説明

多機能エアウェイアダプタ

【課題】呼気流、酸素濃度、及び、二酸化炭素、亜酸化窒素及び麻酔薬のいずれか1個以上の濃度を組み合わせたものを即時に呼吸毎に監視可能な一体化エアウェイアダプタを提供する。
【解決手段】呼気流は、多様な入口条件下にある差圧流量計を用いて、位相のずれ及び気道のデッドスペースを最小化するように改良されたセンサ構造を介して監視される。分子酸素濃度はルミネセンス消光技術を利用して監視される。赤外線吸収技術を利用して二酸化炭素、亜酸化窒素及び麻酔薬のいずれか1個以上が監視される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は個体の呼気中にある二酸化炭素(CO)、亜酸化窒素(NO)、或いは亜酸化窒素以外の麻酔薬のいずれか1個以上の呼気流量と共に、個体の呼気中の酸素(O)量を監視するエアウェイアダプタに関する。より詳細には、本発明は、ルミネセンス消光技術により酸素などのガスの割合或いは濃度を即時に呼吸毎に監視すると共に、呼気量の監視及び赤外線吸収技術により二酸化炭素、亜酸化窒素及び麻酔薬の割合或いは濃度の監視の一方或いは両方を行う一体化エアウェイアダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
呼気監視
患者の気道と連通し、患者の呼気中のガス或いは気体等の物質を監視するように構成された多様なセンサは本技術分野において公知である。分子酸素、二酸化炭素、及び亜酸化窒素を含む麻酔薬は、公知のセンサを利用して検出される種類の物質である。
【0003】
典型的には、手術処置に際しては、患者の状態を麻酔医に示すために副流ガスセンサが使用される。呼気センサもまた、個体の生理状態を監視する試験等の中で個体をトレッドミルに乗せて実施される心臓ストレス試験等の他の多様な医療処置において利用される。副流によるサンプリングでは、小径ボアを有するサンプルラインを利用してガスを呼吸回路から取り出し、遠隔分析を実施する必要がある。副流ガスによるサンプリングに関連する問題は公知であり、以下の点が挙げられる。
【0004】
a)水分及び患者の分泌物の存在によるサンプルラインの妨害
b)流量及びガス濃度の測定を結合する際に同期を困難にする可変遅延の導入
c)低域通過フィルタリングに起因する信号信頼率の損失
d)麻酔薬、血液、分泌物等を含む排出物の処置
主流センサを利用して呼吸及び麻酔ガスを監視する方法により、特にガス及び流量、及び/又は圧力信号を結合する場合に、副流センサに関連する問題を解決する可能性がある。
【0005】
赤外線吸収
赤外線吸収は、患者の呼気中の二酸化炭素、亜酸化窒素及びその他の麻酔薬等の気体を検出し監視するためにこれまで採用されてきた。赤外線吸収技術では、1つ以上の波長及び周知の強度を有する赤外線が呼気の流れに向けられる。このような放射線の波長は分析されるガスに基づいて選択され、各ガスは放射線の1つ以上の特定の波長を吸収する。呼気の流れを通過する放射線は典型的には減衰放射線と呼ばれ、その強度は測定され、流れに放射された周知の放射線の強度と比較される。このような強度の比較によって、各分析ガスにより吸収された各波長の放射線量に関する情報が得られ、これにより生体の呼気中におけるその気体の量(すなわち濃度或いは割合)に関する情報が得られる。
【0006】
1989年8月22日にノードル(Knodle)等に特許が付与された米国特許第4,859,858号(以下、858号特許という)及び第4,859,859号(以下、859号特許という)と、1992年10月6日にアペルソン(Apperson)等に特許が付与された米国特許第5,153,436号(以下、436号特許という)には、患者の呼気中における1個以上の特定の気体量を測定する赤外線吸収型センサを含む装置が開示されている。
【0007】
858号特許、859号特許、及び436号特許等に開示されている赤外線ガスセンサ
は、典型的には赤外線を放射する供給源を含む。放射された赤外線は鏡により焦点が合わせられてビームとなる。ビームは分析されるガスの標本を通過して伝送される。ガスを通過した後、赤外線ビームはフィルタを通過する。対象である気体により吸収された周波数に対応する狭帯域の放射線を除き、フィルタは全ての放射線を反射する。このような放射線の狭帯域は検出器に伝送され、検出器に衝突した赤外線の強度の大きさに比例する大きさの電気出力信号が出力される。フィルタを通過する放射線の強度は対象であるガスの濃度に比例して減衰するので、検出器から出力される信号の強度は対象であるガスの濃度に反比例する。
【0008】
患者の呼気中の1種類以上のガスの量を略同時に測定するように構成された赤外線型ガスセンサも周知である。このようなセンサの一例として1994年3月22日にブレイグ(Braig)等に特許が付与された米国特許第5,296,706号(以下、706号特許という)に開示されたものがあり、そのセンサは複数の不連続な通信路を有し、6以上の麻酔薬を個々に容易に検出する。バート(Burte), E. P. 等による文献「麻酔装置における揮発性麻酔薬及び呼気の測定及び投薬のためのマイクロシステム」(MEMS98会報 第11回年次国際研究会 マイクロエレクトロメカニカルシステム 第510頁〜第514頁(1998年))(以下、バート文献という)に開示されていたものの中には、患者の呼気中において併用した麻酔薬の量を同時に測定するように構成された主流多重チャンネルセンサ装置がある。
【0009】
赤外線型ガスセンサは典型的にはキュベットを採用し、鼻腔カニューラ或いは気管内挿入管及び機械式換気装置を介して患者の呼気を採取する。キュベットは呼気を特定の流路に送り、いずれもキュベットに取り外し可能に連結された赤外線エミッタ及び赤外線検出器の間に光路を形成する。
【0010】
典型的なキュベットはポリマー或いは他の適当な材料により成形されており、監視される気体の流路となる通路を有する。光路は流通路の対向側面に沿って配置されているキュベットの側壁に設けられた窓を通り気体の流路と交差することにより、赤外線ビームはキュベットを通過する。
【0011】
窓は一般的にサファイアから形成されている。サファイアは光学特性が好ましいからである。しかしながら、サファイアは比較的高価な材料である。その結果、キュベットは常時清浄及び殺菌がされて再利用される。キュベットの清浄及び殺菌には時間がかかり、且つ厄介である。また、特にキュベットが以前に伝染病及び・或いは感染症を患う患者を監視する際に利用されていた場合には、キュベットの再利用は重大な汚染の危険を引き起こす可能性がある。
【0012】
サファイアの窓を多種のポリマーにより形成される窓に置き換えることにより、キュベットのコストを削減する努力が為されている。サファイアのキュベット窓をポリマーの窓に代えることにより生じる重大な問題の1つには、分析サンプルを通る精確な光路を形成し維持することがある。これはポリマー材料が寸法安定性に欠けており、窓の皺を除去することが不可能であり、更に窓を光路に沿った正確な位置に保持するシステムが欠如しているといった要因に帰する。
【0013】
ポリプロピレンを含むポリマーから形成されるキュベット窓では、赤外線技術を利用することにより監視或いは測定されるエアウェイアダプタを流通する物質の種類を限定することになる。これは、ポリマーは典型的には炭化水素を含み、炭化水素は特定の物質の量を測定するために利用される赤外線及び他の可能な波長を有する放射線に対するポリマーの透過率を限定するおそれがある。
【0014】
1997年12月21日にリッチ(Rich)に特許が付与された米国特許第5,693,944号(以下、944号特許という)には、キュベット、その利用方法、及びその製造方法が開示されている。944号特許に開示されたキュベットとその利用方法によれば、サファイア窓に代えてポリマーを使用する試みに際してこれまで遭遇してきた問題が解決される。944号特許は、25μm〜125μmの厚さを有する二軸延伸ポリプロピレン等の可鍛性を備えた単独重合体により窓を成形する技術を開示している。このような廉価なポリプロピレン材料を使用することにより、一度使用したら廃棄する使い捨てのキュベットを成形することができる。
【0015】
ルミネセンス消光
ルミネセンス消光は気体中の酸素濃度を測定するために利用されてきた技術である。ルミネセンス消光技術を利用して酸素濃度を測定する際には、ルミネセンスを示す材料が励起されることによりルミネセンスが発生する。ルミネセンス材料を酸素を含む気体混合物に接触させると、ルミネセンス材料と接触する酸素の量(すなわち濃度或いは比率)或いは気体混合物中の酸素量に応じてルミネセンスが消光される。従って、ルミネセンス材料におけるルミネセンス量の減少率つまりルミネセンスの消光(即ち、ルミネセンス材料により放射された光量)は、気体混合物中の酸素量に対応する。
【0016】
典型的には、ルミネセンス消光技術では、ルミネセンス化学的特性を有するルミネセンス材料に向けて供給源から励起放射線を放射する必要があり、ルミネセンス材料は測定される1種類以上のガス(例えば酸素、二酸化炭素、ハロタン等)により消光され、或いはその気体に対して比例する。励起放射線によりルミネセンス材料は励起させられ、励起放射線以外の異なる波長の電磁放射線を放射する。対象とされる1種類以上のガスの存在によりルミネセンス材料から放射される放射線量が消光され、或いは減少させられる。ルミネセンス材料から放射される放射線の量は検出器により測定され、1種類以上の消光気体が存在しない状態でルミネセンス材料から放射される放射線の量と比較されることにより、患者の呼気中に存在する1以上の感知消光気体の量が決定される。
【0017】
ルミネセンス消光技術は診断技術を含む多様な用途に利用されてきた。主流酸素センサにルミネセンス消光を利用することはこれまでに開示されてきた。それにも拘らず、そのような主流センサはその他の気体監視技術を採用するように、或いは呼気量を測定するように構成されておらず、このようなルミネセンス消光型センサの機能性を大きく限定していた。
【0018】
呼気量監視
集中治療環境における麻酔処理や、トレーニングプログラム及び医学テストの前及びその間に運動選手並びに他の個体の身体状況を監視する際には、呼気流量が測定されることにより、肺機能及び呼吸回路の結合性を評価する貴重な情報が提供される。重要な治療環境における要求を満たす流量計を形成するために、多様な技術が採用されてきた。これまで利用されてきた流量測定への取り組みには以下のものがある。
【0019】
1)差圧:流通抵抗器を横切る圧力降下或いは差圧の測定
2)回転羽根:流路に配置された羽根の回転を計数
3)熱線風速計:線材の周囲を通過する気流による加熱線材の冷却を測定
4)超音波ドップラー法:超音波ビームが流通する気体を通過する際の周波数の変移を測定
5)渦の発生:気体が流路に配置された支柱を通過する時に発生する渦の数を計数
6)飛行時間:下流に配置されたセンサの上流に形成される音或いは熱の衝撃の到達時間を測定
上述の各方法には利点も欠点もあり、上記装置の殆どに対する優れた論考は、W.J.
サリバン(Sullivan),G.M.ピータ(Peter),P.L.エンライト(Enright)医師著「呼気流量計:論理及び臨床応用」呼吸治療、1984年7月、Vol.29−7 第736頁〜49頁、及びC.レーダ(Rader)著 呼気流量計
心肺技術会議のカリフォルニア協会において発表されたパーキン・エルマー団体のレポート 1982年10月に記載されている。
【0020】
現在のところ、呼気流量検出のために最も一般に利用されている装置は差圧流量計である。流れに対する規制部材或いは他の抵抗器を横切る流量と圧力降下との間の関係は、抵抗器の形状に依存する。これまで多様な抵抗器の構成が提案されてきた。これらの構成の多くにおける目的は、流量と差圧との直線関係を達成することである。
【0021】
一般的に呼気流量計と呼ばれるその他の圧力流量計では、流量と差圧の間が直線関係となるように流通抵抗器は設計されている。この中にはフライシュ呼気流量計も含まれ、層流及び流量に対する直線応答性を確実に得るように、その抵抗器は多数の小管或いは精巧なスクリーンを有する。他の物質形状としては、流量に対して変化する開口部を有する流通抵抗器があり、低速流の時には抵抗が大きく、高速流の時には抵抗が小さくなるという効果が得られる。他の欠点の中で、フライシュ呼気流量計は湿度及び粘膜による動作障害の影響を受け易く、また、可変オリフィス流量計では材料疲労や製造変動が生じることがある。
【0022】
最も知られている従来技術の差圧流量センサは、理想的なガス流入口状態以下になると欠乏状態に困窮し、更に実質的なダイナミックレンジにおいて有意義且つ正確に、繰り返し差圧を感知する能力に関して固有の構成上の問題を有する。このようなことは、流量センサが幼児の呼気流量などの低流量を確実且つ正確に測定する際に特に問題となる。
【0023】
1995年1月10日にコフォード(Kofoed)等に特許が付与された米国特許第5,379,650号(以下、650号特許という)によれば、管状ハウジング内に正反対に配向され且つ縦方向に延出する支柱を収容したセンサを備えた差圧流量センサによりこの問題の大部分を解決している。650号特許に開示されている流量センサの支柱は、縦方向に間隔があけられた圧力ポートを有する第1及び第2管腔を含み、圧力ポートは支柱の両端に形成されて軸方向に位置する切り込みに開口する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
過去数十年に亘る患者監視技術における発展によれば、発散ガス流量、酸素濃度、二酸化炭素濃度、及び亜酸化窒素や他の麻酔薬の濃度を種々組み合わせて同時に測定することにより、麻酔及び治療に関する決定を行う際に有用な情報が得られる。流量、気道圧力、二酸化炭素、及び酸素の測定値を組み合わせることにより、固体の代謝状態に関する二酸化炭素排出量及び酸素消費量を計算することができる。また、これらの測定値から吐出酸素或いは二酸化炭素濃度に対する吐出容量をグラフに表すことができ、肺の異なる隔室におけるガス交換に関する情報を得ることができる。
【0025】
流量センサ及び赤外線二酸化炭素センサの両方を含む一体化アダプタは周知である一方、酸素測定値と呼気流量測定値或いは二酸化炭素或いは亜酸化窒素や他の麻酔薬の測定値を得るために現在では他の装置も必要とされている。呼気酸素信号、呼気流量信号、気道圧力信号、及び二酸化炭素、亜酸化窒素或いは麻酔薬の量を表す信号を組み合わせて同時に獲得するために必要とされる種々の装置では、主流構成において利用された多くの構成要素が全て必要になる。患者の気道においてはそのような多くのセンサの積み重ねは取り扱いが困難であり、望ましくない容量(デッドスペース)を加えることになり、且つ呼吸回路に対する障害物となる。
【0026】
ルミネセンス消光センサと赤外線ガスセンサ及び呼気流量センサの一方或いは両方とを構成内において結合することにより、使用し易く且つ位相のずれや結合による内部デッドスペースを最小にしたエアウェイアダプタが所望されている。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は、個体の呼気中における酸素、二酸化炭素、亜酸化窒素及び麻酔薬等の通常の呼気を含む物質の量を、個体により吸入及び吐出される他の物質と共に即時に呼吸毎に監視する一体化エアウェイアダプタに関する。本発明のエアウェイアダプタは小型のアダプタであり、少なくとも2個の機能を単一のユニットに統合して、臨床上にある患者を監視する際に必要な要求を満たすものである。エアウェイアダプタは異なる種類の物質検出要素の結合物、或いは1以上の物質検出要素と呼気流検出要素の結合物である。
【0028】
本発明の教示を具体化した一体化エアウェイアダプタの酸素検知部は一定量のルミネセンス材料を有する。ルミネセンス材料のルミネセンスは酸素と接触すると消光されるものであり、酸素は呼気がエアウェイアダプタを通り運ばれる流通路と連通するように配置されることにより呼気と接触させられる。酸素検知部のルミネセンス材料は、エアウェイアダプタの取り外し、移動可能な部分により保持されており、エアウェイアダプタを再利用することができる。励起放射線源はエアウェイアダプタと結合するように構成されており、放射線をエアウェイアダプタの窓を通してルミネセンス材料に向けることにより、ルミネセンス材料を励起してルミネセンスを発生させ、或いは放射線を放射させる。励起ルミネセンス材料から放射される放射線の量は検出器により測定される。検出器はエアウェイアダプタに組み付けられるように構成されており、エアウェイアダプタの窓を通して放射された放射線を検出する。
【0029】
一体化エアウェイアダプタはまた、流量センサを含む。流量センサとしては2個の圧力ポートを有する呼気流計が好適であり、呼気流計の開口から差圧を発生させるように構成される。圧力ポートの1個は気道圧力を監視する。代わりに、流量センサは2個以上のポートを有し、少なくとも1個のポートにより気道圧力を測定する。呼気流量センサは、多量のシステム容量或いは本発明の一体化エアウェイアダプタを通る呼気流に対する過大な抵抗を加えることなく、多様なガス流入口状態を収容することが可能である。本発明の呼気流量センサは、圧力ポート或いはセンサの監視システムへの液体の導入を抑制するような形状とされている。
【0030】
流量センサは、非線形差圧信号を出力する流入抵抗部材(支柱或いはガス濃度監視部)を含む。極端な高流量及び低流量において適切な精度を得るために、高解像度(例えば18ビット或いは20ビット)のアナログ/デジタル(A/D)変換器が利用される。このような非常に高い解像度を有するA/D変換器を利用することにより、デジタルプロセッサは索引テーブルを特徴とするセンサを利用して、測定された差圧から流量を演算することができる。このような技術によれば、低解像度のA/Dコンバータ(例えば12ビットA/Dコンバータ)を使用する場合に必要とされる可変或いは複合利得増幅器や可変オフセット回路を必要としない。
【0031】
代わりに或いは流量センサに加えて、本発明の教示を具体化した一体化エアウェイアダプタは、個体の呼気中における二酸化炭素、亜酸化窒素、或いは麻酔薬の量を測定するガスセンサを含む。例えば、エアウェイアダプタは赤外線吸収技術を採用したガスセンサを含む。このようなガスセンサは略同軸線上にある一対の対向する窓を備えた室を含み、窓の側面にはエアウェイアダプタを貫通する流通路が配置される。窓は電磁スペクトラムの少なくとも中間赤外線部分の放射線に対して高い透過率を有するのが好ましい。赤外線ガスセンサの精度を得るためには、窓に利用される材料は窓に衝突した赤外線の利用部分を
透過させるものでなければならない。従って、窓の材料は適切な光学特性を有するものでなければならない。窓の材料として好適なものにはサファイア及び二軸延伸ポリプロピレンが含まれるが、それらに限定されるべきではない。窓が略同軸線上に配置されることにより、赤外線ビームは赤外線源から室及びその室を流通するガスを横切り、赤外線検出器まで移動する。代わりに、エアウェイアダプタは単一の窓及び鏡や反射被覆膜などの反射部材を含む。これらの部材により赤外線は室に向けられてその室を横切り、且つ赤外線は反射されて再度室を横切った後に室外に出されて赤外線検出器に到達する。検出器からの信号により、室を流通する二酸化炭素、亜酸化窒素、及び麻酔薬等の呼気中に存在する1種類以上のガスの量(即ち濃度或いは率)を決定する。
【0032】
一体化エアウェイアダプタは再利用可能或いは使い捨てとされる。エアウェイアダプタが使い捨て可能に構成される場合には、赤外線吸収窓及びルミネセンス消光を検出する窓は安価な材料により形成される。エアウェイアダプタが再利用可能に構成される場合には、赤外線ガスセンサの窓はエアウェイアダプタの他の部分から取り外し可能とされており、使い捨てではない窓は消毒及び殺菌される。代わりに、窓は消毒及び殺菌される間、エアウェイアダプタに取り付けられたままにされる。ルミネセンス材料が一方或いは両方の窓の一部分に保持される場合には、窓が消毒される間、ルミネセンス材料は窓から取り外され、その後に戻される。或いは、ルミネセンス材料が消毒及び殺菌工程に耐え得るならば、ルミネセンス材料はこれらの工程が実施される間、窓に保持されたままにされる。
【0033】
本発明のエアウェイアダプタを製造する際には射出成形工程が利用される。射出成形工程を経て得られる製品の一貫性により交換度が高くなり、組み立て或いは使い捨てアダプタの交換の際に補正工程を実施する必要がなくなる。
【0034】
加えて、一体化エアウェイアダプタは特定の器具接続方法を実施することにより、外部要素(例えば赤外線エミッタ及び検出器、ルミネセンス消光源及び検出器等)をエアウェイアダプタに適切に組み付け、同時にエアウェイアダプタを呼気気道に適切に組み付ける。例えば、エアウェイアダプタは色調、光学符号、或いは他の適切な種類の符号を含むことにより精確に組み付けられ、或いは不適切に組み付けられないように構成されるが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0035】
本発明のその他の特徴及び効果は、本技術分野に属する通常の知識を有する者であれば、詳細な記述、付帯図面及び添付された請求の範囲を考慮することにより明白である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
図1〜図5は本発明の教示を具体化したエアウェイアダプタ20の一例を示す。エアウェイアダプタ20は単一の射出成形されたプラスチック部材であることが好ましく、これにより製造コストを廉価にすると共に、センサを一回使用した後に廃棄することができる。エアウェイアダプタ20は、赤外線エミッタ252、赤外線検出器254、ルミネセンス励起放射線源256及びルミネセンス検出器258(図6)を有する独立したトランスデューサハウジング22を備える。しかしながら、この構成は必要条件ではない。図示するように、エアウェイアダプタ20は、第1管状部24及び第2管状部26の間においてそれら管状部24、26と同一軸線上に略直方体の中央部32を有し、エアウェイアダプタ20を貫通するように延出する流通路34を備える。
【0037】
図示されたエアウェイアダプタ20は患者の気道と連通する呼吸回路に接続されるように構成される。エアウェイアダプタ20は生体の換気装置と機械式換気装置の管との間に接続される。例えば、エアウェイアダプタ20の第1管状部24は生体の気管内に挿入される気管内挿入管に接続されており、エアウェイアダプタ20の第2管状部26は機械式換気装置の管に取り付けられる。代わりに、エアウェイアダプタ20は呼吸マスクや気管
内挿入管よりも非侵襲的なその他の装置に接続される。エアウェイアダプタ20は機械式換気装置に接続される必要はなく、呼気の供給源(例えば酸素供給源)に接続されてもよいし、或いは患者の周囲の空気と直接連通してもよい。図示されているように、第1及び第2管状部24、26は直径が可変であるとともに略円形断面を有するボアを備えており、管状部24、26の間にはガス濃度監視部28が配置されている。第2管状部26は呼気流監視装置30を収容している。
【0038】
ガス濃度監視部28はガス感知部230を含み、ガス感知部230はルミネセンス消光技術を利用して、エアウェイアダプタ20を流通する酸素或いはその他のガスの部分的な圧力或いは量を測定する。図1、図2A、図4及び図5に示すように、ガスセンサ230とも称されるガス感知部230は、エアウェイアダプタ20を貫通する流通路34に置かれる一定量のルミネセンス材料232を含む。ガス感知部230は窓234も含み、図1、図2A及び図4に示すように、窓234は一種類のルミネセンス材料232或いは複数種類を組み合わせたルミネセンス材料232を1励起波長以上の放射線を用いて励起すると共に、ルミネセンス材料232から放射された放射線の1波長以上の強度を測定する。窓234はルミネセンス材料232を励起する励起放射線の波長に対して、またルミネセンス材料232から放射された放射線の波長に対して高透過率を有することが好ましい。
【0039】
特に図4及び図5に示すように、ルミネセンス材料232は流通路34の表面上に配置され、或いは流通路34の表面全体を構成する薄膜236、即ち基材により運搬されるのが好ましい。代わりに、ルミネセンス材料232を運搬する薄膜236が流通路34と連通するエアウェイアダプタ20の他の部分に配置されてもよい。
【0040】
ルミネセンス材料232は薄膜236に形成された通路或いは開口を通り散布される。薄膜236を通過する通路及び開口は約0.1μm〜10μmの直径或いは幅を有する。なぜなら、このような寸法の薄膜を通過する分子酸素の拡散定数は、ルミネセンス消光応答時間の継続時間を充分に短くするので、呼吸毎を基礎とする、或いは即時のルミネセンス消光率を測定することができる。換言すれば、このような薄膜236の寸法は、酸素及び他のルミネセンス消光材料が薄膜236を流通或いは通過する略瞬時に、ルミネセンス材料232をそれらの物質と接触させることができる。
【0041】
エアウェイアダプタ20が再利用可能であれば、薄膜236はエアウェイアダプタ20の残り部分から取り外すことができる。これにより薄膜236をルミネセンス材料232を運搬する新しい薄膜236に取り替えることができ、従って、その後にエアウェイアダプタ20を使用する際に酸素或いはその他の気体の濃度を正確に決定することができる。代わりに、ルミネセンス材料232がエアウェイアダプタ20を対象とする洗浄及び殺菌工程に耐えることができるならば、薄膜236は取り外せないようにエアウェイアダプタ20に固定されて、洗浄及び殺菌された後に再利用される。
【0042】
ポルフィリンはルミネセンス材料232として利用される材料の一例である。ポルフィリンは金属原子を含み得る安定した有機環状構造である。金属原子がプラチナ或いはパラジウムである場合は、燐光衰退時間は約10μs〜約1000μsの範囲内にある。ポルフィリンはまた分子酸素に対して感応する。ポルフィリンがルミネセンス材料232として利用される際には、繰り返しの利用に際して略全部の光刺激性を保持するのが好ましい。換言すれば、ポルフィリンは光安定性を有するのが好ましい。メソテトラフェニルポルフィン等の蛍光性ポルフィリンは特に光安定性を有する。酸素を検出するルミネセンス材料232として利用される種々のポルフィリンとしては、プラチナメソテトラ(ペンタフルオロ)フェニルポルフィン、プラチナメソテトラフェニルポルフィン、パラジウムメソテトラ(ペンタフルオロ)フェニルポルフィン、及びパラジウムメソテトラフェニルポルフィンを含むが、これらに限定されるべきではない。当然のことながら、酸素、二酸化炭
素或いはその他の分析される物質(例えば気体、液体、或いは蒸気)と接触すると消光される他種類の周知のルミネセンス材料もまた、本発明の教示を具体化したエアウェイアダプタに利用することができる。
【0043】
薄膜236はルミネセンス材料232と適合性を有する材料により形成されるのが好ましい。更に、薄膜236の材料は呼気に対して適合性を有するとともに、患者に対して、好ましくは環境に対しても毒性を有していないものがよい。
【0044】
薄膜236を形成する材料としては、多孔性ポリ塩化ビニル(PVC),ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリメタクリレートポリマー、及びアクリルコポリマーを含むが、これらに限定されるべきではない。特に、ミシガン州のアン アーバー・ポール ゲルマン サイエンス(Pall Gelman Sciences of Ann Arbor)及びニュージャージー州クリフトンのホワットマン社(Whatman,Inc.of Clifton)から入手可能な微小孔性ポリカーボネート濾過薄膜(軌跡エッチングが施された微小孔性ポリカーボネート濾過薄膜であり厚さ約10μm及び孔寸法約0.4μm)は、薄膜236として有用性を有する。
【0045】
上述したように、薄膜236は酸素を含む呼気に対して透過性を有することが好ましい。呼気が薄膜236に侵入、そして貫通すると、酸素を含む呼気は薄膜236により保持されたルミネセンス材料232と接触する。その後、ルミネセンス材料232のルミネセンス或いはルミネセンス材料232から放射される放射線の強度は、呼気中の酸素量或いは他のルミネセンス消光ガスの量に応じて消光される。薄膜236の呼気に対する透過性は、呼気と接触するルミネセンス材料232の粒子数に影響を及ぼし、従って、ルミネセンス材料232が酸素及び薄膜236を流通する呼気中に存在する他のルミネセンス消光ガスと接触した際に発生するルミネセンス消光量にも影響を及ぼす。
【0046】
ルミネセンス材料232は周知の工程を経て薄膜236に適用される。一例として、溶剤によりルミネセンス材料232を薄膜236表面及びその開口内に取り込むことができるが、このような構成により本発明の範囲は限定されない。溶剤は薄膜236の材料を実質的に溶かさないことが好ましい。しかしながら、薄膜236及びその開口が膨張してルミネセンス材料232を開口内に取り込むことができるように、溶剤は薄膜236材料と相互に作用する。ルミネセンス材料232を薄膜236に適用するために利用される溶剤の一例として、ヘキサン、石油エタン、トルエン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、トリクロロエチレン、キシレン、ジオクサン、イソプロピルアルコール及びブタノール、並びにそれらの中の混合物が挙げられるが、これらに限定されるべきではない。当然のことながら、特定の溶剤の利用はルミネセンス材料232及び薄膜236材料の両者との適合性に基づく。一度ルミネセンス材料232が薄膜236に適用されると、溶剤は蒸発或いは薄膜236から除去されて、ルミネセンス材料232は薄膜236表面及びその開口内に残される。
【0047】
代わりに、図6に示すように、ルミネセンス材料232は2個の薄膜236の間で挟持される。ルミネセンス材料232を著しく分解することがない溶剤により、薄膜236の材料が溶解させられ、薄膜236は相互に結合させられて単独の複合薄膜240を形成するが、薄膜236の構造は実質的に変化しない。ルミネセンス材料232は薄膜236の間に残留し、少なくとも部分的に薄膜236を透過する。薄膜236はその間にルミネセンス材料232を捕捉するので、単独の薄膜236により封じ込められるルミネセンス材料232の濃度に比較して、濃度が増加したルミネセンス材料232が複合薄膜240に取り込まれる。
【0048】
図4に示すように、センサ230は薄膜236上に保護層242を有する。保護層24
2は例えば薄膜236を形成するポリマーと同種類のポリマーにより形成され、或いは薄膜236を形成するポリマーと異なる種類のポリマーにより形成される。保護層242により個体の呼気中のガスとルミネセンス材料232との接触が実質的に妨げられることはない。保護層242はまた、薄膜236の光吸収特性、薄膜236の光伝達特性、薄膜236の種々のガスに対する透過性等、薄膜236の種々の特性を改良或いは調整する。保護層242を薄膜236の特性を調整するために利用する一例として、より透過性の低い材料により形成された保護層242を薄膜236に適用することにより、薄膜236の酸素或いは他の呼気に対する透過性を低下させる技術が挙げられる。
【0049】
周知の処理過程を経て保護層242は薄膜236に適用される。例えば、溶解ポリマーが薄膜236に適用されることにより、保護層242が形成される。代わりに、周知の手段を利用して成形保護層242が薄膜236に接着させられ、被覆された薄膜236は所望する特性を保持する。
【0050】
ガスセンサ230を利用するに際して、薄膜236は熱コンデンサ244等の周知の熱源上に配置されるのが好ましい。熱コンデンサ244はヒータ要素246(図6)と連通しており、ヒータ要素246は熱コンデンサ244を所望する略一定の温度となるように加熱する。熱コンデンサ244は薄膜236と接触すると、薄膜236を略一定の温度となるように加熱する。従って、熱コンデンサ244によって、酸素或いはルミネセンス材料232を流通する他の物質により生じるルミネセンス消光は、薄膜236の温度変化、或いは薄膜236上にあるルミネセンス材料の温度変化の影響を受けることがない。
【0051】
熱コンデンサ244及びヒータ要素246を相互に連通させる方法の一例として、トランスデューサハウジング22(図6)に浮遊熱伝導ヒータ要素246を設ける方法がある。トランスデューサハウジング22をエアウェイアダプタ20と連結させると、ヒータ要素246及び熱コンデンサ244が相互に接触して、ヒータ要素246から熱コンデンサ244に充分な熱が伝導される。
【0052】
図6に示すように、トランスデューサハウジング22は少なくとも部分的に放射線源256を収容し、放射線源256はルミネセンス材料232を励起してルミネセンスを発生させる1波長以上の電磁励起放射線を放射する。例えば、放射線源256は可視光線の形で励起放射線を発生させる光放射ダイオード(LED)により構成される。放射線源256は、ルミネセンス材料232を励起して所望する強度の放射線を放射させる波長の励起放射線を放射するのが好ましい。放射線源256から放射された励起放射線はレンズ257を通過して焦点が合わせられ、レンズ257は焦点が合わせられた励起放射線をルミネセンス材料232に向ける。
【0053】
トランスデューサハウジング22はまた、ルミネセンス材料232から放射された放射線を受光するように配置され、且つその放射された放射線の強度を測定する検出器258の少なくとも一部を収容する。従って、検出器258は窓234に向けて、且つルミネセンス材料232に向けて配置される。ルミネセンス材料232と検出器258との間にフィルタ259を配置することにより、ルミネセンス材料232から放射された電磁放射線の波長以外の波長がルミネセンスや検出器258により得られるルミネセンス消光測定値と干渉しないようにするのが好ましい。本発明において利用されるルミネセンス消光型センサの他の特徴や効果は、2001年12月4日にラブダ(Labuda)等に特許が付与され、本発明と同一の譲渡人に譲渡された米国特許第6,325,978号に開示されている。
【0054】
エアウェイアダプタ20のガス濃度監視部28にはトランスデューサハウジング22の台座部が形成される。一体型U字形状ケーシング部材36はトランスデューサハウジング
22をエアウェイアダプタ20に図1の矢印38に示す横方向に確実に配置する。矢印38はまた、トランスデューサハウジング22が移動させられてエアウェイアダプタ20に取り外し可能に組み付けられる方向を示す。一実施形態では、858号特許及び859号特許に開示されているように、トランスデューサハウジング22はエアウェイアダプタ20の所定位置に取り付けられ、エアウェイアダプタ20とトランスデューサハウジング22を組み付け、或いはトランスデューサハウジング22をエアウェイアダプタ20から取り外す際には工具を必要としない。
【0055】
中央部32は第1及び第2同軸窓40、42を備えた赤外線センサ部33を含む(図4には窓42のみが示されている)。窓40、42は電磁スペクトラムの少なくとも中間赤外線部の中の放射線に対して高い透過性を有するのが好ましい。第1窓40及び第2窓42は略同一軸線上にあるので、赤外線ビームはトランスデューサハウジング22の一方の脚部22aに設けられた赤外線エミッタ252から、エアウェイアダプタ20及びエアウェイアダプタ20の流通路34を流れる1種類以上のガスを横方向に通過して、トランスデューサハウジング22の対向する略平行な脚部22bに設けられた赤外線検出部254まで移動する。
【0056】
赤外線吸収測定値を得るためのキュベット窓40、42は典型的にはサファイアから構成されてきた。サファイアは好適な光学特性や安定性、並びに破損、こすり傷及びその他の損傷に対する耐性を有するからである。代わりに、キュベット窓を適当なポリマーから構成すると、キュベットの価格が減少して、キュベットを一回使用した後に廃棄することができる。ガス濃度監視装置の赤外線吸収部の精度を得るためには、ポリマーが衝突した赤外線の有用部分を伝達することが重要である。従って、窓の材料は所望する物質を測定するために適当な光学特性を有する必要がある。患者の呼気中に存在する二酸化炭素の量を測定するために必要な特性を提示する窓の材料の一例としては二軸延伸ポリプロピレンがある。患者の呼気中にある特定の物質の圧力或いは量を検出するために利用される放射線の特定波長に対して、その他の材料もその透過性に応じて利用することができる。
【0057】
図1及び図6に示すように、トランスデューサハウジング22は、1以上の基準信号及びエアウェイアダプタ20を流通する呼気或いは麻酔ガスに対応した濃度に関する1以上の信号を出力するように構成された電気要素を保持する。トランスデューサハウジング22の赤外線エミッタ252は1波長以上の赤外線をエアウェイアダプタ20の窓40を通過させて中央部32に向け、中央部32内にある呼気のサンプルを通過させ、窓42を通して中央部32から取り出す。トランスデューサハウジング22がエアウェイアダプタ20に組み付けられた時に窓42の近くに配置される赤外線検出器254は、窓42を通してエアウェイアダプタ20の中央部32から出された赤外線信号を受信する。
【0058】
赤外線検出器254は個体の呼気中の二酸化炭素、亜酸化窒素或いは麻酔薬の量を即時に監視することが好ましく、その内部形状や構成は米国特許第5,616,923号(以下、923号特許という)に詳述されている。858号特許、859号特許及び436号特許等に開示されている赤外線二酸化炭素監視装置は、他の二酸化炭素検出装置と同様に、トランスデューサハウジング22内において利用することができる。1個以上の赤外線センサに加えて、赤外線検出器254は、基準センサ、光学素子(例えばレンズ、フィルタ、鏡、ビームスプリッタ等)、クーラ等他の構成部品の結合物を含む。
【0059】
赤外線検出器254により検出された赤外線信号は比率で表されて、エアウェイアダプタ20を流通する二酸化炭素、亜酸化窒素、或いは麻酔薬の量を正確且つ動的に表す信号が出力される。
【0060】
図7はエアウェイアダプタ20’’及び共に組み付けられる相補的なトランスデューサ
ハウジング22’’の別の実施形態を示す。
エアウェイアダプタ20’’はその上部を貫通するように形成された窓234を含む。窓234は流通路34内において窓234の付近に配置された薄膜236上のルミネセンス材料232を励起するために利用される放射線の波長に対して透過的である(すなわち透過率が高い)。加えて、窓234はルミネセンス材料232から放射されて、個体の呼気中或いは他のガス混合物中にある分析物質の量に対応して分析物質により消光される放射線の1波長以上に対して透過的である。
【0061】
また、エアウェイアダプタ20’’は流通路34の対向側面に配置される窓40、42を含む。窓40、42によって、1以上の特定の赤外線波長の放射線は流通路34を横切り、個体の呼気が流通路34の窓40、42の間を通過する際に、個体の呼気中に存在する二酸化炭素、亜酸化窒素、或いは他の麻酔薬等の1以上の物質の量が測定される。従って、窓40、42は個体の呼気中に存在する1以上の物質の量を測定する際に好適に利用される赤外線波長に対して実質的に透過的な(即ち透過率が高い)物質により形成されること好ましい。
【0062】
トランスデューサハウジング22’’は放射線源256の少なくとも一部を収容し、放射線源256はルミネセンス材料232を励起してルミネセンスを発生させる放射線の1以上の波長を窓234を介してルミネセンス材料232に向ける。放射線源256は放射線を適当な位置に向けるとともに、放射線源256から放射された放射線の1以上の不要な波長をフィルタにかける光学素子(例えばフィルタ、レンズ、ビームスプリッタ等)を含む。加えて、トランスデューサハウジング22’’はルミネセンス検出器258をそれと関連する幾つかの光学素子(例えばフィルタ、レンズ、ビームスプリッタ等)と共に保持し、ルミネセンス材料232により放射され、ルミネセンス材料232が対象物質と接触することにより対象物質との接触量に対応して消光された放射線の少なくとも1波長以上を受光し検出する。
【0063】
赤外線エミッタ252及び赤外線検出器254は、トランスデューサハウジング22’’の対向する脚部22a’’、22b’’にそれぞれ配置される。赤外線エミッタ252はトランスデューサハウジング22’’内において、トランスデューサハウジング22’’がエアウェイアダプタ20’’と組み付けられた際に、放射線の1赤外線波長以上が窓40から流通路34を横切り窓42を通過するように向きが合わせられている。赤外線検出器254は、トランスデューサハウジング22’’がエアウェイアダプタ20’’と組み付けられた際に窓42の付近に配置され、放射線源256から放射され、窓42を通りエアウェイアダプタ20’’から取り出された放射線の1赤外線波長以上を受光及び検出するように向きが合わせられている。
【0064】
代わりに、或いはここで開示されているその他のエアウェイアダプタの特徴に加えて、図8に示すように、本発明の教示を具体化したエアウェイアダプタ20’’’は、個体の呼気中に存在する二酸化炭素、亜酸化窒素、或いは他の麻酔薬等の物質の量を測定するために赤外線エミッタ252及び赤外線検出器254が利用する単独の窓40を含む。エアウェイアダプタ20’’’の窓40は流通路34の一方側に配置されており、放射線の1赤外線波長以上を流通路34に導入させる。一方、光学素子41は放射線の赤外線波長が流通路34を戻るように横切り窓40を通過するように反射或いは向きを変更するものであり、窓40から少なくとも部分的に流通路34を横切るように配置される。
【0065】
窓40は個体の呼気中に存在する1以上の物質の量を測定する際に好適に利用される赤外線波長に対して略透過的な(即ち、透過率が高い)物質から構成される。
光学素子41は1個以上の鏡或いは反射被覆物をその他の周知の光学部品(例えばレンズ、フィルタ等)と共に含み、トランスデューサハウジング22’’’内において赤外線
エミッタ252から発生させられ且つエアウェイアダプタ20’’’の流通路34に導入された放射線ビームは、流通路34を戻るように横切り、窓40を通り、トランスデューサハウジング22’’’により保持され且つ赤外線エミッタ252の近くに配置された赤外線検出器254まで向けられる。
【0066】
上述した実施形態と同様に、エアウェイアダプタ20’’’は、赤外線エミッタ252及び赤外線検出器254を保持したトランスデューサハウジング22’’’を組み付けるように構成される。トランスデューサハウジング22’’とエアウェイアダプタ20’’’とを組み付ける際には、赤外線エミッタ252は放射線の赤外線波長を窓40から少なくとも流通路34を部分的に横切り光学素子41に向けて放射するように向きが決められる。同様に、エアウェイアダプタ20’’’とトランスデューサハウジング22’’’とを組み付ける際には、赤外線検出器254は光学素子41により向きが変更され且つ窓40から取り出された放射線の赤外線波長を受光するように向きが決められる。
【0067】
1赤外線波長以上の放射線が窓40付近の流通路34の少なくとも一部を通過し、且つ流通路34のその部分を通過する個体の呼気を通る時、各赤外線波長は個体の呼気中に存在する対応物質の量に対応して減衰或いは強度が減少する。
【0068】
図9〜図12は本発明の教示を具体化したエアウェイアダプタの他の実施形態を示す。図9〜図12に示すように、本発明のエアウェイアダプタ120は赤外線測定値及びルミネセンス消光測定値の両方を得ることが可能な一対の窓140、142を含む。
【0069】
窓140はルミネセンス材料232を励起してルミネセンスを発生させる放射線の少なくとも1波長に対して略透過的である(即ち透過率が高い)。また、窓140は流通路34の窓140、142の間を通過する呼気或いはガス混合物に存在する1以上の物質の量を測定する際に利用される放射線の1赤外線波長以上に対して略透過的である。
【0070】
窓142は窓140が略透過的な放射線の1赤外線波長以上に対して略透過的である。窓142はまた、ルミネセンス材料232により放射された放射線の少なくとも1波長に対して略透過的であり、その放射線の強度は流通路34内において測定される呼気中の物質の量に対応して減少する。
【0071】
放射線が窓140の一部分を通過する間、ルミネセンス部材232を保持した薄膜236は窓142の一部分付近に配置される。図9及び図10に示すように、薄膜236は半円形状を有する。図11及び図12は環状形状を有して窓142の外縁付近に配置された薄膜236を示す。その他の形状を有し、且つ窓142の異なる部分を被覆する薄膜236もまた、本発明の範囲に含まれるものである。
【0072】
エアウェイアダプタ120と相補的に形成されたトランスデューサハウジング122は脚部122a、122bを含み、その一方(第1脚部122a)は窓140付近に配置されており、他方(第2脚部122b)は窓142付近に配置される。
【0073】
トランスデューサハウジング122の第1脚部122aは赤外線エミッタ252及びルミネセンス材料232を励起する放射線の少なくとも1波長を放射する放射線源256を保持する。赤外線エミッタ252及び放射線源256はいずれも、それぞれの放射線の波長を窓140内へ放射し、流通路34を通過させる。赤外線エミッタ252はまた、放射された放射線が窓142の(薄膜236により)妨げられていない部分を通過するように向きが決められる一方、放射線源256は放射された放射線が薄膜236に向けられるように向きが決められることにより、薄膜236により保持されたルミネセンス材料232が励起されてルミネセンスが発生させられる。
【0074】
代わりに、部分圧力、或いはエアウェイアダプタ120を流通する呼気或いは他のガス中に存在する二酸化炭素又は他の1以上の物質の量を検出するために利用される赤外線の1波長以上に対して、薄膜236およびその上のルミネセンス材料232が略透過的であるならば、薄膜236により窓142を実質的に被覆することが可能である。
【0075】
トランスデューサハウジング122の第2脚部122bは赤外線検出器254及びルミネセンス検出器258を保持する。赤外線検出器254は窓142を介してエアウェイアダプタ120を励起する放射線の1赤外線波長以上を受光し、検出する。ルミネセンス検出器258は、ルミネセンス材料232から放射され且つルミネセンス材料232が接触する呼気中の監視物質の量に対応して消光或いは強度が減少させられる放射線の1波長以上を受光し且つ検出するように向きが決められる。
【0076】
図9及び図11に示す実施形態に代えて、放射線源256はトランスデューサハウジング122の第2脚部122b内に位置させられ、且つルミネセンス材料232を載置した薄膜236付近の窓142の一部分に放射線を向けるように配置される。その代わりに、ルミネセンス検出器258及び放射線源256の一方或いは両方がトランスデューサハウジング122の第1脚部122bに保持される。
【0077】
図13及び図14は本発明の教示を具体化したエアウェイアダプタ20’の他の実施形態を示す。エアウェイアダプタ20’は単一の窓40’を含み、その窓40’を介して個体の呼気中の酸素、二酸化炭素、及び麻酔薬の量の測定値を得る。図示するように、ルミネセンス材料232を保持する薄膜236’は流通路34’内において窓40’の一部分に配置される。薄膜236’は環状形状を有して窓40’の端縁を被覆するように図示されているが、他の形状を有する薄膜を備えたエアウェイアダプタも本発明の範囲に含まれる。更に、ルミネセンス材料232を保持する薄膜は窓40’上に配置する必要はなく、流通路34’内の他の場所や流通路34’と流通する一定の位置に配置してもよい。
【0078】
エアウェイアダプタ20’はまた1個以上の鏡41’を含み、鏡41’は窓40’を介して個体の呼気中の酸素、二酸化炭素、或いは麻酔薬の1個以上の量を測定するように配置される。図示するように、エアウェイアダプタ20’は1個の鏡41’を含み、鏡41’は個体の呼気中の二酸化炭素及び・或いは麻酔薬の量を示す測定値を収集する。一例として、鏡41’は流通路34内に形成或いは配置されており、窓40’を介して流通路34内に導入され且つ流通路34を亘る距離の少なくとも一部分を横切る放射線を、窓40’を介して戻すように反射させる。当然のことながら、鏡41’は実際には1グループの鏡、他の光学部材(例えばフィルタ、レンズ等)、或いは特定波長の放射線を適切な位置に向ける周知の種類により構成される。
【0079】
図14に示すように、エアウェイアダプタ20’と組み付けられるトランスデューサハウジング22’は放射線源256及び対応するルミネセンス検出器258を含む。放射線源256はルミネセンス材料232を励起する電磁放射線の少なくとも1波長を放射する。放射線源256は励起放射線の1波長以上を窓40’を通してルミネセンス材料232まで導入するように配置される。ルミネセンス材料232から放射された放射線の少なくとも一部は、その後にルミネセンス検出器258により受光される。ルミネセンス検出器258はルミネセンス材料232から放射され、且つ流通路34を通る呼気或いは他のガス混合物に存在する酸素の量を示す放射線の少なくとも1波長を検出する。
【0080】
図14に示すように、トランスデューサハウジング22’は赤外線エミッタ252及び赤外線検出器254を保持する。赤外線エミッタ252は流通路34’内の呼気或いは他のガスに存在する二酸化炭素、麻酔薬、又は他のガスや蒸気物質の量を検出する際に利用
される放射線の1波長以上を放射する。図示するように、赤外線エミッタ252は放射線の1波長以上を窓40’に向け、流通路34’を少なくとも部分的に通過させて鏡41’に到達させるように配置される。その後、鏡41’は放射線の1波長以上を窓40’の位置に向けて戻し、そこで放射線は赤外線検出器254により受光或いは感知される。
【0081】
当然のことながら、1個以上のレンズが放射線源256’及び・又はルミネセンス検出器258’と結合されて、放射線源256’から放射或いはルミネセンス検出器258’により受光された放射線の焦点を集めてもよい。同様に、1個以上のフィルタが放射線源256’と結合されて、ルミネセンス材料232が放射される放射線の波長を限定してもよい。また、1個以上のフィルタがルミネセンス検出器258’と連結されて、ルミネセンス検出器258’により受光される放射線の波長を制限してもよい。
【0082】
図1〜図5、図13及び図14に全体的に示すように、エアウェイアダプタ20、20’、及びトランスデューサハウジング22、22’はポリカーボネート或いは比較的剛性を有し且つ寸法安定的なポリマーから成形される。しかしながら、例えば利用されるルミネセンス材料232の種類等の諸要素は、ルミネセンス材料232を励起し、ルミネセンス材料232により放射され、且つ二酸化炭素、亜酸化窒素或いは他の麻酔薬等の物質を検出するために使用される放射線の波長と同様に、エアウェイアダプタ20、20’を形成する材料を選択する際に考慮される。このような要素は、トランスデューサハウジング22、22’を形成する1以上の材料を選択する際にも考慮される。
【0083】
本発明の教示を具体化したエアウェイアダプタ20、20’がルミネセンス材料232を含む場合には、エアウェイアダプタ20、20’及びトランスデューサハウジング22、22は、ルミネセンス材料232を励起する周辺光の波長をルミネセンス材料232に対して放射しない(即ち、材料はそのような放射線の波長に対して不透過的である)材料により形成されるのが好ましい。また、エアウェイアダプタ20、20’及びトランスデューサハウジング22、22’を形成する材料は、ルミネセンス材料232が励起された際に放射し、且つルミネセンス材料232が接触した酸素、分析ガス、或いは蒸気材料の量に対応して消光或いは強度が減少させられた波長と同じ波長の周辺放射線をルミネセンス検出器258に対して放射しないものが好ましい。エアウェイアダプタ20、20’及びトランスデューサハウジング22、22’の一方或いは両方は、ルミネセンス材料232及びルミネセンス検出器258に対して好ましくない周辺放射線の波長を放射しないようにする光遮断部材或いは光学フィルタを備える。
【0084】
エアウェイアダプタ20、20’及びトランスデューサハウジング22、22’を形成する材料は、ルミネセンス材料232を励起する放射線の波長、或いはエアウェイアダプタ20、20’又はトランスデューサハウジング22、22’に対して周辺光或いは赤外線エミッタ252、放射線源256、又は励起ルミネセンス材料232から放射された放射線の波長が放射された際にルミネセンス材料232から放射される放射線の波長を放射或いは発生させないものが好ましい。
【0085】
放射線の1波長以上が透過させられる窓40等のエアウェイアダプタ20、20’或いはトランスデューサハウジング22、22’の部分は、その部分を透過する放射線の1波長以上の相当量を吸収しない材料から構成されることが好ましい。換言すれば、エアウェイアダプタ20、20’或いはトランスデューサハウジング22、22’のそのような部分は、患者の呼気中にある1以上の特定物質の量を示す放射線の波長に対して比較的透過的である。一例として、エアウェイアダプタ20、20’或いはトランスデューサハウジング22、22’にポリプロピレンを利用することができる。ポリプロピレンは二酸化炭素レベルを検出するために利用される波長に対して高い透過性を有するが、その他の物質のレベルを検出するために利用される放射線の波長に対してはそれ程透過性が高くない。
【0086】
上記及び図1〜5に示すように、エアウェイアダプタ20は第1管状部24(図4及び図5に最も明確に示されている)に呼気流量監視装置30を含む。エアウェイアダプタ20の呼気流量監視装置30は呼気流量監視として周知の適当な型式のものにより構成される。一例としての呼気流量監視装置30は支柱44を含む。支柱44はエアウェイアダプタ20の管状ハウジング46内において正反対に指向するとともに長手方向に延出し、長さLと高さHを有する。支柱44は第1及び第2端面50、52と、第1及び第2側面54、56を有する。
【0087】
図5に示すように、端面50、52は軸Aと略直交するとともに、上方から見たときに端面形状が左右対称的となるように面取りが施され或いは丸く形成されている。端面50、52の主な特徴としては、対称的である他に、切り込み58、60に向けて傾斜しておらず、或いは切り込み58、60及び圧力ポート62、66の方向に流量監視装置30を通る流れを収集又は向けない。各端面50、52はガス流に対する抵抗を最小限とするように空気力学的に形成されている。
【0088】
図5に示すように、支柱44の側面54、56は平坦であり、主な特徴として端面50、52と同様に、支柱44の両側方は対称的とされる。
支柱44は圧力ポート62、66の場所を備えるとともに、流通ガスの速度プロフィールを調節する。支柱44は管状ハウジング46の内壁48から隔てられており、その両端が内壁48に固定されている。
【0089】
ボア軸Aを横断する支柱44の断面部分は最小にされている。しかしながら、この寸法の最小化は、圧力ポート62、66の直径に起因するものである。一般的には、支柱44の断面部分は、支柱44の位置における管状ハウジング46のボア断面部分の約5パーセントとされる。
【0090】
管状ハウジング46を貫通するボアの直径は、図4〜図5に示すように、第1管状部分24と第2管状部分26で相違する。そのような形状は、エアウェイアダプタ20の第1管状部分24の左手側において破線で示された雄接続管部材Mと、エアウェイアダプタ20の第2管状部分26の右手側における雌接続管部材Fとを収容する。また、第1及び第2管状部分24、26の内側ボアは先が細くされており、成形エアウェイアダプタ20からプラスチック射出成型部品が開放される。
【0091】
支柱44は更に、略左右対称的な第1及び第2切り込み58,60を有する切り込み構造物を含む。第1及び第2切り込み58,60は管状ハウジング46の軸A上に実質的に位置すると共に、それぞれ第1及び第2端面50、52から軸方向内側へ延出し、且つ第1及び第2側面54、56を横方向に貫通する。第1管腔64の第1圧力ポート62は第1切り込み58に開口し、第2管腔68の第2圧力ポート66は第2切り込み60に開口する。第1及び第2管腔64、68は支柱44内側に通路を有し、その通路は管状ハウジング46の外面74においてそれぞれ第1及び第2雄軸70、72を貫通する。
【0092】
エアウェイアダプタ20は上方に向けられる第1及び第2雄軸70、72と向きが合わせられるのが好ましく、その結果、水分凝縮や粘液によりポート62、66が塞がれ或いは妨げられることがない。
【0093】
圧力ポート62、66は管状ハウジング46の軸Aと略直交する方向に対向し、切り込み58、60は少なくとも圧力ポート62、66を通過して軸方向内側に深さDだけ延出する結果、圧力ポート62、66は切り込み58、60の高さH2と同等の距離だけ伸長し、換言すると、支柱44の高さH1の十分の四以下とされる。
【0094】
切り込み58、60の背面78、80は、図5に示すようにアーチ形状とされ或いは丸みが付けられており、又は端面50、52と同様に左右対称となるように形成される。背面78、80は略平坦な表面を有する。
【0095】
切り込み58、60の床面82、84及び天井86、88は、図4に示すように略平面即ち平坦とされるのが好ましく、或いは対称的な形状とされる。同様に、移行端縁即ち端面50、52及び切り込み58、60の間の線は丸みがつけられるのが好ましく、或いは面取りが施され又は勾配が形成される。
【0096】
切り込み58、60の背面78、80は規制部(隆起部或いはランド)90と共に流量監視装置30を流通するガスに対する流通阻害物76及び・或いは摂動を構成し、第1及び第2ポート62、66において測定された差圧信号を出力する。測定差圧信号は圧力損失或いは縮流、即ち流通阻害物76により発生させられる流通ガスの速度プロフィールの縮小に起因する。縮流により生じる差圧は、オイラー或いはベルヌーイ方程式等の基準流体力学方程式によりモデル化される。縮流により生じる差圧信号は無損失と見做される。無損失とは、速度プロフィールが通常の速度プロフィールに戻る際には圧力は復帰することを意味する。
【0097】
流量監視装置30により測定された呼気流量は圧力ポート62、66において測定された差圧の平方根に比例する。
流通阻害物76は特定の流速において測定された差圧を異なる大きさで生じさせるように様々な方法に変更させられる。第1に、規制部(隆起部或いはランド)90の断面部分は軸Aと直行する平面において増加或いは減少させられる。また、第1圧力ポート62の中央部から切り込み58の背面78までの距離、及び同様に第2圧力ポート66の中央部から切り込み60の背面80までの距離は、流通応答特性を変更するように変化させられる。特定の流速における差圧信号の大きさは、管状ハウジング46の内壁48の直径を減少させてボア断面部分を減少させることにより増加させることができる。
【0098】
支柱44の長さ及び幅を所望するように変更すると流通特性が変化する。流通特性は流量調節、信号強度及び信号安定性を含む。理想的には、流通阻害物76への通常の速度プロフィールは、エアウェイアダプタ20に通常生じる速度プロフィールに拘らず同一にされる。流通阻害物76により不安定な多次元渦構造が発生させられる時には、信号安定性が失われる。切り込み手段を有する支柱44により、入口速度プロフィールの影響を受けず且つガス流通に対応した安定した差圧信号を発生させるように流量が調節される。
【0099】
流量監視装置30は、流量監視装置30が操作される際の状態に対応するように選択的に変更される。特に、支柱44付近における流入断面積の変更は、呼気流量監視装置30のダイナミックレンジを調節するために採用され、切り込み50、52の端面50、52及び後壁78、80の形状及び切り込み58、60、端面50、52及び側面54、56間の移行線が変更される。横方向に延出し且つ反対方向に向けられた中央(支柱44)規制部(端縁或いはランド)90及び支柱領域の軸長における内壁の漸次移行を利用することにより、流通のパターンを対称的にするとともに流通を正常化し、湿気の影響を受けず且つ読み込みの繰り返し性を向上させることが好ましい。切り込みの高さH2或いは支柱44の長さを増加或いは減少させることにより、種々の気管内挿入管を備えた流量監視装置30を採用する場合等、より広い範囲の入口状態に適用させることができる。
【0100】
図15は本発明の教示を具体化したエアウェイアダプタ20’の第2実施形態を示す。エアウェイアダプタ20’は複数の鍔92を第1部分24’の外径周囲に備える。鍔92は22mmの直径を有し、エアウェイアダプタ20’の重量を軽減させ、且つエアウェイ
アダプタ20’を射出成形により形成するように壁寸法を均一にする。
【0101】
図16〜図18はエアウェイアダプタ100の第3実施形態を示しており、上記に開示した実施形態に対してデッドスペースが減少している。エアウェイアダプタ100は特に、新生児等の一回呼気量が極端に小さい場合に好適に使用することができるが、大人及び小児の呼気を監視する際にも同様な有用性を有する。
【0102】
図示するように、エアウェイアダプタ100は患者の気管内に挿入され且つエアウェイアダプタ100の第1管状部104に取り付けられる気管内挿入管等の患者の呼気装置と、エアウェイアダプタ100の第2管状部106に取り付けられる機械式換気装置の管との間を接続するように構成される。第1及び第2管状部104、106は直径が変化し且つ略円形断面のボア部を有する。図16〜図18に示すように、エアウェイアダプタ100のガス濃度監視部108は第1管状部104と第2管状部106の間に配置される。
【0103】
エアウェイアダプタ100のガス濃度監視部108には図1に示すトランスデューサハウジング22と同様にトランスデューサハウジング(図示なし)の座部が設けられている。一体U字型ケーシング部材112はトランスデューサハウジングを確実にエアウェイアダプタの所定位置に配置する。本実施形態においては、トランスデューサ及びエアウェイアダプタ100を取り付け或いは取り外す際に工具を必要とすることなく、トランスデューサハウジングはエアウェイアダプタ100に取り付けられる。
【0104】
図示するように、エアウェイアダプタ100は第1管状部104に形成される環状凹部141を含む。環状凹部141は、エアウェイアダプタ100の第1管状部104の左手側において符号M1が付されて破線で示された雄接続管部材を収容する。第2管状部106も同様に、破線で示された第2雄接続管部材M2を収容するように構成された差込口143を含み、雄接続管部材は段付溝145に係合することにより差込口143に取り付けられる。部材M1,M2はそれぞれ、エアウェイアダプタ100の対応する管状室130、124と同じ直径を有するボア部を含む。部材M1、M2はエアウェイアダプタ100と個体の気道との間を連通させ、必要であれば呼吸装置或いは他の換気装置との間を連通させる。
【0105】
ガス濃度監視部108は、U字型ケーシング部材112を貫通するように形成されたルミネセンス感知窓234を含む。窓234は、エアウェイアダプタ100に組み付けられたトランスデューサハウジング内にある励起放射線源から励起放射線をエアウェイアダプタ100内へ、更にエアウェイアダプタ100内のルミネセンス材料(例えば図4に示すルミネセンス材料232)に向けて放射する。また、図6を参照して詳述したように、窓234はエアウェイアダプタ100のルミネセンス材料から放射されたルミネセンスを、トランスデューサハウジング内の検出器により検出させる。
【0106】
ガス濃度検出部108は第1同軸窓116及び第2同軸窓118(図17のみに図示)を含み、上述したように、赤外線ビームをトランスデューサハウジング内の赤外線エミッタ(図1を参照)からエアウェイアダプタ100内のサンプリング室114を横切らせることにより、二酸化炭素、亜酸化窒素、及び麻酔薬等のガスを監視する。
【0107】
エアウェイアダプタ100は、第1管状部104、第2管状部106及びガス濃度監視部108にそれぞれ部分的に位置する呼気流量監視装置110を含む。
呼気流量監視装置110は図17に最も明確に図示されており、管状部104の第1管状室124に開口する第1管腔122の第1圧力ポートと、第2管状室130に開口する第2管腔128の第2圧力ポート126とを含む。管腔122、128はそれぞれ第1及び第2凹部132、134まで延出し、凹部132、134はデッドスペースを最小にし
、且つ符号T1,T2が付されて破線により示された接続管を収容する。管T1,T2は、検出された圧力ポート125、126間の差圧から流量を決定する流量モニタ(図示なし)に接続される。この差圧はガスサンプリング室114の縦方向端部において細く絞られたポート136、138を介することにより発生させられる。
【0108】
トランスデューサハウジング22の放射線源252、256(図1及び図6)により発生する熱、或いはエアウェイアダプタ100上に配置される1個以上の他の供給源からの熱により、呼気中の水分がエアウェイアダプタ100内で濃縮する可能性が少なくなる。本実施形態は容量が小さく且つ新生児に利用することを目的としているため、水分濃縮の影響は特に重要視される。従って、凹部132、134を上方へ向けて目詰まりを防ぐようにエアウェイアダプタ100は配置される。
【0109】
本実施形態によれば、デッドスペースを最小にし、1部品となるように成形する等多くの効果を有する。
図19〜図26は、図16〜図18のエアウェイアダプア100と同様のエアウェイアダプタ200の第4実施形態を示す。従って、図16〜図18及び図19〜図26に示すエアウェイアダプタ100及び200に共通の部品には同じ符号が付されている。エアウェイアダプタ200は特に、新生児等の一回呼気量が極端に小さい場合に好適に使用することができるが、小児及び大人の呼吸を監視する際にも同様な有用性を有する。
【0110】
エアウェイアダプタ200は、患者の気管内に挿入され且つ第1管状部104に取り付けられる気管内挿入管等の患者の呼吸装置と、第2管状部106に取り付けられる機械式換気装置の管との間を接続するように構成される。第1及び第2管状部104、106は直径が変化し且つ略円形断面のボア部を有し、ガス濃度監視部108は第1管状部104と第2管状部106の間に配置される。
【0111】
エアウェイアダプタ200のガス濃度監視部108は、図1に示すトランスデューサハウジング22と同様にトランスデューサハジング(図示なし)の座部を備える。一体U字型ケーシング部材112はトランスデューサハジングを確実にエアウェイアダプタ200上の所定位置に取り付ける。エアウェイアダプタ200とトランスデューサハジングとを組み付け、及び取り外す際に工具を必要とすることがないように、トランスデューサハジングはエアウェイアダプタ200に取り付けられるのが好ましい。
【0112】
本実施形態においては、図16〜図18の実施形態と同様に、第1管状部104には環状凹部142が形成されており、エアウェイアダプタ200の第1管状部104の左手側において符号M1が付されて破線で示された雄接続管部材を収容する。第2環状部106は、破線で示す第2雄接続管部材M2を収容する差込口143を含む。第2雄接続管部材は段付溝145と係合することにより差込口143に取り付けられる。部材M1、M2は管状室124、130のボアと同じ直径を有するボアを含む。部材M1,M2はエアウェイアダプタ200と個体の気道との間を連通させ、必要であれば呼吸装置或いは他の換気装置との間を連通させる。
【0113】
ガス濃度監視部108はU字型ケーシング部材112を貫通するように形成されたルミネセンス感知窓234を含む。窓234は、エアウェイアダプタ200に組み付けられたトランスデューサハジング内の励起放射線源から励起放射線をエアウェイアダプタ200内に、更にエアウェイアダプタ200内のルミネセンス材料(例えば図4に示すルミネセンス材料232)に向けて放射する。また、図6を参照して上述したように、窓234はエアウェイアダプタ200のルミネセンス材料から放射されたルミネセンスを、トランスデューサハジング22内のルミネセンス検出器258により検出させる。
【0114】
ガス濃度監視部108はまた第1同軸窓116及び第2同軸窓118を含み、トランスデューサハジング内の赤外線エミッタからの赤外線ビームをエアウェイアダプタ200のサンプリング室114を横切らせることにより、上述したように、個体の呼気中の二酸化炭素、亜酸化窒素、及び麻酔薬等のガスの量を監視する。
【0115】
エアウェイアダプタ200は、第1管状部104、第2管状部106及びガス濃度監視部108にそれぞれ部分的に位置する呼気流量監視装置110を含む。呼気流量監視装置110は、第1支柱202を貫通して延出し且つ第1管状部104の第1管状室124に開口する第1管腔122の第1圧力ポートを含む。第1支柱202は第1管状部104に向けられたテーパ部204を含み、潜在的な乱流を最小にする。呼気流量監視装置110はまた、第2支柱206を貫通して延出し且つ第2環状室130に開口する第2管腔128の第2圧力ポート126を含む。第2支柱206は第2管状部106に向けられたテーパ部206を含み、潜在的な乱流を最小にする。管腔122、128はそれぞれ第1及び第2凹部132、134まで延出する。
【0116】
凹部132、134はデッドスペースを最小にし、且つ符号T1,T2が付されて破線により示された雄接続管を収容する。凹部132、134は内側鍔部210を有し、管T1,T2を確実に把持する。管T1,T2は、検出された圧力ポート120、126間の差圧から流量を決定する流量モニタ(図示なし)に接続される。この差圧はガスサンプリング室114の縦方向端部に設けられた第1環状ポート212及び第2環状ポート214を介して発生させられる。第1環状ポート212は、第1支柱202から延出し且つ第1環状部104の第1環状室124の一部を塞ぐ第1規制部材216により形成される。第1規制部材216の表面220、222は、エアウェイアダプタ200を通る呼気の流れと略直交するのが好ましい。第2環状ポート214は、第2支柱206から延出し且つ第2管状部106の第2環状室130の一部を塞ぐ第2規制部材218により形成される。第2規制部材218の表面224、226は、エアウェイアダプタ200を通る呼気の流れと略直交するのが好ましい。第1規制部材216及び第2規制部材218は、円形、楕円形、矩形等あらゆる形状とすることができる。しかしながら、平面円盤形状が好ましい。
【0117】
トランスデューサハウジング22の放射線源252、256(図1及び図6)によって発生する熱、或いはエアウェイアダプタ200上に配置される1個以上の他の供給源からの熱により、呼気中の水分がエアウェイアダプタ200内で濃縮する可能性は少なくなる。本実施形態は容量が小さく且つ新生児に利用することを目的としているため、水分濃縮の影響は特に重要視される。従って、凹部132、134を上方へ向けて目詰まりを防ぐようにエアウェイアダプタ200は配置される。
【0118】
本実施形態によれば、デッドスペースを最小にし、1部品となるように成形する等多くの効果を有する。
上記の詳述には多くの特異性が包含されているが、それらの特異性は本発明の範囲を限定するように構成されるべきではなく、単に例示的な実施形態を示すものに過ぎない。同様に、本発明の精神或いは範囲を逸脱していなければ、本発明の他の実施形態を構成することも可能である。種々の実施形態の特徴は組み合わせて採用することができる。従って、本発明の範囲は、上記の詳述よりもむしろ添付されている請求の範囲及び法的な同等物によってのみ示され且つ限定される。ここに開示されているような請求の範囲の効力及び範囲内にある本発明に対する付加、削除、及び変更は全て本発明に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】呼気及び麻酔薬ガスを判定するための電子機器を収容するトランスデューサハウジングと共に本発明に係るエアウェイアダプタの第1実施形態を示す分解斜視図。
【図2】本発明に係るエアウェイアダプタの第1実施形態を示す側面図。
【図2A】本発明に係るエアウェイアダプタの第1実施形態を示す上面図。
【図3】図2のエアウェイアダプタを3−3面から見た端面図。
【図4】図2のエアウェイアダプタの側面断面図。
【図5】本発明のエアウェイアダプタの軸から横方向に広がる5−5面から上方に図4のエアウェイアダプタを見た断面図。
【図6】図4の6−6面から見た図2及び図4のエアウェイアダプタ、並びに共に組み立てられたトランスデューサを概略的に示す別の断面図。
【図7】1種類以上の物質のルミネセンス消光測定値が得られる単一の窓及び1種類以上の物質の赤外線測定値が得られる対向する一対の窓を含むエアウェイアダプタを説明する断面図。
【図8】1種類以上の物質のルミネセンス消光測定値が得られる単一の窓及び1種類以上の物質の赤外線測定値が得られる別の単一の窓と対応する光学素子を含むエアウェイアダプタを説明する断面図。
【図9】1種類以上の物質のルミネセンス消光測定値及び赤外線測定値が得られる一対の対向する窓を有する本発明に係るエアウェイアダプタとトランスデューサの別の実施形態を示す断面図。
【図10】図9に示す実施形態のエアウェイアダプタにおけるエアウェイアダプタの窓を示す部分図。
【図11】1種類以上の物質のルミネセンス消光測定値及び赤外線測定値が得られる一対の対向する窓を有する本発明に係るエアウェイアダプタとトランスデューサの別の実施形態を示す断面図。
【図12】図11に示す実施形態のエアウェイアダプタにおけるエアウェイアダプタの窓を示す部分図。
【図13】赤外線測定値及びルミネセンス消光測定値の両方が得られる単一の窓を含むエアウェイアダプタを示す断面図。
【図14】エアウェイアダプタと共に組み立てられたトランスデューサを示す図13の14−14視断面図。
【図15】本発明に係るエアウェイアダプタの第2実施形態を示す側面図。
【図16】本発明に係るエアウェイアダプタの第3実施形態を示す側面図。
【図17】図16のエアウェイアダプタを示す側断面図。
【図18】図16のエアウェイアダプタを示す底面図。
【図19】本発明に係るエアウェイアダプタの第4実施形態を示す側面図。
【図20】図19のエアウェイアダプタを示す側断面図。
【図21】図19のエアウェイアダプタの21−21視端面図。
【図22】図19のエアウェイアダプタの22−22視端面図。
【図23】図19のエアウェイアダプタの23−23視断面図。
【図24】図19のエアウェイアダプタの24−24視断面図。
【図25】図19のエアウェイアダプタの25−25視断面図。
【図26】図19のエアウェイアダプタの26−26視断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼気流量及び被験者の呼気中に存在する2つ以上の物質の測定量を示すデータを提供することに適切なエアウェイアダプタにおいて、
少なくとも部分的に貫通しているボアを有するハウジングと、
前記ハウジングから呼気を分岐することなく前記2つ以上の物質のうちの少なくとも第1の物質を検出するために適切な第1の呼気検出器と、前記第1のガス検出器は前記ハウジング内部に検出チャンバを備え、前記検出チャンバの境界は少なくとも部分的に少なくとも1つの窓によって画成されることと、
前記少なくとも1つの窓の少なくとも一部の上に設けられ、前記ボアを流通する気体に晒されることにより、前記ハウジングから呼気を分岐することなく前記2つ以上の物質のうちの少なくとも第2の物質を検出するための一定量のルミネセンス材料を備えた第2のガス検出器と、
前記少なくとも1つの窓を介した前記第1の物質の検知、前記少なくとも1つの窓を通る前記一定量のルミネセンス材料の発光及び、前記少なくとも1つの窓を介した前記一定量のルミネセンス材料によって放射される光の監視を促進するために、トランスデューサを着脱自在に結合するための前記ハウジング上の着座部とを備えるエアウェイアダプタ。
【請求項2】
前記第2のガス検出器は赤外線検出部からなる、請求項1に記載のエアウェイアダプタ。
【請求項3】
前記ルミネセンス材料が配備される前記少なくとも1つの窓は、前記ボアに沿って設けられ、かつその内部を前記赤外線が通過するサンプリング室に対向するように配備される1組の窓のうちの1つである、請求項2に記載のエアウェイアダプタ。
【請求項4】
前記赤外線検出部は少なくとも二酸化炭素の検出を促進するために形成されている、請求項2又は3に記載のエアウェイアダプタ。
【請求項5】
前記赤外線検出部は少なくとも1種類の麻酔薬の検出を促進するために形成されている請求項2又は3に記載のエアウェイアダプタ。
【請求項6】
前記ルミネセンス材料は少なくとも酸素の検出を促進する請求項1〜5のいずれか一項に記載のエアウェイアダプタ。
【請求項7】
個体の呼吸を監視するための装置であって、ルミネセンス消光技術を使用して個体の呼吸中の少なくとも他の一物質を監視するための手段、及び個体の呼吸中の少なくとも一物質を監視する赤外線技術を使用した検知を行うための手段を備えた単一のハウジングと、前記ルミネセンス消光技術を使用する手段と前記赤外線技術を使用する手段とは前記単一のハウジングの長さ方向に沿った同一の箇所に配置されることとを備える、装置。
【請求項8】
呼気流量を測定するための手段をさらに備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ルミネセンス消光技術を使用する手段は、個体の呼吸中における少なくとも酸素量を監視するものである請求項7又は8に記載の装置。
【請求項10】
前記赤外線技術を使用する手段は、個体の呼吸中における二酸化炭素、亜酸化窒素、及び麻酔薬の少なくとも1個の量を監視する手段からなる、請求項7又は8に記載の装置。
【請求項11】
前記呼気流量を測定するための手段は、前記単一のハウジングの少なくとも一部を通じて差圧を発生させるための手段からなる、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記差圧を発生させるための手段は、前記ルミネセンス消光技術及び前記赤外線技術を使用するのと同一の、前記前記単一のハウジングの長さ方向に沿った前記同一の箇所にて使用される、請求項11に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2009−28551(P2009−28551A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−234814(P2008−234814)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【分割の表示】特願2002−582792(P2002−582792)の分割
【原出願日】平成14年2月8日(2002.2.8)
【出願人】(504463855)リック インベストメンツ エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】RIC Investments,LLC
【Fターム(参考)】