説明

塩水接着性に優れた金属・オレフィン系樹脂接着剤組成物

【課題】接着性および塩水接着性に優れる接着剤組成物の提供。
【解決手段】マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンと、キレートエポキシ樹脂と、溶剤とを含有する接着剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ステンレス、鉄(又は合金)、亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム(又は合金)等の金属板に塩化ビニル樹脂を押出成形して、自動車等の車両の車体のドアの窓開口縁をシールする窓縁モールが製造されている。
【0003】
塩化ビニル樹脂は安価に量産でき、硬質から軟質まで品種も多く、自由に着色できることから熱可塑性の汎用プラスチックとして大量に使用されてきた。しかし、塩化ビニル樹脂を燃焼させるとダイオキシンが発生することが懸念されるため、これに代わる材料としてオレフィン系樹脂が検討されている。それに伴いオレフィン樹脂系エラストマーと接着可能な接着剤が求められている。
特に、ステンレスとオレフィン樹脂エラストマーとの接着に際し、耐水性はもとより塩水浸漬での高い接着耐久性が求められている。
【0004】
特許文献1に記載されている接着剤組成物は、ガラスを接着するもので、金属との接着性や塩水浸漬での接着耐久性について記載されていない。
【0005】
【特許文献1】特開2006−307104号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来知られている窓縁モール用の接着剤組成物は、オレフィン樹脂系エラストマーと金属との接着には不充分な点があり、ステンレスとオレフィン樹脂エラストマーとの接着に際し、耐水性はもとより塩水浸漬での接着耐久性が不充分である問題点があった。
【0007】
従って、本発明は、耐水性に優れ耐塩水接着性の高い接着剤組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、基材としてマレイン酸変性塩素化ポリプロピレンを用い、これと、キレートエポキシ樹脂とを含有する接着剤組成物が、耐水性に優れ耐塩水接着性の高いことを知見した。
【0009】
即ち、本発明は、以下の(1)〜(3)を提供する。
(1)マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンと、キレートエポキシ樹脂と、溶剤とを含有する接着剤組成物。
(2)前記溶剤が、高沸点芳香族炭化水素と、メチルシクロヘキサンと、メチルエチルケトンとを含有する非トルエン・キシレン溶剤組成物である(1)に記載の接着剤組成物。
(3)前記マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンが5〜20質量部、キレートエポキシ樹脂が0.1〜5質量部、溶剤が60〜200質量部である(1)または(2)に記載の接着剤組成物。
(4)金属基材に、(1)〜(3)のいずれかに記載の接着剤組成物を塗布し、オレフィン系樹脂成形物を接着した接着構造体。
(5)金属基材に、(1)〜(3)のいずれかに記載の接着剤組成物を塗布し、接着剤組成物を乾燥し、オレフィン系樹脂成形物を接合し、高周波加熱して接着する接着構造体の製造方法。
(6)マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンと、キレートエポキシ樹脂と、溶剤とを含有する、金属基材と、オレフィン系樹脂またはオレフイン系エラストマーとを接着するための接着剤組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明の接着剤組成物は、塗布しやすく作業性に優れ、エラストマーを含むオレフィン系樹脂と金属との接着に使用すると、耐水性に優れ、耐塩水接着性が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明の接着剤組成物は、マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンと、キレートエポキシ樹脂と、溶剤とを含有する接着剤組成物である。
【0012】
マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンについて以下に説明する。
マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンは、マレイン酸で変性され、かつ、塩素化されているポリプロピレンである。なお、本発明において、マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンは、無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンを含むものとする。
【0013】
マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンのベースとなるポリプロピレンとしては、例えば、プロピレンの単独重合体、プロピレンとその他のオレフィン類(例えば、エチレン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、デセン)から選ばれる1種または2種以上の共重合体が挙げられる。共重合体中のプロピレンの含有率は、オレフィン系エラストマーとの接着性の観点から、40質量%以上であるのが好ましく、60質量%以上であるのがより好ましい。
【0014】
マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンは、その製法について、特に限定されない。例えば、ベースとなるポリプロピレンにマレイン酸(無水マレイン酸も含む、以下同じ)をグラフト変性し、次いでこれを塩素化する方法、グラフト変性と塩素化との順序を逆にした方法、グラフト変性と塩素化とを同時に行う方法が挙げられる。
マレイン酸による変性は、特に制限されず、例えば、ポリプロピレンと有機溶剤との混合液中、ラジカル発生剤の存在下でマレイン酸を反応させることによって行うことができる。
【0015】
マレイン酸変性されたポリプロピレンの塩素化は、特に制限されず、例えば、マレイン酸変性されたポリプロピレンと有機溶剤との混合液中に塩素ガスを導入することによって行うことができる。
マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンの塩素含有率は、5〜30質量%であるのが好ましく、10〜25質量%であるのがより好ましい。このような範囲の場合、有機溶剤に対して溶解しやすく、接着剤組成物の貯蔵安定性、塗装性、オレフィン系エラストマーとの接着性に優れる。
【0016】
マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンの質量平均分子量は、接着性、有機溶剤に対する溶解性の観点から、50,000〜300,000であるのが好ましく、100,000〜150,000であるのがより好ましい。
マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンは、オレフィン系エラストマーに対する接着性が優れる。
【0017】
キレートエポキシ樹脂について、以下に説明する。
キレート変性エポキシ樹脂とも呼ばれ、エポキシ樹脂の基本骨格や側鎖・末端にキレート形成能を有する官能基を含有するエポキシ樹脂をいう。
【0018】
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂等、あるいはこれらをポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等で変性したもの等を挙げることができる。
上記のエポキシ樹脂の具体例は、2官能のエポキシ樹脂、3官能以上のエポキシ樹脂が挙げられる。
【0019】
キレート形成能を有する官能基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、水酸基、アミノ基、カルボニル基などの配位能をもつ官能基等が挙げられる。特に好適なものとして、水酸基、リン酸基、カルボキシル基、カルボニル基等が挙げられる。
【0020】
キレートエポキシ樹脂は、このようなキレート形成能を有する官能基を、前述したエポキシ樹脂の基本骨格や側鎖・末端に含有するものであり、例えば、ケトン変性エポキシ樹脂、リン酸変性エポキシ樹脂等が好適に用いられる。
キレートエポキシ樹脂の分子量は通常1000〜10000、好ましくは1500〜6000である。
具体的には株式会社ADEKAより市販されているアデカレジンEP-49-10、EP-49-20、EP-49-72、EP-9003、EPU-78-11が例示できる。
【0021】
有機溶剤について、以下に説明する。
有機溶剤としては、例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンのような脂環式炭化水素;n−ヘキサンのような鎖状の脂肪族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素、特に、ソルベッソ150、ソルベッソ200のような高沸点芳香族炭化水素が挙げられる。
中でも、環境衛生面の観点から、有機溶剤は、トルエン、キシレン以外の、非トルエン・キシレン溶剤組成物のものが好ましい。また、溶解性、揮発性、環境衛生面、塗布のしやすさ(塗布性)の観点から、高沸点芳香族炭化水素とメチルシクロヘキサンとメチルエチルケトンとを含有する溶剤が、溶解性と塗布性に優れるので好ましい。
【0022】
組成物中の各成分の比率は、マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンが5〜20質量部、キレートエポキシ樹脂が0.1〜5質量部、溶剤が60〜200質量部であるのが好ましい。
マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンが5〜20質量部であると、オレフィン系エラストマーとの接着性が良好であり好ましい。より好ましくは、マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンが5〜15質量部であり、さらに好ましくは、5〜10質量部である。
キレートエポキシ樹脂が0.1〜5質量部であると、塩水接着性が良好であり好ましい。より好ましくは、キレートエポキシ樹脂が0.5〜3質量部であり、さらに好ましくは、0.5〜2質量部である。
溶剤が60〜200質量部であると好ましい。より好ましくは、溶剤が100〜200質量部であり、さらに好ましくは、120〜200質量部である。本発明の接着剤組成物は、マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンとキレートエポキシの質量が少なく、溶媒が多量でも接着性が高いので塗布しやすく作業性に優れている。
【0023】
本発明の接着剤組成物は、マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンと、キレートエポキシ樹脂と、有機溶剤以外に、本発明の目的を損わない範囲で、配合剤を含有することができる。配合剤としては、例えば、硬化触媒、充填剤、可塑剤、酸化防止剤、老化防止剤、無機顔料、有機顔料、接着付与剤、難燃剤、脱水剤、安定剤、チクソトロピー付与剤、帯電防止剤が挙げられる。配合剤の量は、特に制限されず、マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン系組成物において一般的に使用されうる量を配合することができる。
【0024】
本発明の接着剤組成物は、その製造について、特に限定されない。例えば、マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンと、キレートエポキシ樹脂と、有機溶剤とを混合して調製することにより1液型の接着剤組成物とすることができる。別にエポキシ樹脂とエポキシ樹脂の硬化剤(マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン)とを含有する主剤と硬化剤とに分けて各成分を混合調整し、2液型の接着剤組成物としても良い。必要に応じて使用される配合剤を添加することができる。
【0025】
本発明の接着剤組成物の用途としては、例えば、シーリング材、接着剤、コーティング材、プライマー、塗料等が挙げられる。
本発明の接着剤組成物に対して用いられうる被着体としては、例えば、オレフィン系エラストマー、オレフィン樹脂、鉄、亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム、これらの金属板の樹脂被覆物、ステンレスのような金属類等が挙げられる。オレフィン系エラストマーやオレフィン樹脂は、特に限定されない。従来公知のものを使用することができる。例えば、ハード・セグメントがアイソタクチックポリプロピレン、ソフト・セグメントがEPDMやEPMを主体とするオレフィン系ゴムからなるものが例示される。本発明の被着体にはガラスは含まれない、キレート形成が実質的にないからである。
【0026】
本発明の接着剤組成物の具体的な用途としては、例えば、ステンレス(例えばSUS430)、鉄、亜鉛メッキ鋼板等の金属板にオレフィン系エラストマーやオレフィン樹脂を押出成形して、自動車等の車両の車体のドアの窓開口縁をシールする窓縁モールを製造する際に、金属板とオレフィン系エラストマーやオレフィン樹脂とを接着する接着剤が挙げられる。また、樹脂の押出成形接着に限らず、インジェクション成形にも適用できる。塩素化ポリプロピレンの軟化温度が低く、オレフィン系エラストマーの溶融熱で接着剤層が軟化し接着するためで、この効果は金属面に塗布した接着剤を乾燥焼付けた後に発揮される。また、金属と非極性の樹脂(例えば、オレフィン系エラストマーやオレフィン樹脂)との接着に用いる場合は広く使用することができ、ホースと金属との接着部、エラストマーと金属板の多層積層体からなる免震支承体の接着等に広く用いることができる。
【0027】
次に、金属基材に本発明の接着剤組成物を塗布し、オレフィン系樹脂成形物を金属基材に接着した接着構造体を説明する。接着構造体を図1〜3に示す窓縁モールを用いて具体的に説明する。
図1で示すように車体パネル7には窓枠6と窓ガラス5が取り付けられ、車体パネルと窓ガラスとの間はシール部材10を有する窓縁モール3で窓ガラスの上下の動きに沿ってシールされている。図2に示されるように窓縁モール3はモール取付け部1と車外縁部2とからなり、これにシール部材10が取付けられる。シール部材10は金属基体である板部14にオレフィン系樹脂またはエラストマーの成形体であるリップ部12が、本発明の接着剤組成物で接着されている。シール部材10は取付け孔16を介してモール取付け部1に取付けられる。図3に示されるように弾性部材8は、窓縁モール3を車体パネル7に取付ける際に車外縁部2と車体パネル7との間を弾性的に密着固定する。シール部材10が取付け孔16を介してモール取付け部1に取付けられると、リップ部12が窓ガラスの上下の動きに沿って車体パネルと窓ガラスとの間をシールする。本発明の接着剤組成物は、このような上下動する窓ガラスに圧接されて動くリップ部と板部である金属基体との間を強力に接着でき、塩水接着性が高いので、長期間使用でき車体が苛酷な環境に曝される場合にも使用できる。
【0028】
本発明の接着剤組成物を用いた金属基体への接着は、例えば、以下のような工程で行われる。まず、塗布工程において、金属基体に本発明の接着剤組成物を塗布し風乾させ、次の加温工程で、この金属基体を80〜250℃に加温されたオーブンに入れ、接着剤組成物中の有機溶剤をさらにとばして乾燥させると同時に金属板に接着剤を硬化させるために、金属基体全体を加温する。加温された金属基体はオーブンから取り出されるとすぐに金型内に装填される。次に、押出または射出工程において、金型内に190〜220℃の温度に熱溶融されたオレフィン系エラストマーを押出または射出注入する。加熱方法はオーブンに限らず、誘導加熱(高周波)によっても良い。熱溶融されたオレフィン系エラストマーは金型内で押出または射出成型され、それと同時に接着剤組成物を介して金属基体に十分な接着力をもって接着される。その後、金属基体とオレフィン系樹脂またはエラストマーとの接着構造体を金型から取り出す。
【0029】
本発明の接着剤組成物は、塗布しやすく作業性に優れる。これは、本発明の接着剤組成物が有機溶媒を含有することによりマレイン酸変性塩素化ポリプロピレンが有機溶剤に溶解し、溶液の状態となりうるからである。
また、本発明の接着剤組成物は、マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンが有機溶剤に溶解しているので、そのまま被着体に塗布し乾燥させるだけで接着剤組成物の膜となりうる。また、本発明の接着剤組成物に使用されるキレートエポキシ樹脂は腐食反応を抑制し、得られる接着構造体は塩水接着性に優れる。
本発明の接着剤組成物は、常態において高い接着性を有する。また、本発明の接着剤組成物は、塩水接着性に優れ、温塩水に浸漬されたのちも高い接着性を有する。これは、本発明の接着剤組成物に含有されるキレートエポキシ樹脂をマレイン酸変性塩素化ポリプロピレンが硬化させ、この2成分の相乗作用で強度が高く耐腐食性が高い接着膜が得られることによるものと発明者は推察する。
【実施例】
【0030】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.接着剤組成物の調製
第1表に示す各成分を、第1表に示す量(単位は質量部)で20℃、65%RHの条件下で混合し、各組成物を調製した。
【0031】
2.接着剤組成物の評価
得られた各組成物について、下記の方法で、常態接着性および塩水接着性を評価した。結果を第1表に示す。
(1)接着テストピースの作製
被着体として縦25mm、横120mm、厚さ5mmのSUS430のステンレス板1枚を使用した。上記で調製した接着剤組成物を、SUS430板の片面全体に乾燥後の塗布厚が5μmとなるように塗布し風乾させ、200℃のオーブンに入れて、1分間加温して接着剤を焼き付け、室温で放冷した。オレフィン系エラストマー(ミラストマー65度品、三井化学社製)を200℃のホットプレス上に置き、溶融させたところに、先に接着剤組成物を焼き付けたSUS430板を乗せ、約30秒間プレス圧着して、約2mm厚のオレフィン系エラストマー膜をSUS430板上に接着した。室温に放冷して冷却した後、接着テストピースとした。
(2)接着性
2−1.常態接着性
上記のようにして得られた接着テストピースを、室温(20℃)、65%RHで24時間放置後、接着テストピースをナイフカットし、手でオレフィン系エラストマー膜をSUS430板からはく離させ、常態接着性を評価した。
2−2.塩水接着性
また、得られた接着テストピースを、室温(20℃)、65%RHで24時間硬化養生させ、次いで50℃の5wt%塩水に10日間浸漬させた後塩水から取り出し、接着テストピースをナイフカットし、手でオレフィン系エラストマー膜をSUS430板からはく離させ、耐水接着性を評価した。
接着性の評価は、オレフィン系エラストマーが材質破壊した場合を○、オレフィン系エラストマーがSUS430面ではく離した場合を×とした。オレフィン系エラストマーが材質破壊した場合は接着剤の接着力が強く、オレフィン系エラストマーがSUS430面ではく離した場合は接着剤の接着力が弱いといえる。
【0032】
【表1】

【0033】
第1表中の各成分の詳細は、以下のとおりである。
(1)ソルベッソ150:エクソンモービル化学製(有機溶剤)
MEK:メチルエチルケトン(有機溶剤)
(2)スーパークロン892LS:マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン、日本製紙ケミカル(株)社製
(3)スーパークロン803MWS:塩素化ポリプロピレン、日本製紙ケミカル(株)社製
(4)アデカレジンEP-49-10:キレートエポキシ樹脂、(株)ADEKA社製
(5)アデカレジンEP-4100E:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(株)ADEKA社製
【0034】
実施例1〜3の組成物は混合後液体の状態であった。得られた接着剤組成物は塗布が容易で、かつ、均一に被着体に塗布することができた。
また、実施例1〜3の接着剤組成物を被着体に塗布し乾燥させるだけで、被着体上に接着剤組成物の均一な膜を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】車体の一部を示す模式図である。
【図2】窓縁モールを示す分解斜視図である。
【図3】シール部材の断面図とモール取付け部にシール部材が取付けられ窓縁モールとして上下動するガラスをシールする様子を説明する断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 モール取付け部
2 車外縁部
3 窓縁モール
5 窓ガラス
6 窓枠
7 車体パネル
8 弾性部材
10 シール部材
12 リップ部
14 板部
16 取付け孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンと、キレートエポキシ樹脂と、溶剤とを含有する接着剤組成物。
【請求項2】
前記溶剤が、高沸点芳香族炭化水素と、メチルシクロヘキサンと、メチルエチルケトンとを含有する非トルエン・キシレン溶剤組成物である請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項3】
前記マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンが5〜20質量部、キレートエポキシ樹脂が0.1〜5質量部、溶剤が60〜200質量部である請求項1または2に記載の接着剤組成物。
【請求項4】
金属基材に、請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤組成物を塗布し、オレフィン系樹脂成形物を接着した接着構造体。
【請求項5】
金属基材に、請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤組成物を塗布し、接着剤組成物を乾燥し、オレフィン系樹脂成形物を接合し、高周波加熱して接着する接着構造体の製造方法。
【請求項6】
マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンと、キレートエポキシ樹脂と、溶剤とを含有する、金属基材と、オレフィン系樹脂またはオレフィン系エラストマーとを接着するための接着剤組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−292853(P2009−292853A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−144536(P2008−144536)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】