説明

塩化ビニル系重合体の製造方法

【課題】 グラフト共重合構造を有することから、ゲル化性、ドローダウン性、粉体としての流動性、ハンドリング性等に代表される成形加工性に優れる塩化ビニル系重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】 下記工程(I)及び工程(II)を経てなる塩化ビニル系重合体の製造方法。
工程(I);特定の単量体(A)及び塩化ビニル単量体(B)をラジカル重合開始剤及び分散剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合を行い、塩化ビニル系マクロ開始剤(C)を得る工程。
工程(II);工程(I)で得られた塩化ビニル系マクロ開始剤(C)と、アクリル酸アルキルエステル,メタクリル酸アルキルエステル及びカルボン酸ビニルからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体(D)とを、リビングラジカル重合触媒および分散剤の存在下、水性媒体中でグラフト共重合を行い、塩化ビニル系重合体を製造する工程。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩化ビニル系重合体の製造方法に関するものであり、更に詳しくは、成形加工性に優れ、グラフト共重合構造を有する塩化ビニル系重合体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、生産性の向上、低コスト化および省エネルギー化に伴い高速加工、薄肉加工および低温加工等の可能な、より加工性の優れた塩化ビニル樹脂が望まれている。一般的な塩化ビニル樹脂、なかでもいわゆる硬質塩化ビニル樹脂の加工性は、樹脂の溶融過程(ゲル化特性)と溶融状態の流動性(流動特性)に主として支配されている。広く加工性を改良するものとして、例えば塩化ビニル単独重合体にペンタエリスリトールまたはジペンタエリスリトールの高級脂肪酸エステルを滑剤として混合した硬質塩化ビニル樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献1〜3参照。)。
【0003】
また、塩化ビニル単独重合体の存在下、水溶媒中で、ラジカル重合開始剤および分散剤を用いてアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルを懸濁重合し、加工性の優れた塩化ビニル系重合体を製造する方法が提案されている(例えば特許文献4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭55−017054号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特公昭51−020209号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】特開昭53−006350号公報(特許請求の範囲)
【特許文献4】特開昭62−001712号公報(特許請求の範囲)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1〜3に提案された樹脂組成物は、加工機と樹脂組成物の間に滑性が付与されるため加工機の駆動動力は低減されるが、ゲル化性の改良効果は十分ではなくゲル化の遅延が起こるという課題を有していた。
【0006】
また、特許文献4に提案の方法により得られる塩化ビニル系重合体は、塩化ビニル樹脂を可塑化し、ゲル化性を改良したものであるが、得られる樹脂は溶融粘度、溶融張力が低く、成形加工時のドローダウンの発生、押出成形時の寸法安定性悪化、発泡成形時の発泡不良、ブロー・真空成形時の厚みの均一性の悪化、カレンダー成形時のエアマークの発生などの課題を有するものであった。
【0007】
そこで本発明は、溶融粘度を必要以上に低下させることなく、ゲル化特性が優れ、加工性の良好な塩化ビニル系重合体の製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、グラフト構造を有する塩化ビニル系重合体が溶融粘度を必要以上に低下させることなく、ゲル化特性に優れ、加工性が良好な塩化ビニル系重合体となること、また該塩化ビニル系重合体の新規な製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、下記工程(I)及び工程(II)を経てなることを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法に関するものである。
工程(I);下記一般式(1)で表される単量体(A)及び塩化ビニル単量体(B)をラジカル重合開始剤及び分散剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合を行い、塩化ビニル系マクロ開始剤(C)を得る工程。
【0010】
【化1】

(1)
(式中、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、RおよびRは各々独立して水素原子、炭素数1〜5の炭化水素基であり、nは0〜5の整数である。)
工程(II);工程(I)で得られた塩化ビニル系マクロ開始剤(C)と、アクリル酸アルキルエステル,メタクリル酸アルキルエステル及びカルボン酸ビニルからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体(D)とを、リビングラジカル重合触媒および分散剤の存在下、水性媒体中でグラフト共重合を行い、塩化ビニル系重合体を製造する工程。
【0011】
以下に、本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法を詳細に説明する。
【0012】
本発明は、上記工程(I)及び工程(II)を経てなる塩化ビニル系重合体の製造方法である。
【0013】
ここで、工程(I)は、上記一般式(1)で表される単量体(A)及び塩化ビニル単量体(B)をラジカル重合開始剤及び分散剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合を行い、塩化ビニル系マクロ開始剤(C)を得る工程である。
【0014】
該単量体(A)としては、上記一般式(1)の範疇に属する化合物であり、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。また、RおよびRは各々独立して水素原子、炭素数1〜5の炭化水素基であり、nは0〜5の整数である。ここで、RとRとしては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基を例示することができる。また、nとしては、塩化ビニル単量体(B)との共重合性に特に優れるものとなることから、0または1の整数であることが好ましい。
【0015】
該単量体(A)は、ラジカル重合開始剤および分散剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合により塩化ビニル単量体との共重合が可能な単量体であり、例えばクロロ酢酸ビニル、ブロモ酢酸ビニル、ヨード酢酸ビニル、ビニル−2−クロロイソブチレート、ビニル−2−ブロモイソブチレート、ビニル−2−ヨードイソブチレート、アリル−2−クロロアセテート、アリル−2−ブロモアセテート、アリル−2−ヨードアセテート、アリル−2−クロロプロピオネート、アリル−2−ブロモプロピオネート、アリル−2−ヨードプロピオネート、アリル−2−クロロイソブチレート、アリル−2−ブロモイソブチレート、アリル−2−ヨードイソブチレート等を挙げることができ、その中でも特に工程(II)において単量体(D)のリビングラジカル重合が効率的に進行することから、アリル−2−クロロプロピオネート、アリル−2−ブロモプロピオネート、アリル−2−ヨードプロピオネート、アリル−2−クロロイソブチレート、アリル−2−ブロモイソブチレート、アリル−2−ヨードイソブチレートであることが好ましく、更にアリル−2−ブロモイソブチレート、アリル−2−ヨードイソブチレートであることが好ましい。
【0016】
該単量体(A)は、塩化ビニル単量体(B)100重量部あたり、0.001〜5重量部で用いることが好ましい。
【0017】
該工程(I)において用いられるラジカル重合開始剤としては、懸濁重合において該単量体(A)と塩化ビニル単量体(B)との共重合を開始できるラジカル重合開始剤であれば如何なるものも使用でき、例えばクミルパーオキシネオデカノエート、tert−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ヘキシルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシピバレート等のパーエステル型開始剤;ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート等のジカーボネート型開始剤;イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等のジアシル型開始剤;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ型開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性開始剤等を挙げることができ、これらのラジカル重合開始剤は1種以上で使用することができる。
【0018】
該ラジカル重合開始剤は、塩化ビニル単量体(B)100重量部あたり、0.001〜1重量部で用いることが好ましい。
【0019】
該工程(I)において用いられる分散剤としては、懸濁重合において該単量体(A)と塩化ビニル単量体(B)の分散が可能である分散剤であれば如何なるものも使用でき、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールおよびその部分ケン化物、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、デンプン等の有機物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム等の無機物等を挙げることができ、これら分散剤は1種以上で使用することができる。
【0020】
該分散剤は、塩化ビニル単量体(B)100重量部あたり、0.01〜1重量部で用いることが好ましく、特に優れた粒子形態を有する塩化ビニル系マクロ開始剤(C)を得ることが可能となることから0.05〜0.2重量部であることが好ましい。
【0021】
該工程(I)において用いられる水性媒体としては、水はもとより、イオン交換水、蒸留水、脱イオン水、工業用水、飲料水等を挙げることができ、例えばアルコール等の有機溶剤を懸濁重合に支障のない範囲で含んでいるものであってもよい。そして、水性媒体の使用量としては、懸濁重合が可能であれば如何なる量で用いても良く、特に効率的に塩化ビニル系マクロ開始剤(C)の製造が可能となることから、塩化ビニル単量体(B)100重量部に対し、100〜500重量部であることが好ましい。
【0022】
該工程(I)における重合温度としては、該単量体(A)と該塩化ビニル単量体(B)との懸濁共重合が可能であれば如何なる温度であってもよく、特に粒子形状を有する塩化ビニル系マクロ開始剤(C)を効率的に得ることが可能となることから0℃〜100℃であることが好ましく、特に40℃〜70℃であることが好ましい。
【0023】
該工程(I)により得られる塩化ビニル系マクロ開始剤(C)とは、該単量体(A)と塩化ビニル単量体(B)を共重合して得られる共重合体であり、該単量体(A)残基を共重合成分として含有することから、ビニル単量体のラジカル重合能を有するマクロ開始剤として作用するものである。該塩化ビニル系マクロ開始剤(C)としては、後述する工程(II)において、リビングラジカル重合能を有するものであれば如何なるものであってもよく、その中でも得られる塩化ビニル系重合体が特に成形加工性に優れたものとなることから、以下の(i)〜(iii)を満足するものであることが好ましい。i)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、GPCと記す。)により測定した数平均分子量(以下、Mnと記す。)が20000〜200000である、ii)GPCにより測定した重量平均分子量(以下、Mwと記す)とMnの比で表されるMw/Mnが1〜5である、iii)該単量体(A)の残基の共重合組成(モル%)が0.001〜10である。
【0024】
また、該塩化ビニル系マクロ開始剤(C)は、工程(II)における取り扱い性に優れ、特に粉体流動性、嵩比重に優れる塩化ビニル系重合体の製造が可能となることから、粒子形状を有していることが好ましく、その際の平均粒径としては50〜500μmであることが好ましい。
【0025】
本発明における工程(II)とは、工程(I)で得られた塩化ビニル系マクロ開始剤(C)と、アクリル酸アルキルエステル,メタクリル酸アルキルエステル及びカルボン酸ビニルからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体(D)とを、リビングラジカル重合触媒および分散剤の存在下、水性媒体中でグラフト共重合を行い、塩化ビニル系重合体を製造する工程である。ここで、工程(I)により得られた塩化ビニル系マクロ開始剤(C)は、工程(I)により得られた懸濁液として用いても良いし、該懸濁液から塩化ビニル系マクロ開始剤(C)を単離し用いてもよい。
【0026】
該工程(II)において用いられる単量体(D)は、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルおよびカルボン酸ビニルからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体であり、該アクリル酸アルキルエステルとしては、例えばアクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸n−ブチルエステル、アクリル酸イソブチルエステル、アクリル酸t−ブチルエステル、アクリル酸2−エチルへキシルエステル、アクリル酸ラウリルエステル、アクリル酸ステアリルエステル、アクリル酸トリデシルエステル、アクリル酸ベンジルエステル、アクリル酸シクロヘキシルエステル等が挙げられる。メタクリル酸アルキルエステルとしては、例えばメタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸n−ブチルエステル、メタクリル酸イソブチルエステル、メタクリル酸t−ブチルエステル、メタクリル酸2−エチルへキシルエステル、メタクリル酸ラウリルエステル、メタクリル酸ステアリルエステル、メタクリル酸トリデシルエステル、メタクリル酸ベンジルエステル、メタクリル酸シクロヘキシルエステル等が挙げられる。カルボン酸ビニルとしては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、オクチル酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、アジピン酸ジビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等が挙げられる。そして、特にゲル化特性に優れ、加工性の良好な塩化ビニル系重合体となることから該単量体(D)としては、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸n−ブチルエステル、アクリル酸イソブチルエステル、アクリル酸t−ブチルエステル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸n−ブチルエステル、メタクリル酸イソブチルエステル、メタクリル酸t−ブチルエステル、酢酸ビニルが好ましい。
【0027】
該単量体(D)は、該塩化ビニル系マクロ開始剤(C)100重量部に対し、0.1〜100重量部で用いることが好ましく、特に溶融粘度とゲル化性のバランスに優れる塩化ビニル系重合体が得られることから、0.1〜70重量部であることが好ましい。
【0028】
該リビングラジカル重合触媒とは、該塩化ビニル系マクロ開始剤(C)に含有される該単量体(A)の残基部にリビングラジカル重合能を付与するために添加する触媒である。そして、このようなリビングラジカル重合は、例えばChem.Rev.101,3689(2001);Chem.Rev.(2001),101,2921;Chem.rev.(2009),5069などに記載されている。
【0029】
通常のラジカル重合反応による塩化ビニル系グラフト重合体の製造法としては、塩化ビニル樹脂存在下で単量体の重合を行う方法、他の樹脂の存在下、塩化ビニル単量体の重合を行う方法、等が知られているが、これらの重合法では単独重合体が多く生成し、グラフト共重合体を効率的に製造できないという課題が知られており、本発明においては、該工程(I)を経た後に、工程(II)により該単量体(A)の残基成分のC−X部分よりリビングラジカル重合を開始することによりグラフト共重合体を効率的に製造することが可能となるものである。
【0030】
該リビングラジカル重合触媒としては、リビングラジカル重合触媒の範疇に属するものであれば如何なるものを用いることも可能であり、例えば周期律表第7族、8族、9族、10族、または11族元素を有する金属又は金属化合物と配位子化合物から構成される触媒を挙げることができる。該リビングラジカル重合触媒を用いる際には、該金属又は金属化合物と該配位子化合物から工程(II)とは別工程にて調製し用いてもよいし、該金属又は金属化合物と該配位子化合物のそれぞれを工程(II)に添加し、リビングラジカル重合触媒として用いてもよい。
【0031】
該リビングラジカル重合触媒を構成する周期律表第7族、8族、9族、10族、または11族元素を有する金属又は金属化合物としては、例えば銅、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金又はそれを含む化合物が挙げられ、特にリビングラジカル重合効率に優れるものとなることから銅、鉄、ルテニウム又はそれを含む化合物が好ましく、さらに0価の銅;塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等の銅の化合物;塩化ルテニウム等のルテニウムの化合物;塩化鉄等の鉄の化合物、特に0価の銅;塩化第一銅、臭化第一銅等のハロゲン化銅が好ましい。
【0032】
該リビングラジカル重合触媒を構成する配位子化合物としては、例えば窒素原子、酸素原子,リン原子、硫黄原子又は遷移金属にπ結合できる炭素化合物を含有する配位子化合物が挙げられ、例えば2,2’−ビピリジル、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジル、4,4’−ジノニル−2,2’−ビピリジル、ビス(2−ピリジルメチル)オクタデシルアミン、1,10−フェナントロリンなどの環状アミン誘導体;テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、ヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン、ポリエチレンイミン等の脂肪族アミン;トリフェニルホスフィン、シクロペンタジエン、インデンなどが挙げられ、特にリビングラジカル重合効率に優れるものとなることから、4,4’−ジノニル−2,2’−ビピリジル、ビス(2−ピリジルメチル)オクタデシルアミンなどの疎水性基を導入したアミンが好ましい。
【0033】
また、該リビングラジカル重合触媒として、銅化合物と配位子化合物から構成される触媒を用いる場合の配位子化合物としては窒素原子を有する配位子化合物が好ましく、特に触媒の水への溶解を抑制し、塩化ビニル系重合体を効率的に製造することが可能となることから、炭素数1〜18のアルキル鎖に代表される疎水性基を導入した窒素原子を有する配位子化合物が好ましい。具体的にはChem.Rev.(2001),101,2921、Chem.Rev.(2007),107,2270;Chem.rev.(2009),5069などに記載の銅化合物と配位子化合物からなる触媒を用いることもできる。さらに、リビングラジカル重合触媒として鉄、ルテニウムを含む金属化合物と配位子化合物から構成される触媒を用いる場合の金属化合物と配位子としては、具体的にはChem.Rev.101,3689(2001);Chem.Rev.109,4963(2009)などに記載の金属化合物と配位子化合物を用いることができる。
【0034】
工程(II)における分散剤、水性媒体としては、上記した工程(I)に用いられる分散剤、水性媒体を用いることができる。また、その際の分散剤としては、該塩化ビニル系マクロ開始剤(C)100重量部あたり、0.001〜1重量部で用いることが好ましい。
【0035】
該工程(II)における重合温度としては、0〜100℃であることが好ましい。
【0036】
本発明の製造方法により得られる塩化ビニル系重合体は、ゲル化性、ドローダウン性、粉体としての流動性、ハンドリング性に優れる塩化ビニル系重合体となることから、下記iv)〜vi)の性質を満足するものであることが好ましい。iv)GPCで測定したMnが20000〜200000である。v)GPCで測定したMw/Mnが1〜10である。vi)該単量体(D)に由来する残基成分組成が各成分の合計100重量%に対し、0.1〜50重量%、特に0.1〜30重量%である。
【0037】
また、さらに優れたゲル化性、ドローダウン性、粉体としての流動性、ハンドリング性を得るために、下記vii)〜ix)の性質をも満足する塩化ビニル系重合体であることが好ましい。vii)粒子形状を有している。viii)平均粒径が50〜700μmである。ix)嵩比重が300〜700kg/mである。
【0038】
本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法は、該工程(I)及び工程(II)を経てなるものであれば如何なる製造方法とする事も可能であり、例えば該工程(I)の後に塩化ビニル系マクロ開始剤(C)の回収・単離を行う工程;該工程(II)の後に塩化ビニル系重合体の回収・乾燥を行う工程、等の付加的工程の追加を行う事も可能である。
【発明の効果】
【0039】
本発明により得られる塩化ビニル系重合体は、グラフト共重合構造を有することから、ゲル化性、ドローダウン性、粉体としての流動性、ハンドリング性等に代表される成形加工性に優れる塩化ビニル系重合体となるものである。
【実施例】
【0040】
以下、本発明を実施例および比較例によって説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例および比較例における分子量、Mw/Mn、共重合組成、グラフト組成、平均粒径、嵩比重、可塑剤吸収量、ゲル化性の評価は下記の方法により測定を行った。
【0041】
〜分子量の測定〜
Mn、Mw及びMw/Mnは、GPCにより求めた。充填カラムとして東ソー(株)製、(商品名)TSKgel MultiporeHXL−Mを用い、テトラヒドロフランを移動相として、ピーク検出には示差屈折計(東ソー(株)製、(商品名)RI−8020)を用いた。また、Mn及びMw及びピークトップ分子量は、標準ポリスチレン換算で求めた。
【0042】
〜塩化ビニル系マクロ開始剤の共重合組成測定〜
得られた塩化ビニル系マクロ開始剤の共重合組成は13C−NMR(Varian社製、(商品名)NMRSystem400)測定により求めた。なお、溶媒として重ベンゼン/オルトジクロロベンゼン=1/3の混合溶媒を用い、120℃で測定を行った。
【0043】
共重合組成の算出は32ppmのピークの積分強度(a)と54〜58ppmのピークの積分強度(b)から以下の式(2)に従って算出した。
【0044】
共重合組成(モル%)=(アリル2−ブロモイソブチレート残基の含有量/(塩化ビニル残基の含有量+アリル2−ブロモイソブチレート残基の含有量))=(a×100)/(6×b+a) (2)
〜塩化ビニル系重合体の重合組成測定〜
得られた塩化ビニル系重合体の重合組成はH−NMR(日本電子(株)製、(商品名)GSX270)測定により求めた。溶媒として重テトラヒドロフランを用い室温下で測定した。
【0045】
なお、単量体(D)としてアクリル酸n−ブチルエステルを用いた場合の重合組成の算出は3.9〜4.2ppmのピークの積分強度(c)と4.2〜5.0ppmのピークの積分強度(d)から以下の式(3)に従って算出した。
【0046】
重合組成(重量%)=(アクリル酸n−ブチルエステル残基の含有量/(塩化ビニル残基の含有量+アクリル酸n−ブチルエステル残基の含有量))=(c×128.2×100)/(2×d×62.50+c×128.2) (3)
また、単量体(D)としてメタクリル酸メチルエステルを用いた場合の重合組成の算出は0.6〜1.6ppmのピークの積分強度(e)と4.2〜5.0ppmのピークの積分強度(f)から以下の式(4)に従って算出した。
【0047】
重合組成(重量%)=(メタクリル酸メチルエステル残基の含有量/(塩化ビニル残基の含有量+メタクリル酸メチルエステル残基の含有量))=(e×100.1×100)/(2×f×62.50+e×100.1) (4)
〜平均粒径の測定〜
JIS Z−8801に準拠して測定した。
【0048】
〜嵩比重の測定〜
JIS K−6721に従って測定した。
【0049】
〜ガラス転移温度の測定〜
示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製、(商品名)EXSTAR6000)を用い、昇温速度10℃/分で測定した。
【0050】
〜ゲル化性の評価〜
得られた塩化ビニル系重合体100重量部に三塩基性硫酸鉛1重量部、ステアリン酸鉛1.3重量部、ステアリン酸カルシウム0.4重量部、ステアリン酸0.1重量部を室温のライカイ機で10分間混合した。この混合物60gをブラベンダー社製のプラストグラフ試験機に入れ、ローラーの回転数60rpm、チャンバー温度190℃の条件下に塩化ビニル系重合体を投入してからトルクが上昇するまでの時間を測定し、ゲル化時間とした。また、この時のトルクの最低値を最低トルク、ゲル化後のトルクを定常トルクとした。
【0051】
このゲル化時間が短いほどゲル化性が向上したと判断した。また、定常トルクが高いほど、溶融粘度が高いと判断した。
【0052】
実施例1
(塩化ビニル系マクロ開始剤の製造)
パドル型撹拌翼、バッフルを装備した内容積3リットルのステンレス製重合器に、脱イオン水1510g(175重量部)、ケン化度80モル%で平均重合度2600のポリビニルアルコール部分ケン化物(以下、ポリビニルアルコール部分ケン化物と記す)1.06g(0.12重量部)を装入し、内部の空気を窒素で置換した。その後、アリル−2−ブロモイソブチレート3.49g(0.40重量部;0.12モル%)、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート0.352g(0.04重量部)、塩化ビニル単量体879g(100重量部)を装入し、撹拌を行いながら内温57℃で懸濁重合を行った。内温が57℃に到達後8時間で重合を停止し、未反応単量体を回収し、懸濁スラリーのろ過を行った後、1リットルの蒸留水で洗浄した。その後、65℃、窒素気流下で6時間乾燥を行い、さらに65℃で6時間減圧乾燥することにより塩化ビニル系マクロ開始剤を粒子形状で得た(収量:686g、収率:78%)。
【0053】
得られた塩化ビニル系マクロ開始剤は、粒径155μm、嵩比重530kg/mであった。また、ピークトップ分子量は102000、Mnは57700、Mw/Mnは2.45であった。また、13C−NMRより求めた塩化ビニル系マクロ開始剤の共重合組成は0.1モル%であった。
【0054】
(塩化ビニル系重合体の製造)
パドル型撹拌翼、バッフルを装備した内容積3リットルのステンレス製重合器に、臭化銅(I)0.568g(0.23重量部;開始基に対し1モル当量)、4,4’−ジノニル−2,2’−ジピリジル4.40g(1.37重量部;開始基に対し2モル当量)、上記塩化ビニル系マクロ開始剤247.6g(100重量部)を装入し、真空引き・窒素導入を3回繰り返すことで内部の空気を窒素で置換した。その後、予め脱気した脱イオン水1360g(500重量部)、ポリビニルアルコール部分ケン化物0.137g(0.04重量部)を装入し、再び窒素置換を3回行った。その後、予め窒素バブリングしたアクリル酸n−ブチルエステル24.8g(10重量部)を装入し、撹拌を行いながら70℃でリビングラジカル重合を行った。5時間を経過した時点でリビングラジカル重合を停止し、懸濁スラリーをろ過し、1リットルの蒸留水で洗浄した。その後、30℃で6時間減圧乾燥し、単量体を回収し、さらに60℃で6時間減圧乾燥を行うことで、粒子形状の塩化ビニル系重合体を得た(収量:269.8g、収率:97%)。
【0055】
得られた塩化ビニル系重合体は、粒径165μm、嵩比重502kg/mであり、ピークトップ分子量は103000、Mnは57800、Mw/Mnは2.80であった。また、得られた塩化ビニル系重合体の重合組成、ガラス転移温度及びゲル化性評価の結果を表1に示す。また、13C−NMRにより31.35ppmのマクロ開始剤のアリル−2−ブロモイソブチレート残基由来のピークの消失を確認し、グラフト共重合の進行を確認した。
【0056】
実施例2
(塩化ビニル系重合体の製造)
臭化銅(I)0.568g(0.23重量部;開始基に対し1当量)、4,4’−ジノニル−2,2’−ジピリジル4.40g(1.37重量部;開始基に対しモル2当量)、実施例1で得られた塩化ビニル系マクロ開始剤247.6g(100重量部)、脱イオン水1360g(500重量部)、ポリビニルアルコール部分ケン化物0.137g(0.04重量部)、アクリル酸n−ブチルエステル24.8g(10重量部)の代わりに、臭化銅(I)0.360g(0.23重量部;開始基に対し1モル当量)、4,4’−ジノニル−2,2’−ジピリジル31.4g(1.37重量部;開始基に対し2モル当量)、実施例1で得られた塩化ビニル系マクロ開始剤157.0g(100重量部)、脱イオン水939g(500重量部)、ポリビニルアルコール部分ケン化物0.095g(0.04重量部)、アクリル酸n−ブチルエステル31.4g(20重量部)とした以外は、実施例1と同様の方法でリビングラジカル重合を行い、粒子形状の塩化ビニル系重合体を得た(収量:183.1g、収率:96%)。
【0057】
得られた塩化ビニル系重合体は、粒径170μm、嵩比重496kg/mであり、ピークトップ分子量は105000、Mnは58700、Mw/Mnは2.88であった。また、得られた塩化ビニル系重合体の重合組成及びゲル化性評価の結果を表1に示す。
【0058】
実施例3
(塩化ビニル系重合体の製造)
パドル型撹拌翼、バッフルを装備した内容積3リットルのステンレス製重合器に、臭化銅(I)0.566g(0.23重量部;開始基に対し1モル当量)、4,4’−ジノニル−2,2’−ジピリジル4.39g(1.37重量部;開始基に対し2モル当量)、実施例1により得られた塩化ビニル系マクロ開始剤246.7g(100重量部)を装入し、真空引き・窒素導入を3回繰り返すことで内部の空気を窒素で置換した。その後、予め脱気した脱イオン水1350g(500重量部)、ポリビニルアルコール部分ケン化物0.137g(0.04重量部)を装入し、再び窒素置換を3回行った。その後、予め窒素バブリングしたメタクリル酸メチルエステル24.7g(10重量部)を装入し、撹拌を行いながら70℃で重合を行った。5時間経過した時点でリビングラジカル重合を停止し、懸濁スラリーをろ過し、1リットルの蒸留水で洗浄した。その後、30℃で6時間減圧乾燥し未反応単量体を回収し、さらに60℃で6時間減圧乾燥を行うことで、粒子形状の塩化ビニル系重合体を得た(収量:268.6g、収率:98%)。
【0059】
得られた塩化ビニル系重合体は、粒径160μm、嵩比重508kg/mであり、ピークトップ分子量は103000、Mnは57900、Mw/Mnは2.89であった。また、得られた塩化ビニル系重合体の重合組成及びゲル化性評価の結果を表1に示す。
【0060】
比較例1
(塩化ビニル単独重合体の製造)
パドル型撹拌翼、バッフルを装備した内容積3リットルのステンレス製重合器に、脱イオン水1430g(150重量部)、ポリビニルアルコール部分ケン化物0.483g(0.05重量部)を装入し、内部の空気を窒素で置換した。その後、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート0.386g(0.04重量部)、塩化ビニル単量体879g(100重量部)を装入し、撹拌を行いながら57℃で重合を行った。重合器内圧が6.7kg/cmまで低下した時点で重合を停止し、未反応単量体を回収し、懸濁スラリーをろ過し、1リットルの蒸留水で洗浄した。その後、65℃・窒素気流下で6時間乾燥させ、さらに65℃で6時間減圧乾燥することで、粒子形状の塩化ビニル単独重合体を得た(収量:800g、収率:83%)。
【0061】
得られた塩化ビニル単独重合体は、粒径160μm、嵩比重504kg/mであり、ピークトップ分子量は107000、Mnは58800、Mw/Mnは2.28であった。また、得られた塩化ビニル単独重合体のガラス転移温度及びゲル化性評価の結果を表1に示す。
【0062】
比較例2
(塩化ビニル系重合体の製造)
パドル型撹拌翼、バッフルを装備した内容積3リットルのステンレス製重合器に、比較例1により得られた塩化ビニル単独重合体222g(100重量部)、脱イオン水1220g(500重量部)、ポリビニルアルコール部分ケン化物0.12g(0.05重量部)を装入し、真空引き・窒素導入を3回繰り返すことで内部の空気を窒素で置換した。その後、予め窒素バブリングしたアクリル酸n−ブチルエステル22.2g(10重量部)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.667g(0.3重量部)を装入し、撹拌を行いながら70℃で重合を行った。5時間を経過した時点で重合を停止し、懸濁スラリーをろ過し、1リットルの蒸留水で洗浄した。その後、30℃で6時間減圧乾燥し未反応アクリル酸n−ブチルエステルを除去し、さらに60℃で6時間減圧乾燥を行うことで、粒子形状の塩化ビニル系重合体を得た(収量:241g、収率:99%)。
【0063】
得られた塩化ビニル系重合体は、粒径165μm、嵩比重506kg/mであり、ピークトップ分子量は107000、Mnは56000、Mw/Mnは2.70であった。また、得られた塩化ビニル系重合体の重合組成、ガラス転移温度及びゲル化性評価の結果を表1に示す。
【0064】
【表1】

リビングラジカル重合によりアクリル酸n−ブチルエステルを塩化ビニル系マクロ開始剤にグラフト重合した塩化ビニル系重合体(実施例1〜2)は、塩化ビニル単独重合体(比較例1)と比べてゲル化時間が短くゲル化性が向上し、加工性に優れるものである。
【0065】
また、塩化ビニル単独重合体の存在下でアクリル酸n−ブチルエステルを通常のラジカル重合を行った塩化ビニル系重合体(比較例2)でもゲル化性が同様に向上したが、定常トルクが顕著に低下している。この定常トルクは溶融粘度と強い相関があり、定常トルクの低下は溶融粘度の低下を示している。そのため、比較例2では溶融粘度が低下しており、実質的な加工性の改良には至っていない。また、ガラス転移温度の低下効果も低いものであり、グラフト共重合体の生成効率に劣るものであった。
【0066】
メタクリル酸メチルエステルをグラフト重合した塩化ビニル系重合体(実施例3)においても、塩化ビニル単独重合体(比較例1)と比べてゲル化性が向上し、加工性に優れるものである。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の製造方法により得られる塩化ビニル系重合体は、従来の塩化ビニル系樹脂よりもゲル化性・加工性が向上しており、種々の成形品の製造に用いることができる。また、溶融粘度が必要以上に低下していないため、溶融樹脂のドローダウンの発生や押出成形時の寸法安定性の悪化、発泡成形時の発泡不良、ブロー・真空成形時の厚みの均一性の悪化、カレンダー成形時のエアマークの発生などの問題を防止した成形性に優れる塩化ビニル系重合体となり、各種成形品への展開が期待できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記工程(I)及び工程(II)を経てなることを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法。
工程(I);下記一般式(1)で表される単量体(A)及び塩化ビニル単量体(B)をラジカル重合開始剤及び分散剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合を行い、塩化ビニル系マクロ開始剤(C)を得る工程。
【化1】

(1)
(式中、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、RおよびRは各々独立して水素原子、炭素数1〜5の炭化水素基であり、nは0〜5の整数である。)
工程(II);工程(I)で得られた塩化ビニル系マクロ開始剤(C)と、アクリル酸アルキルエステル,メタクリル酸アルキルエステル及びカルボン酸ビニルからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体(D)とを、リビングラジカル重合触媒および分散剤の存在下、水性媒体中でグラフト共重合を行い、塩化ビニル系重合体を製造する工程。
【請求項2】
工程(I)により得られる塩化ビニル系マクロ開始剤(C)が、粒子形状であることを特徴とする請求項1に記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
【請求項3】
工程(II)の単量体(D)が、アクリル酸メチルエステル,アクリル酸ブチルエステル,メタクリル酸メチルエステル,メタクリル酸ブチルエステル,酢酸ビニルからなる群より選ばれる1種以上の単量体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
【請求項4】
工程(II)のリビングラジカル重合触媒が、周期律表第7族、8族、9族、10族、または11族元素の金属又は金属化合物と配位子化合物から構成されるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
【請求項5】
工程(II)のリビングラジカル重合触媒が、銅、ルテニウム、鉄又はニッケルの金属又は金属化合物と窒素原子、酸素原子,リン原子、硫黄原子又は遷移金属にπ結合できる炭素化合物を含む配位子化合物から構成されるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
【請求項6】
工程(II)においてリビングラジカル重合触媒が、銅化合物及びアミン化合物から構成されるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。

【公開番号】特開2011−246511(P2011−246511A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118025(P2010−118025)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】