説明

基板検出装置およびそれを備えた基板搬送装置

【課題】最小限の数のセンサでカセットに収納されている基板の飛び出しを早く検出することができる基板検出装置を提供すること
【解決手段】水平な状態で上下多段にカセット内に収容された基板Wを検出する基板検出装置において、センサ支持体6a,6bと、光軸が水平になるようセンサ支持体に設置される第1のセンサ9a,9bと、光軸が水平よりも一定角度傾斜するようセンサ支持体に設置される第2のセンサ9c,9dと、センサ支持体を基板Wの周縁に対して前後及び上下させるセンサ支持体駆動手段5と、を備え、第1と第2のセンサの光軸を上下させて基板Wによって光軸H,Sを遮光させ、そのときの第1と第2のセンサの光軸が遮光された間隔によって、少なくとも基板の有無と、基板の斜め状態と、基板の飛び出しと、を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カセット内に収納された半導体ウェハやガラス基板の状態を検出する装置およびそれを備えた基板搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置、液晶製造装置、あるいはこれらの検査装置において、半導体ウェハ、ガラス基板といった基板を所望の位置に精度良くかつクリーンに搬送するために、基板搬送装置が使用されている。基板搬送装置はアームやそれに類する機構に設けられたハンド上で基板を保持してこれを搬送する。基板搬送装置は、基板が多段に収納されたカセットから基板を搬送することが多いため、基板がカセット内でどのように収容されているか、という情報を把握する必要がある。つまり、基板の有無のほか、斜めに挿入されていないか、カセット1段に複数枚挿入されていないか、所定位置よりも飛び出していないか、などを把握した後、搬送を開始する必要がある。
よってこのような基板検出をおこなうための基板検出装置としては、例えば特許文献1などに記載されているものが知られている。特に特許文献1に開示された装置では、カセットからの基板の飛び出しを検出するために、複数回の上下運動をおこなっている。または、上下運動の回数を減らすために、複数のセンサを設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−214462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように特許文献1など従来の基板検出装置は、カセットからの基板の飛び出しを検出するために複数回の上下運動が必要であったため、基板の検出時間を短縮することができないという問題があった。また、多数のセンサを設けると検出装置構造が複雑になる、コストが上昇するという問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、最小限のセンサでカセットに収納されている基板の飛び出しを早く検出することができる基板検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、水平な状態で上下多段にカセット内に収容された基板を検出する基板検出装置において、センサ支持体と、光軸が水平になるよう前記センサ支持体に設置される第1のセンサと、光軸が水平よりも一定角度傾斜するよう前記センサ支持体に設置される第2のセンサと、前記センサ支持体を前記基板の周縁に対して前後及び上下させるセンサ支持体駆動手段と、を備え、前記センサ支持体駆動手段によって前記第1と第2のセンサの光軸を上下させて前記基板によって前記光軸を遮光させ、そのときの前記第1と第2のセンサの光軸が遮光された間隔によって、少なくとも、前記基板の有無と、前記基板の斜め状態と、前記基板の飛び出しと、を検出すること、を特徴とする基板検出装置とするものである。
請求項2に記載の発明は、前記第1のセンサの光軸が遮光された間隔によって、前記基板の有無と、前記基板の斜め状態と、を検出することを特徴とする請求項1記載の基板検出装置とするものである。
請求項3に記載の発明は、前記第2のセンサの光軸が遮光された間隔によって、前記基板の飛び出しを検出することを特徴とする請求項1記載の基板検出装置とするものである。
請求項4に記載の発明は、前記第1と第2のセンサは、受光器と発光器とからなる透過型光センサであることを特徴とする請求項1記載の基板検出装置とするものである。
請求項5に記載の発明は、前記第1と第2のセンサは、反射型センサであることを特徴とする請求項1記載の基板検出装置とするものである。
請求項6に記載の発明は、前記第1と第2のセンサは、前記第1のセンサの光軸と前記第2のセンサの光軸とが、水平方向にずれて前後に並ぶように前記センサ支持体に設置されることを特徴とする請求項1記載の基板検出装置とするものである。
請求項7に記載の発明は、前記基板の有無と、前記基板の斜め状態と、前記基板の飛び出しと、を検出する際、前記第1と第2のセンサが遮光される間隔が、予め記憶している閾値よりも大きいときにそれらの検出を判断することを特徴とする請求項1記載の基板検出装置とするものである。
請求項8に記載の発明は、前記第2のセンサが前記基板の飛び出しを検出し、かつ前記第1のセンサが前記基板の有無及び前記基板の斜め状態を検出したとき、前記第1のセンサの前記基板の斜め状態の検出を検出結果とすることを特徴とする請求項1記載の基板検出装置とするものである。
請求項9に記載の発明は、水平な状態で上下多段にカセット内に収容された基板を検出する基板検出装置を備え、前記基板検出装置が検出した前記基板の情報に基づいて前記基板を搬送する基板搬送装置において、前記基板検出装置が、センサ支持体と、光軸が水平になるよう前記センサ支持体に設置される第1のセンサと、光軸が水平よりも一定角度傾斜するよう前記センサ支持体に設置される第2のセンサとを備え、前記基板搬送装置が、前記センサ支持体を前記基板の周縁に対して前後及び上下させるセンサ支持体駆動手段を備え、前記センサ支持体駆動手段によって前記第1と第2のセンサの光軸を上下させて前記基板によって前記光軸を遮光させ、そのときの前記第1と第2のセンサの光軸が遮光された間隔によって、少なくとも、前記基板の有無と、前記基板の斜め状態と、前記基板の飛び出しと、を検出し、その検出結果に基づいて前記基板を搬送すること、を特徴とする基板搬送装置とするものである。
請求項10に記載の発明は、前記基板検出装置が、前記第1のセンサの光軸が遮光された間隔によって、前記基板の有無と、前記基板の斜め状態と、を検出することを特徴とする請求項9記載の基板搬送装置とするものである。
請求項11に記載の発明は、前記基板検出装置が、前記第2のセンサの光軸が遮光された間隔によって、前記基板の飛び出しを検出することを特徴とする請求項9記載の基板搬送装置とするものである。
請求項12に記載の発明は、前記基板検出装置の前記第1と第2のセンサは、受光器と発光器とからなる透過型光センサであることを特徴とする請求項9記載の基板搬送装置とするものである。
請求項13に記載の発明は、前記基板検出装置の前記第1と第2のセンサは、反射型センサであることを特徴とする請求項9記載の基板検出装置とするものである。
請求項14に記載の発明は、前記基板検出装置の前記第1と第2のセンサは、前記第1のセンサの光軸と前記第2のセンサの光軸とが、水平方向にずれて前後に並ぶように前記センサ支持体に設置されることを特徴とする請求項9記載の基板搬送装置とするものである。
請求項15に記載の発明は、前記基板検出装置が、前記基板の有無と、前記基板の斜め状態と、前記基板の飛び出しと、を検出する際、前記第1と第2のセンサが遮光される間隔が、予め記憶している閾値よりも大きいときにそれらの検出を判断することを特徴とする請求項9記載の基板搬送装置とするものである。
請求項16に記載の発明は、前記基板検出装置が、前記第2のセンサが前記基板の飛び出しを検出し、かつ前記第1のセンサが前記基板の有無及び前記基板の斜め状態を検出したとき、前記第1のセンサの前記基板の斜め状態の検出を検出結果とすることを特徴とする請求項9記載の基板搬送装置とするものである。
請求項17に記載の発明は、前記基板検出装置の前記センサ支持体が、前記基板を保持するハンドであって、前記ハンドの先端に前記第1と第2のセンサが設置されることを特徴とする請求項9記載の基板搬送装置とするものである。
請求項18に記載の発明は、前記センサ支持体駆動手段が、水平多関節のアームであることを特徴とする請求項17記載の基板搬送装置とするものである。
請求項19に記載の発明は、前記基板検出装置が、少なくとも、前記基板の有無と、前記基板の斜め状態と、前記基板の飛び出しと、を検出したとき、アラームを出力して停止することを特徴とする請求項9記載の基板搬送装置とするものである。
請求項20に記載の発明は、前記基板検出装置が、少なくとも、前記基板の有無と、前記基板の斜め状態と、前記基板の飛び出しと、を検出したとき、その検出結果から、前記基板の搬送に支障が無いことを判断すると、前記基板の搬送を開始することを特徴とする請求項9記載の基板搬送装置とするものである。
請求項21に記載の発明は、請求項9記載の基板搬送装置を備えたことを特徴とする半導体製造装置とするものである。
請求項22に記載の発明は、請求項9記載の基板搬送装置を備えたことを特徴とする液晶製造装置とするものである。
請求項23に記載の発明は、請求項9記載の基板搬送装置を備えたことを特徴とする検査装置とするものである。
請求項24に記載の発明は、センサ支持体と、光軸が水平になるよう前記センサ支持体に設置される第1のセンサと、光軸が水平よりも一定角度傾斜するよう前記センサ支持体に設置される第2のセンサと、前記センサ支持体を前記基板の周縁に対して前後及び上下させるセンサ支持体駆動手段と、を備えた基板検出装置において、水平な状態で上下多段にカセット内に収容された基板を検出する方法であって、前記センサ支持体駆動手段によって前記第1と第2のセンサの光軸を前記基板の周縁に近づけるステップと、前記センサ支持体駆動手段によって前記第1と第2のセンサの光軸を上方又は下方に垂直に移動させるステップと、前記移動させるステップを行ないながら、前記第1と第2のセンサの光軸が遮光された間隔を検出するステップと、前記第1のセンサの光軸が遮光された間隔によって、前記基板の有無と、前記基板の斜め状態と、を検出するステップと、前記第2のセンサの光軸が遮光された間隔によって、前記基板の飛び出しを検出するステップと、を備えたことを特徴とする基板検出方法とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、従来のように、カセットからの基板の飛び出しを検出するためにセンサの複数回の上下運動を必要とせず、少なくとも基板の有無と、基板の斜め状態と、基板の飛び出しを同時に検出して、基板の検出時間を短縮することができる。
また、基板の飛び出しを検出する時間を短くするためには、より多数のセンサを設ける必要があったが、本発明は、必要最小限の数のセンサにするとともに、それに伴い検出装置の構造を簡単にしてコストを下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の基板検出装置が適用される基板搬送装置の側面図
【図2】本発明の基板検出装置が適用される基板搬送装置の平面図
【図3】本発明の基板検出装置の正面図
【図4】遮光型光センサ9a、9bがビームHを照射しながら上昇する際に、受光器が発する受光信号SLの波形を示す説明図
【図5】遮光型光センサ9c、9dがビームSを照射しながら上昇する際に、受光器が発する受光信号SLの波形を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は、本発明の基板検出装置が適用される基板搬送装置の側面図、図2は、本発明の基板検出装置が適用される基板搬送装置の平面図である。図において1はベース、2は基板搬送装置で、上記ベース1上に設置されている。基板搬送装置2は、次のように構成されている。すなわち、ベース1上に固定ベース3が固定され、この固定ベース3に、旋回および上下動可能な搬送装置本体4が取り付けられている。また、搬送装置本体4の上面に、搬送用アーム5が旋回可能に取り付けられている。搬送用アーム5は、基板検出装置6を回転可能に支持する第2アーム5aと、この第2アーム5aを回転可能に支持する第1アーム5bとからなっている。基板検出用装置6は、カセット8からの基板搬出、カセット8への基板搬入の基板搬送にも使用されるよう、基板Wを保持可能にハンド型に形成されている。なお、基板検出装置6と、基板搬送用のハンドを別々に設けることも可能である。7はベース1上に載置されたカセット台で、その上面に、内部に基板Wを収納するカセット8を載置している。
【0010】
次に、本発明の要点である基板検出装置6について、詳細に説明する。図2に概略を示すとおり、基板検出装置6は、水平方向に互いに離間した左右一対のセンサ支持体6a、6bと、センサ支持体6a、6bにそれぞれが設置され、水平方向に一定の距離を置いて取り付けられた、二組の透過型光センサ9を備えている。前記二組の透過型光センサ9のうち一組(第1の透過型光センサ9a、9b)は、センサ支持体6の先端側に取り付けられ、基板有無および基板姿勢検出に使用する。また、もう一組(第2の透過型光センサ9c、9d)は、センサ支持体6の後端側に取り付けられ、基板飛び出し検出に使用する。
【0011】
センサ支持体の先端側に取り付けられた第1の透過型光センサ9a,9bは、左右のセンサ支持体6a、6bのうちの一方に取り付けられた発光器9a、および他方に取り付けられた受光器9bの組み合わせによって構成される。図3は、基板検出装置6の正面図である。図3(A)に示すとおり、発光器9aおよび受光器9bは、互いに光軸を合わせて、センサ支持体6の裏面に、水平に取り付けられている。発光器9aから受光器9bに向けて水平ビームHを照射し、その際の受光器9bの受光信号により、ビームHの進路途中にある基板Wの有無および姿勢を検出する。
【0012】
また、第2の透過型光センサ9c,9dは、左右のセンサ支持体6a、6bのうちの一方に取り付けられた発光器9c、および他方に取り付けられた受光器9dの組み合わせによって構成される。図3(B)に示すとおり、発光器9cは、センサ支持体6の表面付近、受光器9dは、センサ支持体6の裏面に取り付けられている。また、発光器9cと受光器9dは、互いに光軸を合わせて、水平から一定角度傾けて取り付けられている。発光器9cから受光器9dに向けて傾斜ビームSを照射し、その際の受光器9dの受光信号により、ビームSの進路途中にある基板Wの飛び出しを検出する。
なお、本実施例では、基板検出に透過型光センサを使用したが、反射型光センサを使用してもよい。
【0013】
図1に概略を示すように、カセット8の内部には、カセット8の内側壁に形成された溝(図示略)に挿入されることで、多数の基板Wが各々水平姿勢で上下方向に多段に整列させられた状態で収納保持されている。基板搬送装置2は、カセット8の前面のカセット基板出入り口8aからこのカセット8の内部に、基板検出装置6の左右のセンサ支持体6a、6bの先端を挿入させることで、透過型光センサ9の発光器9a、9cと、受光器9b、9dを基板Wの端の左右両側に位置決めする。そして、搬送装置本体4を上下方向に移動させることによって基板検出装置6を上下方向に移動させ、ビームH、ビームSの位置を一定間隔で上下方向の走査をおこない、ビームH、ビームSの上下方向の各位置における受光信号を取得する。
本実施例の場合、基板搬送装置2のコントローラでもある制御演算装置10により、取得したデータと、基板Wの有無、姿勢と飛び出しを判定するための閾値を比較することにより、カセット8内の各段における基板Wの有無、姿勢と飛び出しを判定する。
【0014】
次に、基板Wの有無および姿勢検出方法について詳細に説明する。図4は、第1の遮光型光センサ9a、9bがビームHを照射しながら上昇する際に、受光器が発する受光信号SLの波形を示す説明図である。すなわち、図4(B)は、カセット8の構造を模式的に示しており、図4(A)は、これに対応する受光信号SLの波形を示している。図4(B)に示すように、この実施例ではカセット8内に基板Wが25枚格納できるものと仮定しており、その一部に基板Wが実際に収納されているものとしている。受光器が受光状態と判断した場合は、受光信号SLは0レベル(Lレベル)を示し、非受光状態(遮光状態)にある時には受信信号LSは1レベル(Hレベル)を示す。図4(B)に示すように、水平に収納されている基板Wに対しては、受光信号SLが1レベル(Hレベル)である時間が基板Wの厚みにほぼ相当している。一方、傾いて収納されている基板Wに対しては、受光信号SLが1レベル(Hレベル)である時間は、基板Wを水平方向の光で投影した時の厚みに相当するので、基板Wの厚みよりもかなり広い。そこで、この実施例では、制御演算装置10により、受光信号SLが1レベル(Hレベル)の時間と、基板Wの有無と姿勢を判断するための閾値を比較することにより、基板Wの有無および姿勢(斜め挿入)を検出する。
【0015】
次に、基板Wの飛び出し検出方法について詳細に説明する。図5は、第2の遮光型光センサ9c、9dがビームSを照射しながら上昇する際に、受光器が発する受光信号SLの波形を示す説明図である。すなわち、図5(B)は、カセット8の構造を模式的に示しており、図5(A)は、これに対応する受光信号SLの波形を示している。また、図5(C)は、カセット8の平面図である。図5(B)に示すように、この実施例ではカセット8内に基板Wが25枚格納できるものと仮定しており、その一部に基板Wが実際に傾斜なく収納されているものとしている。図5(B)に示す基板Wは、図2のビームSの光軸によって切断された断面図である。すなわち、図5(C)に示すように、カセット8の1段目に収納された基板Wのほうが、カセット8の25段目に収納された基板Wより、前方に飛び出していることを意味する。また、この実施例では、カセット8の25段目に収納されている基板は、前方に飛び出すことなく、正確に収納されているものとする。図5(B)に示すように、受光器が受光状態と判断した場合は、受光信号SLは0レベル(Lレベル)を示し、非受光状態(遮光状態)にある時には受信信号LSは1レベル(Hレベル)を示す。発光器9c、受光器9dは、互いに光軸を合わせて、水平から一定角度傾けて取り付けられており、ビームSの光軸が、水平より一定角度傾いているため、受光信号SLが1レベル(Hレベル)である時間は、基板Wの切断面の長さに比例する。そのため、受光信号SLが1レベル(Hレベル)である時間は、正確に収納されている基板Wより、前方に飛び出している基板Wのほうが長くなる。そこで、この実施例では、制御演算装置10により、受光信号SLが1レベル(Hレベル)の時間と、基板Wの飛び出しを判断するための閾値を比較することにより、基板Wの飛び出しを検出する。
また、カセット8に対して基板Wが飛び出し、かつ傾いて収納されている場合は、受光信号SLが1レベル(Hレベル)である時間が、基板Wの切断面の長さに比例しないが、この場合は、前記のように第1の透過型光センサによって検出された基板Wの有無および姿勢検出により、基板Wの傾きが検出されており、それを検出結果とする。
【0016】
次に、基板検出装置2による、基板Wの有無、姿勢および飛び出しの検出の一連の動作について説明する。まず、基板搬送装置2は、カセット8の前面のカセット基板出入り口8aから、基板検出装置6の左右のセンサ支持体6a、6bの先端を、カセット8の最下段の基板W収納位置の更に下側に挿入させる。次に、左右のセンサ支持体6a、6bの先端(厳密にはビームHおよびビームSの照射位置)を、カセット8内に多段に整列された基板Wの左右両側における前後方向の基準位置(基板Wの有無、姿勢および飛び出し検出位置)に位置決めする。そして、その位置で、水平にビームHを、水平より一定角度傾斜してビームSを、それぞれ照射しながら、センサ支持体6a、6bを上方に移動させることにより、ビームH、ビームSを上方に走査させながら、ビームH、ビームSの上下方向の各位置における受光信号を取得する。最後に、走査が終了したら、取得したデータに基づいてカセット8内の各段における基板Wの有無、姿勢および飛び出しの検出をおこなう。
この場合、前記のように、第2の透過型光センサによる受光信号SLが1レベル(Hレベル)である時間を基に基板Wの飛び出し検出をおこなっているため、基板Wの飛び出し検出のために、センサ支持体6a、6bを複数回、上方へ移動させる必要はなく、迅速に検出をおこなうことが可能である。そして飛び出し検出と同時に基板の有無、姿勢を検出する。検出動作をおこなった後、カセット8内の基板Wの収納状態に異常がなければ、あるいは異常があっても基板搬送装置2の基板搬送に問題が無いときは、基板搬送装置2は、基板Wの搬送を開始する。基板Wの収納状態に異常があり、基板搬送装置2の基板搬送に問題があるときは、アラームを出して異常を知らせる。この場合、作業者が異常な状態を修復した後、基板搬送装置2は、基板Wの搬送を開始する。
【符号の説明】
【0017】
1 ベース
2 基板搬送装置
3 固定ベース
4 搬送装置本体
5 搬送用アーム
5a 第2アーム
5b 第1アーム
6 基板検出装置
6a, 6b センサ支持体
7 カセット台
8 カセット
8a カセット基板出入り口
9 遮光型光センサ
9a, 9c 発光器
9b, 9d 受光器
10 制御演算装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平な状態で上下多段にカセット内に収容された基板を検出する基板検出装置において、
センサ支持体と、
光軸が水平になるよう前記センサ支持体に設置される第1のセンサと、
光軸が水平よりも一定角度傾斜するよう前記センサ支持体に設置される第2のセンサと、
前記センサ支持体を前記基板の周縁に対して前後及び上下させるセンサ支持体駆動手段と、を備え、
前記センサ支持体駆動手段によって前記第1と第2のセンサの光軸を上下させて前記基板によって前記光軸を遮光させ、そのときの前記第1と第2のセンサの光軸が遮光された間隔によって、少なくとも、前記基板の有無と、前記基板の斜め状態と、前記基板の飛び出しと、を検出すること、を特徴とする基板検出装置。
【請求項2】
前記第1のセンサの光軸が遮光された間隔によって、前記基板の有無と、前記基板の斜め状態と、を検出することを特徴とする請求項1記載の基板検出装置。
【請求項3】
前記第2のセンサの光軸が遮光された間隔によって、前記基板の飛び出しを検出することを特徴とする請求項1記載の基板検出装置。
【請求項4】
前記第1と第2のセンサは、受光器と発光器とからなる透過型光センサであることを特徴とする請求項1記載の基板検出装置。
【請求項5】
前記第1と第2のセンサは、反射型センサであることを特徴とする請求項1記載の基板検出装置。
【請求項6】
前記第1と第2のセンサは、前記第1のセンサの光軸と前記第2のセンサの光軸とが、水平方向にずれて前後に並ぶように前記センサ支持体に設置されることを特徴とする請求項1記載の基板検出装置。
【請求項7】
前記基板の有無と、前記基板の斜め状態と、前記基板の飛び出しと、を検出する際、前記第1と第2のセンサが遮光される間隔が、予め記憶している閾値よりも大きいときにそれらの検出を判断することを特徴とする請求項1記載の基板検出装置。
【請求項8】
前記第2のセンサが前記基板の飛び出しを検出し、かつ前記第1のセンサが前記基板の有無及び前記基板の斜め状態を検出したとき、前記第1のセンサの前記基板の斜め状態の検出を検出結果とすることを特徴とする請求項1記載の基板検出装置。
【請求項9】
水平な状態で上下多段にカセット内に収容された基板を検出する基板検出装置を備え、前記基板検出装置が検出した前記基板の情報に基づいて前記基板を搬送する基板搬送装置において、
前記基板検出装置が、
センサ支持体と、
光軸が水平になるよう前記センサ支持体に設置される第1のセンサと、
光軸が水平よりも一定角度傾斜するよう前記センサ支持体に設置される第2のセンサとを備え、
前記基板搬送装置が、前記センサ支持体を前記基板の周縁に対して前後及び上下させるセンサ支持体駆動手段を備え、
前記センサ支持体駆動手段によって前記第1と第2のセンサの光軸を上下させて前記基板によって前記光軸を遮光させ、そのときの前記第1と第2のセンサの光軸が遮光された間隔によって、少なくとも、前記基板の有無と、前記基板の斜め状態と、前記基板の飛び出しと、を検出し、その検出結果に基づいて前記基板を搬送すること、を特徴とする基板搬送装置。
【請求項10】
前記基板検出装置が、前記第1のセンサの光軸が遮光された間隔によって、前記基板の有無と、前記基板の斜め状態と、を検出することを特徴とする請求項9記載の基板搬送装置。
【請求項11】
前記基板検出装置が、前記第2のセンサの光軸が遮光された間隔によって、前記基板の飛び出しを検出することを特徴とする請求項9記載の基板搬送装置。
【請求項12】
前記基板検出装置の前記第1と第2のセンサは、受光器と発光器とからなる透過型光センサであることを特徴とする請求項9記載の基板搬送装置。
【請求項13】
前記基板検出装置の前記第1と第2のセンサは、反射型センサであることを特徴とする請求項9記載の基板検出装置。
【請求項14】
前記基板検出装置の前記第1と第2のセンサは、前記第1のセンサの光軸と前記第2のセンサの光軸とが、水平方向にずれて前後に並ぶように前記センサ支持体に設置されることを特徴とする請求項9記載の基板搬送装置。
【請求項15】
前記基板検出装置が、前記基板の有無と、前記基板の斜め状態と、前記基板の飛び出しと、を検出する際、前記第1と第2のセンサが遮光される間隔が、予め記憶している閾値よりも大きいときにそれらの検出を判断することを特徴とする請求項9記載の基板搬送装置。
【請求項16】
前記基板検出装置が、前記第2のセンサが前記基板の飛び出しを検出し、かつ前記第1のセンサが前記基板の有無及び前記基板の斜め状態を検出したとき、前記第1のセンサの前記基板の斜め状態の検出を検出結果とすることを特徴とする請求項9記載の基板搬送装置。
【請求項17】
前記基板検出装置の前記センサ支持体が、前記基板を保持するハンドであって、前記ハンドの先端に前記第1と第2のセンサが設置されることを特徴とする請求項9記載の基板搬送装置。
【請求項18】
前記センサ支持体駆動手段が、水平多関節のアームであることを特徴とする請求項17記載の基板搬送装置。
【請求項19】
前記基板検出装置が、少なくとも、前記基板の有無と、前記基板の斜め状態と、前記基板の飛び出しと、を検出したとき、アラームを出力して停止することを特徴とする請求項9記載の基板搬送装置。
【請求項20】
前記基板検出装置が、少なくとも、前記基板の有無と、前記基板の斜め状態と、前記基板の飛び出しと、を検出したとき、その検出結果から、前記基板の搬送に支障が無いことを判断すると、前記基板の搬送を開始することを特徴とする請求項9記載の基板搬送装置。
【請求項21】
請求項9記載の基板搬送装置を備えたことを特徴とする半導体製造装置。
【請求項22】
請求項9記載の基板搬送装置を備えたことを特徴とする液晶製造装置。
【請求項23】
請求項9記載の基板搬送装置を備えたことを特徴とする検査装置。
【請求項24】
センサ支持体と、光軸が水平になるよう前記センサ支持体に設置される第1のセンサと、光軸が水平よりも一定角度傾斜するよう前記センサ支持体に設置される第2のセンサと、前記センサ支持体を前記基板の周縁に対して前後及び上下させるセンサ支持体駆動手段と、を備えた基板検出装置において、水平な状態で上下多段にカセット内に収容された基板を検出する方法であって、
前記センサ支持体駆動手段によって前記第1と第2のセンサの光軸を前記基板の周縁に近づけるステップと、
前記センサ支持体駆動手段によって前記第1と第2のセンサの光軸を上方又は下方に垂直に移動させるステップと、
前記移動させるステップを行ないながら、前記第1と第2のセンサの光軸が遮光された間隔を検出するステップと、
前記第1のセンサの光軸が遮光された間隔によって、前記基板の有無と、前記基板の斜め状態と、を検出するステップと、
前記第2のセンサの光軸が遮光された間隔によって、前記基板の飛び出しを検出するステップと、を備えたことを特徴とする基板検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−219209(P2010−219209A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62799(P2009−62799)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】