説明

基板反転装置及び基板反転方法

【課題】上基板をローラコンベアで上向きに搬送し、基板貼合装置に搬入する前に上下反転して、基板貼合装置の上テーブルに受け渡すようにする。
【解決手段】搬送ローラ上を上向きに保持されて搬送されて来た上基板がウォーキングビーム42を構成する複数の指部45上に受け渡され、真空吸着パッド46によってこれら指部45に吸着保持される。かかる状態で、ウォーキングビーム42の一方の端部の上下移動部材44が垂直な移動用柱41に沿って移動し、これとともに、ウォーキングビーム42の他方の端部の水平移動部43が水平方向に移動する。水平移動部43が移動用柱41の位置を越えて移動すると、上下移動部材44が降下し、ウォーキングビーム42が水平状態になっていく。これにより、ウォーキングビーム42が上下反転し、これに伴って、これに吸着保持されている上基板2も上下反転する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶基板などの基板貼合システムに係り、特に、上下基板をローラコンベアで搬送する場合に、貼合装置に上基板を受け渡す際に上基板を反転させて貼合装置に搬入できるようにした基板反転装置及び基板反転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルの製造には、透明電極や薄膜トランジスタアレイを設けた2枚のガラス基板を数μm程度の極めて接近した間隔をもって、基板の周縁部に設けた接着剤(以下、シール剤ともいう)で貼り合わせ(以下、貼合後の基板を液晶パネルという)、それによって形成される空間に液晶を封止する工程がある。
【0003】
この液晶の封止を行なうには、液晶を滴下した下基板に対して、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)またはカラーフィルタなどが形成された上基板のTFTまたはカラーフィルタなどが形成された面を対向させて貼り合わせを行なうようにしている。
【0004】
ところで、上基板を貼合装置まで搬送する場合、TFTまたはカラーフィルタの形成面を上向きにして、ローラコンベアを用いて搬送する場合がある。この場合、貼合装置に搬入するときは、上基板を反転させる必要がある。
【0005】
従来、電子部品を実装する基板を保持して、180度回転して反転する装置が知られており、この装置では、基板を保持したフレームの中央部を回転させて反転する構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、UV(紫外線)照射して基板間のシール剤を硬化するために、貼り合わせ後のパネルを反転してUV光を照射するための反転装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−48554号公報
【特許文献2】特開2006−227181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1に記載の装置では、基板をフレームで挟んで保持し、そのフレームの中央部を180度回転させて、基板を反転する構造となっている。
【0009】
同じく特許文献2に記載の装置では、液晶パネルに貼合後にシール剤が硬化していない状態で反転させるために、両パネル間を押し圧した状態で反転するようにしている。この反転方法でも、特許文献1に記載の装置と同様、空中で基板を180度回転させる方法を用いている。このため、この方式でパネルを組み立てる前(貼り合わせの前)の状態で基板を反転させると、周囲の空気を乱して搬送ラインなどに落ちている粉塵を舞い上げ、その粉塵が液晶パネル内に入り込み、パネルの動作不良や画質低下の要因となる。
【0010】
本発明の目的は、かかる問題を解消し、上基板を反転させる際に粉塵などの舞い上がりを極力抑制するようにした基板反転装置とそれを用いた液晶パネル貼合システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、上基板と環状に形成したシール剤の内側に液晶を滴下した下基板とを夫々基板貼合装置に搬送する前に、ローラコンベア上を上向きにして搬送される上基板を上下反転させる基板反転装置であって、架台上に上向きで搬送されてきた上基板を上向きの状態でローラコンベアから受け取り保持する複数の指部を備えたウォーキングビームを備え、ウォーキングビームは、一端側に上下移動部材が、他端側に水平移動部が夫々設けられ、架台上に設けられた移動用柱に沿って上下移動部材が上下に移動するとともに、水平移動部がリニアガイドに沿って水平方向に移動する構成としたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、ウォーキングビームの複数の指部夫々に、上基板を吸着保持する複数の真空吸着パッドが設けられており、真空吸着パッドは指部の面より所定の高さの足部を備えていることを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は、基板貼合装置で上基板と下基板とを夫々上テーブルと下テーブルに保持して貼り合わせを行なう前に、上向きにローラコンベア上を搬送されて来た上基板を上下反転させる基板反転装置であって、連結部が設けられた回転腕が反転機構を構成し、上基板を上向きに保持してローラコンベア上を搬送されてきた搬送パレットの連結機構を回転腕の連結部に連結し、回転腕を半回転させて搬送パレットとこれに保持された上基板とを上下反転させる構成としたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、搬送パレットを反転させるとき、搬送パレットと回転腕の連結部との間で搬送パレットが回動できるように構成したことを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明は、ローラコンベア上を上向きに搬送されてきた基板を反転させる基板反転方法であって、ローラコンベア上を搬送されてきた基板を保持し、基板の一端側を垂直方向に移動させ、基板の他端側を略水平方向に移動させることによって基板を上下反転させることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、ローラコンベア上を搬送されて来た上記基板をウォーキングビーム上に受け取り、ウォーキングビームの一端側を架台上に垂直に設けた移動柱に沿って移動させ、ウォーキングビームの他端側を架台上に設けたリニアレールに沿って移動させることにより、上記基板を上下反転させること特徴とする。
【0017】
さらに、本発明は、上記基板を上向きに保持してローラコンベア上を搬送されてきた搬送パレットの連結機構を回転腕の連結部に連結し、回転腕を半回転させて搬送パレットとこれに保持された上記基板とを上下反転させること特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、反転時に基板が円弧を描いて180度反転させずに、基板の一端部を垂直状態とし、他端部を水平移動する動作の反転を行なうようにしたために、基板の上下反転時に描く移動軌跡の面積を最小にでき、基板の上下反転によって発生する空気の掻き揚げ面積が少なくなり、塵埃の発生を極力小さくできるし、また、装置の大型化を抑制できる。即ち、本発明による基板反転装置を用いるシステムにおいて、塵埃が他の装置に落下して、貼り合わされた液晶パネルの精度が低下することを防止でき、装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による基板反転装置及び基板反転方法を用いた液晶パネル組立システムの全体配置を示す平面図である。
【図2】図1における第1の搬送ライン5の一部と検出センサの配置などの一具体例を示す概略構成図である。
【図3】図1における本発明による基板反転装置及び基板反転方法の第1の実施形態を示す構成図である。
【図4】図1における本発明による基板反転装置及び基板反転方法の第2の実施形態を示す構成図である。
【図5】図1における基板貼合装置での前処理室からの基板搬入及び後処理室への基板搬出動作の一具体例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0021】
図1には本発明による基板反転装置及び基板反転方法を用いた液晶パネル組立システムの全体配置を示す平面図であって、1は下基板、2は上基板、3は基板搬入ロボット、4は整列機構、5は第1の搬送ライン(インライン)、6は第2の搬送ライン(サイドライン)、7はペースト塗布機(シールディスペンサ)、8は短絡用電極形成用塗布機、9は液晶滴下装置、10は第1の検出室、11は基板反転装置、12は移載室、13はロボットハンド、14は前処理室、15は基板貼合室(真空チャンバ)、16は後処理室、17は紫外線照射室、18は第2の検査室(パネル検査室)、19は貼合基板(液晶パネル)、20は第3の搬送ラインである。
【0022】
同図において、TFTなどが形成された下基板1が搬送される第1搬送ライン(インライン)5と、第1搬送ライン5と平行に、カラーフィルタが形成された上基板2が搬送される第2搬送ライン(サイドライン)6とが設けてある。洗浄された上基板2及び下基板1が搬送される第1搬送ライン5及び第2搬送ライン6は、ローラコンベアまたはベルトコンベアで構成されている。なお、TFTが形成された基板を上基板2とし、カラーフィルタが形成された基板を下基板1としてもよい。これら上下基板は、処理された面(下基板1はTFTなどが形成された面、上基板2はカラーフィルタなどが形成された面)を上向きにしてローラコンベアまたはベルトコンベア上を夫々搬送される。以下では、搬送装置しては、ローラコンベアを例にして説明するが、ローラコンベアをベルトコンベアに置き換えてもよいことは言うまでもない。
【0023】
第1搬送ライン5の手前には、洗浄された下基板1をこのシステムに搬入する基板搬入ロボット3と、基板搬入ロボット3から下基板1を整列させるための整列機構4が設けられている。整列機構4から第1搬送ライン5に下基板1が受け渡され、第1の搬送ライン5上を下基板1が貼合面を上にして矢印方向に移動する。この第1の搬送ライン5の途中には、下基板1上にシール剤(接着剤)を環状(閉じたループ状)に塗布するペースト塗布機7が設けられている。このペースト塗布機7の下流側に、導電性ペーストをスポット的に塗布する短絡用電極形成用塗布機8が直列に配置されている。
【0024】
なお、図示していないが、各装置には、基板を保持するテーブルが設けられており、ローラコンベアで搬送されてきた下基板1をこのテーブル面上に受け取る構成となっている。このために、テーブルの部分では、ローラコンベアがテーブルを挟んで設置されており、かつ、上下に移動できる構成としてある。ここで、ローラコンベアを上下動させる代わりに、テーブルを上下させて基板を受け取るようにすることも可能である。以下の説明では、テーブルを上下動させる方式で説明する。
【0025】
さらに、短絡用電極形成用塗布機8の下流側には、上記のように環状に塗布されたシール剤のループ内に液晶を所望量滴下する液晶滴下装置9が配置されている。この液晶滴下装置9の下流側には、塗布されたシール剤や滴下された液晶材などの状態を検査する第1検査装置10が配置されている。第1検査装置10でシール剤の塗布状況や液晶の滴下状態が検査された下基板1は、移載室12に設けられたロボットハンド13により、前処理室14からパネル検査室18へと設けた第3の搬送ライン20に受け渡される。第3の搬送ライン20も、ローラコンベアで形成されている。第3の搬送ライン20により、まず、下基板1が基板搬入側の前処理室14内に搬入される。この前処理室14には、基板搬入側(移載室12側)と基板搬出側(基板貼合室15側)にゲートバルブが設けられている。移載室12側から下基板1を搬入するために、ローラコンベアを伸縮するコンベア伸縮機構が前処理室14に設けられている。このゲートバルブが開いているときには、このコンベア伸縮機構により、前処理室14から移載室12にローラコンベアが伸ばされて移載室12のローラコンベアに接続されている。前処理室14に下基板1が搬入されると、コンベア伸縮機構が動作してゲートバルブが閉じることができるように、前処理室内14にローラコンベアが縮められる。同様に、前処理室14に設けたコンベア伸縮機構は、基板貼合室15側にもローラコンベアを伸縮させることができるように構成されている。
【0026】
さらに、第2の搬送ライン6を搬送されてきた上基板2が、基板反転装置11で表裏反転された後、移載室12に設けたロボットハンド13により、前処理室14内に搬入される。即ち、移載室12の部分で第1の搬送ライン5と第2搬送ラインとが合流されて、第3の搬送ラインに接続される。第1の搬送ライン5と第3の搬送ラインとは、略一直線状に連結されている。
【0027】
前処理室14にも、上基板2を保持して基板貼合室15に搬入するロボットハンド(図示せず)と、下基板1を搬送するローラコンベア(図示せず)とが設けられている。
【0028】
上下両基板が前処理室14に搬入されると、前処理室14の基板搬入側の入り口に設けられたゲートバルブ(図示せず)が閉じられ、図示しない真空ポンプを駆動して前処理室14内は所定の真空度(150Torr程度:以下、これを半真空という)になるまで排気される。このとき、前処理室14と基板貼合室15との間のゲートバルブは閉じられている。前処理室14内が半真空の状態になると、基板貼合室15との間のゲートバルブが開かれて、前処理室14から基板貼合室15内に上下基板が搬入される。このとき、基板貼合室15内は半真空状態となっている。この前処理室14には、下基板1を受け取って基板貼合室15の下テーブルに搬送するローラコンベア20と、上基板2を受け取って基板貼合室15の上テーブル(加圧版)に搬送するロボットハンドが設けられている。このとき、前処理室14からコンベア伸縮機構によりローラコンベアがゲートバルブを跨ぐように伸ばされて基板貼合室15のローラコンベアに接続され、下基板1はこのローラコンベア上を移動して基板貼合室15での貼合装置の下テーブルに受け渡される。
【0029】
上下両基板のこの貼合装置への受渡しが終了し、上下両テーブルに上下基板が夫々保持されると、ゲートバルブが閉じられ、図示しない真空ポンプを駆動して基板貼合室15内は高真空(約5×10-3Torr)に排気される。その後、上下両基板の位置合わせを行ないながら、上テーブルを降下させて上基板2の下基板1への貼り合わせを実行する。この貼り合わせが終了すると、貼り合わされた基板(液晶パネル)19は下テーブルからローラコンベア20に受け渡される。その後、基板貼合室15内に空気が導入されて半真空状態に戻され、基板貼合室15と後処理室16との間のゲートバルブ(図示せず)が開放される。このとき、後処理室16は半真空の状態となっている。
【0030】
なお、後処理室16にも、コンベア伸縮機構が設けられており、基板貼合室15と後処理室16との間のゲートバルブが開くと、後処理室16から基板貼合室15に、コンベア伸縮機構により、ローラコンベアが伸ばされて基板貼合室15のローラコンベアに接続できる構成となっている。そして、ローラコンベア上を上下両基板が貼り合わされてなる液晶パネルが搬送されて処理室16に搬入される。後処理室16に貼り合わされた液晶パネル19が搬入されると、ローラコンベアは後処理室16内に縮められ、基板貼合室15と後処理室16との間のゲートバルブが閉じられる。ゲートバルブが閉じると、後処理室16内に大気を導入して半真空状態から大気状態に戻す。後処理室16内が大気状態になると、後処理室16と紫外線照射室17との間のゲートバルブが開放される。ゲートバルブが開くと、後処理室16に設けられているコンベア伸縮機構(図示せず)により、後処理室16からのローラコンベアが紫外線照射室17側に伸ばされて紫外線照射室17のローラコンベアと接続される。そして、かかるローラコンベア上を後処理室16から紫外線照射室17に貼り合わされた基板が搬入され、そこで貼り合わされた基板のシール剤に紫外線光(UV光)が照射されてシール剤を硬化させる。シール剤の硬化が完了すると、ローラコンベア上を液晶パネル19が搬送され、パネル検査室18に搬入されてその検査が行なわれる。
【0031】
このように、各処理室14〜18をほぼ直線状に並べて、一部にロボットハンドを用いているが、ほぼ全体に基板の搬送にローラコンベアを用いる構成としたため、装置の設置面積を最小限に抑制することができる。
【0032】
図2に図1における第1の搬送ライン5の一部と検出センサの配置などの一具体例を示す概略構成図であって、同図(a)は下基板1が正常な姿勢で搬送されている状態を、同図(b)は下基板が回転した(傾いた)状態で搬送されている状態を夫々示しており、30a,30bは動力伝達軸、31a,31bはローラ、32a,32bは基板検出センサ、33a,33bは駆動モータであって、図1に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
【0033】
一般に、基板をローラコンベア上で搬送すると、ローラコンベア上に載せる際やローラコンベアを急停止する際、搬送方向に対して基板が回転して傾く場合がある。ここでは、その傾きを補正するための構成と方法を説明する。
【0034】
図2(a),(b)において、夫々のローラコンベアには、その左右に夫々複数のローラ31a,31bが配置され、夫々左右のローラ31a,31bを駆動するための駆動モータ33a,33bに動力伝達軸30a,30bを介して接続されている。このローラ31a,31b上に下基板1が載置されて、駆動モータ33a,33bでローラ31a,31bを駆動することにより、下基板1が矢印方向に搬送される。
【0035】
かかる第1の搬送ライン5には、基板搬送方向に対して直角方向(左右)に、下基板1の左右両辺部の先端部の通過を検出するための基板検出センサ32a,32bが間隔を開けて配置されている。下基板1がペースト塗布機7(図1)の基板載置テーブル(図示せず)の手前に搬送されてくると、この第1の搬送ライン5に設置されている基板検出センサ32a,32bによってこの下基板1の両辺部の先端部が検出される。左右夫々の側に設けた基板検出センサ32a,32bのうちのいずれか一方が下基板1の先端部を検出すると、検出した側の駆動モータ33aまたは33bを停止させるように、図示しない制御手段が制御する。図2(a)に示すように、基板検出センサ32a,32bがが同時にした基板1の夫々の辺部の尖端部を検出したときには、制御手段は下基板1が正しい状態で搬送されてきたものと判定し、駆動モータ33a,33bをそのまま回転駆動して下基板1を搬送させる。
【0036】
下基板1が、図2(b)に示すように、進行方向からみて(以下、同様)反時計方向に回転して(傾いて)いると(即ち、下基板1の左辺部側が右辺部側よりも遅れて搬送されていると)、左右側に配置された基板検出センサ32a,32bが同時に下基板1を検出せずにその検出に時間差が生ずる。下基板1が図2(b)に示すように傾いている場合、基板検出センサ32bが最初に下基板1を検出し、基板検出センサ32b側のローラコンベアを駆動している駆動モータ33bが停止される。このとき、下基板1の左辺部側の先端部を検出していない基板検出センサ32a側の駆動モータ33aは回転し続ける。このため、下基板1の片側は移動状態を保持していることになる。このように傾きを有する下基板1は、基板検出センサ32aが下基板1を検出すると、検出側の駆動モータ33aが停止される。この動作により、下基板1は、駆動モータが回転している側は停止している側と略同じ位置になり、傾きが補正される。
【0037】
なお、図示していない制御手段は、左右に設けた基板検出センサ32a,32bの検出の時間差を求めて、下基板1の回転(傾き)状態を知るとともに、左右のローラコンベアを駆動する左右両駆動モータ33a,33bを逆転して、再度下基板1を検出前の所定位置に戻す。その後、再度両駆動モータ33a,33bを駆動してローラコンベアを搬送方向に回転させて、下基板1を矢印の搬送方向に移動させることにより、両方の基板検出センサ32a,32bが略同時に下基板1の両辺部の先端部を検出することにより、傾きがなくなったことを確認することができる。傾きが充分に補正されていない場合には、上記の動作を繰り返して補正して、駆動モータ33a,33bの停止処理を行なうとともに基板検出センサ32a,32bの検出時間差を求める。この検出時間差が所定の範囲にあることを制御手段が判断した場合には、下基板1が正常の状態で搬送されていると認識し、塗布テーブルの下まで下基板1を搬送し、そこで停止させる。
【0038】
ペースト塗布機7に設けている基板載置テーブルは上下移動可能に構成されており、この基板載置テーブルを上昇させることにより、下基板1をローラコンベアからこの基板載置テーブル上に受け取る構成となっている。即ち、ローラコンベアは基板載置テーブルを挟んで左右両側に配置されており、基板載置テーブルを上昇させることによって下基板1をこの基板載置テーブル上に受け取る構成となっている。なお、下基板1の幅との関係から、ローラコンベアがテーブル幅より狭く構成しなければならない場合には、基板載置テーブルにローラコンベアを収納する溝を設けて、ローラコンベアを溝内に収納してもよい。
【0039】
このように、第1の搬送ライン5の途中に基板検出センサ32a,32bを下基板1の幅方向である左右方向に配置し、基板検出センサ32a,32bの検出結果に応じて検出側の駆動モータ33aまたは33bを停止させるとともに、基板検出センサ32a,32bの検出時間差を求める。これにより、下基板1の傾き状態を検出して、基板検出センサ32a,32bの検出結果が所定範囲になるまで下基板1の検出と、先に検出した側のローラコンベアの停止を繰り返すことにより、下基板1の傾きの補正を行なうようにしている。これにより、下基板1の傾き補正のために、テーブルを別設する必要がなくなり、処理時間も短縮できる。また、ロボットハンドも設ける必要もなく、システムの大型化を抑制できる。第1の搬送ライン5のローラコンベアは、各装置間で同様の位置合わせ制御が実行される。
【0040】
なお、上記の方法では、ローラコンベアを逆転駆動して、下基板1を所定位置まで戻してその左右両辺部の先端部の検出を繰り返すことにより、下基板1の傾き補正を行なうようにしたが、検出時間の差と補正量との関係を予め求めておき、その関係を記憶して置いて、検出時間差に応じて一方側の駆動モータ33aまたは33bを駆動制御して補正することも可能である。このように、第1の搬送ライン5での搬送コンベア上で下基板1の位置補正を行なうために、テーブル上に載置した下基板1の位置合わせを行なう必要が無くなり、基板貼合室15で基板載置テーブル上に載置した際の位置合わせ時間を短縮できるとともに、夫々の装置でのテーブル上での作業精度が向上する。
【0041】
また、以上は下基板1を用いて説明したが、上基板2に関しても、同様に補正を行なうことができる。
【0042】
また、各装置に設けてある各テーブルには、基板1,2の停止位置を規定するために、基板位置決め機構を備えている。この位置決め機構は、基板搬送方向に対して、直角方向に基板1,2の両端部側の進行を規定する上下動する2本の規制ピンで構成されている。下基板1がローラコンベア上を装置内に搬送されてくると、この規制ピンを、下基板1の移動を停止させるように、ローラコンベア上の下基板1の位置より高い位置になるまで突出させるものである。
【0043】
図3は図1における本発明による基板反転装置11とその基板反転方法の第1の実施形態を示す構成図であって、同図(a)はこの第1の実施形態の全体構成を示す概略構成図、同図(b)は同図(a)におけるウォーキングビームを示す構成図であって、40は架台、41は移動用柱、42はウォーキングビーム、43は水平移動部、44は上下移動部材、45は指部、46は真空吸着パッドである。
【0044】
第2の搬送ライン6を形成しているローラコンベア上に、カラーフィルタ形成面を上向きにして、上基板2が載置されて基板反転装置11に搬送してくる。基板反転装置11の反転機構部に設けられているローラコンベアは、上下動できるように構成されている。
【0045】
図3(a)において、この基板反転装置11には、架台40上に上基板2の搬送方向に対して直角(幅)方向に伸びた複数の指部45(図3(b))を備えたウォーキングビーム42などからなる反転機構が設けられている。
【0046】
ウォーキングビーム42は、図3(b)に示すように、回転軸に複数の指部45を設けた構成をなしており、これら指部45には、上基板2を吸着する複数の真空吸着パッド46が指部45の面によりも所定の高さで設けられている。真空吸着パッド46には、図示を省略するが、負圧を供給する負圧源からの配管が接続されている。
【0047】
この反転機構は、図3(a)に示すように、ウォーキングビーム42の指部45に、真空吸着パッド46により、上基板2を吸着保持して、ウォーキングビーム42の一端側の上下移動部材44を持ち上げて垂直方向へ移動させ、他端側の水平移動部材43を基板搬送方向に架台40の一方の辺側から他方の辺側に移動させることにより、上基板2を上下反転させるようにした構成となっている。
【0048】
ここで、ウォーキングビーム42の指部45は、反転機構部に設けられているローラコンベアのローラとローラとの間に設置されている。架台40の基板搬送方向の略中央部であって、上基板2の端部側には、ウォーキングビーム42の一端側の上下移動部材44を上昇降下させるための移動用柱41が設けられている。移動用柱41の部分には、ウォーキングビーム42の一端部側に設けられた上下移動部材44を上下動させるための駆動モータ(図示せず)が設けられている。この駆動モータにより、上下移動部材44が移動用柱41に沿って上下に移動する構成となっている。また、図示しないが、上下移動部材44はカウンタウェイトにロープで接続されており、駆動モータの駆動力を低減させている。ウォーキングビーム42の他端側の水平移動部材43には、リニアガイド上を移動し易いようにする転がり機構を備えている。
【0049】
この第1の実施形態の基板反転装置11の動作について説明する。
【0050】
まず、基板反転装置11上に上基板2が到着すると、ローラコンベアを停止して、ローラコンベアを下方向へ移動させる。ローラコンベアを降下させることにより、ローラとローラとの間に備えられたウォーキングビーム42の指部45上に上基板2が受け渡される。指部45上に受け渡された上基板2は、指部45に設けられている真空吸着パッド46により、真空吸着されて保持する。上基板2が吸着保持されると、ウォーキングビーム42の一端側の上下移動部材44が移動用柱41に沿って上昇し、これと同時に、ウォーキングビーム42の他端側の水平移動部材43がリニアガイドに沿って水平方向に移動する。そして、上下移動部材44が最高点に達する前に、水平移動部材43が水平方向に所定の速度で移動するようにして移動用柱41の中心を通過してその反対側に移動できるようにしている。
【0051】
なお、水平移動部材43に駆動用モータを設けておいて、その回転力を水平移動部材43に与えて水平方向に駆動する構成としてもよい。
【0052】
ウォーキングビーム42が垂直状態になると、上下移動部材44の上昇を降下方向に変更制御する。以上の動作をさせることにより、上基板2を上下反転させることができる。
【0053】
水平移動部材43が移動用柱41の反対側に移動してウォーキングビーム42が水平状態となり、上基板2が上下反転した状態になると、この基板反転装置11の次の移載室12のロボットハンド13(図1)をウォーキングビーム42の指部45からずらした位置まで伸ばして、ロボットハンド側の指部に設けた真空吸着パッドで上基板2を吸着保持する。これにより、上基板2が基板反転装置11のウォーキングビーム42から移載室12のロボットハンド13に受け渡される。
【0054】
このように、この基板反転装置11では、上基板2の一端側を上下移動させ、他端を水平移動させるようにするため、上基板2がウォーキングビーム42の上下移動部材44を頂点として、この頂点を中心に略半扇型に近い形で移動することになり、180度回転した場合に比べて移動面積が小さくなる。そのため、周囲の空気をかき乱すことがなく、塵埃の発生を最小限に抑制することができ、周囲の装置への塵埃の影響も最小限に抑制できる。
【0055】
なお、この実施形態では、ウォーキングビーム42の指部45の上からロボットハンドの真空吸着パッドを伸ばして上基板2を受け取るものとしたが、ウォーキングビーム42の指部45に設けた真空吸着パッド46の足部を伸ばしておき、上基板2と指部45との間にロボットハンド13の指部を差し込めるようにして、上基板2の受け渡しを行なうようにしてもよく、このように構成した方が作業効率は向上する。
【0056】
図4は図1における本発明による基板反転装置11とその基板反転方法の第2の実施形態を示す構成図であって、同図(a)はこの第1の実施形態の全体構成を示す概略構成図、同図(b)は同図(a)における上基板搬送パレットを示す構成図であり、50は架台、51は上基板搬送パレット、52は回転腕、53は駆動機構、54は連結部、55は桟、56は真空吸着パッド、57は連結機構である。
【0057】
図4(a)において、この基板反転装置11には、架台50上に、搬送パレット51などからなる上基板2を上下反転する反転機構が設けられている。この反転機構は、上基板2を搬送パレット51上に載置して、搬送パレット51の中央部を支持して回転することにより、上基板2を上下反転させる。
【0058】
以下、上基板搬送パレットの一具体例を示す図4(b)を用いて、図4(a)に基板反転装置11の反転機構について説明する。
【0059】
搬送パレット51での上基板2の搬送方向に平行な両辺側の中央部には、反転機構の連結部54にジョイントできるように連結機構57(図4(b))を備えている。また、搬送パレット51は、図4(b)に示すように、複数の桟55で形成されており、この桟55の上部にロボットハンドの指部の挿入が可能なように所定の長さの真空吸着パッド56が設けられている。
【0060】
この基板反転装置11には、その中央部にパレット回転駆動機構が設けられている。このパレット回転駆動機構では、第1の搬送ライン5での上基板2の搬送方向の両側に回転腕52が設けられており、回転腕52の一端側(回転中心側)には、回転腕52を回転させるための駆動機構53が設けられており、回転腕52の先端部側には、搬送パレット51に連結するための連結部54が設けられている。
【0061】
第2の搬送ライン6(図1)には、搬送パレット51が設けられており、基板搬入ロボット3(図1)から上基板2がカラーフィルタ面を上向きにして搬送パレット51に載せられて搬送される。このとき、上基板2は、図4(b)に示す搬送パレット51の桟55に設けられた真空吸着パッド56で真空吸着される。この第2の搬送ライン6上を搬送パレット51と一緒に、上基板2が基板反転装置11に運ばれる。
【0062】
搬送パレット51が基板反転装置11上に到達すると、その反転機構の回転腕52の先端部に設けられている連結部54が、搬送パレット51の中央部に設けられている連結機構57により連結される。回転腕52の先端の連結部54が搬送パレット51の連結機構57に連結されると、回転腕52は駆動機構53によって回転し、上基板2を上下反転させる。さらに、回転腕52の連結部54は回動可能に構成されており、回転腕52に対して搬送パレット51の連結機構57との間は、回動可能になっていて、回転腕52の矢印A方向の回転に伴って、搬送パレット51を図示する矢印B,Cの方向に回転させる。回転腕52が矢印A方向に180度回転すると、上基板2は搬送パレット51の下側に来る。
【0063】
上基板2は、搬送パレット51の下部に吊り下げられた状態で、移載室12のロボットハンド13に受け渡される。即ち、ロボットハンド13の指部が搬送パレット51の真空吸着パッド56の間に挿入され、ロボットハンド13の指部に設けられている真空吸着パッドで上基板2を保持し、搬送パレット51の桟55に設けた真空吸着パッド56の真空吸着が停止される。その後、ロボットハンドが搬送パレット51部から上基板2を離して、前処理室14に上基板2を搬入する。搬送パレット51は基板反転装置11の反転機構によって再度回転され、真空吸着パッドの設けられた側に上向きにして第2の搬送ライン6に戻され、基板搬入ロボット3の位置に戻される。
【0064】
以上のように、この第2の実施形態においても、基板反転装置11では、上基板2を完全に180回転させて上下反転させるのではなく、一端側は略水平方向に、他端側は垂直方向に移動させることにより、上基板2の動作は極力最小の範囲に押えることができるために、上基板2の反転に伴う塵埃の発生及び舞い上がりを抑制でき、周囲の装置への塵埃による影響を抑制できる。
【0065】
図5に図1における基板貼合装置15での前処理室14からの基板搬入及び後処理室16への基板搬出動作の一具体例を示す縦断面図であって、60はローラコンベア、61はローラコンベア、62はロボットハンド、63は指部、64は吸着パッド、65は下テーブル、66は基板受渡し用のローラコンベア、67は上テーブル、68は吸着パッド、69,70はゲートバルブ、71はローラコンベア、72はコンベア伸縮機構であり、図1に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
【0066】
同図において、前処理室14には、下側に伸縮するローラコンベア60が、天井側にロボットハンド62が夫々設けられている。基板貼合室15と前処理室14との間には、ゲートバルブ69が設けられており、基板貼合装置15の貼合室内は、通常、所定の真空度に保持されている。ロボットハンド62の指部63には、複数の吸着パッド64が設けられている。また、上テーブル67にも、伸縮自在な吸着パッド68が複数設けられており、ロボットハンド62の指部63の間を上テーブル67の吸着パッド68が降下して上基板2を吸着保持できるようにしている。これらの吸着パッド64,68は、中心部に負圧を供給する供給口が設けられており、この供給口に負圧が供給されて基板を吸着するようにしている。
【0067】
なお、負圧源や供給配管に関しては、ここでは、図示を省略している。
【0068】
上記のように、上基板2の受け渡しに際しては、負圧で吸着しても、上基板2が落下しないように、前処理室14及び基板貼合室15内が半真空の状態にして、各吸着パッド64,68に供給する負圧はそれよりも真空度を高くなるようにしている。
【0069】
上基板2の受渡し時には、ロボットハンド62の吸着パッド64と上テーブル67の吸着パッド68との両方で上基板2を保持した後に、ロボットハンド62の吸着パッド64への負圧の供給を停止して、ロボットハンド62の指部63を前処理室14に退避させる。その後、上基板2は吸着パッド68で上テーブル67の面まで持ち上げられ、上テーブル67面に配置された複数の粘着部材(図示せず)で保持するように構成している。従って、真空度を上げても、この粘着力で上基板2が保持され、落下することはない。
【0070】
なお、ここでは、吸着パッド64,68として、負圧を供給する方式の真空吸着パッドを用いたが、前処理室14や基板貼合室15が半真空状態であるために、吸着パッド64,68として、上基板2と接触する面に粘着部材を設けた構成の粘着吸着パッドとする方がよい。
【0071】
また、粘着吸着パッド64,68の中心部に負圧供給口を設けておき、上基板2を粘着吸着パッド64,68の粘着部材から引き剥がす場合、圧縮気体を供給して引き剥がすようにする。または、吸着パッド64,68の中央部に上下ピンを設けておき、上基板2を上下ピンで押しながら、粘着部材から引き剥がすように粘着吸着パッドを動作させることにより、粘着パッド64,68から上基板2を引き剥がすことが可能である。
【0072】
前処理室14に設けられたローラコンベア61は、その前室である移載室12(図1)側と基板貼合室15側とに、コンベア伸縮機構60により、伸縮できる構造となっている。なお、移載室12側は、ロボットハンドで前処理室14に基板を搬入できるようにしておくことにより、コンベア伸縮機構60を用いなくてもよいが、時間短縮のためには、コンベア伸縮機構60を用いて、上基板2と下基板1を同時に搬送を行なえるようにした方がよい。
【0073】
前処理室14と基板貼合室15との間のゲートバルブ69が閉じているときには、ローラコンベア61は前処理室14側に縮められており、ゲートバルブ69が開いて下基板1を基板貼合室15に搬送するときには、基板貼合室15側に伸びて、基板貼合室15に設けられている基板受渡し用のローラコンベア66にドッキングして、下基板1をスムーズに基板貼合室15の下テーブル65に受け渡せるように構成されている。下テーブル65は受取りコンベアを構成する左右のローラコンベアの間に設けられており、上下に移動可能に構成されている。
【0074】
また、後処理室16に設けられているコンベア伸縮機構72により、後処理室16に設けられているローラコンベア71も貼合室15側に伸縮できる構成となっており、上下基板1,2の貼り合わせが完了して後処理室16と基板貼合室15との間のゲートバルブ70が開くと、ローラコンベア71が基板貼合室15側に伸びて基板受渡しコンベア66にドッキングして、上下基板1,2が貼り合わされてなる液晶パネルが基板貼合室15から搬出される。
【0075】
なお、このシステムでは、基板貼合室15への上下の基板1,2の搬入と上下テーブル65,67への載置保持を略同時に行なうことができ、これにより、パネル組立の時間を大幅に短縮できる。
【0076】
上記のように、前処理室14から上下基板1,2が基板貼合室15の上テーブル67及び下テーブル65に夫々保持されると、ゲートバルブ69が閉じられる。なお、基板貼合室15と後処理室間16のゲートバルブ70は予め閉じられている。ゲートバルブ69が閉じられると、基板貼合室15内を高真空状態として上下基板1,2の貼り合わせが行なわれる。基板貼合室15内が高真空状態となると、上基板2と下基板1との位置合わせが行なわれる。上下基板1,2の位置合わせは、上下基板1,2の夫々に設けられている位置合わせマークを図示しないカメラによって観測して位置ずれ量を求め、その位置ずれ量に応じて下テーブル65を水平方向に移動させて行なわれる。位置合わせが終了すると、図示していない駆動機構を用いて、上テーブル67を下テーブル65側に移動して貼り合わせが行なわれる。
【0077】
上下基板1,2の貼り合わせが終了すると、先に述べたように、基板貼合室15内を半真空状態とし、後処理室16を予め設定されている半真空状態から真空状態にする。基板貼合室15内が半真空状態となると、ゲートバルブ70が開かれ、後処理室16からローラコンベア71が基板貼合室15内に伸びて受け渡しコンベア66上の上下基板1,2が貼り合わされて液晶パネル19の状態になった作成物が後処理室16側に搬出される。後処理室16に液晶パネル19が搬入されると、ゲートバルブ70が閉じられ、後処理室16内が大気状態に戻される。このように、大気に戻されることにより、液晶パネル19の全体に大気圧が均一に加わり、上下基板1,2間の間隔が正規の間隔になる。
【0078】
後処理室16内が大気に戻されると、第3の搬送ライン20を構成するローラコンベアにより、液晶パネル19が紫外線照射室17(図1)に搬送され、そこで、シール剤に紫外線が照射されてシール剤が硬化される。シール剤の硬化が終了すると、同じくローラコンベアにより、パネル検査室18に送られ、液晶パネル19の状態が検査され、次の工程に送られる。
【0079】
このように、基板貼合室15内の真空度を半真空の状態と高真空の状態とに繰り返すようにするために、前後に前処理室14と後処理室16を設けてゲートバルブ69,70を開閉して上下基板1,2の受け渡し及びその貼り合わせ後の液晶パネル19の送り出しを行なう構成とした。このように、半真空状態と高真空状態を繰り返すことにより、基板貼合室15内で真空状態する時間の短縮を図るとともに、基板貼合室15内の清浄度を低下させることを防止したものである。
【0080】
以上のように、この実施形態では、基板貼合室15内に上下基板1,2を略同時に搬入して上テーブル67と下テーブル65とに保持するようにしたため、従来、別々に搬入していた場合に比べて、貼り合わせに要する時間を短縮できる。
【0081】
また、貼り合わせを行なう前の工程の各処理室の配置を略直線状に配置し、上下基板1,2の搬送にローラコンベアを用いる構成としたために、各処理装置のテーブル構成を略同じ構成にでき、かつ装置の設置面積を縮小することが可能となり、かつタクトタイムを短縮することができた。
【符号の説明】
【0082】
12 下基板
2 上基板
3 基板搬入ロボット
4 整列機構
5 第1の搬送ライン(インライン)
6 第2の搬送ライン(サイドライン)
7 ペースト塗布機(シールディスペンサ)
8 短絡用電極形成用塗布機
9 液晶滴下装置
10 第1の検出室
11 基板反転装置
12 移載室
13 ロボットハンド
14 前処理室
15 基板貼合室(真空チャンバ)
16 後処理室
17 紫外線照射室
18 第2の検査室(パネル検査室)
19 貼合基板(液晶パネル)
20 第3の搬送ライン
30a,30b 動力伝達軸
31a,31b ローラ
32a,32b 基板検出センサ
33a,33b 駆動モータ
40 架台
41 移動用柱
42 ウォーキングビーム
43 水平移動部
44 上下移動部材
45 指部
46 真空吸着パッド
50 架台
51 上基板搬送パレット
52 回転腕
53 駆動機構
54 連結部
55 桟
56 真空吸着パッド
57 連結機構
60 ローラコンベア
61 ローラコンベア
62 ロボットハンド
63 指部
64 吸着パッド
65 下テーブル
66 基板受渡し用のローラコンベア
67 上テーブル
68 吸着パッド
69,70 ゲートバルブ
71 ローラコンベア
72 コンベア伸縮機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上基板と環状に形成したシール剤のループの内側に液晶を滴下した下基板とを夫々基板貼合装置に搬送する前に、ローラコンベア上を上向きにして搬送される該上基板を上下反転させる基板反転装置において、
架台上に上向きで搬送されてきた該上基板を上向きの状態でローラコンベアから受け取り保持する複数の指部を備えたウォーキングビームを備え、
該ウォーキングビームは、一端側に上下移動部材が、他端側に水平移動部が夫々設けられ、該架台上に設けられた移動用柱に沿って該上下移動部材が上下に移動するとともに、該水平移動部がリニアガイドに沿って水平方向に移動する構成としたことを特徴とする基板反転装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板反転装置において、
前記ウォーキングビームの複数の指部夫々に、前記上基板を吸着保持する複数の真空吸着パッドが設けられており、
該真空吸着パッドは前記指部の面より所定の高さの足部を備えていることを特徴とする基板反転装置。
【請求項3】
基板貼合装置で上基板と下基板とを夫々上テーブルと下テーブルに保持して貼り合わせを行なう前に、上向きにローラコンベア上を搬送されて来た該上基板を上下反転させる基板反転装置において、
連結部が設けられた回転腕が反転機構を構成し、
該上基板を上向きに保持して該ローラコンベア上を搬送されてきた搬送パレットの連結機構を該回転腕の連結部に連結し、該回転腕を半回転させて該搬送パレットとこれに保持された該上基板とを上下反転させる構成としたことを特徴とする基板反転装置。
【請求項4】
請求項3に記載の基板反転装置において、
前記搬送パレットを反転させるとき、前記搬送パレットと前記回転腕の連結部との間で前記搬送パレットが回動できるように構成したことを特徴とする基板反転装置。
【請求項5】
ローラコンベア上を上向きに搬送されてきた基板を反転させる基板反転方法において、
ローラコンベア上を搬送されてきた基板を保持し、該基板の一端側を垂直方向に移動させ、該基板の他端側を略水平方向に移動させることによって該基板を上下反転させることを特徴とする基板反転方法。
【請求項6】
請求項5に記載の基板反転方法において、
前記ローラコンベア上を搬送されて来た基板をウォーキングビーム上に受け取り、該ウォーキングビームの一端側を架台上に垂直に設けた移動柱に沿って移動させ、該ウォーキングビームの他端側を架台上に設けたリニアレールに沿って移動させることにより、該基板を上下反転させること特徴とする基板反転方法。
【請求項7】
請求項5に記載の基板反転方法において、
前記基板を上向きに保持して前記ローラコンベア上を搬送されてきた搬送パレットの連結機構を回転腕の連結部に連結し、該回転腕を半回転させて該搬送パレットとこれに保持された前記基板とを上下反転させること特徴とする基板反転方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−207606(P2011−207606A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−78630(P2010−78630)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】