説明

塗布型板金補強材用エポキシ樹脂組成物

【解決手段】(A)エポキシ樹脂 100質量部、(B)潜在性硬化剤 5〜50質量部、(C)可塑剤 50質量部以下、(D)カーボンブラック 10〜70質量部、及び
(E)無機充填剤 10〜300質量部を含有し、ブルックフィールド型回転粘度計(H形)による粘度が、7号ローター、40℃、10rpmにおいて、200Pa・s以上であることを特徴とする塗布型板金補強材用エポキシ樹脂組成物。
【効果】本発明によれば、自動車用板金の補強用として板金に塗布された状態でのシャワー水洗による変形がなく、従来困難であったシャワー水洗による変形を防止することができ、塗布型の板金補強材用エポキシ樹脂組成物として優れた特性を有する。また、板金補強材用エポキシ樹脂組成物を用いて得られた補強材及び板金の特性も要求を満たすものとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用板金補強材を与える板金補強材用エポキシ樹脂組成物に関する。詳しくは、主に自動車車体の軽量化に伴い、板厚が薄化した板金の剛性確保のために板金に対して用いられる補強材を与え、車両に加温塗布することができ、組成物の加熱硬化前に、自動車板金加工の工程において施されるシャワー水洗に対しても塗布した組成物の変形が防止された塗布型板金補強材用エポキシ樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車車体の軽量化の要請により、板金を薄化しつつ板金の要求特性を保つために、薄化された板金を樹脂によって補強して、特性を維持する方法が採用されている。このような方法としては、板金の表面に、樹脂組成物を塗布して加熱硬化させる方法が一般に採用されているが、樹脂組成物を板金の表面に塗布した後に、原料板金に付着していた防錆油などをシャワー水洗する必要がある。
【0003】
そのため、従来の板金補強材用の樹脂組成物では、このシャワー水洗により、板金に塗布された加熱硬化前の樹脂組成物が、シャワーの水圧によって変形することがあり、自動車用板金に求められる特性、特に、張り剛性の低下が発生したり、加熱硬化後の補強材が変形して、板金に歪みが発生したりすることが問題となっていた。
【0004】
【特許文献1】特開2002−226995号公報
【特許文献2】特開平6−172617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、自動車用板金の補強用として板金に塗布される樹脂組成物として、自動車板金の水洗において与えられる水圧により変形することなく、形状を保って板金上に保持させることができる板金補強材用エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
自動車板金の水洗において与えられる水圧により変形することのないことのみを考慮すれば、一般に、樹脂組成物の粘度を高くすればよいが、これでは板金への樹脂組成物の塗布作業性が低下する。また、粘度を高くするためには、充填剤を増量することが考えられるが、単に充填剤を増量するだけでは、樹脂組成物の強じん性が低下してしまう場合があり、また、加熱硬化後の補強材の特性や、補強材で強化された板金の特性が求められるものと解離してしまう場合もある。
【0007】
そこで、本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、板金補強材用エポキシ樹脂組成物として、(A)エポキシ樹脂 100質量部、(B)潜在性硬化剤 5〜50質量部、(C)可塑剤 50質量部以下、(D)カーボンブラック 10〜70質量部、及び(E)無機充填剤 10〜300質量部を含有する板金補強材用エポキシ樹脂組成物が、組成物の塗布作業性を低下させることがない程度に、粘度を上昇させて、例えば、ブルックフィールド型回転粘度計(H形)による粘度を、7号ローター、40℃、10rpmにおいて、200Pa・s以上となるように調製され、自動車用板金の補強用として板金に塗布された状態において、シャワー水洗で与えられる水圧により変形することなく、形状を保って板金上に保持させることができ、また、加熱硬化後の補強材(樹脂)及びこれを備える板金として要求される特性、特に、張り剛性を、充分に維持できることを見出し、本発明をなすに至った。
【0008】
従って、本発明は、下記の塗布型板金補強材用エポキシ樹脂組成物を提供する。
[1] (A)エポキシ樹脂 100質量部、
(B)潜在性硬化剤 5〜50質量部、
(C)可塑剤 50質量部以下、
(D)カーボンブラック 10〜70質量部、及び
(E)無機充填剤 10〜300質量部
を含有し、ブルックフィールド型回転粘度計(H形)による粘度が、7号ローター、40℃、10rpmにおいて、200Pa・s以上であることを特徴とする塗布型板金補強材用エポキシ樹脂組成物。
[2] (D)成分のカーボンブラックの吸油量が1.2cm3/g以上であることを特徴とする[1]記載の塗布型板金補強材用エポキシ樹脂組成物。
[3] (D)成分のカーボンブラックがアセチレンブラック又はファーネスブラックであることを特徴とする[1]又は[2]記載の塗布型板金補強材用エポキシ樹脂組成物。
[4] (E)成分の無機充填剤が、アスペクト比が30以上のメタ珪酸カルシウムであることを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかに記載の塗布型板金補強材用エポキシ樹脂組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、自動車用板金の補強用として板金に塗布された状態でのシャワー水洗による変形がなく、従来困難であったシャワー水洗による変形を防止することができ、塗布型の板金補強材用エポキシ樹脂組成物として優れた特性を有する。また、板金補強材用エポキシ樹脂組成物を用いて得られた補強材及び板金の特性も要求を満たすものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の板金補強材用エポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂を含有する。このエポキシ樹脂としては、変性エポキシ樹脂が好ましく、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体で変性したゴム変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂やウレタン変性エポキシ樹脂などを用いることができる。これらは1種又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0011】
また、エポキシ樹脂としては、上述した変性エポキシ樹脂と共に、変性エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂(非変性エポキシ樹脂)を用いることが好ましい。この非変性エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂肪族エポキサイド型エポキシ樹脂、脂環族エポキサイド型エポキシ樹脂などを用いることができる。これらは1種又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0012】
本発明の板金補強材用エポキシ樹脂組成物においては、エポキシ樹脂として上記変性エポキシ樹脂単独で、又は上記変性エポキシ樹脂と非変性エポキシ樹脂とを混合して用いることができるが、変性エポキシ樹脂と非変性エポキシ樹脂との比率は、変性エポキシ樹脂:非変性エポキシ樹脂=100:0〜50:50(質量比)、特に95:5〜70:30(質量比)とすることが好ましい。非変性エポキシ樹脂の比率が高すぎると、組成物を加熱硬化させた後、得られた樹脂が衝撃に対して脆くなってしまうおそれがある。
【0013】
本発明の板金補強材用エポキシ樹脂組成物は、(B)潜在性硬化剤を含有する。この潜在性硬化剤としては、エポキシ樹脂用として用いられる潜在性硬化剤を用いることができ、ジシアンジアミド、4,4’−ジアミノフェニルスルホンのようなアミン系潜在性硬化剤、2−n−ヘプタデシルイミダゾールのようなイミダゾール誘導体、N,N’−ジアルキルチオ尿素、N’−(3,4−ジクロロフェニル)−N,N−ジメチル尿素などの尿素誘導体、テトラヒドロ無水フタル酸のような酸無水物などを用いることができる。これらは1種又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0014】
(B)成分の潜在性硬化剤の配合量は、(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して、5〜50質量部、好ましくは10〜20質量部である。潜在性硬化剤の配合量が少なすぎると、補強性が低下してしまうため好ましくない。一方、潜在性硬化剤の配合量が多すぎると、加熱硬化後に得られた樹脂が脆くなるので好ましくない。
【0015】
本発明の板金補強材用エポキシ樹脂組成物は、(C)可塑剤を含有する。この可塑剤としては、ジイソノニルフタレート、ジオクチルフタレート等のフタル酸エステル、リン酸トリアリールイソプロピル化物等のリン酸エステルなどのエステル系可塑剤、ミネラルスピリットなどを用いることができる。これらは1種又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0016】
(C)成分の可塑剤の配合量は、(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して、50質量部以下、好ましくは2〜20質量部である。可塑剤の配合量が多すぎると、組成物の粘度を所定の粘度に保つことができず、シャワー水洗において、被着体(板金)に塗布した組成物が飛散、変形してしまうため好ましくない。
【0017】
本発明の板金補強材用エポキシ樹脂組成物は、(D)カーボンブラックを含有する。このカーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどが用いられる。これらは1種又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0018】
組成物の粘度を上げるためには、一般的には、充填剤の添加量を増やせばよいと考えられるが、ほとんどの充填剤では、必要な粘度に達するように充填剤を増量すると、加熱硬化後の補強材の強じん性が急速に失われ、衝撃にもろいものとなってしまう。これに対して、カーボンブラックは、比較的少ない配合量でも粘度が上昇することから、加熱硬化後の補強材の強じん性の低下を、実用上問題ない程度に極めて小さく抑えて粘度の上昇を図ることができる。本発明の板金補強材用エポキシ樹脂組成物は、カーボンブラックを用いることにより、塗布作業性を維持しつつシャワー水洗時による変形を防ぎ、かつ加熱硬化後の補強材が要求特性を充分に発揮するものとなる。
【0019】
このような効果は、吸油量が1.2cm3/g以上、好ましくは1.6cm3/g以上のカーボンブラックにおいてより発揮される。また、吸油量が1.8cm3/g以下のものが好ましい。カーボンブラックのなかでも、特に、アセチレンブラック又はファーネスブラックを用いた場合に効果が大きい。
【0020】
(D)成分のカーボンブラックの配合量は、(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して、10〜70質量部、好ましくは15〜30質量部である。カーボンブラックの配合量が少なすぎると、加熱硬化前のシャワー洗浄などによって、被着体(板金)に塗布した組成物が変形してしまうため好ましくない。一方、カーボンブラックの配合量が多すぎると、被着体(板金)への組成物の塗布が困難になり、また被着体(板金)への密着が充分になされず、シャワー水洗などによって被着体(板金)に塗布した組成物が飛散してしまうので好ましくない。
【0021】
本発明の板金補強材用エポキシ樹脂組成物は、(E)無機充填剤を含有する。この無機充填剤は、上記カーボンブラック以外の無機充填剤であり、この無機充填剤としては、メタ珪酸カルシウムなどの珪酸塩、シリカ、金属粉などを用いることができる。これらは1種又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0022】
なかでもメタ珪酸カルシウムが好ましく、アスペクト比(長径/短径)は、平均値として30以上のものが好ましい。アスペクト比が上記範囲のものを用いることによって、被着体(板金)に塗布した組成物の加熱硬化前のシャワー水洗において、より変形しにくいものとなり、かつ加熱硬化後の補強材の強じん性も維持される点において好適である。
【0023】
(E)成分の無機充填剤の配合量は、(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して、10〜300質量部、好ましくは50〜80質量部である。無機充填剤の配合量が少なすぎると、組成物の加熱硬化前のシャワー水洗によって、被着体(板金)に塗布した組成物が変形してしまうので好ましくない。一方、無機充填剤の配合量が多すぎると、被着体(板金)への組成物の塗布が困難になってしまうため好ましくない。
【0024】
本発明の板金補強材用エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、密着剤、酸化防止剤、水分吸収剤、安定剤、有機充填剤などを、本発明の効果を損なわない程度に添加することができる。
【0025】
本発明の板金補強材用エポキシ樹脂組成物の粘度は、ブルックフィールド型回転粘度計(H形)による粘度が、7号ローター、40℃、10rpmにおいて、200Pa・s以上である。この粘度を満たすものは、7号ローター、20℃、10rpmにおいて、1200Pa・s以上であり、また、7号ローター、20℃、2rpmにおいて、6000Pa・s以上である。板金補強材用エポキシ樹脂組成物の粘度を上記範囲とすることによって、自動車用板金の補強用として板金に塗布された状態において、シャワー水洗で与えられる水圧により変形することなく、形状を保って板金上に保持させることができる。
【0026】
本発明において、板金補強材用エポキシ樹脂組成物の粘度は、ブルックフィールド型回転粘度計(H形)により測定される粘度であり、JIS K 7117に準拠して測定することができる。
【0027】
なお、本発明において、板金に塗布される組成物の厚さは、0.5〜5.0mm、特に1.0〜2.0mmであることが好ましい。加熱硬化後に得られる板金上に接合したエポキシ樹脂の厚さは、塗布される組成物の厚さとほぼ同一となる。
【0028】
次に、本発明の板金補強材用エポキシ樹脂組成物を補強材として板金に適用する方法について説明する。
【0029】
本発明に適用できる自動車車体板金の種類としては、SPC鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、有機系表面処理鋼板、アルミニウム板、マグネシウム板、カチオン電着塗装板などが挙げられ、その種類に制限はない。なお、板金の厚さは、補強材(組成物の硬化物)による補強の程度、補強された板金の強度、及び軽量化のバランスを考慮して、通常0.6〜1.2mmのものが用いられる。
【0030】
板金に対して、本発明の板金補強材用エポキシ樹脂組成物を塗布するが、この塗布作業は、自動車製造ラインにおいて実施されている従来公知の方法で塗布することができる。この場合、組成物は、加熱して塗布されるが、この加熱温度は、常温よりもやや高い30〜60℃の範囲とすることができる。この温度範囲であれば、本発明の板金補強材用エポキシ樹脂組成物は、3日以内では、硬化反応を開始して実質的な変化(特に、塗布作業性に影響を与える程度の粘度の上昇)を引き起こすことはない。なお、加熱温度が30℃未満であっても塗布は可能ではあるが、塗布作業性が悪くなり、特に塗布速度を上げることができなくなるため、生産性が低下してしまう。
【0031】
組成物を塗布した板金は、自動車製造工程(板金加工工程)においては、その後の板金の電着塗装における電着特性に影響する原料板金に付着していた防錆油などを除去するために、シャワー水洗が施される。そして、板金上に塗布された組成物は、加熱硬化させてエポキシ樹脂硬化物となり、板金の補強材として機能する。組成物の加熱硬化は、自動車の板金加工工程においては、板金への電着塗装時の焼付けと共に硬化させることが一般的である。
【0032】
本発明において、組成物を加熱硬化する温度は、120〜250℃の範囲とすることができる。この温度範囲であれば、本発明の板金補強材用エポキシ樹脂組成物が硬化反応を起こし、かつ大きな熱劣化を起こすことがない。
【0033】
本発明の板金補強材用エポキシ樹脂組成物を加熱硬化させて得られる板金上に接合したエポキシ樹脂層は、自動車用板金の補強材として要求される特性を充分満たすものとなり、例えば、張り剛性の指標となるJIS K 6911に規定される曲げ強さ試験により測定される2mm変位時荷重が、40N以上のものを得ることができる。
【実施例】
【0034】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0035】
[実施例1〜6、比較例1〜5]
表1に示される各成分を配合し、ミキサーで40分間攪拌混合し、次いで20分間減圧脱泡攪拌して、板金補強材用エポキシ樹脂組成物を得た。得られた組成物の特性、組成物を板金に塗布したときの特性、及び板金に塗布して加熱硬化させたときの特性を、以下の方法で評価した。評価結果を表1に併記する。
【0036】
〔粘度〕
20℃及び40℃におけるブルックフィールド型粘度計(H形)、No7ローター、10rpmでの粘度を測定した。
【0037】
〔加温塗布性〕
ジャテック株式会社製 ホットブチル塗布装置を用いて、板金補強材用エポキシ樹脂組成物を40℃にて鋼板上に塗布し、塗布状態を観察した。
【0038】
〔耐シャワー性〕
SPC鋼板(70×150×0.8mm)に、予め防錆油(コスモ石油株式会社製ラストクリーンK)を2g/m2の量で塗布して、試験用鋼板とした。そして、この試験用鋼板の片面に、板金補強材用エポキシ樹脂組成物を幅20mm、長さ100mm、厚さ1.5mmに塗布した。次いで、この組成物を塗布した試験片を、板面を鉛直にして吊るして固定し、その組成物の横方向、即ち、塗布膜の表面に対して90度の角度から温水を吹付け、耐シャワー性を評価した。温水の温度は約50℃であり、水圧0.3MPaで、1mの距離から拡散ノズル(共立合金製作所製 エバーロイノズル 3/8 KSS2665)を使用してシャワー状に吹きつけた。
【0039】
〔補強性(張り剛性)〕
SPC鋼板(25×200×0.8mm)の片面全体に、板金補強材用エポキシ樹脂組成物を1.5mm厚で塗布し、強制循環式オーブンにて、170℃×30分の条件で硬化させて試験片を得た。この試験片の3点曲げ試験を、JIS K 6911に準拠する曲げ強さ試験装置(株式会社島津製作所製 AGS−J)にて、支点間距離100mm、荷重速度5mm/minの条件で行い、2mm変位時の荷重(N/25mm)を測定した。
【0040】
【表1】

【0041】
アセチレンブラック:電気化学工業株式会社製 デンカブラック(吸油量1.6cm3/g)
ファーネスブラックHAF−HS:東海カーボン株式会社製 シースト3H(吸油量1.26cm3/g)
ファーネスブラックSRF−LS:東海カーボン株式会社製 シーストSP(吸油量0.51cm3/g)
ゴム変性エポキシ樹脂:株式会社ADEKA製 EPR−21
ビスフェノールA型エポキシ樹脂:ダウ・ケミカル日本株式会社製 DER331J
尿素誘導体:N’−(3,4−ジクロロフェニル)−N,N−ジメチル尿素
リン酸エステル系可塑剤:リン酸トリアリールイソプロピル化物
【0042】
加温塗布性
○:加温状態で塗布作業に適した粘性を有し、均一な塗布が可能であり、自動車ラインで使用可能である
×:加温状態で塗布作業に適した粘性ではなく、均一な塗布が不可能であり、自動車ラインで使用できない
耐シャワー性
〇:組成物の飛散、移動(塗布した組成物が、重力方向にずれ落ちた状態)、変形が全くない
△:組成物の飛散、移動はないが僅かな変形が見られる
×:組成物の飛散、移動がある
補強性(張り剛性)
〇:自動車板金補強用として使用可能な補強性がある(2mm変位時荷重40N以上)
×:自動車板金補強用として使用可能な補強性がない(2mm変位時荷重40N未満)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)エポキシ樹脂 100質量部、
(B)潜在性硬化剤 5〜50質量部、
(C)可塑剤 50質量部以下、
(D)カーボンブラック 10〜70質量部、及び
(E)無機充填剤 10〜300質量部
を含有し、ブルックフィールド型回転粘度計(H形)による粘度が、7号ローター、40℃、10rpmにおいて、200Pa・s以上であることを特徴とする塗布型板金補強材用エポキシ樹脂組成物。
【請求項2】
(D)成分のカーボンブラックの吸油量が1.2cm3/g以上であることを特徴とする請求項1記載の塗布型板金補強材用エポキシ樹脂組成物。
【請求項3】
(D)成分のカーボンブラックがアセチレンブラック又はファーネスブラックであることを特徴とする請求項1又は2記載の塗布型板金補強材用エポキシ樹脂組成物。
【請求項4】
(E)成分の無機充填剤が、アスペクト比が30以上のメタ珪酸カルシウムであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の塗布型板金補強材用エポキシ樹脂組成物。

【公開番号】特開2009−299028(P2009−299028A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−98652(P2009−98652)
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【出願人】(598109187)アサヒゴム株式会社 (27)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】