説明

基板処理装置

【課題】一対のレシピの差異を明示可能とする。
【解決手段】レシピ比較プログラムフローにおいて、比較先レシピのイベント数をループの終了条件として設定する(B2)。カレントイベントを参照し(C1)、比較先レシピのイベントを設定し表示する(C2)。比較元レシピに該当するイベントが有るかを判断する(C3)。無い場合には最終ステップ(Cn)に進む。有る場合には比較元レシピの該当するイベントを設定し表示する(C4)。イベント項目中の一つであるイベント遷移条件の相違の有無を判断する(C5)。無い場合には次のイベント時間の相違の有無の判断(C7)に進む。有る場合には比較先のイベント時間項目のセルの表示色を変更する(C8)。イベント中の全項目の相違の有無の判断が終了すると、相違項目の有無を検索し(Cn−1)、有った場合にはそのイベントに印を表示する(Cn)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関し、特に、半導体集積回路装置(以下、ICという。)の製造方法において、半導体素子を含む集積回路が作り込まれる半導体ウエハ(以下、ウエハという。)に金属膜や絶縁膜および半導体膜を形成するのに利用して有効なものに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ICの一例であるDRAM(Dynamic Random-Access Memory)やDRAM混載システムLSI(以下、DRAMという。)の製造方法において、ウエハに電気容量絶縁膜やゲート絶縁膜として適用される容量絶縁膜を形成するのに、搬送室の周りに複数の処理モジュール(プロセスチャンバ)が設置されたマルチチャンバ型連続処理装置が使用される場合がある。
【0003】
一般に、マルチチャンバ型連続処理装置は、いずれもコンピュータによって構築されたメインコントローラとサブコントローラとを備えている。
そのうちメインコントローラはコンソールやタッチパネル等の表示手段および入力手段(ユーザ・インタフェース)を備えており、プロセス(製造工程)のシーケンス(順序)を計画作成実行するとともに、制御パラメータ(温度、圧力、ガス流量等の制御目標値)等のデータを管理し、通信手段によってサブコントローラへ制御パラメータを指示し、かつ、サブコントローラからのデータを収集して表示するように構成されている。
【0004】
そして、マルチチャンバ型連続処理装置が使用されてICが製造されるに際しては、プロセスを制御するためのシーケンスや制御パラメータを記述したプロセスレシピ(以下、レシピという。)が予め計画作成されて使用される。
通常、このレシピの内容(シーケンスや制御パラメータ等)はユーザによって予め設定されて、メインコントローラのレシピ記憶手段にメインコントローラにおけるGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)システムのレシピ編集画面を利用した操作によって入力される。
また、マルチチャンバ型連続処理装置のプロセス(処理)を実行する処理実行部の故障や変動等に対処したい場合や、成膜の膜厚および膜質の仕様を改めたい場合等においては、メインコントローラのレシピ記憶手段に記憶されたヒータの温度やガスの流量および流量比等の制御パラメータをGUIシステムのレシピ編集画面を利用した操作によって変更ないしは書き換えられる。例えば、特許文献1参照。
【特許文献1】特開2001−189248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のマルチチャンバ型連続処理装置におけるレシピ編集画面において、レシピの内容を比較して差異を抽出し、明示する機能がないために、トラブルシューティング等においてトラブルを起こしたレシピの原因を特定するのにレシピの内容を一つ一つ確認しなければならないため、手間がかかり、時間が浪費されてしまうという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は、前記の問題点を解決し、トラブル対応に費やす時間を抑え、装置の稼働率向上に寄与することができる基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願において開示される発明のうち代表的なものは、次の通りである。
(1)プロセスを制御するための内容を記述したプロセスレシピを記憶する記憶装置を備えており、前記プロセスレシピに基づいて基板を処理する基板処理装置において、
前記記憶装置に記憶された一対のプロセスレシピを同一の編集画面に表示し、この表示された両プロセスレシピの内容を比較して相違点を抽出し、抽出した相違点を前記編集画面に明示することを特徴とする基板処理装置。
(2)前記相違点を点滅または着色またはフォントを変更して明示する前記(1)に記載の基板処理装置。
(3)前記相違点に印を付して明示する前記(1)に記載の基板処理装置。
(4)前記明示する相違点は、前記プロセスレシピのステップおよびデータである前記(1)(2)(3)に記載の基板処理装置。
(5)前記(1)の基板処理装置を使用する半導体装置の製造方法であって、
前記相違点に基づいて前記プロセスレシピの問題点や欠陥等を究明することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
前記(1)によれば、比較したプロセスレシピ相互間の相違点を明示することができるので、プロセスレシピの問題点や欠陥等の究明作業の効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
【0010】
本実施の形態において、本発明に係る基板処理装置は、図1および図2に示されているように、マルチチャンバ型連続処理装置(以下、連続処理装置という。)として構成されており、この連続処理装置はICの製造方法にあってウエハに所望の薄膜を堆積させる成膜工程に使用されるように構成されている。
なお、本実施の形態に係る連続処理装置においてはウエハ搬送用のキャリアとしては、FOUP(front opening unified pod 。以下、ポッドという。)が使用されている。
以下の説明において、前後左右は図1を基準とする。すなわち、ウエハ移載室40側が前側、その反対側すなわちウエハ移載室10側が後側、第一予備室20側が左側、第二予備室30側が右側とする。
【0011】
図1および図2に示されているように、連続処理装置は搬送室としての第一ウエハ移載室10を備えており、第一ウエハ移載室10は大気圧未満の圧力(負圧)に耐えるロードロックチャンバ構造に構成されている。第一ウエハ移載室(以下、負圧移載室という。)10の筐体(以下、負圧移載室筐体という。)11は、平面視が六角形で上下両端が閉塞した箱形状に形成されている。
【0012】
負圧移載室10の中央部には、ウエハを保持して搬送する搬送装置としてのウエハ移載装置12が設置されており、ウエハ移載装置12は負圧下においてウエハWを移載するように構成されている。ウエハ移載装置(以下、負圧移載装置という。)12は、スカラ形ロボット(selective compliance assembly robot arm SCARA)によって構成されており、負圧移載室筐体11の底壁に設置されたエレベータ13によって気密シールを維持しつつ昇降するように構成されている。
負圧移載装置12はウエハWを保持する保持部としての一対のアーム14、15を備えている。上側に位置する第一アーム(以下、上側アームという。)14の先端部には、二股のフォーク形状に形成された上側エンドエフェクタ16が取り付けられており、下側に位置する第二アーム(以下、下側アームという。)15の先端部には、下側エンドエフェクタ17が取り付けられている。
【0013】
負圧移載室筐体11の6枚の側壁のうち正面側に位置する2枚の側壁には、負圧移載室10に対してウエハWを搬入搬出する予備室としての第一予備室20と第二予備室30とがそれぞれ隣接して連結されている。
第一予備室20の筐体(以下、第一予備室筐体という。)21および第二予備室30の筐体(以下、第二予備室筐体という。)31はいずれも、平面視が大略四角形で上下両端が閉塞した箱形状に形成されているとともに、負圧に耐え得るロードロックチャンバ構造に構成されている。
【0014】
互いに隣接した第一予備室筐体21の側壁および負圧移載室筐体11の側壁には搬入搬出口22、23がそれぞれ開設されており、負圧移載室10側の搬入搬出口23には搬入搬出口22、23を開閉するゲートバルブ24が設置されている。第一予備室20には第一予備室用仮置き台25が設置されている。
互いに隣接した第二予備室筐体31の側壁および負圧移載室筐体11の側壁には搬入搬出口32、33がそれぞれ開設されており、負圧移載室10側の搬入搬出口33には搬入搬出口32、33を開閉するゲートバルブ34が設置されている。第二予備室30には第二予備室用仮置き台35が設置されている。
【0015】
第一予備室20および第二予備室30の前側には、大気圧以上の圧力(正圧)を維持可能な構造に構成された第二ウエハ移載室(以下、正圧移載室という。)40が隣接して連結されており、正圧移載室40の筐体(以下、正圧移載室筐体という。)41は、平面視が横長の長方形で上下両端が閉塞した箱形状に形成されている。
正圧移載室40には正圧下でウエハWを移載する第二ウエハ移載装置(以下、正圧移載装置という。)42が設置されており、正圧移載装置42はスカラ形ロボットによって2枚のウエハを同時に搬送し得るように構成されている。
正圧移載装置42は正圧移載室40に設置されたエレベータ43によって昇降されるように構成されているとともに、リニアアクチュエータ44によって左右方向に往復移動されるように構成されている。
【0016】
互いに隣接した第一予備室筐体21の側壁および正圧移載室筐体41の側壁には搬入搬出口26、27がそれぞれ開設されており、正圧移載室40側の搬入搬出口27には搬入搬出口26、27を開閉するゲートバルブ28が設置されている。
互いに隣接した第二予備室筐体31の側壁および正圧移載室筐体41の側壁には搬入搬出口36、37がそれぞれ開設されており、正圧移載室40側の搬入搬出口37には搬入搬出口36、37を開閉するゲートバルブ38が設置されている。
図1に示されているように、正圧移載室40の左側にはノッチ合わせ装置45が設置されている。
また、図2に示されているように、正圧移載室40の上部にはクリーンエアを供給するクリーンユニット46が設置されている。
【0017】
図1および図2に示されているように、正圧移載室筐体41の正面壁には3つのウエハ搬入搬出口47、48、49が左右方向に並べられて開設されており、これらのウエハ搬入搬出口47、48、49はウエハWを正圧移載室40に対して搬入搬出し得るように設定されている。これらのウエハ搬入搬出口47、48、49にはポッドオープナ50がそれぞれ設置されている。
【0018】
ポッドオープナ50はポッドPを載置する載置台51と、載置台51に載置されたポッドPのキャップを着脱するキャップ着脱機構52とを備えており、載置台51に載置されたポッドPのキャップをキャップ着脱機構52によって着脱することにより、ポッドPのウエハ出し入れ口を開閉するようになっている。
ポッドオープナ50の載置台51に対してはポッドPが、図示しない工程内搬送装置(RGV)によって供給および排出されるようになっている。したがって、載置台51によってキャリアステージとしてのポッドステージが構成されていることになる。
【0019】
図1に示されているように、負圧移載室筐体11の6枚の側壁のうち背面側に位置する2枚の側壁には、第一処理モジュールとしての第一CVDモジュール61と、第二処理モジュールとしての第二CVDモジュール62とがそれぞれ隣接して連結されている。第一CVDモジュール61および第二CVDモジュール62はいずれも、枚葉式CVD装置(枚葉式コールドウオール形CVD装置)によってそれぞれ構成されている。
また、負圧移載室筐体11における6枚の側壁のうちの残りの互いに対向する2枚の側壁には、第三処理モジュールとしての第一クーリングモジュール63と、第四処理モジュールとしての第二クーリングモジュール64とがそれぞれ連結されており、第一クーリングモジュール63および第二クーリングモジュール64はいずれも、処理済みのウエハWを冷却するように構成されている。
【0020】
連続処理装置は図3に示された制御システム70を備えている。
図3に示されているように、制御システム70はパーソナルコンピュータ等から構築されたメインコントローラ71を備えている。メインコントローラ71にはLANシステム72を介して、負圧移載装置12を制御するサブコントローラ73、正圧移載装置42を制御するサブコントローラ74、第一CVDモジュール(第一処理モジュール)61を制御するサブコントローラ75、第二CVDモジュール(第二処理モジュール)62を制御するサブコントローラ76、第一クーリングモジュール(第三処理モジュール)63を制御するサブコントローラ77、第二クーリングモジュール(第四処理モジュール)64を制御するサブコントローラ78等が接続されている。
メインコントローラ71には、キーボードやマウス等によって構成された入力装置81、テレビモニタ等によって構成された表示装置82、記憶媒体駆動装置等によって構成された記憶装置83等が接続されている。
また、メインコントローラ71はホストコンピュータ84に接続することができるように構成されている。
【0021】
メインコントローラ71はGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフエース)システムを備えている。GUIシステム85は表示装置82に表示された操作画面上のアイコン(機能を表す図形記号)をマウスポインタで指示してクリックしたり、カーソルで指示して決定したりして選択することにより、画面を切り替えたり、処理や命令、判断および制御パラメータ等のデータ(情報)を入力することができるようにするものである。
メインコントローラ71にはアプリケーションソフトウエアであるプロセスレシピ相違点明示システム(以下、相違点明示システムという。)86が組み込まれている。
相違点明示システム86は記憶装置83に記憶された一対のプロセスレシピを表示装置82の同一の編集画面に表示し、この表示された両プロセスレシピの内容を比較して相違点を抽出し、抽出した相違点を編集画面に明示するように構成されている。すなわち、相違点明示システム86は後述するプログラムフローを実行するように構成されている。
【0022】
以下、前記構成に係る連続処理装置が使用されたICの製造方法における成膜工程のシーケンスのフローを説明する。
【0023】
これから成膜すべきウエハWは25枚がポッドPに収納された状態で、成膜工程を実施する連続処理装置へ工程内搬送装置によって搬送されて来る。
図1および図2に示されているように、搬送されて来たポッドPは第一予備室20におけるポッドオープナ50の載置台51の上に工程内搬送装置から受け渡されて載置される。ポッドPのキャップがキャップ着脱機構52によって取り外され、ポッドPのウエハ出し入れ口が開放される。
【0024】
ポッドPがポッドオープナ50によって開放されると、正圧移載室40に設置された正圧移載装置42はウエハ搬入搬出口47を通してポッドPからウエハWを1枚ずつピックアップし、第一予備室20に搬入搬出口26、27を通して搬入(ウエハローディング)し、ウエハWを第一予備室用仮置き台25に移載して行く。
この移載作業中には、負圧移載室10側の搬入搬出口22、23はゲートバルブ24によって閉じられており、負圧移載室10の負圧は維持されている。
【0025】
ポッドP内のウエハWの第一予備室用仮置き台25への移載が完了すると、正圧移載室40側の搬入搬出口26、27がゲートバルブ28によって閉じられ、第一予備室20が排気装置(図示せず)によって負圧に排気される。
第一予備室20が予め設定された圧力値に減圧されると、負圧移載室10側の搬入搬出口22、23がゲートバルブ24によって開かれる。
【0026】
次に、負圧移載室10の負圧移載装置12は搬入搬出口22、23を通して第一予備室用仮置き台25から処理前のウエハWを1枚ずつピックアップして負圧移載室10に搬入する。
例えば、負圧移載装置12は処理前のウエハWを第一CVDモジュール61のウエハ搬入搬出口65に搬送して、ウエハ搬入搬出口65から第一CVDモジュール61である枚葉式CVD装置の処理室へ搬入(ウエハローディング)する。
【0027】
第一CVDモジュール61において所定の成膜処理が終了すると、成膜処理後(成膜済)のウエハWは第一CVDモジュール61から負圧移載装置12によってピックアップされて、負圧に維持されている負圧移載室10に第一CVDモジュール61のウエハ搬入搬出口65から搬出(ウエハアンローディング)される。
【0028】
成膜処理後のウエハWを第一CVDモジュール61から負圧移載室10に搬出すると、負圧移載装置12は成膜処理後のウエハWを第一クーリングモジュール63の冷却室へウエハ搬入搬出口67を通して搬入するとともに、冷却室のウエハ載置台に移載する。
ウエハWは第一クーリングモジュール63において冷却処理される。
【0029】
第一クーリングモジュール63において予め設定された冷却時間が経過すると、冷却処理後のウエハWは負圧移載装置12によって第一クーリングモジュール63からピックアップされて、負圧移載室10の搬入搬出口23へ搬送され、第一予備室20に搬入搬出口23を通して搬出されて第一予備室用仮置き台25に移載される。
【0030】
第一予備室20のロードロックが解除された後に、正圧移載室40の第一予備室20に対応したウエハ搬入搬出口47がポッドオープナ50によって開かれるとともに、載置台51に載置された空のポッドPのキャップがポッドオープナ50によって開かれる。
続いて、正圧移載室40の正圧移載装置42は第一予備室用仮置き台25からウエハWを搬入搬出口27を通してピックアップして正圧移載室40に搬出し、正圧移載室40のウエハ搬入搬出口47を通してポッドPに収納(チャージング)して行く。
【0031】
処理済の25枚のウエハWのポッドPへの収納が完了すると、ポッドPのキャップがポッドオープナ50のキャップ着脱機構52によってウエハ出し入れ口に装着され、ポッドPが閉じられる。
閉じられたポッドPは載置台51の上から次の工程へ工程内搬送装置によって搬送されて行く。
【0032】
以上の作動が繰り返されることにより、ウエハが1枚ずつ順次に処理されて行く。
【0033】
以下、相違点明示システム86のプロセスフローを図4に即して説明する。
【0034】
図4に示されている相違点明示フローにおいて、相違点明示ボタンが押し下げられる(ステップS1)と、レシピ選択ステップS2に進む。
レシピ選択ステップS2においては、図5に示されたレシピ選択プログラムフローが開始する。
【0035】
レシピ選択プログラムフローの第一ステップA1(以下、A1という。各ステップについても同様とする。)において、メインコントローラ71は記憶装置83に記憶されたレシピを読み込む。
メインコントローラ71はレシピの名前をリストに書き出し(A2)、書き出したリストをモニタに図6に示されているように表示する(A3)。
オペレータ(例えば、トラブルを究明しようとしている者)が画面のリスト中のレシピをマウスポインタで指示してクリックしたりカーソルで指示して決定したりして、リストの中から比較する所望のレシピを一対、選択する(A4)。
選択を実行するかにおいて(A5)、キャンセルされた場合にはリストを閉じ(A6)、相違点明示フローを終了する。
選択を実行する場合(OK)には、選択を確認する(A7)。
選択が無い場合には、A3に戻る。
選択されている場合には、レシピ選択プログラムフローを終了する。
【0036】
以上のレシピ選択プログラムフローによって、一対のレシピが選択されると、図4に示された相違点明示フローにおいて、レシピ比較ステップS3に進む。
レシピ比較ステップS3においては、図7に示されたレシピ比較プログラムフローが開始する。
【0037】
レシピ比較プログラムフローの第一ステップB1(以下、B1という。各ステップについても同様とする。)において、メインコントローラ71は選択された一対のレシピのレコード(内容)を記憶装置83からそれぞれ読み込み、図8に示されているように表示する。
図8において、上段は比較元のレシピであり、具体例ではバックアップレシピ(新規の連続処理装置のセットアップ時等に提供されるレシピ)が表示されている。
図8において、下段は比較先のレシピであり、連続処理装置のユーザ(例えば、ICの製造業者)が提供されたバックアップレシピを編集して作成したテスト用レシピの一つが表示されている。
なお、図示は省略するが、ステップコマンドには前述した成膜工程のシーケンスフローのステップ(イベントとも称されているので、以下、プログラムフローのステップとの混同を避けるためにイベントという。)の名称(例えば、昇温イベントや降温イベント等)が表示される。
また、項目中の[+]の表示は「省略されている列がある」を意味し、このボタンをクリックすると、省略されている列が全て表示されるようになっている。
次いで、メインコントローラ71は下段に表示された比較先レシピのイベント数をループの終了条件として設定する(B2)。図示例では、「7」である。
繰り返しステップ(B2)の第一ステップC1(以下、C1という。各ステップについても同様とする。)において、現在着目しているイベントを参照する。
参照した比較先レシピのイベントを設定し表示する(C2)。図8においては、第三イベントとなる。
比較元レシピに該当するイベントが有るかを判断する(C3)。
無い場合には最終ステップ(Cn)に進む。
有る場合には、比較元レシピの該当するイベントを設定し表示する(C4)。
メインコントローラ71は該当したイベント中の全項目について、相違が有るかを順次に比較判断して相違項目を抽出し表示して行く。
図7においては、まず、イベント項目中の一つであるイベント遷移条件の相違の有無が判断されている(C5)。
図8の例では、比較元および比較先のいずれもが「時間」であるので、「相違なし」となり、次の項目の比較ステップ(C7)に進む。
なお、このような文字列の相違の有無は、例えば、関数による比較によってメインコントローラ71が自動的に判断することができる。
図7においては、次に、イベント時間の相違の有無が判断されている(C7)。
図8の例では、比較元のイベント時間が「10秒」であるのに対して、比較先のイベント時間は「2分」であるので、「相違有り」となり、比較先のイベント時間項目のセル(枡目)の表示色が変更される(C8)。
なお、このような数値データの相違の有無は、例えば、数値データの減算によってメインコントローラ71が自動的に判断することができる。
イベント時間項目のセルの表示色が変更が終了すると、次の項目の比較ステップに進むことになるが、便宜上、図7では省略されている。
そして、該当したイベント中の全項目に対する相違の有無についての比較ステップが終了すると、メインコントローラ71は相違した項目が有るかを検索し(Cn−1)、相違した項目が有った場合には、そのイベントに印(マーク)を表示する(Cn)。
図8では、比較先レシピの第三イベントの冒頭に「×」が表示されている。
以上のステップC1〜Cnを実行したイベント数が終了条件になると、ループが終了(B3)し、レシピ比較フローが終了する。
【0038】
前記実施の形態によれば、次の効果が得られる。
【0039】
1) 比較対象となる一対のプロセスレシピ相互間の相違点を明示することにより、例えば、トラブルの発生したプロセスレシピの問題点や欠陥等を迅速に究明することができるので、トラブルシューティングの効率を向上させることができる。
【0040】
2) トラブルシューティングの効率を向上させることにより、連続処理装置の休止時間を抑制することができるので、連続処理装置の全体としての装置稼働率を向上させることができる。
【0041】
3) ICの製造方法におけるウエハは製品の取得数が多量で、しかも、製品の1個当たりの価格が大きいために、連続処理装置の休止によるスループットの向上効果は、きわめて大きい。
【0042】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0043】
比較対象となる一対のレシピは、バックアップレシピとテスト用レシピとに限らず、標準レシピと実働レシピ、更新前レシピと更新後レシピ等であってもよい。
【0044】
相違点(イベント項目)を明示する手段は、セルの表示色の変更する方法に限らず、セルや表示文字を点滅させたり、フォントを変更させたりする方法等であってもよい。
【0045】
相違点を含むイベントを明示する手段は、イベントに印(マーク)を表示する方法に限らず、相違点を含むイベント全体を点滅させたり、表示色やフォントを変更したりする方法であってもよい。
また、相違点を含むイベントを明示することは省略してもよい。
【0046】
前記実施の形態ではCVD装置について説明したが、酸化装置や拡散装置、アニール装置および熱処理装置等の基板処理装置全般に適用することができる。
【0047】
また、ウエハを処理する場合について説明したが、液晶パネルや磁気ディスク、光ディスク等の基板全般について適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施の形態であるマルチチャンバ型連続処理装置を示す平面断面図である。
【図2】その側面断面図である。
【図3】その制御システムを示すブロック図である。
【図4】相違点明示プロセスフローを示すフローチャートである。
【図5】レシピ選択プログラムフローを示すフローチャートである。
【図6】レシピリストを示す画面図である。
【図7】レシピ比較プログラムフローを示すフローチャートである。
【図8】比較元レシピと比較先レシピを示す画面図である。
【符号の説明】
【0049】
W…ウエハ(基板)、P…ポッド(基板キャリア)、10…負圧移載室(搬送室)、11…負圧移載室筐体、12…負圧移載装置(搬送装置)、13…エレベータ、14…上側アーム(保持部)、15…下側アーム(保持部)、16、17…エンドエフェクタ、20…第一予備室、21…第一予備室筐体、22、23…搬入搬出口、24…ゲートバルブ、25…第一予備室用仮置き台、26、27…搬入搬出口、28…ゲートバルブ、30…第二予備室、31…第二予備室筐体、32、33…搬入搬出口、34…ゲートバルブ、35…第二予備室用仮置き台、36、37…搬入搬出口、38…ゲートバルブ、40…正圧移載室(ウエハ移載室)、41…正圧移載室筐体、42…正圧移載装置(ウエハ移載装置)、43…エレベータ、44…リニアアクチュエータ、45…ノッチ合わせ装置、46…クリーンユニット、47、48、49…ウエハ搬入搬出口、50…ポッドオープナ、51…載置台、52…キャップ着脱機構、61…第一CVDモジュール(第一処理モジュール)、62…第二CVDモジュール(第二処理モジュール)、63…第一クーリングモジュール(第三処理モジュール)、64…第二クーリングモジュール(第四処理モジュール)、65、66、67、68…ウエハ搬入搬出口、70…制御システム(制御装置)、71…メインコントローラ、72…LANシステム、73〜78…サブコントローラ、81…入力装置、82…表示装置、83…記憶装置、84…ホストコンピュータ、85…GUIシステム、86…相違点明示システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスを制御するための内容を記述したプロセスレシピを記憶する記憶装置を備えており、前記プロセスレシピに基づいて基板を処理する基板処理装置において、
前記記憶装置に記憶された一対のプロセスレシピを同一の編集画面に表示し、この表示された両プロセスレシピの内容を比較して相違点を抽出し、抽出した相違点を前記編集画面に明示することを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−194446(P2007−194446A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−11923(P2006−11923)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】