説明

変位センサおよび形状測定装置

【課題】簡易な構成であって、測定子の変位を高精度に検出する変位センサを提供する。
【解決手段】測定子200と、測定子200を支持するセンサ本体部300と、を備える。センサ本体部300は、光源421と、受光光学系430と、光束シフト手段600と、を備える。受光光学系430は、光を受光して受光信号を出力する光センサ440と、光センサ440の前段に配設されたスリットプレート450と、を備える。光束シフト手段600は、測定子とともに変位する反射ミラー410と、反射ミラー410と受光光学系430との間に配設された集光レンズ423と、を備える。スリットプレート450は、4本のスリット451〜454を有する。光センサ440は、4つの受光部441〜444に分割され、受光部441〜444ごとに各スリット451〜454を通過した光を受光して受光信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変位センサおよび形状測定装置に関する。例えば、測定子の変位量および変位方向を検出する変位センサおよび形状測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被測定物表面を走査して被測定物の表面性状や立体的形状を測定する測定装置が知られ、例えば、粗さ測定機、輪郭形状測定機、真円度測定機、三次元測定機などが知られている。
このような測定装置において、接触部が被測定物表面に接触した際における接触部の微小変位に基づいて被測定物表面を検出する変位センサとして接触プローブが使用される(特許文献1)。
【0003】
図15に、接触プローブを利用した形状測定装置10の構成を示す。
形状測定装置10は、接触プローブ11と、この接触プローブ11を被測定物表面に沿って三次元的に移動させる駆動機構12と、を備えている。接触プローブ11は、図16に示されるように、先端に接触部14を有するスタイラス13と、スタイラス13の基端を支持するセンサ本体部15と、を備えている。センサ本体部15は、スタイラス13をxp、yp、zp方向の一定の範囲内で変位可能に支持するとともにスタイラス13の変位量を検出する。
【0004】
例えば、センサ本体部は、複数の光源と、これらの各光源に組み合わせられ光の受光位置を検出する複数の光センサとを備え、スタイラスの変位により光源からの光の光路が変化する量を光センサで検出し、複数の光センサによる検出結果を合成してスタイラスの三次元的変位を検出する。
このような複数の光源を備えてスタイラスの三次元的変位を検出するものとして、プローブの軸方向変位を三角測量法の変位センサにより測定するとともに、オートコリメータ光学系によって傾斜を測定するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
このような構成において、接触部14を基準押込量Δrで被測定物表面に当接させた状態で、駆動機構12によって接触プローブ11を被測定物表面に沿って倣い移動させる。
このとき、駆動機構12の駆動量から接触プローブ11の移動軌跡が得られ、接触プローブ11の移動軌跡から被測定物の表面形状が求められる。
【0006】
【特許文献1】特開2000−39302号公報
【特許文献2】特開2000−304529号公報(段落(0014)、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の接触プローブ11では、複数の光源を使用するところ、光源は熱源となるので複数の熱源による熱膨張によって接触プローブの検出精度が低下するという問題が生じる。
また、複数の光源および複数の光センサを使用するので、これら光学部品の個体差を校正する必要があり、非常に手間がかかるうえに高精度化が困難であった。
そして、複数の光源および複数の光センサを使用するので部品コストが増大し、組立コストも高価であった。
【0008】
本発明の目的は、簡易な構成であって、測定子の変位を高精度に検出する変位センサおよびこの変位センサを備える形状測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の変位センサは、測定子と、前記測定子を変位可能に支持するとともに前記測定子の変位量および変位方向を検出するセンサ本体部と、を備え、前記センサ本体部は、前記測定子を変位可能に支持する支持手段と、光を発射する光発射手段と、光を受光して光電変換により受光量に応じた受光信号を出力する光センサおよびこの光センサの前段に配設されたスリットプレートを有する受光光学系と、前記測定子の変位に応じて前記受光光学系に入射する光束の中心位置および光束の光束径の少なくともいずれか一方を変化させる光束シフト手段と、前記受光信号に基づいて前記測定子の変位量および変位方向を算出する演算処理部と、を備え、前記スリットプレートと前記光センサとは光の入射方向からの視認において互いの中心点を一致させて配設され、前記スリットプレートは、前記スリットプレートの中心点を点対称の中心として放射方向に複数設けられたスリットを有し、前記光センサは、中心点を点対称の中心とする放射方向に沿った複数の分割線によって複数の受光部に分割されて、かつ、前記スリットを通過した光を前記受光部ごとに受光して受光量に応じた受光信号を出力することを特徴とする。
【0010】
このような構成において、光発射手段から発射される光は受光光学系にて受光される。受光光学系では、スリットを通過する光が光センサにて受光される。スリットはスリットプレートにおいて放射状に複数設けられ、また、複数の分割線によって光センサが複数の受光部に分割されており、各スリットを通過した光が各受光部で受光される。
ここで、測定子が変位すると、この測定子の変位に応じて光発射手段からの光が光束シフト手段によってシフトされ、受光光学系に入射する光束の中心位置および光束径の両方または一方が変化する。すなわち、光束シフト手段にて中心位置および光束径の少なくともいずれか一方が変化した状態で光がスリットプレートに入射する。すると、光束の中心位置や光束径の変化により各スリットを通過する光の量が異なってくる。各スリットを通過する光の量が異なってくることにより、光センサの受光部で受光する受光光量も異なってくる。
【0011】
例えば、測定子の変位に応じて光束シフト手段により光束が+x方向にシフトされた場合、スリットプレートの+x方向側に位置するスリットを通過する光量は多くなり、逆に−x方向側に位置するスリットを通過する光量は少なくなる。そのため、光センサの+x方向側に位置する分割領域では受光量が多くなり、逆に−x方向側に位置する分割領域では受光光量が少なくなる。あるいは、測定子の変位に応じて光束シフト手段により光束の径が絞られると、スリットプレートにて遮蔽される光が少なくなり、スリットを通過する光量が多くなって、光センサにて受光される光量が多くなる。そして、光センサの各受光部が受光した光量に応じて各受光部から受光信号が出力される。受光信号は演算処理部にて演算処理され、測定子の変位量および変位方向が求められる。
【0012】
このような構成によれば、光源となる光発射手段は一つであり、従来のごとく複数の光源を使用しないので、光源による発熱の影響を少なくして測定子の変位を検出する精度を向上させることができる。また、従来、測定子等の変位を検出するためのその他の構成としては、例えば、3つのリニアエンコーダを3次元的に組み合わせる構成などがあるが、このような構成に比べて本発明はスリットと光センサとの簡易な構成によって測定子の3次元的変位を検出するので、構成部品を非常に少なくして簡易な構成とすることができる。その結果、本発明の変位センサを非常に小型化し、かつ、部品コストや組立コストを非常に低減することができる。
【0013】
なお、スリットの本数や光センサの分割数などは特に限定されない。
【0014】
本発明では、一のスリットが隣接する他のスリットとなす角は90°であることが好ましい。
【0015】
このような構成によれば、スリットプレートの中心から十字状に4つのスリットが設けられる。そして、例えば、この4つのスリットに対応して光センサが十字線によって4つの受光部に分割される。このとき、光センサの十字の分割線を例えばx軸とy軸に対応させると、4つの分割領域から出力される受光信号の変化に基づいて光束の中心位置の変化を二次元直交座標系において算出することができる。さらに、測定子の変位に応じて光束シフト手段により光束径が変化されたことを光センサの受光光量の総和に基づいて検出することにより、x軸y軸に直交するz軸方向の変位の変位を検出することができ、あわせて測定子の三次元的変位を求めることができる。
【0016】
本発明では、前記一のスリットが隣接する他のスリットとなす角は10°以下であることが好ましい。
【0017】
このような構成において、スリットが非常に細かく設けられ、そして、例えば、これらスリットに対応して、光センサが各スリットを通過する光を受光する複数の受光部に分割される。測定子の変位に応じて光束シフト手段により光束の中心位置が変位する場合、光束のシフト方向に位置するスリットを通過する光量が多くなるので、光束のシフト方向に位置する光センサの受光部において受光する光量が多くなる。
【0018】
このとき、スリットおよび光センサの受光部は隣接するスリットあるいは受光部と10°以下の角をなす程度に細密に設けられているので、受光光量が増大した光センサの受光部を特定し、さらに受光光量の増分を特定すれば、複雑な演算を要することなく光束の変化方向および変化量を特定することができる。
その結果、簡便に測定子の変位方向および変位量を求めることができる。
【0019】
なお、スリットプレートに設けられるスリットと光センサの受光部とが一対一に対応している必要はない。例えば、スリットプレートに非常に細かく多くのスリットを設けた場合に、光センサが4分割されていてもよい。このような構成においても、スリットを通過する光量とスリットプレートで反射される光量との比率が中心から遠ざかるにつれて変わっていくので、光センサの各受光部でスリットを通過してくる光の量を検出することにより、測定子の変位量を求めることができる。
【0020】
本発明では、前記光束シフト手段は、前記測定子の変位に応じて変位し前記光発射手段からの光を反射または屈折させる光学素子と、前記光学素子と前記受光光学系との間に配設された集光レンズと、を備えることが好ましい。
【0021】
このような構成において、測定子が変位すると、この測定子の変位に応じて光学素子が変位する。すると、この光学素子による光の反射方向または屈折方向が変化するか、あるいは光学素子の変位により光学素子と集光レンズとの距離が変化する。そして、光学素子からの光は集光レンズを介して受光光学系に入射して受光される。
【0022】
このような構成によれば、測定子の変位に応じた光学素子の変位により光の反射方向あるいは屈折方向が変化すると、受光光学系に入射する光束の中心位置が変位する。
また、測定子の変位に応じた光学素子の変位により光学素子と集光レンズとの距離が変化すると、集光レンズによる光の結像位置が変わってくるので、受光光学系に入射する光束の径が変化する。すなわち、測定子の変位に応じて光学素子を変位させることにより、受光光学系に入射する光束の中心位置および光束径を変化させることができる。そして、この光束の中心位置の変化および光束径の変化を光センサにて検出することにより、測定子の三次元的変位を検出することができる。
【0023】
本発明では、前記光学素子は、前記支持手段を介して前記測定子に付設され前記測定子ととともに変位して位置および反射面角度を変化させる反射ミラーであることが好ましい。
【0024】
このような構成において、測定子の変位によって光学素子である反射ミラーが変位し、反射ミラーの反射面位置および反射面角度が変化する。そして、反射ミラーにて反射された光が集光レンズを介して受光光学系に入射することにより、測定子の変位に応じて受光光学系に入射する光束の中心位置および光束径が変化する。
【0025】
本発明では、前記スリットプレートは、前記光束シフト手段と前記受光光学系とを結ぶ光軸に沿って変位可能に設けられ、前記スリットプレートと前記集光レンズとの間の距離が調整可能であることが好ましい。
【0026】
このような構成において、スリットプレートと集光レンズとの距離を調整することにより、スリットプレートに入射する際の光束の径の大きさを調整することができる。スリットプレートに入射する際の光束の径が調整されることにより、スリットプレートにて遮蔽される光の量とスリットを通過する光の量との割合が調整される。そして、スリットプレートの位置を調整してスリットプレートに入射する光束径を調整することで、集光レンズと光学素子との距離の変化に対し、スリットを通過する光量の変化率を大きくすることができる。すなわち、スリットプレートの位置を調整することにより、集光レンズと光学素子との距離の変化に対する受光信号の変化率を大きくして、測定子の変位を高感度で検出することができる。
【0027】
本発明では、前記支持手段は、弾性を有するプレートであってこのプレートの中心を点対称の中心とした複数の切込み線を有し、前記測定子をこのプレートの中心にて支持することが好ましい。
【0028】
このような構成において、複数の切込み線を有することによりプレートは弾性板バネとして作用する。このプレートにて測定子が支持されることにより、基準位置に復帰する付勢力を付与されつつ変位可能に測定子が支持される。そして、切込み線がプレートの中心を点対称の中心として対称に設けられることにより、測定子に異方性を与えることなく、任意の方向から測定子を変位させた場合でも同一の応力に対する測定子の変位量を同じにすることができる。また、測定子の三次元的変位を許容しつつ測定子を支持する構成としては、ガイドレールとスライダにより構成されるx軸方向スライド機構、y方向スライド機構およびz方向スライド機構を備える構成が知られているが、このような構成では構成が複雑であり、かつ、各方向のスライド機構で異方性が生じやすい。この点、本発明の支持手段は、構成が簡便であり、かつ、異方性なく測定子を変位可能に支持できる。
【0029】
なお、前記光学素子として、この支持手段に反射ミラーを貼り付けてもよい。
【0030】
本発明では、前記光発射手段は、発射する光の強度を所定の周波数で変動させ、前記演算処理手段は、前記光センサからの受光信号を復調することが好ましい。
【0031】
本発明では、前記光発射手段は、発射する光の強度を所定の周波数fで変動させるとともに、さらに前記周波数fを周期的に時間変動する周波数Δf(t)によって変動させ、前記演算処理手段は、前記光センサからの受光信号を復調することが好ましい。
【0032】
このような構成において、例えば変位センサに与えられる振動や電気的ノイズによって受光信号に外乱ノイズが重畳する場合でも、光発射手段からの光の強度を所定周波数で変動させるとともに演算処理手段において光センサからの受光信号を復調させることにより、受光信号に重畳する外乱ノイズ等の影響を排除することができる。
特に、検出分解能を向上させると外乱ノイズの影響を受けやすくなる恐れがあるが、この点、本発明によれば外乱ノイズを排除することができるので検出分解能を向上させ、かつ、精度を向上させることができる。
【0033】
本発明の形状測定装置は、前記変位センサを被測定物に対して相対移動させて前記変位センサを被測定物に当接させる駆動機構と、前記駆動機構による変位センサと前記被測定物との相対変位量を検出する駆動センサと、前記変位センサおよび前記駆動センサによる検出値に基づいて前記被測定物の形状を解析する解析手段と、を備えることを特徴とする。
【0034】
上記変位センサによれば、測定子の変位方向および変位量を検出できるので、被測定物の表面に測定子を所定押込圧で当接させながら倣い移動させて、このときの測定子の軌跡を検出することにより、被測定物表面形状を測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態を図示するとともに図中の各要素に付した符号を参照して説明する。
(第1実施形態)
本発明の変位センサに係る第1実施形態としての接触プローブ100について説明する。
図1は、接触プローブ100の全体構成を示すために内部を透視した斜視図である。
図2は、接触プローブ100を垂直方向に切断した横断面図である。
なお、以下の説明のために図2の紙面上下方向にz軸をとり、紙面左右方向にx軸をとり、紙面垂直方向にy軸をとる。
【0036】
接触プローブ100は、被測定物表面に当接した際に接触圧によって変位する測定子200と、この測定子200を変位可能に支持するとともに測定子200の変位を検出するセンサ本体部300と、を備える。
【0037】
測定子200は、スタイラス210と、このスタイラス210の先端に設けられた接触部220と、を備える。スタイラス210の基端がセンサ本体部300に取り付けられ、測定子200はセンサ本体部300から垂下する状態に支持されている。
なお、測定子200に変位がない基準状態においてスタイラス210の軸線に沿った方向を中心線方向Aと称する。
【0038】
センサ本体部300は、下端面が開口し内部に収納空間311を有する円筒形のハウジング部310と、ハウジング部310の下端側において測定子200の基端側を支持する支持プレート(支持手段)320と、測定子200の変位を検出する変位検出手段400と、を備えている。
【0039】
ハウジング部310は、内部の収納空間311に支持プレート320と、変位検出手段400と、を備えている。ハウジング部310の下端側には、開口を閉塞して内部への塵埃等の侵入を防止する可撓性のシート材312が配設されている。そして、このシート材312を挿通する状態で測定子200が配設されている。
【0040】
支持プレート320は、円形状の金属プレートであり、周端部がハウジング部310に固定されている。そして、支持プレート320の中心において補強板324を介して支持プレート320の下面側に測定子200が取付固定されている。
ここで、図3は、支持プレート320の上面図である。
支持プレート320は、3本の切込み線321、321、321を有し、3本の切込み線321、321、321は支持プレート320の中心C1を点対称の中心として対称に設けられている。各切込み線321は、円弧部322と、直線部323と、を有し、略くの字状に曲がっている。そして、3本の切込み線321、321、321が支持プレート320の中心C1を取り巻いて配置され、一の切込み線321の円弧部322の内側に他の切込み線321の直線部323が位置する。切込み線321の部分において支持プレート320が上下変位可能となり、測定子200がこの支持プレート320の中心に取り付けられることにより測定子200が揺動可能に支持される。
【0041】
変位検出手段400は、測定子200の変位に応じて変位する反射ミラー(光学素子)410と、反射ミラー410に向けて光を照射する照射光学系420と、反射ミラー410からの反射光を受光する受光光学系430と、受光光学系430から出力される受光信号に基づいて測定子200の変位量および変位方向を算出する演算処理部500と、を備える。
反射ミラー410、照射光学系420および受光光学系430は、中心線Aに沿って配列されている。
【0042】
反射ミラー410は、支持プレート320の上面側において支持プレート320の略中心に配設されている。測定子200が変位した際には支持プレート320の中心が測定子200とともに変位するので、反射ミラー410も測定子200の変位に応じて変位し、反射面411の角度が変化する。
【0043】
照射光学系420は、光を発射する光源(光発射手段)421と、光源421からの光を反射ミラー410に向けて反射するハーフミラー422と、ハーフミラー422からの光を反射ミラー410の面上に集光させる集光レンズ423と、を備える。
【0044】
光源421は、ハウジング部310内に固定されており、中心線Aから外れた位置において中心線Aに直交する向きへ光を発射する。ハーフミラー422は、中心線A上に配設され、光源421からの光を反射ミラー410に向けて反射するとともに、さらに、反射ミラー410からの反射光は透過させる。集光レンズ423は、ハーフミラー422と反射ミラー410との間に配設されている。なお、集光レンズ423は、ハウジング部310内に配設された中仕切り板313によってその位置が固定されている。
【0045】
受光光学系430は、反射ミラー410からの光を受光して光電変換により受光信号を出力する光センサ440と、光センサ440と反射ミラー410との間に配設されて反射ミラー410からの反射光のうち光センサ440に入射する光を制限するスリット451〜454を有するスリットプレート450と、を備える。
【0046】
図4は、光センサ440を受光面側から見た図である。
光センサ440は、x軸とy軸とに沿った分割線445によって4分割されており、第1から第4受光部441〜444を備える。ここで、(+y、−x)の位置に配置される受光部を第1受光部441とし、(+y、+x)の位置に配置される第2受光部442とし、(−y、+x)の位置に配置される受光部を第3受光部443とし、(−y、−x)の位置に配置される受光部を第4受光部444とする。スリットプレート450は、集光レンズ423と光センサ440との間において中心線Aに沿って変位可能に配設されている。
【0047】
図5は、スリットプレート450を示す図である。
スリット451〜454は、4本が十字状に刻まれており、第1スリット451が−135°方向に設けられ、第2スリット452が+45°方向に設けられ、第3スリット453が−45°方向に設けられ、第4スリット454が−135°方向に刻まれている。すなわち、スリット451〜454は、光センサ440の分割線445と立体的に交差する関係にある。
【0048】
演算処理部500は、光センサ440の各受光部441〜444から出力される受光信号に基づいて反射ミラー410からの光のシフト方向およびシフト量を算出し、この反射ミラー410からの光のシフト方向およびシフト量に基づいて測定子200の変位量および変位方向を算出する。
【0049】
このような構成を備える接触プローブ100において測定子200の変位量および変位方向を検出する動作について説明する。まず、図6を参照して、測定子200が+z方向に変位する場合に測定子200の変位量および変位方向を検出する動作について説明する。
【0050】
図6は、接触部220が+z方向に変位した状態を示す図である。
接触部220に−z方向から+z方向に向けて応力が作用すると、測定子200が+z方向に押し上げられる。すると、支持プレート320の切込みにおいて支持プレート320が上下変位し、測定子200の+z方向への変位を許容する。測定子200とともに支持プレート320の中心が+z方向に変位することにより、反射ミラー410が+z方向に変位する。
【0051】
光源421から発射される光は、ハーフミラー422および集光レンズ423を介して反射ミラー410に照射されて反射ミラー410により反射されているところ、反射ミラー410の+z方向への変位によって反射位置が+z方向に変位する。すると、反射ミラー410から集光レンズ423を通った光は、測定子200が基準位置に位置するときよりも集光レンズ423側で結像し、この結像位置から広がってスリットプレート450に入射する。
すなわち、スリットプレート450に入射する際の光束径rは、測定子200が基準位置に位置するときの光束径rよりも大きくなる(図7参照)。
【0052】
ここに、反射ミラー410と集光レンズ423とにより、測定子200の変位に応じて受光光学系430に入射する光束の光束径を変化させる光束シフト手段600が構成される。
【0053】
スリットプレート450に入射した光のうちスリット451〜454を通過した光は、光センサ440にて受光される(図8参照)。
つまり、第1スリット451を通過した光は、第1受光部441にて受光され、第2スリット452を通過した光は第2受光部442にて受光され、第3スリット453を通過した光は第3受光部443にて受光され、第4スリット454を通過した光は第4受光部444にて受光される。
【0054】
第1から第4受光部441〜444に光が入射すると第1から第4受光部441〜444より受光量に応じた受光信号が出力され、演算処理部500に入力される。
そして、演算処理部500において受光信号に基づく演算処理が行われて測定子200の変位が算出される。
【0055】
演算処理部500における受光信号に基づく演算について簡単に説明する。
上記の説明のように測定子200が+z方向に変位してスリットプレート450に入射する光束の径rが大きくなったときに光センサ440(第1から第4受光部441〜444)より出力される受光信号の総和をIzとすると、測定子200が+z方向に移動することによる受光信号の変化分ΔIzは次のように表される。
なお、測定子200が基準状態に位置するときに光センサ440から出力される受光信号の総和をIとする。
【0056】
ΔI=(I−I)/I・・・・・・(1)
【0057】
この受光信号の変化分ΔIzに基づいて測定子200のz方向変位が算出される。
【0058】
次に、図9を参照して、測定子200が+x方向に変位する場合に測定子200の変位量および変位方向を検出する動作について説明する。
図9は、接触部220が+x方向に変位した状態を示す図である。
接触部220に−x方向から+x方向に向けて応力が作用すると、測定子200が+x方向に揺動する。このとき、支持プレート320の切込みにおいて支持プレート320が+x方向では上方へ変位し、−x方向では下方に変位して支持プレート320が弾性変形することにより測定子200の+x方向への変位が許容される。
すると、支持プレート320の弾性変形に伴って反射ミラー410が傾斜して反射面411が−x方向側へ傾斜する。
【0059】
光源421から発射される光は、ハーフミラー422および集光レンズ423を介して反射ミラー410に照射されて反射ミラー410により反射されているところ、反射ミラー410の−x方向への傾斜によって光の反射方向が−x方向に変位する。すると、反射ミラー410から集光レンズ423を通った光は、測定子200が基準位置に位置するときよりも−x側で結像し、この結像位置から広がって+x側にシフトしてスリットプレート450に入射する。すなわち、スリットプレート450に入射する際の光束Lxは、測定子200が基準位置に位置するときの光束Lよりも+x側にシフトする(図10参照)。
【0060】
ここに、反射ミラー410と集光レンズ423とにより、測定子200の変位に応じて受光光学系430に入射する光束の中心位置を変化させる光束シフト手段600が構成される。
【0061】
スリットプレート450に入射した光のうちスリット451〜454を通過した光は、光センサ440にて受光される(図11参照)。つまり、第1スリット451を通過した光は、第1受光部441にて受光され、第2スリット452を通過した光は第2受光部442にて受光され、第3スリット453を通過した光は第3受光部443にて受光され、第4スリット454を通過した光は第4受光部444にて受光される。
【0062】
第1から第4受光部441〜444に光が入射すると第1から第4受光部441〜444より受光量に応じた受光信号が出力され、演算処理部500に入力される。そして、演算処理部500において受光信号に基づく演算処理が行われて測定子200の変位が算出される。
【0063】
演算処理部500における受光信号に基づく演算について簡単に説明する。
上記の説明のように測定子200が+x方向に変位してスリットプレート450に入射する光束が+x方向にシフトしたとき各受光部441〜444から出力される受光信号を次のように表す。すなわち、第1受光部441から出力される受光信号をI、第2受光部442から出力される受光信号をI、第3受光部443から出力される受光信号をI、第4受光部444から出力される受光信号をIとする。
なお、第1から第4受光部441〜444より出力される受光信号の総和I(=I+I+I+I)は、測定子200が基準状態に位置するときに光センサ440から出力される受光信号の総和Iに等しい。
ここで、x方向信号Iと、y方向信号Iとを次のように定義する。
【0064】
=(I+I)−(I+I
【0065】
=(I+I)−(I+I
【0066】
すると、光センサ440上における受光像の中心位置(x、y)の変化量(Δx、Δy)は、x方向信号Iおよびy方向信号Iにより次のように表される。
【0067】
Δx=r×I/I・・・・・・(2)
【0068】
Δy=r×I/I・・・・・・(3)
【0069】
演算処理部500は、上記式(1)から式(3)によってΔI、Δx、Δyを算出し、さらに、集光レンズ423、スリットプレート450および光センサ440の配置および光学特性、測定子200の形状や剛性等に基づいて、接触部220の変位方向および変位量を算出する。
【0070】
なお、接触部220が−x方向、±y方向に変位する場合も+x方向に変位する場合と同様にして測定子200の変位を検出する。
【0071】
このような構成を備える第1実施形態によれば次の効果を奏する。
(1)本実施形態の接触プローブ100では、光発射手段である光源421が一つであって、従来のごとく複数の光源421を使用しないので、光源421による発熱の影響を少なくして測定子200の変位を検出する精度を向上させることができる。また、測定子200等の変位を検出するためのその他の構成としては、例えば、3つのリニアエンコーダを3次元的に組み合わせる構成などがあるが、このような構成に比べて、本実施形態では、スリット451〜454と光センサ440との簡易な構成によって測定子200の3次元的変位を検出するので、構成部品を非常に少なくして簡易な構成とすることができる。その結果、接触プローブ100を非常に小型化できるとともに部品コストや組立コストを非常に低減することができる。特に、測定子200、支持プレート320、反射ミラー410は簡易な構成であるので、シリコンエッチングやマイクロ放電加工によりマイクロパーツ化が可能であるので、接触プローブ100を極めて小型化することができる。
【0072】
(2)スリット451〜454が放射状であって異方性がないので、測定子200の変位に応じて光束シフト手段600(反射ミラー410、集光レンズ423)により光束の中心位置が二次元的にどの方向に移動した場合でも、スリット451〜454を通過する光を光センサ440で受光して光束の中心位置(x、y)の変位を等しく検出することができる。さらに、測定子200の変位に応じて光束シフト手段600により光束の径が変化した場合、スリット451〜454を通過する光量の増減を光センサ440にて検出することにより光束径の変化を検出することができる。よって、測定子200の三次元的変位に対応して光束シフト手段600(反射ミラー410、集光レンズ423)により光束の中心位置および光束径が変化されると、この変化を光センサ440にて検出し、測定子200の三次元変位を求めることができる。
【0073】
(3)スリットプレート450の中心から十字状に4つのスリット451〜454が設けられ、4つのスリット451〜454に対応して光センサ440が分割線445によって4つの受光部441〜444に分割されているので、光センサ440の十字の分割線445をx軸とy軸に対応させることにより、4つの受光部441〜444から出力される受光信号の変化に基づいて光束の中心位置の変化を二次元直交座標系において算出することができる。
【0074】
(4)スリット451〜454を光センサ440の前段に設けているので、反射ミラー410からの光束径が変化したことを光センサ440によって検出することができる。すなわち、スリット451〜454が無ければ、光束径が変化しても光センサ440に入射する光量は同じであるところ、スリット451〜454を光センサ440の前段に配設することにより、光束径と光センサ440に入射する光量とを負の相関関係で変化させることができる。よって、光束径の変化を受光信号から検出することにより測定子200のz方向変位を検出することができる。
なお、スリットプレート450上における光束の半径rと、スリット451〜454の幅d(d/2<r)と、第1から第4受光部441〜444より出力される受光信号の総和Iとの関係を具体的に式として表せば次のようになる。
ここで、Iは、スリット451〜454が無い状態における光センサ440からの受光信号の総和を表す。
【0075】
【数1】

【0076】
(5)スリットプレート450が変位可能に設けられているので、集光レンズ423とスリットプレート450との距離を調整して、スリットプレート450上における光束の径(r)を変化させることができる。
例えば、上記の式(5)により、光束の半径rを小さくするようにすれば、測定子200がz方向に変位した際に光束径rが変化することによる受光信号の変化分ΔIが大きくなる。よって、測定子200のz方向変位に対する検出感度を向上させることができる。
【0077】
(6)支持プレート320を介して測定子200に反射ミラー410を付設し、集光レンズ423を介して反射ミラー410からの光を受光光学系430に入射させるので、測定子200のxまたはy方向変位に応じた反射ミラー410の傾斜により光の反射方向が変化すると、受光光学系430に入射する光束の中心位置が変位する。また、測定子200のz方向変位に応じた反射ミラー410の変位により反射ミラー410と集光レンズ423との距離が変化すると、集光レンズ423による光の結像位置が変わってくるので、受光光学系430に入射する光束の径が変化する。すなわち、反射ミラー410が測定子200の変位に応じて変位することにより、受光光学系430に入射する光束の中心位置および光束径を変化させることができる。そして、この光束の中心位置および光束径の変化を光センサ440にて検出して測定子200の変位量および変位方向を求めることができる。
【0078】
(7)複数の切込み線321を有することにより支持プレート320は弾性板バネとして作用し、この支持プレート320にて測定子200に基準位置へ復帰する付勢力を付与しつつ変位可能に支持することができる。そして、切込み線321が支持プレート320の中心Cを点対称の中心として対称に設けられることにより、測定子200に異方性を与えることなく、任意の方向から測定子200を変位させた場合でも同一の応力に対する測定子200の変位量を同じにすることができる。
【0079】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
例えば、上記実施形態では、スリットプレート450には十字状のスリット451〜454が設けられる場合を例にして説明したが、例えば、図12に示すように、スリットプレート460にスリット461を細密に設けてもよい。そして、このスリットプレート460のスリット461を通過してきた光を前記光センサ440で受光し、第1から第4受光部441〜444での受光量に基づいて測定子の変位を算出してもよい。 あるいは、上記のようにスリット461が細密に設けられたスリットプレート460を用いる場合に、図13に示されるように、図12のスリット461に対応して光センサ470の受光部471を細密に設け、各スリット461を通過する光を対応する各受光部471にて受光するようにしてもよい。このような構成において、光束がシフトする方向では受光部471の受光光量が多くなるので、受光光量が増大した受光部471を特定しさらに受光光量の増分を特定すれば、複雑な演算を要することなく光束の変化方向および変化量を特定することができる。なお、光センサ470に代えてCCDを用い、CCDからの受光信号を処理するソフトウェア上において、受光信号を出力するCCD素子を特定して図13に示される光センサ470と同様の出力を得るようにしてもよい。
【0080】
あるいは、光束径が変化したときにスリット451〜454を通過する光量が大きく変化するように、例えば図14に示すように、スリット451〜454の幅が中心部では広く、かつ、末端に向けて狭くなるようにスリット451〜454を設けてもよい。このような構成によれば、光束のシフトに対して光センサ440からの受光信号の変化が大きくなるので、測定子200の変位を検出する感度を非常に高めることができ、検出分解能を向上させることができる。
なお、スリットの形状は限定されず、上記の他、光束径rの変化に対して光センサの受光光量がリニアに変化するようにしてもよい。
【0081】
反射ミラー410としては、反射面411が平面形状であってもよく、あるいは、凸型曲面としてもよい。このように反射ミラー410の反射面411を凸型曲面とすると、反射ミラー410が微小に傾斜するだけで光の反射方向が大きく変化するので、xy方向の検出感度を向上させることができる。
【0082】
光源(光発射手段)421は、光を発射するにあたって、発射する光の強度を所定の周波数で変動させてもよい。さらには、光源421は、発射する光の強度を所定の周波数fで変動させるとともに、さらに周波数fを周期的に時間変動する周波数Δf(t)によって変動させてもよい。この場合、演算処理部500は、光センサ440からの受光信号を所定の復調回路によって復調する。例えば、接触プローブ100に与えられる振動や電気的ノイズによって受光信号に外乱ノイズが重畳する場合でも、光源421からの光の強度を所定周波数で変動させるとともに演算処理部500において光センサ440からの受光信号を復調させることにより、受光信号に重畳する外乱ノイズ等の影響を排除することができる。特に、検出分解能を向上させると外乱ノイズの影響を受けやすくなる恐れがあるが、この点、外乱ノイズを排除することができるので検出分解能を向上させ、かつ、精度を向上させることができる。
【0083】
光学素子としては、反射ミラー410である場合を例にして説明したが、反射ミラー410に限らず、光を屈折させるプリズム等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、変位センサとしての接触プローブに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】第1実施形態において、接触プローブの全体構成を示すために内部を透視した斜視図。
【図2】第1実施形態において、接触プローブを垂直方向に切断した横断面図。
【図3】第1実施形態において、支持プレートの上面図。
【図4】第1実施形態において、光センサを受光面側から見た図。
【図5】第1実施形態において、スリットプレートを示す図。
【図6】第1実施形態において、接触部が+z方向に変位した状態を示す図。
【図7】第1実施形態において、測定子が+z方向に変位した場合にスリットプレートに入射する光束を示す図。
【図8】第1実施形態において、測定子は+z方向に変位した場合に光センサに入射する光束を示す図。
【図9】第1実施形態において、接触部が+x方向に変位した状態を示す図。
【図10】第1実施形態において、測定子が+x方向に変位した場合にスリットプレートに入射する光束を示す図。
【図11】第1実施形態において、測定子が+x方向に変位した場合に光センサに入射する光束を示す図。
【図12】スリットプレートの変形例を示す図。
【図13】光センサの変形例を示す図。
【図14】スリットプレートの変形例を示す図。
【図15】従来技術として接触プローブを利用した形状測定装置の構成を示す図。
【図16】従来技術として接触プローブを示す図。
【符号の説明】
【0086】
10…形状測定装置、11…接触プローブ、12…駆動機構、13…スタイラス、14…接触部、15…センサ本体部、100…接触プローブ、200…測定子、210…スタイラス、220…接触部、300…センサ本体部、310…ハウジング部、311…収納空間、312…シート材、320…支持プレート、321…切込み線、322…円弧部、323…直線部、400…変位検出手段、410…反射ミラー、411…反射面、420…照射光学系、421…光源(光発射手段)、422…ハーフミラー、423…集光レンズ、430…受光光学系、440…光センサ、441…第1受光部、442…第2受光部、443…第3受光部、444…第4受光部、445…分割線、450…スリットプレート、451…第1スリット、452…第2スリット、453…第3スリット、454…第4スリット、460…スリットプレート、461…スリット、470…光センサ、471…受光部、500…演算処理部、600…光束シフト手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定子と、
前記測定子を変位可能に支持するとともに前記測定子の変位量および変位方向を検出するセンサ本体部と、を備え、
前記センサ本体部は、
前記測定子を変位可能に支持する支持手段と、
光を発射する光発射手段と、
光を受光して光電変換により受光量に応じた受光信号を出力する光センサおよびこの光センサの前段に配設されたスリットプレートを有する受光光学系と、
前記測定子の変位に応じて前記受光光学系に入射する光束の中心位置および光束の光束径の少なくともいずれか一方を変化させる光束シフト手段と、
前記受光信号に基づいて前記測定子の変位量および変位方向を算出する演算処理部と、を備え、
前記スリットプレートと前記光センサとは光の入射方向からの視認において互いの中心点を一致させて配設され、
前記スリットプレートは、前記スリットプレートの中心点を点対称の中心として放射方向に複数設けられたスリットを有し、
前記光センサは、中心点を点対称の中心とする放射方向に沿った複数の分割線によって複数の受光部に分割されて、かつ、前記スリットを通過した光を前記受光部ごとに受光して受光量に応じた受光信号を出力する
ことを特徴とする変位センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の変位センサにおいて
一のスリットが隣接する他のスリットとなす角は90°である。
ことを特徴とする変位センサ。
【請求項3】
請求項1に記載の変位センサにおいて、
前記一のスリットが隣接する他のスリットとなす角は10°以下である
ことを特徴とする変位センサ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の変位センサにおいて、
前記光束シフト手段は、
前記測定子の変位に応じて変位し前記光発射手段からの光を反射または屈折させる光学素子と、
前記光学素子と前記受光光学系との間に配設された集光レンズと、を備える
ことを特徴とする変位センサ。
【請求項5】
請求項4に記載の変位センサにおいて、
前記光学素子は、前記支持手段を介して前記測定子に付設され前記測定子ととともに変位して位置および反射面角度を変化させる反射ミラーである
ことを特徴とする変位センサ。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の変位センサにおいて、
前記スリットプレートは、前記光束シフト手段と前記受光光学系とを結ぶ光軸に沿って変位可能に設けられ、前記スリットプレートと前記集光レンズとの間の距離が調整可能である
ことを特徴とする変位センサ。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の変位センサにおいて、
前記支持手段は、弾性を有するプレートであってこのプレートの中心を点対称の中心とした複数の切込み線を有し、前記測定子をこのプレートの中心にて支持する
ことを特徴とする変位センサ。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の変位センサにおいて、
前記光発射手段は、発射する光の強度を所定の周波数で変動させ、
前記演算処理手段は、前記光センサからの受光信号を復調する
ことを特徴とする変位センサ。
【請求項9】
請求項7に記載の変位センサにおいて、
前記光発射手段は、発射する光の強度を所定の周波数fで変動させるとともに、さらに前記周波数fを周期的に時間変動する周波数Δf(t)によって変動させ、
前記演算処理手段は、前記光センサからの受光信号を復調する
ことを特徴とする変位センサ。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれかに記載の変位センサと、
前記変位センサを被測定物に対して相対移動させて前記変位センサを被測定物に当接させる駆動機構と、
前記駆動機構による変位センサと前記被測定物との相対変位量を検出する駆動センサと、
前記変位センサおよび前記駆動センサによる検出値に基づいて前記被測定物の形状を解析する解析手段と、を備える
ことを特徴とする形状測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−155401(P2007−155401A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−348198(P2005−348198)
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】