説明

基準パターン情報生成装置、方法、プログラムおよび一般車両位置特定装置

【課題】画像認識による車両位置の特定技術を多くの場面に適用可能にする技術の提供。
【解決手段】基準車両の周囲の風景を撮影した撮影画像から基準となる基準画像特徴点を抽出し、前記基準車両の周囲の風景を撮影した時点での前記基準車両の位置を基準位置として取得し、前記基準画像特徴点の前記撮影画像上での位置を示す基準パターン情報に対して前記基準位置を示す情報を対応づけ、前記基準画像特徴点のうち、環境に応じて前記撮影画像上での位置が変動し得る変動地物の像に由来する前記基準画像特徴点に対しては、前記変動地物の像に由来することを示す情報と、前記変動地物の前記撮影画像上での位置が前記環境に応じて変動することに対応した前記基準画像特徴点の前記撮影画像上での変動範囲を前記環境ごとに示す情報とを対応付けて所定の記録媒体に記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像認識によって車両の位置を特定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載カメラによって撮影した画像内の特徴点を画像認識によって特定し、当該特徴点に基づいて車両の位置を特定する技術が知られている。例えば、特許文献1には、予め登録された道路標示の特徴点に対して位置情報を対応づけておき、当該道路標示の特徴点と車載カメラによって撮影した画像内の特徴点とを比較することによって車両の現在位置を算出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−108043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術においては、道路標示の特徴点を基準にして車両の位置を特定している。しかし、車両の走行可能区間には、山間部など、道路標示が少ない区間も存在し、このような区間において従来の技術を実施しても、車両の現在位置を特定可能な場面は限定されてしまう。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、画像認識による車両位置の特定技術を多くの場面に適用可能にする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明においては、基準車両の周囲の風景を撮影した撮影画像から抽出された基準画像特徴点の位置を示す基準パターン情報に対して当該風景を撮影した時点での基準車両の位置である基準位置を示す情報を対応づける。さらに、環境に応じて撮影画像上での位置が変動し得る変動地物の像に由来する基準画像特徴点に対しては、当該変動地物に由来することを示す情報を対応づける。さらに、変動地物の像の撮影画像上での位置は環境に応じて変動するため、当該変動に対応した基準画像特徴点の撮影画像上での変動範囲を環境ごとに示す情報を上述の基準パターン情報に対応づける。
【0006】
すなわち、基準パターン情報は、環境に応じて撮影画像上での位置が変動し得る変動地物の像に由来する基準画像特徴点を含めた状態で所定の記録媒体に記録される。従って、環境に応じて撮影画像上での位置が変動しない道路標示のみならず、環境に応じて撮影画像上での位置が変動する変動地物(例えば、自然物)であってもその像から基準パターン情報を定義することが可能になる。
【0007】
また、基準パターン情報には、環境ごとに変動範囲を示す情報が対応づけられているため、当該基準パターン情報を参照すれば、環境に対応した基準画像特徴点の変動範囲を特定することが可能になる。従って、比較対象となる画像特徴点を一般車両の車載カメラで撮影した時点での一般車両環境と一致する環境が対応づけられた変動範囲を示す情報を参照すれば、一般車両環境下での基準画像特徴点の変動範囲を特定することができる。そこで、当該変動範囲を含む位置を基準画像特徴点の位置の比較対象として設定すれば、基準画像特徴点の位置と画像特徴点の位置との一致度が所定の基準を満たす場合に基準位置を一般車両の位置とみなすことで、一般車両の位置を特定することが可能になる。以上のように、変動地物の像に基づいて抽出された基準画像特徴点に基づいて一般車両の位置を特定可能な構成とすることにより、基準車両において基準画像特徴点を生成する際に利用可能な風景が極めて多岐にわたる状態で基準パターン情報を生成し、当該基準パターン情報を参照して一般車両の位置を特定することが可能になる。従って、画像認識による車両位置の特定技術を多くの場面に適用することが可能になる。
【0008】
ここで、基準画像特徴点抽出手段は、基準車両の周囲の風景を撮影した撮影画像から基準となる基準画像特徴点を抽出することができればよい。すなわち、撮影画像上での位置が特定されることによって当該撮影画像を撮影した車両の位置を特定することが可能な点を基準画像特徴点をとすることができればよい。基準画像特徴点は、撮影画像に含まれる各種の地物の像から生成可能な点であれば良く、例えば、地物の外周や模様を構成する点であって、撮影画像上での位置の再現性が高い点を所定の規則で抽出すればよい。
【0009】
基準位置取得手段は、基準車両の周囲の風景を撮影した時点での基準車両の位置を基準位置として取得することができればよい。従って、GPS受信部によって受信した信号に基づいて基準車両の位置を特定する構成や、各種センサの出力信号に基づいて基準車両の位置を特定する構成等を採用可能である。むろん、地図情報に基づく基準車両の位置補正を組み合わせても良い。
【0010】
基準パターン情報記録手段は、基準画像特徴点の撮影画像上での位置を示す基準パターン情報に対して一般車両の位置を特定するための情報を対応づけて所定の記録媒体に記録し、一般車両に参照されるデータベースを構築することができればよい。本発明では、環境に応じて撮影画像上での位置が変動し得る変動地物の像から基準画像特徴点を抽出し、当該基準画像特徴点に基づいて一般車両の位置を特定可能にするために、基準位置を示す情報に加え、変動地物の像に由来することを示す情報と、変動範囲を環境ごとに示す情報とを対応づけて基準パターン情報を定義する。
【0011】
すなわち、変動地物の像に由来することを示す情報を基準画像特徴点に対応づけることにより、当該基準画像特徴点が、環境による撮影画像上での位置の変動範囲を考慮して比較されるべき基準画像特徴点であることを示す構成とする。さらに、変動地物の像の撮影画像上での位置が環境に応じて変動することに対応した基準画像特徴点の撮影画像上での変動範囲を環境ごとに示す情報を当該基準画像特徴点に対応づけることにより、環境に応じた基準画像特徴点の変動範囲を示す構成とする。なお、ここで、変動地物の像の撮影画像上での位置の変動は環境に応じた変動であり、基準車両の移動に対応した撮影画像上での位置の変動は含まない。この結果、基準パターン情報を参照することにより、基準画像特徴点が変動地物に由来するか否かを判定することが可能になる。さらに、変動地物に由来する場合、環境に応じた基準画像特徴点の変動範囲を特定可能になる。なお、変動範囲は撮影画像上で基準画像特徴点が変動し得る範囲を規定していれば良く、例えば、変動地物の像の変動に応じた撮影画像上での環境ごとの変動範囲を統計的に特定するなど種々の構成によって特定可能である。また、変動範囲に対応づけられる環境を示す情報は、変動地物の像の撮影画像上での位置を変動させ得る環境を示す情報であればよく、降雨、降雪、風量等を示す気象情報等によって構成可能である。
【0012】
さらに、所定の記録媒体は、基準パターン情報を蓄積する記録媒体であり、基準パターン情報の参照法は特に限定されない。すなわち、通信等を介して一般車両から当該所定の記録媒体を参照しても良いし、当該所定の記録媒体に記録された基準パターン情報を、一般車両に搭載された記録媒体にコピーし、一般車両において当該一般車両に搭載された記録媒体に記録された基準パターン情報を参照しても良い。
【0013】
さらに、変動範囲は環境に応じて変動地物の像の撮影画像上での位置が変動することに対応して当該変動地物の像に由来する基準画像特徴点が変動する場合の範囲を示していればよく、変動地物の種類に対応した変動量および変動方向によって規定してもよい。すなわち、変動地物の種類が異なると環境に応じた位置の変動範囲が異なり得る。さらに、変動範囲は、特定の位置に対して等方的である場合と非等方的である場合とがあり得る。そこで、変動地物の種類に対応した変動量および変動方向によって変動範囲を規定すれば、環境に応じた変動範囲を実際の変動地物の像の撮影画像上での位置変動に即して規定することが可能になる。
【0014】
さらに、変動範囲は基準画像特徴点の撮影画像上での変動範囲であるため、変動地物と基準車両との距離によって変動し得る。そこで、変動地物と基準位置との距離が長いほど変動範囲が小さくなるように定義しても良い。この構成によれば、変動地物の変動範囲を容易に決定することが可能になる。
【0015】
基準パターン情報は、一般車両の位置を特定する際に参照される情報である。一般車両においては、当該一般車両の位置を特定するため、一般車両の周囲の風景を撮影した撮影画像から画像特徴点を抽出する。そして、基準パターン情報が示す基準画像特徴点の位置と画像特徴点の位置とを比較して一致度を特定し、一致度が所定の基準を満たす場合に基準位置を一般車両の位置として特定する。ここで、変動地物に由来する基準画像特徴点は環境に応じて撮影画像上での位置が変動し得るため、一般車両にて生成した画像特徴点の位置も撮影画像上で変動し得る。そこで、一般車両の周囲の風景を撮影した時点での一般車両の周囲の環境を一般車両環境として取得し、基準パターン情報を参照すれば、当該一般車両環境と一致する環境に対応した基準画像特徴点の変動範囲を特定することができる。そこで、変動地物の像に由来することを示す情報が対応づけられている基準画像特徴点については、基準画像特徴点の位置からその変動範囲にある位置(すなわち、当該変動範囲内の全ての位置)と一般車両にて生成した画像特徴点とを比較して一致度を特定する。そして、一致度が所定の基準を満たす場合に当該基準パターン情報に対応づけられた基準位置を一般車両の位置を特定する。
【0016】
ここで、画像特徴点抽出手段は、一般車両の周囲の風景を撮影した撮影画像から画像特徴点を抽出することができればよい。すなわち、撮影画像上での位置が特定されることによって当該撮影画像を撮影した車両の位置を特定することが可能な点を画像特徴点をとすることができればよい。画像特徴点は、撮影画像に含まれる各種の地物の像から生成可能な点であれば良く、例えば、地物の外周や模様を構成する点であって、撮影画像上での位置の再現性が高い点を所定の規則で抽出すればよい。
【0017】
一般車両環境取得手段は、一般車両の周囲の風景を撮影した時点での一般車両の周囲の環境を一般車両環境として取得することができればよい。すなわち、基準パターン情報において変動範囲に対応づけられた環境と対比し得る情報として一般車両の周囲の一般車両環境を示す情報が特定されればよい。また、一般車両環境を示す情報は、変動地物の像の撮影画像上での位置を変動させ得る環境を示す情報であればよく、降雨、降雪、風量等を示す気象情報等によって構成可能である。さらに、一般車両環境を示す情報は各種の手法によって取得可能であり、カメラや各種のセンサによって一般車両環境を示す情報を取得しても良いし、通信等によって取得しても良い。
【0018】
一致度特定手段は、基準パターン情報生成装置で作成された基準パターン情報を参照してパターンマッチング処理を行って基準画像特徴点の位置と画像特徴点の位置との一致度を特定することができればよい。すなわち、複数の基準画像特徴点と複数の画像特徴点との撮影画像上での位置を比較し、両者の位置のずれが小さいほど一致度が高くなるように一致度を定義すればよい。ここで、一致度は、複数の基準画像特徴点と複数の画像特徴点との撮影画像上での位置が一致する度合いを総合判断する指標である。なお、一致度を定義する際、変動地物の像に由来することを示す情報が対応づけられていない基準画像特徴点と、変動地物の像に由来することを示す情報が対応づけられている基準画像特徴点とでは、位置の比較対象が異なるように設定する。すなわち、個別の基準画像特徴点に着目した場合、変動地物の像に由来することを示す情報が対応づけられていない基準画像特徴点については、画像特徴点と位置が一致する場合に上述の総合判断を行う指標としての一致度が高くなるような判定がなされる。一方、変動地物の像に由来することを示す情報が対応づけられている基準画像特徴点については、基準画像特徴点の位置を変動範囲まで拡大し、画像特徴点の位置が当該変動範囲に含まれる場合に上述の総合判断を行う指標としての一致度が高くなるような判定がなされる。
【0019】
一般車両位置特定手段は、一致度が所定の基準を満たす場合に、基準位置を一般車両の位置として特定することができればよい。すなわち、一般車両において走行中に連続的に画像を撮影して画像特徴点を抽出し、基準画像特徴点と比較すれば、走行中に撮影された複数の画像について一致度を評価することができるため、一致度が最も高く、かつ、画像特徴点が基準画像特徴点に一致しているとみなすことができる程度の高い一致度になっている場合に所定の基準を満たすとすれば、当該基準画像特徴点を示す基準パターン情報に対応づけられた基準位置を一般車両の位置とみなすことができる。
【0020】
さらに、環境に応じて撮影画像上での位置が変動する変動地物の像に由来する画像特徴点に基づいて一般車両の位置を特定可能にする際に、基準パターン情報に対して変動範囲を示す情報を対応づけない構成としてもよい。すなわち、基準車両において撮影した撮影画像から基準画像特徴点を抽出し、当該基準画像特徴点の位置を示す基準パターン情報を生成する際に、当該基準パターン情報に対して、基準位置を示す情報を対応づけるとともに、基準画像特徴点のうち、変動地物の像に由来する基準画像特徴点に対しては、変動地物の像に由来することを示す情報を対応づける。
【0021】
一方、一般車両においては、当該一般車両の周囲を撮影した撮影画像から画像特徴点を抽出し、当該撮影時点での一般車両の周囲の環境を一般車両環境として取得する。さらに、基準パターン情報を参照してパターンマッチングを行う際に、変動地物の像に由来することを示す情報が対応づけられていない基準画像特徴点については当該基準画像特徴点の位置を比較対象とする。さらに、変動地物の像に由来することを示す情報が対応づけられた基準画像特徴点については当該基準画像特徴点の位置から所定の変動範囲内にある位置を比較対象とする。すなわち、変動地物の像の撮影画像上での位置が一般車両環境に応じて変動することに対応した当該基準画像特徴点の撮影画像上での変動範囲を当該所定の変動範囲として特定する。そして、基準画像特徴点の位置と画像特徴点の位置とを比較して一致度を特定し、一致度が所定の基準を満たす場合に、基準位置を一般車両の位置として特定する。この構成によれば、基準パターン情報に対して変動範囲を示す情報を対応づけない構成であっても一般車両の位置を特定することが可能である。むろん、以上の構成は装置の他、方法やプログラムとしても実現可能である。
【0022】
さらに、本発明のように、変動地物の像に由来する基準画像特徴点に対して、変動地物の像に由来することを示す情報と、変動範囲を環境ごとに示す情報とを対応づけて基準パターン情報を生成する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のような装置、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のような装置を備えたナビゲーション装置や方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、装置を制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】基準パターン情報生成装置のブロック図である。
【図2】基準パターン情報生成処理を示すフローチャートである。
【図3】基準パターン情報の生成を説明する図である。
【図4】一般車両位置特定装置を含むナビゲーション装置のブロック図である。
【図5】一般車両位置特定処理を示すフローチャートである。
【図6】基準画像特徴点の位置と画像特徴点の位置との比較を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)基準パターン情報生成装置の構成:
(2)基準パターン情報生成処理:
(3)一般車両位置特定装置の構成:
(4)一般車両位置特定処理:
(5)他の実施形態:
【0025】
(1)基準パターン情報生成装置の構成:
図1は、本発明にかかる基準パターン情報生成装置10の構成を示すブロック図である。基準パターン情報生成装置10は、基準パターン情報を生成するために運転される基準車両に搭載される。当該基準パターン情報生成装置10は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部20、記録媒体30を備えており、記録媒体30やROMに記憶されたプログラムを制御部20で実行することができる。本実施形態においては、このプログラムとして基準パターン情報生成プログラム21を実行可能である。基準パターン情報生成プログラム21は、変動地物の像に由来する特徴点を含む基準画像特徴点の撮影画像上での位置を示す基準パターン情報を生成する機能を備えている。
【0026】
記録媒体30には、予め地図情報30aが記録されている。地図情報30aは、基準車両の位置の特定等に利用される情報であり、基準車両が走行する道路上に設定されたノードを示すノードデータ,ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点データ,ノード同士の連結を示すリンクデータ,道路やその周辺に存在する地物の位置および種類等を示す地物データ等を含んでいる。本実施形態においては、地物データに対して環境に応じて撮影画像上での位置が変動し得る変動地物であるか否かを示す情報が対応づけられている。例えば、風などによって枝や葉の位置が変動し得る樹木などは変動地物であり、地物が変動地物である場合、地物データに当該地物の位置(緯度および経度)とともに変動地物であることを示す情報が対応づけられる。
【0027】
本実施形態における基準パターン情報生成装置10が搭載された基準車両は、前方カメラ40とGPS受信部41と車速センサ42とジャイロセンサ43と後方カメラ44とを備えている。前方カメラ40は、基準車両の前方の風景(路面および上空)を視野に含むように基準車両に対して取り付けられており、撮影した画像を示す撮影画像データを出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの撮影画像データを取得して画像解析を行う。また、後方カメラ44は基準車両の後方の路面を視野に含むように基準車両に対して取り付けられており、撮影した路面の画像を示す路面画像データを出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの路面画像データを取得して画像解析を行う。
【0028】
GPS受信部41は、GPS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して基準車両の現在位置を算出するための情報を出力する。制御部20は、この信号を取得して基準車両の現在位置を取得する。車速センサ42は、基準車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、基準車両の速度を取得する。ジャイロセンサ43は、基準車両に作用する角速度に対応した信号を出力する。制御部20は図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、基準車両の走行方向を取得する。車速センサ42およびジャイロセンサ43等は、GPS受信部41の出力信号から特定される基準車両の現在位置を補正するなどのために利用される。また、基準車両の現在位置は、当該基準車両の走行軌跡および路面画像データに基づいて適宜補正される。すなわち、本実施形態においては、制御部20が路面画像データを解析して路面上における特定のペイント(速度標示等)を検出し、地図情報30aを参照して当該特定のペイントを検出した時点における基準車両の位置を特定する処理を実行可能である。この処理を、走行軌跡に基づくマップマッチング処理とともに実行することによって、基準車両の位置を高精度に特定可能である。
【0029】
本実施形態においては、以上の構成を備えた基準車両において基準パターン情報生成プログラム21が実行され、基準車両の前方の風景を基にした基準パターン情報が生成される。この処理を行うため、基準パターン情報生成プログラム21は、基準画像特徴点抽出部21aと基準位置取得部21bと基準パターン情報記録部21cとを備えている。
【0030】
基準画像特徴点抽出部21aは、基準車両の周囲の風景を撮影した撮影画像から基準となる基準画像特徴点を抽出する機能を制御部20に実現させるモジュールである。すなわち、制御部20は、基準画像特徴点抽出部21aの処理によって、前方カメラ40が出力する撮影画像データに対して所定の画像処理を行い、基準画像特徴点を抽出する。本実施形態においては、撮影画像データを2値化するとともにハフ変換等を利用して直線を抽出し、直線の先端と直線の交点とを基準画像特徴点とする。
【0031】
基準位置取得部21bは、基準車両の周囲の風景を撮影した時点での基準車両の位置を基準位置として取得する機能を制御部20に実現させるモジュールである。すなわち、制御部20は、基準位置取得部21bの処理により、前方カメラ40が基準画像特徴点の抽出元となる撮影画像データを出力した時点における、GPS受信部41,車速センサ42,ジャイロセンサ43の出力信号、後方カメラ44が出力する路面画像データおよび地図情報30aに基づいて基準車両の位置を特定し、基準位置とする。
【0032】
基準パターン情報記録部21cは、基準画像特徴点の撮影画像上での位置を示す基準パターン情報30bを生成して記録媒体30に記録する機能を制御部20に実現させるモジュールである。すなわち、制御部20は、基準画像特徴点抽出部21aの処理によって抽出された基準画像特徴点のそれぞれについての撮影画像上の位置(座標(X,Y))を特定し、これらの位置を示す情報によって基準画像特徴点の配置パターンを示す基準パターン情報を構成する。さらに、当該基準パターン情報に対して、基準車両位置((経度,緯度)=(x,y))を対応づける。
【0033】
さらに、本実施形態において制御部20は、地図情報30aの地物データを参照し、撮影画像内に含まれる地物を特定するとともに、当該撮影画像内に含まれる地物を示す地物データに対して変動地物であることを示す情報が対応づけられている場合、地物データが示す位置に基づいて当該変動地物の撮影画像内での位置を特定する。さらに、当該撮影画像内の変動地物の位置に基づいて、変動地物の像に由来する基準画像特徴点を特定し、各基準画像特徴点に対して変動地物の像に由来することを示す情報を対応づける。
【0034】
さらに、制御部20は、各基準画像特徴点に対し、環境に対応した変動範囲を対応づける。ここで、変動範囲は、環境に応じて変動地物の像の撮影画像上での位置が変動し得る場合にその範囲を示しており、本実施形態においては、地物の種類および環境に対応して予め変動範囲の値が決められている。そこで、制御部20は、地物データを参照して変動地物の種類を特定し、当該変動地物の種類と環境との組み合わせに対応する変動範囲を特定し、各基準画像特徴点に対して対応づける。なお、以上の処理は、地物の種類と環境との組み合わせに対応する変動範囲の値を予め統計的に特定しておくことによって実現可能である。また、ここでは、環境を示す情報として風力を示す情報を採用した場合の実施形態を説明する。
【0035】
以上の構成により、環境に応じて撮影画像上での位置が変動し得る変動地物の像に由来する基準画像特徴点を含めた状態で生成された基準パターン情報30bが記録媒体30に記録される。従って、環境に応じて撮影画像上での位置が変動しない道路標示等以外に、環境に応じて撮影画像上での位置が変動する自然物等の変動地物の像も利用して基準画像特徴点を定義することが可能になる。このため、画像認識による車両位置の特定技術を多くの場面に適用することが可能になる。
【0036】
(2)基準パターン情報生成処理:
次に、基準パターン情報生成プログラム21による基準パターン情報生成処理を説明する。基準パターン情報生成プログラム21は、所定の期間毎に実行される。図2は基準パターン情報生成プログラム21が実行する基準パターン情報生成処理を示すフローチャートである。図3は、基準車両において撮影された撮影画像I0を例示するとともに、当該撮影画像I0から抽出された基準画像特徴点P1〜P15および当該基準画像特徴点P1〜P15に基づいて生成される基準パターン情報30bの例を示している。以下、図2に示す基準パターン情報生成処理を図3に示す例を参照しながら説明する。基準パターン情報生成プログラム21の処理が開始されると、制御部20は、基準画像特徴点抽出部21aの処理により、前方カメラ40が出力する撮影画像データを取得する(ステップS100)。図3においては撮影画像データが示す撮影画像I0の例を示しており、当該図3においては樹木Tと信号機Sの像が含まれた撮影画像I0を例として示している。
【0037】
次に、制御部20は、基準位置取得部21bの処理により、GPS受信部41,車速センサ42,ジャイロセンサ43の出力信号、後方カメラ44が出力する路面画像データおよび地図情報30aに基づいて基準車両の位置を特定し、基準位置として取得する(ステップS105)。次に、制御部20は、基準画像特徴点抽出部21aの処理により、基準画像特徴点を抽出する(ステップS110)。すなわち、制御部20は、撮影画像を2値化した像から抽出される直線の端点と交点とを基準画像特徴点とする。
【0038】
次に、制御部20は、ステップS110にて抽出された基準画像特徴点のそれぞれを処理対象としてステップS115〜S140のループ処理を行う。この処理において、まず、制御部20は、基準パターン情報記録部21cの処理により、処理対象となっている基準画像特徴点の位置を特定する(ステップS115)。すなわち、制御部20は、撮影画像の座標系における基準画像特徴点の座標(X,Y)を特定する。図3においては、撮影画像I0と同じ座標系の画像平面I1を示し、当該画像平面I1上に基準画像特徴点P1〜P15を示している。なお、画像平面I1においては、元の撮影画像I0上に存在した樹木Tおよび信号機Sの像を破線によって示している。
【0039】
次に、制御部20は、基準パターン情報記録部21cの処理により、処理対象となっている基準画像特徴点が変動地物の像に由来するか否かを判定する(ステップS120)。すなわち、制御部20は、GPS受信部41,車速センサ42,ジャイロセンサ43の出力信号、後方カメラ44が出力する路面画像データおよび地図情報30aに基づいて基準車両の位置を特定し、地図情報30aの地物データを参照して、当該基準車両の現在位置の前方において前方カメラ40の視野に含まれる地物を特定する。そして、当該前方カメラ40の視野に含まれる地物に変動地物であることを示す情報が対応づけられている場合には、基準画像特徴点が変動地物の像に由来すると判定する。図3に示す例においては、樹木Tの像に由来する基準画像特徴点P1〜P9のいずれかが処理対象となっている場合に変動地物の像に由来すると判定される。信号機Sの像に由来する基準画像特徴点P10〜P15のいずれかが処理対象となっている場合に変動地物の像に由来すると判定されない。
【0040】
ステップS120において、基準画像特徴点が変動地物の像に由来すると判定されない場合、制御部20は、ステップS125〜S130をスキップする。ステップS120において、基準画像特徴点が変動地物の像に由来すると判定された場合、制御部20は、基準パターン情報記録部21cの処理により、処理対象となっている基準画像特徴点に対して、変動地物の像に由来することを示す情報を対応づける(ステップS125)。図3においては、画像平面I1の下方に、当該画像平面I1内に示す基準画像特徴点P1〜P15に基づいて生成される基準パターン情報30bを示しており、当該図3に示すように基準画像特徴点が変動地物の像に由来するP1〜P9である場合には、変動地物であることを示す情報が対応づけられる。一方、基準画像特徴点が変動地物の像に由来しないP10〜P15である場合には、変動地物であることを示す情報は対応づけられない。
【0041】
次に、制御部20は、基準パターン情報記録部21cの処理により、処理対象の基準画像特徴点に対して変動範囲を環境ごとに示す情報を対応づける(ステップS130)。すなわち、制御部20は、地図情報30aを参照して、S100にて取得した撮影画像データに含まれていた変動地物の種類を特定する。そして、当該変動地物の種類と任意の環境との組み合わせに対応する変動範囲を特定し、変動範囲を環境ごとに示す情報を規定して処理対象の基準画像特徴点に対して対応づける。図3に示す基準パターン情報30bにおいては、環境を示す情報として風力A,Bごとに、変動範囲を示す半径a,bを示す情報が基準画像特徴点に対応づけられている例を示している。なお、ここで、半径a,bは基準画像特徴点を中心とした半径a,bの円内が変動範囲であることを示す値である。
【0042】
次に、制御部20は、基準パターン情報記録部21cの処理により、ステップS110にて抽出された全ての基準画像特徴点を処理対象として処理を終了したか否かを判定する(ステップS140)。そして、ステップS140にて、全基準画像特徴点を処理対象として処理を終了したと判定されない場合には、未処理の基準画像特徴点を新たな処理対象に設定してステップS115以降の処理を繰り返す。
【0043】
一方、ステップS140にて、全基準画像特徴点を処理対象として処理を終了したと判定された場合、制御部20は、基準パターン情報記録部21cの処理により、記録媒体30に対して基準パターン情報30bを記録する(ステップS145)。すなわち、変動地物であることを示す情報等を対応づけるS115〜S130の処理が実行された各基準画像特徴点の位置を示す情報を基準パターン情報30bとして定義し、さらに、基準位置を示す情報を対応づけて記録媒体30に記録する。なお、図3に示す例においては、基準位置がP0(x,y)であることを示す情報が対応づけられている。本実施形態においては、以上のような基準パターン情報30bの生成処理が、所定の期間で実行されることにより、複数の基準位置についての基準パターン情報30bが生成される。
【0044】
(3)一般車両位置特定装置の構成:
以上のようにして作成された基準パターン情報30bは、基準車両以外の一般車両において当該一般車両の位置を特定するために利用される。図4は、本発明にかかる一般車両位置特定装置を含むナビゲーション装置100の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置100は、一般車両に搭載される。当該ナビゲーション装置100は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部200、記録媒体300を備えており、記録媒体300やROMに記憶されたプログラムを制御部200で実行することができる。本実施形態においては、このプログラムとしてナビゲーションプログラムおよび一般車両位置特定プログラム210を実行可能である。
【0045】
ナビゲーションプログラムは、記録媒体300に予め記録された地図情報300aを参照して車両の現在位置や目的地までの経路を案内するためのプログラムである。地図情報300aは、一般車両の位置の特定等に利用される情報であり、一般車両が走行する道路上に設定されたノードを示すノードデータ,ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点データ,ノード同士の連結を示すリンクデータ,道路やその周辺に存在する地物の位置および種類等を示す地物データ等を含んでいる。本実施形態において制御部200は、ナビゲーションプログラムの処理により、地物データが示す任意の地物を目的地とし、一般車両の現在位置から目的地までの経路探索を行うことが可能である。また、一般車両の現在位置から目的地まで到達するための経路を後述するユーザI/F部420によって案内することが可能である。
【0046】
本実施形態において、記録媒体300には基準パターン情報300bが記録される。当該基準パターン情報300bは、上述の基準車両によって生成された基準パターン情報30bと同じ内容の情報であり、基準車両によって生成された情報が、通信や可搬記録媒体等を介して記録媒体300にコピーされることによって記録媒体300に基準パターン情報300bが記録された状態となる。
【0047】
本実施形態におけるナビゲーション装置100が搭載された一般車両は、前方カメラ400と通信部410とユーザI/F部420とGPS受信部430と車速センサ440とジャイロセンサ450とを備えている。前方カメラ400は、一般車両の前方の風景(路面および上空)を視野に含むように一般車両に対して取り付けられており、撮影した画像を示す撮影画像データを出力する。制御部200は、図示しないインタフェースを介してこの撮影画像データを取得して画像解析を行う。
【0048】
通信部410は、一般車両の外部の図示しない環境情報管理装置と通信を行う回路を備えており、制御部200は、通信部410を介して当該環境情報管理装置と通信を行い、一般車両の現在位置の環境を示す環境情報を取得する。本実施形態において当該環境情報は、上述のように、風力を示す情報である。
【0049】
ユーザI/F部420は、運転者の指示を入力し、また運転者に各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネルディスプレイやスイッチ、スピーカ等を備えている。
【0050】
GPS受信部430は、GPS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して一般車両の現在位置を算出するための情報を出力する。制御部200は、この信号を取得して一般車両の現在位置を取得する。車速センサ440は、一般車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部200は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、一般車両の速度を取得する。ジャイロセンサ450は、一般車両に作用する角速度に対応した信号を出力する。制御部200は図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、一般車両の走行方向を取得する。車速センサ440およびジャイロセンサ450等は、GPS受信部430の出力信号から特定される一般車両の現在位置を補正するなどのために利用される。また、一般車両の現在位置は、当該一般車両の走行軌跡に基づいて適宜補正される。
【0051】
本実施形態においては、以上のようにGPS受信部430,車速センサ440,ジャイロセンサ450および地図情報300aを利用して一般車両の現在位置を特定可能であるが、基準パターン情報300bを利用して一般車両の現在位置を特定する構成も備えている。すなわち、ナビゲーションプログラムは両者のいずれかまたは双方を利用して一般車両の現在位置を特定しながら目的地までの経路を案内する。
【0052】
本実施形態において、基準パターン情報300bを利用した一般車両の現在位置の特定は、一般車両位置特定プログラム210によって実現される。以下、一般車両位置特定プログラム210を利用した一般車両の現在位置の特定について説明する。一般車両位置特定プログラム210は、画像特徴点抽出部210aと一般車両環境取得部210bと一致度特定部210cと一般車両位置特定部210dとを備えている。
【0053】
画像特徴点抽出部210aは、一般車両の周囲の風景を撮影した撮影画像から基準となる画像特徴点を抽出する機能を制御部200に実現させるモジュールである。すなわち、制御部200は、画像特徴点抽出部210aの処理によって、前方カメラ400が出力する撮影画像データに対して所定の画像処理を行い、画像特徴点を抽出する。
【0054】
一般車両環境取得部210bは、一般車両の周囲の風景を撮影した時点での一般車両の周囲の環境を一般車両環境として取得する機能を制御部200に実現させるモジュールである。すなわち、制御部200は、一般車両環境取得部210bの処理により、前方カメラ400が画像特徴点の抽出元となる撮影画像データを出力した時点において通信部410から取得した信号に基づいて、一般車両の周囲の風力を特定し、一般車両環境とする。
【0055】
一致度特定部210cは、基準画像特徴点の位置と画像特徴点との位置を比較して一致度を特定する機能を制御部200に実現させるモジュールである。このとき、制御部200は、各基準画像特徴点について位置の比較対象を設定して画像特徴点の位置と比較するが、変動地物の像に由来することを示す情報が対応づけられていない基準画像特徴点と、変動地物の像に由来することを示す情報が対応づけられている基準画像特徴点とでは位置の比較対象が異なる。
【0056】
具体的には、制御部200は、GPS受信部430,車速センサ440,ジャイロセンサ450および地図情報300aを利用して特定された一般車両の位置から所定距離以内の基準位置が対応づけられた基準パターン情報300bを参照する。そして、制御部200は、変動地物の像に由来することを示す情報が対応づけられていない基準画像特徴点については当該基準画像特徴点の位置を比較対象とする。
【0057】
さらに、制御部200は、変動地物の像に由来することを示す情報が対応づけられた基準画像特徴点については、一般車両環境取得部210bの処理によって特定された一般車両環境と一致する環境を示す情報が対応づけられた基準画像特徴点を特定する。また、制御部200は、当該環境に対応した変動範囲を特定する。さらに、制御部200は、当該基準画像特徴点から当該変動範囲内にある位置を比較対象として設定する。そして、制御部200は、比較対象として設定された基準画像特徴点の位置と画像特徴点の位置とを比較して一致度を特定する。一致度は、複数の基準画像特徴点についての総合判断であれば良く、例えば、各基準画像特徴点に対して最も近い画像特徴点と、基準画像特徴点の比較対象との距離の2乗の和が小さくなるほど一致度が高くなるように一致度を定義する構成を採用可能である。
なお、本実施形態においては、一般車両の現在位置として推定される推定位置から所定距離以内の基準位置が対応づけられた基準パターン情報300bの全てを参照して一致度を特定する処理を行う。すなわち、推定位置から所定距離以内の基準位置が対応づけられた基準パターン情報300bが複数個存在する場合、各基準パターン情報300bについて一致度を特定する。
【0058】
一般車両位置特定部210dは、一致度が所定の基準を満たす場合に、基準位置を一般車両の位置として特定する機能を制御部200に実現させるモジュールである。すなわち、制御部200は、一般車両位置特定部210dの処理により、複数の基準パターン情報300bについての一致度を比較し、最も高い一致度となった基準パターン情報300bを特定する。そして、当該最も高い一致度が所定の閾値を超えている場合に、当該最も高い一致度となった基準パターン情報300bに対応づけられた基準位置が一般車両の位置であるとみなす。なお、推定位置から所定距離以内の基準位置が対応づけられた基準パターン情報300bが一つのみである場合には、当該基準パターン情報300bについての一致度が所定の閾値を超えている場合に、当該基準パターン情報300bに対応づけられた基準位置が一般車両の位置であるとみなす。
【0059】
以上の処理によれば、一般車両の位置を特定する際に、基準パターン情報300bを参照することによって、一般車両環境に一致する環境に対応した基準画像特徴点の変動範囲を考慮して基準画像特徴点と画像特徴点との一致度を特定することができ、基準パターン情報300bに対応づけられた基準位置を一般車両の位置とみなすことができる。従って、一般車両が存在する位置における一般車両環境に応じて撮影画像上の位置が変動する変動地物の像に基づいて抽出された基準画像特徴点に基づいて一般車両の位置を特定することが可能になる。
【0060】
(4)一般車両位置特定処理:
次に、一般車両位置特定プログラム210による基準パターン情報生成処理を説明する。一般車両位置特定プログラム210は、所定の期間毎に実行される。図5は一般車両位置特定プログラム210が実行する基準パターン情報生成処理を示すフローチャートである。一般車両位置特定プログラム210の処理が開始されると、制御部200は、画像特徴点抽出部210aの処理により、前方カメラ400が出力する撮影画像データを取得する(ステップS200)。ここで、制御部200は、撮影画像データに対して撮影時刻を対応づけてRAMに記録する。
【0061】
次に、制御部200は、一般車両環境取得部210bの処理により、通信部410を介して一般車両環境を取得する(ステップS205)。すなわち、制御部200は、撮影画像データを取得した撮影時刻における一般車両の周囲の風力を示す情報を取得する。
【0062】
次に、制御部200は、画像特徴点抽出部210aの処理により、画像特徴点を抽出する(ステップS210)。すなわち、制御部200は、撮影画像を2値化した像から抽出される直線の端点と交点とを画像特徴点とする。図6Aは、図3に示す撮影画像I0を撮影した基準車両が走行していた道路上において、当該撮影画像I0に含まれる地物を一般車両によって撮影した撮影画像から抽出された画像特徴点D1〜D15を示している。
【0063】
次に、制御部200は、一般車両の推定位置から所定距離以内の基準位置が対応づけられた基準パターン情報300bを特定する(ステップS212)。ここで、制御部200は、まず、一般車両の推定位置を特定する。すなわち、制御部200は、GPS受信部430,車速センサ440,ジャイロセンサ450の出力信号および地図情報300aに基づいて一般車両の現在位置を特定する。GPS受信部430,車速センサ440,ジャイロセンサ450の出力信号が得られない場合、制御部200は、最も近い時刻において特定された一般車両の位置を特定する。そして、制御部200は、GPS受信部430等に基づいて特定された一般車両の現在位置あるいは最も近い時刻において特定された一般車両の位置を推定位置とする。さらに、制御部200は、記録媒体300を参照し、当該推定位置から所定距離以内の基準位置が対応づけられた基準パターン情報300bを比較対象として特定する。なお、本実施形態においては、所定距離以内に1以上の基準位置が含まれるような間隔で予め基準車両での風景の撮影が行われており、ステップS212においては、1以上の基準パターン情報300bが比較対象として特定される。
【0064】
次に、制御部200は、ステップS212にて特定された基準パターン情報300bのうちの一つを比較対象とし、当該比較対象の基準パターン情報300bが示す基準画像特徴点のそれぞれを処理対象としてステップS215〜S247のループ処理を行う。この処理において、まず、制御部200は、一致度特定部210cの処理により、処理対象となっている基準画像特徴点の位置を特定する(ステップS215)。ここでは、図6Aに示す画像特徴点が抽出された一般車両において、図6Bに示す基準画像特徴点P1〜P15(図3に示す例と同様)が基準画像特徴点として特定される場合を例として想定する。この場合において、例えば、基準画像特徴点P1が処理対象となっている場合には当該基準画像特徴点P1の座標P1(X,Y)が基準画像特徴点の位置として特定される。
【0065】
次に、制御部200は、一致度特定部210cの処理により、処理対象となっている基準画像特徴点が変動地物の像に由来するか否かを判定する(ステップS220)。すなわち、制御部200は、基準パターン情報300bを参照して、処理対象となっている基準画像特徴点に、変動地物であることを示す情報が対応づけられているか否かを判定する。図6Bに示す例においては、基準画像特徴点P1〜P9のいずれかが処理対象となっている場合に変動地物の像に由来すると判定される。基準画像特徴点P10〜P15のいずれかが処理対象となっている場合に変動地物の像に由来すると判定されない。
【0066】
ステップS220において、処理対象の基準画像特徴点が変動地物の像に由来すると判定された場合、制御部200は、一致度特定部210cの処理により、一般車両環境と一致する環境に対応する変動範囲を特定する(ステップS225)。すなわち、制御部200は、基準パターン情報300bを参照し、処理対象となっている基準画像特徴点に対して対応づけられている変動範囲を示す情報のなかから、一般車両環境に一致する環境に対応づけられた変動範囲を特定する。例えば、一般車両環境が風速Aである場合、環境としての風速Aに対応づけられた変動範囲である半径aを特定する。
【0067】
次に、制御部200は、一致度特定部210cの処理により、基準画像特徴点の位置から変動範囲内にある位置を比較対象に設定する(ステップS230)。すなわち、制御部200は、基準パターン情報300bが示す処理対象の基準画像特徴点の位置を中心として半径が上述の変動範囲で規定される円形に含まれる位置を比較対象とする。図6Bにおいては、基準画像特徴点P1〜P9を中心とした半径aの円形で定義される比較対象を実線の円形で示している。
【0068】
一方、ステップS220において、処理対象の基準画像特徴点が変動地物の像に由来すると判定されない場合、制御部200は、一致度特定部210cの処理により、処理対象の基準画像特徴点の位置を比較対象に設定する(ステップS235)。すなわち、制御部200は、基準パターン情報300bを参照し、基準画像特徴点に対応づけられた座標自体を比較対象とする。例えば、図6Bに示す変動地物の像に由来しない基準画像特徴点P10〜P15については、基準画像特徴点P10〜P15の座標自体が比較対象となる。
【0069】
次に、制御部200は、一致度特定部210cの処理により、比較対象とされている基準パターン情報300bが示す全ての基準画像特徴点を処理対象として処理を終了したか否かを判定する(ステップS240)。そして、ステップS240にて、全基準画像特徴点を処理対象として処理を終了したと判定されない場合には、未処理の基準画像特徴点を新たな処理対象に設定してステップS215以降の処理を繰り返す。
【0070】
一方、ステップS240にて、全基準画像特徴点を処理対象として処理を終了したと判定された場合、制御部200は、一致度特定部210cの処理により、基準画像特徴点について設定された比較対象の位置と画像特徴点の位置とを比較して一致度を特定する(ステップS245)。例えば、図6Aに示す画像特徴点D1〜D2の位置が、図6Bに示す基準画像特徴点P1〜P9を中心とした半径aの円形内の位置に近いほど評価が高くなり、図6Aに示す画像特徴点D10〜D15の位置が、図6Bに示す基準画像特徴点P10〜P15の位置に近いほど評価が高くなるような定義に基づいて一致度を特定する。
【0071】
次に、制御部200は、一致度特定部210cの処理により、ステップS212にて特定された全ての基準パターン情報300bを比較対象として処理を終了したか否かを判定する(ステップS247)。そして、ステップS247にて、全比較対象を処理対象として処理を終了したと判定されない場合には、未処理の基準パターン情報300bを新たな比較対象に設定してステップS215以降の処理を繰り返す。ステップS247にて、全比較対象を処理対象として処理を終了したと判定された場合、制御部200は、一般車両位置特定部210dの処理により、一致度が所定の基準を満たすか否かを判定する(ステップS250)。すなわち、ステップS215〜S247にて複数の基準パターン情報300bについての一致度が特定されている場合には、最も高い一致度を特定し、当該最も高い一致度が所定の閾値よりも大きい場合に、当該最も高い一致度となった基準パターン情報300bについて、一致度が所定の基準を満たすと判定する。ステップS215〜S247にて一つの基準パターン情報300bについての一致度が特定されている場合には、当該基準パターン情報300bについての一致度が所定の閾値よりも大きい場合に、当該基準パターン情報300bについて、一致度が所定の基準を満たすと判定する。
【0072】
ステップS250において、一致度が所定の基準を満たすと判定されない場合、制御部200は、ステップS255をスキップして処理を終了する。一方、ステップS250において、一致度が所定の基準を満たすと判定された場合、制御部200は、一致度が所定の基準を満たすと判定された基準パターン情報300bに対応づけられた基準位置を一般車両の位置として特定する(ステップS255)。
【0073】
以上の構成によれば、GPS受信部430,車速センサ440,ジャイロセンサ450の出力信号および地図情報300aのみを利用して一般車両の位置を特定する構成と比較して、正確に一般車両の現在位置を特定することが可能である。また、GPS受信部430,車速センサ440,ジャイロセンサ450の出力信号が取得されない区間においても一般車両の現在位置を特定することが可能である。
【0074】
(5)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、変動地物の像に由来する基準画像特徴点に対して、変動地物の像に由来することを示す情報と、変動範囲を環境ごとに示す情報とを対応づけて基準パターン情報を生成する限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、基準パターン情報には、基準画像特徴点の抽出元となった撮影画像を撮影した時点における基準車両の向きを示す情報を対応づけても良い。この場合、一般車両にて位置を特定する際に、当該一般車両の向きを示す情報を特定し、当該一般車両の向きと同じ向きが対応づけられた基準パターン情報を参照して基準画像特徴点の位置と画像特徴点の位置との一致度を特定する。
【0075】
さらに、基準画像特徴点は、撮影画像に含まれる各種の地物の像から生成可能な点であれば良く、地物の外周や模様を構成する点であって、撮影画像上での位置の再現性が高い点を所定の規則で抽出すればよい。従って、上述の直線の端点や交点以外にも、直線を構成する点群等によって構成されてもよい。
【0076】
さらに、変動範囲は撮影画像上で基準画像特徴点が変動し得る範囲を規定していれば良く、変動範囲は円形に限定されない。例えば、楕円形や多角形であっても良い。また、変動地物の種類に対応した変動量および変動方向によって規定してもよい。すなわち、変動地物の種類が異なると環境に応じた位置の変動範囲が異なり得る。さらに、変動範囲は、特定の位置に対して等方的である場合と非等方的である場合とがあり得る。そこで、変動地物の種類に対応した変動量および変動方向によって変動範囲を規定すれば、環境に応じた変動範囲を実際の変動地物の像の撮影画像上での位置変動に即して規定することが可能になる。
【0077】
さらに、変動範囲に対応づけられる環境を示す情報は、変動地物の像の撮影画像上での位置を変動させ得る環境を示す情報であればよく、風量以外にも、降雨、降雪等を示す気象情報等によって構成可能である。例えば、降雪環境下においては、変動範囲が上下方向となるように定義されていても良い。
【0078】
さらに、一般車両によって参照される基準パターン情報を記録する媒体は特に限定されず、通信等を介して一般車両から所定の記録媒体を参照して基準パターン情報を取得しても良い。
【0079】
さらに、変動範囲は基準画像特徴点の撮影画像上での変動範囲であるため、変動地物と基準車両との距離によって変動し得る。そこで、変動地物と基準位置との距離が長いほど変動範囲が小さくなるように定義しても良い。この構成によれば、変動地物の変動範囲を容易に決定することが可能になる。
【0080】
さらに、環境に応じて撮影画像上での位置が変動する変動地物の像に由来する画像特徴点に基づいて一般車両の位置を特定可能にする際に、基準パターン情報に対して変動範囲を示す情報を対応づけない構成としてもよい。すなわち、基準車両において撮影した撮影画像から基準画像特徴点を抽出し、当該基準画像特徴点の位置を示す基準パターン情報を生成する際に、当該基準パターン情報に対して、基準位置を示す情報を対応づけるとともに、基準画像特徴点のうち、変動地物の像に由来する基準画像特徴点に対しては、変動地物の像に由来することを示す情報を対応づける。例えば、図3に示す基準パターン情報30bにおいて、基準画像特徴点の位置を示す情報に対して、変動地物の像に由来することを示す情報は対応づけるが、風力A,Bや半径a,bなどの変動範囲を環境ごとに示す情報は対応づけない構成とする。
【0081】
一方、一般車両においては、当該一般車両の周囲を撮影した撮影画像から画像特徴点を抽出し、当該撮影時点での一般車両の周囲の環境を一般車両環境として取得する。さらに、基準パターン情報を参照してパターンマッチングを行う際に、変動地物の像に由来することを示す情報が対応づけられていない基準画像特徴点については当該基準画像特徴点の位置を比較対象とする。さらに、変動地物の像に由来することを示す情報が対応づけられた基準画像特徴点については当該基準画像特徴点の位置から所定の変動範囲内にある位置を比較対象とする。すなわち、変動地物の像の撮影画像上での位置が一般車両環境に応じて変動することに対応した当該基準画像特徴点の撮影画像上での変動範囲を当該所定の変動範囲として特定する。例えば、変動地物の像が変動する変動範囲を環境ごとに予め統計処理等によって決めておき、一般車両環境に対応する変動範囲を特定する。
【0082】
そして、基準画像特徴点の位置と画像特徴点の位置とを比較して一致度を特定し、一致度が所定の基準を満たす場合に、基準位置を一般車両の位置として特定する。この構成によれば、基準パターン情報に対して変動範囲を示す情報を対応づけない構成であっても一般車両の位置を特定することが可能である。
【0083】
さらに、基準パターン情報を生成する際に、基準画像特徴点が変動地物の像に由来するか否かを特定するための構成としては、地図情報30aを参照する構成以外にも種々の構成を採用可能である。例えば、撮影画像データを解析し、特徴点のパターンが変動地物の像に特有のパターンであるか否かを判定する構成としても良い。
【0084】
基準位置に基づく一般車両の位置の特定法は、上述の実施形態以外にも各種の方法を採用可能である。例えば、前方カメラ400にて撮影した撮影画像データに対して撮影時刻を対応づけておき、現在以前の所定期間にて撮影した複数の撮影画像データから画像特徴点を抽出し、各時刻における撮影画像データから抽出された画像特徴点の位置と基準パターン情報300bが示す基準画像特徴点の位置とを比較する構成を採用しても良い。すなわち、複数の時刻に関する画像特徴点の組のそれぞれについて一致度を特定し、最も一致度が高くなった時刻における一般車両の位置が、基準パターン情報300bに対応づけられた基準位置であるとみなす構成としても良い。
【符号の説明】
【0085】
10…基準パターン情報生成装置、20…制御部、21…基準パターン情報生成プログラム、21a…基準画像特徴点抽出部、21b…基準位置取得部、21c…基準パターン情報記録部、30…記録媒体、30a…地図情報、30b…基準パターン情報、40…前方カメラ41…GPS受信部、42…車速センサ、43…ジャイロセンサ、100…ナビゲーション装置、200…制御部、210…一般車両位置特定プログラム、210a…画像特徴点抽出部、210b…一般車両環境取得部、210c…一致度特定部、210d…一般車両位置特定部、300…記録媒体、300a…地図情報、300b…基準パターン情報、400…前方カメラ410…通信部、420…ユーザI/F部、430…GPS受信部、440…車速センサ、450…ジャイロセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準車両の周囲の風景を撮影した撮影画像から基準となる基準画像特徴点を抽出する基準画像特徴点抽出手段と、
前記基準車両の周囲の風景を撮影した時点での前記基準車両の位置を基準位置として取得する基準位置取得手段と、
前記基準画像特徴点の前記撮影画像上での位置を示す基準パターン情報に対して前記基準位置を示す情報を対応づけ、前記基準画像特徴点のうち、環境に応じて前記撮影画像上での位置が変動し得る変動地物の像に由来する前記基準画像特徴点に対しては、前記変動地物の像に由来することを示す情報と、前記変動地物の前記撮影画像上での位置が前記環境に応じて変動することに対応した前記基準画像特徴点の前記撮影画像上での変動範囲を前記環境ごとに示す情報とを対応付けて所定の記録媒体に記録する基準パターン情報記録手段と、
を備える基準パターン情報生成装置。
【請求項2】
前記変動範囲は、前記変動地物の種類に対応した変動量および変動方向によって規定される、
請求項1に記載の基準パターン情報生成装置。
【請求項3】
前記変動範囲は、前記変動地物と前記基準位置との距離が長いほど小さくなる、
請求項1または請求項2のいずれかに記載の基準パターン情報生成装置。
【請求項4】
一般車両の周囲の風景を撮影した撮影画像から画像特徴点を抽出する画像特徴点抽出手段と、
前記一般車両の周囲の風景を撮影した時点での前記一般車両の周囲の環境を一般車両環境として取得する一般車両環境取得手段と、
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の基準パターン情報生成装置で作成された前記基準パターン情報を参照し、前記変動地物の像に由来することを示す情報が対応づけられていない前記基準画像特徴点については当該基準画像特徴点の位置を比較対象とし、前記変動地物の像に由来することを示す情報が対応づけられた前記基準画像特徴点については前記基準画像特徴点の位置から前記一般車両環境と一致する前記環境に対応した前記変動範囲内にある位置を比較対象として、前記基準画像特徴点の位置と前記画像特徴点の位置とを比較して一致度を特定する一致度特定手段と、
前記一致度が所定の基準を満たす場合に、前記基準位置を前記一般車両の位置として特定する一般車両位置特定手段と、
を備える一般車両位置特定装置。
【請求項5】
一般車両の周囲の風景を撮影した撮影画像から画像特徴点を抽出する画像特徴点抽出手段と、
前記一般車両の周囲の風景を撮影した時点での前記一般車両の周囲の環境を一般車両環境として取得する一般車両環境取得手段と、
基準車両の周囲の風景を撮影した撮影画像から抽出された基準となる基準画像特徴点の前記撮影画像上での位置を示す基準パターン情報に対して、前記基準車両の周囲の風景を撮影した時点での前記基準車両の位置である基準位置を示す情報を対応づけるとともに、前記基準画像特徴点のうち、環境に応じて前記撮影画像上での位置が変動し得る変動地物の像に由来する前記基準画像特徴点に対しては、前記変動地物の像に由来することを示す情報を対応づけることによって作成されたデータベースを参照し、
前記変動地物の像に由来することを示す情報が対応づけられていない前記基準画像特徴点については当該基準画像特徴点の位置を比較対象とし、
前記変動地物の像に由来することを示す情報が対応づけられた前記基準画像特徴点については当該基準画像特徴点の位置から、前記変動地物の前記撮影画像上での位置が前記一般車両環境に応じて変動することに対応した当該基準画像特徴点の前記撮影画像上での変動範囲内にある位置を比較対象として、
前記基準画像特徴点の位置と前記画像特徴点の位置とを比較して一致度を特定する一致度特定手段と、
前記一致度が所定の基準を満たす場合に、前記基準位置を前記一般車両の位置として特定する一般車両位置特定手段と、
を備える一般車両位置特定装置。
【請求項6】
基準車両の周囲の風景を撮影した撮影画像から基準となる基準画像特徴点を抽出する基準画像特徴点抽出工程と、
前記基準車両の周囲の風景を撮影した時点での前記基準車両の位置を基準位置として取得する基準位置取得工程と、
前記基準画像特徴点の前記撮影画像上での位置を示す基準パターン情報に対して前記基準位置を示す情報を対応づけ、前記基準画像特徴点のうち、環境に応じて前記撮影画像上での位置が変動し得る変動地物の像に由来する前記基準画像特徴点に対しては、前記変動地物の像に由来することを示す情報と、前記変動地物の前記撮影画像上での位置が前記環境に応じて変動することに対応した前記基準画像特徴点の前記撮影画像上での変動範囲を前記環境ごとに示す情報とを対応付けて所定の記録媒体に記録する基準パターン情報記録工程と、
を含む基準パターン情報生成方法。
【請求項7】
基準車両の周囲の風景を撮影した撮影画像から基準となる基準画像特徴点を抽出する基準画像特徴点抽出機能と、
前記基準車両の周囲の風景を撮影した時点での前記基準車両の位置を基準位置として取得する基準位置取得機能と、
前記基準画像特徴点の前記撮影画像上での位置を示す基準パターン情報に対して前記基準位置を示す情報を対応づけ、前記基準画像特徴点のうち、環境に応じて前記撮影画像上での位置が変動し得る変動地物の像に由来する前記基準画像特徴点に対しては、前記変動地物の像に由来することを示す情報と、前記変動地物の前記撮影画像上での位置が前記環境に応じて変動することに対応した前記基準画像特徴点の前記撮影画像上での変動範囲を前記環境ごとに示す情報とを対応付けて所定の記録媒体に記録する基準パターン情報記録機能と、
をコンピュータに実現させる基準パターン情報生成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−214961(P2011−214961A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82670(P2010−82670)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】