説明

基板処理装置

【課題】複数の液処理装置に均一に気体を供給することができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】給気ユニット41は、塗布処理ユニット129の上方に設けられる。塗布処理ユニット129は、2つのカップ27を有する。給気ユニット41は、空気流通部91およびフィルタ装置94,95を備える。空気流通部91内には、開口912,913が形成される。開口912は、2つのカップ27のうちの一方のカップ27の上方に形成され、開口913は、他方のカップ27の上方に形成される。フィルタ装置94は、開口912を覆うように設けられ、フィルタ装置95は、開口913を覆うように設けられる。開口912,913上には、複数の気流調整部材97が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に種々の処理を行う基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板等の各種基板に所定の処理を行うために、種々の処理装置が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載された処理システムは、複数の液処理装置、複数の熱処理装置および搬送装置を備えている。この処理システムにおいては、搬送装置により基板が液処理装置および熱処理装置に搬送される。そして、液処理装置および熱処理装置において基板に所定の液処理および熱処理が行われる。
【0004】
このような処理システムにおいて基板の各処理工程において処理精度を向上させるためには、処理システム内の温度管理を行う必要がある。そこで、上記の処理システムにおいては、温湿度調整装置により温湿度調整された空気が処理システム内に供給されている。
【0005】
具体的には、特許文献1記載の処理システムにおいては、例えば、処理システム内に壁ダクトおよび天井チャンバが設けられている。また、天井チャンバの下方には、複数のフィルタが設けられている。このような構成により、温湿度調整された空気が壁ダクト、天井チャンバおよび複数のフィルタを介して処理システム内に供給される。
【特許文献1】特開平11−74168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の処理システムの構成では、複数のフィルタ上にそれぞれファンを設けない場合には、複数のフィルタから均一な量の空気を吐出させることができない。具体的には、複数のフィルタのうち壁ダクトに近い位置に設けられる一のフィルタから吐出される空気量と壁ダクトから離れた位置に設けられる他のフィルタから吐出される空気量とに差が生じる。この場合、以下のような問題が発生する。
【0007】
例えば、複数のフィルタにより複数の液処理装置に空気を供給する場合、複数の液処理装置のうち一の液処理装置に供給される空気量と他の液処理装置に供給される空気量に差が生じる。この場合、一の液処理装置における基板の処理状態と他の液処理装置における基板の処理状態とに差が生じる。それにより、基板処理装置における基板の均一な処理が困難になる。
【0008】
また、例えば、複数のフィルタにより搬送装置に空気を供給する場合、搬送装置の移動経路上において、空気供給量にむらが生じる。この場合、搬送装置により基板が搬送される際に基板の周辺の環境が変化する。それにより、基板の高精度な管理が困難になる。
【0009】
本発明の目的は、複数の液処理装置に均一に気体を供給することができる基板処理装置を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、搬送装置の移動経路上に均一に気体を供給することができる基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)第1の発明に係る基板処理装置は、略水平方向に延びる一方向に沿って設けられ基板に液処理を行う第1および第2の液処理装置と、第1および第2の液処理装置の上方に設けられ第1および第2の液処理装置に向けて気体を吐出する気体供給装置とを備え、気体供給装置は、本体部と本体部の下面側においてそれぞれ第1および第2の液処理装置の上方に設けられる第1および第2のフィルタとを含み、本体部は、一方向に略平行に延びるように形成され供給源から供給される気体が流通する流通空間と、流通空間と第1のフィルタとを連通させる第1の開口と、流通空間と第2のフィルタとを連通させる第2の開口と、流通空間内において第1および第2の開口上に設けられる複数の気流調整部材とを有し、複数の気流調整部材は、一方向に平行な方向と交差しかつ略水平方向に延びるように設けられるものである。
【0012】
この基板処理装置においては、第1および第2の液処理装置が略水平方向に延びる一方向に沿って設けられる。また、その第1および第2の液処理装置の上方には、第1および第2の液処理装置に向けて気体を吐出する気体供給装置が設けられる。気体供給装置は、本体部およびその本体部の下面側に設けられる第1および第2のフィルタを有する。第1および第2のフィルタは、第1および第2の液処理装置の上方にそれぞれ設けられる。また、気体供給装置の本体部には、上記一方向に略平行に延びるように形成される流通空間と、第1および第2の開口とが設けられる。
【0013】
このような構成において、供給源から本体部の流通空間に供給された気体は、第1の開口を通過して第1のフィルタから第1の液処理装置に向けて吐出され、第2の開口を通過して第2のフィルタから第2の液処理装置に向けて吐出される。
【0014】
ここで、この気体供給装置においては、第1および第2の開口上に複数の気流調整部材が設けられる。そして、その複数の気流調整部材は、上記一方向に平行な方向と交差しかつ略水平方向に延びるように設けられる。
【0015】
この場合、複数の気流調整部材により気流が調整されるので、流通空間において、第1の開口上の気体の流速と第2の開口上の気体の流速とに差が生じることを防止することができる。それにより、第1のフィルタから吐出される気体量と第2のフィルタから吐出される気体量とに差が生じることを防止することができるので、第1および第2の液処理装置に均一に気体を供給することができる。その結果、第1および第2の液処理装置において均一な液処理が可能になる。
【0016】
(2)気流調整部材は、略棒状の形状を有してもよい。この場合、気流調整部材の製造が容易になる。また、流通空間内における気体の流速を容易に均一化することができる。
【0017】
(3)流通空間において気体が一方向に平行な方向に流通するように供給源から流通空間に気体が供給されてもよい。この場合、流通空間に気体を供給するための装置を本体部の一端側に設けることができるので、基板処理装置内の構造を簡略化することができる。
【0018】
(4)複数の気流調整部材は、一方向に平行な方向と直交するように設けられてもよい。この場合、流通空間内における気体の流速を十分に均一化することができる。
【0019】
(5)基板処理装置は、第1の開口に設けられ複数の第1の貫通孔を有する第1の流量調整板と第2の開口に設けられ複数の第2の貫通孔を有する第2の流量調整板とをさらに備えてもよい。
【0020】
この基板処理装置においては、第1の開口上の気体は複数の第1の貫通孔を通過して第1のフィルタから吐出され、第2の開口上の気体は複数の第2の貫通孔を通過して第2のフィルタから吐出される。この場合、第1および第2の開口上の気体の流速を容易に均一化することができる。
【0021】
(6)第1の開口は第2の開口よりも流通空間における上流側に形成され、第1の流量調整板の面積および第2の流量調整板の面積は略等しく、第1の流量調整板の開口面積が第2の流量調整板の開口面積よりも大きくなるように複数の第1および第2の貫通孔の大きさおよび数が設定されてもよい。
【0022】
この場合、複数の第1の貫通孔を通過する気体量と複数の第2の貫通孔を通過する気体量とに差が生じることを防止することができる。それにより、第1のフィルタから吐出される気体量と第2のフィルタから吐出される気体量とに差が生じることを十分に防止することができるので、第1および第2の液処理装置によりより均一に気体を供給することができる。その結果、第1および第2の液処理装置においてより均一な液処理が可能になる。
【0023】
(7)第2の発明に係る基板処理装置は、基板に処理を行う処理部と、略水平方向に延びる一方向およびその逆方向に移動可能に設けられ、処理部に基板を搬送する基板搬送装置と、基板搬送装置の上方に設けられ基板搬送装置に向けて気体を吐出する気体供給装置とを備え、気体供給装置は、本体部と、本体部の下面側において一方向に平行な方向に沿って設けられる第1および第2のフィルタとを含み、本体部は、一方向に略平行に延びるように形成され供給源から供給される気体が流通する流通空間と、流通空間に沿って形成され流通空間からの気体が流入する第1および第2の流入空間と、第1の流入空間と第1のフィルタとを連通させる第1の開口と、第2の流入空間と第2のフィルタとを連通させる第2の開口と、第1の流入空間および第2の流入空間の間に設けられ第1の流入空間および第2の流入空間を分離する仕切りとを有するものである。
【0024】
この基板処理装置においては、一方向およびその逆方向に移動可能に設けられる基板搬送装置の上方に、その基板搬送装置に向けて気体を吐出する気体供給装置が設けられる。気体供給装置は、本体部およびその本体部の下面側に設けられる第1および第2のフィルタを有する。第1および第2のフィルタは、上記一方向に平行な方向に沿って設けられる。また、気体供給装置の本体部には、上記一方向に略平行に延びるように形成される流通空間と、その流通空間に沿って形成される第1および第2の流入空間と、第1および第2の開口とが設けられる。
【0025】
このような構成において、供給源から本体部の流通空間に供給された気体は、第1および第2の流入空間に流入する。そして、第1の流入空間に流入した気体は、第1の開口を通過して第1のフィルタから基板搬送装置に向けて吐出され、第2の流入空間に流入した気体は、第2の開口を通過して第2のフィルタから基板搬送装置に向けて吐出される。
【0026】
ここで、この気体供給装置においては、第1の流入空間と第2の流入空間との間に仕切りが設けられている。それにより、第1および第2の流入空間において、一方の流入空間から他方の流入空間に気体が流入することを防止することができる。この場合、一方の流入空間から流入する気体により他方の流入空間の気体の流速が上昇することを防止することができる。それにより、第1の流入空間における気体の流速と第2の流入空間における気体の流速とに差が生じることを防止することができる。その結果、第1および第2のフィルタから均一な量の気体を吐出させることができる。
【0027】
また、この気体供給装置においては、第1および第2のフィルタは、一方向に平行な方向に沿って設けられている。したがって、第1および第2のフィルタから基板搬送装置の移動経路上に気体を均一に供給することができる。
【0028】
以上の結果、基板搬送装置による基板の搬送時に、基板の周辺の雰囲気の状態が変動することを防止することができる。それにより、基板の状態を安定させることができる。その結果、基板処理装置における基板の高精度な管理が可能になる。
【0029】
(8)基板処理装置は、流通空間と第1および第2の流入空間との間に設けられ流通空間と第1および第2の流入空間とを連通させる複数のスリットを有するスリット板をさらに備えてもよい。
【0030】
この場合、流通空間から第1の流入空間に流入する気体の流速と流通空間から第2の流入空間に流入する気体の流速とに差が生じることを容易に防止することができる。それにより、第1の流入空間における気体の流速と第2の流入空間における気体の流速とに差が生じることを容易に防止することができる。その結果、第1および第2のフィルタから均一な量の気体を容易に吐出させることができる。
【0031】
(9)第1の流入空間は、流通空間の上流側の領域に沿うように形成され、第2の流入空間は、流通空間の下流側の領域に沿うように形成され、第1の流入空間の容積および第2の流入空間の容積は略等しく、複数のスリットは、流通空間と第1の流入空間とを連通させる第1のスリット群および流通空間と第2の流入空間とを連通させる第2のスリット群からなり、第1のスリット群による流通空間と第1の流入空間との間の開口面積は第2のスリット群による流通空間と第2の流入空間との間の開口面積よりも大きくてもよい。
【0032】
この場合、流通空間から第1の流入空間に流入する気体の流速と流通空間から第2の流入空間に流入する気体の流速とに差が生じることを十分に防止することができる。それにより、第1の流入空間における気体の流速と第2の流入空間における気体の流速とに差が生じることを十分に防止することができる。その結果、第1および第2のフィルタからより均一な量の気体を吐出させることができる。
【0033】
(10)第3の発明に係る基板処理装置は、基板に処理を行う処理部と、略水平方向に延びる一方向およびその逆方向に移動可能に設けられ、処理部に基板を搬送する基板搬送装置と、基板搬送装置の上方において基板搬送装置に向けて気体を吐出する気体供給装置と、基板搬送装置の下方に設けられ気体供給装置から吐出された気体を吸入する気体吸入装置とを備え、気体供給装置は、一方向に略平行に延びるように設けられる気体吐出面を有し、気体吸入装置は、一方向に略平行に延びるように設けられる気体吸入部と、気体吸入部に接続される吸引管と、吸引管に接続され気体を吸引する吸引装置とを含み、気体吸入部は、気体吐出面に対向しかつ一方向に略平行な方向に沿って設けられる第1および第2の吸入面と、第1および第2の吸入面にそれぞれ形成される複数の第1および第2の吸入口と、第1および第2の吸入口において吸入された気体が流通する流通空間とを有し、吸引管は第1の吸入面の下方の領域において流通空間に連通するように気体吸入部に接続され、第1の吸入面の面積および第2の吸入面の面積は等しく、第1の吸入面の開口面積が第2の吸入面の開口面積よりも小さくなるように複数の第1および第2の吸入口の大きさおよび数が設定されるものである。
【0034】
この基板処理装置においては、一方向およびその逆方向に移動可能に設けられる基板搬送装置の上方に、その基板搬送装置に向けて気体を吐出する気体供給装置が設けられる。また、基板搬送装置の下方には、気体供給装置から吐出された気体を吸入する気体吸入装置が設けられる。気体供給装置には、上記一方向に平行に延びるように気体吐出面が設けられる。
【0035】
また、気体吸入装置には、気体吸入部、吸引管および吸引装置が設けられる。気体吸入部には、第1および第2の吸入面が設けられる。第1および第2の吸入面には、それぞれ複数の第1および第2の吸入口が形成される。また、気体吸入部には、第1および第2の吸入口において吸入された気体が流通する流通空間が設けられる。そして、この流通空間に連通するように気体吸入部に吸引管が接続される。
【0036】
このような構成において、吸引管に接続される吸引装置により気体が吸引されることにより、気体供給装置から吐出された気体が複数の第1および第2の吸入口において流通空間内に吸入される。
【0037】
ここで、この基板処理装置においては、気体供給装置の気体吐出面は、基板搬送装置の移動経路(一方向)に略平行に延びるように設けられ、気体吸入装置の第1および第2の吸入面は、基板搬送装置の移動経路(一方向)に略平行な方向に沿って設けられる。また、気体供給装置は基板搬送装置の上方に設けられ、気体吸入装置は基板搬送装置の下方に設けられる。また、気体吐出面と第1および第2の吸入面とは対向するように設けられる。
【0038】
この場合、気体吐出面から吐出された気体は、基板搬送装置の移動経路上を通過するように鉛直下方に流れた後、第1および第2の吸入面において吸入される。それにより、基板搬送装置の移動経路上に十分に気体を供給することができる。
【0039】
また、この気体吸入装置においては、気体吸入部と吸引管との接続部上に位置する第1の吸入面の開口面積が第2の吸入面の開口面積よりも小さくなるように複数の第1および第2の吸入口の大きさおよび数が設定される。それにより、第1の吸入面において吸入される気体量と第2の吸入面において吸入される気体量とに差が生じることを防止することができる。
【0040】
この場合、 気体吐出面から第1の吸入面に向かって流れる気体量と気体吐出面から第2の吸入面に向かって流れる気体量とに差が生じることを防止することができる。したがって、気体吐出面から吐出された気体を基板搬送装置の移動経路上に均一に供給することができる。それにより、基板搬送装置による基板の搬送時に、基板の周辺の雰囲気の状態が変動することを防止することができる。その結果、基板の状態を安定させることができるので、基板処理装置における基板の高精度な管理が可能になる。
【発明の効果】
【0041】
第1の発明によれば、第1および第2の液処理装置に均一に気体を供給することができる。それにより、第1および第2の液処理装置において均一な液処理が可能になる。
【0042】
また、第2および第3の発明によれば、基板搬送装置の移動経路上に気体を均一に供給することができる。それにより、基板の搬送時に基板の状態を安定させることができる。その結果、基板処理装置における高精度な管理が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の実施の形態に係る気体供給装置を備えた基板処理装置について図面を用いて説明する。なお、以下においては、気体供給装置の一例として給気ユニットについて説明する。また、以下の説明において、基板とは、半導体基板、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板等をいう。
【0044】
(1)基板処理装置の構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の平面図である。
【0045】
図1および図2以降の所定の図には、位置関係を明確にするために互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印を付している。X方向およびY方向は水平面内で互いに直交し、Z方向は鉛直方向に相当する。なお、各方向において矢印が向かう方向を+方向、その反対の方向を−方向とする。
【0046】
図1に示すように、基板処理装置100は、インデクサブロック11、塗布ブロック12、現像ブロック13およびインターフェイスブロック14を備える。インターフェイスブロック14に隣接するように露光装置15が設けられる。露光装置15においては、基板に露光処理が行われる。
【0047】
図1に示すように、インデクサブロック11は、複数のキャリア載置部111および搬送部112を含む。各キャリア載置部111には、複数の基板Wを多段に収納するキャリア113が載置される。本実施の形態においては、キャリア113としてFOUP(front opening unified pod)を採用しているが、これに限定されず、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドまたは収納基板Wを外気に曝すOC(open cassette)等を用いてもよい。
【0048】
搬送部112には、制御部114および搬送機構115が設けられる。制御部114は、基板処理装置100の種々の構成要素を制御する。搬送機構115は、基板Wを保持するためのハンド116を有する。搬送機構115は、ハンド116により基板Wを保持しつつその基板Wを搬送する。また、後述の図5に示すように、搬送部112には、キャリア113と搬送機構115との間で基板Wを受け渡すための開口117が形成される。
【0049】
図1に示すように、塗布ブロック12は、塗布処理部121、搬送部122および熱処理部123を含む。塗布処理部121および熱処理部123は、搬送部122を挟んで対向するように設けられる。搬送部122とインデクサブロック11との間には、基板Wが載置される基板載置部PASS1および後述する基板載置部PASS2〜PASS4(図5参照)が設けられる。搬送部122には、基板Wを搬送する搬送機構127および後述する搬送機構128(図5参照)が設けられる。
【0050】
現像ブロック13は、現像処理部131、搬送部132および熱処理部133を含む。現像処理部131および熱処理部133は、搬送部132を挟んで対向するように設けられる。搬送部132と搬送部122との間には、基板Wが載置される基板載置部PASS5および後述する基板載置部PASS6〜PASS8(図5参照)が設けられる。搬送部132には、基板Wを搬送する搬送機構137および後述する搬送機構138(図5参照)が設けられる。
【0051】
インターフェイスブロック14には、搬送機構141,142が設けられる。搬送機構141は、基板Wを保持するためのハンド143を有する。搬送機構141は、ハンド143により基板Wを保持しつつその基板Wを搬送する。また、搬送機構142は、基板Wを保持するためのハンド144を有する。搬送機構142は、ハンド144により基板Wを保持しつつその基板Wを搬送する。
【0052】
搬送機構141と搬送機構142との間には、基板Wを冷却する機能(例えば、クーリングプレート)を備えた基板載置部PASS−CP、後述する基板載置部PASS13(図5)および後述する複数のバッファBF(図5)が設けられる。基板載置部PASS−CPにおいては、基板Wが露光処理に適した温度に冷却される。現像ブロック13内において、熱処理部133とインターフェイスブロック14との間にはパッキン145が設けられる。
【0053】
(2)塗布処理部および現像処理部の構成
図2は、図1の塗布処理部121および現像処理部131を+Y方向側から見た図である。また、図3は、図1の塗布処理部121、搬送部122および熱処理部123を−X方向側から見た図である。
【0054】
図2および図3に示すように、塗布処理部121には、塗布処理室21,22,23,24が階層的に設けられる。各塗布処理室21〜24には、塗布処理ユニット129が設けられる。また、図2に示すように、現像処理部131には、現像処理室31,32,33,34が階層的に設けられる。各現像処理室31〜34には、現像処理ユニット139が設けられる。
【0055】
各塗布処理ユニット129は、基板Wを保持するスピンチャック25およびスピンチャック25の周囲を覆うように設けられるカップ27を備える。本実施の形態においては、スピンチャック25およびカップ27は、各塗布処理ユニット129に2つずつ設けられる。スピンチャック25は、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ)により回転駆動される。
【0056】
また、図1に示すように、各塗布処理ユニット129は、処理液を吐出する複数のノズル28およびそのノズル28を搬送するノズル搬送機構29を備える。
【0057】
塗布処理ユニット129においては、複数のノズル28のうちのいずれかのノズル28がノズル搬送機構29により基板Wの上方に移動される。そして、そのノズル28から処理液が吐出されることにより、基板W上に処理液が塗布される。なお、ノズル28から基板Wに処理液が供給される際には、図示しない駆動装置によりスピンチャック25が回転される。それにより、基板Wが回転される。
【0058】
本実施の形態においては、塗布処理室21および塗布処理室23の塗布処理ユニット129において、反射防止膜用の処理液がノズル28から基板Wに供給される。また、塗布処理室22および塗布処理室24の塗布処理ユニット129において、レジスト膜用の処理液がノズル28から基板Wに供給される。
【0059】
図2に示すように、現像処理ユニット139は、塗布処理ユニット129と同様に、スピンチャック35およびカップ37を備える。また、図1に示すように、現像処理ユニット139は、現像液を吐出する2つのスリットノズル38およびそのスリットノズル38をX方向に移動させる移動機構39を備える。
【0060】
現像処理ユニット139においては、まず、一方のスリットノズル38がX方向に移動しつつ各基板Wに現像液を供給する。その後、他方のスリットノズル38が移動しつつ各基板Wに現像液を供給する。なお、スリットノズル38から基板Wに現像液が供給される際には、図示しない駆動装置によりスピンチャック35が回転される。それにより、基板Wが回転される。また、本実施の形態においては、2つのスリットノズル38から互いに異なる現像液が吐出される。それにより、各基板Wに2種類の現像液を供給することができる。
【0061】
図2に示すように、各塗布処理室21〜24において塗布処理ユニット129の上方には、各塗布処理室21〜24内に清浄な空気を供給するための給気ユニット41が設けられる。また、図2に示すように、各現像処理室31〜34において現像処理ユニット139の上方には、給気ユニット41が設けられる。
【0062】
また、塗布処理室21〜24内において塗布処理ユニット129の下部には、カップ27内の雰囲気を排気するための排気ユニット42が設けられる。また、現像処理ユニット139の下部にも、カップ37内の雰囲気を排気するための排気ユニット42が設けられる。
【0063】
図1および図2に示すように、塗布処理部121において現像処理部131に隣接するように流体ボックス部50が設けられる。同様に、現像処理部131においてインターフェイスブロック14に隣接するように流体ボックス部60が設けられる。流体ボックス部50および流体ボックス部60内には、塗布処理ユニット129および現像処理ユニット139への薬液の供給ならびに塗布処理ユニット129および現像処理ユニット139からの排液および排気等に関する導管、継ぎ手、バルブ、流量計、レギュレータ、ポンプ、温度調節器等の流体関連機器が収納される。図2には、流体ボックス部50内に設けられる流通管51〜55および流体ボックス部60内に設けられる流通管61〜65が示されている。
【0064】
図2に示すように、流通管51の一端側は、塗布処理室21〜24の各給気ユニット41に接続される。流通管51の他端は、流通管71の一端側に接続される。流通管71の他端は、図示しない温調装置に接続されている。その温調装置において温湿度調整された空気は、流通管71および流通管51を介して塗布処理室21〜24の各給気ユニット41に供給される。それにより、給気ユニット41から塗布処理室21〜24内に温湿度調整された清浄な空気が供給される。なお、流通管71には後述する流通管72および流通管73が接続される。
【0065】
また、流通管52〜55は、塗布処理室21〜24の排気ユニット42にそれぞれ接続される。塗布処理室21〜24内の空気は、各排気ユニット42および各排気ユニット42に接続される流通管52〜55を介して外部に排出される。それにより、塗布処理室21〜24内の雰囲気が適切な温湿度および清浄な状態に維持される。
【0066】
同様に、流通管61の一端側は、塗布処理室31〜34の各給気ユニット41に接続される。流通管61の他端は、流通管74の一端側に接続される。流通管74の他端は、上記の温調装置に接続されている。その温調装置において温湿度調整された空気は、流通管74および流通管61を介して塗布処理室31〜34の各給気ユニット41に供給される。それにより、給気ユニット41から塗布処理室31〜34内に温湿度調整された清浄な空気が供給される。なお、流通管74には後述する流通管75および流通管76が接続される。
【0067】
また、流通管62〜65は、塗布処理室31〜34の排気ユニット42にそれぞれ接続される。塗布処理室31〜34内の空気は、各排気ユニット42および各排気ユニット42に接続される流通管62〜65を介して外部に排出される。それにより、塗布処理室31〜34内の雰囲気が適切な温湿度および清浄な状態に維持される。
【0068】
また、流通管51と各給気ユニット41との接続部には、流量調整ダンパ46が設けられる。各流量調整ダンパ46は、流通管51から各給気ユニット41に流入する空気の流量を調整する。本実施の形態においては、各給気ユニット41に流入する空気量が互いに等しくなるように流量調整ダンパ46が調整される。また、流通管52〜54には、それぞれ流量調整ダンパ47が介挿される。各流量調整ダンパ47は、流通管52〜54内の空気の流量をそれぞれ調整する。本実施の形態においては、流通管52〜54内の空気の流量が互いに等しくなるように流量調整ダンパ47が調整される。
【0069】
このように、本実施の形態においては、流量調整ダンパ46により塗布ブロック12の各給気ユニット41に供給される空気量が調整されるとともに、流量調整ダンパ47により塗布ブロック12の各排気ユニット42から排出される空気量が調整される。それにより、塗布処理室21〜24内の換気条件を互いに等しくすることができる。その結果、塗布処理室21〜24における基板Wの均一な処理が可能になる。
【0070】
同様に、流通管61と各給気ユニット41との接続部には、流量調整ダンパ48が設けられる。各流量調整ダンパ48は、流通管61から各給気ユニット41に流入する空気の流量が互いに等しくなるように予め調整される。また、流通管62〜64には、それぞれ流量調整ダンパ49が介挿される。各流量調整ダンパ49は、流通管62〜64内の空気の流量が互いに等しくなるように予め調整される。
【0071】
このように、本実施の形態においては、流量調整ダンパ48により現像ブロック13の各給気ユニット41に供給される空気量が調整されるとともに、流量調整ダンパ49により現像ブロック13の各排気ユニット42から排出される空気量が調整される。それにより、現像処理室31〜34内の換気条件を互いに等しくすることができる。その結果、現像処理室31〜34における基板Wの均一な処理が可能になる。
【0072】
(3)熱処理部の構成
図4は、図1の熱処理部123,133を−Y方向側から見た図である。
【0073】
図3および図4に示すように、熱処理部123は、上方に設けられる上段熱処理部301および下方に設けられる下段熱処理部302を有する。図4に示すように、上段熱処理部301および下段熱処理部302には、複数の冷却ユニットCP、複数の熱処理ユニットPHPおよび複数の密着強化処理ユニットAHLが設けられる。冷却ユニットCPにおいては、基板Wの冷却処理が行われる。熱処理ユニットPHPにおいては、基板Wの加熱処理および冷却処理が行われる。密着強化処理ユニットAHLにおいては、基板Wと反射防止膜との密着性を向上させるための処理が行われる。なお、密着強化処理ユニットAHLにおいては、基板WにHMDS(ヘキサメチルジシラサン)等の密着強化剤が塗布される。
【0074】
熱処理部133は、上方に設けられる上段熱処理部303および下方に設けられる下段熱処理部304を有する。上段熱処理部303および下段熱処理部304には、複数の冷却ユニットCP、複数の加熱ユニットHP、複数の熱処理ユニットPHPおよびエッジ露光部EEWが設けられる。エッジ露光部EEWにおいては、基板Wの周縁部の露光処理が行われる。
【0075】
また、上段熱処理部303においてインターフェイスブロック14に隣接するように基板載置部PASS9,PASS10が設けられ、下段熱処理部304においてインターフェイスブロック14に隣接するように基板載置部PASS11,PASS12が設けられる。
【0076】
本実施の形態においては、基板載置部PASS9および基板載置部PASS11には、現像ブロック13からインターフェイスブロック14へ搬送される基板Wが載置され、基板載置部PASS10および基板載置部PASS12には、インターフェイスブロック14から現像ブロック13へ搬送される基板Wが載置される。
【0077】
図3に示すように、各熱処理ユニットPHPは、加熱処理部101および冷却処理部102を有する。また、各冷却ユニットCPは、冷却処理部102を有する。加熱処理部101は、例えば、加熱プレートを有し、その加熱プレート上に載置された基板Wを加熱する。冷却処理部102は、例えば、冷却プレートを有し、その冷却プレート上に載置された基板Wを冷却する。
【0078】
また、図3および図4に示すように、熱処理部123には流通管81が接続される。また、図4に示すように、熱処理部133には流通管82が接続される。熱処理部123,133内の空気は、流通管81,82を介して外部に排出される。
【0079】
なお、本実施の形態においては、上段搬送室125(図3)の給気ユニット43(図3)から吐出される空気の一部が上段熱処理部301内に流入し、下段搬送室126(図3)の給気ユニット43(図3)から吐出される空気の一部が下段熱処理部302内に流入する。それにより、上段熱処理部301および下段熱処理部302内の雰囲気が適切な温湿度および清浄な空気に維持される。
【0080】
同様に、上段搬送室135(図5)の給気ユニット43(図5)から吐出される空気の一部が上段熱処理部303内に流入し、下段搬送室136(図5)の給気ユニット43(図5)から吐出される空気の一部が下段熱処理部304内に流入する。それにより、上段熱処理部303および下段熱処理部304内の雰囲気が適切な温湿度および清浄な空気に維持される。
【0081】
(4)搬送部の構成
(a)概略構成
図5は、図1の搬送部122,132の構成を説明するための図である。なお、図5は、搬送部122,132を−Y方向側から見た図である。
【0082】
図5に示すように、搬送部122は、上段搬送室125および下段搬送室126を有する。また、搬送部132は、上段搬送室135および下段搬送室136を有する。
【0083】
上段搬送室125には搬送機構127が設けられ、下段搬送室126には搬送機構128が設けられる。また、上段搬送室135には搬送機構137が設けられ、下段搬送室136には搬送機構138が設けられる。
【0084】
図3に示すように、塗布処理室21,22と上段熱処理部301とは上段搬送室125を挟んで対向するように設けられ、塗布処理室23,24と下段熱処理部302とは下段搬送室126を挟んで対向するように設けられる。同様に、現像処理室31,32(図2)と上段熱処理部303(図4)とは上段搬送室135(図5)を挟んで対向するように設けられ、現像処理室33,34(図2)と下段熱処理部304(図4)とは下段搬送室136(図5)を挟んで対向するように設けられる。
【0085】
図5に示すように、搬送部112と上段搬送室125との間には、基板載置部PASS1,PASS2が設けられ、搬送部112と下段搬送室126との間には、基板載置部PASS3,PASS4が設けられる。また、上段搬送室125と上段搬送室135との間には、基板載置部PASS5,PASS6が設けられ、下段搬送室126と下段搬送室136との間には、基板載置部PASS7,PASS8が設けられる。
【0086】
本実施の形態においては、基板載置部PASS1および基板載置部PASS3には、インデクサブロック11から塗布ブロック12へ搬送される基板Wが載置され、基板載置部PASS2および基板載置部PASS4には、塗布ブロック12からインデクサブロック11へ搬送される基板Wが載置される。
【0087】
また、基板載置部PASS5および基板載置部PASS7には、塗布ブロック12から現像ブロック13へ搬送される基板Wが載置され、基板載置部PASS6および基板載置部PASS8には、現像ブロック13から塗布ブロック12へ搬送される基板Wが載置される。
【0088】
図3および図5に示すように、上段搬送室125内において搬送機構127の上方に給気ユニット43が設けられ、下段搬送室126内において搬送機構128の上方に給気ユニット43が設けられる。また、図5に示すように、上段搬送室135内において搬送機構137の上方に給気ユニット43が設けられ、下段搬送室136内において搬送機構138の上方に給気ユニット43が設けられる。
【0089】
また、図3および図5に示すように、上段搬送室125内において搬送機構127の下方には上段搬送室125の排気を行うための排気ユニット44が設けられ、下段搬送室126内において搬送機構128の下方には下段搬送室126の排気を行うための排気ユニット44が設けられる。
【0090】
同様に、図5に示すように、上段搬送室135内において搬送機構137の下方には上段搬送室135の排気を行うための排気ユニット44が設けられ、下段搬送室136内において搬送機構138の下方には下段搬送室136の排気を行うための排気ユニット44が設けられる。
【0091】
図3に示すように、上段搬送室125の給気ユニット43には流通管72が接続され、下段搬送室126の給気ユニット43には流通管73が接続される。図2で説明したように、流通管72,73は流通管51とともに流通管71に接続されている。したがって、上段搬送室125および下段搬送室126には、塗布処理室21〜24に供給される空気と同じ温湿度に調整された空気が供給される。
【0092】
同様に、上段搬送室135(図5)の給気ユニット43(図5)には流通管75(図2)が接続され、下段搬送室136(図5)の給気ユニット43(図5)には流通管76(図2)が接続される。したがって、上段搬送室135および下段搬送室136には、現像処理室31〜34(図2)に供給される空気と同じ温湿度に調整された空気が供給される。
【0093】
また、図3に示すように、上段搬送室125の排気ユニット44には流通管77が接続され、下段搬送室126の排気ユニット44には流通管78が接続される。このような構成により、上段搬送室125および下段搬送室126内の空気は、各排気ユニット44および各排気ユニット44に接続される流通管77,78を介して外部に排出される。また、図示していないが、上段搬送室135(図5)および下段搬送室136(図5)の各排気ユニット44にも、流通管が接続されている。そして、上段搬送室135および下段搬送室136内の空気は、各排気ユニット44および各排気ユニット44に接続される流通管を介して外部に排出される。
【0094】
以上の結果、上段搬送室125,135および下段搬送室126,136の雰囲気が適切な温湿度および清浄な状態に維持される。
【0095】
また、図3に示すように、上段搬送室125において給気ユニット43と流通管72との接続部には、給気ユニット43に流入する空気の流量を調整する流量調整ダンパ83が設けられる。同様に、下段搬送室126において給気ユニット43と流通管73との接続部に流量調整ダンパ83が設けられる。各流量調整ダンパ83は、流通管72から給気ユニット43に流入する空気の流量と流通管73から給気ユニット43に流入する空気の流量とが互いに等しくなるように予め調整される。
【0096】
また、流通管77,78には電動式のファン84がそれぞれ設けられる。流通管77,78による空気の排出量は、ファン84により調整される。本実施の形態においては、流通管77内の空気の流量と流通管78内の空気の流量とが等しくなるようにファン84が調整される。
【0097】
このように、本実施の形態においては、流量調整ダンパ83により搬送部122の各給気ユニット43に供給される空気量が調整されるとともに、ファン84により、搬送部122の各排気ユニット44から排出される空気量が調整される。それにより、上段搬送室125の換気条件および下段搬送室126の換気条件を互いに等しくすることができる。その結果、上段搬送室125内の基板Wの状態と下段搬送室126内の基板Wの状態とに差が生じることを防止することができる。
【0098】
なお、図示しないが、搬送部132の各給気ユニット43にも同様に流量調整ダンパ83が設けられる。また、搬送部132の各排気ユニット44にも同様に流通管77,78およびファン84が接続される。それにより、上段搬送室135の換気条件および下段搬送室136の換気条件を互いに等しくすることができる。その結果、上段搬送室135内の基板Wの状態と下段搬送室136内の基板Wの状態とに差が生じることを防止することができる。
【0099】
(b)搬送機構の構成
次に、搬送機構127について説明する。図6は、搬送機構127を示す斜視図である。
【0100】
図5および図6に示すように、搬送機構127は、長尺状のガイドレール311,312を備える。図5に示すように、ガイドレール311は、上段搬送室125内において上下方向に延びるように搬送部112側に固定される。ガイドレール312は、上段搬送室125内において上下方向に延びるように上段搬送室135側に固定される。
【0101】
図5および図6に示すように、ガイドレール311とガイドレール312との間には、長尺状のガイドレール313が設けられる。ガイドレール313は、上下動可能にガイドレール311,312に取り付けられる。ガイドレール313に移動部材314が取り付けられる。移動部材314は、ガイドレール313の長手方向に移動可能に設けられる。
【0102】
移動部材314の上面には、長尺状の回転部材315が回転可能に設けられる。回転部材315には、基板Wを保持するためのハンドH1およびハンドH2が取り付けられる。ハンドH1,H2は、回転部材315の長手方向に移動可能に設けられる。
【0103】
上記のような構成により、搬送機構127は、上段搬送室125内においてX方向およびZ方向に自在に移動することができる。また、ハンドH1,H2を用いて塗布処理室21,22(図2)、基板載置部PASS1,PASS2,PASS5,PASS6(図5)および上段熱処理部301(図4)に対して基板Wの受け渡しを行うことができる。
【0104】
なお、図5に示すように、搬送機構128,137,138は搬送機構127と同様の構成を有する。
【0105】
(5)インターフェイスブロックの構成
図7は、インターフェイスブロック14の内部構成を示す図である。なお、図7は、インターフェイスブロック14を+X方向側から見た図である。
【0106】
図7に示すように、インターフェイスブロック14の略中央部に2つのバッファBF、基板載置部PASS13および基板載置部PASS−CPが階層的に設けられる。また、基板載置部PASS−CPの−Y方向側に搬送機構141が設けられ、基板載置部PASS−CPの+Y方向側に搬送機構142が設けられる。
【0107】
本実施の形態においては、基板載置部PASS−CPに露光処理前の基板Wが載置され、基板載置部PASS13に露光処理後の基板Wが載置される。
【0108】
また、図5および図7に示すように、インターフェイスブロック14内の上部には、給気ユニット45が設けられる。給気ユニット45には、図示しない温調装置から温湿度調整された空気が供給される。それにより、給気ユニット45からインターフェイスブロック14内に温湿度調整された清浄な空気が供給される。その結果、インターフェイスブロック14内の雰囲気が適切な温湿度および清浄な状態に維持される。
【0109】
(6)基板処理装置の各構成要素の動作
以下、本実施の形態に係る基板処理装置100の各構成要素の動作について説明する。
【0110】
(6−1)インデクサブロック11の動作
以下、図1および図5を主に用いてインデクサブロック11の動作を説明する。
【0111】
本実施の形態に係る基板処理装置100においては、まず、インデクサブロック11のキャリア載置部111に、未処理の基板Wが収容されたキャリア113が載置される。搬送機構115は、そのキャリア113から1枚の基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS1に搬送する。その後、搬送機構115はキャリア113から他の1枚の未処理の基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS3(図5)に搬送する。
【0112】
なお、基板載置部PASS2に処理済みの基板Wが載置されている場合には、搬送機構115は、基板載置部PASS1に未処理の基板Wを搬送した後、基板載置部PASS2からその処理済みの基板Wを取り出す。そして、搬送機構115は、その処理済みの基板Wをキャリア113に搬送する。同様に、基板載置部PASS4に処理済みの基板Wが載置されている場合には、搬送機構115は、基板載置部PASS3に未処理の基板Wを搬送した後、基板載置部PASS4からその処理済みの基板Wを取り出す。そして、搬送機構115は、その処理済み基板Wをキャリア113へ搬送するとともにキャリア113に収容する。
【0113】
(6−2)塗布ブロック12の動作
以下、図1、図2、図4および図5を主に用いて塗布ブロック12の動作について説明する。なお、以下においては、簡便のため、搬送機構127のX方向およびZ方向の移動の説明は省略する。
【0114】
搬送機構115(図5)により基板載置部PASS1(図5)に載置された基板Wは、搬送機構127(図5)のハンドH1により取り出される。また、搬送機構127は、ハンドH2に保持されている基板Wを基板載置部PASS2に載置する。なお、ハンドH2から基板載置部PASS2に載置される基板Wは、現像処理後の基板Wである。
【0115】
次に、搬送機構127は、ハンドH2により上段熱処理部301(図4)の所定の冷却ユニットCP(図4)から冷却処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構127は、ハンドH1に保持されている未処理の基板Wをその冷却ユニットCPに搬入する。冷却ユニットCPにおいては、反射防止膜形成に適した温度に基板Wが冷却される。
【0116】
次に、搬送機構127は、ハンドH1により塗布処理室21(図2)のスピンチャック25(図2)上から反射防止膜形成後の基板Wを取り出す。また、搬送機構127は、ハンドH2に保持されている冷却処理後の基板Wをそのスピンチャック25上に載置する。塗布処理室21においては、塗布処理ユニット129(図2)により、基板W上に反射防止膜が形成される。
【0117】
次に、搬送機構127は、ハンドH2により上段熱処理部301の所定の熱処理ユニットPHPから熱処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構127は、ハンドH1に保持されている反射防止膜形成後の基板Wをその熱処理ユニットPHP(図4)に搬入する。熱処理ユニットPHPにおいては、加熱処理部101(図3)および冷却処理部102(図3)により基板Wの加熱処理および冷却処理が連続的に行われる。
【0118】
次に、搬送機構127は、ハンドH1により上段熱処理部301(図4)の所定の冷却ユニットCP(図4)から冷却処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構127は、ハンドH2に保持されている熱処理後の基板Wをその冷却ユニットCPに搬入する。冷却ユニットCPにおいては、レジスト膜形成処理に適した温度に基板Wが冷却される。
【0119】
次に、搬送機構127は、ハンドH2により塗布処理室22(図2)のスピンチャック25(図2)からレジスト膜形成後の基板Wを取り出す。また、搬送機構127は、ハンドH1に保持されている冷却処理後の基板Wをそのスピンチャック25上に載置する。塗布処理室22においては、塗布処理ユニット129(図2)により、基板W上にレジスト膜が形成される。
【0120】
次に、搬送機構127は、ハンドH2に保持されているレジスト膜形成後の基板Wを基板載置部PASS5(図5)に載置するとともに、そのハンドH2により基板載置部PASS6(図5)から現像処理後の基板Wを取り出す。その後、搬送機構127は、基板載置部PASS6から取り出した現像処理後の基板Wを基板載置部PASS2(図5)に搬送する。
【0121】
搬送機構127が上記の処理を繰り返すことにより、塗布ブロック12内において複数の基板Wに所定の処理が連続的に行われる。
【0122】
搬送機構128は、搬送機構127と同様の動作により、基板載置部PASS3,PASS4,PASS7,PASS8(図5)、塗布処理室23,24(図2)および下段熱処理部302(図4)に対して基板Wの搬入および搬出を行う。
【0123】
このように、本実施の形態においては、搬送機構127によって搬送される基板Wは、塗布処理室21,22および上段熱処理部301において処理され、搬送機構128によって搬送される基板Wは、塗布処理室23,24および下段熱処理部302において処理される。この場合、複数の基板Wの処理を上方の処理部(塗布処理室21,22および上段熱処理部301)および下方の処理部(塗布処理室23,24および下段熱処理部302)において同時に処理することができる。それにより、搬送機構127,128による基板Wの搬送速度を速くすることなく、塗布ブロック12のスループットを向上させることができる。また、搬送機構127,128が上下に設けられているので、基板処理装置100のフットプリントが増加することを防止することができる。
【0124】
(6−3)現像ブロック13の動作
以下、図1、図2、図4および図5を主に用いて現像ブロック13の動作について説明する。なお、以下においては、簡便のため、搬送機構137のX方向およびZ方向の移動の説明は省略する。
【0125】
搬送機構127により基板載置部PASS5(図5)に載置された基板Wは、搬送機構137(図5)のハンドH1により取り出される。また、搬送機構137は、ハンドH2に保持されている基板Wを基板載置部PASS6に載置する。なお、ハンドH2から基板載置部PASS6に載置される基板Wは、現像ブロック13における処理が終了した基板Wである。
【0126】
次に、搬送機構137は、ハンドH2により上段熱処理部303(図4)のエッジ露光部EEWからエッジ露光処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構137は、ハンドH1に保持されているレジスト膜形成後の基板Wをエッジ露光部EEWに搬入する。エッジ露光部EEWにおいては、基板Wの周縁部の露光処理が行われる。
【0127】
次に、搬送機構137は、ハンドH2に保持されているエッジ露光処理後の基板Wを基板載置部PASS9(図4)に載置するとともに、そのハンドH2により基板載置部PASS10(図4)から露光処理後の基板Wを取り出す。なお、基板載置部PASS10から取り出される基板Wは、露光装置15における露光処理が終了した基板Wである。
【0128】
次に、搬送機構137は、ハンドH1により上段熱処理部303(図4)の所定の冷却ユニットCP(図4)から冷却処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構137は、ハンドH2に保持されている露光処理後の基板Wをその冷却ユニットCPに搬入する。
【0129】
次に、搬送機構137は、ハンドH2により現像処理室31(図2)または現像処理室32(図2)のスピンチャック35(図2)から現像処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構137は、ハンドH1に保持されている冷却処理後の基板Wをそのスピンチャック25上に載置する。現像処理室31,32においては、現像処理ユニット139により基板Wの現像処理が行われる。
【0130】
次に、搬送機構137は、ハンドH1により上段熱処理部303(図4)の所定の加熱ユニットHPから加熱処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構137は、ハンドH2に保持されている現像処理後の基板Wを加熱ユニットHPに搬入する。加熱ユニットHPにおいては、基板Wの加熱処理が行われる。
【0131】
次に、搬送機構137は、ハンドH2により上段熱処理部303(図4)の所定の冷却ユニットCPから冷却処理後の基板Wを取り出す。また、搬送機構137は、ハンドH1に保持されている基板Wをその冷却ユニットCPに搬入する。その後、搬送機構137は、冷却ユニットCPから取り出した基板Wを基板W基板載置部PASS6(図5)に搬送する。
【0132】
搬送機構137が上記の処理を繰り返すことにより、現像ブロック13内において複数の基板Wに所定の処理が連続的に行われる。
【0133】
搬送機構138は、搬送機構137と同様の動作により、基板載置部PASS7,PASS8(図5)、基板載置部PASS11,PASS12(図4)、塗布処理室33,34(図2)および下段熱処理部304(図4)に対して基板Wの搬入および搬出を行う。
【0134】
このように、本実施の形態においては、搬送機構137によって搬送される基板Wは、現像処理室31,32および上段熱処理部303において処理され、搬送機構138によって搬送される基板Wは、現像処理室33,34および下段熱処理部304において処理される。この場合、複数の基板Wの処理を上方の処理部(現像処理室31,32および上段熱処理部303)および下方の処理部(現像処理室33,34および下段熱処理部304)において同時に処理することができる。それにより、搬送機構137,138による基板Wの搬送速度を速くすることなく、現像ブロック13のスループットを向上させることができる。また、搬送機構137,138が上下に設けられているので、基板処理装置100のフットプリントが増加することを防止することができる。
【0135】
(6−4)インターフェイスブロック14の動作
以下、図7を主に用いてインターフェイスブロック14の動作について説明する。
【0136】
まず、搬送機構141の動作について説明する。搬送機構137(図5)により基板載置部PASS9に載置された露光処理前(エッジ露光後)の基板Wは、搬送機構141により取り出され、基板載置部PASS−CPに搬送される。基板載置部PASS−CPにおいては、露光装置15(図1)における露光処理に適した温度に基板Wが冷却される。
【0137】
その後、搬送機構141は、基板載置部PASS13に載置されている露光処理後の基板Wを取り出し、その基板Wを現像ブロック13(図5)の上段熱処理部303の所定の熱処理ユニットPHPに搬送する。熱処理ユニットPHPにおいては、露光処理後の基板Wに熱処理が行われる。
【0138】
次に、搬送機構141は、上段熱処理部303の他の熱処理ユニットPHPから熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS10に載置する。基板載置部PASS10に載置された基板Wは、上述したように、現像ブロック13(図5)の搬送機構137(図5)により取り出される。これにより、露光処理後の基板Wのインターフェイスブロック14から現像ブロック13への受け渡しが完了する。
【0139】
次に、搬送機構141は、搬送機構138(図5)により基板載置部PASS11に載置された露光処理前(エッジ露光後)の基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS−CPに搬送する。その後、搬送機構141は、基板載置部PASS13に載置されている露光処理後の基板Wを取り出し、その基板Wを現像ブロック13(図5)の下段熱処理部304の所定の熱処理ユニットPHPに搬送する。
【0140】
次に、搬送機構141は、下段熱処理部304の他の熱処理ユニットPHPから熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS12に載置する。基板載置部PASS12に載置された基板Wは、現像ブロック13(図5)の搬送機構138(図5)により取り出される。これにより、露光処理後の基板Wのインターフェイスブロック14から現像ブロック13への受け渡しが完了する。
【0141】
搬送機構141は、上記の動作を繰り返す。それにより、インターフェイスブロック14と上段熱処理部303との間での基板Wの受け渡しおよびインターフェイスブロック14と下段熱処理部304との間での基板Wの受け渡しが交互に行われる。
【0142】
ここで、本実施の形態においては、キャリア113(図5)に収容されている基板Wは、搬送機構115(図5)により基板載置部PASS1,PASS3(図2)に交互に搬送される。また、塗布処理室21,22(図2)および上段熱処理部301(図4)における基板Wの処理速度と、塗布処理室23,24(図2)および下段熱処理部302(図4)における基板Wの処理速度とは略等しい。また、搬送機構127(図5)の動作速度と搬送機構128(図5)の動作速度とは略等しい。また、現像処理室31,32(図2)および上段熱処理部303(図4)における基板Wの処理速度と、現像処理室33,34(図2)および下段熱処理部304(図4)における基板Wの処理速度とは略等しい。また、搬送機構137(図5)の動作速度と搬送機構138(図5)の動作速度とは略等しい。
【0143】
したがって、上記のように上段熱処理部303および下段熱処理部304から基板載置部PASS−CPに基板Wが交互に搬送されることにより、キャリア113から基板処理装置100に搬入される基板Wの順序と、現像ブロック13(図5)から基板載置部PASS−CPに搬送される基板Wの順序とが一致する。この場合、基板処理装置100における各基板Wの処理履歴の管理が容易になる。
【0144】
なお、バッファBFは、基板載置部PASS9,PASS11から基板載置部PASS−CPへ基板Wを交互に搬送することができない場合に用いられる。具体的には、例えば、塗布処理室21,22(図2)の塗布処理ユニット129(図2)に不具合が発生することにより基板載置部PASS9への基板Wの搬送が停止されている場合にバッファBFが用いられる。この場合、搬送機構141は、基板載置部PASS9に基板Wが搬送されるまで、基板載置部PASS11に載置された基板WをバッファBFに搬送する。そして、基板載置部PASS9への基板Wの搬送が再開された場合には、搬送機構141は、基板載置部PASS9から基板載置部PASS−CPへの基板Wの搬送およびバッファBFから基板載置部PASS−CPへの基板Wの搬送を交互に行う。それにより、キャリア113から基板処理装置100に搬入される基板Wの順序と、現像ブロック13から基板載置部PASS−CPに搬送される基板Wの順序とを一致させることができる。なお、基板載置部PASS11への基板Wの搬送が停止されている場合には、搬送機構141は、基板載置部PASS11への基板Wの搬送が再開されるまで、基板載置部PASS9に載置された基板WをバッファBFに搬送する。
【0145】
次に、搬送機構142の動作について説明する。
【0146】
搬送機構141により基板載置部PASS−CPに載置された基板Wは、所定の温度に冷却された後、搬送機構142により取り出される。搬送機構142は、その基板Wを露光装置15(図1)に搬入する。
【0147】
次に、搬送機構142は、露光装置15から露光処理後の基板Wを搬出し、その基板Wを基板載置部PASS13に載置する。基板載置部PASS13に載置された基板Wは、上述したように、搬送機構141により熱処理ユニットPHPへ搬送される。
【0148】
搬送機構142は上記の処理を繰り返す。ここで、上述したように搬送機構141によって基板載置部PASS−CPに載置される基板Wの順序は、キャリア113(図5)から基板処理装置100に搬入される基板Wの順序に等しい。それにより、キャリア113から基板処理装置100に搬入される基板Wの順序と、搬送機構142により露光装置15に搬入される基板Wの順序とを一致させることができる。それにより、露光装置15における各基板Wの処理履歴の管理が容易になる。また、一のキャリア113から基板処理装置100に搬入された複数の基板W間において、露光処理の状態にばらつきが生じることを防止することができる。
【0149】
(7)給気ユニット41の構成
次に、給気ユニット41の構成について詳細に説明する。
【0150】
図8は、各塗布処理室21〜24(図2)に設けられる給気ユニット41を示す概略図である。なお、図8において(a)は、給気ユニット41の側面図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図である。
【0151】
図8に示すように、給気ユニット41は、箱状の空気流通部91、その空気流通部91の下面に設けられる流量調整板92,93およびその流量調整板92,93の下面に設けられるフィルタ装置94,95を含む。フィルタ装置94,95としては、例えば、ULPA(Ultra Low Penetration Air)フィルタを用いることができる。
【0152】
空気流通部91の一端側に流通管51が接続される。それにより、空気流通部91の内部空間と流通管51の内部空間とが連通される。流量調整ダンパ46は、流通管51と空気流通部91との接続部に設けられる。
【0153】
図8(b)に示すように、空気流通部91の下面の一端側(流通管51側)に正方形の開口912が形成され、空気流通部91の下面の他端側に正方形の開口913が形成される。開口912は、塗布処理ユニット129の一方のカップ27の上方に形成され、開口913は他方のカップ27の上方に形成される。なお、本実施の形態においては、開口912のXY平面における面積と開口913のXY平面における面積は等しい。
【0154】
流量調整板92は、開口912を塞ぐように空気流通部91の下面側に取り付けられ、流量調整板93は、開口913を塞ぐように空気流通部91の下面側に取り付けられる。流量調整板92,93には、複数の貫通孔96がそれぞれ形成される。流通管51から空気流通部91内に流入した空気は、複数の貫通孔96(図8(b))およびフィルタ装置94,95(図8(a))を通過して各塗布処理室21〜24内に流入する。
【0155】
ここで、流量調整板92,93の上面には、それぞれ複数(本実施の形態においては3本)の断面四角形状の気流調整部材97が設けられる。本実施の形態においては、気流調整部材97は棒状の形状を有し、Y方向に延びるように設けられる。この複数の気流調整部材97は、流通管51から空気流通部91内に流入した空気が空気流通部91内を−X方向に向かって直進することを防止する。
【0156】
この場合、空気流通部91内において流量調整板92上と流量調整板93上とで空気の流速に差が生じることを防止することができる。それにより、流量調整板92の複数の貫通孔96を通過する空気の量と流量調整板93の複数の貫通孔96を通過する空気の量とに差が生じることを防止することができる。したがって、フィルタ装置94の下方のカップ27およびフィルタ装置95の下方のカップ27に同等の量の空気を供給することができる。その結果、2つのカップ27において基板Wを均一に処理することが可能になる。
【0157】
なお、流量調整板92に形成される複数の貫通孔96の合計の面積が、流量調整板93に形成される複数の貫通孔96の合計の面積よりも大きいことが好ましい。すなわち、空気流通部91内の上流側(流通管51側)に配置される流量調整板92の開口面積が下流側に配置される流量調整板93の開口面積よりも大きいことが好ましい。
【0158】
この場合、流量調整板92の複数の貫通孔96を通過する空気の量と流量調整板93の複数の貫通孔96を通過する空気の量とに差が生じることを十分に防止することができる。それにより、塗布処理ユニット129の2つのカップ27に均一に空気を供給することができる。その結果、塗布処理ユニット129における基板Wのより均一な処理が可能になる。
【0159】
本実施の形態においては、例えば、流量調整板92に形成される複数の貫通孔96の合計の面積は開口912の面積の60〜80%の大きさに設定され、流量調整板93に形成される複数の貫通孔96の合計の面積は開口913の面積の5〜10%の大きさに設定される。
【0160】
なお、流量調整板92に形成される複数の貫通孔96の合計の面積および流量調整板93に形成される複数の貫通孔96の合計の面積は、貫通孔96の数によって調整してもよく、貫通孔96の直径によって調整してもよい。
【0161】
また、気流調整部材97のZ方向における高さは、空気流通部91の内部空間のZ方向における高さの20%〜30%に設定されることが好ましい。
【0162】
なお、上記においては、各塗布処理室21〜24に設けられる給気ユニット41について説明したが、各現像処理室31〜34に設けられる給気ユニット41も同様の構成を有する。したがって、本実施の形態においては、現像処理ユニット139(図2)においても、2つのカップ37において基板Wを均一に処理することができる。
【0163】
なお、気流調整部材97によって空気流通部91内の空気の流速を十分に安定させることができる場合には、流量調整板92,93が設けられなくてもよい。
【0164】
(8)給気ユニット43の構成
次に、給気ユニット43の構成について説明する。
【0165】
図9は、上段搬送室125(図5)に設けられる給気ユニット43を示す概略図である。なお、図9において、(a)は、給気ユニット43の側面図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図である。
【0166】
図9に示すように、給気ユニット43は、箱状の空気流通部201およびその空気流通部201の下面に設けられるフィルタ装置202,203を含む。フィルタ装置202,203としては、例えば、ULPAフィルタを用いることができる。なお、空気流通部201は、移動部材314の移動経路上に設けられる。
【0167】
図9(b)に示すように、空気流通部201内には、スリット板204が設けられる。空気流通部201内は、スリット板204により流通空間205および流入空間206に分割される。空気流通部201の一端側には、流通空間205と連通するように流通管72が接続される。スリット板204には、複数(本実施の形態においては8つ)のスリット207が等間隔で形成されている。また、スリット板204には、複数の移動板701がX方向に移動可能に設けられている。本実施の形態においては、各移動板701を移動させることにより、各スリット207の大きさを調整することができる。
【0168】
空気流通部201内において流入空間206には、仕切り板208が設けられる。仕切り板208は、流入空間206のX方向における中央部に設けられる。流入空間206は、仕切り板208により第1の流入空間601および第2の流入空間602に分割される。本実施の形態においては、第1の流入空間601の容積および第2の流入空間602の容積は等しい。
【0169】
空気流通部201において第1の流入空間601の下方には開口209が形成され、空気流通部201において第2の流入空間602の下方には開口210が形成される。なお、本実施の形態においては、開口209のXY平面における面積と開口210のXY平面における面積とは等しい。
【0170】
フィルタ装置202は、開口209を塞ぐように空気流通部201の下面側に取り付けられ、フィルタ装置203は、開口210を塞ぐように空気流通部201の下面側に取り付けられる。流通管72から流通空間205に流入した空気は、スリット板204の複数のスリット207を通過して第1の流入空間601および第2の流入空間602に流入した後、フィルタ装置202,203から上段搬送室125に供給される。
【0171】
ここで、本実施の形態においては、仕切り板208により第1の流入空間601から第2の流入空間602に空気が流入することを防止することができる。それにより、第1の流入空間601における空気の流速に比べて第2の流入空間602における空気の流速が速くなることを防止することができる。
【0172】
この場合、フィルタ装置202を介して上段搬送室125(図5)に供給される空気量とフィルタ装置203を介して上段搬送室125に供給される空気量とに差が生じることを防止することができる。したがって、移動部材314の移動経路上に均一に空気を供給することが可能となる。それにより、上段搬送室125内において基板Wが搬送される際に基板Wの周辺の温湿度が変化することを防止することができる。その結果、基板Wの高精度な処理が可能となる。
【0173】
また、本実施の形態においては、流通空間205と第1の流入空間601とを連通させる複数のスリット207の合計の面積が流通空間205と第2の流入空間602とを連通させる複数のスリット207の合計の面積よりも大きくなるように、複数の移動板701が設定される。
【0174】
この場合、第1の流入空間601における空気の流速に比べて第2の流入空間602における空気の流速が速くなることを十分に防止することができる。それにより、第1の流入空間601における空気の流速および第2の流入空間602における空気の流速を均一化することができる。その結果、基板処理装置100における基板Wの処理性能をさらに向上させることができる。
【0175】
なお、本実施の形態においては、流通空間205と第1の流入空間601とを連通させる複数のスリット207の合計の面積と流通空間205と第2の流入空間602とを連通させる複数のスリット207の合計の面積との比が、例えば、10:8に設定される。
【0176】
なお、上記においては、上段搬送室125に設けられる給気ユニット43について説明したが、下段搬送室126、上段搬送室135および下段搬送室136に設けられる給気ユニット43も同様の構成を有する。
【0177】
(9)排気ユニット44の構成
次に、排気ユニット44の構成について説明する。
【0178】
図10は、上段搬送室125(図5)に設けられる排気ユニット44を示す概略図である。なお、図10において、(a)は、排気ユニット44の側面図であり、(b)は、排気ユニット44の上面図である。
【0179】
図10に示すように、排気ユニット44は、箱状の空気流入部400を有する。空気流入部400と図9の空気流通部201とは、搬送機構127(図9(a))を挟んで対向するように設けられる。
【0180】
図10(a)に示すように、空気流入部400の下面の一端側に流通管77が接続される。より具体的には、図10(b)に示すように、流通管77は、空気流入部400の下面の角部に接続される。
【0181】
空気流入部400の上面には、一端側から順に第1領域401、第2領域402および第3領域403が設けられる。第1領域401〜第3領域403の面積は略等しい。
【0182】
空気流入部400の上面には、空気流入部400の外部と内部空間とを連通させる複数の貫通孔404が形成される。本実施の形態においては、第1領域401〜第3領域403にそれぞれ同数の貫通孔404が形成される。なお、第1領域401内において複数の貫通孔404は互いに等間隔に配置されている。同様に、第2領域402および第3領域403内において複数の貫通孔は互いに等間隔に配置されている。
【0183】
上記のような構成において、ファン84(図3)が駆動されることにより、上段搬送室125(図5)内の空気が貫通孔404から空気流入部400内に吸入される。空気流入部400内に吸入された空気は、流通管77を介して外部に排出される。
【0184】
ここで、上述したように、流通管77は空気流入部400の一端側、すなわち第1領域401の下方に接続される。この場合、第1領域401内の貫通孔404における空気の吸引力が、第2領域402および第3領域403内の貫通孔404における空気の吸引力よりも大きくなると考えられる。
【0185】
そこで、本実施の形態においては、第1領域401内の貫通孔404の直径が第2領域402および第3領域403内の貫通孔404の直径に比べて小さくなるように複数の貫通孔404が形成される。この場合、第1領域401において吸入される空気量、第2領域402において吸入される空気量および第3領域403において吸入される空気量に差が生じることを防止することができる。すなわち、空気流入部400の上面の全域において空気を略均一に吸入することが可能になる。それにより、上段搬送室125内において基板Wが搬送される際に基板Wの周辺の温湿度が変化することを防止することができる。その結果、基板Wの高精度な処理が可能となる。
【0186】
なお、本実施の形態においては、例えば、第1領域401内の貫通孔404の直径が4.5mmに設定され、第2領域402および第3領域403内の貫通孔404の直径が5.0mmに設定される。
【0187】
(10)本実施の形態の効果
(a)本実施の形態においては、各給気ユニット41の空気流通部91内において、流量調整板92および流量調整板93上にそれぞれ気流調整部材97が設けられている。それにより、空気流通部91内において流量調整板92上と流量調整板93上とで空気の流速に差が生じることを防止することができる。
【0188】
この場合、塗布処理室21〜24において、塗布処理ユニット129の2つのカップ27に均一に空気を供給することができる。それにより、塗布処理ユニット129の2つのカップ27において均一な処理を行うことができる。
【0189】
同様に、現像処理室31〜34において、現像処理ユニット139の2つのカップ37に均一に空気を供給することができる。それにより、現像処理ユニット139の2つのカップ37において均一な処理を行うことができる。
【0190】
以上の結果、基板処理装置100の処理性能を向上させることができる。
【0191】
(b)また、本実施の形態に係る給気ユニット41においては、空気流通部91内の上流側(流通管51側)に配置される流量調整板92の開口面積が下流側に配置される流量調整板93の開口面積よりも大きい。それにより、流量調整板92の複数の貫通孔96を通過する空気の量と流量調整板93の複数の貫通孔96を通過する空気の量とに差が生じることを十分に防止することができる。
【0192】
この場合、塗布処理室21〜24において、塗布処理ユニット129の2つのカップ27に均一に空気を供給することができる。それにより、塗布処理ユニット129における基板Wのより均一な処理が可能になる。
【0193】
同様に、現像処理室31〜34において、現像処理ユニット139の2つのカップ37に均一に空気を供給することができる。それにより、現像処理ユニット139における基板Wのより均一な処理が可能になる。
【0194】
以上の結果、基板処理装置100の処理性能を十分に向上させることができる。
【0195】
(c)また、本実施の形態に係る給気ユニット43においては、フィルタ装置202が設けられる第1の流入空間601とフィルタ装置203が設けられる第2の流入空間602とが仕切り板208により隔離されている。それにより、第1の流入空間601から第2の流入空間602に空気が流入することを防止することができる。その結果、第1の流入空間601における空気の流速に比べて第2の流入空間602における空気の流速が速くなることを防止することができる。
【0196】
この場合、フィルタ装置202から吐出される空気量とフィルタ装置203から吐出される空気量とに差が生じることを防止することができる。したがって、移動部材314(図5)の移動経路上に空気を均一に供給することが可能となる。それにより、搬送機構127,128,137,138により基板Wが搬送される際に基板Wの周辺の温湿度が変化することを防止することができる。その結果、基板Wの高精度な処理が可能となる。
【0197】
(d)また、本実施の形態に係る給気ユニット43においては、流通空間205と流入空間206との間にスリット板204が設けられている。この場合、流通空間205から第1の流入空間601に流入する空気の流速と流通空間205から第2の流入空間602に流入する空気の流速とに差が生じることを容易に防止することができる。それにより、第1の流入空間601における空気の流速および第2の流入空間602における空気の流速を容易に均一化することができる。その結果、フィルタ装置202から吐出される空気量とフィルタ装置203から吐出される空気量とに差が生じることを容易に防止することができる。
【0198】
また、本実施の形態に係る給気ユニット43においては、流通空間205と第1の流入空間601とを連通させる複数のスリット207の合計の面積が流通空間205と第2の流入空間602とを連通させる複数のスリット207の合計の面積よりも大きい。
【0199】
この場合、第1の流入空間601における空気の流速および第2の流入空間602における空気の流速を十分に均一化することができる。それにより、フィルタ装置202から吐出される空気量とフィルタ装置203から吐出される空気量とに差が生じることを十分に防止することができる。
【0200】
以上の結果、移動部材314の移動経路上に空気をより均一に供給することができるので、基板Wのより高精度な処理が可能となる。
【0201】
(e)また、本実施の形態に係る排気ユニット44においては、空気流入部400と流通管77(または流通管78)との接続部上の第1領域401内に形成される貫通孔404の直径が、第2および第3領域402,403内の貫通孔404の直径に比べて小さい。
【0202】
この場合、第1領域401において吸入される空気量、第2領域402において吸入される空気量および第3領域403において吸入される空気量に差が生じることを防止することができる。したがって、給気ユニット43から第1領域401に向かって流れる空気量、給気ユニット43から第2領域402に向かって流れる空気量および給気ユニット43から第3領域403に向かって流れる空気量に差が生じることを防止することができる。それにより、給気ユニット43から吐出された空気を移動部材314(図5)の移動経路上に均一に供給することができる。その結果、搬送機構127,128,137,138により基板Wが搬送される際に基板Wの周辺の温湿度が変化することを防止することができる。それにより、基板Wの高精度な処理が可能となる。
【0203】
(f)また、本実施の形態においては、上段の処理部(塗布処理室21,22、上段搬送室125,135、現像処理室31,32および上段熱処理部301,303)および下段の処理部(塗布処理室23,24、下段搬送室126,136、現像処理室33,34および下段熱処理部302,304)において複数の基板Wの処理を並行して進めることができる。
【0204】
それにより、搬送機構127,128,137,138による基板Wの搬送速度を速くすることなく、塗布ブロック12および現像ブロック13のスループットを向上させることができる。また、搬送機構127,128,137,138が上下に設けられているので、基板処理装置100のフットプリントが増加することを防止することができる。
【0205】
(g)また、本実施の形態においては、上段の処理部および下段の処理部が等しい構成を有する。それにより、上段の処理部および下段の処理部の一方において故障等が発生した場合でも、他方の処理部を用いて基板Wの処理を続行することができる。その結果、基板処理装置100の汎用性が向上する。
【0206】
(h)また、本実施の形態においては、上段搬送室125および下段搬送室126には、共通の供給源(流通管71)から同じ温湿度に調整された空気が供給される。それにより、上段搬送室125内の空気および下段搬送室126内の空気を均一な温湿度に保つことができる。
【0207】
同様に、上段搬送室135および下段搬送室136には、共通の供給源(流通管74)から同じ温湿度に調整された空気が供給される。それにより、上段搬送室135内の空気および下段搬送室136内の空気を均一な温湿度に保つことができる。
【0208】
以上の結果、上段の処理部において処理された基板Wの状態および下段の処理部において処理された基板Wの状態に差が生じることを防止することができる。それにより、複数の基板Wを迅速かつ均一に処理することが可能になる。
【0209】
(i)また、本実施の形態においては、上段搬送室125および塗布処理室21,22には、共通の供給源(流通管71)から同じ温湿度に調整された空気が供給される。それにより、塗布処理室21,22内の空気および上段搬送室125内の空気を均一な温湿度に保つことができる。この場合、上段搬送室125と塗布処理室21,22との間で基板Wの受け渡しが行われる際に上段搬送室125内の空気および塗布処理室21,22内の空気の温湿度が変動することを防止することができる。
【0210】
同様に、下段搬送室126および塗布処理室23,24には、共通の供給源(流通管71)から同じ温湿度に調整された空気が供給される。それにより、下段搬送室126と塗布処理室23,24との間で基板Wの受け渡しが行われる際に下段搬送室126内の空気および塗布処理室23,24内の空気の温湿度が変動することを防止することができる。
【0211】
また、上段搬送室135および現像処理室31,32には、共通の供給源(流通管74)から同じ温湿度に調整された空気が供給される。それにより、現像処理室31,32内の空気および上段搬送室135内の空気を均一な温湿度に保つことができる。この場合、上段搬送室135と現像処理室31,32との間で基板Wの受け渡しが行われる際に上段搬送室135内および現像処理室31,32内の温湿度が変化することを防止することができる。
【0212】
同様に、下段搬送室136および現像処理室33,34には、共通の供給源(流通管75)から同じ温湿度に調整された空気が供給される。それにより、下段搬送室136と現像処理室33,34との間で基板Wの受け渡しが行われる際に下段搬送室136内の空気および現像処理室33,34内の空気の温湿度が変動することを防止することができる。
【0213】
以上の結果、基板Wの高精度な処理が可能になる。
【0214】
(j)また、本実施の形態においては、流量調整ダンパ83によって上段搬送室125および下段搬送室126に供給される空気量を等しくすることができる。この場合、上段搬送室125内の雰囲気および下段搬送室126内の雰囲気を均一な状態に保つことができる。それにより、上段搬送室125内の基板Wの状態および下段搬送室126内の基板Wの状態に差が生じることを防止することができる。
【0215】
同様に、流量調整ダンパ83によって上段搬送室135および下段搬送室136に供給される空気量を等しくすることができる。この場合、上段搬送室135内の雰囲気および下段搬送室136内の雰囲気を均一な状態に保つことができる。それにより、上段搬送室135内の基板Wの状態および下段搬送室136内の基板Wの状態に差が生じることを防止することができる。
【0216】
以上の結果、上段の処理部および下段の処理部における基板Wのより均一な処理が可能になる。
【0217】
(k)また、本実施の形態においては、ファン84により上段搬送室125から排出される空気量および下段搬送室126から排出される空気量を等しくすることができる。この場合、上段搬送室125内の雰囲気および下段搬送室126内の雰囲気をより均一な状態に保つことができる。それにより、上段搬送室125内の基板Wの状態および下段搬送室126内の基板Wの状態に差が生じることを十分に防止することができる。
【0218】
同様に、ファン84により上段搬送室135から排出される空気量および下段搬送室136から排出される空気量を等しくすることができる。この場合、上段搬送室125内の雰囲気および下段搬送室126内の雰囲気をより均一な状態に保つことができる。それにより、上段搬送室135内の基板Wの状態および下段搬送室136内の基板Wの状態に差が生じることを十分に防止することができる。
【0219】
(l)また、本実施の形態においては、流量調整ダンパ46によって塗布処理室21〜24に供給される空気量を等しくすることができる。この場合、塗布処理室21〜24内の雰囲気を均一な状態に保つことができる。それにより、塗布処理室21,22において形成される膜の状態および塗布処理室23,24において形成される膜の状態に差が生じることを防止することができる。
【0220】
同様に、流量調整ダンパ48によって現像処理室31〜34に供給される空気量を等しくすることができる。この場合、現像処理室31〜34内の雰囲気を均一な状態に保つことができる。それにより、現像処理室31,32における現像処理および現像処理室33,34における現像処理に差が生じることを防止することができる。
【0221】
以上の結果、上段の処理部および下段の処理部における基板Wのより均一な処理が可能になる。
【0222】
(m)また、本実施の形態においては、流量調整ダンパ47によって塗布処理室21〜24から排出される空気量を略等しくすることができる。この場合、塗布処理室21〜24内の雰囲気をより均一な状態に保つことができる。それにより、塗布処理室21〜24において基板Wをより均一に処理することができる。
【0223】
同様に、流量調整ダンパ49によって現像処理室31〜34から排出される空気量を等しくすることができる。この場合、現像処理室31〜34内の雰囲気をより均一な状態に保つことができる。それにより、現像処理室31〜34において基板Wをより均一に処理することができる。
【0224】
以上の結果、上段の処理部および下段の処理部における基板Wのより均一な処理が可能になる。
【0225】
(11)他の実施の形態
(a)上記実施の形態においては、2つのカップ27を有する塗布処理ユニット129および2つのカップ37を有する現像処理ユニット139が設けられた基板処理装置100について説明したが、3つのカップ27を有する塗布処理ユニット129または3つのカップ37を有する現像処理ユニット139が基板処理装置100に設けられてもよい。
【0226】
なお、塗布処理ユニット129が2つのカップ27を有する場合または現像処理ユニット139が2つのカップ37を有する場合には、以下に説明する給気ユニット41が用いられる。なお、以下においては、塗布処理ユニット129の上方に設けられる給気ユニット41について説明するが、現像処理ユニット139の上方にも同様の構成の給気ユニット41を設けることができる。
【0227】
図11は、塗布処理ユニット129が2つのカップ27を有する場合に基板処理装置100に設けられる給気ユニット41を示す概略図である。なお、図11において、(a)は、給気ユニット41の側面図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図である。
【0228】
図11に示す給気ユニット41が図8の給気ユニット41と異なるのは以下の点である。
【0229】
図11の給気ユニット41においては、空気流通部91の下面に、流量調整板92,93,98が設けられ、その流量調整板92,93,98の下面にフィルタ装置94,95,99が設けられる。流量調整板98は、空気流通部91の下面に形成される開口914を塞ぐように空気流通部91の下面に取り付けられる。なお、流量調整板98は、流量調整板92,93と同様の形状を有し、フィルタ装置99は、フィルタ装置94,95と同様の構成を有する。
【0230】
このような構成において、流量調整板92,93,98の上面には、それぞれ複数(本実施の形態においては3本)の気流調整部材97が設けられる。それにより、流通管51から空気流通部91内に流入した空気が空気流通部91内を−X方向に向かって直進することを防止することができる。
【0231】
この場合、空気流通部91内の任意の位置において空気の流速に差が生じることを防止することができる。それにより、流量調整板92の複数の貫通孔96を通過する空気の量、流量調整板93の複数の貫通孔96を通過する空気の量および流量調整板98の複数の貫通孔96を通過する空気の量に差が生じることを防止することができる。したがって、フィルタ装置94の下方のカップ27、フィルタ装置95の下方のカップ27およびフィルタ装置99の下方のカップ27に同等の量の空気を供給することができる。その結果、3つのカップ27において基板Wを均一に処理することが可能になる。
【0232】
なお、この給気ユニット41においては、流量調整板92に形成される複数の貫通孔96の合計の面積が、流量調整板93に形成される複数の貫通孔96の合計の面積よりも大きく、流量調整板98に形成される複数の貫通孔96の合計の面積よりも大きいことが好ましい。すなわち、空気流通部91内の上流側(流通管51側)に配置される流量調整板92の開口面積が下流側に配置される流量調整板93の開口面積および流量調整板98の開口面積よりも大きいことが好ましい。
【0233】
この場合、流量調整板92を通過する空気の量、流量調整板93を通過する空気の量および流量調整板98を通過する空気の量に差が生じることを十分に防止することができる。それにより、塗布処理ユニット129の3つのカップ27に均一に空気を供給することができる。その結果、塗布処理ユニット129における基板Wのより均一な処理が可能になる。
【0234】
(b)また、上記の給気ユニット41においては、各流量調整板92,93,98上に3本の気流調整部材97がそれぞれ設けられているが、気流調整部材97の本数は上記の例に限定されない。例えば、各流量調整板92,93,98上に2本以下の気流調整部材97がそれぞれ設けられてもよく、各流量調整板92,93,98上に4本以下の気流調整部材97がそれぞれ設けられてもよい。
【0235】
また、気流調整部材97の形状は図8で説明した形状に限定されない。気流調整部材97の形状は、例えば、中央部が+X方向側または−X方向側に屈折または緩やかに湾曲した形状であってもよい。また、気流調整部材97の断面形状は、例えば、円形であってもよく、楕円形であってもよく、半円形状あってもよく、三角形状であってもよく、他の多角形状であってもよい。
【0236】
(c)また、上記実施の形態に係る排気ユニット44(図10)においては、第2領域402内の貫通孔404と第3領域403内の貫通孔404とが等しい直径で形成されているが、第2領域402内の貫通孔404と第3領域403内の貫通孔404とが異なる直径で形成されてもよい。
【0237】
例えば、流通管77(または流通管78)における空気の吸入量が大きい場合には、第2領域402内の貫通孔404の直径が第3領域403内にお貫通孔404の直径よりも大きくなるように複数の貫通孔404を形成してもよい。
【0238】
(d)また、上記実施の形態においては、流量調整ダンパ46および流量調整ダンパ48により給気ユニット41に供給される空気量を調整しているが、給気ユニット41に供給される空気量の調整方法は上記の例に限定されない。
【0239】
例えば、流通管51および流通管61の内径を調整することにより給気ユニット41に供給される空気量を調整してもよく、貫通孔96の直径を調整することにより給気ユニット41に供給される空気量を調整してもよい。
【0240】
(e)また、上記実施の形態においては、流量調整ダンパ83により給気ユニット43に供給される空気量を調整しているが、給気ユニット43に供給される空気量の調整方法は上記の例に限定されない。
【0241】
例えば、流通管72および流通管73の内径を調整することにより給気ユニット43に供給される空気量を調整してもよく、スリット207の大きさを調整することにより給気ユニット43に供給される空気量を調整してもよい。
【0242】
(f)また、上記実施の形態においては、流量調整ダンパ47および流量調整ダンパ49により塗布処理室21〜24および現像処理室31〜34から排出される空気量を調整しているが、塗布処理室21〜24および現像処理室31〜34から排出される空気量の調整方法は上記の例に限定されない。
【0243】
例えば、流量調整ダンパ47,49の代わりに電動式のファンを設けて空気の排出量を調整してもよく、流通管52〜55および流通管62〜65の内径を調整することにより空気の排出量を調整してもよい。
【0244】
(g)また、上記実施の形態においては、給気ユニット41と給気ユニット43とが異なる構成を有しているが、給気ユニット41と給気ユニット43とが等しい構成を有してもよい。例えば、給気ユニット41が図9で説明した給気ユニット43と等しい構成を有してもよく、給気ユニット43が図8または図11で説明した給気ユニット41と等しい構成を有してもよい。
【0245】
なお、塗布処理ユニット129上の給気ユニット41の構成が図9の給気ユニット43と等しい構成を有する場合には、2つのカップ27がそれぞれフィルタ装置202,203の下方に配置される。
【0246】
(12)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0247】
(a)第1の発明について
上記実施の形態では、スピンチャック25およびカップ27またはスピンチャック35およびカップ37が液処理装置の例であり、給気ユニット41が気体供給装置の例であり、空気流通部91が本体部の例であり、フィルタ装置94が第1のフィルタの例であり、フィルタ装置95またはフィルタ装置99が第2のフィルタの例であり、空気流通部91の内部空間が流通空間の例であり、開口912が第1の開口の例であり、開口913または開口914が第2の開口の例であり、流量調整板92が第1の流量調整板の例であり、流量調整板93または流量調整板98が第2の流量調整板の例である。
【0248】
(b)第2の発明について
上記実施の形態では、塗布処理部121、現像処理部131または熱処理部123,133が処理部の例であり、移動部材314、回転部材315およびハンドH1,H2が基板搬送装置の例であり、給気ユニット43が気体供給装置の例であり、空気流通部201が本体部の例であり、フィルタ装置202が第1のフィルタの例であり、フィルタ装置203が第2のフィルタの例であり、開口209が第1の開口の例であり、開口210が第2の開口の例であり、仕切り板208が仕切りの例である。
【0249】
(c)第3の発明について
上記実施の形態では、塗布処理部121、現像処理部131または熱処理部123,133が処理部の例であり、移動部材314、回転部材315およびハンドH1,H2が基板搬送装置の例であり、給気ユニット43が気体供給装置の例であり、排気ユニット44が気体吸入装置の例であり、フィルタ装置202,203が気体吐出面の例であり、空気流入部400が気体吸入部の例であり、流通管77が吸引管の例であり、ファン84が吸引装置の例であり、第1領域401が第1の吸入面の例であり、第2領域402または第3領域403が第2の吸入面の例であり、貫通孔404が第1および第2の吸入口の例であり、空気流入部400の内部空間が流通空間の例である。
【0250】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0251】
本発明は、種々の基板処理システムに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0252】
【図1】基板処理装置の平面図である。
【図2】図1の塗布処理部および現像処理部を+Y方向側から見た図である。
【図3】図1の塗布処理部、搬送部および熱処理部を−X方向側から見た図である。
【図4】図1の熱処理部を−Y方向側から見た図である。
【図5】図1の搬送部の構成を説明するための図である。
【図6】搬送機構を示す斜視図である。
【図7】インターフェイスブロックの内部構成を示す図である。
【図8】塗布処理室に設けられる給気ユニットを示す概略図である。
【図9】上段搬送室に設けられる給気ユニットを示す概略図である。
【図10】上段搬送室に設けられる排気ユニットを示す概略図である。
【図11】給気ユニットを示す図である。
【符号の説明】
【0253】
11 インデクサブロック
12 塗布ブロック
13 現像ブロック
14 インターフェイスブロック
15 露光装置
21〜24 塗布処理室
31〜34 現像処理室
41,43,45 給気ユニット
42,44 排気ユニット
100 基板処理装置
112,122,132 搬送部
121 塗布処理部
123,133 熱処理部
131 現像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略水平方向に延びる一方向に沿って設けられ基板に液処理を行う第1および第2の液処理装置と、
前記第1および第2の液処理装置の上方に設けられ前記第1および第2の液処理装置に向けて気体を吐出する気体供給装置とを備え、
前記気体供給装置は、本体部と前記本体部の下面側においてそれぞれ前記第1および第2の液処理装置の上方に設けられる第1および第2のフィルタとを含み、
前記本体部は、
前記一方向に略平行に延びるように形成され供給源から供給される気体が流通する流通空間と、
前記流通空間と前記第1のフィルタとを連通させる第1の開口と、
前記流通空間と前記第2のフィルタとを連通させる第2の開口と、
前記流通空間内において前記第1および第2の開口上に設けられる複数の気流調整部材とを有し、
前記複数の気流調整部材は、前記一方向に平行な方向と交差しかつ略水平方向に延びるように設けられることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記気流調整部材は、略棒状の形状を有することを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記流通空間において気体が前記一方向に平行な方向に流通するように前記供給源から前記流通空間に気体が供給されることを特徴とする請求項1または2記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記複数の気流調整部材は、前記一方向に平行な方向と直交するように設けられることを特徴とする請求項3記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第1の開口に設けられ複数の第1の貫通孔を有する第1の流量調整板と前記第2の開口に設けられ複数の第2の貫通孔を有する第2の流量調整板とをさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記第1の開口は前記第2の開口よりも前記流通空間における上流側に形成され、
前記第1の流量調整板の面積および前記第2の流量調整板の面積は略等しく、
前記第1の流量調整板の開口面積が前記第2の流量調整板の開口面積よりも大きくなるように前記複数の第1および第2の貫通孔の大きさまたは数が設定されることを特徴とする請求項5記載の基板処理装置。
【請求項7】
基板に処理を行う処理部と、
略水平方向に延びる一方向およびその逆方向に移動可能に設けられ、前記処理部に基板を搬送する基板搬送装置と、
前記基板搬送装置の上方に設けられ前記基板搬送装置に向けて気体を吐出する気体供給装置とを備え、
前記気体供給装置は、本体部と、前記本体部の下面側において前記一方向に平行な方向に沿って設けられる第1および第2のフィルタとを含み、
前記本体部は、
前記一方向に略平行に延びるように形成され供給源から供給される気体が流通する流通空間と、
前記流通空間に沿って形成され前記流通空間からの気体が流入する第1および第2の流入空間と、
前記第1の流入空間と前記第1のフィルタとを連通させる第1の開口と、
前記第2の流入空間と前記第2のフィルタとを連通させる第2の開口と、
前記第1の流入空間および前記第2の流入空間の間に設けられ前記第1の流入空間および前記第2の流入空間を分離する仕切りとを有することを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
前記流通空間と前記第1および第2の流入空間との間に設けられ前記流通空間と前記第1および第2の流入空間とを連通させる複数のスリットを有するスリット板をさらに備えることを特徴とする請求項7記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記第1の流入空間は、前記流通空間の上流側の領域に沿うように形成され、
前記第2の流入空間は、前記流通空間の下流側の領域に沿うように形成され、
前記第1の流入空間の容積および前記第2の流入空間の容積は略等しく、
前記複数のスリットは、前記流通空間と前記第1の流入空間とを連通させる第1のスリット群および前記流通空間と前記第2の流入空間とを連通させる第2のスリット群からなり、
前記第1のスリット群による前記流通空間と前記第1の流入空間との間の開口面積は前記第2のスリット群による前記流通空間と前記第2の流入空間との間の開口面積よりも大きいことを特徴とする請求項8記載の基板処理装置。
【請求項10】
基板に処理を行う処理部と、
略水平方向に延びる一方向およびその逆方向に移動可能に設けられ、前記処理部に基板を搬送する基板搬送装置と、
前記基板搬送装置の上方において前記基板搬送装置に向けて気体を吐出する気体供給装置と、
前記基板搬送装置の下方に設けられ前記気体供給装置から吐出された気体を吸入する気体吸入装置とを備え、
前記気体供給装置は、前記一方向に略平行に延びるように設けられる気体吐出面を有し、
前記気体吸入装置は、
前記一方向に略平行に延びるように設けられる気体吸入部と、
前記気体吸入部に接続される吸引管と、
前記吸引管に接続され気体を吸引する吸引装置とを含み、
前記気体吸入部は、前記気体吐出面に対向しかつ前記一方向に略平行な方向に沿って設けられる第1および第2の吸入面と、前記第1および第2の吸入面にそれぞれ形成される複数の第1および第2の吸入口と、前記第1および第2の吸入口において吸入された気体が流通する流通空間とを有し、
前記吸引管は前記第1の吸入面の下方の領域において前記流通空間に連通するように前記気体吸入部に接続され、
前記第1の吸入面の面積および前記第2の吸入面の面積は等しく、
前記第1の吸入面の開口面積が前記第2の吸入面の開口面積よりも小さくなるように前記複数の第1および第2の吸入口の大きさまたは数が設定されることを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−87116(P2010−87116A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−252902(P2008−252902)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(506322684)株式会社SOKUDO (158)
【Fターム(参考)】