説明

塗布物の製造装置

【課題】乾燥ムラの発生を抑制しながら少なくとも自然乾燥よりも乾燥速度を早く維持できる塗布膜の製造装置を提供する。
【解決手段】
搬送中の帯状の基材に有機溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布装置と、前記基材に形成した塗布膜を搬送しながら乾燥する乾燥装置とを有する塗布物の製造装置において、乾燥装置の少なくとも1つの内側面の一部分が、帯状基材を搬送するベルトコンベアであることを特徴とする塗布物の製造装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は塗布物の製造装置および製造方法に関するものである。特に、塗布液に有機溶剤を含み膜厚精度として誤差1%以下の膜厚ムラが製品上欠陥として認識される光学フィルム等の製造において使用される。
【背景技術】
【0002】
近年ウェットコーティング技術を利用して製造される光学フィルム製品には、膜厚精度として誤差1%以下を要求されるような製品が増えてきている。そのような光学フィルムの製造では、一般的に塗布液の溶媒として有機溶剤を使用することが多いが、有機溶剤は水に比べると蒸発速度が速く、塗布後の乾燥過程において精密に乾燥しないと、風紋のようなムラを生じせしめることが知られている。
【0003】
有機溶剤の乾燥方法として塗膜面に乾燥気体を当てる方法がある。特許文献1では塗膜面に対して平行な風向きでかつ層流として乾燥気体を当てる。
【0004】
特許文献1に記載の技術では塗布膜面に対して平行な風向きでかつ層流として熱風を送り、その熱風を基材の配送速度に対して0.1〜5m/sの相対速度に制御することによりムラが生じず、塗布膜が乾燥される。この方法は基材の配送速度が遅い場合にはムラなく塗膜が乾燥されるが、配送速度が早くなると熱風が塗布膜面上でかく乱するという問題があり、ムラが発生することがある。
【0005】
また、特許文献1では、凝縮板に溶剤の蒸気を回収する塗布膜の乾燥方法および装置が記載されている。
【0006】
しかし、凝縮板による溶剤蒸気の回収は、気流による除去に比べて効率が悪く、長い搬送路が必要となる。さらに、帯状基材と凝縮板の平行が僅かでもずれると、凝縮効率が一様ではなくなり均一な乾燥ができなくなるという問題がある。
【0007】
以下に先行技術文献を示す。
【特許文献1】特開2002−340479号公報
【特許文献2】特開2003−170102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、乾燥ムラの発生しない均一な塗布膜面を得ることが可能な塗布物の製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題点を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、
搬送中の帯状の基材に有機溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布装置と、前記基材に形成した塗布膜を搬送しながら乾燥する乾燥装置とを有する塗布物の製造装置において、
前記乾燥装置は、少なくとも
天板と、底板と、右側板と、左側板と、搬入側板と、搬出側板と、を有する箱状の乾燥炉と、
前記乾燥炉の搬入側板に設けられた給気口と
前記乾燥炉の搬出側板に設けられた排気口と
前記給気口を介して乾燥炉内へ空気を給気する給気手段と、
前記排気口を介して乾燥炉内から空気を排気する排気手段と、
を備え、
前記乾燥炉の天板、底板、右側板、左側板のうちの少なくとも一つの内側面の一部分が、前記帯状の基材を搬送するベルトコンベアであることを特徴とする塗布物の製造装置である。
【0010】
次に、本発明の請求項2に係る発明は、前記ベルトコンベアは、帯状の基材の厚み及び幅の大きさの窪みを有し、該帯状の基材がベルトコンベアの該窪みに埋設された状態で搬送されることを特徴とする請求項1に記載の塗布物の製造装置である。
【0011】
次に、本発明の請求項3に係る発明は、前記乾燥炉の天板、底板、右側板、左側板の内側面のうち、前記帯状の基材を搬送するベルトコンベアで形成された内側面以外の全ての内側面が、ベルトコンベアによって形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の塗布物の製造装置である。
【0012】
次に、本発明の請求項4に係る発明は、前記帯状の基材の搬送用以外のベルトコンベアの搬送速度は、給気口からの給気速度と、排気口からの排気速度と、帯状の基材の搬送速度の何れかの速度と一致させたことを特徴とする請求項3に記載の塗布物の製造装置である。
【0013】
次に、本発明の請求項5に係る発明は、前記給気手段および排気手段を用いて乾燥炉内に発生させる空気の流れが、塗布膜上で層流であるとともに、その向きが前記帯状基材の搬送方向と同一であり、前記帯状の基材の搬送速度に対して、0.1〜7m/sの流速であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗布物の製造装置である。
【0014】
次に、本発明の請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の製造装置を用いて形成したことを特徴とする光学フィルムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1〜5における塗布物の製造装置を使用することにより、塗布膜中の有機溶剤の蒸発速度を安定化し、乾燥ムラの発生を抑制することができる。また、本発明の請求項5の塗布物の製造装置における空気の流速と基材搬送速度は、塗布膜上の空気の流れをより効果的に層流にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の塗布膜の乾燥装置を実施の形態に沿って以下に図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の塗布物の製造装置の乾燥装置の一実施形態を説明するための概略を示す斜視図である。
【0017】
帯状の基材5は、図示せぬ塗布装置で有機溶剤を含む塗布液が塗布された後、図1の左から右へ搬送され、本実施形態における乾燥装置10、図示せぬ第二乾燥装置の順で乾燥が行われる。
【0018】
図示せぬ塗布装置では、ダイヘッドによるコーティング、バーコーティング、カーテンコーティング、エクストルージョンコーティング、ロールコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、グラビアコーティング等の各種塗布方法を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
有機溶剤を含む塗布液が塗布され塗布膜が形成された帯状基材5は、搬送ローラー3、搬送補助ローラー12、搬送ベルト20からなる搬送用ベルトコンベア22により搬送され、乾燥装置10内部へと搬送される。
【0020】
本実施形態の乾燥装置10は、底板15、天板14、右側板および左側板13、搬入側板16、搬出側板17を有し、箱型に形成されている。また底板15には、帯状基材5を搬送する搬送用ベルトコンベア22の搬送ベルト20の面が、乾燥装置10内部に露出するように切り欠きされた領域が設けられている。
【0021】
また搬入側板16の中央部に給気口1が、搬出側板17の中央部に排出口2が設けられており、それぞれ図示せぬ給気手段、排気手段が接続されている。また、給気手段および排気手段により発生する空気の流れを、均一な層流に形成するための整風板4が、搬入側板16と搬出側板17近傍にそれぞれ設けられている
【0022】
また、底板15の一部を構成している搬送用ベルトコンベア22は、上述したように塗布液が塗布されている帯状基材5を載置して搬送する搬送ベルト20と搬送ベルト20を搬送駆動させる搬送ローラー3と搬送ベルト20の撓み等を防止する複数の搬送補助ローラー12から形成されている。
【0023】
前記搬送ローラー3は、塗布液が塗布されている帯状基材5の搬入口6方向と排出口7方向に設けられている。そして、複数の搬送補助ローラー12は、塗布液が塗布されている帯状基材5を載置している搬送ベルト20の下側の面に設けられている。
【0024】
図2は図1のA部を拡大して示した断面図で、図3は図1のB部を拡大して示した断面図である。図2または図3に示すように、本実施形態の乾燥装置10の底板15と搬送用ベルトコンベア22の境部分は、帯状基材5が搬送されているときでも接触しない程度の僅かな隙間が形成されている。この底板15と搬送ベルト20の境部分に、帯状基材5の搬入口6および排出口7がある。
【0025】
このように略密閉状態とすることで外部空気の流入を抑え、乾燥装置10内部の空気の流れ9が乱れるのを防ぐ。
【0026】
図4は図1のa−a線断面の概略を示す概略図である。搬送ベルト20には、帯状基材5の厚さおよび幅と、深さおよび幅がほぼ同じ溝が設けられており、搬送ベルト20と帯状基材5の面に段差がない状態となっている。このため帯状基材5の塗布膜表面付近では乱流が発生しにくくなり、空気の流れ9が均一で安定した層流となり、乾燥ムラを抑えることができる。
【0027】
また図4のように、搬送用ベルトコンベアの幅が乾燥装置内部の幅と略等しい場合は、乾燥装置の内側面と帯状基材の速度差による気流の乱れが生じにくいため、層流を得やすい。特に、帯状基材の幅に比較して搬送用ベルトコンベアの幅を広く取ることによって、乾燥装置内の右側板および左側板で生じる気流の乱れの影響を抑えることができる。
【0028】
図5は搬送ベルト20の幅が、乾燥装置10の内部の幅よりも狭い場合の送風状態を説明するための説明図である。図6は図5のb−b′線断面を示す断面図である。
【0029】
図5または図6に示すように搬送ベルト20の幅が乾燥装置10の内部の幅より狭い場合、乾燥装置10の内部の右側板および左側板13と搬送ベルト20の速度差によって図6に示すように、帯状基材5の幅方向への気流が発生し、乾燥ムラの原因となる。
【0030】
また、搬送ベルト20の幅方向の両端の外側に底板15の内側面11が設けられていることにより、乾燥装置10の内外の圧力差から搬送ローラー3間で帯状基材5が振動し乱流の原因となる。
【0031】
搬送用ベルト20と、それ以外の乾燥装置10の内側面11の速度差により発生する悪影響を軽減することができる、本発明の乾燥装置の他の実施形態の概略図を図7に示す。本実施形態の乾燥装置30では乾燥装置20と同様に、搬入側板16に給気口1が、搬出側板17方向に排気口2が、それぞれ設けられている。給気口1および排気口2にはそれぞれ図示せぬ給気手段および排気手段が接続されている。
【0032】
また底板15には、搬送用ベルトコンベア22が設けられており、搬送ベルト20に帯状基材5が載置されて搬送される。
【0033】
天板14および右側板および左側板13にも、搬送用ベルトコンベア22と同じ長さの換気用ベルトコンベア21がそれぞれ設けられている。図示せぬ給気手段および排気手段により発生する空気の流れと同一の方向に、換気用ベルトコンベア21および搬送用ベルトコンベア22のベルトを回転することで、乾燥装置30内部の空気の流れと乾燥装置30の内側面の粘性抵抗を抑えることができる。これにより、乾燥装置30内部の空気の流れを均一で安定した層流とすることができ、乾燥ムラを抑えることが可能となる。
【0034】
本発明の乾燥装置10または30では、塗布膜の乾燥ムラが抑えられた状態で、塗布膜が半固定化されるまで乾燥が行われる。その後、図示せぬ第二乾燥装置において急速な乾燥をさせても、塗布膜には乾燥ムラが発生しない。第二乾燥装置は、特定の乾燥機に限定されるものではなく従来から用いられている公知の乾燥装置が使用できる。
【0035】
さらに、図1および図7には本発明の乾燥装置10または30を一つの装置として独立させる場合を示しているが、一つの乾燥装置の中で、前半部が本発明の乾燥装置による方式をとり、後半部が公知の乾燥装置に基づく方式をとる場合でも本発明の効果は変わらない。
【0036】
本発明の塗布物の製造装置は、様々な製品に対して用いることができるが、特に有機溶剤を溶媒とする分散物の塗布に対して効果がある。その中でも近年需要が伸びている光学フィルムのようなこれまで以上にムラに対する許容余地の少ない製品に効果的である。
【0037】
ここで、光学フィルムとは主に液晶やプラズマディスプレイなどの表示装置の最表面またはその内側に使用されるフィルムであり、ハードコートフィルム、反射防止フィルム、防眩性フィルム、光学補償フィルム、光拡散フィルムなどが挙げられる。
【0038】
また前記基材3として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6ナフタレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート(トリアセチルセルロース)、セルロースアセテートプロピオネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド等のプラスチックフイルムなどが挙げられる。また、紙および紙にポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンブテン共重合体等の炭素数が2〜10のα−ポリオレフィン類を塗布又はラミネートしたものも挙げられる。さらに、アルミニウム、銅、錫等の金属箔等も挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
また、塗布液としては、有機溶剤を含むものであり、基材3上に塗布膜を形成するものであれば、公知のいずれの塗布液を用いることができる。例えば、酢酸メチル,トルエン,MEKなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【実施例】
【0040】
以下に、本発明の具体的実施例を挙げて、さらに詳しく説明するが、それに限定されるものではない。
【0041】
[実施例1]
厚み100μm、幅2mの帯状基材(PET)に、塗布幅1.98mm、膜厚100μmでトルエンを主原料とする溶剤で銅フタロシアニンブルーを塗布した後、図1に示す乾燥装置を使用して乾燥し、フィルムを作成した。
【0042】
上記乾燥装置は、内部の幅が2.5m、高さが0.026mとし、帯状基材の搬送速度を10m/分、ベルトの幅を2.5m、帯状基材搬入口付近での乾燥装置の内部の風速は20m/分とした。
【0043】
この時、乾燥装置の内部の各壁面と帯状基材面には、乾燥用気体の層流が形成される。円菅でない管路に対して、相当直径Deを
De=4S/Ip………(1)
但し、S:流れの断面積、Ip:浸辺長(流体が接触している固体壁周辺の長さ)
で定義すると円管の上記(1)式が適用できる。
【0044】
また、この乾燥装置に適用する際、帯状基材の搬送速度と気流の速度がほぼ等しいと見なすと、ベルト幅以外の乾燥装置の内壁のみが浸辺長の対象となり、
De=4×(2.5×0.026)/(2.5+0.026×2)≒0.102[m]
である。なお、仮にベルト部分も浸辺長の対象とすると、De= 0.051465であるから、実際は0.102よりやや小さい値が適当と考えられる。
【0045】
また、下記(2)式に示す円管のレイノルズ数Reを適用すると、
Re=ρuDe/μ≒2264.02………(2)
但し、ρ:密度1.2[kg/m3]、u:代表流速20[m/分]、
μ:粘度0.000018
となり、2300以下であるので層流が形成されると考えられる。本実施例では、乾燥装置内部の風速と基材の搬送速度の相対速度が10m/分=0.17m/秒であり、本発明の請求項5に記載の範囲に含まれている。
【0046】
また、仮に2300を超えるレイノルズ数で遷移、乱流条件であっても、給気口側の整流板からの距離xに対し、x=50De(Richman,Azadの理論、実験式による。1973)範囲は層流が発達する助走距離となるために、乱流とならない。よって、乾燥装置の高さを調節することにより、所望の距離で層流条件が得られる。
【0047】
また、ベルト幅2.5mに対して、帯状基材の幅が2.0mと狭いため、右側板および左側板13で発生する境界層の撹乱の影響を帯状基材上で小さくすることが出来る。
【0048】
[実施例2]
厚み100μm、幅2mの帯状基材(PET)に、塗布幅1.98mm、膜厚100μmでトルエンを主原料とする溶剤で銅フタロシアニンブルーを塗布した後、図7に示す乾燥装置を使用して乾燥してフィルムを作成した。
【0049】
上記乾燥装置の内部の幅を2.5m、高さを0.1mとし、搬送用ベルトコンベアと天板の換気用ベルトコンベアの幅を2.5m、右側板および左側板の換気用ベルトコンベアの幅を0.1m、帯状基材の搬送速度を20m/分、換気用ベルトコンベアの速度を30m/分とした。また、帯状基材搬入口付近での乾燥装置内の風速は30m/分とした。
【0050】
さらに、換気用ベルトコンベアの速度と風速が等しいことから、実施例1と同様に相当直径Deを求めると、浸辺長は搬送用ベルトコンベアの幅であり、De≒0.192となる。
【0051】
そして、レイノルズ数Re≒2136.752となり、2300以下であるので層流が形成されると考えられる。本実施例では、本発明の請求項4に記載のように換気用ベルトコンベアの搬送速度と基材搬入口付近での風速を一致させることにより、層流を起こし、かつ、搬送速度を実施例1の倍にすることを可能にした。


【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の乾燥装置の一実施形態の概略を示す斜視図である。
【図2】図1のA部の拡大した概略を示す断面図である。
【図3】図1のB部の拡大した概略を示す断面図である。
【図4】図1のa−a断面の概略を示す図である。
【図5】ベルトコンベアの幅が乾燥装置10の内部の幅よりも狭い場合の断面の概略を示す説明図である。
【図6】図5のb−b’断面の概略を示す概略図である。
【図7】本発明の乾燥装置の他の実施形態の概略を示す概略図である。
【符号の説明】
【0053】
1・・・・給気口
2・・・・排気口
3・・・・搬送ローラー
4・・・・整風板
5・・・・塗布された帯状基材
6・・・・搬入口
7・・・・搬出口
8・・・・搬送方向
9・・・・空気の流れ
10、30・・乾燥装置
11・・・・乾燥装置の内側面
12・・・・搬送補助ローラー
13・・・・右側板および左側板
14・・・・天板
15・・・・底板
16・・・・搬入側板
17・・・・搬出側板
20・・・・搬送ベルト
21・・・・換気用ベルトコンベア
22・・・・搬送用ベルトコンベア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送中の帯状の基材に有機溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布装置と、前記基材に形成した塗布膜を搬送しながら乾燥する乾燥装置とを有する塗布物の製造装置において、
前記乾燥装置は、少なくとも
天板と、底板と、右側板と、左側板と、搬入側板と、搬出側板と、を有する箱状の乾燥炉と、
前記乾燥炉の搬入側板に設けられた給気口と
前記乾燥炉の搬出側板に設けられた排気口と
前記給気口を介して乾燥炉内へ空気を給気する給気手段と、
前記排気口を介して乾燥炉内から空気を排気する排気手段と、
を備え、
前記乾燥炉の天板、底板、右側板、左側板のうちの少なくとも一つの内側面の一部分が、前記帯状の基材を搬送するベルトコンベアであることを特徴とする塗布物の製造装置。
【請求項2】
前記ベルトコンベアは、帯状の基材の厚み及び幅の大きさの窪みを有し、該帯状の基材がベルトコンベアの該窪みに埋設された状態で搬送されることを特徴とする請求項1に記載の塗布物の製造装置。
【請求項3】
前記乾燥炉の天板、底板、右側板、左側板の内側面のうち、前記帯状の基材を搬送するベルトコンベアで形成された内側面以外の全ての内側面が、ベルトコンベアによって形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の塗布物の製造装置。
【請求項4】
前記帯状の基材の搬送用以外のベルトコンベアの搬送速度は、給気口からの給気速度と、排気口からの排気速度と、帯状の基材の搬送速度の何れかの速度と一致させたことを特徴とする請求項3に記載の塗布物の製造装置。
【請求項5】
前記給気手段および排気手段を用いて乾燥炉内に発生させる空気の流れが、塗布膜上で層流であるとともに、その向きが前記帯状基材の搬送方向と同一であり、前記帯状の基材の搬送速度に対して、0.1〜7m/sの流速であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗布物の製造装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の製造装置を用いて形成したことを特徴とする光学フィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−302301(P2008−302301A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−151510(P2007−151510)
【出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】