塗布装置
【課題】従来の、ヘッドの吐出回復手段では、負圧を用いて吸引することで余分にインクを吸引してインクの無駄が発生し、キャッピングに時間がかかり、生産性が低下するという課題がある。
【解決手段】インク供給チューブを外から押し潰す方式の微量インク送り出し部とインクの流れを遮断してインクの移動方向を制御するインク遮断部から構成されるインク押し出し機構をインク供給チューブの間に設ける。
【解決手段】インク供給チューブを外から押し潰す方式の微量インク送り出し部とインクの流れを遮断してインクの移動方向を制御するインク遮断部から構成されるインク押し出し機構をインク供給チューブの間に設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェットヘッドを用いて、基板上の所定領域に異なる色のインクを塗布する塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットヘッドを用い、インクを負圧吸引して吐出回復を行う保守ユニットを備えた従来の塗布装置として、特許文献1に記載のように、複数の塗布ヘッドを備えた塗布ユニット部の保守を行う保守ユニット部を備え、保守ユニット部は、ヘッド内部洗浄液供給機構部と、吸引方式の充填機構部と、ヘッド吐出口拭き取り機構部とからなり、かつ、塗布ユニット部の基板搬送面に対して水平移動でき、塗布ユニット部が塗付動作中である場合に、基板搬送機構の搬送エリア外へ退避する、塗布装置がある。
【0003】
また、インクを負圧吸引と正圧押し出しを併用して吐出回復を行う保守ユニットを備えた従来の塗布装置として、特許文献2に記載のように、記録ヘッドと、インクの液面を所定の高さに維持する手段を備えたインクタンクと、インクタンクから記録ヘッドへ供給するインク供給流路と、インクタンクからインク供給流路を経由してインクを記録ヘッドへ供給する供給手段と、記録ヘッドのノズル口からインクを吸引する吸引手段を備え、供給手段は前記インクタンク内を所定の圧力に加圧する加圧手段であることを特徴としたインクジェット塗布装置がある。
【0004】
【特許文献1】特開2004−255359号公報
【特許文献2】特開2004−9469号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の装置では、ヘッドの吐出回復手段としてヘッドの吐出口側から負圧吸引するかインク供給側から正圧押し出しすることにより、ヘッド内部のインクを強制的に入れ換え、吐出状態を回復させていた。この方法により吐出状態は確実に回復するが、回復のために入れ換えるインクは塗布の目的からみれば無駄な消費となり、この回復のためのインク消費量を減らすことが課題となっていた。
【0006】
また、従来の吐出回復手段はヘッド吐出面に負圧吸引の場合は吸引手段として、また正圧押し出しの場合は押し出されたインクの回収手段としていずれもヘッド端面をキャッピングユニットでキャップをするため、インク入れ換えの前後にキャップ着脱という機械的な動作を必要とし、この動作に要する時間がインラインで連続運転しているとき連続生産を中断させ生産性を落とす大きな問題となっていた。
【0007】
本発明の目的は吐出回復効果を維持したまま回復のためのインク消費量を従来方法に比べごく僅かに抑え、かつ従来必要とされたキャッピング動作が不要で連続生産を妨げない吐出回復手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、従来のようにヘッド内部のインクを完全に入れ換えるのではなく、ヘッド端面からインクが落下しない程度に微量のインクを送り出す機構をヘッドとインクタンクの間、インク供給チューブの途中に設ける。具体的にはインク供給チューブを外から押し潰す方式のインク送り出し部とインクの流れを遮断してインクの移動方向を制御するインク遮断部から構成されるインク押し出し機構を設ける。
【0009】
インクジェットの吐出条件として吐出口にアーチ状のインク液面、いわゆるメニスカスを形成させる必要がある。そのためインク吐出口をインク供給中間タンクのインク液面に対し例えば10mm程度高い位置に設け、吐出口のインク液面を中間タンクに対し僅かに負圧にしている。押し出しによりヘッド吐出口から溢れた微量のインクは、押し出し動作後、この負圧により徐々に吐出ノズルに吸い込まれ、吐出口に再びメニスカスが形成されるところまでインクが戻り、インクの表面張力と負圧が平衡状態になったところでインクが止まる。結果的に押し出されたインクはこの負圧により引き戻されるので、押し出しを繰り返してもヘッド端面にインクが溜まることはない。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、基板に塗布されない、吐出回復のための無駄なインク消費量はせいぜいインクチューブ押し潰しによる体積変化分のレベルとなり、塗布装置実機の一例で示すと、従来の吸引方式では最小量でも1ヘッド当り4〜5mlを消費するが、インク押し出し機構としてインク供給チューブ自体を外部から押し潰すことによりチューブ内部のインクを押し出す構成とすることで吐出回復に必要なインク消費量は0.05〜0.1mlに止まり、従来のインク消費の1/50から1/100と極めて僅かな量に抑えられる。
【0011】
また、本発明の吐出回復動作はインク押し出し量が微量であるため、ヘッドから押し出したインクは落下せず、こぼれるインクを受け止め回収するためのキャッピング動作は不用となり、所要時間はインク押し出しに要する時間だけになるため、連続運転時のコンベアを流れる基板と基板の合間でインク押し出しを実行することができ、連続運転が妨げられない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
はじめに塗布装置の概要を述べる。塗布装置の全体構成を図1に示す。
【0014】
本装置は7つの部位に大別される。塗布対象である基板1を搬入するローダ機構部2が設けてある。このローダ機構部2には基板1の位置を合わせるために、搬入口側に第一位置決め機構3aが、ローダ機構部2の出口側に第二位置決め機構3bが設けてある。ローダ機構部2に連結して基板を搬送する搬送機構部4が設けてある。この搬送機構部4の途中に基板1に複数の異なる色のインクで塗装を施す複数のインクジェットヘッド(以下吐出ヘッドと称する場合もある)からなる塗布ユニット部6と、塗布前に吐出ヘッドへインクを充填し、装置休止時はヘッド吐出面を密閉し乾燥を防ぐ、複数のキャップユニットからなるヘッド保守機構部5が設けてある。そして、搬送機構部4に連結されて、塗布された基板1を装置外に搬出するアンローダ機構部11が設けてある。さらに、前記の各装置の各部駆動機構を制御する制御部13が装置近傍に設けてある。
【0015】
本装置は工場の生産ラインに設置され、装置上流からX1方向に流れてくる基板1をローダ機構2により受け取り、基板1が図1の位置に達したところで位置決め機構3a,
3bが基板1を挟みつけ、基板1の幅方向(Y方向)位置を揃え、また基板1の姿勢を搬送方向(X方向)に平行にする。位置決めされた基板1は搬送機構部4により塗布ユニット部6の真下を通過するが、その際塗布ユニット部6のインクジェットヘッドがインクを吐出し、基板1にインクが塗布される。塗布された基板1は搬送機構部4からアンローダ機構11を経て、ライン下流へ搬送される。なお搬送機構部4の入り口には基板1が送られてきたことを検出するための基板検出器が設けてある。
【0016】
ライン稼働中は基板1が次々に流れてくるため、塗布動作も連続的になり、この間吐出ヘッドは吐出状態を維持しなければならない。一般的に吐出ヘッドは、吐出を続けていくといずれは吐出が続かなくなり、不吐出となる。ヘッド保守機構部5は不吐出となった吐出ヘッドにインクを充填して吐出回復させる機能を持つ。ところで、吐出ヘッドの回復処置には一定の時間を要する。このため、ラインを稼働しながらこの機能を使うことができず、吐出回復の際ラインを停止せざるを得ず、これが生産性を低下させる問題となっていた。
【0017】
本発明のヘッド吐出回復機構は、ライン稼働中に流れて来る基板と基板との間の数秒程度の僅かな時間内に、不吐出ノズルを回復させる機能を有する装置であり、吐出回復のためにラインを停止する頻度が減り、生産性が向上する。
【0018】
本装置における、吐出ヘッドへインクを供給する、インク供給系の基本構成は図2のようになる。
【0019】
インク25はインク補給タンク19よりインク遮断手段である電磁弁16dを経て下方に設置された中間タンク18に一旦溜められ、そこからインク供給経路15(弾性体からなるチューブで構成:以後インク供給チューブと称する場合も有る)を経て吐出ヘッド
14へ導かれる。吐出ヘッド14から正常にインクを吐出させるためには、中間タンク
18のインク液面は、ヘッド吐出面より所定の高さhだけ低くなければならない。この高さを水頭差22と呼ぶ。吐出ヘッド14は複数のインク吐出ノズル26を備えており、インク吐出ノズル26の先端部がインク吐出口となっている。インク吐出口の1つの断面図を図12に示す。本図はインク吐出ノズル26部を拡大して示したものである。水頭差
22によりヘッド吐出口のインク25に中間タンク側へ引き戻される力が働くが、吐出口のインク液面の表面張力によりインク25は逆流せず、結果、図12(a)に示すように吐出口のインク液面にメニスカス27と呼ぶアーチ型が形成される。このメニスカス27が吐出口に形成されることが正常吐出のための条件である。
【0020】
インクが吐出口から吐出された後にインク25が補給され、改めてメニスカス27が形成されれば、再びインク25を吐出することができる。しかし、現実には吐出を繰り返すうちに、ヘッドへのインク補給の遅れや、図12(b)に示すインク液滴28の吐出口周辺への付着や、図12(c)に示す吐出口への空気29の混入などの現象が発生し、メニスカス27が正常に形成されなくなり、吐出状態が劣化、ついには不吐出に至ると考えられている。
【0021】
ヘッド14が不吐出になった場合、吐出ヘッド14内部のインク25を入れ換えることにより、吐出口内部の空気29や吐出口近辺のインク液滴28を除去すれば、再び吐出口にメニスカス27が正常に形成され、吐出可能な状態に復帰する。
【0022】
そこで、従来は、不吐出になった場合、まず図2の吐出ヘッドの吐出面を図1のヘッド保守機構部5に設けられたヘッドキャップで封じる。その後、図示していないが吸引ポンプでヘッドキャップ内の空間を負圧吸引することにより、吐出ヘッド内部のインクを吸い出すと共に、吐出ヘッド内部の空気や吐出口周辺のインク液滴を除去し、吐出可能な状態に回復させていた。また別の手段として、図2の中間タンク12の開口部を塞ぎ、タンク内の空気を加圧することにより液面に圧力をかけ、吐出ヘッドにインクを押し出す方法もあった。
【0023】
これらの方法は、不吐出となったヘッドを吐出可能な状態に回復させる効果は充分であるが、インクを入れ換える手段が微量の入れ換えには向いておらず、吐出回復に必要なインクの入れ換え量に対し、概して必要以上にインクを吸引あるいは押し出してしまい、これがインクの無駄遣いとなり、経済性という点で問題となっていた。例えば、図1の塗布装置のインク吸引量は最小でもヘッド1基につき5mlであるが、実際には吐出回復に必要なインクの量は0.1ml未満であることが確かめられている。
【0024】
また、吸引や加圧押し出しによりヘッド端面から溢れたインクがこぼれ、装置を汚すことの無い様に、押し出しの場合もヘッド端面下方にキャップユニットを配して溢れたインクを回収する必要があり、そのために、ヘッドにキャップを着脱する際要する時間が装置稼働における無駄時間となり、これが生産効率低下を招く原因になっていた。図1の塗布装置ではキャップ着からインク吸引,キャップ脱までには急いでも数分を要すが、一定間隔で連続投入される基材を塗布する場合、例えば12秒連続塗布,3秒休止といった時間間隔であり、連続運転の塗布休止時間にインク吸引を行うことは不可能で、ライン稼働を一時停止しなければならなかった。
【0025】
本発明は、図3に示すように、図2の中間タンクからヘッドにインクを供給するインク供給経路15の途中にヘッド吐出回復機構17を設けたものである。このヘッド吐出回復機構17はインク供給経路を構成しているチューブ自体を外から押し潰すことにより、その変形量分の僅かなインクを吐出ヘッド側に押し出す方式である。インク供給チューブの太さにもよるが、本実施例では、押し出し量がごく微量である。そのときインク吐出口の状態は図12(d)のように、インクが吐出ヘッド端面(吐出口)から溢れだすがこぼれ落ちない程度なので、回収の為のキャップ動作も不要となる。
【0026】
図3において、ヘッド吐出回復機構はインク供給経路15の途中に、軸の先端に平板
(押し付け部材)17hを設けたシリンダ17sと、受け部材17uとからなるインク押し出し手段17aとを設けたものである。すなわち、押し付け部材と受け部材間にチューブを配置して、押し付け部材を受け部材方向に移動させることでチューブを押しつぶす構成としている。なお押し付け部材はチューブの長手方向に対して直角方向となるように配置してある。また、インク押し出し手段17aを挟んでそれぞれのインク供給チューブにインク遮断手段である電磁弁16a,16bが設けてある。インク遮断手段である電磁弁16a,16bには2ポート型の電磁式バルブまたはエア駆動式バルブを用いている。バルブの開閉によるインクの流動は僅かで無視できる機種を選定する。なお、本図のインク押し出し手段17aは受け部材を構成している部材にシリンダを取付ける構成としているが、受け部材とは別の部材にシリンダを取付ける構成としても良い。
【0027】
図4にインク押し出し手段の拡大図を示す。(a)がその基本形であり、シリンダ17sが下向きに取付けられ、その先端に接続された平板(押し付け部材)17hが下降する構造になっている。平板17hの下方にインク供給チューブ15を配置し、シリンダ17sを駆動することにより平板17hによりインク供給チューブ15が押し潰され、潰れた体積変化分のインクがチューブ両端に押し出される。この押し出し手段単体では押し出し方向が制御できないので、図3のように押し出し機構で挟んだインク供給チューブの両側にインク遮断手段である電磁弁16a,16bを設け、押し出す方向と反対側のインク遮断手段である電磁弁16a(又は16b)を閉じることにより押し出す方向を制御する。本方式では、平板17hがインク供給チューブ15に接触する面積と、平板17hの移動量でインクの押し出し量が決定される。
【0028】
吐出ヘッド14が吐出している間はインク遮断手段である電磁弁16a,16bや押し出し手段17aがインク供給チューブ15内のインクの流れを妨げないよう、2つのインク遮断手段である電磁弁16a,16bは開いた状態とする。また、インク押し出しシリンダ17sは駆動せずに上端にとどめ、実質的に図2と同等の状態とする。吐出を繰り返し、不吐出ノズルが増え、吐出回復させる時にはまず、中間タンク側のインク遮断手段である電磁弁16bを閉じ、次にインク押し出し手段17aのシリンダ17sを動作させてインク供給チューブ15を押し潰し、インクを吐出ヘッド側へ押し出す。そのままシリンダ17sを上端に戻すと、チューブ復元の際、吐出ヘッド端面に押し出されたインクが引き戻される。このため、先に吐出ヘッド側のインク遮断手段である電磁弁16aを閉じ、中間タンク側のインク遮断手段である電磁弁16bを開いた後、押し出し手段17aのシリンダ17sを復帰させる。チューブ復元の際、中間タンク側からインクが補給され、最後に閉じていたヘッド側のインク遮断手段である電磁弁16aを開くことでインク押し出しの一連の動作が完了する。押し出された微量のインクは図12(d)の状態から水頭差22により徐々にインク吐出口に引き戻され、インクの表面張力によりアーチ型にメニスカスが形成されたところでインクの戻りは止まり、図12(a)の吐出可能状態が出来上がる。装置を停止し、保管する場合、ヘッド吐出面の乾燥を防ぐ為、ヘッド端面をキャップで塞ぐが、キャップする際、空気が吐出口からヘッドへ押し込まれるのを防ぐ為、2つのインク遮断手段の片方か両方を閉じておく。
【0029】
押し出し手段17aはインク押し出し量がインク供給チューブ15の内径と押し潰されるチューブの長さおよび、平板17hの移動量(シリンダの移動量)で決まり、調整することができない。そこで、図4(b)に示すように、押し出し手段17bは平板17hの両端に押し出し調整ねじ20を設けることで、平板17hから突き出したねじの長さにより押し出し量を加減することができる。
【実施例2】
【0030】
実施例1では1個の吐出ヘッドに対し1台の吐出回復機構を設けていたが、実施例2では1台の吐出回復機構で複数の吐出ヘッドのインク押し出しを行う例である。
【0031】
図4の(c)に示す吐出回復機構である押し出し手段17cは、4本のインク供給チューブをまとめて押し潰し、4個のヘッドのインク押し出しをする押し出し手段である。4本のチューブを押す際、潰し量に偏りを生じないようにシリンダ21のシリンダ軸21aの両側にガイド21gを2本設けて補強し、平板17hが傾くのを防ぐ構造になっている。なお、図4(c)ではガイドもシリンダに一体に形成した構成としている。また、図5には押し出し手段17cを用いた4台のヘッドのインク供給系を示している。1本の中間タンク18より4台のヘッドにインクを供給する、4本のインク供給チューブ15それぞれにインク遮断手段である電磁弁16a,16bが設けられている。これにより、インク遮断手段である電磁弁16a,16bの間のチューブ4本を押し出し手段17cがまとめて押し潰す構成になっている。この構成により押し出し手段の台数と設置スペースが1/4になり、図1のような多数の吐出ヘッドに実施する場合、有利である。4本のチューブをまとめて押しても、4本のチューブそれぞれにインク遮断手段である電磁弁16a,
16bが設けられているので、4台の各ヘッドへのインク押し出しは互いに独立して動作するため、押し出し効果は実施例1と変わらない。
【0032】
図1の塗布装置に対し、図5のように複数の吐出ヘッドを設けた構成の吐出回復機構を設けた時の塗布ユニット部6周辺の部品配置例を図6に示す。本構成ではイエロー,マゼンタ,シアン,ブラック4色の吐出ヘッド7,8,9,10を備え、各色毎にそれぞれ
12個の吐出ヘッドを設けてある。各色毎に設けられた吐出ヘッドには、中間タンク18から12本のインク供給チューブでインクを供給できるようにしてある。各インク供給チューブには、インク遮断手段である電磁弁16a,16bである電磁弁が24台、吐出回復機構としての押し出し手段17cが3台の他に、押し出し用エアバルブ23,電磁弁コントローラ24が設けてある。これらの部品は図6に示すように吐出ヘッドを支えるベースプレート上に吐出ヘッドを囲むように配置した。中間タンクから吐出ヘッドまで共通のプレートに固定することにより吐出ヘッドを昇降しても水頭差22は変化せず、吐出に影響を与えないようにしている。
【0033】
図6の部品配置におけるインク配管の経路を図7に示す。図のように色毎に中間タンク18から電磁弁16b,押し出し手段17c,電磁弁16aを経由して各吐出ヘッド7,8,9,10へインク供給チューブが接続されている。また、図示していないが押し出し手段のシリンダへ圧縮空気を供給する押し出し用エアバルブ23からの配管が接続されている。さらに電磁弁コントローラ24からは各電磁弁へオンオフ用信号線と電源線が接続されている。
【実施例3】
【0034】
図8に第3の実施例の吐出回復機構を示す。
【0035】
図8の吐出回復機構は図3のシリンダ式インクの押し出し手段17aに代えて、チューブ15をしごいてインクを送り出すチューブポンプ式インク押し出し手段17dを設けたものである。
【0036】
チューブポンプ式インク押し出し手段17dはチューブの外側に設けた半円形状の受け板17uと、その内側に円柱状の突起17jを複数設けた円盤17iとから構成されている。受け板17u内側の半円形上に沿ってチューブが配置され、そのチューブの内側に円盤17iが配置されている。この円盤17iに設けた円柱状の突起17jをチューブに押し付けることで、突起がチューブを押し潰し、突起と突起の間にインクを閉じ込める。円盤17iはモータの回転軸に繋がっており、モータを駆動して円盤を回すと突起に挟まれたインクが回転方向に押し出される仕組みである。
【0037】
チューブポンプ式インク押し出し手段17dは回転時、インクを押し出すが、停止時は突起がチューブを潰しているため、バルブを閉じた状態と同等になる。インク吐出時にチューブ内のインクの流れを妨げると、吐出できなくなる。そこで図8のようにチューブポンプをバイパスするバイパス流路を設け、このバイパス流路に電磁弁などのインク遮断手段である電磁弁16cを設けてある。
【0038】
チューブポンプ式の吐出回復機構を用いたインクジェット塗布装置のインク配管系を図9に示す。基本的に図2に示す配管系と同じであるが、吐出回復機構部の配管部分がチューブポンプ式インク押し出し手段17dを図9において、インク吐出のときはチューブポンプを停止し、電磁弁16cを開き、チューブポンプを経由せずにインクが中間タンクからヘッドへ流れるようにする。
【0039】
不吐出となったヘッドを回復させる場合は、電磁弁を閉じ、チューブポンプをヘッド側へ回転させ、インクを押し出す。このとき、インクがヘッドから滴り落ちない程度に抑えるため、押し出し量をチューブポンプの回転時間又は回転速度で制御するか、図9のヘッドとチューブポンプの間に電磁弁などのインク遮断手段である電磁弁16eをもう1つ設け、チューブポンプの回転時に開閉することにより押し出し量を制御する。
【0040】
追加の電磁弁16eを使う場合、始めに16eを閉じ、バイパス流路の電磁弁16cを開いておく。そしてチューブポンプ式インク押し出し手段17dをヘッド方向に回転させる。すると、インクはチューブポンプ式インク押し出し手段17dのインク流出側である、ヘッド側からバイパス流路を経由し、チューブポンプのインク流入側である中間タンク側から再びチューブポンプに入る流れができ、この経路をインクが循環するようになる。次にチューブポンプ式インク押し出し手段17dを回転させたまま、電磁弁16eを開くと同時に電磁弁16cを閉じると、チューブポンプから送り出されたインクはヘッド側に流れ出す。さらに再び電磁弁16eを閉じ、同時に電磁弁16cを開くと、チューブポンプから送り出されたインクはバイパス流路側に流れ、始めのインク循環状態に戻る。この制御方法で、電磁弁16eが開いている間にヘッドへ流れるインクの流量がヘッドへの押し出し量となる。電磁弁16eを開く時間を短くすることにより、例えば0.1ml 程度の微量のインクをヘッドへ正確に押し出すことができる。
【実施例4】
【0041】
本実施例は、図3の吐出回復機構に記載の、シリンダ式インク押し出し手段17aの代わりに、図10に示すように、シリンダ17s1,17s2を2基設けて平板17hを押し下げることでインクを押し出す、インク押し出し手段17eを用いる構成としたものである。
【0042】
インク押し出し手段17eは2つのシリンダを別々に駆動して、平板により配管を押しつぶすことでインクを押し出すようにしたものである。本実施例においては、詳細構造は図示していないが、平板17hは回転と上下方向に移動可能に構成してある。平板17hの回転は、2つ設けたシリンダ17s1,17s2の中間部を回転中心として所定角度だけ回転できるようにしてある。又平板17hは、インク供給チューブ15の長手方向に平板17hの長手方向が平行に位置するように設けられる。このように、平板17hが回転運動を行うため、シリンダ軸の先端側には所定の角度だけ変形できるようにピボット機構が設けてある。
【0043】
図10に示すように、ヘッドへインクを押し出すには、まず吐出ヘッド14から遠い方のシリンダ17s2を下げ、平板17hのエッジでインク供給チューブ15を潰す。さらに吐出ヘッド14に近い方のシリンダ17s1を下げると平板17hのエッジでインクは中間タンク18側には流れず、吐出ヘッド14側にインクが押し出される。押し出し後、インク供給チューブ15から平板17hを離間させるときは、吐出ヘッド14に押し出されたインクが引き戻されるのを防ぐため、吐出ヘッド14に近い方のシリンダ17s1を下げたまま、先に吐出ヘッド14から遠い方のシリンダ17s2を上げ、最後に吐出ヘッド14に近い方のシリンダ17s1を上げる。
【0044】
吐出回復機構として2シリンダ型押し出し手段17eを用いたときのインク供給系は図11のようになる。
【0045】
図11に示すように、これまでの吐出回復機構ではインク供給経路中に1つ以上の弁機構が必要であったが、本方式では弁を設ける必要がなくなり、吐出回復機構の配置の自由度が、これまで説明した吐出回復機構に比べて格段に向上する。
【0046】
また、弁が不要となる分、吐出回復機構の設置面積が減り、塗布ユニット部をより小型にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】塗布装置の全体図である。
【図2】インク補給タンクから吐出ヘッドまでのインク供給系の基本構成を示す図である。
【図3】実施例1で用いる吐出回復機構を設けたインク供給系の図である。
【図4】実施例1で用いる吐出回復機構のインク押し出し手段を示す図である。
【図5】吐出回復機構のインク押し出し手段1台で複数の吐出ヘッドのインク押し出しを行う実施例2を示す図である。
【図6】図5の吐出回復機構を図1の塗布装置に設けた場合の塗布ユニット部周辺の部品配置を示す図である。
【図7】図6の部品配置におけるインク供給チューブの配管経路を示す図である。
【図8】実施例3で用いるチューブポンプを利用したインク押し出し手段を示す図である。
【図9】図8のチューブポンプ式吐出回復機構を設けたインク供給系の図である。
【図10】実施例4のシリンダ2基を用いるインク押し出し手段の構造と動作を示す図である。
【図11】図10の2シリンダ式吐出回復機構を設けたインク供給系を示す図である。
【図12】インクが充填された吐出ヘッドのインク吐出口およびインクを示す断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1…基板、2…ローダ機構部、3a…第一位置決め機構、3b…第二位置決め機構、4…搬送機構部、5…ヘッド保守機構部、6…塗布ユニット部、7,8,9,10,14…吐出ヘッド、11…アンローダ機構部、13…制御部、15…インク供給チューブ、16a,16b,16c,16d,16e…電磁弁、17a,17b,17c…押し出し手段、17d…チューブポンプ式インク押し出し手段、18…中間タンク、19…インク補給タンク、20…押し出し調整ねじ、21…ガイド付シリンダ、22…ヘッド吐出面とインク液面との水頭差、23…押し出し用エアバルブ、24…電磁弁コントローラ、25…インク、26…インク吐出ノズル、27…メニスカス、28…インク液滴、29…空気。
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェットヘッドを用いて、基板上の所定領域に異なる色のインクを塗布する塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットヘッドを用い、インクを負圧吸引して吐出回復を行う保守ユニットを備えた従来の塗布装置として、特許文献1に記載のように、複数の塗布ヘッドを備えた塗布ユニット部の保守を行う保守ユニット部を備え、保守ユニット部は、ヘッド内部洗浄液供給機構部と、吸引方式の充填機構部と、ヘッド吐出口拭き取り機構部とからなり、かつ、塗布ユニット部の基板搬送面に対して水平移動でき、塗布ユニット部が塗付動作中である場合に、基板搬送機構の搬送エリア外へ退避する、塗布装置がある。
【0003】
また、インクを負圧吸引と正圧押し出しを併用して吐出回復を行う保守ユニットを備えた従来の塗布装置として、特許文献2に記載のように、記録ヘッドと、インクの液面を所定の高さに維持する手段を備えたインクタンクと、インクタンクから記録ヘッドへ供給するインク供給流路と、インクタンクからインク供給流路を経由してインクを記録ヘッドへ供給する供給手段と、記録ヘッドのノズル口からインクを吸引する吸引手段を備え、供給手段は前記インクタンク内を所定の圧力に加圧する加圧手段であることを特徴としたインクジェット塗布装置がある。
【0004】
【特許文献1】特開2004−255359号公報
【特許文献2】特開2004−9469号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の装置では、ヘッドの吐出回復手段としてヘッドの吐出口側から負圧吸引するかインク供給側から正圧押し出しすることにより、ヘッド内部のインクを強制的に入れ換え、吐出状態を回復させていた。この方法により吐出状態は確実に回復するが、回復のために入れ換えるインクは塗布の目的からみれば無駄な消費となり、この回復のためのインク消費量を減らすことが課題となっていた。
【0006】
また、従来の吐出回復手段はヘッド吐出面に負圧吸引の場合は吸引手段として、また正圧押し出しの場合は押し出されたインクの回収手段としていずれもヘッド端面をキャッピングユニットでキャップをするため、インク入れ換えの前後にキャップ着脱という機械的な動作を必要とし、この動作に要する時間がインラインで連続運転しているとき連続生産を中断させ生産性を落とす大きな問題となっていた。
【0007】
本発明の目的は吐出回復効果を維持したまま回復のためのインク消費量を従来方法に比べごく僅かに抑え、かつ従来必要とされたキャッピング動作が不要で連続生産を妨げない吐出回復手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、従来のようにヘッド内部のインクを完全に入れ換えるのではなく、ヘッド端面からインクが落下しない程度に微量のインクを送り出す機構をヘッドとインクタンクの間、インク供給チューブの途中に設ける。具体的にはインク供給チューブを外から押し潰す方式のインク送り出し部とインクの流れを遮断してインクの移動方向を制御するインク遮断部から構成されるインク押し出し機構を設ける。
【0009】
インクジェットの吐出条件として吐出口にアーチ状のインク液面、いわゆるメニスカスを形成させる必要がある。そのためインク吐出口をインク供給中間タンクのインク液面に対し例えば10mm程度高い位置に設け、吐出口のインク液面を中間タンクに対し僅かに負圧にしている。押し出しによりヘッド吐出口から溢れた微量のインクは、押し出し動作後、この負圧により徐々に吐出ノズルに吸い込まれ、吐出口に再びメニスカスが形成されるところまでインクが戻り、インクの表面張力と負圧が平衡状態になったところでインクが止まる。結果的に押し出されたインクはこの負圧により引き戻されるので、押し出しを繰り返してもヘッド端面にインクが溜まることはない。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、基板に塗布されない、吐出回復のための無駄なインク消費量はせいぜいインクチューブ押し潰しによる体積変化分のレベルとなり、塗布装置実機の一例で示すと、従来の吸引方式では最小量でも1ヘッド当り4〜5mlを消費するが、インク押し出し機構としてインク供給チューブ自体を外部から押し潰すことによりチューブ内部のインクを押し出す構成とすることで吐出回復に必要なインク消費量は0.05〜0.1mlに止まり、従来のインク消費の1/50から1/100と極めて僅かな量に抑えられる。
【0011】
また、本発明の吐出回復動作はインク押し出し量が微量であるため、ヘッドから押し出したインクは落下せず、こぼれるインクを受け止め回収するためのキャッピング動作は不用となり、所要時間はインク押し出しに要する時間だけになるため、連続運転時のコンベアを流れる基板と基板の合間でインク押し出しを実行することができ、連続運転が妨げられない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
はじめに塗布装置の概要を述べる。塗布装置の全体構成を図1に示す。
【0014】
本装置は7つの部位に大別される。塗布対象である基板1を搬入するローダ機構部2が設けてある。このローダ機構部2には基板1の位置を合わせるために、搬入口側に第一位置決め機構3aが、ローダ機構部2の出口側に第二位置決め機構3bが設けてある。ローダ機構部2に連結して基板を搬送する搬送機構部4が設けてある。この搬送機構部4の途中に基板1に複数の異なる色のインクで塗装を施す複数のインクジェットヘッド(以下吐出ヘッドと称する場合もある)からなる塗布ユニット部6と、塗布前に吐出ヘッドへインクを充填し、装置休止時はヘッド吐出面を密閉し乾燥を防ぐ、複数のキャップユニットからなるヘッド保守機構部5が設けてある。そして、搬送機構部4に連結されて、塗布された基板1を装置外に搬出するアンローダ機構部11が設けてある。さらに、前記の各装置の各部駆動機構を制御する制御部13が装置近傍に設けてある。
【0015】
本装置は工場の生産ラインに設置され、装置上流からX1方向に流れてくる基板1をローダ機構2により受け取り、基板1が図1の位置に達したところで位置決め機構3a,
3bが基板1を挟みつけ、基板1の幅方向(Y方向)位置を揃え、また基板1の姿勢を搬送方向(X方向)に平行にする。位置決めされた基板1は搬送機構部4により塗布ユニット部6の真下を通過するが、その際塗布ユニット部6のインクジェットヘッドがインクを吐出し、基板1にインクが塗布される。塗布された基板1は搬送機構部4からアンローダ機構11を経て、ライン下流へ搬送される。なお搬送機構部4の入り口には基板1が送られてきたことを検出するための基板検出器が設けてある。
【0016】
ライン稼働中は基板1が次々に流れてくるため、塗布動作も連続的になり、この間吐出ヘッドは吐出状態を維持しなければならない。一般的に吐出ヘッドは、吐出を続けていくといずれは吐出が続かなくなり、不吐出となる。ヘッド保守機構部5は不吐出となった吐出ヘッドにインクを充填して吐出回復させる機能を持つ。ところで、吐出ヘッドの回復処置には一定の時間を要する。このため、ラインを稼働しながらこの機能を使うことができず、吐出回復の際ラインを停止せざるを得ず、これが生産性を低下させる問題となっていた。
【0017】
本発明のヘッド吐出回復機構は、ライン稼働中に流れて来る基板と基板との間の数秒程度の僅かな時間内に、不吐出ノズルを回復させる機能を有する装置であり、吐出回復のためにラインを停止する頻度が減り、生産性が向上する。
【0018】
本装置における、吐出ヘッドへインクを供給する、インク供給系の基本構成は図2のようになる。
【0019】
インク25はインク補給タンク19よりインク遮断手段である電磁弁16dを経て下方に設置された中間タンク18に一旦溜められ、そこからインク供給経路15(弾性体からなるチューブで構成:以後インク供給チューブと称する場合も有る)を経て吐出ヘッド
14へ導かれる。吐出ヘッド14から正常にインクを吐出させるためには、中間タンク
18のインク液面は、ヘッド吐出面より所定の高さhだけ低くなければならない。この高さを水頭差22と呼ぶ。吐出ヘッド14は複数のインク吐出ノズル26を備えており、インク吐出ノズル26の先端部がインク吐出口となっている。インク吐出口の1つの断面図を図12に示す。本図はインク吐出ノズル26部を拡大して示したものである。水頭差
22によりヘッド吐出口のインク25に中間タンク側へ引き戻される力が働くが、吐出口のインク液面の表面張力によりインク25は逆流せず、結果、図12(a)に示すように吐出口のインク液面にメニスカス27と呼ぶアーチ型が形成される。このメニスカス27が吐出口に形成されることが正常吐出のための条件である。
【0020】
インクが吐出口から吐出された後にインク25が補給され、改めてメニスカス27が形成されれば、再びインク25を吐出することができる。しかし、現実には吐出を繰り返すうちに、ヘッドへのインク補給の遅れや、図12(b)に示すインク液滴28の吐出口周辺への付着や、図12(c)に示す吐出口への空気29の混入などの現象が発生し、メニスカス27が正常に形成されなくなり、吐出状態が劣化、ついには不吐出に至ると考えられている。
【0021】
ヘッド14が不吐出になった場合、吐出ヘッド14内部のインク25を入れ換えることにより、吐出口内部の空気29や吐出口近辺のインク液滴28を除去すれば、再び吐出口にメニスカス27が正常に形成され、吐出可能な状態に復帰する。
【0022】
そこで、従来は、不吐出になった場合、まず図2の吐出ヘッドの吐出面を図1のヘッド保守機構部5に設けられたヘッドキャップで封じる。その後、図示していないが吸引ポンプでヘッドキャップ内の空間を負圧吸引することにより、吐出ヘッド内部のインクを吸い出すと共に、吐出ヘッド内部の空気や吐出口周辺のインク液滴を除去し、吐出可能な状態に回復させていた。また別の手段として、図2の中間タンク12の開口部を塞ぎ、タンク内の空気を加圧することにより液面に圧力をかけ、吐出ヘッドにインクを押し出す方法もあった。
【0023】
これらの方法は、不吐出となったヘッドを吐出可能な状態に回復させる効果は充分であるが、インクを入れ換える手段が微量の入れ換えには向いておらず、吐出回復に必要なインクの入れ換え量に対し、概して必要以上にインクを吸引あるいは押し出してしまい、これがインクの無駄遣いとなり、経済性という点で問題となっていた。例えば、図1の塗布装置のインク吸引量は最小でもヘッド1基につき5mlであるが、実際には吐出回復に必要なインクの量は0.1ml未満であることが確かめられている。
【0024】
また、吸引や加圧押し出しによりヘッド端面から溢れたインクがこぼれ、装置を汚すことの無い様に、押し出しの場合もヘッド端面下方にキャップユニットを配して溢れたインクを回収する必要があり、そのために、ヘッドにキャップを着脱する際要する時間が装置稼働における無駄時間となり、これが生産効率低下を招く原因になっていた。図1の塗布装置ではキャップ着からインク吸引,キャップ脱までには急いでも数分を要すが、一定間隔で連続投入される基材を塗布する場合、例えば12秒連続塗布,3秒休止といった時間間隔であり、連続運転の塗布休止時間にインク吸引を行うことは不可能で、ライン稼働を一時停止しなければならなかった。
【0025】
本発明は、図3に示すように、図2の中間タンクからヘッドにインクを供給するインク供給経路15の途中にヘッド吐出回復機構17を設けたものである。このヘッド吐出回復機構17はインク供給経路を構成しているチューブ自体を外から押し潰すことにより、その変形量分の僅かなインクを吐出ヘッド側に押し出す方式である。インク供給チューブの太さにもよるが、本実施例では、押し出し量がごく微量である。そのときインク吐出口の状態は図12(d)のように、インクが吐出ヘッド端面(吐出口)から溢れだすがこぼれ落ちない程度なので、回収の為のキャップ動作も不要となる。
【0026】
図3において、ヘッド吐出回復機構はインク供給経路15の途中に、軸の先端に平板
(押し付け部材)17hを設けたシリンダ17sと、受け部材17uとからなるインク押し出し手段17aとを設けたものである。すなわち、押し付け部材と受け部材間にチューブを配置して、押し付け部材を受け部材方向に移動させることでチューブを押しつぶす構成としている。なお押し付け部材はチューブの長手方向に対して直角方向となるように配置してある。また、インク押し出し手段17aを挟んでそれぞれのインク供給チューブにインク遮断手段である電磁弁16a,16bが設けてある。インク遮断手段である電磁弁16a,16bには2ポート型の電磁式バルブまたはエア駆動式バルブを用いている。バルブの開閉によるインクの流動は僅かで無視できる機種を選定する。なお、本図のインク押し出し手段17aは受け部材を構成している部材にシリンダを取付ける構成としているが、受け部材とは別の部材にシリンダを取付ける構成としても良い。
【0027】
図4にインク押し出し手段の拡大図を示す。(a)がその基本形であり、シリンダ17sが下向きに取付けられ、その先端に接続された平板(押し付け部材)17hが下降する構造になっている。平板17hの下方にインク供給チューブ15を配置し、シリンダ17sを駆動することにより平板17hによりインク供給チューブ15が押し潰され、潰れた体積変化分のインクがチューブ両端に押し出される。この押し出し手段単体では押し出し方向が制御できないので、図3のように押し出し機構で挟んだインク供給チューブの両側にインク遮断手段である電磁弁16a,16bを設け、押し出す方向と反対側のインク遮断手段である電磁弁16a(又は16b)を閉じることにより押し出す方向を制御する。本方式では、平板17hがインク供給チューブ15に接触する面積と、平板17hの移動量でインクの押し出し量が決定される。
【0028】
吐出ヘッド14が吐出している間はインク遮断手段である電磁弁16a,16bや押し出し手段17aがインク供給チューブ15内のインクの流れを妨げないよう、2つのインク遮断手段である電磁弁16a,16bは開いた状態とする。また、インク押し出しシリンダ17sは駆動せずに上端にとどめ、実質的に図2と同等の状態とする。吐出を繰り返し、不吐出ノズルが増え、吐出回復させる時にはまず、中間タンク側のインク遮断手段である電磁弁16bを閉じ、次にインク押し出し手段17aのシリンダ17sを動作させてインク供給チューブ15を押し潰し、インクを吐出ヘッド側へ押し出す。そのままシリンダ17sを上端に戻すと、チューブ復元の際、吐出ヘッド端面に押し出されたインクが引き戻される。このため、先に吐出ヘッド側のインク遮断手段である電磁弁16aを閉じ、中間タンク側のインク遮断手段である電磁弁16bを開いた後、押し出し手段17aのシリンダ17sを復帰させる。チューブ復元の際、中間タンク側からインクが補給され、最後に閉じていたヘッド側のインク遮断手段である電磁弁16aを開くことでインク押し出しの一連の動作が完了する。押し出された微量のインクは図12(d)の状態から水頭差22により徐々にインク吐出口に引き戻され、インクの表面張力によりアーチ型にメニスカスが形成されたところでインクの戻りは止まり、図12(a)の吐出可能状態が出来上がる。装置を停止し、保管する場合、ヘッド吐出面の乾燥を防ぐ為、ヘッド端面をキャップで塞ぐが、キャップする際、空気が吐出口からヘッドへ押し込まれるのを防ぐ為、2つのインク遮断手段の片方か両方を閉じておく。
【0029】
押し出し手段17aはインク押し出し量がインク供給チューブ15の内径と押し潰されるチューブの長さおよび、平板17hの移動量(シリンダの移動量)で決まり、調整することができない。そこで、図4(b)に示すように、押し出し手段17bは平板17hの両端に押し出し調整ねじ20を設けることで、平板17hから突き出したねじの長さにより押し出し量を加減することができる。
【実施例2】
【0030】
実施例1では1個の吐出ヘッドに対し1台の吐出回復機構を設けていたが、実施例2では1台の吐出回復機構で複数の吐出ヘッドのインク押し出しを行う例である。
【0031】
図4の(c)に示す吐出回復機構である押し出し手段17cは、4本のインク供給チューブをまとめて押し潰し、4個のヘッドのインク押し出しをする押し出し手段である。4本のチューブを押す際、潰し量に偏りを生じないようにシリンダ21のシリンダ軸21aの両側にガイド21gを2本設けて補強し、平板17hが傾くのを防ぐ構造になっている。なお、図4(c)ではガイドもシリンダに一体に形成した構成としている。また、図5には押し出し手段17cを用いた4台のヘッドのインク供給系を示している。1本の中間タンク18より4台のヘッドにインクを供給する、4本のインク供給チューブ15それぞれにインク遮断手段である電磁弁16a,16bが設けられている。これにより、インク遮断手段である電磁弁16a,16bの間のチューブ4本を押し出し手段17cがまとめて押し潰す構成になっている。この構成により押し出し手段の台数と設置スペースが1/4になり、図1のような多数の吐出ヘッドに実施する場合、有利である。4本のチューブをまとめて押しても、4本のチューブそれぞれにインク遮断手段である電磁弁16a,
16bが設けられているので、4台の各ヘッドへのインク押し出しは互いに独立して動作するため、押し出し効果は実施例1と変わらない。
【0032】
図1の塗布装置に対し、図5のように複数の吐出ヘッドを設けた構成の吐出回復機構を設けた時の塗布ユニット部6周辺の部品配置例を図6に示す。本構成ではイエロー,マゼンタ,シアン,ブラック4色の吐出ヘッド7,8,9,10を備え、各色毎にそれぞれ
12個の吐出ヘッドを設けてある。各色毎に設けられた吐出ヘッドには、中間タンク18から12本のインク供給チューブでインクを供給できるようにしてある。各インク供給チューブには、インク遮断手段である電磁弁16a,16bである電磁弁が24台、吐出回復機構としての押し出し手段17cが3台の他に、押し出し用エアバルブ23,電磁弁コントローラ24が設けてある。これらの部品は図6に示すように吐出ヘッドを支えるベースプレート上に吐出ヘッドを囲むように配置した。中間タンクから吐出ヘッドまで共通のプレートに固定することにより吐出ヘッドを昇降しても水頭差22は変化せず、吐出に影響を与えないようにしている。
【0033】
図6の部品配置におけるインク配管の経路を図7に示す。図のように色毎に中間タンク18から電磁弁16b,押し出し手段17c,電磁弁16aを経由して各吐出ヘッド7,8,9,10へインク供給チューブが接続されている。また、図示していないが押し出し手段のシリンダへ圧縮空気を供給する押し出し用エアバルブ23からの配管が接続されている。さらに電磁弁コントローラ24からは各電磁弁へオンオフ用信号線と電源線が接続されている。
【実施例3】
【0034】
図8に第3の実施例の吐出回復機構を示す。
【0035】
図8の吐出回復機構は図3のシリンダ式インクの押し出し手段17aに代えて、チューブ15をしごいてインクを送り出すチューブポンプ式インク押し出し手段17dを設けたものである。
【0036】
チューブポンプ式インク押し出し手段17dはチューブの外側に設けた半円形状の受け板17uと、その内側に円柱状の突起17jを複数設けた円盤17iとから構成されている。受け板17u内側の半円形上に沿ってチューブが配置され、そのチューブの内側に円盤17iが配置されている。この円盤17iに設けた円柱状の突起17jをチューブに押し付けることで、突起がチューブを押し潰し、突起と突起の間にインクを閉じ込める。円盤17iはモータの回転軸に繋がっており、モータを駆動して円盤を回すと突起に挟まれたインクが回転方向に押し出される仕組みである。
【0037】
チューブポンプ式インク押し出し手段17dは回転時、インクを押し出すが、停止時は突起がチューブを潰しているため、バルブを閉じた状態と同等になる。インク吐出時にチューブ内のインクの流れを妨げると、吐出できなくなる。そこで図8のようにチューブポンプをバイパスするバイパス流路を設け、このバイパス流路に電磁弁などのインク遮断手段である電磁弁16cを設けてある。
【0038】
チューブポンプ式の吐出回復機構を用いたインクジェット塗布装置のインク配管系を図9に示す。基本的に図2に示す配管系と同じであるが、吐出回復機構部の配管部分がチューブポンプ式インク押し出し手段17dを図9において、インク吐出のときはチューブポンプを停止し、電磁弁16cを開き、チューブポンプを経由せずにインクが中間タンクからヘッドへ流れるようにする。
【0039】
不吐出となったヘッドを回復させる場合は、電磁弁を閉じ、チューブポンプをヘッド側へ回転させ、インクを押し出す。このとき、インクがヘッドから滴り落ちない程度に抑えるため、押し出し量をチューブポンプの回転時間又は回転速度で制御するか、図9のヘッドとチューブポンプの間に電磁弁などのインク遮断手段である電磁弁16eをもう1つ設け、チューブポンプの回転時に開閉することにより押し出し量を制御する。
【0040】
追加の電磁弁16eを使う場合、始めに16eを閉じ、バイパス流路の電磁弁16cを開いておく。そしてチューブポンプ式インク押し出し手段17dをヘッド方向に回転させる。すると、インクはチューブポンプ式インク押し出し手段17dのインク流出側である、ヘッド側からバイパス流路を経由し、チューブポンプのインク流入側である中間タンク側から再びチューブポンプに入る流れができ、この経路をインクが循環するようになる。次にチューブポンプ式インク押し出し手段17dを回転させたまま、電磁弁16eを開くと同時に電磁弁16cを閉じると、チューブポンプから送り出されたインクはヘッド側に流れ出す。さらに再び電磁弁16eを閉じ、同時に電磁弁16cを開くと、チューブポンプから送り出されたインクはバイパス流路側に流れ、始めのインク循環状態に戻る。この制御方法で、電磁弁16eが開いている間にヘッドへ流れるインクの流量がヘッドへの押し出し量となる。電磁弁16eを開く時間を短くすることにより、例えば0.1ml 程度の微量のインクをヘッドへ正確に押し出すことができる。
【実施例4】
【0041】
本実施例は、図3の吐出回復機構に記載の、シリンダ式インク押し出し手段17aの代わりに、図10に示すように、シリンダ17s1,17s2を2基設けて平板17hを押し下げることでインクを押し出す、インク押し出し手段17eを用いる構成としたものである。
【0042】
インク押し出し手段17eは2つのシリンダを別々に駆動して、平板により配管を押しつぶすことでインクを押し出すようにしたものである。本実施例においては、詳細構造は図示していないが、平板17hは回転と上下方向に移動可能に構成してある。平板17hの回転は、2つ設けたシリンダ17s1,17s2の中間部を回転中心として所定角度だけ回転できるようにしてある。又平板17hは、インク供給チューブ15の長手方向に平板17hの長手方向が平行に位置するように設けられる。このように、平板17hが回転運動を行うため、シリンダ軸の先端側には所定の角度だけ変形できるようにピボット機構が設けてある。
【0043】
図10に示すように、ヘッドへインクを押し出すには、まず吐出ヘッド14から遠い方のシリンダ17s2を下げ、平板17hのエッジでインク供給チューブ15を潰す。さらに吐出ヘッド14に近い方のシリンダ17s1を下げると平板17hのエッジでインクは中間タンク18側には流れず、吐出ヘッド14側にインクが押し出される。押し出し後、インク供給チューブ15から平板17hを離間させるときは、吐出ヘッド14に押し出されたインクが引き戻されるのを防ぐため、吐出ヘッド14に近い方のシリンダ17s1を下げたまま、先に吐出ヘッド14から遠い方のシリンダ17s2を上げ、最後に吐出ヘッド14に近い方のシリンダ17s1を上げる。
【0044】
吐出回復機構として2シリンダ型押し出し手段17eを用いたときのインク供給系は図11のようになる。
【0045】
図11に示すように、これまでの吐出回復機構ではインク供給経路中に1つ以上の弁機構が必要であったが、本方式では弁を設ける必要がなくなり、吐出回復機構の配置の自由度が、これまで説明した吐出回復機構に比べて格段に向上する。
【0046】
また、弁が不要となる分、吐出回復機構の設置面積が減り、塗布ユニット部をより小型にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】塗布装置の全体図である。
【図2】インク補給タンクから吐出ヘッドまでのインク供給系の基本構成を示す図である。
【図3】実施例1で用いる吐出回復機構を設けたインク供給系の図である。
【図4】実施例1で用いる吐出回復機構のインク押し出し手段を示す図である。
【図5】吐出回復機構のインク押し出し手段1台で複数の吐出ヘッドのインク押し出しを行う実施例2を示す図である。
【図6】図5の吐出回復機構を図1の塗布装置に設けた場合の塗布ユニット部周辺の部品配置を示す図である。
【図7】図6の部品配置におけるインク供給チューブの配管経路を示す図である。
【図8】実施例3で用いるチューブポンプを利用したインク押し出し手段を示す図である。
【図9】図8のチューブポンプ式吐出回復機構を設けたインク供給系の図である。
【図10】実施例4のシリンダ2基を用いるインク押し出し手段の構造と動作を示す図である。
【図11】図10の2シリンダ式吐出回復機構を設けたインク供給系を示す図である。
【図12】インクが充填された吐出ヘッドのインク吐出口およびインクを示す断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1…基板、2…ローダ機構部、3a…第一位置決め機構、3b…第二位置決め機構、4…搬送機構部、5…ヘッド保守機構部、6…塗布ユニット部、7,8,9,10,14…吐出ヘッド、11…アンローダ機構部、13…制御部、15…インク供給チューブ、16a,16b,16c,16d,16e…電磁弁、17a,17b,17c…押し出し手段、17d…チューブポンプ式インク押し出し手段、18…中間タンク、19…インク補給タンク、20…押し出し調整ねじ、21…ガイド付シリンダ、22…ヘッド吐出面とインク液面との水頭差、23…押し出し用エアバルブ、24…電磁弁コントローラ、25…インク、26…インク吐出ノズル、27…メニスカス、28…インク液滴、29…空気。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を搬入するローダ機構部と、基板の搬送方向に対して水平直角方向の位置を合わせる位置決め機構部と、基板面上に複数の異なる色のインクで塗装を施す複数の吐出ヘッドを備えた塗布ユニット部と、前記基板を搬送する搬送機構部と、塗装を施された基板を装置外に搬出するアンローダ機構部と、前記各部を制御する制御部からなる塗布装置において、
前記吐出ヘッドにインクを供給するインク供給経路を弾性変形できるチューブで形成し、前記チューブを変形させて吐出ヘッドにインクを送り出すことで吐出ヘッドの吐出を回復するための吐出回復機構をインク供給経路の途中に設けたことを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
請求項1に記載の塗布装置において、
前記インク供給経路の途中に吐出回復機構を設置した両側にインク遮断手段を設けたことを特徴とする塗布装置。
【請求項3】
請求項1に記載の塗布装置において、
前記吐出回復機構がインク供給チューブ自体を外部から押し潰すことによりチューブ内部のインクを押し出すことを特徴とする塗布装置。
【請求項4】
請求項1に記載の塗布装置において、
前記吐出回復機構が回転円盤に複数の円柱状の突起を備え、チューブ外側に設けた受け板と前記突起とでチューブを変形して回転方向にインクを押し出すチューブポンプで形成したことを特徴とする塗布装置。
【請求項5】
請求項2に記載の塗布装置において、
前記インク遮断手段として電磁式あるいは空圧式バルブを用いることを特徴とする塗布装置。
【請求項6】
請求項1に記載の塗布装置において、
前記吐出回復機構としてインク遮断機能も兼ねることを特徴とする塗布装置。
【請求項1】
基板を搬入するローダ機構部と、基板の搬送方向に対して水平直角方向の位置を合わせる位置決め機構部と、基板面上に複数の異なる色のインクで塗装を施す複数の吐出ヘッドを備えた塗布ユニット部と、前記基板を搬送する搬送機構部と、塗装を施された基板を装置外に搬出するアンローダ機構部と、前記各部を制御する制御部からなる塗布装置において、
前記吐出ヘッドにインクを供給するインク供給経路を弾性変形できるチューブで形成し、前記チューブを変形させて吐出ヘッドにインクを送り出すことで吐出ヘッドの吐出を回復するための吐出回復機構をインク供給経路の途中に設けたことを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
請求項1に記載の塗布装置において、
前記インク供給経路の途中に吐出回復機構を設置した両側にインク遮断手段を設けたことを特徴とする塗布装置。
【請求項3】
請求項1に記載の塗布装置において、
前記吐出回復機構がインク供給チューブ自体を外部から押し潰すことによりチューブ内部のインクを押し出すことを特徴とする塗布装置。
【請求項4】
請求項1に記載の塗布装置において、
前記吐出回復機構が回転円盤に複数の円柱状の突起を備え、チューブ外側に設けた受け板と前記突起とでチューブを変形して回転方向にインクを押し出すチューブポンプで形成したことを特徴とする塗布装置。
【請求項5】
請求項2に記載の塗布装置において、
前記インク遮断手段として電磁式あるいは空圧式バルブを用いることを特徴とする塗布装置。
【請求項6】
請求項1に記載の塗布装置において、
前記吐出回復機構としてインク遮断機能も兼ねることを特徴とする塗布装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−216108(P2007−216108A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−37360(P2006−37360)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】
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