説明

多官能(メタ)アクリレートを含有する熱硬化性樹脂組成物

【課題】硬化収縮が小さく密着性に優れ、低粘度でかつ、速硬化性の多官能(メタ)アクリレートを用いた熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリグリセリン(平均重合度3〜15)及びアルキレンオキサイド(炭素数2〜4のアルキレンオキサイドであって、付加モル数4〜50)を反応して得られるポリグリセリンアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティング剤、ライニング剤、粘着剤、接着剤、インキ、塗料、光学材料、電子材料、積層板、プリント基板、レジスト材料、半導体封止剤、樹脂、ゴム等の分野で幅広く利用することが可能な多官能(メタ)アクリレート及び該化合物を用いた熱硬化性樹脂組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
反応性化合物である(メタ)アクリレートは、単独で、または他の重合性モノマー、オリゴマー、ポリマー等と混合し、紫外線や放射線等の活性エネルギー線や、熱等を用いて重合させることにより、様々な特性を兼ね備えた優れたポリマーを得ることが出来る。この(メタ)アクリレートは、モノマーの構造や配合等を工夫することにより、目的とする性能を得られるので、コーティング剤、ライニング剤、粘着剤、接着剤、インキ、塗料、光学材料、電子材料、積層板、プリント基板、レジスト材料、半導体封止剤、樹脂、ゴム等様々な分野で利用されている。
【0003】
近年、これらの分野においては、性能だけでなく生産効率や作業性のより良い物が求められており、特に硬化が速く化合物の粘度が低い物が求められている。一般的に、硬化速度を速くするには、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート化合物を使用することが有効であり、粘度を低くするには、低分子単官能の(メタ)アクリレート化合物を配合することが有効である。しかしながら、このような手法を用いた場合、既存の(メタ)アクリレートでは、硬化性と低粘度を両立することが難しいばかりでなく、密着性や硬化収縮などの性能を満足する物は得られなかった。
【0004】
この課題に対し、硬化性と密着性の点では、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの他に多官能化合物であるポリグリセリンのアクリレートを用いることが報告されている(特許文献1)。しかし、これらの場合、硬化性や密着性の点では良好な性能の物が得られるが、粘度が高いため作業性が悪く、樹脂組成物において性能を維持したまま低粘度の配合物に仕上げることは困難であった。また、これらの材料を活用する場合、紫外線や放射線等の活性エネルギー線を用いて硬化させるのが一般的になっているが、新たに活性エネルギー線を照射する設備を導入しなければならない場合も多く、既存の熱硬化設備を利用でき、かつ硬化速度と性能のバランスの良い物は得られていなかった。
【特許文献1】特開2002−037882号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、硬化収縮が小さく密着性に優れ、低粘度でかつ、硬化性の速い多官能(メタ)アクリレート及び該化合物を用いた熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意研究した結果、ポリグリセリン(平均重合度3〜15)及びアルキレンオキサイド(炭素数2〜4のアルキレンオキサイドであって、付加モル数4〜50)を反応して得られるポリグリセリンアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物により上記課題を解決するに至った。
【発明の効果】
【0007】
本発明のポリグリセリンアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレートは、多官能、低粘度であり、優れた熱硬化性を示す。また、この化合物を配合した樹脂組成物は、硬化収縮が小さく密着性に優れ、低粘度でかつ、速硬化性の特徴を持つので、コーティング剤、ライニング剤、粘着剤、接着剤、インキ、塗料、光学材料、電子材料、積層板、プリント基板、レジスト材料、半導体封止剤、樹脂、ゴム等様々な分野で利用することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明では、ポリグリセリン(平均重合度3〜15)に対しアルキレンオキサイド(炭素数2〜4のアルキレンオキサイドであって、付加モル数4〜50)を付加した化合物の(メタ)アクリレートを用いることを特徴とするが、ポリグリセリンの重合度及びアルキレンオキサイドの種類や付加モル数及び(メタ)アクリレートの反応割合により種々の化合物を合成することができるので、以下に説明する。
【0009】
本発明で用いられるアクリレートに使用するポリグリセリンは、水酸基当量で得られる平均重合度が3〜15のものであり、好ましくは同平均重合度が4〜10である。平均重合度が1すなわちグリセリンの場合や平均重合度が2すなわちジグリセリンの場合、硬化速度が遅く好ましくなく、また平均重合度15より大きい場合、目的とするポリグリセリンアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレートの粘度が高くなる等種々の問題があるので好ましくない。
【0010】
本発明で用いられるアクリレートに使用するアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどが挙げられるが、エチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドが好ましく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドは単独でも併用しても良い。アルキレンオキサイドの付加単位数は、ポリグリセリン1モルに対して4〜50モルであり、好ましくは5〜30モルである。付加モル数が4モルより少ない場合、ポリグリセリン骨格の2級のアルコールが増えるため(メタ)アクリレートを反応させることが難しくなり、逆に付加モル数を50より増やすと製造工程中に水洗することが困難である等製造上種々の問題があるので好ましくない。
【0011】
本発明で用いられる(メタ)アクリレートの反応率については、ポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物の水酸基のうち、70%以上反応させることが好ましい。70%より少ないと反応速度が遅くなり、かつ製造工程中に水洗することが困難な場合がある。
【0012】
また、本発明で用いられる(メタ)アクリレートの粘度は、特に限定されるものではないが、配合樹脂の粘度調整や取り扱い上の作業性の点から、25℃での粘度が2000mPa・s以下のものが好ましい。
【0013】
なお、本発明で用いられる(メタ)アクリレートは、樹脂組成物に対し、配合粘度や硬化性、密着性、硬化収縮などの性能が損なわれない限り、任意の割合で配合することが出来る。
【0014】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、本発明で用いられる(メタ)アクリレート以外に他の(メタ)アクリル系モノマーを単独若しくは2種以上併用することも妨げない。他のアクリル系モノマーとしては、例えばテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、2−エチルヘキシルジエトキシ(メタ)アクリレート、水添ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、グリセリンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサ(メタ)アクリレート混合物、ジペンタエリスリトールポリエトキシヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリプロポキシヘキサ(メタ)アクリレート等のモノマー類を挙げることができる。
【0015】
本発明の樹脂組成物は、加熱によって硬化させる際、熱重合開始剤を使用することでより速く硬化させることが出来る。熱重合開始剤としては、公知のどのような熱重合開始剤であっても良い。例えば、有機過酸化物、アゾ化合物等が挙げられ、単独または2種以上を併用することができる。熱重合開始剤を使用する必要がある場合、その使用量は、組成物に対し、好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.1〜5重量%である。重合温度及び重合時間は、ラジカル重合開始剤の種類や配合量、樹脂組成物中の配合物の種類や量等によって、適宜設定し決定することができる。
【0016】
有機過酸化物としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;
1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール類;
p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;
ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド類;
ジイソブチリルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;
ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート類;
1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシ−ベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどのパーオキシエステル類;
t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどのその他のパーオキサイド類等があげられる。
アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビスプロパン、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスプロパン、2,2’−アゾビスイソブタン、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスブタン、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキシルニトリル、2,2’−アゾビスイソブチルアミド、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオン酸メチル、1,1’−アゾ(メチルエチル)ジアセテート、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス−4−シアノバレル酸、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等があげられる。
【0017】
本発明の樹脂組成物は、所望により、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール等の有機溶剤、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、アクリルポリマー等の非反応性高分子樹脂;ポリジアリルフタレート、ポリジアリルイソフタレート等の反応性高分子樹脂;レベリング剤、消泡剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、光安定剤、重合禁止剤等の添加剤;炭酸カルシウム、タルク、シリカ、硫酸バリウム等の無機フィラー等を併用することができる。
【0018】
本発明の樹脂組成物は、加熱によって硬化させる際、公知の方法により、フィルム、ペレット等様々な形態とすることができる。よって、この組成物は、コーティング剤、ライニング剤、粘着剤、接着剤、インキ、塗料、光学材料、電子材料、積層板、プリント基板、レジスト材料、半導体封止剤、樹脂、ゴム等様々な分野で利用することが出来、また、紙、硬質及び可橈性プラスチック、金属基板、セメント、ガラス、石、セラミック、木材、その他を含む広い範囲の基板上へ適用できる。
【実施例】
【0019】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものでない。
【0020】
<合成例1>
温度計、撹拌機、還流冷却管、水分離管、空気吹き込み管を備えた反応器に、トルエン500g、テトラグリセリンのエチレンオキサイド6モル付加物100g(0.17モル)、パラトルエンスルホン酸5g、ハイドロキノン0.1g、アクリル酸150g(2.08モル)仕込み、一定量の空気を吹き込み、かつ撹拌しながらトルエン還流雰囲気まで昇温し、約15時間かけて脱水エステル化反応を行った。反応終了後、60℃まで冷却し、15%NaOH水溶液200gで中和洗浄し、水層を除去した。更に有機層を10%硫安水溶液200gで洗浄し、水層を除去してから、トルエンを減圧留去し、テトラグリセリンのエチレンオキシド6モル付加物のアクリレート化物(A1)145gを得た。得られた生成物の粘度は、440mPa・s(25℃)であった。
【0021】
<合成例2>
テトラグリセリンのエチレンオキサイド6モル付加物をテトラグリセリンのエチレンオキサイド12モル付加物100g(0.12モル)、アクリル酸を102g(1.42モル)に変更した以外は合成例1と同様の反応を行い、テトラグリセリンのエチレンオキサイド12モル付加物のアクリレート化物(A2)128gを得た。得られた生成物の粘度は、370mPa・s(25℃)であった。
【0022】
<合成例3>
テトラグリセリンのエチレンオキサイド6モル付加物をデカグリセリンのエチレンオキサイド24モル付加物100g(0.06モル)、アクリル酸を95g(1.32モル)に変更した以外は合成例1と同様の反応を行い、デカグリセリンのエチレンオキサイド24モル付加物のアクリレート化物(A3)122gを得た。得られた生成物の粘度は、890mPa・s(25℃)であった。
【0023】
<比較合成例1>
テトラグリセリンのエチレンオキサイド6モル付加物をテトラグリセリン100g(0.32モル)、アクリル酸を278g(3.86モル)に変更した以外は合成例1と同様の反応を行い、テトラグリセリンのアクリレート化物(A4)187gを得た。得られた生成物の粘度は、68000mPa・s(25℃)であった。
【0024】
<実施例1〜3、比較例1〜3>
実施例1〜3、比較例1〜3を表1で示すような処方で各成分を混合し、熱硬化性組成物を調整した。表中の数値は重量部を示す。得られた組成物をPETフィルム(厚さ:100μm)に約10μmの厚さで塗布し、次いで110℃の熱風乾燥機中で1時間加熱硬化させた。組成物及び硬化塗膜の各種評価結果を表1に示す。また、実施例中の評価は以下の方法で行った。
【0025】
組成物粘度:調整された組成物を回転粘度計にて25℃下で測定した。尚、粘度測定装置は、東機産業株式会社製のB型粘度計(RB−80H)を用いた。
【0026】
熱硬化性:調整された組成物をPETフィルムに約10μmの厚さで塗布し、次いで110℃の熱風乾燥機中で加熱硬化させた。硬化するまでの時間を測定し評価した。
○・・・15分未満で完全に硬化した。
△・・・15分以上30分未満で完全に硬化した。
×・・・30分以上で完全に硬化した。
【0027】
収縮性:得られた硬化フィルムの反りを目視にて観察した。
○・・・基材のPETフィルムに反りが見られない。
×・・・基材のPETフィルムに反りが見られる。
【0028】
密着性:得られた塗膜の密着性をJIS K 5400に記載された碁盤目テープ法により測定した。
○・・・100升中、全く剥離がみられない。
△・・・100升中、30%未満の剥離が見られる。
×・・・100升中、30%以上の剥離が見られる。
【0029】
【表1】

※1:合成例1に示されるアクリレート
※2:合成例2に示されるアクリレート
※3:合成例3に示されるアクリレート
※4:比較合成例1に示されるアクリレート
※5:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名「DPHA」;日本化薬(株)製)
※6:エトキシ化(エチレンオキサイド3モル付加)グリセリントリアクリレート(商品名「A−GLY−3E」;新中村化学工業(株)製)
※7:ジベンゾイルパーオキサイド(商品名「ルペロックスA75」;アルケマ吉富(株)製)
【0030】
表1の評価結果から、本発明の樹脂組成物は、有機溶剤で希釈せずとも低粘度であり、かつ基材を収縮させることなく、硬化速度が速く、密着性も良好である。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明のポリグリセリンアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレートを配合した樹脂組成物を用いることにより、有機溶剤を使用しなくても低粘度の組成物を得られ、硬化速度が速く、硬化後の硬化収縮が小さく密着性に優れているため、コーティング剤、ライニング剤、粘着剤、接着剤、インキ、塗料、光学材料、電子材料、積層板、プリント基板、レジスト材料、半導体封止剤、樹脂、ゴム等様々な分野で利用することが出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリグリセリン(平均重合度3〜15)及びアルキレンオキサイド(炭素数2〜4のアルキレンオキサイドであって、付加モル数4〜50)を反応して得られるポリグリセリンアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレートを含有する熱硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
一分子中に(メタ)アクリロイル基を4〜17個有する請求項1記載のポリグリセリンアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレートを含有する熱硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
請求項1または2記載のポリグリセリンアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレートの25℃での粘度が2000mPa・s以下である熱硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
重合開始剤を含有する請求項1、2または3記載の熱硬化性樹脂組成物。

【公開番号】特開2008−201955(P2008−201955A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−41256(P2007−41256)
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願人】(390028897)阪本薬品工業株式会社 (140)
【Fターム(参考)】