1の正常値の上限値は下限値よりも第1の正常値からの偏差が小さく設定され、前記第2の正常値の上限値は下限値よりも第2の正常値からの偏差が小さく設定され、前記判断手段は、前記第1の正常値の上限値と下限値から前記第1の実績値が外れた場合に供給異常と判断し、前記第2の正常値を基準とした上限値と下限値の範囲から前記第2の実績値が外れた場合に供給異常と判断することが好ましい(請求項8)。薬液の濃度が高い上限値に関して早く異常検知することにより、基板へのダメージが大きく基板の再処理が不可能となるような不都合を回避することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る基板処理装置の供給異常検知方法によれば、処理液が生成されてから新たな処理液を生成するまでの間を少なくとも二つの時間帯に区切り、積算するための監視間隔がそれぞれ個別に設定されているので、処理液が生成されてからの経過時間に応じて薬液の補充頻度が異なる場合であっても、供給異常を適切に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施例1に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】動作説明に供するタイムチャートである。
【図3】実施例2に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】動作説明に供するタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る基板処理装置の供給異常検知方法及びそれを用いた基板処理装置について説明するが、基板処理装置を主に説明し、その制御において供給異常検知方法について説明する。
【実施例1】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。
図1は、実施例1に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【0026】
この基板処理装置は、処理槽1、内槽3と、外槽5とを備えている。処理槽1は、処理液を貯留し、内槽3が基板Wを収容する。外槽5は、内槽3から溢れた処理液を回収する。図示省略しているが、内槽3の内部にあたる処理位置と、内槽3の上方にあたる待機位置とにわたって昇降可能な昇降アームが備えられ、例えば、昇降アームは複数枚の基板W(1ロット分)を起立姿勢で保持する。そして、待機位置から処理位置に昇降アームが下降すると、複数枚の基板Wが内槽3の処理液中に浸漬される。
【0027】
内槽3は、底部の両側に一対の噴出管13を備えている。外槽5は、回収した処理液を排出するための排出口15を底部に備えている。噴出管13と排出口15とは、供給配管17で連通接続されている。供給配管17には、排出口15側から順に、ポンプ19と、インラインヒータ21と、フィルタ23と、濃度検出部25とが取り付けられている。インラインヒータ21は、流通する処理液を加熱する機能を備えている。フィルタ23は、処理液中のパーティクル等を除去する機能を有する。濃度検出部25は、例えば、供給配管17の一部に設けられており、例えば、処理液の透過光強度を検出する。
【0028】
なお、濃度検出部25が本発明における「濃度測定手段」に相当する。
【0029】
供給配管17は、ポンプ19の下流側に分岐配管27が連通接続されている。この分岐配管27には、開閉弁29が取り付けられている。この開閉弁29は、処理時には閉止されており、処理槽1及び供給配管17内に貯留している処理液を排出する際には開放される。
【0030】
内槽3には、第1供給管31と、第2供給管33と、第3供給管35の先端部が配置されている。第1供給管31は、その基端部が例えば純水供給源に連通接続され、流量を調整する制御弁37と、流量計39とが上流側から順に取り付けられている。また、第2供給管は、基端部が例えば過酸化水素水供給源に連通接続され、制御弁41と流量計43とが取り付けられている。第3供給管35は、基端部が例えば硫酸供給源に連通接続され、制御弁45と流量計47とが取り付けられている。
【0031】
また、外槽5には、第1補充管51と第2補充管53の先端部が配置されている。第1補充管51は、基端部が過酸化水素水供給源に連通接続され、制御弁55と流量計57とが設けられている。第2補充管53は、基端部が硫酸供給源に連通接続され、制御弁59と流量計61とが取り付けられている。
【0032】
なお、第1補充管51と第2補充管53とが本発明における「薬液供給手段」に相当する。
【0033】
制御部63は、上述したポンプ19の駆動、インラインヒータ21の温度制御、開閉弁29の開閉、制御弁37,41,45,55,59などを制御するとともに、後述するような供給異常を検知する機能を備えている。制御部63は、供給異常を検知した場合には、異常発生信号を出力端子64aに出力したりする。出力端子64aには、アラーム64bが接続されている。アラーム64bは、例えば、装置のオペレータに対して異常が発生したことを報知するものであり、例えば、ブザーやランプなどが挙げられる。また、制御部63は、供給異常を検知した場合に本装置による処理を停止させる等の制御も行う。
【0034】
また、制御部63は、濃度制御系にあたる濃度測定部65と、濃度制御部67とを備えている。濃度測定部65は、濃度検出部25からの信号に基づいて、処理液中の薬液濃度を算出し、濃度値として濃度制御部67に出力する。濃度制御部67は、算出された濃度値と、目標値との差分に応じて制御弁55,59の開度を調整し、薬液を補充する。また、例えば、硫酸と過酸化水素水を含むSPM処理液を生成する際には、濃度制御部67が流量計43,47を監視しつつ第2供給管33の制御弁41と第3供給管の制御弁45とを操作し、所定重量比の硫酸と過酸化水素水を内槽3に供給する。その後、上述したようにして薬液を適宜に補充する。
【0035】
なお、濃度測定部65が本発明における「濃度測定手段」に相当し、濃度制御部67が本発明における「濃度制御手段」に相当する。
【0036】
制御部63は、メモリ69と、判断部71と、カウンタ・タイマ73と、供給量積算部75とを備えている。
【0037】
メモリ69は、次のパラメータや判断値を予め記憶している。パラメータは、無視時間、第1の時間帯、第2の時間帯、第1の監視間隔、第2の監視間隔である。また、判断値は、第1の正常値と、第2の正常値と、第1の正常値を基準とした上限値と下限値と、第2の正常値を基準とした上限値と下限値である。
【0038】
これらの詳細は後述するが、概要は次の通りである。無視時間は、液交換後の処理液生成後(処理液が処理に使用可能な状態となった時点)から、第1の時間帯までの時間であり、供給異常の判断を行わない時間である。第1の時間帯及び第2の時間帯は、液交換の処理液生成後の無視時間経過後から次の液交換が必要となった時点(処理液の時間的な交換時期に達した時点)までの間を時間的に区分けし、第1の時間帯は、液交換の処理液生成後の時点から無視時間を経過した時点から始まる。第1の監視間隔は、第1の時間帯における供給量の積算値を求める間隔であり、第2の監視間隔は、第2の時間帯における供給量の積算値を求める間隔である。第1の正常値は、第1の時間帯において、処理液による処理が正常に行われた際の第1の監視間隔における薬液の供給量の積算値である。第2の正常値は、第2の時間帯において、処理液による処理が正常に行われた際の第2の監視間隔における薬液の供給量の積算値である。第1の正常値と第2の正常値の上限値及び下限値は、各々の正常値を基準とした範囲を示す上下限である。但し、第1の正常値の上限値及び下限値と第2の正常値の上限値と下限値とがあれば、第1の正常値と第2の正常値については省略が可能である。
【0039】
なお、本実施例では、処理液が二薬液を含むので、上記のパラメータや、判断値がそれぞれの薬液分だけ存在することになる。また、上記のパラメータや判断値は、実際に処理液による処理を行い、プロセス的に正常に処理が完了した際の薬液の補充量のデータを収集しておき、そのデータに基づいて予め決定してある。
【0040】
判断部71は、カウンタ・タイマ73による無視時間の経過後、第1の時間帯及び第2の時間帯においてそれぞれの監視時間ごとに、供給量積算部75から出力される実績値と、時間帯ごとの正常値の上下限値とを比較し、供給異常の有無を判断する。カウンタ・タイマ73は、処理槽1で新たな処理液が生成されてから自動的に計時を開始し、処理液の時間的な交換時期に達すると計時を停止し、次に新たな処理液が生成されるとリセットされる。判断部71は、薬液が複数種類ある場合には、それぞれの薬液について上記の判断を行う。また、カウンタ・タイマ73も、薬液ごとに計時を行う。
【0041】
供給量積算部75は、処理槽1の処理液が交換され、所定の処理液が投入されてから、無視時間が経過した後、第1補充管51及び第2補充管53からの薬液の補充量を流量計57及び流量計61からの供給量を積算して算出し、第1の実績値及び第2の実績値として判断部71に対して出力する。
【0042】
なお、上記のメモリ69が本発明における「記憶手段」に相当し、判断部71が本発明における「判断手段」に相当し、供給量積算部75が本発明における「実績値算出手段」に相当する。
【0043】
次に、図2を参照し、上述した基板処理装置による供給異常検知の動作について説明する。図2は、動作説明に供するタイムチャートである。以下の説明においては、硫酸と過酸化水素水のうち、過酸化水素水を例にとって説明するが、硫酸についても同様の処理が並行して行われる。
【0044】
図2中における各符号は、次のパラメータや判断値などを示す。
符号IV1は、第1の時間帯TZ1における第1の正常値であり、符号IV1−Hは上限値であり、符号IV1−Lは下限値である。符号IV2は、第2の時間帯TZ2における第2の正常値であり、符号IV2−Hは上限値であり、符号IV2−Lは下限値である。なお、上限値IV1−Hは、第1の正常値IV1を基準として、下限値IV1−Lよりも偏差が小さく設定されている。IV2−Hは、第2の正常値IV2を基準として、下限値IV2−Lよりも偏差が小さく設定されている。これは、薬液の濃度が高い上限値に関して早く供給異常を検知することにより、基板へのダメージが大きく基板の再処理が不可能となるような不都合を回避することができる。符号AV1は、第1の時間帯TZ1における第1の実績値であり、符号AV2は、第2の時間帯TZ2における第2の実績値である。
【0045】
符号T1は、供給異常の判断を行わない無視時間である。符号TI1は、第1の時間帯TZ1における第1の監視間隔である。符号TI2は、第2の時間帯TZ2における第2の監視間隔である。第1の監視間隔TI1ごとに、過酸化水素水の供給量の積算値が供給量積算部75で算出されて、第1の実績値AV1として判断部71へ出力される。同様に、第2の監視間隔TI2ごとに、過酸化水素水の供給量の積算値が供給量積算部75で算出されて、第2の実績値AV2として判断部71へ出力される。なお、薬液が本実施例のように硫酸と過酸化水素水の混合液である場合には、初期の段階では過酸化水素水の補充が頻繁に行われるので、過酸化水素水に関しては第1の監視間隔TI1が第2の監視間隔TI2よりも短くなる。
【0046】
また、このタイムチャートでは、t2,t7時点において、処理液の時間的な交換時期を示す「ライフタイム」や、処理液の使用回数的な交換時期を示す「ライフカウント」に達し、処理槽1内の処理液が全て排出され、硫酸と過酸化水素水が供給されて、ほぼ目標濃度値に調整された新たな処理液が生成されるものとする。生成された処理液は、ポンプ19を駆動して、供給配管17に流通され、処理槽1に処理液が供給される。なお、t4時点からt6時点までの符号L1,L2,……,Lnは、処理対象である基板Wのロットを示す。
【0047】
制御部63は、処理液の交換完了(処理液が処理に使用可能な状態となった時点)とともに、カウンタ・タイマ73を始動して計時を開始させる。タイマ73がt2時点からt3時点までの無視時間T1が経過するまでは、供給異常の判断は行わない。これは、処理液の交換後、一定時間の間は、薬液濃度が安定しづらいので、その不安定期間における誤判断を防止するためである。この無視時間T1を設けているので、供給異常の判断精度を向上させることができる。無視時間T1は、処理液の容量や薬液濃度、循環流速などによって適切な時間が異なるが、例えば、15分程度である。
【0048】
判断部71は、カウンタ・タイマ73を監視し、無視時間T1が経過するt3時点からt4時点までの間である第1の時間帯TZ1において供給異常の判断を行う。その判断は、メモリ69に記憶されている第1の監視間隔TI1ごとに行われる。供給異常か否かの判断は、第1の時間帯TZ1において、供給量積算部75から出力される第1の実績値AV1が、メモリ69に記憶されている第1の正常値IV1の上限値IV1−Hと下限値IV1−Lの範囲にあるか否かにより判断部71が行う。
【0049】
例えば、硫酸と過酸化水素水の混合液であるSPM処理液は、第1の時間帯TZ1において、硫酸の脱水作用により過酸化水素水の濃度が低下するので、過酸化水素水の補充が頻繁に行われる。したがって、比較的短い第1の監視間隔TI1で過酸化水素水の供給異常の有無を判断することにより、好適に判断することができる。
【0050】
次に、時間が経過して、t4時点に達したとする。この場合、第2の時間帯TZ2となるので、第1の時間帯TZ1とは異なるパラメータ及び判断値を用いることになる。判断部71は、メモリ69に記憶されている第2の監視間隔TI2ごとに判断を行う。異常か否かの判断は、第2の時間帯TZ2において、供給量積算部75から出力される第2の実績値AV2が、メモリ69に記憶されている第2の正常値IV2の上限値IV2−Hと下限値IV2−Lの範囲にあるか否かにより判断部71が行う。
【0051】
例えば、硫酸と過酸化水素水の混合液であるSPM処理液は、第1の時間帯TZ1において、頻繁に補充された過酸化水素水の水分が増えるので、過酸化水素水の補充頻度が低下する一方、硫酸の補充が増える。したがって、比較的長い第2の監視間隔TI2で過酸化水素水の供給異常の有無を判断することでも好適に判断することができる。また、監視間隔を長くすることで、制御部63の負荷を軽減できる。
【0052】
判断部71による比較の結果、第1の正常値IV1の上限値IV1−Hと下限値IV1−Lの範囲外や第2の正常値IV2の上限値IV2−Hと下限値IV2−Lの範囲外である場合には、出力端子64aに異常発生信号を出力するとともに、処理を停止させる動作を行わせる。なお、本タイムチャートでは、第2の時間帯TZ2においてのみ、基板Wを処理するようになっている。その場合には、薬液の供給を停止するとともに、第1供給管31から純水だけを供給して、基板Wを所定時間だけ純水にてリンスする。そして、基板Wを処理槽1から搬出して待避させることが好ましい。
【0053】
このように、SPM処理液が生成されてから新たなSPM処理液を生成するまでの間を二つの時間帯(第1の時間帯TZ1、第2の時間帯TZ2)に区切り、積算するための監視間隔がそれぞれ第1の監視間隔TI1と第2の監視間隔TI2との個別に設定されている。したがって、SPM処理液が生成されてからの経過時間に応じて薬液の補充頻度が異なる場合であっても、供給異常を適切に検知することができる。
【実施例2】
【0054】
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。
図3は、実施例2に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。なお、上述した実施例1と共通する構成については同符号を付すことにより、詳細な説明については省略する。
【0055】
この実施例2の基板処理装置は、流量の積算値を求める供給量積算部75に代えて供給回数積算部81を備えている。供給回数積算部81は、濃度制御部65が制御弁55,59を駆動した回数を計数し、各駆動時に回数を逐次加算して得られる積算値を判断部71へ出力する。供給回数積算部75Aは、処理液の交換時点でその積算値がリセットされる。なお、制御弁55,59を一回駆動することで供給される薬液量は予め分かっているものとする。また、第1補充管51と第2補充管53は流量計57,61を備えていない。
【0056】
メモリ69Aは、実施例1と同様のパラメータや判断値を予め記憶している。但し、判断値の第1の正常値と、第2の正常値と、第1の正常値を基準とした上限値と下限値と、第2の正常値を基準とした上限値と下限値は、積算量ではなく積算回数となる。
【0057】
判断部71Aは、カウンタ・タイマ73による無視時間の経過後、第1の時間帯及び第2の時間帯においてそれぞれの監視時間ごとに、供給回数積算部75Aから出力される実績値と、時間帯ごとの正常値の上下限値とを比較し、供給異常の有無を判断する。
【0058】
なお、上述したメモリ69Aが本発明における「記憶手段」に相当し、判断部71Aが「判断手段」に相当し、供給回数積算部75Aが「実績値算出手段」に相当する。
【0059】
次に、図4を参照する。上述した基板処理装置による供給異常検知の動作について説明する。図4は、動作説明に供するタイムチャートである。
【0060】
図4中における各符号は、次のパラメータや判断値などを示す。なお、実施例1の図2と同じ符号についての説明は省略する。
【0061】
符号IC1は、第1の時間帯TZ1における第1の正常値(供給回数の積算値)であり、符号IC1−Hは上限値であり、符号IC1−Lは下限値である。符号IC2は、第2の時間帯TZ2における第2の正常値(供給回数の積算値)であり、符号IC2−Hは上限値であり、符号IC2−Lは下限値である。なお、上限値IC1−Hは、第1の正常値IC1を基準として、下限値IC1−Lよりも偏差が小さく設定されている。IC2−Hは、第2の正常値IC2を基準として、下限値IC2−Lよりも偏差が小さく設定されている。この理由は実施例1で述べたとおりである。符号AC1は、第1の時間帯TZ1における第1の実績値(供給回数の積算値)であり、符号AC2は、第2の時間帯TZ2における第2の実績値(供給回数の積算値)である。
【0062】
このような構成の基板処理装置であっても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。また、薬液の供給量に代えて供給回数を監視するので、測定を比較的容易に行うことができる。
【0063】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0064】
(1)上述した各実施例1,2では、処理液の生成から新たな処理液を生成するまでを二つの時間帯に区分けしたが、三つ以上の時間帯に分けてもよい。また、二つの時間帯を規定するのに、時間帯を二つ設けることに代えて、二つの時間帯に区別する時間を一つ設けるようにしてもよい。
【0065】
(2)上述した各実施例1,2の装置は、内槽3と外槽5とを供給配管17で連通して処理液を循環させる方式であるが、外槽5から溢れた処理液を排出する非循環方式の装置であっても適用することができる。
【0066】
(3)上述した各実施例1,2では、処理液として二種類の薬液からなるSPM処理液を例にとって説明したが、一種類の薬液と純水からなる処理液とした場合や、三種類以上の薬液からなるSPM処理液であってもよい。その場合には、補充する薬液の種類だけ上述したパラメータと判断値を用いるようにすればよい。
【符号の説明】
【0067】
W … 基板
1 … 処理槽
3 … 内槽
5 … 外槽
51 … 第1補充管
53 … 第2補充管
55,59 … 制御弁
57,61 … 流量計
63 … 制御部
65 … 濃度測定部
67 … 濃度制御部
69 … メモリ
71 … 判断部
73 … カウンタ・タイマ
75 … 供給量積算部
T1 … 無視時間
TZ1 … 第1の時間帯
TZ2 … 第2の時間帯
IV1 … 第1の正常値
IV1−H … 第1の正常値の上限値
IV1−L … 第1の正常値の下限値
IV2 … 第2の正常値
IV2−H … 第2の正常値の上限値
IV2−L … 第2の正常値の下限値
AV1 … 第1の実績値
AV2 … 第2の実績値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理液を基板に供給して処理を行う基板処理装置の供給異常検知方法において、
薬液供給手段により薬液が供給される供給配管を流れる処理液中の薬液濃度を濃度測定手段により測定しつつ処理液を供給する過程と、
前記処理液の生成から新たな処理液を生成するまでを、第1の時間帯と第2の時間帯との少なくとも二つの時間帯に区分けし、第1の時間帯において、第1の監視間隔で薬液供給手段からの薬液の供給量を積算して第1の実績値として算出する過程と、
薬液の供給が正常な状態における前記第1の時間帯において、薬液の供給量を前記第1の監視間隔で積算して予め得られている第1の正常値と、前記第1の実績値とを比較することにより供給異常の有無を判断する過程と、
前記第2の時間帯において、第2の監視間隔で薬液供給手段からの薬液の供給量を積算して第2の実績値として算出する過程と、
薬液の供給が正常な状態における前記第2の時間帯において、薬液の供給量を前記第2の監視間隔で積算して予め得られている第2の正常値と、前記第2の実績値とを比較することにより供給異常の有無を判断する過程と、
を備えていることを特徴とする基板処理装置の供給異常検知方法。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置の供給異常検知方法において、
前記第1の実績値は、前記第1の時間帯において、薬液供給手段からの供給回数を前記第1の監視間隔で計数して得られる値であり、
前記第1の正常値は、薬液供給手段からの薬液の供給が正常な状態における前記第1の時間帯において、薬液供給手段からの供給回数を前記第1の監視間隔で計数して予め得られている値であり、
前記第2の実績値は、前記第2の時間帯において、薬液供給手段からの供給回数を前記第2の監視間隔で計数して得られる値であり、
前記第2の正常値は、薬液供給手段からの薬液の供給が正常な状態における前記第2の時間帯において、薬液供給手段からの供給回数を前記第2の監視間隔で計数して予め得られている値である
ことを特徴とする基板処理装置の供給異常検知方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の基板処理装置の供給異常検知方法において、
前記第1の時間帯は、前記処理液を生成した時点を基準として、一定の無視時間を経過した時点から設定されていることを特徴とする基板処理装置の供給異常検知方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の基板処理装置の供給異常検知方法において、
前記異常の有無を判断する過程は、前記第1の正常値を基準とした上限値と下限値の範囲が用いられるとともに、上限値は下限値よりも第1の正常値からの偏差が小さく設定され、前記第2の正常値を基準とした上限値と下限値の範囲が用いられるとともに、上限値は下限値よりも第2の正常値からの偏差が小さく設定されている
ことを特徴とする基板処理装置の供給異常検知方法。
【請求項5】
処理液を基板に供給して処理を行う基板処理装置において、
処理液を貯留し、基板を収容する処理槽と、
薬液を含む処理液を前記処理槽に供給する供給配管と、
前記供給配管に薬液を供給する薬液供給手段と、
処理液中の薬液濃度を測定する濃度測定手段と、
前記濃度測定手段の測定結果に応じて前記薬液供給手段を操作して、薬液の濃度を制御する濃度制御手段と、
処理液の生成から新たな処理液を生成するまでを、第1の時間帯と第2の時間帯との少なくとも二つの時間帯に区分けし、薬液の供給が正常な状態における第1の時間帯において、第1の監視間隔で前記薬液供給手段からの薬液の供給量を積算して第1の正常値を予め求めておき、薬液の供給が正常な状態における第2の時間帯において、第2の監視間隔で前記薬液供給手段からの薬液の供給量を積算して第2の正常値を予め求めておき、少なくとも前記第1の時間帯と前記第2の時間帯と、前記第1の監視間隔と前記第2の監視間隔と、前記第1の正常値と前記第2の正常値とを予め記憶する記憶手段と、
前記第1の時間帯において、前記薬液供給手段からの供給量を第1の時間間隔で積算して第1の実績値として算出し、前記第2の時間帯において、前記薬液供給手段からの供給量を第2の時間間隔で積算して第2の実績値として算出する実績値算出手段と、
前記第1の正常値と前記第1の実績値、及び前記第2の正常値と前記第2の実績値とに基づいて供給異常の有無を判断する判断手段と、
を備えていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の基板処理装置において、
前記第1の実績値は、前記第1の時間帯において、前記薬液供給手段からの供給回数を前記第1の監視間隔で計数して得られる値であり、
前記第1の正常値は、前記薬液供給手段からの薬液の供給が正常な状態における前記第1の時間帯において、前記薬液供給手段からの供給回数を前記第1の監視間隔で計数して予め得られている値であり、
前記第2の実績値は、前記第2の時間帯において、前記薬液供給手段からの供給回数を前記第2の監視間隔で計数して得られる値であり、
前記第2の正常値は、前記薬液供給手段からの薬液の供給が正常な状態における前記第2の時間帯において、前記薬液供給手段からの供給回数を前記第2の監視間隔で計数して予め得られている値である
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の基板処理装置において、
前記判断手段は、前記処理液を生成した時点を基準として、一定の無視時間を経過した時点から前記第1の時間帯までは異常の判断を行わない
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項5から7のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記記憶手段は、前記第1の正常値を基準とした上限値と下限値と、前記第2の正常値を基準とした上限値と下限値とを予め記憶し、前記第1の正常値の上限値は下限値よりも第1の正常値からの偏差が小さく設定され、前記第2の正常値の上限値は下限値よりも第2の正常値からの偏差が小さく設定され、
前記判断手段は、前記第1の正常値の上限値と下限値から前記第1の実績値が外れた場合に供給異常と判断し、前記第2の正常値を基準とした上限値と下限値の範囲から前記第2の実績値が外れた場合に供給異常と判断する
ことを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−210976(P2011−210976A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−77690(P2010−77690)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】