説明

多源蒸着薄膜の組成制御方法および製造装置

【課題】2以上の物質の組成比率を高精度に調整して、CIGS膜などの薄膜を形成する。
【解決手段】多源蒸着薄膜の組成制御方法では、チャンバ11内に第1物質(Se)を供給して加熱した状態において、同じ成膜工程においてチャンバ11内へ供給される2以上の物質(Ga,In)の組成比率を、チャンバ11内に配設された振動子25の付着物による発振周波数の変化に基づいて検出することにより制御し、異なる成膜工程において多段的にチャンバ11内へ供給される2以上の物質(Ga,InとCuと)の組成比率を、チャンバ11内に配設された計測板33の付着物の膜厚を光の薄膜干渉により検出することにより制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多源蒸着薄膜の組成制御方法および製造装置に関し、特に、太陽電池において光吸収層として機能するCIGS膜の形成に適した多源蒸着薄膜の組成制御方法および製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、光吸収膜を有する。
光吸収膜は、太陽光を吸収し、光起電力効果により電荷を発生する。
太陽電池は、この電荷を光吸収膜から取り出し、電力として出力する。
太陽電池の光吸収膜には、シリコン系材料、または非シリコン系材料を用いる。
シリコン系材料には、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどがある。
非シリコン系材料には、たとえばGaAs、CIS(CuInSe)、CIGS(Cu(In,Ga)Se)、有機系材料などがある。
CIGS膜は、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−222750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
CIGS膜は、銅(Cu:カッパー)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)及びセレン(Se)の四元素を含む層である。
そして、CIGS膜では、銅、インジウム、ガリウム、およびセレンの組成比率を調整することにより、光吸収率(発電効率)を向上できる。
また、CIGS膜では、組成比率により、CIGS膜のバンドギャップ(Eg)を調整できる。
そのため、CIGS膜の製造にあたっては、CIGS膜の組成比率を最適化する必要がある。
【0005】
このようにCIGS膜などの2以上の物質による薄膜では、2以上の物質の組成比率を高精度に調整して、薄膜を形成する方法および装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点の多源蒸着薄膜の組成制御方法は、チャンバ内に収容した基板に対して、第1物質および少なくとも3物質を供給することにより、前記基板に少なくとも4物質による薄膜を蒸着させる多源蒸着薄膜の組成制御方法である。
そして、この組成制御方法は、前記チャンバ内に前記第1物質を供給し、且つ前記チャンバ内を前記第1物質が前記基板に付着しない温度に加熱した状態において、前記少なくとも3成分の物質のうちの、同じ成膜工程において前記チャンバ内へ供給される2以上の物質の組成比率を、前記チャンバ内に配設された振動子の付着物による発振周波数の変化に基づいて検出することにより制御し、前記少なくとも3成分の物質のうちの、異なる成膜工程において多段的に前記チャンバ内へ供給される2以上の物質の組成比率を、前記チャンバ内に配設された計測板の付着物の膜厚を光の薄膜干渉により検出することにより制御する。
【0007】
好適には、前記第1物質は、加熱された前記温度において前記チャンバ内で飽和しない物質であってもよい。
【0008】
好適には、前記第1物質は、セレン、硫黄、ヒ素、またはリンであってもよい。
【0009】
好適には、前記第1物質は、セレンであり、前記少なくとも3物質は、インジウム、ガリウム、および銅であり、前記基板に蒸着される薄膜は、太陽光を吸収して発電するCIGS膜であってもよい。
【0010】
本発明の第1の観点の多源蒸着薄膜の製造装置は、第1物質、第2物質、第3物質および第4物質を含む、少なくとも4成分の物質を含む薄膜が形成される基板を収容するチャンバと、前記チャンバへ前記第1物質を供給する第1供給部と、前記チャンバへ前記第2物質を供給する第2供給部と、前記第2物質と同じ成膜工程において前記チャンバへ前記第3物質を供給する第3供給部と、前記第2物質および前記第3物質とは異なる成膜工程において前記チャンバへ前記第4物質を供給する第4供給部と、前記チャンバ内に配設された振動子を有し、前記振動子に付着物が付着することによる前記振動子の発振周波数の変化に基づいて、前記振動子に付着する付着物の量を検出する付着量検出部と、前記チャンバ内に配設された計測板を有し、前記計測板に付着した付着物の膜厚を光の薄膜干渉により検出する膜厚検出部と、前記チャンバ内を加熱するヒータとを有する。
そして、この製造装置は、前記チャンバ内に前記第1物質を供給し、前記ヒータにより前記チャンバ内を前記第1物質が前記基板に付着しない温度に加熱し、前記第2物質および前記第3物質を1物質ずつ順番に前記チャンバ内へ供給した場合において前記付着量検出部により検出される付着量に基づいて、前記第2物質と前記第3物質の組成比率が制御される。
また、この製造装置は、前記チャンバ内に前記第1物質を供給し、前記ヒータにより前記チャンバ内を前記第1物質が前記基板に付着しない温度に加熱し、前記第2物質および前記第3物質を前記チャンバ内へ供給した場合において前記膜厚検出部により検出される膜厚と、前記第4物質を前記チャンバ内へ供給した場合において前記膜厚検出部により検出される膜厚とに基づいて、前記第2物質および前記第3物質に対する前記第4物質の組成比率が制御される。
【0011】
好適には、製造装置は、前記第1供給部、前記第2供給部、前記第3供給部、前記第4供給部、前記ヒータを制御し、以下の制御を実行する制御部を有してもよい。
すなわち、前記制御部は、前記第1供給部から前記チャンバ内へ前記第1物質を供給した状態で、前記ヒータにより前記チャンバ内を前記第1物質が前記基板に付着しない加熱温度に加熱する。
また、制御部は、前記加熱温度以上の温度において前記第2供給部から前記第2物質を供給して、前記付着量検出部により前記第2物質に基づく付着物の付着量を検出させる。
また、制御部は、前記加熱温度以上の温度において前記第3供給部から前記第3物質を供給して、前記付着量検出部により前記第3物質に基づく付着物の付着量を検出させる。
また、制御部は、前記付着量検出部により検出される前記第2物質に基づく付着物の付着量と、前記第3物質に基づく付着物の付着量とに基づいて、前記第2物質と前記第3物質とが所定の組成比率となるように、前記第2物質の供給レートおよび前記第3物質の供給レートを変更し、変更した前記供給レートにより前記第2物質および前記第3物質を同時に供給して前記基板に薄膜を形成する。
【0012】
好適には、前記制御部は、以下の制御を実行してもよい。
すなわち、制御部は、前記第1供給部から前記チャンバ内へ前記第1物質を供給した状態で、前記ヒータにより前記チャンバ内を前記第1物質が前記基板に付着しない加熱温度に加熱する。
また、制御部は、前記加熱温度以上の温度において前記第2供給部および前記第3供給部から前記第2物質および前記第3物質を同時に供給して、前記基板に前記第2物質および前記第3物質による膜を蒸着させる。
また、制御部は、前記加熱温度以上の温度において前記第4供給部から前記第4物質を供給して、前記基板に前記第4物質による膜を蒸着させる。
また、制御部は、前記第2物質および前記第3物質による膜を前記基板に蒸着させる期間において前記膜厚検出部により検出される付着物の膜厚と、前記第4物質よる膜を前記基板に蒸着させる期間において前記膜厚検出部により検出される付着物の膜厚とに基づいて、前記第2物質および前記第3物質に対する前記第4物質の組成比率を制御する。
【0013】
好適には、前記第1物質は、セレンであり、前記第2物質は、インジウムであり、前記第3物質は、ガリウムであり、前記第4物質は、銅であり、前記基板に蒸着される薄膜は、太陽光を吸収して発電するCIGS膜であってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、CIGS膜などの2以上の物質による薄膜を、2以上の物質の組成比率を高精度に調整して形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る薄膜形成装置の全体図である。
【図2】図2は、太陽電池パネルの一例の模式的な部分断面図である。
【図3】図3は、図1の光学膜厚計の一例の模式的な構成図である。
【図4】図4は、図1の光学膜厚計の膜厚測定原理の説明図である。
【図5】図5は、図1の水晶膜厚計の一例の模式的な構成図である。
【図6】図6は、図1の水晶膜厚計の膜厚測定原理の説明図である。
【図7】図7は、図1の制御部の一例のコンピュータ装置である。
【図8】図8は、図1の光学膜厚計および水晶膜厚計の出力特性の比較図である。
【図9】図9は、図1の薄膜形成装置による薄膜製造処理の一例の全体的なフローチャートである。
【図10】図10は、図9の三段階法での薄膜製造処理の全体のタイムチャートである。
【図11】図11は、図10中の期間Aを拡大したタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に関連付けて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る薄膜形成装置1の全体図である。
図1の薄膜形成装置1は、太陽電池パネル100の基板101に、CIGS膜による光吸収層103を形成する。
【0017】
図2は、CIGS膜による光吸収層103を有する太陽電池パネル100の一例の模式的な部分断面図である。
図2の太陽電池パネル100は、基板101上に、裏面電極102、CIGS膜による光吸収層103、第1バッファ層104、第2バッファ層105、透明電極106、および反射保護膜107が順番に積層されたサブストレート構造を有する。
また、裏面電極102および透明電極106には、取り出し電極108,109が積層される。
なお、太陽電池パネル100には、第1バッファ層104を持たないものもある。
【0018】
基板101には、ソ−ダライムガラスなどが用いられる。基板101は、硬くても、柔らかくてもよい。
【0019】
裏面電極102には、モリブデン(Mo)などが用いられる。
モリブデンは、たとえばスパッタ法によりソ−ダライムガラスの一面に形成される。
裏面電極102は、たとえば0.5〜2.0マイクロメートル程度の膜厚に形成すればよい。
【0020】
CIGS膜による光吸収層103は、太陽光を吸収し、光電変換効果により電荷を発生する。なお、光吸収層103には、CIGS膜以外にも、CIS膜などがある。
CIGS膜などは、カルコパイライト型化合物の一種である。
光吸収層103は、たとえば0.5〜5.0マイクロメートルの厚さに形成すればよい。
CIGS膜による光吸収層103は、Cu、In、Ga及びSeの四元素を含む。
CIGS膜は、Cu(In1−x,Ga)Seと表記される。
そして、CIGS膜は、CIS膜のインジウム(In)の一部をガリウム(Ga)に置換した組成を有する。
【0021】
CIGS膜では、光吸収率(発電効率)を向上させ、エネルギーギャップEgを最適化するために、銅(カッパ)、インジウム、ガリウム、セレンの組成比率を最適化することが重要である。
また、CIGS膜は、従来の光吸収膜より薄い膜厚とすることができることから、その特徴を生かすために均一な厚さで薄く形成することが重要である。
CIGS膜は、一般的に2〜4マイクロメートルの厚さに形成される。
【0022】
CIGS膜の製造方法には、セレン化法、四元素同時蒸着法、三段階法などがある。
これらの方法では、裏面電極102が形成された基板101(以下、単に基板101という。)にCIGS膜を形成する。
セレン化法では、基板101上にプレカーサーとなるCIG(Cu(In,Ga))膜をスパッタリング法などにより形成する。また、セレン化法では、セレン化水素(HSe)雰囲気中でCIG膜を熱処理する。これにより、CIGS膜が形成される。
四元素同時蒸着法では、基板101を真空チャンバ11に収容する。そして、四元素同時蒸着法では、真空チャンバ11内にCu、In、Ga及びSeの四元素を別々の蒸着源から同時に蒸着させる。これにより、CIGS膜が形成される。
三段階法では、基板101を真空チャンバ11に収容する。そして、三段階法では、まずIn、Ga及びSeを蒸着させる。次に、Cu及びSeを蒸着させる。次に、In、Ga及びSeを蒸着させる。これにより、銅、インジウム、ガリウムおよびセレンを組成成分として有するCIGS膜が形成される。
四元素同時蒸着法、三段階法などの多元蒸着法では、毒性ガスとなるセレン化水素を使用しない。
【0023】
第1バッファ層104には、硫化カドミウム(CdS)などが用いられる。
CdS層は、CBD法などの化学析出法により光吸収層103上に形成される。
第1バッファ層104は、たとえば数10ナノメートル程度の厚さに形成すればよい。
【0024】
第2バッファ層105には、酸化亜鉛(ZnO)などが用いられる。
ZnO層は、蒸着法などによりCdS層上に形成される。
第2バッファ層105は、たとえば数10ナノメートル〜0.5マイクロメートル程度の厚さに形成すればよい。
【0025】
透明電極106には、酸化亜鉛(ZnO)にアルミナ(Al)を添加したAZO、酸化インジウムスズ(ITO)などが用いられる。
透明電極106は、スパッタ法、CVD法などにより第1バッファ層104上に形成される。
透明電極106は、たとえば0.1〜2.0マイクロメートル程度の厚さに形成すればよい。
【0026】
取り出し電極108,109には、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)などが用いられる。
取り出し電極108,109は、真空蒸着法、スクリーン印刷法、メッキ法などにより形成される。
【0027】
反射保護膜107には、たとえばフッ化マグネシウム(MgF)などが用いられる。
【0028】
図1の薄膜形成装置1は、図2の基板101(裏面電極102が形成された基板101)などに、CIGS膜による光吸収層103を形成する。
図1の薄膜形成装置1は、チャンバ11、モータ12、回転板13、ポンプ14、ヒータ15、第1蒸着源16、第2蒸着源17、第3蒸着源18、第4蒸着源19、光学膜厚計(OMS)20、水晶膜厚計(QCM)21、制御部(CTRL)22を有する。
また、チャンバ11内には、温度センサ23、プローブヘッド24、水晶振動子25が配置される。
【0029】
チャンバ11は、ハウジング11a内に、内部空間11bを有する。
また、チャンバ11は、内部空間11bに基板101を出し入れするための図示しない開閉扉を有する。
【0030】
モータ12は、たとえばチャンバ11のハウジング11aの上部に取り付けられる。
そして、モータ12の回転軸12aは、ハウジング11aを貫通し、内部空間11b内に突出する。
モータ12の回転軸12aの下端に回転板13が取り付けられる。
この回転板13に、図2の基板101が取り付けられる。
そして、モータ12は制御部22に接続される。
モータ12は、制御部22から駆動信号が入力されると、回転板13を回転させる。
【0031】
ポンプ14は、たとえばチャンバ11のハウジング11aの図1の左面に取り付けられる。
そして、ポンプ14は制御部22に接続される。
ポンプ14は、制御部22から駆動信号が入力されると、内部空間11bから空気を排出する。
これにより、チャンバ11内は、減圧され、略真空状態になる。
【0032】
ヒータ15は、ハウジング11aの内面上部に取り付けられる。
ヒータ15は、たとえばチャンバ11内の雰囲気および基板101を600度程度まで加熱できるものがよい。
そして、ヒータ15は制御部22に接続される。ヒータ15は、制御部22から駆動信号が入力されると、内部空間11bを加熱する。
これにより、チャンバ11内の温度が上昇する。チャンバ11内および基板101は、加熱される。
また、ヒータ15による加熱を終了すると、チャンバ11内の温度は、ゆっくりと降下する。チャンバ11内および基板101は、冷却される。
【0033】
温度センサ23は、ハウジング11a内に配設される。
温度センサ23は、回転板13と同じ高さに取り付けられる。
これにより、温度センサ23は、回転板13に取り付けられる基板101の温度を検出できる。
【0034】
第1蒸着源16は、第1るつぼ16aと、第1ヒータ16bと、第1シャッタ16cとを有する。
第1るつぼ16a内には、セレンが収容される。
第1るつぼ16a内のセレンは、第1ヒータ16bの加熱により蒸発(気化)する。
第1るつぼ16aから蒸発したセレンは、チャンバ11内に拡散する。
これにより、第1蒸着源16からチャンバ11内へ、蒸発したセレンが供給される。
第1シャッタ16cは、第1るつぼ16aの開口を閉じる。
これにより、第1るつぼ16aからチャンバ11内へのセレンの蒸発が停止する。
そして、第1蒸着源16には、制御部からの駆動信号が入力される。この駆動信号により、第1シャッタ16cが開閉制御され、第1ヒータ16bによるセレンの加熱温度が制御される。
セレンは、加熱温度に応じたレートで、第1蒸着源16からチャンバ11内へ蒸発する。これにより、セレンの単位時間当たりの蒸発量(供給量)、すなわち供給レートが制御される。
なお、本実施形態では、後述するようにCIGS膜の形成期間の全体においてセレンを蒸発させている。この場合、第1シャッタ16cは、CIGS膜の形成期間の全体において開状態に制御される。
【0035】
第2蒸着源17は、第2るつぼ17aと、第2ヒータ17bと、第2シャッタ17cとを有する。
第2るつぼ17a内には、インジウムが収容される。
第2るつぼ17a内のインジウムは、第2ヒータ17bの加熱により蒸発(気化)する。
第2るつぼ17aから蒸発したインジウムは、チャンバ11内に拡散する。
これにより、第2蒸着源17からチャンバ11内へ、蒸発したインジウムが供給される。
第2シャッタ17cは、第2るつぼ17aの開口を閉じる。
これにより、第2るつぼ17aからチャンバ11内へのインジウムの蒸発が停止する。
そして、第2蒸着源17には、制御部からの駆動信号が入力される。この駆動信号により、第2シャッタ17cが開閉制御され、第2ヒータ17bによるインジウムの加熱温度が制御される。
インジウムは、加熱温度に応じたレートで、第2蒸着源17からチャンバ11内へ蒸発する。これにより、インジウムの単位時間当たりの蒸発量(供給量)、すなわち供給レートが制御される。
【0036】
第3蒸着源18は、第3るつぼ18aと、第3ヒータ18bと、第3シャッタ18cとを有する。
第3るつぼ18a内には、ガリウムが収容される。
第3るつぼ18a内のガリウムは、第3ヒータ18bの加熱により蒸発(気化)する。
第3るつぼ18aから蒸発したガリウムは、チャンバ11内に拡散する。
これにより、第3蒸着源18からチャンバ11内へ、蒸発したガリウムが供給される。
第3シャッタ18cは、第3るつぼ18aの開口を閉じる。
これにより、第3るつぼ18aからチャンバ11内へのガリウムの蒸発が停止する。
そして、第3蒸着源18には、制御部からの駆動信号が入力される。この駆動信号により、第3シャッタ18cが開閉制御され、第3ヒータ18bによるガリウムの加熱温度が制御される。
ガリウムは、加熱温度に応じたレートで、第3蒸着源18からチャンバ11内へ蒸発する。これにより、ガリウムの単位時間当たりの蒸発量(供給量)、すなわち供給レートが制御される。
【0037】
第4蒸着源19は、第4るつぼ19aと、第4ヒータ19bと、第4シャッタ19cとを有する。
第4るつぼ19a内には、銅が収容される。
第4るつぼ19a内の銅は、第4ヒータ19bの加熱により蒸発(気化)する。
第4るつぼ19aから蒸発した銅は、チャンバ11内に拡散する。
これにより、第3蒸着源18からチャンバ11内へ、蒸発した銅が供給される。
第4シャッタ19cは、第4るつぼ19aの開口を閉じる。
これにより、第4るつぼ19aからチャンバ11内への銅の蒸発が停止する。
そして、第4蒸着源19には、制御部からの駆動信号が入力される。この駆動信号により、第4シャッタ19cが開閉制御され、第4ヒータ19bによる銅の加熱温度が制御される。
銅は、加熱温度に応じたレートで、第4蒸着源19からチャンバ11内へ蒸発する。これにより、銅の単位時間当たりの蒸発量(供給量)、すなわち供給レートが制御される。
【0038】
図3は、図1の光学膜厚計20の一例の模式的な構成図である。
図3の光学膜厚計20は、ハロゲンランプ31、入力光ファイバ32、プローブヘッド24、出力光ファイバ34、分光器35、受光部36を有する。
【0039】
プローブヘッド24は、計測板33を有する。
プローブヘッド24は、チャンバ11内に配設される。
プローブヘッド24は、たとえば回転板13の中心に近い位置に配設される。
計測板33には、たとえばインジウムとセレンとの化合物、ガリウムとセレンとの化合物、銅とセレンとの化合物などが付着する。
この付着物38により、計測板33の表面に付着膜が成長する。
【0040】
ハロゲンランプ31は、白色光を出力する。
白色光は、複数の波長の光成分が重畳された光である。
白色光を出力するハロゲンランプ31を使用することで、CIGS膜の形成期間中に、光源の波長を切り替える必要が無くなる。
入力光ファイバ32の一端は、ハロゲンランプ31に対向する。他端は、計測板33についての付着膜の形成面と対向する。
そして、入力光ファイバ32は、ハロゲンランプ31の白色光をプローブヘッド24へ伝達する。
これにより、白色光が、計測板33、および計測板33に付着した付着膜へ照射される。
出力光ファイバ34の一端は、計測板33についての付着膜の形成面と対向する。他端は、分光器35に接続される。
そして、出力光ファイバ34は、付着膜および計測板33から反射された光を、分光器35へ伝達する。
【0041】
分光器35は、たとえばプリズムを有し、出力光ファイバ34から入力される光を波長成分毎に分光する。分光器35は、強度を測定する波長成分を抽出する。
受光部36は、分光器35により抽出された波長成分の光を受光するセンサである。
受光部36は、受光した波長成分の強度を検出する。この強度は、付着物38の膜厚と、波長とに応じて変化する。
また、受光部36は、制御部22に接続され、検出した受光強度の情報を含む信号を制御部22へ出力する。
【0042】
図4(A)は、計測板33および付着物38への光の入射および反射の状態の説明図である。
図4(A)に示すように、付着物38が付着した計測板33に対して斜め上方から白色光が入射すると、付着物38の表面において光の一部が反射される。
また、付着物38内に入射した光は、付着物38内で多重反射する。
多重反射された光の一部は、付着物38の表面を透過する。
このため、出力光ファイバ34には、付着物38の表面において入射時に反射された光成分と、付着物内38で多重反射された光成分の一部とが入射する。
そして、付着物38の表面において入射時に反射された光成分と、付着物38内で多重反射された光成分の一部とは、波長と光路長差とに応じた位相差を生じる。
これにより、出力光ファイバ34に入射する光は、波長毎に強くなったり、弱くなったりする。
【0043】
また、光路長差は、付着物38の膜厚により決まる。
このため、出力光ファイバ34を通じて分光器35に入射する光は、たとえば図4(B)に示すように、光の波長毎に異なる強度の波長スペクトル(強度分布)を持つ。
また、分光器35に入射する光の波長スペクトルは、図4(B)から(D)に示すように、付着物38の付着量に応じて異なる。
図4(B)から(D)は、計測板33の付着物38の付着量に応じた光スペクトルの説明図である。横軸は、波長である。縦軸は、強度である。
波長スペクトルは、計測板33の付着量が多くなると、図4(B)の波長スペクトルから、図4(D)の波長スペクトルに変化する。
【0044】
そして、分光器35は、この付着量に応じて異なる波長スペクトルを有する反射光を、波長成分毎に分光し、所定の波長成分を抽出する。
受光部36は、抽出された波長成分の光の強度を検出する。
制御部22は、受光部36により検出された光の強度に基づいて、計測板33の付着物38の膜厚を特定する。
【0045】
図5は、図1の水晶膜厚計21の一例の模式的な構成図である。
図5の水晶膜厚計21は、水晶振動子25、発信回路41、カウンタ42、変換部(CVT)43を有する。
【0046】
水晶振動子25は、発信回路41に接続される。水晶振動子25は、発信回路41から供給される電力により、発信する。
水晶振動子25の発信周波数は、安定しており、一般的に8桁オーダ程度の精度を有する。
水晶振動子25は、チャンバ11内に配設される。
水晶振動子25は、たとえば回転板13の中心に近い位置において、プローブヘッド24と並べて配設される。
チャンバ11内に配設される水晶振動子25には、たとえばインジウムとセレンとの化合物、ガリウムとセレンとの化合物、銅とセレンとの化合物などが付着する。
【0047】
図6は、図5の水晶振動子25の付着物44の付着量に応じた周波数特性の説明図である。
横軸は、周波数である。縦軸は、水晶振動子25のコンダクタンスである。
そして、図6中にf1、f2、f3として例示するように、水晶振動子25の発振周波数は、付着物44の付着量に応じて変化する。
具体的には、水晶振動子25の発信周波数は、付着物44の付着量が多くなると低くなる。
【0048】
発信回路41は、カウンタ42に接続される。
発信回路41は、水晶振動子25に電力を供給し、水晶振動子25が発生した振動信号を増幅してカウンタ42へ出力する。
カウンタ42は、単位時間毎に、発信回路41から入力される振動信号の周期をカウントする。
カウンタ42は、変換部43に接続され、カウント値を変換部43へ出力する。
変換部43は、カウント値を、図6の周波数変化特性のデータに基づいて、水晶振動子25に付着した付着物44の膜厚値へ換算する。
変換部43は、図1の制御部22に接続され、換算した水晶振動子25の付着物44の膜厚値を含む信号を制御部22へ出力する。
水晶振動子25の発振周波数が安定しているため、制御部22へ出力される膜厚値は高い精度を有する。
【0049】
図7は、図1の制御部22の一例のコンピュータ装置50である。
図7のコンピュータ装置50は、CPU(Central Processing Unit)51、メモリ(MEM)52、操作部(KEY)53、表示部(DISP)54、入出力ポート(I/O)55、およびこれらを接続するシステムバス56を有する。
【0050】
メモリ52は、後述する図9に示す薄膜製造処理のフローチャートを実行するためのプログラムなどを記憶する。
CPU51は、メモリ52からプログラムを読み込んで実行する。
これにより、CPU51は、薄膜形成装置1の制御部22として機能する。
そして、薄膜形成装置1の制御部22としてのCPU51は、たとえば操作部53から、形成するCIGS膜(光吸収層103)の膜厚、組成比率などが入力されると、薄膜製造処理を開始する。
薄膜製造処理中、CPU51は、後述する図10または図11に示す測定データを表示部54に表示する。
【0051】
入出力ポート55は、ポンプ14、ヒータ15、モータ12、第1蒸着源16、第2蒸着源17、第3蒸着源18、第4蒸着源19に接続される。
制御部22は、これらの機器へ制御信号を出力する。
また、入出力ポート55は、温度センサ23、光学膜厚計20、水晶膜厚計21に接続される。
そして、制御部22は、温度センサ23により検出されるチャンバ11内および基板101の温度、光学膜厚計20により検出される計測板33の付着物38の膜厚、水晶膜厚計21により検出される水晶振動子25の付着物44の膜厚に基づいて、基板101上に所望の膜厚および所望の組成比率のCIGS膜を形成する制御を実行する。
【0052】
図8は、光学膜厚計(OMS)20の出力特性と、水晶膜厚計(QCM)21の出力特性との比較図である。
図8の上段は、チャンバ11内にセレンとメタル(銅またはインジウムまたはガリウム)が存在する場合の出力特性である。
図8の下段は、チャンバ11内にセレンのみが存在する場合の出力特性である。
図8の出力特性は、チャンバ11内の温度が約200度以上の場合の出力特性である。
【0053】
チャンバ11内の温度がたとえば常温である場合、チャンバ11内に蒸発したセレンは、光学膜厚計20の計測板33または水晶膜厚計21の水晶振動子25に付着できる。
しかしながら、チャンバ11内の温度が約200度以上である場合、真空チャンバ11内のセレンは、光学膜厚計20の計測板33または水晶膜厚計21の水晶振動子25に付着したとたんに蒸発する。
すなわち、セレンは、基板101などに蒸着して成長できない。
このため、約200度以上では、チャンバ11内の光学膜厚計20の計測板33には、付着物38が成長しない。
付着物38が成長しないと、計測板33において光の薄膜干渉が生じない。
その結果、約200度以上のチャンバ11内にセレンのみが存在する場合、図8の下段に示すように、水晶膜厚計21ではチャンバ11内のセレンの量を計測できるが、光学膜厚計20によりチャンバ11内のセレンの量を計測できない。
【0054】
また、チャンバ11内にセレンとメタルとを蒸発すると、チャンバ11内において、セレンとメタルとの化合物が化合される。
この化合物は、チャンバ11内が約200度以上であっても、光学膜厚計20の計測板33または水晶膜厚計21の水晶振動子25に付着する。
また、光学膜厚計20の計測板33において、付着物38が成長する。
このため、約200度以上のチャンバ11内にセレンとメタルが存在する場合、計測板33では付着物38が成長する。そして、図8の上段に示すように、光学膜厚計20により、基板101に成長した付着物38の膜厚を計測できる。
そして、約200度以上のチャンバ11内にセレンとメタルが存在する場合、水晶膜厚計21および光学膜厚計20によりチャンバ11内の付着物38,44の量、供給量などを計測できる。
【0055】
制御部22は、このような出力特性を有する水晶膜厚計21と光学膜厚計20とを好適に組み合わせて利用することにより、基板101に成長させるCIGS膜の組成比率を高精度に制御する。また、制御部22は、基板101に成長させるCIGS膜の膜厚を高精度に制御する。
【0056】
次に、図1の薄膜形成装置1による薄膜製造方法を説明する。
以下の製造方法の説明では、図2の基板101(裏面電極102が形成された基板101)に、CIGS膜(光吸収層103)を、所望の膜厚および所望の組成比率により形成する場合を例に説明する。
【0057】
図9は、図1の薄膜形成装置1の制御部22が実行する薄膜製造処理の一例の全体的なフローチャートである。図9は、三段階法をベースにした薄膜製造処理の例である。
図9の薄膜製造処理は、たとえば図1の制御部22により実行される。
なお、図9の薄膜製造処理は、制御部22に対する手動操作に基づいて実行されてもよい。
【0058】
図10は、図9の三段階法による薄膜製造処理の全体のタイムチャートである。横軸は、時間(秒単位)である。縦軸は、温度である。
図10の特性曲線C1(Temp)は、温度センサ23により検出されるチャンバ11内の基板101の温度の特性曲線である。
また、図10には、説明のために、光学膜厚計20の出力特性の特性曲線C1(OMS)と、水晶膜厚計21の出力特性の特性曲線C2(QCM)とも図示されている。
【0059】
そして、図10に示すように、図1の薄膜形成装置1による三段階法では、チャンバ11内を所定の温度(200度以上)までに加熱する加熱期間の後に、三段階法によるCIGS膜の製造期間となる。
三段階法によるCIGS膜の製造期間は、インジウム、ガリウムおよびセレンによる薄膜を形成する第1期間T1と、銅およびセレンによる薄膜を形成する第2期間T2と、インジウム、ガリウムおよびセレンによる薄膜を形成する第3期間T3からなる。
【0060】
そして、図10に示すように、第1期間T1から第3期間T3において、光学膜厚計20の検出値は、複数回のピーク値をとる。
具体的には、図10では、光学膜厚計20の検出値は、第1期間T1においてP1からP8までの8回のピークをとる。第2期間T2ではP9からP12までの4回のピークをとる。第3期間T3では、P13からP14までの2回のピークをとる。
この第1期間T1のピーク数と第3期間T3のピーク数との和のピーク数に対する、第2期間T2のピーク数が、インジウムおよびガリウムに対する銅の組成比率となる。
光学膜厚計20は、このピークを検出する度に、光学膜厚計20の動作状態、たとえば検出に用いる波長などを切り替える。
また、三段階法によるCIGS膜の製造期間の後には、アニーリングおよび冷却期間となる。
【0061】
図11は、図10の薄膜製造処理中の期間Aを拡大したタイムチャートである。
図11の横軸は、時間である。図11左側の縦軸は、光学膜厚計20の出力値である。この出力値は、パーセント表示である。図11右側の縦軸は、水晶膜厚計21の出力値である。この出力値は、レート(A/s)表示である。
図11には、光学膜厚計20の出力特性の特性曲線C1(OMS)と、水晶膜厚計21の出力特性の特性曲線C2(QCM)とが図示されている。
【0062】
図10の期間Aは、加熱工程の後の期間である。また、期間Aは、第1工程においてインジウム、ガリウムおよびセレンによる薄膜形成を開始する前の期間である。
そして、図11には、第1工程で光学膜厚計20が1回目のピークP1をとるまでの期間が図示されている。
【0063】
水晶膜厚計21の検出値は、第1期間T1中に、ベースレートL1から形成時レートL2に変化する。ベースレートL1は、チャンバ11内にセレンのみが蒸発した雰囲気での検出値レベルである。形成時レートL2は、チャンバ11内にインジウム、ガリウムおよびセレンが蒸発した雰囲気での検出値レベルである。
【0064】
また、水晶膜厚計21の検出値は、ベースレートL1の期間中に、複数の矩形波形を有する。図11では、低い矩形波形と、高い矩形波形とが交互に現れている。
【0065】
ベースレートL1からの突出量が低い矩形波形は、セレンの雰囲気中に、第3蒸着源18の第3シャッタ18cのみを開いて、ガリウムのみを所定の供給レートR(Ga)で蒸発させたことによる矩形波形である。
セレンの雰囲気中にガリウムを蒸発させると、ガリウムとセレンとの化合物(GaSe)が生成され、基板101、計測板33、および水晶振動子25に付着する。
このため、この供給レートR(Ga)で供給されたガリウムの化合物が水晶振動子25に付着し、水晶振動子25の発振周波数が変化し、水晶膜厚計21の出力に、低い矩形波形が現れる。
そして、図11中の右端の低い矩形波形においてハッチングにより示すように、このベースレートL1から突出した低い矩形波形の高さ(相対レート)が、所定の供給レートR(Ga)によりチャンバ11内へ供給されたガリウムの供給量に対応する。
【0066】
ベースレートL1からの突出量が高い矩形波形は、セレンの雰囲気中に、第2蒸着源17の第2シャッタ17cのみを開いて、インジウムのみを所定の供給レートR(In)で蒸発させたことによる矩形波形である。
セレンの雰囲気中にインジウムを蒸発させると、インジウムとセレンとの化合物(InSe)が生成され、基板101、計測板33、および水晶振動子25に付着する。
このため、この供給レートR(In)で供給されたガリウムの化合物が水晶振動子25に付着し、水晶振動子25の発振周波数が変化し、水晶膜厚計21の出力に、高い矩形波形が現れる。
そして、図11中の右端の高い矩形波形においてハッチングにより示すように、このベースレートL1から突出した高い矩形波形の高さ(相対レート)が、所定の供給レートR(In)によりチャンバ11内へ供給されたインジウムの供給量に対応する。
【0067】
このようにベースレートL1期間中に、インジウムとガリウムとを交互に間欠的にチャンバ11内へ供給し、水晶膜厚計21を用いて化合物の付着量を測定することにより、第1工程の環境下においてチャンバ11内へ供給されるインジウムの供給量とガリウムの供給量とを高精度に計測することができる。
また、図11の高い矩形波形の高さと、低い矩形波形の高さとの高さ比により、インジウムとガリウムとの組成比率を高精度に調整することが可能となる。
【0068】
図9に示すように、基板101にCIGS膜を形成する場合、制御部22には、CIGS薄膜の組成比率、膜厚などが操作部53から入力される(ステップST1)。
これにより、制御部22は、薄膜製造処理を開始する。
【0069】
薄膜製造処理を開始すると、制御部22は、入力された組成比率および膜厚に基づいて、三段階法の各工程でのパラメータを決定する(ステップST2)。
第1工程でのパラメータには、インジウムの供給レート、ガリウムの供給レート、光学膜厚計20の検出ピーク数がある。
第2工程でのパラメータには、光学膜厚計20の検出ピーク数がある。
第3工程でのパラメータには、インジウムの供給レート、ガリウムの供給レート、光学膜厚計20の検出ピーク数がある。
【0070】
これらのパラメータは、たとえば以下のようにして決定すればよい。
計測板33に成長する膜厚は、基板101に成長する膜厚と略同じである。
また、光学膜厚計20が検出可能な出力ピークレベル(計測板33での膜厚)も予め判っている。
そのため、たとえば基板101に形成するCIGS膜のトータルの膜厚から、各工程での光学膜厚計20により検出するピーク数が決定される。
制御部22は、三段階法の各工程における光学膜厚計20の検出ピーク数を決定する。これにより、インジウムおよびガリウムを供給する第1工程および第3工程の総検出ピーク数に対する、銅を供給する第2工程による供給ピーク数が決まる。
図10は、インジウムおよびガリウム供給時の総検出ピーク数が10(=8+2)であり、銅供給時の検出ピーク数が4である場合の例である。この場合、インジウムおよびガリウムに対する銅の組成比率は、4/10となる。
【0071】
また、制御部22は、CIGS膜の組成比率から、各工程での各成分の総供給量を決定する。また、制御部22は、各工程での各成分の供給レートを決める。これにより、インジウムの供給レートおよびガリウムの供給レートが決定される。
また、制御部22は、各成分の供給レートから、第1蒸着源16、第2蒸着源17、第3蒸着源18、および第4蒸着源19の加熱温度を決定する。
以上の演算処理により、制御部22は、第1工程、第2工程および第3工程での制御パラメータ(制御目標値)を決定する。
【0072】
ステップST2で制御目標値を決定した後、制御部22は、実際の制御を開始する。
制御部22は、モータ12を駆動し、回転板13および基板101を回転させる。また、制御部22は、ポンプ14に駆動信号を出力し、チャンバ11内を減圧する。また、制御部22は、ヒータ15に駆動信号を出力し、チャンバ11内を加熱する(ステップST3)。これにより、チャンバ11内の温度は、図10の加熱期間に示す温度まで加熱される。図10では約300度に加熱されている。
また、制御部22は、第1蒸着源16、第2蒸着源17、第3蒸着源18、および第4蒸着源19をそれぞれの加熱温度に加熱する。
【0073】
加熱工程が終わると、制御部22は、第1工程を開始する。
なお、この加熱工程の終了時点の温度は200度以上であるため、チャンバ11内に蒸発したセレンは、飽和蒸気圧とならない。
第1工程では、まず、制御部22は、実際のガリウムの供給量とインジウムの供給量とが、所望のガリウムの供給量とインジウムの供給量となるように、インジウムの供給レートおよびガリウムの供給レートを調整する。
具体的には、制御部22は、第3蒸着源18の第3シャッタ18cを開閉する(ステップST4)。
これにより、ガリウムが、加熱温度に応じた供給レートにより、チャンバ11内へ供給される。
その後、制御部22は、水晶膜厚計21の出力を取得する(ステップST5)。
この時の水晶膜厚計21の出力値は、図11での最初の低い矩形波形となる。
続いて、制御部22は、第2蒸着源17の第2シャッタ17cを開閉する(ステップST6)。
これにより、インジウムが、加熱温度に応じた供給レートにより、チャンバ11内へ供給される。
その後、制御部22は、水晶膜厚計21の出力を取得する(ステップST7)。
この時の水晶膜厚計21の出力値は、図11での最初の高い矩形波形となる。
制御部22は、水晶膜厚計21により検出した図11の最初の組の低い矩形波形の高さと、高い矩形波形の高さとから、実際に蒸発したガリウムの供給量、インジウムの供給量、およびこれらの比率を演算する(ステップST8)。
また、制御部22は、測定に基づく比率および供給量が、ステップST1で入力された各成分の組成比率に応対するものであるか否かを判断する(ステップST9)。
【0074】
そして、測定した比率が組成比率に対応するものでない場合、制御部22は、インジウムの供給レートおよびガリウムの供給レートを調整する(ステップST10)。
具体的には、制御部22は、第2蒸着源17の温度および第3蒸着源18の温度を調整する。
たとえばインジウムの供給レートに対するガリウムの供給レートが高い場合、制御部22は、第2蒸着源17の第2ヒータ17bの温度を上げる。または、制御部22は、第3蒸着源18の第3ヒータ18bの温度を下げる。
制御部22は、ステップST9において所望の組成比率に対応する供給比率が得られるまで、ステップST4〜ST10の調整処理を繰り返す。
この調整処理により、図11のベースレート期間では、水晶膜厚計21は、高い矩形波形と低い矩形波形とを交互に検出する。
図11は、ベースレート期間において以上の調整処理を8回繰り返している。
【0075】
ステップST4〜ST10の蒸着源の加熱温度の調整処理により、インジウムとガリウムとの組成比率に適合した所望のインジウムの供給レートとガリウムの供給レートとが得られると、制御部22は、基板101に第1膜を形成する処理を開始する(ステップST11)。
制御部22は、第2蒸着源17の第2シャッタ17cを開き、第3蒸着源18の第3シャッタ18cを開く(ステップST12)。これにより、インジウムおよびガリウムが、それらの組成比率に応じた供給レートにより供給される。
これにより、水晶膜厚計21の出力は、図11に示すように、ベースレートL1から形成時レートL2に変化する。
また、制御部22は、光学膜厚計20の出力を取得する(ステップST13)。
そして、制御部22は、光学膜厚計20の出力値がピーク値を示したか否かを判断する(ステップST14)。
計測板33には、基板101と同様に付着膜が成長する。
光学膜厚計20の出力値は、計測板33に成長する付着物38の膜厚に応じて上昇する。
そして、インジウムおよびガリウムの供給を開始してから時間が経過すると、光学膜厚計20の出力値がピーク値を示す。
【0076】
なお、この光学膜厚計20の出力ピーク値は、計測板33に成長する付着物38の膜厚の組成に応じても変化する。この場合では、インジウムとセレンの化合物と、ガリウムとセレンの化合物との組成比率に応じても変化する。これらの物質の屈折率などの特性が異なるためである。
このため、制御部22は、ステップST14において、出力ピーク値が所望の組成比率の値であるか否かを確認してもよい。また、制御部22は、出力ピーク値が所望の組成比率の値でない場合には、出力ピーク値が所望の組成比率に近づくように、インジウムの供給レートと、ガリウムの供給レートとを調整してもよい。
【0077】
制御部22は、光学膜厚計20の出力値がピーク値を示すと、検出したピーク数をカウントし、このカウント値が第1工程でのピーク数と一致するか否かを判断する(ステップST15)。
制御部22は、所定数のピークをカウントするまで、ステップST12〜ST15を繰り返す。
そして、制御部22は、図10に示すようにP1からP8までの8回のピーク数をカウントすると、第1工程を終了する。
制御部22は、第2シャッタ17cおよび第3シャッタ18cを閉じる。
これにより、基板101には、インジウムとセレンとの化合物と、ガリウムとセレンとの化合物とによる第1膜が所望の膜厚および組成比率により形成される。
【0078】
第1工程を終了すると、制御部22は、第2工程を開始する(ステップST16)。
第2工程では、制御部22は、第4蒸着源19を開く。
これにより、銅がチャンバ11内へ供給される。
また、制御部22は、図10に示すように、ヒータ15による加熱を開始する。
これにより、チャンバ11内の温度がゆっくりと上昇し始める。
また、制御部22は、光学膜厚計20の出力を取得する。
そして、制御部22は、光学膜厚計20の出力値がピーク値を示したか否かを判断する。
【0079】
計測板33には、基板101と同様に付着膜が成長する。
光学膜厚計20の出力値は、計測板33に成長する付着物38の膜厚に応じて上昇する。
そして、銅の供給を開始してから時間が経過すると、光学膜厚計20の出力値がピーク値を示す。
制御部22は、光学膜厚計20の出力値がピーク値を示すと、検出したピーク数をカウントし、このカウント値が第2工程でのピーク数と一致するか否かを判断する。
そして、制御部22は、図10に示すように、P9からP12までの8回のピーク数をカウントすると、第2工程を終了する。制御部22は、第4蒸着源19を閉じる。
これにより、第1膜の上には、銅とセレンとの化合物による第2膜が所望の膜厚および組成比率により形成される。
【0080】
第2工程を終了すると、制御部22は、第3工程を開始する(ステップST17)。
第3工程では、制御部22は、第2蒸着源17の第2シャッタ17cおよび第3蒸着源18の第3シャッタ18cを開く。これにより、インジウムおよびガリウムが、第1工程で調整した供給レートにより供給される。
また、制御部22は、光学膜厚計20の出力を取得する。
そして、制御部22は、光学膜厚計20の出力値がピーク値を示したか否かを判断する。
計測板33には、基板101と同様に付着膜が成長する。
【0081】
光学膜厚計20の出力値は、計測板33に成長する付着物38の膜厚に応じて上昇する。
そして、インジウムおよびガリウムの供給を開始してから時間が経過すると、光学膜厚計20の出力値がピーク値を示す。
制御部22は、光学膜厚計20の出力値がピーク値を示すと、検出したピーク数をカウントし、このカウント値が第3工程でのピーク数と一致するか否かを判断する。
そして、制御部22は、図10に示すように、P13からP14までの2回のピーク数をカウントすると、第3工程を終了する。
制御部22は、第2シャッタ17cおよび第3シャッタ18cを閉じる。
これにより、第2膜上には、インジウムとセレンとの化合物と、ガリウムとセレンとの化合物とによる第3膜が所望の膜厚および組成比率により形成される。
【0082】
第3工程を終了すると、制御部22は、アニーリングおよび冷却処理を実行する(ステップST18,ST19)。
アニーリングおよび冷却処理において、制御部22は、ヒータ15による加熱を継続する。
チャンバ11内の温度が約550度に達すると、制御部22は、ヒータ15による加熱を終了する。
その後、制御部22は、自然冷却を実行する。
これにより、チャンバ11内の温度は、200度程度まで低下する。
制御部22は、チャンバ11内の温度が200度以下になる前に、冷却処理を終了する。
制御部22は、モータ12を停止する。
そして、冷却処理が終了すると、チャンバ11内から基板101が取り出される。
【0083】
以上の薄膜製造処理により、本実施形態では、基板101上にCIGS膜を形成する。
また、本実施形態では、三段階法の第1工程の最初において水晶膜厚計21を用いて、インジウムの実際の供給量、ガリウムの実際の供給量およびこれらの比率が目標値となるように調整する。
これにより、本実施形態で基板101に形成したCIGS膜での組成比率は、制御部22に設定した組成比率と高精度で一致する。
【0084】
また、本実施形態では、三段階法の第1工程から第3工程の全工程において、光学膜厚計20により計測板33に形成される膜厚を検出し、検出したピーク数により、各工程で形成する膜厚を制御する。
これにより、本実施形態で基板101に形成したCIGS膜の膜厚は、制御部22に設定した膜厚と高精度で一致する。
【0085】
そして、本実施形態では、光学膜厚計20のモニタ波長により、たとえば銅とセレンとの化合物の膜厚を1ナノメートル精度で制御できる。
また、本実施形態では、光学膜厚計20と水晶膜厚計21との組み合わせにより、CIGS膜でのCu/(In+Ga), Ca/(In+Ga)組成比率を1/1000のオーダで制御できる。
【0086】
これに対して、たとえば従来の三段階法または四源同時蒸着法では、光学膜厚計20を用いた膜厚制御や、時間制御が一般的である。
これら従来の方法では、CIGS膜の組成比率を高精度に制御することができない。
また、時間制御では、CIGS膜の膜厚も高精度に制御することができない。
【0087】
以上の実施形態は、本発明の好適な実施形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。
【0088】
たとえば上記実施形態では、図10に示すように三段階法によりCIGS膜(光吸収層103)を形成している。
この他にも例えば、四源同時蒸着法によりCIGS膜(光吸収層103)を形成してもよい。
この場合、制御部22は、加熱後の四元同時蒸着工程の最初において、ガリウムの供給レート、インジウムの供給レート、および銅の供給レートを所望の組成比率に応じて調整し、その調整した供給レートにより四元同時供給すればよい。
【0089】
上記実施形態の薄膜形成装置1は、図1に示すようにチャンバ11内でCIGS膜(光吸収層103)を形成している。図1の薄膜形成装置1は、バッチ式である。
この他にも例えば、本発明は、連続プロセスによりCIGS膜(光吸収層103)を形成する薄膜形成装置1にも適用できる。
たとえば連続プロセスの薄膜形成装置1によりCIGS膜の形成を開始する際に、ガリウムの供給レート、インジウムの供給レート、および銅の供給レートを調整すればよい。
【0090】
上記実施形態では、薄膜としてCIGS膜(光吸収層103)を形成している。
この他にも例えば、本発明の薄膜形成装置1および方法は、CIS膜またはCIG膜を形成する場合などにも適用することができる。
また、メタルの供給前にチャンバ内に蒸発させる物質は、セレンの他にも、硫黄、ヒ素、リンなどであってもよい。
これらのメタルの供給前にチャンバ内に蒸発させる物質が飽和蒸気圧とならない温度に加熱した状態で、チャンバ11内にメタルを供給することにより、メタルとの化合物などを生成し、化合物などによる薄膜を基板に成長させることができる。
【符号の説明】
【0091】
1…薄膜形成装置(多源蒸着薄膜の製造装置)、11…チャンバ、15…ヒータ、16…第1蒸着源(第1供給部)、16c…第1シャッタ、17…第2蒸着源(第2供給部)、17c…第2シャッタ、18…第3蒸着源(第3供給部)、18c…第3シャッタ、19…第4蒸着源(第4供給部)、19c…第4シャッタ、20…光学膜厚計(膜厚検出部)、21…水晶膜厚計(付着量検出部)、22…制御部、25…水晶振動子(振動子)、33…計測板、101…基板、103…光吸収層(CIGS層)、T1…第1期間(第1工程の期間)、T2…第2期間(第2工程の期間)、T3…第3期間(第3工程の期間)、T(In)…第1測定期間(第1測定工程の期間)、T(Ga)…第2測定期間(第2測定工程の期間)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバ内に収容した基板に対して、第1物質および少なくとも3物質を供給することにより、前記基板に少なくとも4物質による薄膜を蒸着させる多源蒸着薄膜の組成制御方法であって、
前記チャンバ内に前記第1物質を供給し、且つ前記チャンバ内を前記第1物質が前記基板に付着しない温度に加熱した状態において、
前記少なくとも3成分の物質のうちの、同じ成膜工程において前記チャンバ内へ供給される2以上の物質の組成比率を、前記チャンバ内に配設された振動子の付着物による発振周波数の変化に基づいて検出することにより制御し、
前記少なくとも3成分の物質のうちの、異なる成膜工程において多段的に前記チャンバ内へ供給される2以上の物質の組成比率を、前記チャンバ内に配設された計測板の付着物の膜厚を光の薄膜干渉により検出することにより制御する
多源蒸着薄膜の組成制御方法。
【請求項2】
前記第1物質は、
加熱された前記温度において前記チャンバ内で飽和しない物質である
請求項1記載の多源蒸着薄膜の組成制御方法。
【請求項3】
前記第1物質は、
セレン、硫黄、ヒ素、またはリンである
請求項2記載の多源蒸着薄膜の組成制御方法。
【請求項4】
前記第1物質は、セレンであり、
前記少なくとも3物質は、インジウム、ガリウム、および銅であり、
前記基板に蒸着される薄膜は、太陽光を吸収して発電するCIGS膜である
請求項1記載の多源蒸着薄膜の組成制御方法。
【請求項5】
第1物質、第2物質、第3物質および第4物質を含む、少なくとも4成分の物質を含む薄膜が形成される基板を収容するチャンバと、
前記チャンバへ前記第1物質を供給する第1供給部と、
前記チャンバへ前記第2物質を供給する第2供給部と、
前記第2物質と同じ成膜工程において前記チャンバへ前記第3物質を供給する第3供給部と、
前記第2物質および前記第3物質とは異なる成膜工程において前記チャンバへ前記第4物質を供給する第4供給部と、
前記チャンバ内に配設された振動子を有し、前記振動子に付着物が付着することによる前記振動子の発振周波数の変化に基づいて、前記振動子に付着する付着物の量を検出する付着量検出部と、
前記チャンバ内に配設された計測板を有し、前記計測板に付着した付着物の膜厚を光の薄膜干渉により検出する膜厚検出部と、
前記チャンバ内を加熱するヒータと
を有し、
前記チャンバ内に前記第1物質を供給し、前記ヒータにより前記チャンバ内を前記第1物質が前記基板に付着しない温度に加熱し、前記第2物質および前記第3物質を1物質ずつ順番に前記チャンバ内へ供給した場合において前記付着量検出部により検出される付着量に基づいて、前記第2物質と前記第3物質の組成比率が制御され、
前記チャンバ内に前記第1物質を供給し、前記ヒータにより前記チャンバ内を前記第1物質が前記基板に付着しない温度に加熱し、前記第2物質および前記第3物質を前記チャンバ内へ供給した場合において前記膜厚検出部により検出される膜厚と、前記第4物質を前記チャンバ内へ供給した場合において前記膜厚検出部により検出される膜厚とに基づいて、前記第2物質および前記第3物質に対する前記第4物質の組成比率が制御される
多源蒸着薄膜の製造装置。
【請求項6】
前記多源蒸着薄膜の製造装置は、
前記第1供給部、前記第2供給部、前記第3供給部、前記第4供給部、前記ヒータを制御する制御部を有し、
前記制御部は、
前記第1供給部から前記チャンバ内へ前記第1物質を供給した状態で、前記ヒータにより前記チャンバ内を前記第1物質が前記基板に付着しない加熱温度に加熱し、
前記加熱温度以上の温度において前記第2供給部から前記第2物質を供給して、前記付着量検出部により前記第2物質に基づく付着物の付着量を検出させ、
前記加熱温度以上の温度において前記第3供給部から前記第3物質を供給して、前記付着量検出部により前記第3物質に基づく付着物の付着量を検出させ、
前記付着量検出部により検出される前記第2物質に基づく付着物の付着量と、前記第3物質に基づく付着物の付着量とに基づいて、前記第2物質と前記第3物質とが所定の組成比率となるように、前記第2物質の供給レートおよび前記第3物質の供給レートを変更し、
変更した前記供給レートにより前記第2物質および前記第3物質を同時に供給して前記基板に薄膜を形成する
請求項5記載の多源蒸着薄膜の製造装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記第1供給部から前記チャンバ内へ前記第1物質を供給した状態で、前記ヒータにより前記チャンバ内を前記第1物質が前記基板に付着しない加熱温度に加熱し、
前記加熱温度以上の温度において前記第2供給部および前記第3供給部から前記第2物質および前記第3物質を同時に供給して、前記基板に前記第2物質および前記第3物質による膜を蒸着させ、
前記加熱温度以上の温度において前記第4供給部から前記第4物質を供給して、前記基板に前記第4物質による膜を蒸着させ、
前記第2物質および前記第3物質による膜を前記基板に蒸着させる期間において前記膜厚検出部により検出される付着物の膜厚と、前記第4物質よる膜を前記基板に蒸着させる期間において前記膜厚検出部により検出される付着物の膜厚とに基づいて、前記第2物質および前記第3物質に対する前記第4物質の組成比率を制御する
請求項6記載の多源蒸着薄膜の製造装置。
【請求項8】
前記第1物質は、セレンであり、
前記第2物質は、インジウムであり、
前記第3物質は、ガリウムであり、
前記第4物質は、銅であり、
前記基板に蒸着される薄膜は、太陽光を吸収して発電するCIGS膜である
請求項5から7のいずれか一項記載の多源蒸着薄膜の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−60891(P2011−60891A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207016(P2009−207016)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(300075751)株式会社オプトラン (15)
【Fターム(参考)】