説明

塗布処理方法、プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体及び塗布処理装置

【課題】ウェハ面内に均一なレジスト膜を形成する。
【解決手段】先ず、第1の回転速度でウェハを回転し、その回転されたウェハにレジスト液を塗布する。続いてウェハの回転を第1の回転速度よりも遅い第2の回転速度に減速して、ウェハを低速度で回転させ、ウェハ上のレジスト液を均す。次にウェハの回転を第2の回転速度よりも速い第3の回転速度に加速し、当該ウェハ上のレジスト液に溶剤ガス又は乾燥ガスの少なくともいずれかを供給する。このとき、溶剤ガスは、ウェハ上のレジスト液の設定厚みよりも厚い部分に供給され、乾燥ガスは、ウェハ上のレジスト液の設定厚みよりも薄い部分に供給される。これにより、レジスト液の厚い部分は薄くなり、薄い部分は厚くなる。その後ウェハの回転を第3の回転速度よりも速い第4の回転速度に加速して、ウェハ上のレジスト液を乾燥させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布処理方法、プログラム、当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び塗布処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体デバイスの製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー工程では、例えばウェハ上にレジスト液を塗布しレジスト膜を形成するレジスト塗布処理、レジスト膜を所定のパターンに露光する露光処理、露光されたレジスト膜を現像する現像処理などが順次行われ、ウェハ上に所定のレジストパターンが形成される。
【0003】
上述のレジスト塗布処理では、先ずウェハが高速回転され、その回転されたウェハの中心部に所定量のレジスト液が供給され、遠心力によって当該レジスト液がウェハの表面の全面に拡散される。続いて、ウェハの回転が減速され、低速回転でウェハ上のレジスト液が均される。その後、ウェハの回転速度が上昇され、高速回転でウェハ上のレジスト液が乾燥され膜厚調整されて、ウェハ上に所定の厚みのレジスト膜が形成されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平11−260717号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、レジスト膜の膜厚は、例えば露光処理における焦点の適否などを決定し最終的なレジストパターンの寸法に影響を与えるものであるため、ウェハ面内で均一にする必要がある。従来より、上記レジスト塗布処理では、レジスト液の温度、ウェハの温度、ウェハの回転速度などの各種パラメータを調整することにより、ウェハ面内のレジスト膜の膜厚の均一化を図っていた。しかしながら、上記パラメータの調整では、ウェハ面内のレジスト膜の局所的なばらつきには対応できず、レジスト膜を十分に均一化することはできなかった。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、レジスト液などの塗布液の塗布処理において、ウェハなどの基板面内に均一な塗布膜を形成することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明は、基板の塗布処理方法であって、第1の回転速度で基板を回転し、その回転された基板に塗布液を塗布する第1の工程と、前記基板の回転を前記第1の回転速度よりも遅い第2の回転速度に減速して、基板を低速度で回転させる第2の工程と、前記基板の回転を前記第2の回転速度よりも速い第3の回転速度に加速し、当該基板上の塗布液に塗布液の溶剤又は乾燥ガスの少なくともいずれかを供給する第3の工程と、前記基板の回転を前記第3の回転速度よりも速い第4の回転速度に加速して、基板上の塗布液を乾燥させる第4の工程と、を有し、前記第3の工程において、前記塗布液の溶剤は、前記基板上の塗布液の予め定められた設定厚みよりも厚い部分に供給され、前記乾燥ガスは、前記基板上の塗布液の前記設定厚みよりも薄い部分に供給されることを特徴とする。なお、「設定厚み」は、許容できる幅のあるものであってもよい。
【0008】
本発明によれば、第3の工程において、塗布液の厚い部分に溶剤を供給することにより、その厚い部分の塗布液の流動性を上げて、その部分の塗布液の厚みを薄くすることができる。塗布液の薄い部分に乾燥ガスを供給することにより、その薄い部分の塗布液の流動性を下げて、その部分の塗布液の厚みを厚くすることができる。この結果、最終的に基板面内に均一な塗布膜を形成できる。
【0009】
前記第4の工程において、前記基板上の塗布液の前記設定厚みよりも厚い部分には、塗布液の溶剤が供給されるようにしてもよい。
【0010】
前記第4の工程において前記塗布液の溶剤が供給される際には、基板の回転が前記第4の回転速度よりも一時的に減速されるようにしてもよい。
【0011】
前記第2の工程において基板面内の塗布液の厚みを測定し、前記第3の工程において前記塗布液の厚みの測定結果に基づいて前記塗布液の溶剤又は乾燥ガスの少なくともいずれかを供給するようにしてもよい。
【0012】
別の観点による本発明によれば、上記塗布処理方法を、コンピュータに実現させるためのプログラムが提供される。
【0013】
別の観点による本発明によれば、上記塗布処理方法をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0014】
別の観点による本発明は、基板の塗布処理装置であって、基板を保持して回転させる回転保持部と、基板上に塗布液を供給する第1のノズルと、基板上に塗布液の溶剤と乾燥ガスを選択的に供給する第2のノズルと、前記第2のノズルを、基板上の所定の位置に移動させる移動機構と、を有することを特徴とする。
【0015】
前記第2のノズルは、基板の中心部に塗布液の溶剤と乾燥ガスを選択的に供給する中心部供給ノズルと、基板の中心部の周りの外周部に塗布液の溶剤と乾燥ガスを選択的に供給する外周部供給ノズルから構成されていてもよい。
【0016】
前記中心部供給ノズルと前記外周部供給ノズルは、基板の外方から基板上に移動可能な同じ支持部材に支持されていてもよい。
【0017】
前記支持部材には、前記外周部供給ノズルを基板の半径方向に沿って水平移動させる水平駆動部が設けられていてもよい。
【0018】
前記中心部供給ノズルは、円盤状に形成され、その下面には、前記塗布液の溶剤と乾燥ガスのメッシュ状の供給孔が形成されていてもよい。
【0019】
前記外周部供給ノズルは、内部に中空部が形成された多孔質材料からなる円筒部を有し、その円筒部の表面の周面には、全周に亘り前記塗布液の溶剤と乾燥ガスの複数の供給孔が形成され、前記中空部に供給された塗布液の溶剤又は乾燥ガスを前記円筒部を通じて前記供給孔から吐出できるようにしてもよい。
【0020】
上記塗布処理装置は、基板面内の塗布液の厚みを測定する厚み測定部材を有していてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、基板上に均一な塗布膜を形成できるので、最終的な基板製品の歩留まりを向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる塗布処理装置が搭載された塗布現像処理システム1の構成の概略を示す平面図であり、図2は、塗布現像処理システム1の正面図であり、図3は、塗布現像処理システム1の背面図である。
【0023】
塗布現像処理システム1は、図1に示すように例えば外部から塗布現像処理システム1に対して複数枚のウェハWをカセット単位で搬入出したり、カセットCに対してウェハWを搬入出したりするカセットステーション2と、フォトリソグラフィー工程の中で枚葉式に所定の処理を施す複数の各種処理装置を多段に配置している処理ステーション3と、この処理ステーション3に隣接して設けられている露光装置(図示せず)との間でウェハWの受け渡しを行うインターフェイスステーション4とを一体に接続した構成を有している。
【0024】
カセットステーション2では、カセット載置台5が設けられ、当該カセット載置台5は、複数のカセットCをX方向(図1中の上下方向)に一列に載置自在になっている。カセットステーション2には、搬送路6上をX方向に沿って移動可能なウェハ搬送体7が設けられている。ウェハ搬送体7は、カセットCに収容されたウェハWのウェハ配列方向(Z方向;鉛直方向)にも移動自在であり、カセットC内の複数枚のウェハWに対して選択的にアクセスできる。またウェハ搬送体7は、鉛直方向の軸周り(θ方向)に回転可能であり、後述する処理ステーション3側の後述する第3の処理装置群G3の各処理装置に対してアクセスしてウェハWを搬送できる。
【0025】
処理ステーション3は、複数の処理装置が多段に配置された、例えば5つの処理装置群G1〜G5を備えている。処理ステーション3のX方向負方向(図1中の下方向)側には、カセットステーション2側から第1の処理装置群G1、第2の処理装置群G2が順に配置されている。処理ステーション3のX方向正方向(図1中の上方向)側には、カセットステーション2側から第3の処理装置群G3、第4の処理装置群G4及び第5の処理装置群G5が順に配置されている。第3の処理装置群G3と第4の処理装置群G4の間には、第1の搬送装置10が設けられている。第1の搬送装置10は、第1の処理装置群G1、第3の処理装置群G3及び第4の処理装置群G4内の各装置に対し選択的にアクセスしてウェハWを搬送できる。第4の処理装置群G4と第5の処理装置群G5の間には、第2の搬送装置11が設けられている。第2の搬送装置11は、第2の処理装置群G2、第4の処理装置群G4及び第5の処理装置群G5内の各装置に対して選択的にアクセスしてウェハWを搬送できる。
【0026】
図2に示すように第1の処理装置群G1には、ウェハWに所定の液体を供給して処理を行う液処理装置、例えば本実施の形態にかかる塗布処理装置としてのレジスト塗布装置20、21、22、露光処理時の光の反射を防止する反射防止膜を形成するボトムコーティング装置23、24が下から順に5段に重ねられている。第2の処理装置群G2には、液処理装置、例えばウェハWに現像液を供給して現像処理する現像処理装置30〜34が下から順に5段に重ねられている。また、第1の処理装置群G1及び第2の処理装置群G2の最下段には、各処理装置群G1、G2内の前記液処理装置に各種処理液を供給するためのケミカル室40、41がそれぞれ設けられている。
【0027】
例えば図3に示すように第3の処理装置群G3には、温調装置60、ウェハWの受け渡しを行うためのトランジション装置61、精度の高い温度管理下でウェハ温度を調節する高精度温調装置62〜64及びウェハWを高温で加熱処理する加熱処理装置65〜68が下から順に9段に重ねられている。
【0028】
第4の処理装置群G4では、例えば高精度温調装置70、レジスト塗布処理後のウェハWを加熱処理するプリベーク装置71〜74及び現像処理後のウェハWを加熱処理するポストベーク装置75〜79が下から順に10段に重ねられている。
【0029】
第5の処理装置群G5では、ウェハWを熱処理する複数の熱処理装置、例えば高精度温調装置80〜83、露光後ベーク(ポストエクスポージャーベーク)装置84〜89が下から順に10段に重ねられている。
【0030】
図1に示すように第1の搬送装置10のX方向正方向側には、複数の処理装置が配置されており、例えば図3に示すようにウェハWを疎水化処理するためのアドヒージョン装置90、91が下から順に2段に重ねられている。図1に示すように第2の搬送装置11のX方向正方向側には、例えばウェハWのエッジ部のみを選択的に露光する周辺露光装置92が配置されている。
【0031】
インターフェイスステーション4には、例えば図1に示すようにX方向に延伸する搬送路100上を移動するウェハ搬送体101と、バッファカセット102が設けられている。ウェハ搬送体101は、Z方向に移動可能でかつθ方向にも回転可能であり、インターフェイスステーション4に隣接した図示しない露光装置と、バッファカセット102及び第5の処理装置群G5に対してアクセスしてウェハWを搬送できる。
【0032】
次に、上述したレジスト塗布装置20〜22の構成について詳しく説明する。図4、図5は、レジスト塗布装置20の構成の概略を示す垂直断面の説明図であり、図6は、レジスト塗布装置20の構成の概略を示す平面図である。
【0033】
図4に示すようにレジスト塗布装置20は、ケーシング20aを有し、当該ケーシング20a内には、ウェハWを保持して回転させる回転保持部としてのスピンチャック120が設けられている。スピンチャック120は、水平な上面を有し、当該上面には、例えばウェハWを吸引する吸引口(図示せず)が設けられている。この吸引口からの吸引により、ウェハWをスピンチャック120上に吸着できる。スピンチャック120は、例えばスピンチャック120に内蔵されたモータなどの回転駆動部121により、ウェハWを所定の速度で回転させることができる。
【0034】
スピンチャック120の周囲には、ウェハWから飛散したレジスト液などの液体を受け止め、回収するためのカップ130が設けられている。カップ130は、底面が閉鎖された略円筒状に形成されている。カップ130の底部には、回収したレジスト液等を排液する排液管131とカップ130内の雰囲気を排気する排気管132が設けられている。
【0035】
図6に示すように例えばカップ130のX方向負方向(図6の下方向)側には、Y方向(図6の左右方向)に沿って延伸するレール140が形成されている。レール140は、例えばカップ130のY方向正方向(図6の右方向)側の外方からカップ130のY方向負方向(図6の左方向)側の外方まで形成されている。レール140には、例えばX方向に延びる2つのアーム141、142が設けられている。第1のアーム141には、第1のノズルとしてのレジスト液供給ノズル143とプリウェット用ノズル144が支持されている。第2のアーム142には、第2のノズルとしての中心部供給ノズル145と外周部供給ノズル146が支持されている。
【0036】
第1のアーム141は、例えばモータなどの駆動部147によってレール140上を移動自在であり、レジスト液供給ノズル143とプリウェット用ノズル144をカップ130の外方に設置された待機部148からカップ130内のウェハW上に移送することができる。また、第1のアーム141は、例えば駆動部147によって上下方向に移動自在であり、レジスト液供給ノズル143とプリウェット用ノズル144を昇降できる。
【0037】
レジスト液供給ノズル143は、例えば図4に示すように供給管150によってレジスト液供給源151に連通している。供給管150には、バルブ152が設けられており、このバルブ152の開閉動作によりレジスト液供給ノズル143から所定のタイミングでレジスト液を吐出できる。
【0038】
プリウェット用ノズル144は、例えば供給管160によって溶剤供給源161に連通している。供給管160には、バルブ162が設けられており、このバルブ162の開閉動作によりプリウェット用ノズル144から所定のタイミングでレジスト液の溶剤を吐出できる。
【0039】
第2のアーム142は、例えば図6に示すようにモータなどの駆動部170によってレール140上を移動自在であり、中心部供給ノズル145と外周部供給ノズル146をカップ130の外方に設置された待機部171からカップ130内のウェハW上に移送することができる。
【0040】
中心部供給ノズル145は、第2のアーム142の長手方向(X方向)の先端部に支持され、第2のアーム142によってカップ130内のウェハWの中心部の上方に移動できる。中心部供給ノズル145は、例えば図7に示すように円盤状に形成されている。中心部供給ノズル145は、内部に図示しない円柱状の中空部を有し、下面にその中空部に通じるメッシュ状の供給孔145aが形成されている。中心部供給ノズル145の上部には、内部の中空部から図5に示す乾燥ガス供給源180に通じる供給管181が接続されている。本実施の形態では、乾燥ガスとして、例えばドライエアやドライNガスが用いられる。
【0041】
供給管181には、例えばレジスト液の液体溶剤が貯留された溶剤貯留部182に通じる二本の分岐管183、184が接続されている。分岐管183、184には、それぞれバルブ185、186が設けられている。分岐管183と分岐管184の間の供給管181には、バルブ187が設けられている。バルブ185、186を閉鎖し、バルブ187を開放することによって、乾燥ガスが乾燥ガス供給源180から中心部供給ノズル145に供給され、中心部供給ノズル145の供給孔145aから吐出できる。バルブ185、186を開放し、バルブ187を閉鎖することによって、乾燥ガス供給源180の乾燥ガスが溶剤貯留部182に供給され、溶剤貯留部182では、乾燥ガスが液体溶剤内に導入され溶剤を取り込んで、溶剤ガスを生成できる。その生成された溶剤ガスは供給管181に戻され、中心部供給ノズル145に供給され、中心部供給ノズル145の供給孔145aから吐出できる。かかる構成により、中心部供給ノズル145は、乾燥ガスと溶剤ガスを選択的に吐出できる。
【0042】
中心部供給ノズル145は、例えばシリンダなどの昇降駆動部188を介在して第2のアーム142に取り付けられており、所定の高さに昇降できる。
【0043】
外周部供給ノズル146は、第2のアーム142の長手方向の中央部付近に支持され、第2のアーム142によってウェハWの外周部の上方に移動できる。なお、本実施の形態においては、例えば第2のアーム142及び駆動部170により、中心部供給ノズル145と外周部供給ノズル146の移動機構が構成されている。
【0044】
外周部供給ノズル146は、例えばいわゆるブレイクフィルターであり、図8に示すように外形が円柱状に形成されている。外周部供給ノズル146は、例えば図9に示すように内部に中空部146aを有する円筒部146bと、その円筒部146bの両端部に取り付けられ、中空部146aを封止する円盤状の封止板146cを備えている。円筒部146bは、例えば多孔性セラミックスによって形成されており、円筒部146bの表面の周面には、全周に亘り微細な多数の供給孔146dが形成されている。供給孔146dは、内部の中空部146aに連通している。中空部146aの一端には、供給管210が接続されている。
【0045】
供給管210は、図5に示すように乾燥ガス供給源211に連通している。供給管210には、例えばレジスト液の液体溶剤が貯留された溶剤貯留部212に通じる二本の分岐管213、214が接続されている。分岐管213、214には、それぞれバルブ215、216が設けられている。分岐管213と分岐管214の間の供給管210には、バルブ217が設けられている。バルブ215、216を閉鎖し、バルブ217を開放することによって、乾燥ガスが乾燥ガス供給源211から外周部供給ノズル146に供給され、外周部供給ノズル146の供給孔146dから吐出できる。バルブ215、216を開放し、バルブ217を閉鎖することによって、乾燥ガスが溶剤貯留部212に供給され、溶剤貯留部212では、乾燥ガスが液体溶剤内に導入され、溶剤を取り込んで、溶剤ガスを生成できる。その生成された溶剤ガスは、供給管210に戻され、外周部供給ノズル146に供給され、外周部供給ノズル146の供給孔146dから吐出できる。かかる構成により、外周部供給ノズル146は、乾燥ガスと溶剤蒸気を選択的に吐出できる。
【0046】
外周部供給ノズル146は、例えばシリンダなどの昇降駆動部220を介在して第2のアーム142に取り付けられており、所定の高さに昇降できる。また、外周部供給ノズル146は、例えばシリンダなどの水平駆動部221を介して第2のアーム142に取り付けられており、第2のアーム142の長手方向(X方向)に沿って水平移動できる。
【0047】
上述のスピンチャック120の回転駆動動作、バルブ152、162、185、186、187、215、216、217の開閉動作、第1のアーム141の駆動部147、第2のアーム142の駆動部170、中心部供給ノズル145の昇降駆動部188、外周部供給ノズル146の昇降駆動部220及び水平駆動部221などの駆動系の動作の制御は、制御部230により行われる。制御部230は、例えば汎用のコンピュータにより構成され、メモリに記録されたプログラムPを実行することにより、スピンチャック120等の動作を制御して、後述する塗布処理を実現できる。なお、本実施の形態における塗布処理を実現するためのプログラムPは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体により制御部230にインストールされたものであってもよい。
【0048】
レジスト塗布装置21、22の構成は、上述のレジスト塗布処理20と同じであるので、説明を省略する。
【0049】
次に、以上のように構成されたレジスト塗布装置20で行われる塗布処理プロセスを、塗布現像処理システム1全体で行われるウェハ処理のプロセスと共に説明する。
【0050】
先ず図1に示すウェハ搬送体7によって、カセット載置台5上のカセットC内から未処理のウェハWが一枚ずつ取り出され、処理ステーション3に順次搬送される。ウェハWは、処理ステーション3の第3の処理装置群G3に属する温調装置60に搬送され、所定温度に温度調節される。その後ウェハWは、第1の搬送装置10によって例えばボトムコーティング装置23に搬送されて、反射防止膜が形成される。その後ウェハWは、第1の搬送装置10によって例えば熱処理装置65、高精度温調装置70に順次搬送され、各処理装置において所定の処理が施される。その後ウェハWは、第1の搬送装置10によって例えばレジスト塗布装置20に搬送される。
【0051】
図10は、このレジスト塗布装置20における塗布処理プロセスの主な工程を示すフローチャートである。図11は、この塗布処理プロセスにおけるウェハWの回転速度の変動を示すグラフである。先ず、レジスト塗布装置20に搬入されたウェハWは、スピンチャック120に吸着保持される。次に、第1のアーム141により待機部148のプリウェット用ノズル144とレジスト液供給ノズル143がウェハWの中心部の上方に移動し、スピンチャック120によりウェハWが回転される。その回転されたウェハWにプリウェット用ノズル144からプリウェット用の溶剤が供給され、ウェハW上に溶剤が塗布される。続いて、図11に示すようにウェハWの回転が高速の例えば3000rpm程度の第1の速度V1に加速され、その高速回転されたウェハWの中心部にレジスト液供給ノズル143から所定量のレジスト液が供給される。ウェハW上に供給されたレジスト液は、遠心力によりウェハWの表面の全面に拡散し、ウェハW上にレジスト液が塗布される(図10の工程S1)。レジスト液の供給の終了したレジスト液供給ノズル143は待機部148に戻される。レジスト液の塗布が終了すると、ウェハWの回転が低速の例えば100rpm程度の第2の回転速度V2に減速される(図10の工程S2)。この低速回転により、ウェハW上のレジスト液が流動され均される。
【0052】
次に、ウェハWの回転が例えば500rpm程度の第3の回転速度V3に加速される。このとき、第2のアーム142により中心部供給ノズル145と外周部供給ノズル146がウェハWの半径上に移動し、中心部供給ノズル145又は外周部供給ノズル146の少なくともいずれかから、乾燥ガス又は溶剤ガスの少なくともいずれかがウェハW上のレジスト液の所定部分に供給される(図10の工程S3)。
【0053】
この乾燥ガスや溶剤ガスの供給の有無や供給位置は、ウェハW上のレジスト液の厚みに応じて定められる。例えばウェハ面内でレジスト液の厚みが予め定められている設定厚みより厚い部分には、レジスト液の流動性を上げるための溶剤ガスが供給され、レジスト液の厚みが設定厚みより薄い部分には、レジスト液の流動性を下げるための乾燥ガスが供給される。
【0054】
例えば図12に示すようにウェハWの中心部のレジスト液Rが設定厚みよりも厚くなっている場合には、中心部供給ノズル145からウェハWの中心部に溶剤ガスが供給される。またウェハWの外周部のレジスト液Rが設定厚みよりも薄くなっている場合には、外周部供給ノズル146からウェハWの外周部に乾燥ガスが供給される。このとき、外周部供給ノズル146は、ウェハWの半径上でレジスト液Rの厚みが薄くなっている部分に水平移動して、乾燥ガスを供給する。また、中心部供給ノズル145と外周部供給ノズル146は、高さ調整されウェハWに近づけられて溶剤ガス或いは乾燥ガスを供給する。
【0055】
例えば図13に示すようにウェハWの外周部のレジスト液Rが設定厚みよりも厚くなっている場合には、外周部供給ノズル146からウェハWの外周部に溶剤ガスが供給される。また、ウェハWの中心部のレジスト液Rが設定厚みよりも薄くなっている場合には、中心部供給ノズル145からウェハWの中心部に乾燥ガスが供給される。なお、ウェハ面内のレジスト液の厚みは、例えばウェハ処理のレシピ毎に予め行われた試験などにより把握され、それに基づいて乾燥ガスや溶剤ガスの供給の有無や供給位置が設定される。
【0056】
以上のように、レジスト液が設定厚みよりも厚くなっている部分に溶剤ガスが供給されると、その厚い部分のレジスト液の流動性が上がり、ウェハWの回転力によりその厚い部分のレジスト液が他の部分に流れてその部分のレジスト液が薄くなる。また、レジスト液が設定厚みよりも薄くなっている部分に乾燥ガスが供給されると、その薄い部分のレジスト液の流動性が下がり、ウェハWの回転力によりその薄い部分に他の部分のレジスト液が流れ込んでその部分のレジスト液が厚くなる。こうして、ウェハ面内のレジスト液の局所的な凹凸が除去される。
【0057】
次に、ウェハWの回転が例えば2000rpm程度の第4の回転速度V4に加速され、ウェハW上のレジスト液が乾燥されつつ、レジスト液の全体の厚みが調整される(図10の工程S4)。その後、ウェハWの回転が停止され、一連の塗布処理が終了する。なお、この一連の塗布処理は、例えば制御部170が、プログラムPを実行してスピンチャック120の回転駆動動作、バルブ152、162、185、186、187、215、216、217の開閉動作、第1のアーム141の駆動部147、第2のアーム142の駆動部170、中心部供給ノズル145の昇降駆動部188、外周部供給ノズル146の昇降駆動部220、水平駆動部221ノズル160の回動動作、バルブ152、164の開閉動作などを制御することにより実現されている。
【0058】
以上のようにレジスト膜が形成されたウェハWは、第1の搬送装置10によってプリベーク装置71に搬送され、プリベーキング処理される。続いてウェハWは、第2の搬送装置11によって周辺露光装置91、高精度温調装置83に順次搬送されて、各装置において所定の処理が施される。その後、ウェハWは、インターフェイスステーション4のウェハ搬送体101によって図示しない露光装置に搬送され、露光される。露光処理の終了したウェハWは、ウェハ搬送体101によって例えば露光後ベーク装置84に搬送され、ポストエクスポージャーベーキング処理され、その後第2の搬送装置11によって高精度温調装置81に搬送されて温度調節される。その後、ウェハWは、現像処理装置30に搬送され、ウェハW上のレジスト膜が現像される。現像されたウェハWは、第2の搬送装置11によってポストベーキング装置75に搬送されポストベーキング処理される。その後ウェハWは、高精度温調装置63に搬送され温度調節される。そしてウェハWは、第1の搬送装置10によってトランジション装置61に搬送され、ウェハ搬送体7によってカセットCに戻されて、一連のウェハ処理が終了する。
【0059】
以上の実施の形態によれば、第4の回転速度V4でウェハW上のレジスト液を乾燥させる前に、ウェハWを第3の回転速度V3で回転させて、ウェハW上のレジスト液に部分的に乾燥ガス或いは溶剤ガスを供給したので、局所的なレジスト液の凹凸を除去し、レジスト液の厚みのばらつきをなくすことができる。この結果、ウェハ面内に均一なレジスト膜を形成できる。
【0060】
また、中心部供給ノズル145と外周部供給ノズル146の2つのノズルを用いて、ウェハWの中心部やその周りの外周部に乾燥ガス或いは溶剤ガスを供給するようにしたので、例えばウェハWの中心部に溶剤ガスを供給しながら、ウェハWの外周部に乾燥ガスを供給することができ、ウェハ面内のレジスト液の厚みのばらつきを好適に修正することができる。また、各ノズル145、146が乾燥ガスと溶剤ガスを選択的に供給できるようにしたので、各ノズル145、146毎にレジスト液の厚みが厚い場合と薄い場合の両方に対応できる。
【0061】
また、外周部供給ノズル146をウェハWの半径方向に沿って水平移動できるようにしたので、ウェハWの半径上の所望の部分に乾燥ガス或いは溶剤ガスを供給することができる。この結果、ウェハWの半径上のいずれの部分にレジスト液の厚みの凹凸ができても、それに適切に対応できる。
【0062】
中心部供給ノズル145は、円盤状に形成され、下面にメッシュ状の供給孔145aが形成されたので、ウェハWの中心部に乾燥ガス或いは溶剤ガスを適切に供給できる。外周部供給ノズル146は、多孔質材料の細い供給孔146dからガスを噴出するいわゆるブレイクフィルターであるので、ウェハW上の一部分のみに適正に乾燥ガス或いは溶剤ガスを供給できる。このため、ウェハWのレジスト液の厚みを局所的に修正できる。
【0063】
以上の実施の形態では、予めレジスト液の厚みのばらつき傾向を把握しておき、そのばらつき傾向に基づいて、中心部供給ノズル145や外周部供給ノズル146の乾燥ガスと溶剤ガスの供給の有無や供給位置をシーケンス制御していたが、第2の回転速度V2の低速回転時にウェハ面内のレジスト液の厚みを測定し、その測定結果に基づいて、溶剤ガスや乾燥ガスの供給の有無や供給位置を制御してもよい。
【0064】
かかる場合、例えば図14に示すように第1のアーム141に厚み測定部材としての厚み測定センサ240が設けられる。厚み測定センサ240は、例えば第1のアーム141のX方向の先端部に取り付けられ、第1のアーム141のY方向の移動により、厚み検出センサ240は、ウェハWの直径上を移動できる。厚み検出センサ240によるレジスト液の厚み測定結果は、例えば制御部230に出力できる。制御部230では、その厚み測定結果に基づいて、ウェハ面内のレジスト液の厚みを把握し、設定厚みより厚い部分と薄い部分を把握して、中心部供給ノズル145と外周部供給ノズル146の乾燥ガスと溶剤ガスの供給の有無とウェハ面内の供給位置を設定できる。また制御部230は、その設定に基づいて中心部供給ノズル145と外周部供給ノズル146の動作を制御できる。
【0065】
そして、塗布処理プロセスでは、上述の実施の形態と同様にウェハWが第1の回転速度V1で高速回転され、そのウェハWにレジスト液供給ノズル143からレジスト液が塗布される。その後ウェハWが第2の回転速度V2に減速され、レジスト液が均される。このとき、第1のアーム141により厚み測定センサ240がウェハWの中心部上から外周部上に向かって移動し、ウェハWの半径上のレジスト液の厚みが測定される。その測定結果は、制御部230に出力され、ウェハ面内のレジスト液の厚みが把握され、ウェハW上で乾燥ガスや溶剤ガスが供給されるべき位置が設定される。そして、ウェハWの回転が第2の回転速度V2から第3の回転速度V3に加速されると、制御部230により、上記測定結果に基づいて、中心部供給ノズル145又は外周部供給ノズル146の少なくともいずれかにより、乾燥ガスや溶剤ガスがウェハWに供給される。このとき、上記実施の形態と同様に、中心部供給ノズル145か外周部供給ノズル146の少なくともいずれかを用いて、レジスト液の設定厚みより厚い部分には、溶剤ガスが供給され、レジスト液の設定厚みより薄い部分には、乾燥ガスが供給される。その後、ウェハWの回転が第3の回転速度V3から第4の回転速度V4に加速され、レジスト液が乾燥されて、レジスト膜が形成される。
【0066】
この例によれば、厚み測定センサ240により実際にレジスト液の厚みを測定し、その測定結果に基づいてレジスト液に乾燥ガスや溶剤ガスを供給するので、確実かつ正確にレジスト液の厚みを均一化できる。
【0067】
以上の実施の形態で記載した、ウェハW上のレジスト液を乾燥させる第4の工程S4において、ウェハW上のレジスト液の厚い部分に溶剤ガスを供給するようにしてもよい。この溶剤ガスを供給する際には、一時的にウェハWの回転を低下させてもよい。かかる場合、例えば図15に示すように第4の工程S4時に、ウェハWの回転が一時的に第4の回転速度V4から500rpm程度の第5の回転速度V5に減速される。そして、レジスト液の厚い部分に中心部供給ノズル145又は外周部供給ノズル146から溶剤ガスが供給される。この例によれば、例えば第4の工程S4のウェハWの乾燥時にレジスト液の局所的な盛り上がりが生じた場合であっても、そのレジスト液の盛り上がりを除去することができる。この結果、最終的により均一なレジスト膜を形成できる。
【0068】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に相到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0069】
例えば以上の実施の形態では、溶剤ガスの生成方法として、溶剤貯留部182、212の液体溶剤内に乾燥ガスを導入して、乾燥ガス内に溶剤を混入させて溶剤ガスを生成していたが、乾燥ガスを液体溶剤の気化器を通過させて、溶剤ガスを生成してもよい。また、以上の実施の形態では、溶剤として溶剤ガスをウェハWに供給していたが、液体溶剤や溶剤ミストなどを供給してもよい。さらに以上の実施の形態では、溶剤ガスや乾燥ガスを供給するノズルが2つであったが、1つであっても、3つ以上であってもよい。また、以上の実施の形態では、図12に示すウェハWの中心部のレジスト液Rが盛り上がった場合や図13に示すウェハWの外周部のレジスト液Rが盛り上がった場合を例に採って説明したが、その他、図16に示すようにウェハWの中心部から外周部に向かってレジスト液Rが複数回凹凸を繰り返すものであっても本発明は適用できる。以上の実施の形態では、レジスト液の塗布処理を例に採って説明したが、本発明は、レジスト液以外の他の塗布液、例えば反射防止膜、SOG(Spin On Glass)膜、SOD(Spin On Dielectric)膜などの塗布液の塗布処理にも適用できる。また、以上の実施の形態では、ウェハWに塗布処理を行う例であったが、本発明は、ウェハ以外の例えばFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板の塗布処理にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、基板面内に均一な塗布膜を形成する際に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本実施の形態における塗布現像処理システムの構成の概略を示す平面図である。
【図2】塗布現像処理システムの正面図である。
【図3】塗布現像処理システムの背面図である。
【図4】第1のアームがウェハ上にある場合のレジスト塗布装置の構成の概略を示す垂直断面の説明図である。
【図5】第2のアームがウェハ上にある場合のレジスト塗布装置の構成の概略を示す垂直断面の説明図である。
【図6】レジスト塗布装置の構成の概略を示す平面図である。
【図7】中心部供給ノズルの斜視図である。
【図8】外周部供給ノズルの斜視図である。
【図9】外周部供給ノズルの垂直断面図である。
【図10】レジスト塗布処理のプロセスを示すフロー図である。
【図11】レジスト塗布処理時のウェハの回転速度の変動を示すグラフである。
【図12】中心部のレジスト液が盛り上がった状態を示すウェハの垂直断面図である。
【図13】外周部のレジスト液が盛り上がった状態を示すウェハの垂直断面図である。
【図14】厚み測定センサを備えたレジスト塗布装置の構成の概略を示す平面図である。
【図15】第4の工程時に一時的にウェハの回転速度を低下させた場合のレジスト塗布処理時のウェハの回転速度の変動を示すグラフである。
【図16】レジスト液に中心部から外周部に向けて複数の凹凸ができる場合のウェハの垂直断面図である。
【符号の説明】
【0072】
1 塗布現像処理システム
20 レジスト塗布装置
120 スピンチャック
143 レジスト液供給ノズル
145 中心部供給ノズル
146 外周部供給ノズル
W ウェハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の塗布処理方法であって、
第1の回転速度で基板を回転し、その回転された基板に塗布液を塗布する第1の工程と、
前記基板の回転を前記第1の回転速度よりも遅い第2の回転速度に減速して、基板を低速度で回転させる第2の工程と、
前記基板の回転を前記第2の回転速度よりも速い第3の回転速度に加速し、当該基板上の塗布液に塗布液の溶剤又は乾燥ガスの少なくともいずれかを供給する第3の工程と、
前記基板の回転を前記第3の回転速度よりも速い第4の回転速度に加速して、基板上の塗布液を乾燥させる第4の工程と、を有し、
前記第3の工程において、前記塗布液の溶剤は、前記基板上の塗布液の予め定められた設定厚みよりも厚い部分に供給され、前記乾燥ガスは、前記基板上の塗布液の前記設定厚みよりも薄い部分に供給されることを特徴とする、塗布処理方法。
【請求項2】
前記第4の工程において、前記基板上の塗布液の前記設定厚みよりも厚い部分には、塗布液の溶剤が供給されることを特徴とする、請求項1に記載の塗布処理方法。
【請求項3】
前記第4の工程において前記塗布液の溶剤が供給される際には、基板の回転が前記第4の回転速度よりも一時的に減速されることを特徴とする、請求項2に記載の塗布処理方法。
【請求項4】
前記第2の工程において基板面内の塗布液の厚みを測定し、前記第3の工程において前記塗布液の厚みの測定結果に基づいて前記塗布液の溶剤又は乾燥ガスの少なくともいずれかを供給することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の塗布処理方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の塗布処理方法を、コンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の塗布処理方法をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項7】
基板の塗布処理装置であって、
基板を保持して回転させる回転保持部と、
基板上に塗布液を供給する第1のノズルと、
基板上に塗布液の溶剤と乾燥ガスを選択的に供給する第2のノズルと、
前記第2のノズルを、基板上の所定の位置に移動させる移動機構と、を有することを特徴とする、塗布処理装置。
【請求項8】
前記第2のノズルは、基板の中心部に塗布液の溶剤と乾燥ガスを選択的に供給する中心部供給ノズルと、基板の中心部の周りの外周部に塗布液の溶剤と乾燥ガスを選択的に供給する外周部供給ノズルから構成されていることを特徴とする、請求項7に記載の塗布処理装置。
【請求項9】
前記中心部供給ノズルと前記外周部供給ノズルは、基板の外方から基板上に移動可能な同じ支持部材に支持されていることを特徴とする、請求項8に記載の塗布処理装置。
【請求項10】
前記支持部材には、前記外周部供給ノズルを基板の半径方向に沿って水平移動させる水平駆動部が設けられていることを特徴とする、請求項9に記載の塗布処理装置。
【請求項11】
前記中心部供給ノズルは、円盤状に形成され、その下面には、前記塗布液の溶剤と乾燥ガスのメッシュ状の供給孔が形成されていることを特徴とする、請求項8〜10のいずれかに記載の塗布処理装置。
【請求項12】
前記外周部供給ノズルは、内部に中空部が形成された多孔質材料からなる円筒部を有し、その円筒部の表面の周面には、全周に亘り前記塗布液の溶剤と乾燥ガスの複数の供給孔が形成され、前記中空部に供給された塗布液の溶剤又は乾燥ガスを前記円筒部を通じて前記供給孔から吐出できることを特徴とする、請求項8〜11のいずれかに記載の塗布処理装置。
【請求項13】
基板面内の塗布液の厚みを測定する厚み測定部材を有することを特徴とする、請求項8〜12のいずれかに記載の塗布処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−60462(P2008−60462A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−237694(P2006−237694)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】