説明

多層成形釦、多層成形釦の製造方法、多層成形釦用金型、および射出成形装置

【課題】本発明は、操作機能を示す文字や記号等に対する照明ムラを防止することが可能な多層成形釦を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明による多層成形釦は、両端が開口した筒状を有し、非透過性の成形材料で成形された遮光部4と、遮光部4の一端に嵌合され、かつ、当該一端における開口を覆うように透過性の成形材料で成形された光導部3と、光導部3を覆うように半透過性の成形材料で成形され、遮光部4の他端側からの光を外部から視認可能に表示する表示部2とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば暗所での使用環境時に高輝度の光源を用いることなく、操作機能を示す文字や記号等を均一に照明して表示する多層成形釦、多層成形釦の製造方法、多層成形釦用金型、および射出成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
暗所での使用環境時において、操作釦に示された操作機能を示す文字や記号等を照明して表示させて安全で誤操作の防止が要求される装置として、オーディオ、ナビゲータ等の車載用機器や投射型プロジェクター等の暗所で使用する電子機器がある。オーディオ、ナビゲータ等の車載用機器に備えられた操作釦に示される文字や記号等を照明して表示させるために用いられる光源の輝度は、安全で誤操作の防止が要求されることから、眩しくない程度に視認出来るように低輝度の光源を使用することが条件となる。また、投射型プロジェクター等の操作釦に示された文字や記号等を照明して表示させるために用いられる光源の輝度は、機器が投射する映像画面に影響を与えない程度に視認出来るように低輝度の光源を使用することが条件となる。
【0003】
特に、多機能を搭載した機器では、小型化や操作釦の数の増加に伴い、操作釦を集中的に配置する必要があり、また、上記の機器では、安全上において誤操作の防止が必要となる操作釦の照明色と、機能上において分類が必要となる操作釦の照明色と、通常使用時において使用頻度が高い操作釦の照明色とは、それぞれ分離して、文字や記号等の視認とともに照明色による視認も行えるように配慮された設計となっていることが一般的である。
【0004】
従来、操作釦数の増加や照明色の増加に伴い、安全上において誤操作の防止が必要となる操作釦と、機能上において分類が必要となる操作釦と、通常使用時において使用頻度が高い操作釦とが、互いに隣接して配置されるため、機能や操作別に色設定された照明が漏れ光となり、当該漏れ光が互いに干渉して変色するため、操作釦に表示される文字や記号等に対して照明ムラが生じ、視認しづらくなるという問題が生じていた。
【0005】
例えば、従来の操作釦を構成する多層成形釦において、操作釦は、透光性の高い乳白色の第1の合成樹脂材料であるアクリル樹脂などからなる一次側成形品と、遮光性の黒色の第2の合成樹脂材料であるABS樹脂などからなる二次側成形品とで構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−325663号公報(第4頁、第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、隣接して配置された操作釦の照明が漏れ光となり、当該漏れ光が互いに干渉して変色するため、操作釦に表示される文字や記号等に対して照明ムラが生じ、視認しづらくなるという問題があった。
【0008】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、操作機能を示す文字や記号等に対する照明ムラを防止することが可能な多層成形釦、多層成形釦の製造方法、多層成形釦用金型、および射出成形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明による多層成形釦は、両端が開口した筒状を有し、非透過性の成形材料で成形された遮光部と、遮光部の一端に嵌合され、かつ、当該一端における開口を覆うように透過性の成形材料で成形された光導部と、光導部を覆うように半透過性の成形材料で成形され、遮光部の他端側からの光を外部から視認可能に表示する表示部とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、両端が開口した筒状を有し、非透過性の成形材料で成形された遮光部と、遮光部の一端に嵌合され、かつ、当該一端における開口を覆うように透過性の成形材料で成形された光導部と、光導部を覆うように半透過性の成形材料で成形され、遮光部の他端側からの光を外部から視認可能に表示する表示部とを備えるため、操作機能を示す文字や記号等に対する照明ムラを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態1による多層成形釦の構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態1による多層成形釦の外周部の構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態1による多層成形釦の表示部の構成の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態1による多層成形釦の光導部の構成の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態1による多層成形釦の遮光部の構成の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態1による多層成形釦を実装した場合における構成の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態1による多層成形釦の遮光部の製造工程を示す図である。
【図8】本発明の実施形態1による多層成形釦の光導部の製造工程を示す図である。
【図9】本発明の実施形態1による多層成形釦の表示部の製造工程を示す図である。
【図10】本発明の実施形態1による多層成形釦の外周部の製造工程を示す図である。
【図11】本発明の実施形態1による金型および成形機のレイアウトを示す図である。
【図12】本発明の実施形態1による金型および成形機のレイアウトを示す図である。
【図13】本発明の実施形態1による金型および成形機のレイアウトを示す図である。
【図14】本発明の実施形態2による多層成形釦の構成の一例を示す図である。
【図15】本発明の実施形態2による多層成形釦の遮光部の構成の一例を示す図である。
【図16】本発明の実施形態2による多層成形釦の光導部の構成の一例を示す図である。
【図17】本発明の実施形態2による多層成形釦の表示部の構成の一例を示す図である。
【図18】本発明の実施形態2による多層成形釦の外周部の一例を示す図である。
【図19】本発明の実施形態4による多層成形釦の構成の一例を示す図である。
【図20】本発明の実施形態5による多層成形釦の構成の一例を示す図である。
【図21】前提技術による多層成形釦の一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図22】前提技術による多層成形釦の使用の一例を示す図である。
【図23】前提技術による図22の切断面線A−Aから見た断面図である。
【図24】前提技術による多層成形釦の構成と表示の一例を示す図である。
【図25】前提技術による多層成形釦の構成と表示の一例を示す図である。
【図26】前提技術による多層成形釦の構成と表示の一例を示す図である。
【図27】前提技術による多層成形釦を上下に配置した場合における構成の一例を示す図である。
【図28】前提技術による図27における表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について、図面に基づいて以下に説明する。
【0013】
〈前提技術〉
まず、本発明の前提となる技術(特許文献1)について説明する。
【0014】
以下、前提技術による多層成形釦の構成について、図21〜23を用いて説明する。
【0015】
図21は、前提技術による操作釦121(多層成形釦)の一部を切り欠いて示す斜視図である。図21に示すように、操作釦121は、光量の比較的少ない場所で使用される場合がある車載用の電子機器などに対して、操作性を改善するために一般的に用いられている。操作釦121は、透光性の高い乳白色の第1の合成樹脂材料であるアクリル樹脂などから成る一次側成形品122と、遮光性の黒色の第2の合成樹脂材料であるABS樹脂などから成る二次側成形品123とで構成されている。
【0016】
一次側成形品122の前面側には、操作釦121が連動している電子機器の機能名を示す一連の文字、記号、たとえば「TAPE」、「AM」等になぞらえた隆起部119a,119bが突出して形成されており、一次側成形品122の背面からは角柱状の連動片120が延びている。
【0017】
二次側成形品123は、隆起部119a,119bの前面119c,119d以外の残余の部分を覆って形成され、操作釦121の前面121aには、隆起部119a,119bの前面119c,119dが面一に露出している。また、二次側成形品123の外周壁からは、フランジ118が外側に向けて突出して形成されている。また、一次側成形品122の中央部を分断するように形成された貫通孔150には、二次側成形品123に一体成形される遮光壁126の基端部126aが貫通している。さらに、二次側成形品123の外周縁部からは、取付片145が一体で形成される。
【0018】
図22は、前提技術による操作釦121の使用の一例を示す図であり、実際に電子機器144に配置された構成図である。図22に示すように、操作釦121は、電子機器144の前面板127に取付けられている。
【0019】
図23は、前提技術による図22の切断面線A−Aから見た断面図である。図23に示すように、操作釦121は、取付片145の挿通孔145aに前面板127の背後側に立設された取付柱146が挿通された後、その先端146aが熱溶着されることによって前面板127の挿通孔127aに取付けられる。また、取付片145において二次側成形品123との連結部付近は、薄肉部145bに形成されており、したがって操作釦121は前面板127に揺動変位自在に支持される。
【0020】
電子機器144の内部には、発光ダイオード等で実現される光源124a,124b、およびスイッチ130などが実装された配線基板129が設けられている。連動片120は、スイッチ130のアクチュエータ130aの上面に当接しており、操作釦121が押圧されるとアクチュエータ130aが連動片120によって押圧変位され、スイッチ130のスイッチング状態が変化される。操作釦121は、押圧力を解除する方向のアクチュエータ130aの弾発力によって前面板127の挿通孔127aから一定長だけ突出した状態で、フランジ118によって抜け止めが行われている。
【0021】
スイッチ130のスイッチング動作によって、光源124a,124bは、例えば相互に切換わって点灯される。光源124a,124bの前面側には、透孔128a、128bが形成された遮光板128が設けられている。連動片120は、透孔128bを挿通し、また光源124a,124bからの光束は、透孔128a、128bを通過して照射光142,143のように、一次側成形品122に対応する背面122c、122dをそれぞれ照射する。
【0022】
このように、前提技術による操作釦121では、光源124a,124bからの光束である照射光142,143は、一次側成形品122の背面122c,122dにそれぞれ照射され、背面122c,122d間を分断するように形成された遮光壁126および基端部126aによって、背面122d,122c側に構造的に漏光されている。
【0023】
次に、前提技術による多層成形釦の問題点について、図24〜28を用いて以下に説明する。
【0024】
図24は、前提技術による操作釦121(多層成形釦)の構成と表示の一例を示す図である。図24(a)の左側は操作釦121を正面から見た図を示し、右側は図23と同図である。図24に示すように、隆起部前面119cを矢視Jの方向から視認すると遮光壁126を見ることになり、隆起部前面119cの上部に影のような照明ムラ200が発生するという問題がある(図24(b))。また、隆起部前面119cを矢視Kの方向から視認すると一次側成型品122を透かして二次側成形品123見ることになり、隆起部前面119cの下部に影のような照明ムラ200が発生するという問題がある(図24(c))。
【0025】
同様に、隆起部前面119dを矢視Lの方向から視認すると角柱状の連動片120を透かして二次側成形品123見ることになり、隆起部前面119d上部に影のような照明ムラ200が発生するという問題がある(図24(d))。また、隆起部前面119dを矢視Mの方向から視認すると遮光壁126を見ることになり、隆起部前面119dの下部に影のような照明ムラ200が発生するという問題がある(図24(e))。
【0026】
図25は、前提技術による操作釦121の構成と表示の一例を示す図である。図25(a)の左側は操作釦121を正面から見た図を示し、右側は図23と同図である。図25に示すように、隆起部前面119cを矢視Nの方向から視認すると遮光板128を見ることになり、隆起部前面119cの上部に影のような照明ムラ200が発生するという問題がある(図25(b))。また、隆起部前面119cを矢視Pの方向から視認すると遮光板128を見ることになり、隆起部前面119cの下部に影のような照明ムラ200が発生するという問題がある(図25(c))。
【0027】
同様に、隆起部前面119dを矢視Qの方向から視認すると遮光板128を見ることになり、隆起部前面119dの上部に影のような照明ムラ200が発生するという問題がある(図25(d))。また、隆起部前面119dを矢視Rの方向から視認すると遮光板128を見ることになり、隆起部前面119dの下部に影のような照明ムラ200が発生するという問題がある(図25(e))。
【0028】
図26は、前提技術による操作釦121の構成と表示の一例を示す図である。図26(a)の左側は操作釦121を正面から見た図を示し、右側は図23と同図である。図26(a)に示すように、光源124aから照射された光束である照射光142のうち、隆起部前面119cを透過する照射光142以外は、一次側成形品122の背面122cや二次側成形品123で反射した戻り光201a,201bとなり、当該戻り光201a,201bが遮光板128に当り反射光202a,202bとなる。そのため、隆起部前面119cを矢視Sの方向から視認すると遮光板128の反射光202aを見ることになり、隆起部前面119cの上部に影のような照明ムラ200が発生するという問題がある(図26(b))。また、隆起部前面119cを矢視Tの方向から視認すると遮光板128の反射光202bを見ることになり、隆起部前面119cの下部に影のような照明ムラ200が発生するという問題がある(図26(c))。
【0029】
また、光源124bから照射された光束である照射光143のうち、隆起部前面119dを透過する照射光143以外は、一次側成形品122の背面122dや二次側成形品123で反射した戻り光201c,201dとなり、当該戻り光201c,201dが遮光板128に当り反射光202c,202dとなる。そのため、隆起部前面119dを矢視Uの方向から視認すると遮光板128の反射光202cを見ることになり、隆起部前面119dの上部に影のような照明ムラ200が発生するという問題がある(図26(d))。また、隆起部前面119dを矢視Xの方向から視認すると遮光板128の反射光202dを見ることになり、隆起部前面119dの下部に影のような照明ムラ200が発生するという問題がある(図26(e))。
【0030】
また、図26(a)に示すように、操作釦121と遮光板128との間に隙間が存在するため、一次側成形品122の背面122cや二次側成形品123で反射した戻り光201a,201bが遮光板128に当り反射光202a,202bとなり、当該反射光202a,202bは漏れ光203a,203bとして操作釦121の周囲に発生する。また、一時側成型品122の背面122dや二次側成型品123で反射した戻り光201c,201dが遮光板128に当り反射光202c,202dとなり、反射光202cは連動片120を透過した漏れ光03dとして操作釦121の周辺に発生し、反射光202dは漏れ光203c,203dとして操作釦121の周囲に発生する。このように、操作釦121の周囲に漏れ光が発生するという問題がある。
【0031】
また、前提技術による操作釦121は、図23に示すような構成であるため、光源124aから照射された光束である照射光142を赤色として隆起部前面119cを透過させれば隆起部前面119cを赤色として表示させ、光源124bから照射された光束である照射光143を青色として隆起部前面119dを透過させれば隆起部前面119dを青色として表示させることが可能である。しかし、照射光142を赤色とし、照射光143を青色とした場合は、上記の図24〜26にて示されるような問題が顕著になる。また、上述のように、前提技術では、単数の操作釦121の使用に限定されている。このような前提技術における問題点について、図27を用いて以下に説明する。
【0032】
図27は、前提技術による多層成形釦(操作釦121,206)を上下に複数配置し、操作機能を示す文字や記号等を照明する照明色を4色調使用した場合における構成の一例を示す図である。また、図28は、前提技術による図27における表示の一例を示す図である。
【0033】
図27に示すように、紙面上下方向に配置された操作釦121,206の各々は、上側に配置された操作釦121の光源124aから照射された光束である照射光142を赤色として隆起部前面119cを透過させて隆起部前面119cを赤色として照明し、光源124bから照射された光束である照射光143を青色として隆起部前面119dを透過させて隆起部前面119dを青色として照明している。また、下側に配置された操作釦206の光源124cから照射された光束である照射光142aを白色として隆起部前面119eを透過させて隆起部前面119eを白色として照明し、光源124dから照射された光束である照射光143aを橙色として隆起部前面119fを透過させて隆起部前面119fを橙色として照明している。
【0034】
上述の図26を用いて説明したように、図27に示すように、操作釦121の光源124aから照射された光束である赤色の照射光142のうち、隆起部前面119cを透過する照射光142以外は、一次側成形品122の背面122cや二次側成形品123で反射した赤色の戻り光201aとなり、当該戻り光201aが遮光板128に当り赤色の反射光202aとなる。前提技術による操作釦(多層成形釦)では、操作釦121と遮光板128との間に隙間が存在するため、赤色の反射光202aが原因として赤色の漏れ光203bが発生する。一方、操作釦121の光源124bから照射された光束である青色の照射光143のうち、隆起部前面119dを透過する照射光143以外は、一次側成形品122の背面122dや二次側成型品123で反射した青色の戻り光201dとなり、当該戻り光201dが遮光板128に当り青色の反射光202dとなる。この青色の反射光202dが原因として青色の漏れ光が発生する。
【0035】
前提技術による操作釦では、図27に示すように、赤色の反射光202aと青色の反射光202dとを遮光壁126で遮光することが出来ないため、遮光板128上の反射光は、赤色と青色とが混色した混色反射光202eとなる。そのため、矢視AAの方向から隆起部前面119cを視認し、矢視DDの方向から隆起部前面119dを視認すると、隆起部前面119cの上部に赤色と青色が混色したような照明ムラ200aが発生し(図28(a))、隆起部前面119dの下部に赤色と青色が混色したような照明ムラ200aが発生する(図28(d))という問題がある。
【0036】
また、操作釦121の光源124bより照射された光束である青色の照射光143のうち、隆起部前面119dを透過する照射光143以外は、一次側成形品122の背面122dで反射した青色の戻り光201cが遮光板128に当り青色の反射光202cとなり、当該青色の反射光202cが連動片120を透過して青色の漏れ光203cとして操作釦121の周囲に発生する。一方、操作釦206の光源124cから照射された光束である白色の照射光142aのうち、隆起部前面119eを透過する白色の照射光142a以外は、一次側成形品122の背面122eで反射した白色の戻り光201fが遮光板128に当り白色の反射光202fとなり、当該白色の反射光202fが白色の漏れ光203gとして操作釦206の周囲に発生し、この白色の漏れ光203gと青色の漏れ光203cとが合成して薄青色の合色光205となる。そのため、矢視CCの方向から隆起部前面119dを視認すると隆起部前面119d上部に薄青色のような照明ムラ200bが発生するという問題がある(図28(c))。
【0037】
操作釦121の光源124aから照射された光束である赤色の照射光142のうち、隆起部前面119cを透過する赤色の照射光142以外は、一次側成形品122の背面122cで反射した赤色の戻り光201bとなり、当該戻り光201bが遮光板128に当り赤色の反射光202bとなり赤色の漏れ光203bが発生する。上述の通り、操作釦121と遮光板128との間に隙間が存在するため、図27に示すような操作釦の構成では、赤色、青色、白色、および橙色の全色が影響した迷光204が発生する。そのため、操作釦121を矢視BBの方向から隆起部前面119cを視認すると、隆起部前面119cの下部に赤色と迷光204とが混色した影のような照明ムラ200が発生するという問題がある(図28(b))。
【0038】
同様に、操作釦206の光源124cから照射された光束である白色の照射光142aのうち、隆起部前面119eを透過する照射光142a以外は、一次側成形品122の背面122eや二次側成形品123で反射した白色の戻り光201gとなり、当該戻り光201gが遮光板128に当り白色の反射光となる。図27に示される構成では、操作釦206と遮光板128との間に隙間が存在するため、白色の反射光が原因となって白色の漏れ光が発生する。一方、操作釦206の光源124dから照射された光束である橙色の照射光143aのうち、隆起部前面119fを透過する照射光143a以外は、一次側成形品122の背面122fや二次側成型品123で反射した橙色の戻り光201jとなり、当該戻り光201jが遮光板128に当り橙色の反射光となる。この橙色の反射光が原因として橙色の漏れ光が発生する。図27に示すように、上記の白色の反射光と橙色の反射光とを遮光壁126で遮光することが出来ないため、遮光板128上の反射光は、白色と橙色が混色した混色反射光202gとなる。そのため、矢視EEの方向から隆起部前面119eを視認し、矢視HHから隆起部前面119fを視認すると、隆起部前面119eの上部に白色と橙色が混色したような薄橙色の照明ムラ200cが発生し(図28(e))、隆起部前面119fの下部に白色と橙色が混色したような薄橙色の照明ムラ200cが発生する(図28(h))という問題がある。
【0039】
また、操作釦121の光源124bから照射された光束である青色の照射光143のうち、隆起部前面119dを透過する照射光143以外は、一次側成形品122の背面122dに反射した青色の戻り光201cが遮光板128に当たって青色の反射光202cとなり、当該青色の反射光202cが連動片120を透過した青色の漏れ光203cとして操作釦121の周囲に発生する。一方、操作釦206の光源124cから照射された光束である白色の照射光142aのうち、隆起部前面119eを透過する白色の照射光142a以外は、一次側成形品122の背面122dに反射した白色の戻り光201fが遮光板128に当り白色の反射光202fとなり、当該白色の反射光202fが白色の漏れ光203gとして操作釦206の周囲に発生する。上記の青色の漏れ光203cと白色の漏れ光203gとが合成して薄青色の迷光204が発生する。そのため、矢視FFの方向から隆起部前面119eを視認すると、隆起部前面119e下部に薄青色のような照明ムラ200bが発生するという問題がある(図28(f))。
【0040】
また、操作釦206の光源124dから照射された光束である橙色の照射光143aのうち、隆起部前面119fを透過する照射光143a以外は、一次側成形品122の背面122fで反射した橙色の戻り光201hとなり、当該戻り光201hが遮光板128に当り橙色の反射光202hとなる。この反射光202hが原因となって橙色の漏れ光203hが発生する。橙色の漏れ光203hは連動片120を透過して操作釦206の周囲に発生する。そして、連動片120を透過した橙色の漏れ光203hと、上述の迷光204とが連動片120を再透過して溜り光である合色光205を発生する。そのため、矢視GGから隆起部前面119fを視認すると、隆起部前面119fの上部に橙色と迷光204とが混色した影のような照明ムラ200が発生するという問題がある(図28(g))。
【0041】
上記より、前提技術による操作釦(多層成形釦)では、光源の光束の強弱に関らず、隣接して配置された操作釦の照明が漏れ光となり、当該漏れ光が互いに干渉して変色するため、操作釦に表示される文字や記号等に対して照明ムラが生じ、視認しづらくなるという問題があった。
【0042】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、以下に詳細について説明する。
【0043】
〈実施形態1〉
まず、本実施形態1による操作釦5(多層成形釦)の構成について説明する。
【0044】
図1は、本実施形態1による操作釦5の構成の一例を示す図である。図1(a)は操作釦5の構成を示し、図1(b)は照明の動作を示した図である。また、断面A−Aおよび断面B−Bの各々は、当該各断面での操作釦5の断面図を示している。
【0045】
図1に示すように、本実施形態1による操作釦5は、当該操作釦5の意匠外観部分である外周部1と、操作機能を示す文字や記号等の表示部分である表示部2と、光源6から照射された光束7を均一化する光導部3と、漏れ光を遮光する遮光部4とによって一体構成されている。
【0046】
外周部1は、表示部2を覆うように黒色の非透過性の成形材料で成形されている。また、表示部2の一部が露出するように穴文字部1aが形成されている(図2参照)。
【0047】
表示部2は、光導部3を覆うように乳白色の半透過性の成形材料で成形され、光源6からの光を外部から視認可能に表示する。また、表示部2は、文字や記号等の表示部分である文字部2aと、光源の光束を反射する反射壁2bと、光源の光束を反射する反射面2cとを備えている(図3参照)。
【0048】
光導部3は、遮光部4の一端に嵌合され、かつ、当該一端における開口を覆うように透明な透過性の成形材料で成形されている。また、光導部3は、光源6から照射された光束7を受光する受光部3aを備えている(図4参照)。
【0049】
遮光部4は、両端が開口した筒状を有し、黒色の非透過性の成形材料で成形されている。また、遮光部4は、漏れ光を遮光するとともに機能切換用スイッチ(後述)を押すリブ部4aと、成形時に光導部3と密着され受光部3aを保持する穴4bとを備える(図5参照)。
【0050】
図1(b)に示すように、光源6から照射された光束7は、遮光部4に設けられたリブ4aによって光束7の漏れ光7aを遮光されながら、遮光部4の穴4bに保持された受光部3aを介して光導部3に入射する。光導部3の周囲には、外周部1によって光束7が減光されないように、表示部2に設けられた反射壁2bが囲むように形成されている。また、光導部3の上部も同様に、外周部1によって減光されないように、表示部2に設けられた反射面2cが囲むように形成されており、反射面2cの上部には文字部2aが設けられている。
【0051】
光導部3に入射した光束7は、表示部2に設けられた反射面2c上の文字部2aを照明する。このとき、反射面2cで反射された光束7の戻り光7cは、光導部3に再入射して光導部3内の光量を増加させる。また、反射壁2bで反射した光束7の反射光7bも同様に、光導部3に再入射して光導部3内の光量を増加させる。そして、光源6から照射された光束7と、光束の反射光7bと、光束の戻り光7cとの作用によって、表示部2に設けられた反射面2cに光源の照明色と同じ色調の光束の溜り光7cが発生する。そのため、矢視Nまたは矢視Pから文字部2aを視認すると、反射面2cの光源の照明色と同じ色調の光束の溜り光7cを視認することができ、照明ムラのない文字部2aを視認することができるという効果が得られる。また、遮光部4に設けられたリブ部4aは、操作釦5の周囲に発生した周辺の漏れ光7eの光導部3への入射を防止しているため、より大きな効果が得られる。
【0052】
なお、図1において、文字部2aに合わせて形成された外周部1の開口部の面と、文字部2aの外周部1側の面とは平面(面一)であるとして説明したが、文字部2aの外周部1側の面が凹R面あるいは凸R面であってもよく、また、外周部1の開口部の面が凹R面あるいは凸R面であっても上記と同様の効果が得られる。
【0053】
次に、本実施形態1による操作釦5の実装について説明する。
【0054】
図6は、本発明の実施形態1による操作釦5を実装した場合における構成の一例を示す図である。図6に示すように、操作釦5は図1に示す構成と同じであり、表示部2aは「H」の文字が示されている。また、操作釦5bも図1に示す構成と同じであり、表示部2aは「L」の文字が示されている。
【0055】
機器の外観である意匠外観部8は、操作釦挿入穴8aと、意匠外観部裏面8bと、押さえ部材取付用ボス8cとを設けている。操作釦5,5aの各々は、操作釦挿入穴8aに挿入され、操作釦5,5aの外周部1が意匠外観部8の意匠外観部裏面8bに当接する位置に初期設定されている。
【0056】
バネ部材9は、操作釦5,5aの遮光部4に設けられているリブ4aをガイドとして、釦操作によって指押(押下)された操作釦5,5aを初期の設定位置まで復帰させるための非透過性の発泡部材等である。
【0057】
押さえ部材10は、バネ部材9を押えて意匠外観部8に取付けるために設けられており、基板取付用ボス10aを備えている。
【0058】
スイッチ12は、基板11に設けられた機能切換用のスイッチである。また、基板11には光源6も設けられている。
【0059】
取付ネジ13は、バネ部材9を押えて意匠外観部8に取付けるための押さえ部材10を取付け、また、押さえ部材10に基板11を取付けるために設けられている。
【0060】
上記のように実装されている操作釦5aを図中の白抜き矢印の方向(紙面下方向)に押下すると、操作釦5aのリブ4aが基板11に設けられたスイッチ12を押圧して機能の切換を行う。また、操作釦5aの押下を開放すると、バネ部材9が操作釦5aを押し上げて初期設定位置に復帰させる。図6に示すように実装された操作釦5では、図1(b)にて説明したように、表示部2の反射面2cに光源の照明色と同じ色調の光束7の溜り光7cが発生するため、照明ムラのない文字部2aを視認することができるという効果が得られる。また、遮光部4に設けられたリブ部4aは、操作釦5,5aの周囲に発生した周辺の漏れ光7eの光導部3への入射を防止しているため、より大きな効果が得られる。
【0061】
次に、本実施形態1による金型を用いた操作釦5(多層成形釦)の製造方法について説明する。
【0062】
図7は、本実施形態1による遮光部4の製造工程を示す図である。図7に示すように、遮光部4は、コア部を構成する金型(以下、コア部金型という)であるコア部金型14(コア部金型)と、キャビ部を構成する金型(以下、キャビ部金型という)であるキャビ部金型15(第1のキャビ部金型)とを用いて成形される。図7(a)に示すように、コア部金型14とキャビ金型部15とを互いに接触(型締め)した状態で、キャビ部金型15のランナー15aからゲート4cを介して黒色の非透過性の成形材料が充填され、遮光部4が成形される。図7(a)にて充填が完了すると、図7(b)に示すように、コア部金型14とキャビ部金型15とを離間させる。このとき、コア部金型14には遮光部4が残った状態となる。
【0063】
図8は、本実施形態1による光導部3の製造工程を示す図である。図8に示すように、光導部3は、コア部金型14とキャビ部金型16(第2のキャビ部金型)とを用いて成形される。図8(a)に示すように、図7に示す工程の後、コア部金型14に遮光部4が残った状態で、当該コア部金型14とキャビ部金型16とを互いに接触(型締め)した状態で、キャビ部金型16のランナー16aから遮光部4のゲート4cの上の光導部3のゲート3bを介して透明な透過性の成形材料が充填され、遮光部4の上に光導部3が一体成形される。図8(a)にて充填が完了すると、図8(b)に示すように、コア部金型14とキャビ部金型16とを離間させる。このとき、コア部金型14には遮光部4および光導部3が残った状態となる。なお、図8(c)は、図8(b)のX部を紙面正面から見た図であり、図8(d)は、図8(b)のX部を紙面右側から見た図である。
【0064】
図9は、本実施形態1による表示部2の製造工程を示す図である。図9に示すように、表示部2は、コア部金型14とキャビ部金型17(第3のキャビ部金型)とを用いて成形される。図9(a)に示すように、図8に示す工程の後、コア部金型14に遮光部4および光導部3が残った状態で、当該コア部金型14とキャビ部金型17とを互いに接触(型締め)した状態で、キャビ部金型17のランナー17aから光導部3のゲート3bの上の表示部2のピンゲート2dを介して乳白色の半透過性の成形材料が充填され、光導部3の上に表示部2が一体成形される。図9(a)にて充填が完了すると、図9(b)に示すように、コア部金型14とキャビ部金型17とを離間させる。このとき、コア部金型14には遮光部4、光導部3、および表示部2が残った状態となる。なお、図9(c)は、図9(b)のY部を紙面正面から見た図であり、図9(d)は、図9(b)のY部を紙面右側から見た図である。
【0065】
図10は、本実施形態1による外周部1の製造工程を示す図である。図10に示すように、外周部1は、コア部金型14とキャビ部金型18(第4のキャビ部金型)とを用いて成形される。図10(a)に示すように、図9に示す工程の後、コア部金型14に遮光部4、光導部3、および表示部2が残った状態で、当該コア部金型14とキャビ部金型18とを互いに接触(型締め)した状態で、キャビ部金型18のランナー18aから表示部2のピンゲート2dの上の外周部1のピンゲート1bを介して黒色の非透過性の成形材料が充填され、表示部2の上に外周部1が一体成形される。図10(a)にて充填が完了すると、図10(b)に示すように、コア部金型14とキャビ部金型18とを離間させる。このとき、コア部金型14には遮光部4、光導部3、表示部2、および外周部1が残った状態となる。なお、図10(c)は、図10(b)のZ部を紙面正面から見た図であり、図10(d)は、図10(b)のZ部を紙面右側から見た図である。
【0066】
上記の工程(図7〜10)を行うことによって、操作釦5の成形のベースとなる遮光部4、光導部3、表示部2、および外周部1を連続して成形することができる。
【0067】
次に、上記の金型を備えた射出成形装置によって操作釦5(多層成形釦)を連続して製造する方法について、図11〜13を用いて説明する。図11は、本実施形態1による遮光部、光導部、表示部、および外周部を連続して成形するためのコア部金型のレイアウトを示す図である。また、図12は、本実施形態1によるキャビ部金型のレイアウトを示す図である。また、図13は、本実施形態1による射出成形装置を示す図であり、図11の矢視aaの方向から見たレイアウトを示している。
【0068】
図11に示すように、コア部金型14a〜14dは、遮光部4を成形するための金型であり、図7〜図10に示すコア部金型14と同一であるが、ここでは説明容易のために各々を区別して図示している。ターンテーブル19には、遮光部、光導部、表示部、および外周部の各々の製造工程(図7〜図10の各工程)に対応するコア部金型14a〜14dが固定して配置されている。ターンテーブル19は、回転移動が可能であり、上記各工程が完了すると回転矢印ffの方向に回転して、コア部金型14a〜14dを各々次の工程の所定位置に移動させる。
【0069】
図12に示すように、キャビ部金型15〜18は、遮光部、光導部、表示部、および外周部の各々の製造工程(図7〜図10の各工程)に対応している。
【0070】
図13に示すように、キャビ部金型15〜18は、成形機20〜23の各々に固定されている。本実施形態1による射出成形装置は、ターンテーブル19に固定されたコア部金型14a〜14dと、成形機20〜23の各々に固定されたキャビ部金型15〜18とを備えている。成形機20は、遮光部4を成形するための黒色の非透過性の成形材料を有し、成形機21は、光導部3を成形するための透明な透過性の成形材料を有している。また、成形機22は、表示部2を成形するための乳白色の半透過性の成形材料を有し、成形機23は、外周部1を成形するための黒色の非透過性の成形材料を有している。
【0071】
上記の射出成形装置において、キャビ部金型15〜18の各々は、矢印ggの方向に、単独あるいは全体が型締めされる。以下、射出成形装置の動作について説明する。
【0072】
まず、第1段階として、コア部金型14aとキャビ部金型15とを型締めし、遮光部4を成形するための黒色の非透過性の成形材料を有する成形機20によってコア部金型14a上に遮光部4を成形する。成形が完了すると、キャビ部金型15は、型締めから開放されて成形機20と共に上昇して初期位置に戻る。キャビ部金型15および成形機20が初期位置に戻ると、ターンテーブル19は回転矢印ffの方向に回転し、コア部金型14aを次工程の成形のためにキャビ部金型16の所定位置に移動させる。
【0073】
次に、第2段階として、コア部金型14aとキャビ部金型16とを型締めし、光導部3を成形するための透明な透過性の成形材料を有する成形機21によってコア部金型14a上に成形された遮光部4の上に光導部3を成形する。同時に、コア部金型14bはキャビ部金型15に対応する所定位置に移動しているので、コア部金型14bとキャビ部金型15とを型締めし、遮光部4を成形するための黒色の非透過性の成形材料を有する成形機20によってコア部金型14b上に遮光部4を成形することができる。これらの成形完了後、コア部金型14aとキャビ部金型16との型締め、およびコア部金型14bとキャビ部金型15との型締めを各々開放し、キャビ部金型15および成形機20、キャビ部金型16および成形機21の各々が上昇して初期位置に戻ると、ターンテーブル19は回転矢印ffの方向に回転し、コア部金型14aを次工程の成形のためにキャビ部金型17の所定位置に移動させると共に、コア部金型14bを次工程の成形のためにキャビ部金型16の所定位置に移動させ、コア部金型14cをキャビ部金型15に対応する所定位置に移動させる。
【0074】
次に、第3段階として、コア部金型14aとキャビ部金型17とを型締めし、表示部2を成形するための乳白色の半透過性の成形材料を有する成形機22によってコア部金型14a上に順に成形された遮光部4および光導部3の上に表示部2を成形する。同時に、コア部金型14bとキャビ部金型16とを型締めし、光導部3を成形するための透明な透過性の成形材料を有する成形機21によってコア部金型14b上に成形された遮光部4の上に光導部3を成形する。また、同時に、コア部金型14cとキャビ部金型15とを型締めし、遮光部4を成形するための黒色の非透過性の成形材料を有する成形機20によってコア部金型14c上に遮光部4を成形する。
【0075】
上記の成形完了後、コア部金型14aとキャビ部金型17との型締め、コア部金型14bとキャビ部金型16との型締め、およびコア部金型14cとキャビ部金型15との型締めを各々開放し、キャビ部金型17および成形機22、キャビ部金型16および成形機21、キャビ部金型15および成形機20の各々が上昇して初期位置に戻ると、ターンテーブル19は回転矢印ffの方向に回転し、コア部金型14aを次工程の成形のためにキャビ部金型18の所定位置に移動させると共に、コア部金型14bを次工程の成形のためにキャビ部金型17の所定位置に移動させ、コア部金型14cを次工程の成形のためにキャビ部金型16の所定位置に移動させ、コア部金型14dをキャビ部金型15に対応する所定位置に移動させる。
【0076】
次に、第4段階として、コア部金型14aとキャビ部金型18とを型締めし、外周部1を成形するための黒色の非透過性の成形材料を有する成形機23によってコア部金型14a上に順に成形された遮光部4、光導部3、および表示部2の上に外周部1を成形する。同時に、コア部金型14bとキャビ部金型17とを型締めし、表示部2を成形するための乳白色の半透過性の成形材料を有する成形機22によってコア部金型14b上に順に成形された遮光部4および光導部3の上に表示部2を成形する。また、同時に、コア部金型14cとキャビ部金型16とを型締めし、光導部3を成形するための透明な透過性の成形材料を有する成形機21によってコア部金型14c上に成形された遮光部4の上に光導部3を成形する。また、同時に、コア部金型14dとキャビ部金型15とを型締めし、遮光部4を成形するための黒色の非透過性の成形材料を有する成形機20によってコア部金型14d上に遮光部4を成形する。
【0077】
上記の成形完了後、コア部金型14aとキャビ部金型18との型締め、コア部金型14bとキャビ部金型17との型締め、コア部金型14cとキャビ部金型16との型締め、およびコア部金型14dとキャビ部金型15との型締めを各々開放し、キャビ部金型18および成形機23、キャビ部金型17および成形機22、キャビ部金型16および成形機21、キャビ部金型15および成形機20の各々が上昇して初期位置に戻った時に、コア部金型14aの上にある四層に成形された操作釦5をコア部金型14aから取り出す。操作釦をコア部金型14aから取り出した後、ターンテーブル19を回転矢印ffの方向に回転させ、コア部金型14aをキャビ部金型15に対応する所定位置に移動させると共に、コア部金型14bを次工程の成形のためにキャビ部金型18の所定位置に移動させ、コア部金型14cを次工程の成形のためにキャビ部金型17の所定位置に移動させ、コア部金型14dを次工程の成形のためにキャビ部金型16の所定位置に移動させる。
【0078】
次に、第4段階として、操作釦5をコア部金型14aから取り出した後のコア部金型14a上には何もない状態である。コア部金型14b上には遮光部4、光導部3、および表示部2が成形された状態で、コア部金型14c上には遮光部4および光導部3が成形された状態で、コア部金型14d上には遮光部4が成形された状態であるので、上記の第1段階の成形、第2段階の成形、および第3段階の成形を一度に連続成形して継続すれば、四層から成る操作釦5を連続的に得る(製造する)ことができる。
【0079】
以上のことから、本実施形態1によれば、操作機能を示す文字や記号等に対する照明ムラを防止することができ、従来問題となっていた、操作釦自体による影のような照明ムラ、他の構成部品による影のような照明ムラ、漏れ光による影のような照明ムラ、他の光源からの照明色が要因となる合成光による照明ムラを防止することが可能な操作釦(多層成形釦)を得ることができる。また、図7〜10に示す多層成形釦用金型、および、図11〜13に示す射出成形装置を用いることによって、操作釦(多層成形釦)を連続的に製造することができる。
【0080】
〈実施形態2〉
実施形態1では、操作機能を切り換える操作釦は単独で構成されるものとして説明した。本実施形態2では、実施形態1の操作釦を連結した構成で多操作機能の切り換えが可能な操作釦として4連釦(多層成形4連釦)とすることを特徴としている。
【0081】
図14は、本発明の実施形態2による4連釦24の構成の一例を示す図である。図14に示すように、本実施形態2では、操作釦(多層成形釦)を4個(上釦24a、下釦24b、左釦24c、右釦24d)配置して一体構成された4連釦24としている。上釦24aの文字部2aには上向き矢印が示され、下釦24bの文字部2aには下向き矢印が示され、左釦24cの文字部2aには左向き矢印が示され、右釦24dの文字部2aには右向き矢印が示されている。上釦24a、下釦24b、左釦24c、および右釦24dの各々の構成は、実施形態1による操作釦5の構成と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0082】
なお、図14(a)の断面A-Aおよび断面B-Bの各々は、4連釦24を断面した図である。また、図14(b)は、光源6とスイッチ12a〜12dとの位置関係を示しており、上釦24aのスイッチ12aは光源6に対して紙面上側に位置し、下釦24bのスイッチ12bは光源6に対して紙面下側に位置し、左釦24cのスイッチ12cは光源6に対して紙面左側に位置し、右釦24dのスイッチ12dは光源6に対して紙面右側に位置している。
【0083】
図14(a)に示すように、光源6から照射された光束7は、遮光部4に設けられたリブ4aによって光束7の漏れ光7aを遮光されながら、遮光部4の穴4bに保持された受光部3a介して光導部3に入射する。光導部3の周囲には、外周部1によって光束7が減光されないように、表示部2に設けられた反射壁2bが囲むように形成されている。また、光導部3の上部も同様に、外周部1によって減光されないように、表示部2に設けられた反射面2cが囲むように形成されており、反射面2cの上部には文字部2aが設けられている。
【0084】
光導部3に入射した光束7は、表示部2に設けられた反射面2c上の表示部2aを照明する。このとき、反射面2cで反射された光束7の戻り光7cは、光導部3に再入射して光導部3内の光量を増加させる。また、反射壁2bで反射した光束7の反射光7bも同様に、光導部3に再入射して光導部3内の光量を増加させる。そして、光源6から照射された光束7と、光束の反射光7bと、光束の戻り光7cとの作用によって、表示部2に設けられた反射面2cに光源の照明色と同じ色調の光束の溜り光7cが発生する。そのため、矢視Nまたは矢視Pから文字部2aを視認すると、反射面2cの光源の照明色と同じ色調の光束の溜り光7cを視認することができ、照明ムラのない文字部2aを視認することができるという効果が得られる。また、遮光部4に設けられたリブ部4aは、操作釦5の周囲に発生した周辺の漏れ光7eの光導部3への入射を防止しているため、より大きな効果が得られる。
【0085】
次に、一体構成された4連釦24の構成および製造方法について説明する。
【0086】
図15は、本実施形態2による遮光部4の構成の一例を示す図である。図15に示すように、遮光部4は、成形時に成形材料を充填するピンゲート4dを有しており、ピンゲート4dから成形材料を充填することによって、遮光部4が4個連結した状態で成形される。なお、その他の遮光部4の構成は、実施形態1と同様である(図5参照)。
【0087】
図16は、本実施形態2による光導部3の構成の一例を示す図である。図16(a)に示すように、光導部3は、成形時に成形材料を充填するピンゲート3cを有しており、ピンゲート3cから成形材料を充填することによって、4個連結して成形された遮光部4上に光導部3が4個連結した状態で成形される。図16(b)は、図16(a)のG部の拡大図である。図16(b)に示すように、光導部3のピンゲート3cは、遮光部4のピンゲート4dの真上に位置している。なお、その他の光導部3の構成は、実施形態1と同様である(図4参照)。
【0088】
図17は、本実施形態2による表示部2の構成の一例を示す図である。図17(a)に示すように、表示部2は、成形時に成形材料を充填するピンゲート2eを有しており、ピンゲート2eから成形材料を充填することによって、4個連結して成形された光導部3上に表示部2が4個連結した状態で成形される。図17(b)は、図17(a)のF部の拡大図である。図17(b)に示すように、表示部2のピンゲート2eは、遮光部4のピンゲート4dおよび光導部3のピンゲート3cの真上に位置している。なお、その他の表示部2の構成は、実施形態1と同様である(図3参照)。
【0089】
図18は、本実施形態2による外周部1の一例を示す図である。図18(a)に示すように、外周部1は、成形時に成形材料を充填するピンゲート1cを有しており、ピンゲート1cから成形材料を充填することによって、4個連結して成形された表示部2上に外周部1が4個連結した状態で成形される。図18(b)は、図18(a)のJ部の拡大図である。図18(b)に示すように、外周部1のピンゲート1cは、遮光部4のピンゲート4d、光導部3のピンゲート3c、および表示部2のピンゲート2eの真上に位置している。なお、その他の表示部2の構成は、実施形態1と同様である(図2参照)。
【0090】
上記の図15〜18に示すような製造工程を経ることによって、4連釦24が成形(製造)される。また、本実施形態2による4連釦24は、実施形態1にて用いた金型(図7〜10)や、当該金型を備えた射出成形装置(図11〜13)を用いることによって、各工程で4個の金型が必要となるため装置が大型化するが、実施形態1のように連続して製造することができる。
【0091】
以上のことから、本実施形態2によれば、実施形態1による効果に加えて、多操作機能の切り換えが可能な操作釦を得ることができる。なお、本実施形態2では、4連釦24の各釦を図14に示すような配置としたが、このような配置に限らず、4連釦を上側の横方向に2個、かつ、下側の横方向に2個配置して構成してもよい。
【0092】
〈実施形態3〉
実施形態2では、実施形態1による操作釦(図1参照)を4個配置した4連釦として説明した。本実施形態3では、4連釦に限らず、実施形態1の操作釦を複数並べて配置した多連釦とすることを特徴としている。
【0093】
多連釦の一例としては、操作釦(多層成形釦)を横方向に2個配列した横2連釦(多層成形横2連釦)(例えば、図6参照)や、操作釦を縦方向に2個配置した縦2連釦(多層成形縦2連釦)がある。
【0094】
また、他の例としては、操作釦を上側に1個、かつ、下側の横方向に2個配置した△形3連釦(多層成形三角形3連釦)や、操作釦を上側の横方向に2個、かつ、下側に1個配置した▽形3連釦(多層成形逆三角形3連釦)がある。
【0095】
以上のことから、本実施形態3によれば、操作釦を複数並べて配置した多連釦としても、実施形態1および2と同様の効果を得ることができる。
【0096】
〈実施形態4〉
実施形態1では、表示部2の文字部2aの周囲を外周部1で覆うように成形し、文字部2aを照明によって表示する操作釦5について説明した。本実施形態4では、外周部1および表示部2の文字部2aを備えない操作釦とすることを特徴としている。
【0097】
図19は、本実施形態4による操作釦5(多層成形釦)の構成の一例を示す図である。図19(a)に示すように、本実施形態4による操作釦5は、実施形態1による操作釦5(図1参照)から外周部1および表示部2の文字部2aを除いた構成となっている。その他の構成は、実施形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0098】
図19(b)に示すように、光源6から照射された光束7は、遮光部4に設けられたリブ4aによって光束7の漏れ光7aを遮光されながら、遮光部4の穴4bに保持された受光部3aを介して光導部3に入射する。光導部3の周囲には、入射した光束7を効率よく反射させるために、表示部2に設けられた反射壁2bが光導部3を囲むように形成されている。また、光導部3の上部も同様に、入射した光束7を効率よく反射させるために、表示部2に設けられた反射面2cが形成されている。
【0099】
光導部3に入射した光束7は、反射面2c上の表示部2を照明する。このとき、反射面2cで反射された光束7の戻り光7cは、光導部3に再入射して光導部3内の光量を増加させる。また、反射壁2bで反射した光束7の反射光7bも同様に、光導部3に再入射して光導部3内の光量を増加させる。そして、光源6から照射された光束7と、光束の反射光7bと、光束の戻り光7cとの作用によって、表示部2に設けられた反射面2cに光源の照明色と同じ色調の光束の溜り光7cが発生する。そのため、表示部2を視認すると、反射面2cの光源の照明色と同じ色調の光束の溜り光7cを視認することができ、操作釦5全体を照明ムラなく視認することができるという効果が得られる。また、遮光部4に設けられたリブ部4aは、操作釦5の周囲に発生した周辺の漏れ光7eの光導部3への入射を防止しているため、より大きな効果が得られる。
【0100】
また、本実施形態4による操作釦5は、実施形態1にて用いた金型(図7〜9)や、当該金型を備えた射出成形装置(図11〜13)を用いることによって、連続して製造することができる。ただし、図9において、表示部2を成形するキャビ部金型17は、文字部2aを成形しない金型となっている。また、図11〜13に示す射出成形装置は、外周部成形するキャビ部金型18および成形機23を備えないものとする。
【0101】
以上のことから、本実施形態4によれば、実施形態1による効果に加えて、光源の光束が弱い場合であっても操作釦全体を照明ムラなく照明(表示)することができる。
【0102】
〈実施形態5〉
実施形態1では、黒色の非透過性の成形材料を用いて成形した外周部1を備える操作釦5について説明した。本実施形態5では、意匠外観上の理由によって外周部を金属仕様にしており、実施形態4の操作釦5の表示部2に対して、二次加工を用いてスパッタリング等の金属蒸着を行って金属蒸着部(図20の金属蒸着部25)を形成した後、三次加工として所要の文字や記号等をレーザ加工等によって加工文字の文字部(図20の加工文字部25a)を形成している。
【0103】
図20は、本発明の実施形態5による操作釦5(多層成形釦)の構成の一例を示す図である。図20(a)に示すように、本実施形態5による操作釦5は、表示部2を覆い、かつ、表示部2の一部が露出するように金属蒸着された金属蒸着部25を備え、金属蒸着部25には加工文字部25aが形成されている。その他の構成は、実施形態1および4と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0104】
図20(b)に示すように、光源6から照射された光束7は、遮光部4に設けられたリブ4aによって光束7の漏れ光7aを遮光されながら、遮光部4の穴4bに保持された受光部3aを介して光導部3に入射する。光導部3の周囲には、金属蒸着部25の形成時にスパッタリング等に用いられた金属材料によって光束7が減光されないように、表示部2に設けられた反射壁2bが光導部3を囲むように形成されている。また、光導部3の上部も同様に、金属蒸着部25によって光束7が減光されないように表示部2に設けられた反射面2cが形成されている。また、反射面2c上の金属蒸着部25には、レーザ加工等によって加工して形成された文字や記号等の加工文字部25aが設けられている。
【0105】
光導部3に入射した光束7は、反射面2c上の加工文字部25aを照明する。このとき、反射面2cで反射された光束7の戻り光7cは、光導部3に再入射して光導部3内の光量を増加させる。また、反射壁2bで反射した光束7の反射光7bも同様に、光導部3に再入射して光導部3内の光量を増加させる。そして、光源6から照射された光束7と、光束の反射光7bと、光束の戻り光7cとの作用によって、表示部2に設けられた反射面2cに光源の照明色と同じ色調の光束の溜り光7cが発生する。そのため、矢視Nまたは矢視Pから加工文字部25aを視認すると、反射面2cの光源の照明色と同じ色調の光束の溜り光7cを視認することができ、操作釦5全体を照明ムラなく視認することができるという効果が得られる。また、遮光部4に設けられたリブ部4aは、操作釦5の周囲に発生した周辺の漏れ光7eの光導部3への入射を防止しているため、より大きな効果が得られる。
【0106】
以上のことから、本実施形態5によれば、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0107】
〈実施形態6〉
実施形態5では、操作釦5の外周部として金属蒸着部25および加工文字部25aを形成した。本実施形態6では、意匠外観上の理由によって外周部を塗装仕様にしており、実施形態4の操作釦5の表示部2に対して、二次加工を用いて表示部2以外をマスキング塗装することによって塗装部(図示せず)を形成した後、三次加工として所要の文字や記号等をレーザ加工等によって加工文字の文字部(図示せず)を形成する(すなわち、形成された塗装部は、表示部を覆い、かつ、表示部の一部が露出するように塗装されている)ことを特徴としている。その他の構成は、実施形態1,4,5と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0108】
以上のことから、本実施形態6によれば、実施形態1,5と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明の活用例として、比較的光量の少ない場所において使用されることが想定される、家庭機器である照明機器やリモコン、防災時の避難用機器であるラジオ、無線機器にも適用可能である。
【符号の説明】
【0110】
1 外周部、1a 穴文字部、1b ピンゲート、1c ピンゲート、2 表示部、2a 文字部、2b 反射壁、2c 反射面、2d ピンゲート、2e ピンゲート、3 光導部、3a 受光部、3b ゲート、3c ピンゲート、4 遮光部、4a リブ、4b 穴、4c ゲート、4d ピンゲート、5 操作釦、5a 操作釦、6 光源、7 光束、7a 漏れ光、7b 反射光、7c 戻り光、7d 溜り光、7e 漏れ光、8 意匠外観部、8a 操作釦挿入穴、8b 意匠外観部裏面、8c 押さえ部材取付用ボス、9 バネ部材、10 押さえ部材、10a 基板取付用ボス、11 基板、12 スイッチ、12a スイッチ、12b スイッチ、12c スイッチ、12d スイッチ、13 取付ネジ、14 コア部金型、14a コア部金型、14b コア部金型、14c コア部金型、14d コア部金型、15 キャビ部金型、15a ランナー、16 キャビ部金型、16a ランナー、17 キャビ部金型、17a ランナー、18 キャビ部金型、18a ランナー、19 ターンテーブル、20 成形機、21 成形機、22 成形機、23 成形機、24 4連釦、24a 上釦、24b 下釦、24c 左釦、24d 右釦、25 金属蒸着部、25a 加工文字部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端が開口した筒状を有し、非透過性の成形材料で成形された遮光部と、
前記遮光部の一端に嵌合され、かつ、当該一端における前記開口を覆うように透過性の成形材料で成形された光導部と、
前記光導部を覆うように半透過性の成形材料で成形され、前記遮光部の他端側からの光を外部から視認可能に表示する表示部と、
を備える、多層成形釦。
【請求項2】
前記表示部を覆い、かつ、前記表示部の一部が露出するように非透過性の成形材料で成形された外周部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の多層成形釦。
【請求項3】
前記表示部を覆い、かつ、前記表示部の一部が露出するように金属蒸着された金属蒸着部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の多層成形釦。
【請求項4】
前記表示部を覆い、かつ、前記表示部の一部が露出するように塗装された塗装部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の多層成形釦。
【請求項5】
前記多層成形釦を横方向に2個配置して多層成形横2連釦を構成することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の多層成形釦。
【請求項6】
前記多層成形釦を縦方向に2個配置して多層成形縦2連釦を構成することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の多層成形釦。
【請求項7】
前記多層成形釦を上側に1個、かつ、下側の横方向に2個配置して多層成形三角形3連釦を構成することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の多層成形釦。
【請求項8】
前記多層成形釦を上側の横方向に2個、かつ、下側に1個配置して多層成形逆三角形3連釦を構成することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の多層成形釦。
【請求項9】
前記多層成形釦を上側の横方向に2個、かつ、下側の横方向に2個配置して多層成形4連釦を構成することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の多層成形釦。
【請求項10】
請求項1に記載の多層成形釦の製造方法であって、
(a)コア部金型と第1のキャビ部金型とを用いて前記遮光部を成形する工程と、
(b)前記工程(a)の後、前記コア部金型と第2のキャビ部金型とを用いて前記光導部を成形する工程と、
(c)前記工程(b)の後、前記コア部金型と第3のキャビ部金型とを用いて前記表示部を成形する工程と、
を備える、多層成形釦の製造方法。
【請求項11】
請求項2に記載の多層成形釦の製造方法であって、
請求項10の前記工程(a)〜(c)の後に、
(d)前記第コア部金型と第4のキャビ部金型とを用いて前記外周部を成形する工程、
をさらに備える、多層成形釦の製造方法。
【請求項12】
前記工程(a)〜(c)または前記工程(a)〜(d)の各々に対応する複数の前記コア部金型が回転移動可能なターンテーブルに固定して配置され、
前記ターンテーブルの回転移動に従って前記工程(a)〜(c)または前記工程(a)〜(d)を順に行うことを特徴とする、請求項10または11に記載の多層成形釦の製造方法。
【請求項13】
請求項10または11に記載の多層成形釦の製造方法に用いられる多層成形釦用金型。
【請求項14】
請求項12に記載の多層成形釦の製造方法に用いられる射出成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2012−204122(P2012−204122A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67123(P2011−67123)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】