説明

多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステム

【課題】 車椅子利用者のみならず、一般利用者をはじめ高齢者や視覚障害者も利用し易い多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステムを提供する。
【解決手段】 多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステムにおいて、ドア開閉用機構とロック機構とが配置され、前記ドア開閉用機構はトイレの内部及び外部に配置され、前記ロック機構は車椅子利用者と一般利用者がそれぞれ使用する2つのロック機構からなり、この2つのロック機構の動作が連動するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
公共の場に設置される多目的トイレは、車椅子利用者を配慮して自動ドアシステムである。つまり、開ける時は開スイッチ、閉める時は閉スイッチを操作することによりドアが自動で開閉し、ドアの施錠及び解錠はドアの開閉に伴い自動で行われる(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−92683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したような多目的トイレは、車椅子利用者の利便性を考慮するため、一般利用者をはじめ、高齢者や視覚障害者が利用し難い面が生じる。例えば、トイレのドアの開閉や施錠及び解錠をスイッチ操作で行う習慣がないため、その操作方法に戸惑ったり、また、高齢者や視覚障害者が、操作スイッチの設置場所を瞬時に見つけ難いといった問題があった。
【0005】
本発明は、上記状況に鑑みて、車椅子利用者のみならず、一般利用者をはじめ高齢者や視覚障害者も利用し易い、多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステムにおいて、ドア開閉用機構とロック機構とが配置され、前記ドア開閉用機構はトイレの内部及び外部に配置され、前記ロック機構は車椅子利用者と一般利用者がそれぞれ使用する2つのロック機構からなり、この2つのロック機構の動作が連動するように構成したことを特徴とする。
【0007】
〔2〕上記〔1〕記載の多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステムにおいて、前記車椅子利用者は、前記ドア開閉用機構の操作でドアを開閉し、前記ロック機構として電気式ロック装置を操作し、前記一般利用者は、手動でドアを開閉し、前記ロック機構として機械式ロック機構を操作するようにしたことを特徴とする。
【0008】
〔3〕上記〔2〕記載の多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステムにおいて、前記機械式ロック機構はサムターンロック機構とし、施錠又は解錠されたことを動作音、鍵の動きで確認するようにしたことを特徴とする。
【0009】
〔4〕上記〔2〕記載の多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステムにおいて、前記ドアの把手にセンサが仕込まれ、閉める方向に力を加えるとドアが閉動作を行い、開く方向に力を加えるとドアが開動作を行うように電動アシストドアとして機能させるようにしたことを特徴とする。
【0010】
〔5〕上記〔2〕又は〔4〕記載の多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステムにおいて、前記電気式ロック機構と機械式ロック機構はどちらを操作しても有効にドアの施錠・解錠を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ロック機構は車椅子利用者用と一般利用者用にそれぞれ2ヵ所に配置され、それらの2ヵ所のロックを連動させることができる。つまり、電気式ロックと機械式ロックはどちらを操作しても施錠・解錠が可能である。
【0012】
また、一般利用者は通常のトイレの手動ドアの感覚で操作することができる。
【0013】
さらに、ロック機構をドア開閉用機構と独立させることによって、押し逃げを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施例を示す多目的トイレの平面図である。
【図2】図1のA−A線矢視図である。
【図3】図1のB−B線矢視図である。
【図4】本発明の第1実施例を示す多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステムのブロック図である。
【図5】本発明の第1実施例を示す多目的トイレの内部の電気式操作部の設置状態を示す図面代用写真である。
【図6】本発明の第1実施例を示す多目的トイレの内部の電気式操作部を示す図面代用写真である。
【図7】本発明の第1実施例を示す多目的トイレの内部の機械式ロック操作部を示す図面代用写真である。
【図8】本発明の第1実施例を示す多目的トイレの内部の機械式ロック操作部の詳細を示す図面代用写真である。
【図9】本発明の第1実施例を示す多目的トイレの外部の電気式操作部を示す図である。
【図10】本発明の第2実施例を示す多目的トイレの平面図である。
【図11】図10のC−C線矢視図である。
【図12】図10のB−B線矢視図である。
【図13】本発明の第2実施例を示す多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステムの要部ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステムにおいて、ドア開閉用機構とロック機構とが配置され、前記ドア開閉用機構はトイレの内部及び外部に配置され、前記ロック機構は車椅子利用者と一般利用者がそれぞれ使用する2つのロック機構からなり、この2つのロック機構の動作が連動するように構成した。
【実施例】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の第1実施例を示す多目的トイレの平面図、図2は図1のA−A線矢視図、図3は図1のB−B線矢視図、図4は本発明の実施例を示す多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステムのブロック図、図5はその多目的トイレの内部の電気式操作部の設置状態を示す図面代用写真、図6はその多目的トイレの内部の電気式操作部を示す図面代用写真、図7はその多目的トイレの内部の機械式ロック操作部を示す図面代用写真、図8はその多目的トイレの内部の機械式ロック操作部の詳細を示す図面代用写真、図9はその多目的トイレの外部の電気式操作部を示す図である。
【0018】
これらの図において、1は多目的トイレ、2は多目的トイレ1の便器、3は多目的トイレ1の手すり、4は多目的トイレ1の洗浄用の水タンク、5は多目的トイレ1のドア、6は多目的トイレ1の壁面、7は多目的トイレ1のドア内側のドア先に配置されるドア5の機械式ロック操作部、8は多目的トイレ1の壁面6に配置されるドア5の電気式操作部、8Aは電気式ドア開扉用ボタン、8Bは電気式ドア閉扉用ボタン、8Cは電気式ロック操作部、9は多目的トイレ1内部の壁面6に配置される機械式ロック機構又は電気式ロック機構のどちらでも使用できることを表示した案内プレート、11は多目的トイレ1の外部の下方に配置されるドア5の電気式操作部であり、ドア開扉用ボタン11A及びドア閉扉用ボタン11Bとドア5のロック状態を示すロック状態表示装置12を有する。また、20は制御装置、21は入力インターフェース、22は制御部、23は出力インターフェース、31はドア開扉装置、32はドア閉扉装置、33はドア駆動装置(電動モータ)、34はロック解錠装置、35はロック施錠装置、36はロック装置である。
【0019】
車椅子利用者が多目的トイレ1を使用する場合、多目的トイレ1のドア5の外部の下方に配置される電気式操作部11の電気式ドア開扉用ボタン11Aを操作すると、ドア開扉装置31によりドア駆動装置33が動作してドア5が自動で開く。多目的トイレ1内部に入った車椅子利用者が多目的トイレ1の壁面6に配置されるドア5の電気式操作部8の電気式ドア閉扉用ボタン8Bを操作すると、ドア閉扉装置32によりドア駆動装置33が作動してドア5は閉じられる。次いで、電気式ロック操作部8Cを操作することで、ロック施錠装置35の動作によりロック装置36が駆動され多目的トイレ1のドア5はロックされる。同時に、ドア5の外部の下方に位置する電気式操作部11のロック状態表示装置12が点灯して施錠状態であることが表示される。これにより、ドア5の外部に来た別の車椅子利用者はトイレが使用中であることを認識することができる。また、上記したように車椅子利用者が電気式ロック操作部8Cで施錠した場合、一般の利用者が使用する機械式ロック操作部7も連動して動作する。機械式ロック操作部7は図7及び図8に示すようにサムターン機構となっており、多目的トイレ1の外部でも施錠されていることがわかるので、ドア5の外部に来た別の一般利用者はトイレが使用中であることを認識することができる。
【0020】
このように、一般利用者用が使用する機械式ロック機構(機械式ロック操作部7)は、車椅子利用者用の電気式ロック機構(電気式ロック操作部8C)と連動するように構成されている。
【0021】
トイレ使用後の車椅子利用者は、電気式ドアロック操作部8Cを操作する。この操作によって、多目的トイレ1のドア5のロック解錠装置34の動作によりロック装置36が駆動され、ドア5は解錠される。次いで、多目的トイレ1の壁面6に配置された電気式操作部8の電気式ドア開扉用ボタン8Aを操作するとドア開扉装置31によりドア駆動装置33が動作してドア5は自動で開かれ、車椅子利用者は多目的トイレ1の外に出ることができる。多目的トイレ1の外に出た車椅子利用者はドア5の外部の下方に位置する電気式操作部8の電気式ドア閉扉用ボタン11Bを操作する。すると、ドア閉扉装置32によりドア駆動装置33が動作してドア5は閉じられる。この時、電気式操作部11のロック状態表示装置12は消灯しているので、多目的トイレ1が利用可能であることがわかる。このように、車椅子利用者の場合は、ドアの開閉及びロックを電気式操作部8,11によって行うように構成している。
【0022】
一方、高齢者や視覚障害者を含む一般利用者の場合は、まず、多目的トイレ1のドア5を手動で開いて中に入り、ドアを手で閉める。そこで、機械式ロック操作部7を操作してドア5の施錠を行う。上記したように、多目的トイレ1が施錠され、使用中であることは外部からも確認できる。また、この機械式ロック操作部7による施錠に連動して電気式ロックもかかり、車椅子利用者が主に利用するドア5の外部の下方に位置する電気式操作部11のロック状態表示装置12にも多目的トイレが使用中であることが表示される。
【0023】
一般利用者は、トイレの使用が済むと、ドア5の内部の機械式ロック操作部7を操作してドア5のロックを解錠する。この機械式ロック操作部7の解錠に連動して電気式ロックも解錠され、一般利用者は、手動でドア5を開けて多目的トイレ1から外に出る。同時にロック状態表示装置12も消灯し、多目的トイレが利用可能であることが確認できる。
【0024】
このように、一般利用者は通常利用するトイレと同様に手動でドア5を開閉し、機械式ロック操作部7で施錠、解錠する。一方、車椅子利用者向けにはドアの内外に電気式操作部を配置し、その操作によりドアの開閉及び施錠/解錠を行う。よって、高齢者や視覚障害者を含む一般利用者は、多目的トイレのドアの開閉及びドアのロック機構を通常利用するトイレのように容易に行うことができる。
【0025】
機械式ロック機構と電気式ロック機構は連動するように構成されており、機械式ロック機構による施錠/解錠で電気式ロック機構も動作し、電気式ロック機構による施錠/解錠で機械式ロック機構も動作する。また、機械式ロック機構で施錠し電気式ロック機構で解錠することも、電気式ロック機構で施錠し機械式ロック機構で解錠することも可能である。機械式ロック機構では鍵がかかったことを動作音、鍵の動き(ロックボタン点灯、音声案内などでもよい)を確認することができるので、車椅子利用者、一般利用者とも、機械式ロック機構が未施錠で不安に感じることはない。また、従来の車椅子利用者向けトイレのようにドアを閉めると自動で施錠されるものではないので、トイレ内で閉扉用ボタンを押した後素早く外に出て、誰もいないトイレが施錠されてしまうといった押し逃げは発生しない。
【0026】
本発明は、車椅子利用者を概ね主なるユーザーとした自動ドア方式と一般利用者や高齢者や視覚障害者を主なるユーザーとした手動ドアで開閉できる方式とを調和させて円滑な利用を図ったものである。
【0027】
このように、本発明によれば、車椅子利用者も一般利用者も多目的トイレにおけるドア開閉及びドアロックを円滑に行うことができ、混乱が生じることがない。
【0028】
図10は本発明の第2実施例を示す多目的トイレの平面図、図11は図10のA−A線矢視図、図12は図1のB−B線矢視図、図13は本発明に係る多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステムのブロック図である。
【0029】
これらの図において、101は多目的トイレ、102は多目的トイレ101の便器、103は多目的トイレ1の手すり、104は多目的トイレ1の水タンク、105は多目的トイレ1のドア、106は多目的トイレ1の壁面、107は多目的トイレ101のドア内側のドア先に配置されるドア105の機械式ロック操作部、108は多目的トイレ101の壁面106に配置されるドア105の電気式操作部、108Aは電気式ドア開扉用ボタン、108Bは電気式ドア閉扉用ボタン、108Cは電気式ロック操作部、109は多目的トイレ101内部の壁面106に配置される機械式ロック又は電気式ロックのどちらでも使用できることを表示した案内プレート、110は多目的トイレ101のドア105の内側に配置されるドアの把手、110Aはドアの把手110に仕込まれたセンサである。
【0030】
また、図13において、120は制御装置、121は入力インターフェース、122は制御部、123は出力インターフェース、131はドア開扉装置、132はドア閉扉装置、133はドア105が収納される戸袋、133Aは戸袋133内に設置されるドア駆動装置(電動モータ)、134はロック解錠装置、135はロック施錠装置、136はロック装置である。
【0031】
この実施例では、ドアの把手110にセンサ110Aが仕込まれており、一般利用者がドア105を開ける方向に力を加えるとドア駆動装置133Aが駆動されて開動作を行い、閉める方向に力を加えるとドア駆動装置133Aが駆動されて閉動作を行うように構成され、手動によるドア105の開閉に対して電動アシストドアとして働くように構成されている。よって、高齢者や視覚障害者を含めた一般利用者は、多目的トイレ101のドア105を小さい力で開閉することができる。
【0032】
車椅子利用者が多目的トイレ101を使用する場合、多目的トイレ101のドア105の外部の下方に配置される電気式操作部111の電気式ドア開扉用ボタン111Aを操作すると、ドア開扉装置131によりドア駆動装置133Aが動作してドア105が自動で開く。多目的トイレ101内部に入った車椅子利用者が多目的トイレ101の壁面106に配置されるドア105の電気式操作部108の電気式ドア閉扉用ボタン108Bを操作すると、ドア閉扉装置132によりドア駆動装置133Aが作動してドア105は閉じられる。次いで、電気式ロック操作部108Cを操作することで、ロック施錠装置135の動作によりロック装置136が駆動され多目的トイレ101のドア105はロックされる。同時に、ドア105の外部の下方に位置する電気式操作部111のロック状態表示装置112が点灯して施錠状態であることが表示される。これにより、ドア105の外部に来た別の車椅子利用者はトイレが使用中であることを認識することができる。また、上記したように車椅子利用者が電気式ロック操作部108Cで施錠した場合、一般の利用者が使用する機械式ロック操作部107も連動して動作する。機械式ロック操作部107はサムターン機構となっており、多目的トイレ101の外部でも施錠されていることがわかるので、ドア105の外部に来た別の一般利用者はトイレが使用中であることを認識することができる。
【0033】
このように、一般利用者用が使用する機械式ロック機構(機械式ロック操作部107)は、車椅子利用者用の電気式ロック機構(電気式ロック操作部108C)と連動するように構成されている。
【0034】
トイレ使用後の車椅子利用者は、電気式ドアロック操作部108Cを操作する。この操作によって、多目的トイレ101のドア105のロック解錠装置134の動作によりロック装置136が駆動され、ドア105は解錠される。次いで、多目的トイレ101の壁面106に配置された電気式操作部108の電気式ドア開扉用ボタン108Aを操作するとドア開扉装置131によりドア駆動装置133Aが動作してドア105は自動で開かれ、車椅子利用者は多目的トイレ101の外に出ることができる。多目的トイレ101の外に出た車椅子利用者はドア105の外部の下方に位置する電気式操作部108の電気式ドア閉扉用ボタン111Bを操作する。すると、ドア閉扉装置132によりドア駆動装置133Aが動作してドア105は閉じられる。この時、電気式操作部111のロック状態表示装置112は消灯しているので、多目的トイレ101が利用可能であることがわかる。このように、車椅子利用者の場合は、ドアの開閉及びロックを電気式操作部108,111によって行うように構成している。
【0035】
なお、車椅子利用者が利用する電気式操作部108,111は照光式押しボタンスイッチを採用することにより、ドア105の施錠/解錠の操作を促すことができるとともに、そのON, OFF状態も確認できる。
【0036】
一方、高齢者や視覚障害者を含む一般利用者の場合は、まず、多目的トイレ101のドア105を手動で開く。この時、ドア105の把手110にドア105を開ける方向の力が加わることにより、ドア駆動装置133Aが作動して電動アシストドアとして機能する。中に入った一般利用者は、ドア105を手で閉める。この時も、ドア105の把手110にドア105を閉める方向の力が加わることで同様に電動アシストドアとして機能する。そこで、機械式ロック操作部107を操作してドア105の施錠を行う。上記したように、多目的トイレ101が施錠され、使用中であることは外部からも確認できる。また、この機械式ロック操作部107による施錠に連動して電気式ロックもかかり、車椅子利用者が主に利用するドア105の外部の下方に位置する電気式操作部111のロック状態表示装置112にも多目的トイレが使用中であることが表示される。
【0037】
一般利用者は、トイレの使用が済むと、ドア105の内部の機械式ロック操作部107を操作してドア105のロックを解錠する。この機械式ロック操作部107の解錠に連動して電気式ロック機構も解錠され、一般利用者は、手動でドア105を開けて多目的トイレ101から外に出る。この時、ドア駆動装置133Aにより、ドア105は電動アシストドアとして動く。同時にロック状態表示装置112も消灯し、多目的トイレが利用可能であることが確認できる。
【0038】
このように、一般利用者は通常利用するトイレと同様に手動でドア105を開閉し、機械式ロック操作部107で施錠、解錠する。一方、車椅子利用者向けにはドアの内外に電気式操作部を配置し、その操作によりドアの開閉及び施錠/解錠を行う。よって、高齢者や視覚障害者を含む一般利用者は、多目的トイレのドアの開閉及びドアのロックを通常利用するトイレのように容易に行うことができる。
【0039】
機械式ロック機構と電気式ロック機構は連動するように構成されており、機械式ロック機構による施錠/解錠で電気式ロック機構も動作し、電気式ロック機構による施錠/解錠で機械式ロック機構も動作する。また、機械式ロック機構で施錠し電気式ロック機構で解錠することも、電気式ロック機構で施錠し機械式ロック機構で解錠することも可能である。機械式ロック機構では鍵がかかったことを動作音、鍵の動き(ロックボタン点灯、音声案内などでもよい)を確認することができるので、車椅子利用者、一般利用者とも、機械式ロック機構が未施錠で不安に感じることはない。また、従来の車椅子利用者向けトイレのようにドアを閉めると自動で施錠されるものではないので、トイレ内で閉扉用ボタンを押した後素早く外に出て、誰もいないトイレが施錠されてしまうといった押し逃げは発生しない。
【0040】
本発明は、車椅子利用者を概ね主なるユーザーとした自動ドア方式と高齢者や視覚障害者を含む一般利用者を主なるユーザーとした手動ドアで開閉できる方式とを調和させて円滑な利用を図ったものである。
【0041】
このように、本発明によれば、車椅子利用者も一般的利用者も多目的トイレにおけるドア開閉及びドアロックを円滑に行うことができ、混乱が生じることがない。
【0042】
この第2実施例のドア開閉方式は、ドア駆動装置(電動モータ)133Aによって、ドア105の自動的な開閉や開閉の補助を行う。つまり、車椅子利用者が電気式ドア開扉用ボタン108A及びドア閉扉用ボタン108Bを操作した場合は、ドア105はドア駆動装置133Aによって自動で開閉し、一般利用者が把手110でドアを開閉した場合は、ドア駆動装置133Aによりドア105は電動アシストドアとして機能し、小さな力で開閉することができる。
【0043】
自動ドアとして利用された場合は電気式ロック機構、電動アシストドアとして利用された場合は機械式ロック機構であるサムターン機構で施錠・解錠するのが一般的であるが、本発明では、電気式ロック機構及び機械式ロック機構の連動ロック方式としているので、どちらを操作しても施錠・解錠することができる。
【0044】
本発明では、住まいや一般建築など一般利用者が慣れ親んだトイレのドアと類似した構造としたことにより、順応能力が低い高齢者や視覚障害者を含む一般利用者が今までの生活体験に添ったなかで直感的に操作し、利用することができる。
【0045】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステムは、様々な利用者が使用する多目的トイレにおいて、各利用者それぞれの利用し易さを考慮したドアの開閉及びロックシステムとして利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
1,101 多目的トイレ
2,102 多目的トイレの便器
3,103 多目的トイレの手すり
4,104 多目的トイレの水タンク
5,105 多目的トイレのドア
6,106 多目的トイレの壁面
7,107 機械式ロック操作部
8,11,108 電気式操作部
8A,11A,108A 電気式ドア開扉用ボタン
8B,11B,108B 電気式ドア閉扉用ボタン
8C,108C 電気式ロック操作部
9,109 案内プレート
10,110 ドアの把手
12 ロック状態表示装置
20,120 制御装置
21,121 入力インターフェース
22,122 制御部
23,123 出力インターフェース
31,131 ドア開扉装置
32,132 ドア閉扉装置
33,133A ドア駆動装置(電動モータ)
34,134 ロック解錠装置
35,135 ロック施錠装置
36,136 ロック装置
110A センサ
133 戸袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア開閉用機構とロック機構とが配置され、前記ドア開閉用機構はトイレの内部及び外部に配置され、前記ロック機構は車椅子利用者と一般利用者がそれぞれ使用する2つのロック機構からなり、該2つのロック機構の動作が連動するように構成したことを特徴とする多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステム。
【請求項2】
請求項1記載の多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステムにおいて、前記車椅子利用者は、前記ドア開閉用機構の操作でドアを開閉し、前記ロック機構として電気式ロック機構を操作し、前記一般利用者は、手動でドアを開閉し、前記ロック機構として機械式ロック機構を操作するようにしたことを特徴とする多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステム。
【請求項3】
請求項2記載の多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステムにおいて、前記機械式ロック機構はサムターンロック機構とし、施錠又は解錠されたことを動作音、鍵の動きで確認するようにしたことを特徴とする多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステム。
【請求項4】
請求項2記載の多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステムにおいて、前記ドアの把手にセンサが仕込まれ、閉める方向に力を加えるとドアが閉動作を行い、開く方向に力を加えるとドアが開動作を行うように電動アシストドアとして機能させるようにしたことを特徴とする多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステム。
【請求項5】
請求項2又は4記載の多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステムにおいて、前記電気式ロック機構と機械式ロック機構はどちらを操作しても有効にドアの施錠・解錠を行うことを特徴とする多目的トイレのドア開閉及びドアロックシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−236250(P2010−236250A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84885(P2009−84885)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000173784)財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
【出願人】(000003377)東急車輛製造株式会社 (332)
【Fターム(参考)】