説明

多層プラスチック燃料タンク

【課題】構造的、強度的に安定した多層プラスチック燃料タンクを提供する。
【解決手段】多層プラスチック燃料タンクであって、多層押出によるブロー成型によって形成され、高密度ポリエチレン(11)からなる第1層(10)と、高密度ポリエチレン(21)およびバリア体(22)からなる第2層と、高密度ポリエチレン(31)からなる第3層(30)が、この順でタンクの内側から外側に向かって積層されており、前記第2層は、前記バリア体として薄板状の多数のポリアミドシート(22)を、前記高密度ポリエチレン内に重ね合わされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガソリン等のハイドロカーボンやアルコール等を収容する多層プラスチック燃料タンクに関し、詳しくは自動二輪車の燃料タンクや、耕耘機、芝刈り機、発電機、草刈り機、運搬機、高圧洗浄機等に使用される燃料タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック製の燃料タンクは、軽量化や低コスト化の要請から自動車や自動二輪車に多く適用されている。
【0003】
樹脂系材料は、材料によっては、燃料タンクに収容されたガソリン等のハイドロカーボンやアルコール等が透過するおそれがある。そこで、従来から、構造強度やコストを維持しつつ、前記物質の透過を防止するために、多くの多層プラスチック燃料タンクの技術が開発されている。
【0004】
例えば、高密度ポリエチレン層、接着材層、ポリアミド層、接着材層および高密度ポリエチレン層の3種5層からなる燃料タンクによって、ガソリンの透過量を低減する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、2層構造で、一の層は機械的強度の高い高密度ポリエチレン層などの樹脂、他の層は機械的強度が高い母材にガソリン等のハイドロカーボンに対する透過阻止率が高いポリアミド系の樹脂を分散させた多層樹脂構造体に関する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】実開平4−345824号公報
【特許文献2】特開2005−246673号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記した3種5層からなる燃料タンクは、接着性が悪いポリアミド層を中間層に含むとともに、二つの接着層の接着工程が含まれるため、生産性の向上を図ることが難しく、また積層構造に対する信頼性も低下するおそれがある。
【0007】
前記した2層構造における他の層のガソリン等のハイドロカーボンの透過阻止は、バリア体であるポリアミド系の樹脂の配置に依存している。すなわち、このポリアミド系樹脂は、高い透過阻止機能を有しており、強化層の厚み方向に進んだガソリン等のハイドロカーボンは、バリア体に到達すると、バリア体を迂回するため、浸入経路が実際の厚みと比較して長大となる。このように母材の厚さがあたかも実際の厚さより大幅に厚くなったような状況となる(例えば、特許文献2参照)。かかる構成は、透過抑制に極めて高い貢献を示す。
【0008】
しかし、一般に、従来技術(例えば、特許文献2 明細書段落[0024])で開示されているブロー成形では、外観不良や強度不足の原因となる2つの樹脂の流れの合流部分に発生する線状の模様であるウェルドラインが発生するおそれがある。ウェルドラインは、パリソン(ブロー成形によって成形された容器やパイプ)の切断部(ピンチオフ部またはピンチ部)に発生しやすく、樹脂が不均一となり、強度を低下させる。
【0009】
前記した2層構造の場合、バリア体としてポリアミド系の樹脂が含まれた層がタンクの内面側に配されている。透過抑制効果を高めるためにポリアミド系樹脂の含有量が増加させると、引張や衝撃等の特性は脆くなる傾向がある。
【0010】
特に、ブロー成形によって形成された2層構造のタンク内面のピンチ部では、ポリアミド系樹脂によって引張や衝撃等の特性が低下し、さらに流動が悪いことから樹脂不均一によってウェルドラインが発生し、強度も低下するおそれがあった。
【0011】
かかる課題を鑑み、本発明は、構造的、強度的に安定した多層プラスチック燃料タンクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態は、多層プラスチック燃料タンクであって、多層押出によるブロー成型によって形成され、高密度ポリエチレンからなる第1層と、高密度ポリエチレンおよびバリア体からなる第2層と、高密度ポリエチレンからなる第3層が、この順でタンクの内側から外側に向かって積層されており、前記第2層は、前記バリア体として薄板状の多数のポリアミドシートを、前記高密度ポリエチレン内に重ね合わされていることを特徴としている。
【0013】
かかる構成によって、第2層の母材に高密度ポリエチレンを適用することによって、すべての層が同材料を含むため、接着材層を設けることなく、多層押出によるブロー成形によって多層構造体を形成することができる。
【0014】
ポリアミドを含んだ高密度ポリエチレンは、ポリアミドの含有量が増加するとともに、引張や衝撃等の特性が脆くなる傾向がある。しかし、前記構成によれば、3層構造として両外側面を高密度ポリエチレンの層とすることにより、厚さ方向に対称な配列となり、強度特性や弾性係数などが安定した構造体とすることができる。
【0015】
さらに、バリア体が混合されることによってウェルドラインを発生させやすいポリアミドを含んだ高密度ポリエチレンの層が表面に露出しないため、ウェルドラインがタンクの表面に発生することを防止し、ピンチ部の強度をも安定させる。
【0016】
また、本発明は、前記した構成に加えて、前記第1層と前記第2層との間および前記第2層と前記第3層との間の一方または両方には、さらに再生材層が介在されるようにしてもよい。ここで、前記再生材層は、前記第1層と前記第3層の裁断等の加工がされたときに生ずる破片等であることが好ましい。
【0017】
再生材層は、裁断などの端切れ等であり、本来廃棄されていたものである。この再生材層を利用することにより、材料の無駄を減らすことができる。さらには、同じ材料の細かいバリ等の破片を再生材層とすることにより、各層はすべて高密度ポリエチレンが母材となることから、特許文献1に記載された通常の接着層とは異なり、溶着によって積層間が強く結びつけられ、信頼性の高い積層構造となる。そして、第1層と第2層および第2層と第3層間に強度部材となる高密度ポリエチレンを任意に付加することができるので、積層体全体としての強度を容易に調整することが可能となり、安定した構造強度を提供することができる。
【0018】
前記第2層は、微細な無機充填材をさらに加えて、前記高密度ポリエチレンに重ね合わされて形成することが好ましく、前記無機充填材は、層状珪酸塩が好適である。
【0019】
ナノオーダー(100nm以下)の微細な無機充填材、いわゆるナノコンポジットを第2層に混合することにより、ハイドロカーボン等の透過防止性をさらに高めることができる。無機充填材としての層状珪酸塩は、母材である高密度ポリエチレンの追従性、流動性を向上させ、ポリアミドシートが一様に配設されやすくする。
【0020】
このように、無機充填材の添加により、流動性をコントロールし安定した多層押出を実現することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、構造的、強度的に安定した多層プラスチック燃料タンクを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
【0023】
図1は本実施形態の積層構造を表す側断面図である。なお、図1において、平面方向をXおよびY、厚さ方向をZとして説明する。
【0024】
図1に示すように、本実施形態は、Z方向に積層された高密度ポリエチレン11からなる第1層10と、高密度ポリエチレン21およびポリアミドシート(バリア体)22からなる第2層20と、高密度ポリエチレン31からなる第3層30と、から構成されている。ポリアミドシート22を含む第2層20の母材にも高密度ポリエチレンが使われているため、すべての層に共通して高密度ポリエチレンが使用されている。このため、特に接着層を設けることなく、各層はブロー成形時に溶着される。
【0025】
母材となる高密度ポリエチレンは、アルコールや水に対する好適なバリア材となるとともに、比強度が優れることから軽量化を図ることができ、またコストも低い。ただし、ガソリン等のハイドロカーボンが材料を透過し、しみ出すという問題があり、高密度ポリエチレンの層だけの燃料タンクでは、例えばカリフォルニア大気資源委員会(CARB California Air Resources Board)のSORE(Small Off−Road Engines)タンクに対する蒸散エミッション(透過エミッション)試験を実施したところ、80cc以上225cc未満のエンジンの燃料タンクに対する燃料透過基準である1.5g/m/day未満(2012年に適用予定)を満たすものではなかった。
【0026】
なお、燃焼透過基準にはアメリカ合衆国の環境政策全般を担当する行政組織であるアメリカ合衆国環境保護庁(EPA)における自動二輪車と汎用のエンジンの燃料タンクに対する燃料透過基準もあるが、前記したCARBによる透過基準の方が厳しいものとなるため、本実施形態の評価ではCARBの透過基準を適用している。
【0027】
第2層20は、母材となる高密度ポリエチレン21の中に複数の薄板状のポリアミドシート22が面方向に配設されている。ポリアミドシート22は、図1に示すように、Z方向の実線矢印HCを遮蔽するように、第2層20の厚さ(Z)方向に重畳して配設されている。かかる構成により、ポリアミドを透過することができないハイドロカーボン(例えば、図1の実線矢印HC)は、図1の破線矢印hcのようにポリアミドシート22を回り込むため、通過のための距離が長くなり、ハイドロカーボンの透過を抑制する。
【0028】
本実施形態の第2層20の一実施例によれば、第1層に相当する1mmの高密度ポリエチレンの層と1mmの第2層を溶着した積層を有するタンク供試体に対して、前記したCARBに基づく透過試験を実施したところ、試験結果は、約1〜1.2g/m/dayであり、1.5g/m/day未満の基準を満足するものであった。従って、さらに第3層に相当する高密度ポリエチレンの層を溶着した本実施形態の場合であっても、透過を抑制する機能が基準を満足するものとなることは言うまでもない。一方、比較例として実施した厚さ3mmの高密度ポリエチレンのみの層を有するタンク供試体では、透過量は約5g/m/dayとなり、基準を満たさないものであった。
【0029】
このように、本実施形態にかかる第2層20のハイドロカーボン等の透過を抑制する機能は、優れたものとなる。
【0030】
前記第2層20は、前記バリア体として薄板状の多数のポリアミドシート22を、前記高密度ポリエチレン内に重ね合わされて形成される。
【0031】
第1層10と、第2層20と、第3層30は、多層押出によるブロー成型によって、この順で積層された成型品となる。
【0032】
ブロー成形は押出成形の応用であり、パリソンの内部に圧縮空気を吹き込み、パリソンを膨張させて、金型の内面に固着させる。それぞれの層10,20,30の母材はすべて熱可塑性樹脂である高密度ポリエチレンであり、ブロー成形による金型への押出によって、各層は溶着され、あえて接着層を設ける必要はない。
【0033】
次に第1層10,第2層20および第3層30の積層と成型について図を参照して詳しく説明する。図2は、多層押出によるブロー成型法の成型工程図の一例である。
【0034】
最初に、第1層、第2層および第3層に使用される材料が、それぞれのホッパーを入れられ、押出機に送られる。押出機では、粒形状の高分子材料となっている各層の材料をスクリューで熔解・混練する。熔解・混練された材料は、円筒状高分子熔解材料であるパリソンとなり、ダイから型へ押し出される(S01 パリソン形成過程)。
【0035】
ここで、図2に示すように、多層押出によってパリソンは外側から第1層、第2層、第3層という位置関係が維持されている。
【0036】
次に、パリソンは型に挟み込まれ、その中に圧縮空気が吹き込まれる。パリソンは、膨張し、型の壁面と接触し、成型品の形状となる(S02 パリソン膨張課程)。
【0037】
膨張が完了すると、パリソンは温度制御された型によって冷却される。その後、型を開いて固化した成型品を取り出す(S03 冷却取り出し過程)。
【0038】
かかる方法で形成された燃料タンクは、外表面にポリアミドシートが露出することはなく、また、最外層は高密度ポリエチレン同士が溶着されることになるので、ピンチ部の強度が低下することもなく、構造的な信頼性を高めることができる。
【0039】
ポリアミドシート22が混入された高密度ポリエチレン21である第2層20は、高密度ポリエチレン11,31のみの第1層10、第3層30と比べ、引張や衝撃の特性が脆くなる傾向にある。これは含有されるポリアミドの影響によるものである。従って、透過防止効果を高めるためにポリアミドの量を増やせば、引張や衝撃等の特性が脆くなり、さらには高密度ポリエチレンなどの他層との溶着部分の強度も低下するおそれがある。
【0040】
さらに、第2層20を外表面の露出した部分に使用すると(例えば、特許文献2参照)、複雑な形状が必要な部分や、タンクの取り付け部や、成型時の突き合わせ部(ピンチ)などで、強度不足や接着力の不足に起因して、剥離、亀裂、破断等の不具合を発生するおそれがある。
【0041】
しかし、本実施形態の構成によれば、第2層20を高密度ポリエチレンの第1層10と第3層30とでサンドイッチするように形成されており、第2層20が外表面に露出しないため、ポリアミドシート22の露出もない。積層の強度に関して述べれば、両外層の高密度ポリエチレン11,31に負荷を受け持たせることができるため、構造設計が容易となる。また、ウェルドラインが発生しにくい構成としていることから、接合面での剥離や表面の亀裂、破断等の不具合の発生の可能性は少なくなる。
【0042】
その他、前記したように、基本的な効果として、高密度ポリエチレンはアルコールや水の透過を防止することができる。従って、最内層である第1層10に高密度ポリエチレンを配設するため、燃料のアルコール成分や水分の透過が効果的に防止される。
【0043】
さらに、多層押出によってブロー成形され、安定したサンドイッチ状の構造が提供できることから、第2層20のバリア体(ポリアミドシート)22のハイドロカーボン透過を防止する能力を最大限に発揮させる。このことは第2層20の薄肉化を図れ、重量の低減とコスト低減化にも貢献する。
【0044】
燃料タンクに取り付けられるバルブ類等は高密度ポリエチレンで形成されていることが多く、最外層である第3層30に使用されている高密度ポリエチレンは、これらの機器と容易に溶着することができる。
【0045】
かかる方法で形成された燃料タンクは、外表面にポリアミドシートが露出することはなく、また、最外層は高密度ポリエチレン同士が溶着されることになるので、ピンチ部の強度が低下することもなく、構造的な信頼性を高めることができる。
【0046】
[第2実施形態]
次に図を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。図3は、図1と同様な方向から見た積層構造を表す側断面図である。
【0047】
第2実施形態は、第1実施形態と異なり、第1層10と第2層20との間に第1再生材層15が配設され、第2層20と第3層30との間に第2再生材層25が配設されている。なお、その他の構成や成型法については第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0048】
再生材とは、前記したように、裁断などの端切れ等であり、本来廃棄されていたものである。この再生材層を利用することにより、材料の無駄を減らすことができる。
【0049】
本実施形態では、第1層10や第3層30の端材である細かいバリ等の破片を適用している。かかる構成により、各層はすべて高密度ポリエチレンが母材となることから、通常の接着層とは異なり、溶着によって積層間が強く結びつけられ、信頼性の高い積層構造となる。
【0050】
ここで、前記したように再生材は端材であり、ひとつ一つの小片、細片が集まって構成されている。したがって、再生材層15,25に適用される小片に注目すると、他の層と比べ、体積あたりの表面積が大きくなり、成型時に熱が伝わりやすく溶融しやすい。このように再生材層15,25の溶融の進み方が早いため接着材層を設けるのと同様な作用効果を得られる。
【0051】
そして、第1層と第2層間および第2層と第3層間に強度部材である高密度ポリエチレンを任意に付加することができるので、層全体としての強度を容易に調整することが可能となり、安定した構造強度を提供することができる。
【0052】
[第3実施形態]
次に図を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。図4は、図1と同様な方向から見た積層構造を表す側断面図である。
【0053】
第3実施形態は、第1実施形態とほぼ類似した積層構造を有しているが、第2層120に微細な無機充填材である層状珪酸塩40が混入されていることが異なっている。なお、その他の構成や成型法については第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0054】
第2層120は、ポリアミドシート22とともに微細な無機充填材である層状珪酸塩40が加えられ、高密度ポリエチレン21に重ね合わされて形成される
図4では、層状珪酸塩40をかなり大きな黒丸で表記しているが、実際はナノオーダー(通常100nm以下)の大きさの微粒子である。
【0055】
熱可塑性樹脂組成物には、物性改良あるいは経済上のメリットから充填材を配合することが好ましい。層状珪酸塩40の他にも好適な充填材があり、例えば、クレー、シリカ、金属酸化物、マイカ、グラファイト、水酸化アルミニウム等の麟片状無機充填材があり、その他にも、各種の金属粉、木片、ガラス粉、セラミックス粉、カーボンブラック、粒状ないし粉末ポリマー等の粒状ないし粉末状固体充填材、その他の各種の天然又は人工の短繊維、長繊維等を配合することが可能となる。
【0056】
さらに、ナノコンポジットとして微細な無機充填材を混合することにより、ハイドロカーボン等の透過防止性を高めることができる。
【0057】
無機充填材として層状珪酸塩を適用することは、母材である高密度ポリエチレンの形成時の追従性、流動性を向上させ、ポリアミドシートが一様に配設されやすくすることにも貢献している。
【0058】
また、無機充填材の添加により、流動性をコントロールし安定した多層押出によるブロー成型を実現することができる。
【0059】
以上、本発明について好適な実施形態を説明した。本発明は、図面に記載したものに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で設計変更が可能である。例えば、各層の厚さは、燃料タンク容器としての構造的な負荷に応じて、適宜設定される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1実施形態の積層構造を表す側断面図である。
【図2】多層押出によるブロー成型法の成型工程図の一例である。
【図3】本発明の第2実施形態の積層構造を表す側断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態の積層構造を表す側断面図である。
【符号の説明】
【0061】
10 第1層
11,21,31 高密度ポリエチレン
15,25 再生材層
20,120 第2層
22 ポリアミドシート
30 第3層
40 層状珪酸塩

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層プラスチック燃料タンクであって、
多層押出によるブロー成型によって形成され、
高密度ポリエチレンからなる第1層と、高密度ポリエチレンおよびバリア体からなる第2層と、高密度ポリエチレンからなる第3層が、この順でタンクの内側から外側に向かって積層されており、
前記第2層は、前記バリア体として薄板状の多数のポリアミドシートを、前記高密度ポリエチレン内に重ね合わされていることを特徴とする多層プラスチック燃料タンク。
【請求項2】
前記第1層と前記第2層との間および前記第2層と前記第3層との間の一方または両方には、さらに再生材層が介在することを特徴とする請求項1に記載の多層プラスチック燃料タンク。
【請求項3】
前記再生材層は、前記第1層と前記第3層が加工されたときに生ずる破片であることを特徴とする請求項2に記載の多層プラスチック燃料タンク。
【請求項4】
前記第2層は、微細な無機充填材をさらに加えて、前記高密度ポリエチレンに重ね合わされて形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の多層プラスチック燃料タンク。
【請求項5】
前記無機充填材は、層状珪酸塩であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の多層プラスチック燃料タンク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−52803(P2010−52803A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−221978(P2008−221978)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(390023917)八千代工業株式会社 (186)
【Fターム(参考)】