説明

基板洗浄チャンバ、洗浄及びコンディショニング方法

【課題】基板洗浄チャンバ、チャンバコンポーネント及び基板洗浄方法を提供する。
【解決手段】基板洗浄チャンバは、基板支持体に面する弧状面を有する輪郭付けされた天井電極を含み、弧状面と基板支持体との間のギャップの大きさを変えて基板支持体にわたり変化するプラズマ密度を与えるための可変断面厚みを有している。洗浄チャンバのための誘電体リングは、ベースと、峰部と、基板支持体の周囲リップをカバーする半径方向内方の張出部とを含む。ベースシールドは、少なくとも1つの周囲壁を有する円形ディスクを含む。洗浄チャンバのための洗浄及びコンディショニングプロセスについても説明する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]本発明の実施形態は、基板洗浄チャンバ、チャンバコンポーネント及び基板洗浄方法に関する。
【0002】
[0002]集積回路及びディスプレイの製造においては、半導体ウェハ又はディスプレイのような基板がプロセスチャンバに置かれ、基板上に種々の能動的及び受動的な特徴部を形成するように処理条件が設定される。進歩した集積回路及びディスプレイは、基板上に形成された特徴部を接続するために複数レベルのサブミクロンサイズの相互接続部を使用している。回路の信頼性を改善するため、基板上の表面特徴部は、相互接続部又は他の特徴部の表面に重畳材料を堆積する前に洗浄される。典型的な事前洗浄又は洗浄チャンバは、基板を保持するための基板支持体を含むチャンバコンポーネントを含むプロセスゾーンの周りのエンクロージャーと、洗浄ガスを供給するガス供給源と、特徴部の表面をエッチングして基板を洗浄するために洗浄ガスにエネルギを与えるガスエナージャイザーと、使用済みガスを除去するためのガス排気部とを備え、これらは、例えば、参考としてここに全体を援用するサブラマニアン氏等の2000年8月22日発行の米国特許第6,107,192号に説明されている。
【0003】
[0003]しかしながら、在来の事前洗浄チャンバ及びプロセスは、基板上に製造される常に小さな特徴部の表面を均一に洗浄しないことがしばしばある。これらの特徴部を適切に洗浄しないことで、空所が形成されたり又は表面特徴部間の電気抵抗が高くなったりする。例えば、特徴部上に残される自然酸化物及び汚染物の層は、その後の処理ステップにおいて基板に堆積される材料の不均等な分布を促進するか、或いは中に堆積される材料で特徴部が埋められる前に特徴部の角を成長させ、合体させ、更に封鎖させることにより、空所の形成を引き起こす。事前洗浄プロセスは、その後のバリア層又は金属堆積プロセスのために基板表面を均一にエッチングし、きれいにすることが特に望まれる。
【0004】
[0004]また、チャンバコンポーネントが互いにくっついたり或いは蓄積した堆積物が洗浄サイクルと洗浄サイクルとの間に剥がれたりしないようにして、増え続ける量の蓄積堆積物を受け入れることのできる事前洗浄チャンバをもつことも望ましい。
【0005】
[0005]エッチングによる洗浄プロセス中に、チャンバ内の露出した内面に洗浄残留物がしばしば堆積する。これらの残留物が蓄積するのは望ましくない。というのは、蓄積した堆積物は、熱応力を受けると、剥がれて落下し、基板及び他のチャンバ面を汚染するからである。残留物をチャンバコンポーネントから定期的に洗浄することで、この問題は軽減するが、チャンバコンポーネントを分解して洗浄すると共に、チャンバを遮断することも要求される。更に、チャンバの天井を通して誘導エネルギを結合して洗浄ガスにエネルギを与えるための外部インダクタコイルガスエナージャイザーを有するチャンバの天井に金属含有プロセス残留物が蓄積すると、金属含有残留物が天井を通しての誘導エネルギの結合を減少し又は妨げる。在来の洗浄チャンバは、下部及び上部シールドと、このようなプロセス残留物を受けるために基板支持体の周りに配列された種々の堆積又はカバーリングとを備えたプロセスキットを使用する。定期的に、プロセスキットコンポーネントが分解され、洗浄のためにチャンバから除去される。しかしながら、遮断するまで非常に多数のプロセスサイクルに対してチャンバを使用できるように、増え続ける量の蓄積堆積物を受け入れることのできるチャンバ及び内部コンポーネントをもつことが望まれる。
【発明の概要】
【0006】
[0006]基板受け入れ面及び支持電極を有する基板支持体を備えた洗浄チャンバに、輪郭付けされた(contoured)天井電極が使用される。この輪郭付けされた天井電極は、基板支持体に面する弧状面を含む。この弧状面は、基板支持体の基板受け入れ面にわたって延びる大きさの直径と、基板支持体の支持電極と弧状面との間に形成されるギャップの大きさを変えるように基板支持体にわたって変化する断面厚みとを有するので、弧状面と基板支持体との間に形成されるプラズマのプラズマ密度を、基板支持体にわたって半径方向に変えられるようにする。また、天井電極は、基板支持体を取り巻くように弧状面の周囲から下方に延びる環状バンドをもつこともできる。支持張出部が、環状バンドから半径方向外方に延びている。
【0007】
[0007]洗浄チャンバのための誘電体リングは、基板支持体を取り巻くように、チャンバ内で誘電体ベースプレートの周囲フランジに載せられたベースを含む。また、誘電体リングは、基板受け入れ面より高さの高い峰部(ridge)も有する。半径方向内方の張出部(ledge)が、基板支持体の周囲リップをカバーする。
【0008】
[0008]基板洗浄チャンバのベースシールドは、誘電体ベースプレートを支持するための頂面を有する円形ディスクと、チャンバリフトピンを貫通して延ばすことができるようにこの円形ディスクを貫通する複数のリフトピン穴とを備えている。また、ベースシールドは、円形ディスクから上方に延びてそれを取り巻く周囲壁も有し、この周囲壁は、誘電体ベースプレートの周囲フランジから離間されている。
【0009】
[0009]洗浄チャンバにおいて基板上の層をエッチングで洗浄するプロセスは、洗浄チャンバ内で基板支持体に基板を置き、この支持体と輪郭付けされた天井電極との間にギャップを設定し、チャンバ内に洗浄ガスの圧力を維持し、更に、天井電極及び支持電極に二重周波数電力を印加することにより洗浄ガスにエネルギを与えることを含み、二重周波数電力は、第1周波数と第2周波数の電力比が少なくとも1:2であり、第1周波数は、約20KHz未満で、第2周波数は、少なくとも約20MHzである。
【0010】
[0010]洗浄チャンバにおいて基板上の層をエッチングで洗浄するプロセスは、洗浄チャンバ内で第1バッチの製造基板上の第1材料を洗浄して、その第1材料を含むプロセス残留物を洗浄チャンバの内面で生成することを含む。その後、洗浄チャンバ内で第2材料を含むコンディショナー基板をエッチングスパッタすることにより洗浄チャンバの内面のプロセス残留物上に第2材料のコンディショニング層を堆積するが、第2材料は、第1材料とは異なる材料である。次いで、洗浄チャンバ内に準備された第2バッチの製造基板上の第1材料を洗浄して、第1材料を含む更なるプロセス残留物をコンディショニング層上に形成することができる。このプロセスは、チャンバの洗浄を遅延させる。
【0011】
[0011]本発明の、これらの特徴、態様、及び効果は、以下の説明、特許請求の範囲、及び本発明の実施例を示す添付図面から良く理解できよう。しかしながら、これら特徴の各々は、単に特定の図面に使用されるのではなく、本発明において一般的に使用することができ、また、本発明は、これら特徴の組合せを含むことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】洗浄チャンバの一実施形態の概略断面側面図で、輪郭付けされた天井電極、基板支持体、誘電体リング、電気的ベースプレート、及び下部シールドを示す図である。
【図2】平坦な天井電極を使用してエッチングで洗浄されたテスト基板に得られるエッチングプロフィールと、このエッチングプロフィールを補償する、輪郭付けされた天井電極に対して選択された弧状プロフィールの対応マッピングとを示すグラフである。
【図3】凸状のふくらみ(bulge)、周囲溝及び周囲壁を含む弧状面を有する輪郭付けされた天井電極の一実施形態の斜視図である。
【図4】凹状のくぼみである弧状面を有する輪郭付けされた天井電極の断面側面図である。
【図5】誘電体ベースプレート及び基板支持体に載せられたカバーリングの一実施形態の部分断面図で、基板支持体上に位置された基板を示す図である。
【図6A】取り囲む周囲壁をもつ円形ディスクを備えるベースシールドの一実施形態の斜視図である。
【図6B】互いに同心的な、周りを取り巻く周囲壁及び内側壁を備えるベースシールドの別の実施形態の斜視図である。
【図7】洗浄チャンバ内で処理された基板の表面にわたって得られる均一の洗浄レートの輪郭(contour)プロットである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0020]基板104の表面層を洗浄することのできる洗浄チャンバ100の一実施形態が図1に示されている。一般的に、洗浄チャンバ100は、プロセスゾーン106を包囲するエンクロージャー壁105を備え、この壁105は、天井蓋108、側壁110及び底壁112を含む。チャンバのエンクロージャー壁は、アルミニウム、ステンレス鋼、銅−クロム、又は銅−亜鉛のような金属から形成することができる。天井蓋108は、下方に延びる側部張出部116をもつプレート114を備えている。天井蓋108の側部張出部116は、側壁110の頂面118に載せられている。側壁110は、ガス流制御弁127により監視される流量で洗浄ガス源126から洗浄ガスを導入するためのガス入口124と、排気ポンプ123を使用してスロットル弁129を越えてチャンバ100からガスを排気するための排気ポート128とを有する。底壁112は、電気コネクタ120及びリフト機構122を受け入れるための開口を有する。図示された変形において、洗浄チャンバ100は、材料の表面部分をエッチング除去することにより、金属又は金属化合物のような金属含有材料を基板104から洗浄するのに特に適している。チャンバは、例えば、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社から入手できるDAVINCIチャンバのようなREACTIVE PRE−CLEANTM型洗浄チャンバである。チャンバ100は、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社から入手できるENDURA(登録商標)、PRODUCER(登録商標)及びCENTURA(登録商標)処理プラットホームのファミリーのような、相互接続されたチャンバのクラスタを有するマルチチャンバプラットホーム(図示せず)の一部分である。
【0014】
[0021]また、チャンバ100は、支持電極134を備える基板支持体130も含む。基板支持体130は、取り囲む周囲リップ136を基板受け入れ面137の周りに有する持ち上がったペデスタル135を備える。周囲リップ136は、ペデスタル135の底部から外方に延び、低い高さである。基板受け入れ面137は、平坦であり、基板104を受け入れる大きさとされる。ここに示す実施形態において、支持電極134及び基板支持体130は、同一構造であるが、別の実施形態において、基板支持体130は、支持電極134をカバーし又は包囲する誘電体(図示せず)をもつことができる。ここに示す変形では、支持電極134としても働く基板支持体130は、例えば、アルミニウム、銅、チタン、又はその合金のような金属を備えるか、又はそれから構成される。高温事前洗浄プロセスにとって望ましい1つの変形において、支持電極134はチタンから製造される。この変形は、アルミニウムで作られた在来の支持電極134に比して高い動作温度を与える。基板をロードするために、基板支持体130がリフトモータ131及びロフトベローズ132によって下降され、固定リフトフィンガー138が支持体130の穴を通して延びるようにする。基板104が、チャンバ100の側壁116の基板ロード入口(図示せず)を通ってチャンバ100へ導入され、リフトフィンガー138に載せられる。次いで、基板支持体130を上昇して、基板104をリフトフィンガー138から持ち上げる。
【0015】
[0022]輪郭付けされた天井電極140は、基板支持体130及び支持電極134に面している。基板支持体130は、支持電極134と天井電極140との間に所定のギャップ139を設定するように位置されている。輪郭付けされた天井電極140は、その周縁141が接地リング143に載せられ、この接地リングは、次いで、チャンバ蓋108の張出部145に載せられている。輪郭付けされた天井電極140及び支持体は、両方とも、例えば、アルミニウムのような導電性材料で作られて、これもアルミニウムのような金属導体で作られたチャンバ本体に固定される。輪郭付けされた天井電極140及び接地リング143は、電気的に相互接続され、浮動電位に維持されるか又は接地することができる。接地リング143及び輪郭付けされた天井電極140の周縁141は、低い角度のスパッタプラズマ種及びそれにより生じるプロセス堆積物がそれらの表面を越えて貫通するのを妨げる形状とされている。
【0016】
[0023]在来の洗浄チャンバは、ドーム状の誘電体天井の周りに巻かれたインダクタコイルを使用して、チャンバ内の洗浄ガスにエネルギを誘導的に結合し、プラズマを形成して基板104を洗浄する。しかしながら、基板104の金属層を洗浄するときには、金属種を含むプロセス残留物がチャンバ天井114の内面に堆積し、この金属含有層が、天井114を通るエネルギの誘導性結合を妨げる。
【0017】
[0024]洗浄チャンバのこの変形において、在来使用されたインダクタコイルは、輪郭付けされた天井電極140に置き換えられ、この天井電極は、輪郭付けされたプロフィールを有し、支持電極134に結合されて、チャンバ100に供給された洗浄ガスからプラズマにエネルギを与える。天井電極140は、この電極140の性能に影響せずに金属含有堆積物を受け入れることができる。というのは、電極140それ自体が金属のような導体で作られるからである。これは、基板104上の金属含有材料の洗浄において洗浄チャンバ100の性能を改善する。
【0018】
[0025]1つの変形において、輪郭付けされた天井電極140は、基板支持体130に面する弧状面144を備え、その1つの変形が図1から図4に示されている。この弧状面144は、基板支持体130の基板受け入れ面にわたって延びるのに充分な大きさとされた直径を有する単一又は複数半径の曲面を含む。弧状面144の形状は、弧状面144と基板支持体130又は支持電極134との間に形成されるプラズマのプラズマ密度又はフラックスを制御するように選択されている。一実施例として、弧状面144は、支持電極134又は基板支持体130の実質的に全体の基板受け入れ面にわたって延び、例えば、基板支持体130の基板受け入れ表面積の少なくとも70%又は少なくとも約90%にわたって延びることができる。
【0019】
[0026]また、弧状面144は、天井電極140と基板支持体130の支持電極134との間のギャップ139の大きさ又は大きさを変化させる形状とされた可変断面厚み又はプロフィールも有する。これは、弧状面144と基板支持体104及び/又は支持電極134の対応エリアとの間のギャップ距離を変化させる。この変化するギャップ距離は、基板支持体130の基板受け入れ面137に保持された基板104の全面にわたって半径方向に変化するプラズマ密度を与える。在来の天井電極は、基板受け入れ面と天井電極との間のギャップにわたって均一な電束を与えるための平坦面を有する。これに対して、輪郭付けされた天井電極140は、洗浄チャンバ100のプロセスゾーン106にわたる非均一又は可変の電束を発生できるプロフィール146を有し、これは、在来の平坦電極設計とは反直感的(counterintuitive)である。この電極形状は、弧状電極144と基板支持体130との間に形成されるプラズマのプラズマ密度を、基板支持体130にわたって半径方向に変化させることができるようにする。
【0020】
[0027]輪郭付けされた天井電極140の弧状面144の弧状プロフィール146の形状は、平坦な天井電極(図示せず)を使用してエッチングされるテスト基板104に対して得られたテスト結果に基づいて実験的に決定される。エッチング深さ又はエッチングレートのようなエッチングパラメータを、テスト基板104の表面にわたる多数の個別のポイントで測定して、基板104にわたるエッチングプロフィール148を与える複数の測定ポイントを得る。次いで、輪郭付けされた天井電極140の弧状プロフィール146を、平坦な電極で得たエッチングプロフィールを補償する形状にする。例えば、輪郭付けされた天井電極140の弧状プロフィール146は、平坦な電極で小さなエッチング深さ又は低いエッチングレートをもつと測定された基板104の領域に弱い電界、ひいては、高いプラズマ密度を与える形状にすることができ、また、逆に、平坦な電極で大きな深さに又は高いエッチングレートでエッチングされると分かった基板104の領域に強い電界、ひいては、低いプラズマ密度を与える形状にすることができる。従って、弧状プロフィール146は、基板104のエッチング深さプロフィール148に関して形成されて、支持電極134と輪郭付けされた天井電極140との間のギャップ139は、平坦な天井電極を使用して得られるテスト基板104のエッチングプロフィール140に対する関係で変化する。基板104におけるエッチング深さが最大である位置では、輪郭付けされた天井電極140の弧状プロフィール146は最もへこまされ、その領域において電界を減少すると共にそれに対応するプラズマ密度を高められるが、その逆もまた同じである。
【0021】
[0028]平坦面の天井電極を使用してエッチングで洗浄されたテスト基板104上に得られるエッチングプロフィール148のグラフと、このエッチングプロフィール148を補償できる輪郭付けされた天井電極140に対して選択された弧状プロフィール146の対応マッピングが、図2及び3に示されている。グラフで示された実施形態において、弧状プロフィール146は、チャンバ100内に露出されて基板支持体130に面する輪郭付けされた天井電極140のエリアの少なくとも約70%にわたって延びる滑らかにカーブした面を形成する凸状のふくらみ150を備える。図1は、輪郭付けされた天井電極と、基板支持体130の支持電極134との関係を示す。基板支持体130は、中央領域152及び周囲領域154を含み、また、凸状のふくらみ150は、チャンバ100における基板104の処理中に中央領域152に対して周囲領域154のプラズマ密度を高めるように形成される。これは、輪郭付けされた天井電極140と、中央領域152における基板受け入れ面137との間のギャップ距離を第1の小さな距離へ減少して、そこでのプラズマ密度を減少すると共に、輪郭付けされた天井電極140と、周囲領域154における基板受け入れ面137との間のギャップ距離を第2のより高いギャップ距離へ増加して、そこでのプラズマ密度を高めることにより達成される。凸状のふくらみ150は、支持電極134と輪郭付けされた天井電極140との間のギャップを、基板支持体130の周囲領域154よりも中央領域152においてより狭くなるように設定する。1つの変形では、支持電極134と輪郭付けされた天井電極140の凸状のふくらみ150の頂点156との間のギャップの最接近距離が少なくとも約3cmである。従って、輪郭付けされた天井電極140は、平坦な天井電極を使用して基板104にわたり測定されたエッチングレートを補償して、実質的に均一な、エッチングによる洗浄レートを生じ、基板104にわたって均一にエッチングを行うものである。
【0022】
[0029]また、輪郭付けされた天井電極140は、他の形状を有する凸状のふくらみ150をもつこともできる。例えば、凸状のふくらみ150は、異なる曲率半径にわたって連続的に遷移する複数半径弧160をもつことができ、これは、凹状であるへこんだ周囲溝162によって取り囲まれている。更に別の変形では、凸状のふくらみ150の中央部分164は、若干平坦にすることができる。凸状のふくらみ150は、周囲の凹状の溝162から環状リム166を経て頂部領域172へ遷移し、環状リムは、カーブしていると共に、平坦化された中央部分の平面に対してほぼ傾斜されている。
【0023】
[0030]図4に示す別の有望な変形では、輪郭付けされた天井電極140の弧状面144は、図2及び3に示す形状をもつ輪郭付けされた天井電極から得られるものとは逆の機能を遂行する凹状くぼみ170をもつ形状にされる。この変形では、凹状くぼみ170は、チャンバ100内での基板104の処理中に中央領域152におけるプラズマ密度を周囲領域154に対して増加する形状とされる。これは、中央領域152におけるギャップ距離を増加して、それらの領域におけるプラズマ密度を高めると共に、輪郭付けされた天井電極140と周囲領域154における支持電極134との間のギャップ距離を減少して、そこでのプラズマ密度を減少させることにより達成される。また、弧状面144も、複数の半径弧160であるが、その最上部に平坦なプラトーを持たせることができる。また、輪郭付けされた天井電極140の、この変形は、平坦な電極で処理されるテスト基板104の周囲領域154に対して中央領域152に高いエッチングレートが得られるときに平坦な天井電極を使用して基板104にわたって得られるエッチングレートを補償し、基板がその表面にわたり均一にエッチングで洗浄されるエッチング洗浄プロセスを提供する。
【0024】
[0031]また、輪郭付けされた天井電極140は、図1及び3に示すように、凸状のふくらみ150の周囲から下方に延びて基板支持体130の基板受け入れ面137を取り巻く環状バンド174も有している。この環状バンド174は、輪郭付けされた天井電極140の弧状面144と基板支持体130との間に生じるプロセスゾーン106を取り巻く。環状バンド174は、基板支持体130の外周を取り巻き且つプロセスサイクル中にチャンバ100の側壁110を影に入れるのに充分なほど、天井蓋108から下方に延びる。環状バンド174は、上部シールドとして働き、基板104の表面から生じてチャンバ100の側壁110及びチャンバ100の他の内面に落下するプロセス残留物の堆積を減少又は防止する。また、環状バンド174は、基板104の表面に洗浄プラズマを含ませるようにも働く。これは、洗浄プラズマによるチャンバ内面の腐食を減少させる。輪郭付けされた天井電極の周縁141は、支持張出部176を含み、これは、環状バンド174の周囲から半径方向外方に延び、輪郭付けされた天井電極140を支持するように働く。この変形では、輪郭付けされた天井電極140は、アルミニウムで構成されるが、ステンレス鋼のような金属を含む他の電気導体で作ることもできる。
【0025】
[0032]図1及び図5に示すように基板支持体130の支持電極134の下に誘電体ベースプレート178が配置される。この誘電体ベースプレート178は、支持電極134を、その周りのチャンバコンポーネントから電気的に分離するように働く。誘電体ベースプレート178は、支持電極134を有する基板支持体130をその頂面に受け入れる。誘電体ベースプレート178は、周囲フランジ180を有し、これは、支持体130の頂面を取り囲み、支持電極134の周縁198を絶縁する。周囲フランジ180は、支持電極134の周囲リップ204を取り巻く環状頂面182を有する。
【0026】
[0033]図5を参照すれば、誘電体リング186は、周囲フランジ180の環状頂面182に載せられて基板支持体130の支持電極134を取り囲むベース188を備えている。また、誘電体リング186は、基板受け入れ面137より高い高さの峰部196も有している。誘電体リング186の峰部196は、基板104の表面に洗浄プラズマを含ませ、収束させるように働く。また、峰部196は、輪郭付けされた天井電極140の輪郭付けされたプロフィール146と相乗作用的に動作し、基板104の周縁におけるプラズマ密度及びプラズマ種のエネルギを制御する。例えば、誘電体リング186は、基板104の周囲領域において基板104に当たるプラズマイオン束を減少し、それにより、基板104の中央領域に比して周囲領域におけるエッチングレートを減少することができる。これは、基板104にわたるエッチングレートを制御することにより、基板104にわたってより均一な洗浄を与える。誘電体リング186は、半径方向内方の張出部202を有し、これは、基板支持体130の周囲リップ204をカバーすると共に、支持電極134の周縁198を包囲し保護するようにも働く。更に、半径方向内方の張出部202は、基板支持体130上で処理されている基板104の周囲を直接的に取り囲む低い高さの段も与える。
【0027】
[0034]誘電体リング186の峰部196及び半径方向内方張出部202は、実質的にまっすぐであるか又は傾斜される内面208により接合される。1つの変形において、内面208は、実質的にまっすぐで、基板面の平面に対して垂直である。別の変形では、傾斜内面208は、峰部196の頂面の平面に対して少なくとも約60°、例えば、約82°から約98°の角度βで傾斜している。傾斜内面208は、基板104上に形成されるプラズマに対して緩やかな遷移領域を与える。また、傾斜内面208は、鋭い縁又は角を覆うコーティング上に生成する応力を減少するために丸い縁212も備え、これらの応力は、それらの領域に堆積する残留物を容易に剥がすように作用する。従って、丸い縁212は、大きな厚みのプロセス残留物を誘電体リング186に堆積させる。また、丸い縁212は、誘電体リング186の縁に対する洗浄プラズマの腐食作用を更に減少させる。
【0028】
[0035]図1に示す誘電体ベースプレート178を支持するために(下部シールドとしても知られている)ベースシールド214が使用される。図6Aを参照すれば、ベースシールド214は、複数のリフトピン138が貫通して延びるための複数のリフトピン穴217をもつ頂面216を有した円形ディスク215を備えている。円形ディスク215の頂面216は、誘電体ベースプレート178を支持するのに使用される。また、頂面216は、電気コネクタ120及び他の構造体が貫通して延びるのを許容する中央穴213を有することもできる。また、ベースシールド214は、円形ディスク215から上方に延びてそれを取り囲む周囲壁218も有する。この周囲壁218は、図1に示す誘電体ベースプレート178の周囲フランジ180から離間されている。
【0029】
[0036]例えば、周囲壁218は、少なくとも約1cmの離間距離だけ、誘電体ベースプレート178の周囲フランジ180から離間させることができる。また、周囲壁218は、円形ディスク215の頂面216から、例えば、少なくとも約5mmの高さまで実質的に垂直方向に延びている。また、周囲壁218は、輪郭付けされた天井電極140のバンドシールド174と平行に、そこから離間される。例えば、周囲壁218は、少なくとも約1cmの離間距離だけバンドシールド174から離間させることができる。周囲壁218は、バンドシールド174と共に入り組んだ通路を形成して、それらの間に狭いギャップ220を形成し、これは、プラズマ種の通過を妨げる迷路として働く。狭いギャップ220の制限された流路は、側壁110のようなチャンバの半径方向外面における低エネルギプラズマ堆積物の蓄積を制限する。また、ベースシールド214の周囲壁218及びバンドシールド174の露出面は、残留堆積物がチャンバ側壁110にアクセスする前に、それらを受け取るための堆積表面として作用する。このようにして、ベースシールド214は、更に、チャンバ側壁110をプロセス残留物から保護する。ベースシールド214は、電気的に接地するか又は浮動電位又は他の電位に維持することができる。1つの変形では、ベースシールド214は、金属、例えば、アルミニウム又は他の金属のような電気導体で構成される。
【0030】
[0037]図6Bに示すベースシールド214の別の変形は、ベースシールド214の周囲壁218と誘電体ベースプレート178の周囲フランジ180との間に内壁219を備えている。1つの変形において、この内壁219は、円形ディスク215の頂面216から垂直方向上方にも延びる。1つの変形では、内壁219は、少なくとも約1cmの離間距離だけ周囲壁218から離間され、また、内壁219は、少なくとも約5mmの高さを有する。内壁219は、ベースシールド214の残りと同様に、電気導体で構成することができる。内壁219は、例えば、輪郭付けされた天井電極140に接近して導電性通路を設けることにより接地平面を上げるように働くことができる。これは、内壁219の周りの局所的領域及び基板104の縁において電束又はプラズマ密度、ひいては、エッチングレートを変化させて、全体の基板104にわたりより均一なエッチングを達成する。従って、内壁219は、ベースシールド214の変形において、基板104にわたりプラズマ分布を制御するための別の形態のプラズマ制御器として働くよう適応されている。
【0031】
[0038]洗浄プロセスの例示的変形においては、洗浄チャンバ100の基板支持体130上に基板104が置かれ、支持電極134と輪郭付けされた天井電極140との間にギャップ139を設定するように基板支持体130が移動される。ガス源126から洗浄ガスを供給するガス入口124を通してチャンバ100へ洗浄ガスが導入されるが、ガス源は、単一のガス供給源でもよいし、或いは所望の流量比で混合される異なるガスを供給する多数のガス供給源でもよい。洗浄ガスの流量比は、設定流量の洗浄ガスをチャンバへ通過させる質量流量コントローラのような複数のガス流量制御弁128を通して制御される。ガス圧力は、スロットル弁129を使用して排気ポンプ123へのガスの流量を制御することにより設定される。典型的に、チャンバ100における洗浄ガスの圧力は、真空環境のような大気圧以下のレベル、例えば、約1ミリトールから約1トールのガス圧力に設定される。洗浄ガスは、プラズマ種を形成するようにエネルギが与えられて、基板104に力強く当たり、そこから材料をスパッタすることのできる非反応性ガスを含むことができる。また、洗浄ガスは、基板104の表面上の自然酸化物、ポリマ系残留物又は他の材料と反応して、揮発性化合物を生成することのできる酸素含有ガス又はハロゲン含有ガスのような反応性ガスを含んでもよく、揮発性化合物は、排気システムによりチャンバ100から除去される。
【0032】
[0039]自然酸化物及び他の汚染物をポリシリコン、銅及び金属表面から除去する1つのプロセスは、エネルギが与えられた洗浄ガスに基板表面を露出させる洗浄プロセスステップを使用し、その後、任意であるが、エネルギが与えられた還元ガスに基板表面を露出させる還元プロセスステップを使用する。洗浄プロセスステップは、洗浄ガス、例えば、酸素、CF4IOzの混合物、或いはNF3及びHeのような混合ガスを使用する。また、残留する自然酸化物は、水素基を有するプラズマでの処理により還元プロセスステップにおいて還元することもできる。洗浄プロセス中に、自然酸化物及び他の表面汚染物の除去は、基板104上の露出層の反射率測定を行うことにより監視される。表面反射率を使用して、基板上の自然酸化物又は他の汚染物の存在を測定することができる。というのは、これらの材料は、基板表面の反射率を変化させるからである。反射率は、典型的に、洗浄プロセス中に光学装置を使用して測定される。
【0033】
[0040]チャンバ100は、チャンバ100のコンポーネントを動作してチャンバ100内で基板104を処理するための命令セットを有するプログラムコードを備えたコントローラ230により制御される。例えば、コントローラ230は、次のものを含む。
【0034】
[0041]基板支持体130のリフトモータ131と、基板移送及びロボット機構とを動作するための基板位置付け命令セットと;チャンバ100への洗浄ガスの流量を設定するためにガス流量制御弁127を動作するガス流量制御命令セットと;チャンバ100内の圧力を維持するために排気スロットル弁129を動作するガス圧力制御命令セットと;ガスにエネルギを与える電力レベルを設定するために支持電極134及びそれに対抗する輪郭付けされた天井電極140を含むガスエナージャイザーを動作するガスエナージャイザー制御命令セットと;チャンバ100内の種々のコンポーネントの温度を設定するために基板支持体130又はチャンバ壁105の温度制御システムを制御する温度制御命令セットと;チャンバ100内のプロセスをモニタリングするプロセスモニタリング命令セットと;を含むプログラムコード。
【0035】
[0042]1つの洗浄プロセスにおいて、洗浄ガスは、二重周波数電力によりエネルギが与えられ、この二重周波数電力は、第1周波数を備える第1電圧及び第2周波数を備える第2電圧を支持電極134及び輪郭付けされた天井電極140に印加するものである。第1周波数は、第2周波数より低く、例えば、第1周波数は、第2周波数より少なくとも約10KHz低くすることができる。1つの変形において、第1周波数は、約20KHz未満であり、第2周波数は、少なくとも約20MHzである。例えば、第1周波数は、13.5KHzであり、第2周波数は、60MHzである。
【0036】
[0043]また、第1周波数と第2周波数との電力比も、洗浄プロセスに影響を及ぼす。というのは、第1周波数がプラズマ種の加速度増加を与え、第2周波数がプラズマの付加的なイオン化及び解離を与えると考えられるからである。従って、第1周波数の電圧が第2周波数の電圧より高い電力レベルで供給されるときには、プラズマ種の量とプラズマ種の運動エネルギとの比を制御することができる。高い運動エネルギを有するプラズマ種は、基板の増加された又はより深い貫通スパッタリングを発生し、一方、増加された数のプラズマ種は、表面にわたりより均一な大きな分布又はプラズマ束を発生する。例えば、洗浄プロセスの一実施形態では、約200から約200ワットの電力レベルにおける13.5MHzの第1周波数の電圧と、約800から約1300ワットの電力レベルにおける60Hzの第2周波数の電圧とが印加される。この変形では、60MHz電力は、より多くのイオンを生成することによりプラズマ密度の増加に貢献する。逆に、13.56MHzの電力は、60MHz電力で生成されたイオンを加速し、プラズマシースを横切ってこれらイオンを加速することにより、イオンのエネルギに貢献する。60MHz電力が小さ過ぎると、利用できるプラズマ種が不充分となり、13.56MHz電力が小さ過ぎると、プラズマイオンは、基板表面をエッチングするに充分な運動エネルギを欠くことになる。従って、1つの洗浄プロセスでは、第1周波数と第2周波数との電力比が少なくとも約1:2にセットされるか、又は少なくとも約1:3にもセットされている。
【0037】
[0044]図7は、ここに説明された洗浄プロセスを使用して洗浄チャンバ100内で処理された基板の表面にわたって得られた均一な洗浄レートの輪郭プロットを示す。基板104は、熱二酸化シリコン層が被覆された300mmシリコンウェハであった。この基板104は、次のプロセス条件、即ち13.56MHzの300W及び60MHzの1000Wの電力;4.5mTのチャンバ圧力;アルゴン流、を使用して洗浄された。チャンバ100は、図3に示す凸状のふくらみ150を伴う弧状面144を有する輪郭付けされた天井電極140を使用するものであった。洗浄プロセスにおいて、図7の輪郭マップに示すように、エッチング洗浄レートが基板104にわたって測定された。平均エッチングレートは、約350A/分であると分かり、輪郭マップ上に示されたポイントは、平均エッチング洗浄レートを越えるか又はそれより低いエッチングレート値に対応する。輪郭付けされた天井電極140及び二重周波数洗浄プロセスは、エッチング洗浄レートの変化が基板の表面にわたって1.5%以内であるような高いエッチング洗浄均一性を与えるものであった。
【0038】
[0045]更に別の態様においては、洗浄チャンバ100内で基板104上の層をエッチングで洗浄するためのプロセスは、洗浄ステップと洗浄ステップとの間にチャンバ100の内面に金属層を被覆するコンディショニングプロセスを遂行することにより更に向上される。洗浄プロセスステップにおいて、第1バッチの製造基板104が洗浄チャンバ100内で洗浄され、汚染物及び自然酸化物を基板104上の第1材料から洗浄して除去する。この洗浄ステップは、第1材料を備えるプロセス残留物を洗浄チャンバ100の内面に堆積させる。多数の基板104を処理した後に、チャンバ100の内面におけるプロセス残留物及び堆積物は、その後のプロセスサイクルに膜応力の蓄積で剥がれ落ちる危険があるに充分なほど大きな厚みまで蓄積される。このとき、コンディショナー基板が洗浄チャンバ100へ移送される。コンディショナー基板は、洗浄チャンバ100にスパッタリングガスを導入し、スパッタリングガスに電力を容量性結合することでスパッタリングガスにエネルギを与えることにより、洗浄チャンバ100内でエッチングスパッタされる。コンディショナー基板は、製造基板104から以前に洗浄で除去された第1材料とは異なる材料である第2材料を備える。スパッタリングプロセスは、コンディショナー基板から材料をスパッタし、そのスパッタされた「ペースト」材料を洗浄チャンバ100にコーティングするが、これは、プロセス残留物上のコンディショニング層として働く。チャンバ100の新たにコーティングされた内面は、これで、プロセス残留堆積物が剥がれ落ちることなく、付加的なプロセス残留堆積物を受け取ることができる。
【0039】
[0046]チャンバコンディショニングステップの後、第2バッチの製造基板が洗浄チャンバ100内で洗浄されて、基板104上の第1材料を洗浄し、洗浄チャンバ100の内面に既に堆積されたプロセス残留物の上に形成されたコンディショニング層上に付加的なプロセス残留物を蓄積する。このプロセスは、チャンバ100のプロセスキットコンポーネントを取り外して洗浄しなければならなくなる前に付加的なプロセスサイクルを行うことができるようにし、これにより、チャンバ100の運転時間を増加する。また、コンディショニングプロセスは、洗浄のために洗浄チャンバ内のプロセスキットコンポーネントの除去を必要とする前に基板の順次のバッチを何回も処理できるようにする。例えば、基板の多数のバッチを洗浄してチャンバ表面にプロセス残留物を蓄積させ、次いで、その蓄積したプロセス残留物上にコンディショニング層を堆積させ、このプロセスを少なくとも2回以上繰り返した後に、蓄積したプロセス残留物の洗浄のために洗浄チャンバのプロセスキットを除去する、というようにすることができる。
【0040】
[0047]一実施形態では、製造基板は、シリコン含有材料、例えば、窒化シリコン(SiN)、又は他の材料、例えば、ポリイミドのような、第1金属含有材料を備える第1材料を備える。エッチングで洗浄されると、これらの基板は、窒化シリコン又はポリイミドから構成されるプロセス残留物をチャンバ内面に堆積させる。適当なコンディショニング材料は、例えば、アルミニウム又はチタンのような第2金属含有材料である第2材料を備える。この第2材料は、チャンバ内でスパッタされて、蓄積したプロセス残留物上にコンディショニング層を堆積する。1つの変形において、周期的なコンディショニングプロセスが、少なくとも約1ミクロン厚みのプロセス残留物の蓄積の後に遂行されるが、これは、残留物の形式及び付着の質、並びにその下のチャンバ表面の組成に依存する。1つの変形において、コンディショニングプロセスは、少なくとも約500オングストローム厚みのコンディショニング層をプロセスチャンバの内面に堆積するように遂行される。
【0041】
[0048]コンディショニングプロセスの1つの例示的変形において、アルゴンを備えるスパッタリングガスが洗浄チャンバへ導入され、次いで、300ワットの電力レベルで13.56MHzの周波数のRFエネルギ、及び1000ワットの電力レベルで60MHzの周波数のRFエネルギを約2分間容量性結合することにより、ガスにエネルギが与えられる。コンディショニング材料源は、チャンバ自体におけるプロセスキット及び他のコンポーネントであるか、第2材料のコーティングをもつ基板、例えば、アルミニウムのコーティングをもつシリコンウェハであるか、或いはチャンバ内でスパッタすることのできるアルミニウムの犠牲的ペデスタルである。このスパッタリングプロセスは、約0.08から約0.12ミクロンの厚みのコンディショニング層を、チャンバ内面に形成された蓄積したプロセス残留物の上に堆積する。約50から約100枚の基板が洗浄された後に、コンディショニングプロセスを繰り返すことができる。好都合にも、コンディショニングプロセスは、チャンバコンポーネントからプロセス残留物を除去するためにチャンバを停止するステップを介在させる必要なく、多数の基板、例えば、約3500から約4500枚の基板を処理できるようにする。
【0042】
[0049]ここに説明されたプロセスキット、洗浄チャンバ100、並びに洗浄及びコンディショニングプロセスの実施形態は、顕著な効果を発揮する。洗浄チャンバ100の輪郭付けされた天井電極140、誘電体リング186、基板支持体130、ベースシールド214、及び他のプロセスキットコンポーネントは、基板104上の表面汚染物及び自然酸化物層のより均一な洗浄を行う一方、洗浄サイクルと洗浄サイクルとの間に多数の基板処理サイクルも行えるようにする。更に、二重周波数容量性結合の洗浄プロセスは、基板表面にわたるプラズマ種の数又はプラズマ密度と、プラズマ種の運動エネルギとの両方について優れた洗浄制御をもたらす。更に、その場の金属スパッタリングプロセスは、チャンバ洗浄サイクルとチャンバ洗浄サイクルとの間のプロセスサイクルの数を実質的に増加する。従って、本発明のプロセス及び装置は、極めて優れた洗浄を提供する一方、チャンバを洗浄するためにチャンバコンポーネントを開放し除去するのに必要な洗浄チャンバ100の停止時間を実質的に短縮もする。
【0043】
[0050]本発明は、その好ましい変形を参照して説明したが、他の変形も考えられる。例えば、輪郭付けされた天井電極、誘電体リング、支持体及び下部シールドは、当業者に明らかなように、他の形式の用途、例えば、エッチングチャンバ、CVDチャンバ及びPVDチャンバにも使用することができる。それ故、特許請求の範囲及びその精神は、ここに含まれた好ましい変形の説明に限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0044】
100…洗浄チャンバ、104…基板、105…エンクロージャー壁、106…プロセスゾーン、108…天井蓋、110…側壁、112…ペデスタル、114…プレート、116…側部張出部、118…頂面、120…コネクタ、122…リフト機構、123…排気ポンプ、124…ガス入口、126…洗浄ガス源、128…排気ポート、129…スロットル弁、130…基板支持体、131…支持リフトモータ、134…支持電極、135…ペデスタル、137…基板受け入れ面、138…リフトピン、139…ギャップ、140…輪郭付けされた天井電極、141…周縁、143…接地リング、144…弧状面、150…凸状のふくらみ、152…中央領域、154…周囲領域、160…複数半径弧、162…へこんだ周囲溝、164…中央部分、166…環状リム、170…凹状くぼみ、172…頂部領域、174…環状バンド、178…誘電体ベースプレート、180…周囲フランジ、186…誘電体リング、188…ベース、196…峰部、202…半径方向内方の張出部、204…周囲リップ、213…中央穴、214…ベースシールド、215…円形ディスク、217…リフトピン穴、218…周囲壁、220…狭いギャップ、230…コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板受け入れ面及び支持電極をもつ基板支持体を有する洗浄チャンバのための輪郭付けされた天井電極において、
上記基板支持体に面する弧状面であって、この弧状面は、上記基板支持体の上記基板受け入れ面にわたって延びる大きさの直径と、上記基板支持体の支持電極とこの弧状面との間に形成されるギャップの大きさを変えるように上記基板支持体にわたって変化する断面厚みとを有し、この弧状面と上記基板支持体との間に形成されるプラズマのプラズマ密度を、上記基板支持体にわたって半径方向に変えられるようにする、前記弧状面と、
上記基板支持体を取り巻くように上記弧状面の周囲から下方に延びる環状バンドと、
上記環状バンドから半径方外方に延びる支持張出部と、
を備えた天井電極。
【請求項2】
上記弧状面は、上記基板支持体の基板受け入れ面の面積の少なくとも70%にわたって延びる、請求項1に記載の天井電極。
【請求項3】
上記弧状面は、上記基板支持体の中央領域に対して上記基板支持体の周囲領域においてプラズマ密度を高めるために凸状のふくらみの形状にされた弧状プロフィールを備える、請求項1に記載の天井電極。
【請求項4】
上記凸状のふくらみは、複数半径弧を備える、請求項3に記載の天井電極。
【請求項5】
上記凸状のふくらみを取り囲む周囲凹状溝を備える、請求項4に記載の天井電極。
【請求項6】
プラズマで基板をエッチングするための洗浄チャンバにおいて、
基板受け入れ面を有し支持電極を備える基板支持体と、
上記基板支持体の上記基板受け入れ面と反対に面する弧状面を有する輪郭付けされた天井電極であって、上記弧状面は、上記基板支持体の上記基板受け入れ面の面積の少なくとも70%にわたって延び、これにより、上記弧状面は、上記基板受け入れ面にわたって半径方向に変わるプラズマ密度を与える形状にされる、前記天井電極と、
上記支持電極と上記輪郭付けされた天井電極とにわたり電圧バイアスを供給するための電極電源と、
上記チャンバへ洗浄ガスを導入するためのガス分配器と、
ガス排出部と、
を備え、これにより、上記チャンバへ導入されて上記支持体及び輪郭付けされた天井電極によりエネルギが与えられた洗浄ガスで上記基板の層をエッチングできるようにした、洗浄チャンバ。
【請求項7】
上記輪郭付けされた天井電極の上記弧状面は、凸状のふくらみを備える、請求項6に記載の天井電極。
【請求項8】
上記基板受け入れ面は、中央領域及び周囲領域を備え、上記弧状面は、上記基板支持体の中央領域に対して上記周囲領域においてプラズマ密度を高める形状にされた凸状のふくらみを含む、請求項6に記載のチャンバ。
【請求項9】
上記弧状面は、複数の半径の弧を含む、請求項6に記載のチャンバ。
【請求項10】
上記弧状面を取り囲む凹状の周囲溝を備えた、請求項6に記載のチャンバ。
【請求項11】
ベースシールドを更に備え、このベースシールドは、
誘電体ベースプレートを支持するための頂面を有する円形ディスクと、
リフトピンを延ばせるように上記円形ディスクを貫通する複数のリフトピン穴と、
上記円形ディスクから上方に延びてそれを取り囲む周囲壁であって、上記誘電体ベースプレートの周囲フランジから離間された周囲壁と、
を含む請求項6に記載のチャンバ。
【請求項12】
上記周囲壁は、上記円形ディスクから実質的に垂直に延びる、請求項11に記載のチャンバ。
【請求項13】
誘電体リングを更に備え、この誘電体リングは、
上記基板支持体を取り囲むために上記誘電体ベースプレートの周囲フランジに載せられるベースと、
上記基板受け入れ面より高さが高い峰部と、
上記基板支持体の周囲リップをカバーする半径方向内方の張出部と、
を含む請求項6に記載のチャンバ。
【請求項14】
上記誘電体リングは、上記峰部と上記張出部との間に傾斜した内面を備える、請求項13に記載のチャンバ。
【請求項15】
上記傾斜した内面は、丸い縁を備える、請求項14に記載のチャンバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−182496(P2012−182496A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−134438(P2012−134438)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【分割の表示】特願2010−507574(P2010−507574)の分割
【原出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】