説明

塗布装置及び塗布方法

【課題】塗布装置の稼働率を向上させることにより、塗布基板の低コスト化を図ることができる塗布装置及び塗布方法を提供する。
【解決手段】基板を載置するステージと、前記ステージに載置された基板に塗布液を塗布する塗布ユニットと、基板に付着した異物の存在を検知する検知ユニットと、前記検知ユニットからの異物情報に応じて前記塗布ユニットを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記検知ユニットからの異物情報から基板上における異物位置情報を得、その異物位置情報に基づいて基板に付着した異物を回避するように前記塗布ユニットを駆動制御するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に塗布液を塗布する塗布装置及び塗布方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイには、ガラス等からなる基板上にレジスト液が塗布されたもの(塗布基板という)が使用されている。この塗布基板は、レジスト液を均一に塗布する塗布装置によって形成されている。すなわち、塗布装置は、基板を載置するステージと、レジスト液を吐出する塗布ユニットとを有しており、塗布ユニットの口金部のスリットからレジスト液を吐出させながら、基板と塗布ユニットとを相対的に移動させることにより、所定厚さのレジスト液膜が形成された基板が形成されるようになっている。
【0003】
このような塗布装置には、基板に付着した異物を検知する異物検知手段が設けられている。具体的には、塗布ユニットには口金部を基板上に支持する支持部が設けられており、この支持部にレーザセンサが設けられている。このレーザセンサは、基板表面上一定高さ位置にレーザ光を塗布方向と直交する方向に照射するように構成されており、支持部が塗布方向に移動することにより、レーザ光が基板表面全体に亘って照射される。そして、基板上に異物が存在する場合には、異物がレーザ光を遮ることにより異物が検知されるようになっている。このような塗布装置では、塗布ユニットを走行させることにより、異物検知動作と塗布動作とが同時に行われ、仮に、基板上に異物が検出された場合には、塗布ユニットによる塗布動作が中断され、ステージから基板が排出される。その後、新たな基板がステージにセットされ、異物検知動作及び塗布動作が開始されるようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−71396
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では、液晶・PDP等の薄型表示装置(FPD)の価格競争が激化し、その結果、塗布装置の稼働率を向上させて塗布基板の低コスト化を図るという要望が強くなっている。
【0006】
しかし、従来の塗布装置では、上述の通り基板上における異物が検知されると塗布動作が中断される。そして、一旦塗布動作を中断すると、その基板は製品工程から外され、新たな基板のセット、塗布装置の初期化など、次の塗布動作を行うために多くの準備時間が必要になる。すなわち、この塗布動作の中断は、塗布装置の稼働率低下を招き、塗布基板の低コスト化を妨げる要因となっていた。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、塗布装置の稼働率を向上させることにより、塗布基板の低コスト化を図ることができる塗布装置及び塗布方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明の塗布装置及び塗布方法は、基板を載置するステージと、前記ステージに載置された基板に対し特定方向に相対的に移動しつつ塗布液を塗布する塗布ユニットと、基板に付着した異物の存在を検知する検知ユニットと、前記検知ユニットからの異物情報に応じて前記塗布ユニットを制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記検知ユニットからの異物情報から基板上における異物位置情報を得、その異物位置情報に基づいて基板に付着した異物を回避するように前記塗布ユニットを駆動制御することを特徴としている。
【0009】
上記塗布装置によれば、前記塗布ユニットにより、前記異物位置情報に基づいて基板に付着した異物を回避して塗布することができるため、基板に異物が付着している場合であっても塗布動作を中断することなく、異物が存在しない領域に塗布することができる。したがって、従来の塗布装置のように、異物が存在する場合には塗布動作の途中であっても塗布動作を中断し基板を排出する場合に比べて、基板の排出回数及び新たな基板をセットする回数が少なくすることができるため、塗布装置の稼働時間全体に占める準備時間が少なくなり、塗布装置の稼働率を向上させることができる。これにより、塗布基板の低コスト化を図ることができる。
【0010】
また、前記ステージとは別に、基板を載置する検知ステージが設けられており、前記検知ユニットは、その検知ステージ上に載置された基板に対して異物の存在を検知する構成としてもよい。
【0011】
この構成によれば、基板に付着した異物を検知する検知ステージと、塗布動作時に使用するステージとを別々に設ける構成であるため、異物を検知する処理と塗布動作を並行して行うことができる。また、異物を検知する動作スピードを自由に設定することができる。すなわち、従来のように、異物検知センサが塗布ユニットに取付けられる構成では、塗布ユニットが移動する速度に検知速度が影響されるが、ステージを別々にすることにより、検知速度を塗布ユニットの移動速度に影響されずに設定することができる。よって、タクトタイムを向上させることができ、塗布基板の低コスト化をさらに図ることができる。
【0012】
異物を回避する具体的な態様としては、前記塗布ユニットは、塗布液を吐出する口金部を備えており、前記制御装置は、前記口金部が異物位置情報に基づく異物に接近すると、塗布液の吐出を停止させるとともに口金部を所定位置まで基板から離間させ、当該異物を通過した後、口金部を基板に近接させて塗布動作を再開させる構成とすることができる。
【0013】
この構成によれば、容易な手法により基板に付着した異物を回避することができるため、塗布装置が大型化、複雑化する問題を回避することができる。
【0014】
また、前記制御装置は、前記異物位置情報から塗布不完全領域を設定し、この塗布不完全領域と基板の裁断情報とから製品基板取得枚数を算出し、この製品取得枚数により、基板上に塗布を行うか否かを判断する構成としてもよい。
【0015】
この構成によれば、塗布後の基板から得られる製品基板の枚数が、所定枚数以上取得できる場合には塗布を行うことにより、装置の稼働率を向上させることができる。
【0016】
前記塗布不完全領域は、前記口金部の移動方向における異物の寸法値と余裕値とを合算した退避幅と、塗布開始時及び塗布停止時に口金部からの塗布液の供給が不安定となる塗布不安定領域と、を含む構成としてもよい。
【0017】
この構成によれば、基板に付着している異物の大きさに応じて塗布不完全領域を設定することができるため、あらゆる形状の異物を回避して塗布することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の塗布装置及び塗布方法によれば、塗布装置の稼働率を向上させることにより、塗布基板の低コスト化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に係る実施の形態を図面を用いて説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態における塗布装置1を概略的に示す正面図であり、図2はその上面図である。
【0021】
図1、図2に示すように、塗布装置1は、異物検知部10と塗布装置本体部30とを有しており、基板6上に薬液やレジスト液等(以下、塗布液と称す)の塗布膜を形成するものである。具体的には、異物検知部10において基板6上における異物の存在が検知され、塗布装置本体部30において基板6上に均一厚さの塗布膜が形成される。この異物検知部10と塗布装置本体部30とは、別体として構成されており、異物検知部10から塗布装置本体部30への基板6の搬送には、図示しないロボットハンドによって行われるようになっている。
【0022】
異物検知部10は、基板6に付着した異物の存在を検知するものであり、ベース11と、ベース11上に設置される検知ステージ12と、この検知ステージ12に対して特定方向(図1において左右方向)に移動可能に構成される検知ユニット20とを備えている。
【0023】
なお、以下の説明では、検知ユニット20が移動する方向をX軸方向、これと水平面上で直交する方向をY軸方向、X軸およびY軸方向の双方に直交する方向をZ軸方向として説明を進めることとする。
【0024】
前記ベース11には、その中央部分に検知ステージ12が設けられている。この検知ステージ12は、搬入された基板6を載置して保持するものである。この検知ステージ12には、図示しない位置決め装置が設けられており、この位置決め装置により搬入された基板6が精度よく位置決めされるようになっている。具体的には、基板6の端部61(図1,図2における左側短辺部分)が、後述の塗布ユニット40の走行方向(X軸方向)と直交するように位置決めされる。
【0025】
また、検知ステージ12には、その表面に基板6を吸着して保持できるようになっている。具体的には、その表面に開口する複数の吸引孔が形成されており、これらの吸引孔と真空ポンプ81(図5参照)とが連通して接続されている。そして、検知ステージ12の表面に基板6が載置された状態で真空ポンプ81を作動させることにより、吸引孔に吸引力が発生し基板6が検知ステージ12の表面側に吸引されて吸着保持されるようになっている。また、検知ステージ12には、基板6を昇降動作させる基板昇降機構が設けられている。すなわち、検知ステージ12の表面には複数のピン孔が形成されており、このピン孔にはZ軸方向に昇降動作可能なリフトピンが埋設されている。そして、基板6を搬入する場合には、ピン孔からリフトピンを突出させた状態でリフトピンの先端部分に基板6を保持し、この状態からリフトピンを下降させてピン孔に収容することにより基板6を検知ステージ12の表面に載置する。また、検知ステージ12上に基板6を載置した状態からリフトピンを上昇させることにより、基板6をリフトピン先端部分で所定高さに保持して待機する。そして、図示しないロボットハンドに基板6が受け渡されることにより異物検知部10から基板6が排出される。これにより、基板6との接触部分を極力抑えて保持することができ、基板6を損傷させることなくスムーズに交換できるようになっている。
【0026】
前記検知ユニット20は、基板6に付着した異物の存在を検知するものであり、検知ステージ12に載置された基板6に対して特定方向(X軸方向)に走行するように構成されている。この検知ユニット20は、図3に示すように、ベース11上を走行する支持部21とY軸方向に延びるビーム部22とを有しており、ビーム部22が基板6と対向する状態を維持して走行するように構成されている。
【0027】
具体的には、ベース11のY軸方向両端部分にはそれぞれ検知ステージ12に沿ってX軸方向に延びるレール23が設置されており、支持部21がこのレール23にスライド自在に取り付けられている。そして、支持部21にはリニアモータ24が取り付けられており、このリニアモータ24を駆動制御することにより、検知ユニット20がX軸方向に移動できるようになっている。そして、本実施形態では、支持部21に図示しない検知側位置検出器25が取り付けられており、この検知側位置検出器25により検知ユニット20の位置が検出できるようになっている。すなわち、この検知側位置検出器25の位置情報により検知ユニット20を任意の位置で停止させることができるようになっている。
【0028】
検知ユニット20の支持部21には、異物を検知する異物センサ26が取付けられている。この異物センサ26は、レーザ光を発光する発光部26aとこのレーザ光を受光する受光部26bとを有している。この発光部26a及び受光部26bは、発光部26aの照射領域に受光部26bが含まれるように取り付けられている。すなわち、本実施形態では、一方の支持部21に発光部26a、他方の支持部21に受光部26bが、それぞれ互いに対向するように、ほぼ同一の高さ位置に設けられている。これにより発光部26aから出力された光が受光部26bで受光されるようになっている。そして、発光部26a及び受光部26bの高さ位置は、基板6の表面よりも僅かに高い位置、すなわち、検出すべき異物の大きさ(高さ寸法)に応じて取付位置が設定されている。これにより、基板6表面上に異物が存在している場合には、発光部26aから照射されたレーザ光が異物によって遮光されることにより、受光部26bで受光する光量に変化が生じ、この受光量の変化により、異物の存在を検知できるようになっている。なお、基板6と検知ステージ12との間に異物が存在している場合であっても、異物が存在する分だけ基板6の高さ位置が高くなるため、発光部26aから照射されたレーザ光が基板6で遮光されることにより、異物の存在を検知できるようになっている。
【0029】
また、ビーム部22の長手方向中央位置には、検知基準センサ27が取付けられている。この検知基準センサ27は、異物が存在する位置(異物位置)を計測するための基準点を設定するものである。この検知基準センサ27は、反射型の変位レーザセンサであり、この検知基準センサ27から対象物までの距離を計測し、その距離が検知信号として出力されるようになっている。本実施形態では、基板6の端部61が、異物位置のX軸方向における基準点になるように設定されている。具体的には、検知基準センサ27は、異物センサ26とX軸方向において同位置に取付けられることにより、検知基準センサ27が反応した位置がそのまま異物位置の基準点になるように設定されている。すなわち、検知ユニット20を走行させることにより、基板6の端部61が検知基準センサ27と対向すると、ベース11までの距離を計測していた検知基準センサ27が基板6までの距離を計測することになるため、基板6の厚み分だけ検知基準センサ27との距離が小さく変化する。このとき、検知側位置検出器25の値が読み取られることにより基準点が設定される。これにより、異物位置の基準点が基板6端部61に設定されるようになっている。
【0030】
また、塗布装置本体部30は、基板6上に塗布液を塗布するものであり、基台31と、基台31上に載置される塗布ステージ32と、この塗布ステージ32に対し特定方向(図1において左右方向)に移動可能に構成される塗布ユニット40とを備えている。ここで、図4は、塗布ユニット40の一部を拡大した図である。
【0031】
図1、図2、図4に示すように、前記基台31には、その中央部分に塗布ステージ32が配置されている。この塗布ステージ32は、搬入された基板6をその表面に載置して保持するものである。この塗布ステージ32には、図示しない位置決め装置が設けられており、この位置決め装置により搬入された基板6が精度よく位置決めされるようになっている。具体的には、基板6の端部61が、後述の塗布ユニット40のスリット50aが延びる方向(Y軸方向)と平行になるように位置決めされる。
【0032】
また、塗布ステージ32には、その表面に開口する複数の吸引孔が形成されており、これらの吸引孔と真空ポンプ81(図5参照)とが連通して接続されている。そして、塗布ステージ32の表面に基板6が載置された状態で真空ポンプ81を作動させることにより、吸引孔に吸引力が発生し基板6が塗布ステージ32の表面側に吸引されて吸着保持されるようになっている。
【0033】
また、塗布ステージ32には、基板6を昇降動作させる基板昇降機構が設けられている。すなわち、塗布ステージ32の表面には複数のピン孔が形成されており、このピン孔にはZ軸方向に昇降動作可能なリフトピンが埋設されている。そして、塗布ステージ32の表面に基板6を載置した状態でリフトピンを上昇させることにより、リフトピンの先端部分が基板6に当接し、複数のリフトピンの先端部分で基板6を所定の高さ位置に保持できるようになっている。これにより、基板6との接触部分を極力抑えて保持することができ、基板6を損傷させることなくスムーズに交換できるようになっている。
【0034】
前記塗布ユニット40は、塗布液を塗布することにより基板6上に塗布膜を形成するものであり、塗布ステージ32に載置された基板6に対して特定方向(X軸方向)に走行するように構成されている。この塗布ユニット40は、図4に示すように、基台31と連結される支持部41とY軸方向に延びるビーム部42とを有する門型形状を有しており、基台31上の塗布ステージ32をY軸方向に跨いだ状態で走行可能に取り付けられている。
【0035】
具体的には、基台31のY軸方向両端部分にはそれぞれ塗布ステージ32に沿ってX軸方向に延びるレール43が設置されており、支持部41がこのレール43にスライド自在に取り付けられている。そして、支持部41にはリニアモータ44が取り付けられており、このリニアモータ44を駆動制御することにより、塗布ユニット40がX軸方向に移動し、任意の位置で停止できるようになっている。そして、本実施形態では、支持部41に塗布側位置検出器45(図5参照)が取り付けられており、この塗布側位置検出器45により塗布ユニット40の位置が検出できるようになっている。すなわち、この塗布側位置検出器45により、塗布ユニット40の位置情報が取得でき、この位置情報により塗布ユニット40を任意の位置で停止できるようになっている。
【0036】
塗布ユニット40の支持部41には、塗布液を塗布する口金部50が取り付けられている。具体的には、この支持部41にはZ軸方向に延びるレール46と、このレール46に沿ってスライドするスライダ47が設けられており、これらのスライダ47と口金部50とが連結されている。そして、スライダ47にはサーボモータ48(図5参照)により駆動されるボールねじ機構が取り付けられており、このサーボモータ48を駆動制御することにより、スライダ47がZ軸方向に移動するとともに、任意の位置で停止できるようになっている。すなわち、口金部50が、塗布ステージ32に保持された基板6に対して昇降動作可能に支持されており、本実施形態では、塗布に適した塗布位置と異物を回避する回避位置に停止できるようになっている。
【0037】
口金部50は、塗布液を塗布することにより基板6上に塗布膜を形成するものである。この口金部50は、一方向に延びる形状を有する柱状部材であり、塗布ユニット40のビーム部42とほぼ平行をなすように設けられている。この口金部50には、塗布ステージ32と対向する面には、口金部50の長手方向に延びるスリット50aが形成されている。そして、口金部50に供給された塗布液がスリット50aから長手方向に亘って一様に吐出されるようになっている。したがって、このスリット50aから塗布液を吐出させた状態で塗布ユニット40をX軸方向に走行させることにより、基板6上に一定厚さの塗布膜が形成されるようになっている。
【0038】
また、ビーム部42には、塗布基準センサ49が取付けられている。この塗布基準センサ49は、塗布ステージ32上に載置された基板6における異物位置の基準点を設定するものであり、本実施形態では基板6の端部61が基準点となるように設定されている。この塗布基準センサ49は、上述の検知ユニット20に取付けられたものと同様に、反射型のレーザセンサであり、塗布基準センサ49は、ビーム部42の塗布方向側(図1,2において右側)に取付けられている。そして、塗布ユニット40を走行させることにより、基板6の端部が塗布基準センサ49と対向すると、基台31までの距離を計測していた塗布基準センサ49が基板6までの距離を計測することになるため、基板6の厚み分だけ塗布基準センサ49との距離が変化する。したがって、この塗布基準センサ49との距離が変化したときの塗布側位置検出器45の値が基準点になるようになっている。これにより、異物位置の基準点が基板6の端部61に設定されるようになっている。
【0039】
次に、上記塗布装置1の制御系の構成について図5に示すブロック図を用いて説明する。
【0040】
図5は、この実装装置に設けられた制御装置90の制御系を示すブロック図である。図5に示すように、この塗布装置1は、上述した各種ユニットの駆動を制御する制御装置90が設けられている。この制御装置90は、制御本体部91、駆動制御部92、検知機器制御部93、位置検出部94、外部装置制御部95とを有している。そして、制御本体部91は、主制御部91a、判定部91b、記憶部91cとを有している。
【0041】
主制御部91aは、予め記憶されたプログラムに従って一連の塗布動作を実行すべく、駆動制御部92を介して各ユニットのサーボモータ48、リニアモータ24,44等の駆動装置を駆動制御するとともにこの実装動作において必要な各種演算を行うものである。具体的には、異物センサ26からの信号に応じて、異物の存在の有無を判断するとともに、異物の存在を示す異物情報から異物位置情報を演算する。
【0042】
判定部91bは、異物位置情報に基づいて、異物が存在する場合であっても実際に基板6に塗布膜を形成するか否かを判定するものである。具体的には、基板6から取得される製品基板6aの取得枚数(製品基板取得枚数M)が、設定された製品基板6aの最小取得枚数(製品基板最小取得枚数Mmin)以上か否かで判断される。すなわち、通常、塗布完了後の基板6は、裁断されることにより複数枚の製品基板6aが取得される。そのため、後述する記憶部91cにはその裁断情報が記憶されており、この裁断情報と異物位置情報から得られる塗布不完全領域とを比較することにより、製品基板取得枚数Mを算出する。そして、記憶部91cに記憶された基板6当りの製品基板最小取得枚数Mminとを比較して、製品基板6aの取得枚数が製品基板最小取得枚数Mmin以上である場合には、基板6に異物が存在する場合であっても塗布動作実行可能と判定する。
【0043】
具体的に、図6に示す基板6を例に説明する。この例において、裁断情報に基づく裁断線Cが破線で示されている。すなわち、X軸方向にa〜eに5分割されるとともに、Y軸方向に4分割されることにより、基板6から製品基板6aが20枚取得できる。そして、基板6上のA,Bは、異物の存在位置を示すものである。
【0044】
この例において、まず、異物位置情報により異物位置(位置A、B)に対して、退避幅tを加味した塗布不完全領域taを設定する。
ここで、退避幅tは、塗布ユニット40の口金部50が異物との衝突を確実に回避できる領域であり、異物のX軸方向寸法に余裕幅をもたせたものである。本実施形態では、基板6に存在すると考えられる最大形状の異物のX軸方向寸法を予め想定し、そのX軸方向寸法値を退避幅tとして設定されている。なお、この退避幅tは、後述する記憶部91cに記憶されている。
【0045】
また、塗布不完全領域taは、基板6上の塗布状態が不完全となって塗布ムラが発生する可能性の高い領域であり、上述の退避幅tに、塗布状態に影響を及ぼす領域を加味した領域である。具体的には、口金部50から吐出される塗布液は、塗布開始時と塗布停止時にその供給が不安定となる。この塗布液の供給が不安定となって塗布状態に影響が出る領域を塗布不安定領域として退避幅tに加味されることにより塗布不完全領域taが設定される。したがって、基板6における塗布不完全領域taは、製品基板6aとして取得されず、不良基板と判断される。なお、塗布不完全領域taを構成する塗布不安定領域寸法(X軸方向寸法)は、記憶部91cに記憶されている。
【0046】
この図6の例に示すように、上述の塗布不完全領域taが設定されると、塗布不完全領域taを除く塗布領域は斜線部で示される範囲となり、製品基板6aが8枚取得できることになる。すなわち、退避幅tは、a列とc列に設定されているため、a列及びc列は共に不良基板となる。さらに、c列の退避幅tにおける塗布不完全領域taがb列にも及んでいるため、b列も不良基板と判断される。したがって、製品基板取得枚数M=8枚と、製品基板最小取得枚数Mmin(例えば、8枚)とを比較し、製品基板最小取得枚数Mmin以上取得できる場合には、塗布動作可能と判定する。
【0047】
記憶部91cは、様々な各種データが格納されているとともに、演算結果等を一時的に格納するためのものである。具体的には、基板6に応じた裁断情報、製品基板最小取得枚数Mmin、退避幅t、塗布不安定領域寸法等が記憶されており、主制御部91aで算出される異物位置情報等が一時的に記憶される。
【0048】
駆動制御部92は、制御本体部91からの制御信号に基づいて、リニアモータ24,44、サーボモータ48等を駆動制御するものである。具体的には、リニアモータ24,44及びサーボモータ48を制御することにより、検知ユニット20の移動、及び、塗布ユニット40の移動、口金部50の昇降動作等が駆動制御されるようになっている。
【0049】
位置検出部94は、検知側位置検出器25及び塗布側位置検出器45からの検出信号に基づいて、検知ユニット20及び塗布ユニット40の位置(X軸方向位置)を検出するものである。具体的には、検知側位置検出器25及び塗布側位置検出器45からは、常時、検知ユニット20及び塗布ユニット40におけるX軸方向位置に応じた検出信号が出力されており、この検出信号を受けて検知ユニット20及び塗布ユニット40の位置情報を制御本体部91に出力する。これにより、制御装置90により検知ユニット20及び塗布ユニット40の現在位置が認識できるようになっている。
【0050】
検知機器制御部93は、異物センサ26、検知基準センサ27、塗布基準センサ49のレーザ光の出力を制御するとともに、これらセンサから出力された検知信号を受け、この検知信号を制御本体部91に出力するものである。具体的には、異物センサ26により検知信号を受けた場合には、異物情報として制御本体部91に出力する。また、検知基準センサ27及び塗布基準センサ49により検知信号を受けた場合には、異物位置の基準点情報として制御本体部91に出力する。
【0051】
そして、制御本体部91は、これらの情報を基に基板6上における異物位置情報を得る。具体的には、検知基準センサ27からの検出信号を受けると、その時点における検知ユニット20の位置情報を基準位置情報として認識する。本実施形態では、検知基準センサ27が基板6の端部61で反応することから、基板6の端部が基準位置として設定される。そして、異物センサ26からの検知信号により異物情報を受けると、その時点における検知ユニット20の位置情報と上述の基準位置情報から異物位置情報を取得する。すなわち、基準位置を基にした異物位置を算出する。これにより、検知ステージ12に載置された基板6の端部からX軸方向の所定位置に異物が存在していることを認識することができる。
【0052】
また、制御本体部91は、得られた異物位置情報に基づいて基板6上の異物を回避して塗布を行うように駆動制御部92に制御信号を出力する。具体的には、塗布基準センサ49からの検出信号により、その時点における塗布ユニット40の位置情報を基準位置情報として認識する。本実施形態では、塗布基準センサ49が基板6の端部61で反応することから、基板6の端部61が基準位置として設定される。これにより、上述の異物位置情報により基準位置からの異物位置が認識される。そして、塗布ユニット40を駆動制御することにより、塗布ユニット40をX軸方向に走行させつつ、基板6上に塗布液を吐出する。そして、塗布ユニット40が異物に接近すると、換言すれば、異物位置情報により設定された塗布不完全領域taに差し掛かると、塗布液の供給を停止させて塗布液の吐出を停止させ、塗布ユニット40の口金部を所定位置まで上昇させる。そして、塗布ユニット40を上昇させた状態でX軸方向に退避幅tだけ走行させた後、口金部を下降させ、再び塗布液を吐出して基板6上への塗布を開始させる。このようにして、塗布ユニット40を駆動制御して基板6上の異物を回避することができる。
【0053】
外部装置制御部95は、キーボード83、タッチパネル82等の各装置を制御するものである。具体的には、前記制御本体部91から異物が検出された旨の信号を受けるとタッチパネル82上に警告を促す警告表示を行うようになっている。また、塗布動作の条件、あるいは上記異物の検出における閾値の設定等はキーボード83及びタッチパネル82から外部装置制御部95を通じて変更できるようになっている。
【0054】
次に、この塗布装置1における動作について、図7、8に示すフローチャート、図9に示す検知動作における検知ユニット20の位置関係の概略図、及び、図10に示す塗布動作における塗布ユニット40の位置関係の概略図を参照しながら説明する。この塗布装置1では、異物を検知する異物検知工程と基板6に塗布液を塗布する塗布工程とを有しており、異物検知工程は、図7に示すフローチャートに従って進められ、塗布工程は、図8のフローチャートに従って進められる。
【0055】
まず、異物検知工程が開始され、ステップS1において、基板6の搬入が行われる。すなわち、異物検知部10の検知ステージ12に基板6が搬入される。具体的には、検知ステージ12の表面から複数のリフトピンが突出した状態で待機されており、これらのリフトピンの先端部分に搬送された基板6が載置される。そして、リフトピンを下降させて基板6を検知ステージ12の表面に載置し、基板6が検知ステージ12に載置されると、図示しない位置決め装置により、基板6が所定の位置に位置決めされる。すなわち、基板6の端部(図9の左側端部)がX軸方向と直交する状態に位置決めされる。そして、この状態で真空ポンプ81を作動させて吸引孔に吸引力を発生させることにより、基板6が精度よく位置決めされた状態で検知ステージ12の表面上に吸着されて保持される。
【0056】
次に、ステップS2において、基準点の設定が行われる。具体的には、検知ユニット20を図9(a)に示す状態から基板6が載置される側に走行させて検知基準センサ27と基板6の端部61とを対向させる。すなわち、検知基準センサ27により計測される距離がベース11の表面から基板6に変更されることにより、検知側位置検出器25により検知ユニット20の位置情報が読み込まれる。これにより、基板6の端部が基準点に設定され、異物検知部10における異物位置の基準位置情報として記憶される。
【0057】
次に、ステップS3において、異物検知が行われる。具体的には、異物センサ26を起動させながら検知ユニット20を走行させることにより異物の有無が判断される(ステップS4)。ここで、異物が存在しない場合には、ステップS4においてNOの方向に進み、異物検知が基板6全体について終了したか否かが判断される(ステップS5)。
【0058】
また、異物が存在する場合には、ステップS4においてYESの方向に進み、異物位置情報が取得される(ステップS6)。具体的には、図9(c)に示すように、検知ユニット20が異物上を通過すると、異物により異物センサ26の発光部26aのレーザ光が遮光され異物ありと判断される。その際、検知側位置検出器25による検知された検知ユニット20の位置情報が取得される。すなわち、基板6の端部61を基準点とする位置情報(図9(c)に示す例ではXa)が、X軸方向における異物位置情報として記憶される。そして、異物位置情報が取得されると異物検知が基板6全体について終了したか否かが判断される(ステップS5)。そして、異物検知が終了していない場合には、ステップS5においてNOの方向に進み異物検知が続行される。
【0059】
そして、異物検知が続行され、図9(d)に示すように、検知ユニット20が基板6の右端部62を通過すると、異物検知終了と判断される。具体的には、検知ユニット20が基板6の端部62に達すると、検知基準センサ27により計測される距離が基板6からベース11に変更される。これにより、基板6全体の異物検知終了と判断され、ステップS5においてYESの方向に進み異物検知部10による異物検知工程が終了する。なお、図9(e)に示すように、検知ユニット20は所定量走行した位置で停止する。
【0060】
異物検知工程が終了すると基板6が排出され、次いで塗布工程が開始される。具体的には図8に示すフローチャートに従って行われる。
【0061】
まず、上述のS1と同様にS11において、基板6の搬入が行われる。すなわち、塗布装置本体部30の塗布ステージ32に基板6が搬入される。具体的には、塗布ステージ32の表面から複数のリフトピンが突出した状態で待機されており、これらのリフトピンの先端部分に搬送された基板6が載置される。そして、リフトピンを下降させて基板6を塗布ステージ32の表面に載置し、基板6が塗布ステージ32に載置されると、図示しない位置決め装置により、基板6が所定の位置に位置決めされる。すなわち、基板6の端部(図10の左側端部)がX軸方向と直交する状態に位置決めされる。そして、この状態で真空ポンプ81を作動させて吸引孔に吸引力を発生させることにより、基板6が精度よく位置決めされた状態でステージの表面上に吸着されて保持される。
【0062】
次に、異物検知部10の検知動作で得られた異物位置情報と裁断情報とを基に、製品基板取得枚数Mと製品基板最小取得枚数Mminとの比較が行われる(ステップS12)。具体的には、異物位置情報と記憶されている退避幅tとによって、基板6の基準点から塗布不完全領域taを設定する。そして、この塗布不完全領域taと裁断情報とによって、製品基板取得枚数Mを算出し、この製品基板取得枚数Mと製品基板最小取得枚数Mminとを比較する。ここで、製品基板取得枚数Mが製品基板最小取得枚数Mminより少ない場合には、基板6への塗布動作は行われず、基板6が排出される(ステップS15)。また、製品基板取得枚数Mが基板最小取得枚数以上である場合には、ステップS12においてYESの方向に進み、塗布動作が行われる。本実施形態では、図10(a)に示すように、異物がb列に存在しており、塗布不完全領域taがb列、c列に及んでいるいることから、製品基板取得枚数Mが12枚になる。すなわち、製品基板最小取得枚数Mmin(10枚)よりも多いため、塗布動作可能と判断される。
【0063】
次に、ステップS13において基準点の設定が行われる。具体的には、塗布基準センサ49を初期化し、塗布ユニット40を図10(a)に示す状態から基板6が載置される側に走行させる。そして、塗布ユニット40が図10(b)に示すように、基板6の端部61(図10左側端部)を通過すると、塗布基準センサ49からの距離が、塗布ステージ32から基板6に変化することにより、基板6の端部61が基準点として設定される。すなわち、塗布基準センサ49が基板6の端部61を通過したときの塗布側位置検出器45から取得された位置情報が塗布ユニット40の基準位置情報として記憶される。
【0064】
次に、ステップS14により塗布動作が行われる。具体的には、塗布ユニット40を基板6上を走行させながら、口金部50から塗布液を吐出させる。すなわち、塗布ユニット40が塗布開始位置に位置させて口金部50のスリット50aの高さ位置を塗布位置に調節する。そして、スリット50aから塗布液の吐出を開始し、塗布液を吐出した状態で塗布ユニット40を走行させる。このとき、前記基準点からの塗布ユニット40のX軸方向位置は、塗布側位置検出器45からの位置情報により常に監視される。
【0065】
ここで、塗布側位置検出器45からの位置情報が塗布不完全領域taに差し掛かかると、塗布液が停止されるとともにスリット50aの高さ位置が回避位置に設定される(図10(d))。そして、そのまま塗布ユニット40が走行し、退避幅tだけ走行すると(図10(e))、スリット50aの高さ位置を再び塗布位置に設定し(図10(f))、塗布液を吐出した状態で塗布ユニット40を走行させることにより、基板6に塗布膜が形成される(図10(g))。
【0066】
基板6に塗布膜が形成されると、基板6の取出しが行われる(ステップS15)。具体的には、リフトピンを上昇させることにより、リフトピンの先端部分で基板6を保持する。そして、図示しないロボットハンドに基板6の受け渡しが行われ、塗布ステージ32表面から基板6が排出される。
【0067】
このように、本実施形態における塗布装置1によれば、前記塗布ユニット40により、前記異物位置情報に基づく基板6に付着する異物を回避して塗布することができるため、基板6に異物が付着している場合であっても塗布動作を中断することなく、異物が存在しない領域に塗布することができる。したがって、従来の塗布装置のように、異物が存在する場合には塗布動作の途中であっても塗布動作を中断し基板を排出する場合に比べて、基板の排出回数及び新たな基板をセットする回数が少なくすることができるため、塗布装置の稼働時間全体に占める準備時間が少なくなり、塗布装置の稼働率を向上させることができる。これにより、塗布基板の低コスト化を図ることができる。
【0068】
また、上記実施形態では、検知ステージ12と塗布ステージ32とを別々に設けているため、検知ユニット20と塗布ユニット40とを独立して走行させることができる。すなわち、検知ユニット20は、塗布ユニット40の走行速度に影響されることなく、異物を検知するのに適切な速度で走行させることができるため、タクトタイムを向上させることができる。
【0069】
なお、上記実施形態では、検知ステージ12と塗布ステージ32とを別々に設ける構成について説明したが、共通ステージで検知動作と塗布動作を行う構成であってもよい。例えば、異物センサ26を塗布ユニット40に設ける構成とし、塗布ユニット40を走行させて検知動作を行った後、再度塗布ユニット40を走行させることにより塗布動作を行うものであってもよい。この構成によれば、ステージを1つにすることができるため、塗布装置全体をコンパクトにすることができる。
【0070】
また、上記実施形態では、基板6の端部61を異物の基準点として設定する例について説明したが、特に限定することはなく、例えば、基板6上に付されたアライメントマークを基準点に設定するものや、基板6のオリフラを基準点に設定するものであってもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、退避幅tが一定値である場合について説明したが、異物センサ26が異物の大きさを計測できるものである場合には、存在する異物の大きさによって算出される退避幅tを設定するものであってもよい。すなわち、記憶部91cには、余裕値を記憶させておき、計測された異物の寸法(X軸方向寸法)に対して、X軸方向正負両側に余裕値を加算したものを退避幅tとするものであってもよい。なお、余裕値はX軸方向正負両側同じ値であってもよく、装置の特性によって正負異なる値であってもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、主に基板6上に異物が存在する例について説明したが、基板6と検知ステージ12との間に異物が存在する場合であっても、上記実施形態と同様の構成で対応することができる。なお、異物を検知する構成については、上記実施形態のように、異物が基板6上に存在する場合、及び、異物が基板6と検知ステージ12との間に存在する場合を同時に検知するものであってもよいが、異物が基板6上に存在する場合と、異物が基板6と検知ステージ12とで、それぞれ独立した検知手段を設けて別々に異物を検知する構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の一実施形態に係る塗布装置を示す正面図である。
【図2】上記塗布装置の上面図である。
【図3】上記塗布装置の異物検知部の側面図である。
【図4】塗布ユニットの一部を拡大した図である。
【図5】上記塗布装置の制御系を示すブロック図である。
【図6】基板の裁断情報と塗布不完全領域との様態を示す模式図である。
【図7】上記塗布装置の異物検知工程を示すフローチャートである。
【図8】上記塗布装置の塗布工程を示すフローチャートである。
【図9】上記異物検知工程における検知ユニットと基板との関係を示す図である。
【図10】上記塗布工程における塗布ユニットの口金部と基板との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1 塗布装置
6 基板
10 異物検知部
20 検知ユニット
26 異物センサ
27 検知基準センサ
30 塗布装置本体部
40 塗布ユニット
49 塗布基準センサ
50 口金部
90 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を載置するステージと、
前記ステージに載置された基板に対し特定方向に相対的に移動しつつ塗布液を塗布する塗布ユニットと、
基板に付着した異物の存在を検知する検知ユニットと、
前記検知ユニットからの異物情報に応じて前記塗布ユニットを制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記検知ユニットからの異物情報から基板上における異物位置情報を得、その異物位置情報に基づいて基板に付着した異物を回避するように前記塗布ユニットを駆動制御することを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
前記ステージとは別に、基板を載置する検知ステージが設けられており、前記検知ユニットは、その検知ステージ上に載置された基板に対して異物の存在を検知することを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
【請求項3】
前記塗布ユニットは、塗布液を吐出する口金部を備えており、前記制御装置は、前記口金部が異物位置情報に基づく異物に接近すると、塗布液の吐出を停止させるとともに口金部を所定位置まで基板から離間させ、当該異物を通過した後、口金部を基板に近接させて塗布動作を再開させることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記異物位置情報から塗布不完全領域を設定し、この塗布不完全領域と基板の裁断情報とから製品基板取得枚数を算出し、この製品取得枚数により、基板上に塗布を行うか否かを判断することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項5】
前記塗布不完全領域は、前記口金部の移動方向における異物の寸法値と余裕値とを合算した退避幅と、塗布開始時及び塗布停止時に口金部からの塗布液の供給が不安定となる塗布不安定領域と、を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項6】
基板を載置するステージと、
前記ステージに載置された基板に対し特定方向に相対的に移動しつつ塗布液を塗布する塗布ユニットと、
基板に付着した異物の存在を検知する検知ユニットと、
を備える塗布装置の塗布方法において、
前記検知ユニットからの異物情報から基板上における異物位置情報を得、その異物位置情報に基づいて前記塗布ユニットが基板に付着した異物を回避して塗布を行うことを特徴とする塗布方法。
【請求項7】
前記ステージとは別に、基板を載置する検査ステージが設けられており、前記検知ユニットは、その検査ステージ上に載置された基板に対して異物の存在を検知することを特徴とする請求項6に記載の塗布方法。
【請求項8】
前記塗布ユニットは、塗布液を吐出する口金部を備えており、前記口金部が異物位置情報に基づく異物に接近すると、塗布液の吐出を停止させるとともに塗布ユニットを所定位置まで基板から離間させ、当該異物を通過した後、塗布ユニットを基板に近接させて塗布動作を再開させることを特徴とする請求項6又は7に記載の塗布方法。
【請求項9】
前記異物位置情報から口金部が異物を回避する塗布不完全領域を設定し、この塗布不完全領域と基板の裁断情報とから製品基板取得枚数を算出し、この製品取得枚数により、基板上に塗布を行うか否かを判断することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の塗布方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−51883(P2010−51883A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−218534(P2008−218534)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000219314)東レエンジニアリング株式会社 (505)
【Fターム(参考)】