説明

多軸押出機

多軸の押出機が、外側ハウジング(9)と内側ハウジング(10)との間に、円(7)に配置された少なくとも6本のウォームシャフト(4)を有している。この多軸押出機の駆動部(1)が、同一な設計のグループへと分けられた2つのピニオンシャフト(2)を、円(7)上に配置して有しており、これらのピニオンシャフトが、内側および外側から等しい力で同じ方向かつ正反対に半径方向に駆動され、継手(3)を介して加工部(5)のウォームシャフト(4)へと同軸に接続されており、ウォームシャフト(4)が、少なくとも6Doの送り長さ(L)および1.5〜1.93のDo/Di比を有しており、ここでDoは送りスクリュ(11、12、13)の外径であって、Diは内径であり、押出機のトルク密度が、少なくとも50Nm/cmである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動部と、駆動部に堅固に接続され、複数のウォームシャフトを円に配置して備えている加工部とで構成された押出機であって、物質の連続的な調製のための請求項1の冒頭部分に記載の押出機に関する。
【背景技術】
【0002】
押出機を用いての物質の機械的および熱的な調製は、多くの場合、プロセスの全長にわたって分配された混合、溶融、湿潤、分散、脱気、反応、などのための送り部の組み合わせによって、複数の段階にて実行される。この場合、少なくとも部分的に粘性であって塑性変形可能である顆粒、繊維、粉末などとしてのさまざまな形態および稠度のさまざまな物質が、例えば異形材などの成形品を形成し、あるいは無形の顆粒を形成するために、可塑性の温度制御されたプロセスにおいて、供給され、加工され、押し出しされる。製品が室温にて押出機へと供給される場合、加熱および可塑化のためにエネルギーの大部分が必要とされる。他方で、手順の残りの加工は、エネルギーのうちのわずかな部分しか必要としない。
【0003】
EP 0 852 533 B1によれば、少なくとも11Nm/cmのトルク密度が、同じ方向に回転し、1.4〜1.6の間のDo/Di比を有するスクリュ外径Doおよびスクリュ内径Diを有しており、600rpmを超える回転速度にある密に噛合するツインスクリュ押出機について使用されており、トルク密度は、軸間距離に対するシャフト当たりのトルクの比(Md/a)である。ツインスクリュ押出機に1.55のDo/Diを有する送りエレメントの支持シャフトおよび推進システムを備えるとき、シャフト当たり14Nm/cmである従来技術によるトルク密度が、支持シャフトの強度によっても制限される限界値である。したがって、2つの対応するシャフトを有する押出機にもとづき、28Nm/cmというトルク密度が得られる。
【0004】
さらに、同じ支持シャフトシステムを有する押出機の効率を、Kunststoffe 8/2000のFrank Vorbergによる論文に従って、12本のシャフトを備える請求項1の冒頭部分に記載の多軸押出機を使用することによって、高めることが可能である。この論文において述べられている技術データは、1.55というDo/Di比において、設計データとして、わずか5Nm/cmというシャフト当たりのトルク密度Md/aおよび比較的小さいシャフトの荷重という計算結果をもたらしている。しかしながら、ツインスクリュにおける効率と比べ、この多軸押出機のトルク密度は、60Nm/cmであって、2倍も高い。
【0005】
EP 1 425 151 B1が、重縮合物の調製のために、同じ方向に回転し、1.3〜1.7のDo/Di比を有している少なくとも4本の完全に自浄式のウォームシャフトを備える多軸押出機の加工部を記載している。製品の高い機械的/熱的負荷ゆえに、回転速度が600rpmに制限されているが、シャフト当たりのトルク密度は、少なくとも9Nm/cmであり、装置の比較において4軸の場合に36Nm/cmであることを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、高い費用対効果を高い製品品質および幅広い適用性に組み合わせてなる多軸の押出機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、これが、請求項1に特徴付けられる多軸押出機によって達成される。本発明の好都合な構成が、従属請求項に示されている。
【0008】
本発明による押出機は、円に配置された少なくとも6本のシャフトのための駆動部を有しており、これらのシャフトが、同軸に配置されたシャフトを、送りおよび圧力の蓄積のために加工部において同じ方向に回転するように、継手を介して駆動する。加工部の軸方向の長さは、少なくとも6Doである。
【0009】
本発明によれば、多軸押出機が、ピッチ円上に配置された少なくとも6本のシャフトを有している。シャフトが6本である場合、シャフトが加工部の外側ハウジングと内側ハウジングとの間の環状の空間に配置される、閉じたピッチ円での配置が、通常は可能である。これの大きな利点は、加工部のシステムならびにとくには装置のトルクが経済性および製品品質のための第1の基本変数として生成される駆動システムの両者において、有効な力が理想的に平衡することにある。
【0010】
これは、駆動部のトルクを曲げ荷重がないようにピニオンを介してシャフトへと導入することを必要とする。これは、歯車が、歯車の間に配置されたピニオンへと、同じ力で半径方向において向かい合って係合することによって達成される。結果として、シャフトのラジアル軸受への荷重が軽減されるだけでなく、とりわけシャフトに作用する曲げ疲労荷重が取り除かれ、したがって許容トルクを大幅に増やすことができる。可能な限り最大の先端径を有するピニオンを設計するという目的のために、1つおきのシャフトのピニオンが、ピニオンの幅およびラジアル軸受の幅よりもいくらか大きく軸方向にずらされ、したがってピニオンの先端径とシャフトの直径と遊びとの合計が、最小の軸間距離として得られる。
【0011】
本発明によれば、歯車機構へと接続された加工部が、円に配置された複数の送りシャフトを有しており、これらの送りシャフトが、外側ハウジングの1つ以上の部位によって囲まれている。第1の部位において、送りシャフトは、0.25〜2Doの長さを有しているきわめて密に噛合するスクリュによって占められており、これらのスクリュが、内側の加工空間を外側の空気空間から分離するために、全周にわたってハウジングによって密に囲まれている。この第1の部位に、2.0〜6Doの間の長さを有し、空気空間に対して開いている一部が密でないハウジングによって囲まれている送りスクリュを備える第2の部位が続いている。この第2の部位に、少なくとも1.25Doの長さであり、第4の部位の製品を、自由な送り面積の少なくとも1/4、とくには1/3という外側から内側へのピッチ円における自由な半径方向の通路断面を有しつつ、1Doの最小長さにおいて、それぞれのDo長さについて、角度が互いに徐々にずらされかつ所望のピッチを有しているカムディスクまたはスクリュ部によって端面を形成している送り構造へと供給すべく圧力を蓄積させるために半径方向および軸方向において密に噛合するスクリュを有している第3のスクリュ部が続いている(EP 0 422 272 B2およびDE 102 07 145 A1を参照)。これは、角度をずらしたやり方で配置された個々のエレメントまたは部位の角度をずらしたやり方で配置された自由端面の結果として、きわめて強力なフライトからフライトへの半径方向の物質および圧力の補償を生じさせる。送り構造を形成するワンピースなエレメントの個々のエレメントまたは部位を、同じまたは異なるやり方で具現化でき、個別または複数の連続で具現化でき、あるいは同じまたは異なる互いの角度のずれにて配置することができる。したがって、2条フライトのスクリュの場合には、角度のずれは、90°+/−60°であってよい。自由になり、角度のずれの結果として形成される端面を、シャフトの軸に対して垂直に具現化することができ、例えばカムディスクから形成される送り構造において垂直に延ばすことができ、あるいはシャフトの軸に対して斜めに具現化することができる。
【0012】
このシャフト部に、少なくとも0.25Doの長さを有し、圧力消費部としてさらに具現化される第5のシャフト部が隣接できる。圧力消費部の結果として、流通抵抗が生成され、したがってさらに材料が蓄積される。圧力消費部を、送りまたは逆送りスクリュエレメント、逆送りワーキングエレメント、あるいは減速ディスク、などによって形成することができる。必要な抵抗を生成するために、圧力消費部は、少なくとも0.25Doの長さを有している。
【0013】
圧力消費部の外径は、隣接するシャフトの間の軸間距離に等しくてよく、あるいはそれよりも大きくてよいが、最大でも送りスクリュの外径Doと同じ大きさである。
【0014】
比Do/Diは、2条および/または1条フライトの送りスクリュについて、とくには1.50〜1.93、好ましくは1.6〜1.93である。送り構造は、同じ好ましいDo/Di比を有する。本発明による押出機のトルク密度Md/aは、装置にもとづき、所望の高い比出力を達成するために、少なくとも50、好ましくは少なくとも100、とくには少なくとも160、とくに好ましくは少なくとも220Nm/Cmである。
【0015】
送りスクリュおよびハウジングの各部位を、次々に配置される1つ以上の同一または異なるエレメントで構成することも可能である。すなわち、右方へと昇る2条フライトの送りスクリュを、左方へと昇る1条フライトおよび/または2条フライトのやり方で、長さおよび/またはフライト深さへと完全または部分的に、同一および/または異なって切り離すことができ、あるいはこの反対が可能であり、結果として、スクリュの尾根からアイランドが残される。
【0016】
シャフトが閉じた円に配置されるため、ウォームシャフトによって実質的に密に囲まれる別個独立の内部区間が生み出される。この内部空間の一部が、内側ハウジングによって占められ、内側ハウジングの外形に、ウォームシャフトの外径に応じた凹状のくぼみが設けられる。この場合、圧力消費部は、好ましくは、少なくとも0.25Doの長さにわたり少なくとも1つのシャフトについて内側ハウジングによって密に囲まれない。さらに、内側ハウジングの凹状のくぼみを、対応する長さにわたって省略してもよい。
【0017】
この手段は、内側ハウジングが軸方向において異なって配置されうるように設計される場合に、とくに有効である。すなわち、圧力消費部を密には囲まない内側ハウジングの領域を、そこから軸方向に外して、圧力消費部の領域へと配置することができ、圧力消費部の効果、すなわち例えば逆送りスクリュエレメントの効果が高められると同時に、可能であれば圧力発生部の効果が弱められ、充填レベルおよび滞留時間が増し、したがってより多くのエネルギーが製品へと導入され、あるいはこの反対である。この場合、内側ハウジングを、例えば内側ハウジングの密に囲まない領域を軸方向にずらし、あるいは変位させることによって、全体としての外側ハウジングまたは特定の部位の外側ハウジングの少なくとも一端と同一に軸方向に配置でき、あるいは全体としての外側ハウジングまたは特定の部位の外側ハウジングの少なくとも一端からそれぞれの場合において異なって配置することができる。
【0018】
内側ハウジングは、好ましくは冷却可能に具現化され、外側ハウジングは、加熱可能および冷却可能に具現化される。外側ハウジングおよび/または内側ハウジングを、1つ以上の殻を備えて具現化することができる。外側ハウジングは、第1および第2のハウジング部分片に加えて、好ましくは2〜10Doの長さを有している1つ以上のさらなるハウジング片を有することができ、それらをお互いに対して配置し、密に一体に保持し、半径方向に閉じた穴を備え、あるいは備えずに設計することができ、そのような穴において、閉鎖を交換可能または半径方向に調節可能に設計でき、周囲または長さにおいて次々に分布させて配置することができる。とくには、1つ以上のラジアル面に分布する外側ハウジングの外周の1つ以上の穴を、物質の供給および/または排出のために外周に設けることができる。これらの穴を、例えば粉末または随意により複数のストランドである連続的な繊維を供給装置によって供給し、あるいは供給装置を用いずに供給するため、またはガス排出ラインのために、外側ハウジングの外周に、対称に、単一または複数の対向にて、水平および/または斜めに配置することができる。
【0019】
本発明による押出機は、物質の溶融および脱気に適しているだけでなく、とくには高い経済性および品質でのプラスチック材料および同様の押し出し可能な材料への取り入れのためのナノサイズの固体の連続繊維への湿潤にも適している。この理由は、この装置が、その高いトルク密度の結果として、きわめてさまざまな要件に合わせることができるエネルギーの導入とともに、比較的低い周速度したがって材料温度において、より大きな溶融力ももたらすからである。
【0020】
以下で、本発明を、一例として、添付の図面を参照しつつ、さらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】多軸押出機の縦断面である。
【図2】図1による線II−IIに沿った押出機の断面である。
【図3】混練ブロックの別の実施形態の斜視図および側面図である。
【図4】送り構造の別の実施形態の斜視図および側面図である。
【図5】図1の線V−Vに沿った断面である。
【図6】図1の線VI−VIに沿った押出機の駆動部の断面である。
【図7】図1の線VII−VIIに沿った押出機の駆動部の断面である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1によれば、多軸の押出機が、12本のピニオンシャフト2を円上に配置して有する駆動部1で構成され、ピニオンシャフト2が、継手3を介して加工部5のウォームシャフト4へと接続されている。
【0023】
図2によれば、加工部5の12本のシャフト4が、外側ハウジング9と内側コアまたは内側ハウジング10との間の環状の空間8において、ピッチ円7上に軸平行な様相で配置され、同じ方向に回転する。ウォームシャフト4は、互いに噛み合う送りスクリュ11、12、13および他のエレメントへと、回転せぬように接続されている。この目的のため、これらは、セレーション14(図3を参照)を介してシャフト4へと押し込まれている。
【0024】
図2によれば、外側ハウジング9の内面に、軸平行な凹状の円形部分15が設けられている。同様に、内側ハウジング10も、軸平行な凹状の円形部分16を有している。円形部分15、16が、それぞれのシャフト4を収容して案内する。
【0025】
図1によれば、外側ハウジング9の一端が、端部プレート17によって送りの上流側において閉じられている。さらに、複数の材料排出穴18が、送りの下流側の端部プレート19に設けられている。
【0026】
加工部5の軸方向の送りの長さLは、例えば20Doであり、Doは、送りスクリュ11、12、13の外径である。
【0027】
加工部5は、端部プレート17に接続して、例えば0.5Doの長さを有する第1の部位S1を有しており、第1の部位S1は、外側ハウジング9および内側ハウジング10によって密に囲まれ、密に噛合した送りスクリュ11を備えている。例えば6Doの長さを有する第2の部位S2が、第1の部位S1に隣接しており、やはり送りスクリュ11を備えている。部位S2においては、外側ハウジング9に、例えば5Doの長さまで材料供給穴20が設けられており、したがって送りスクリュ11は、部位S2においては、一部が密でない外側ハウジング9によって囲まれている。
【0028】
例えば4Doの長さを有する第3の部位S3が、第2の部位S2に隣接しており、外側ハウジング9および内側ハウジング10によって密に囲まれている。第3の部位S3において、送りスクリュ11は、やはり密に噛合する様相で具現化されている。第3の部位S3に、例えば2Doの長さを有する第4の部位S4が続いており、第4の部位S4は、送り構造21を有している。図4によれば、送り構造21は、短いスクリュ部22a〜22dをお互いに対する角度を徐々にずらしつつ配置して構成されたワンピースのエレメントによって形成されている。結果として、シャフトの軸24に対して傾けられた自由端面23a〜23dが形成されている。
【0029】
図3は、送り構造25の別の実施形態、すなわちカムディスク部26a〜2eで構成される混練ブロックを示している。カムディスク部は、やはりピッチ方向を送りスクリュ11〜13に一致させて、線27によって示されるとおりに配置され、シャフトの軸に垂直な自由端面28a〜28eを形成している。外側から内側へのピッチ円7における半径方向の自由な通路断面は、送り構造21および25において、装置の送り面積の少なくとも4分の1、とくには少なくとも3分の1である。
【0030】
図1によれば、第4の部位S4に第5の部位S5が隣接しており、第5の部位S5において、シャフト4に圧力消費部が設けられている。圧力消費部は、大きな流通抵抗を生成し、したがって材料を蓄積させる。圧力消費部を、図1に示されているように逆送りスクリュエレメント21によって形成することができるが、逆送り混練ブロックなどの逆送りワーキングエレメントや減速ディスクなどによって形成してもよい。また、送りスクリュあるいはスクリュまたはワーキングエレメントによって形成することも可能である。必要とされる圧力の蓄積を生み出すために、第5の部位S5は、少なくとも0.25Doの長さを有している。
【0031】
図1によれば、外側ハウジング9に、外側ハウジング9を加熱および/または冷却するために高温または低温の液体が通される流路30が設けられている。図2が、内側ハウジング10が、内側ハウジング10を例えば接続部33、34を介して供給および排出される液体で加熱および/または冷却するための軸方向の穴32を有する旨を示している。
【0032】
図1から見て取ることができるとおり、内側ハウジング10の凹状のくぼみ16は、圧力消費部を形成している逆送りスクリュエレメント29の領域35においては、除去または省略されている。したがって、圧力消費部は、これらの領域においてはもはや密に囲まれておらず、すなわち逆送りスクリュエレメント29によって生み出される流通抵抗が小さくなっている。
【0033】
内側ハウジング10は、材料出口穴18に面している送りの下流側の端部プレート19に、浮動のやり方で取り付けられている。この目的のため、内側ハウジング10を端部プレート19へと固定するねじ36が緩められ、内側ハウジング10の領域35の位置が、例えばスペーサリング37によって調節される。これにより、圧力消費部の流通抵抗を調節することができる。
【0034】
図2によれば、外側ハウジング9は、周囲を巡って分布した4つの穴38をラジアル面内に有しており、それぞれの穴38を、ストッパ39によって閉じることができる。内側ハウジング10に面するストッパ39の表面には、外側ハウジング9の内壁の円形部分15に従って、やはり凹状の円形部分40が設けられている。したがって、穴38の領域における圧力消費部の効果を、ストッパ39を途中まで引き出すことによって変化させることができる。
【0035】
図5によれば、材料供給穴20は、供給ノズル41を有している。
【0036】
さらに、図1によれば、外側ハウジング9にさらなる開口を設け、これらの開口のそれぞれに、送りスクリュ46を有する設備45を配置することができる。
【0037】
送りの上流側の端部プレート17を貫いて延びているウォームシャフト4が、同じ方向に回転するように、駆動部1によって駆動される。図1によれば、駆動部1は、接続ハウジング47を介して加工部5の端部プレート17へと接続されている。
【0038】
駆動部1は、主駆動軸(図示されていない)を有している。主駆動軸が、分岐歯車機構を介して、分岐歯車機構に同軸に配置された内側の駆動軸48と、外側の4つの軸平行な駆動軸55〜58とを駆動する。
【0039】
それぞれのピニオン59、60が、好ましくはシャフト2ならびに各ピニオン59および60をワンピースに形成することによって、駆動部1の出力軸を形成するピニオンシャフト2へと回転せぬように固定されている。隣り合うシャフト2のピニオン59、60は、軸方向にずらして配置され、すなわちピニオン59が、ピニオン60よりもより近く加工部5に配置されている。
【0040】
中央の駆動軸48に、外側に歯を有している2つの内側駆動輪61、62が、回転せぬように設けられている。駆動輪61、62は、軸方向にずらして配置され、ピニオン59、60に噛合している。ピニオン59、60は、外側に歯を有している中央の駆動輪61、62、および半径方向において向かい合うように位置しており、内側に歯を有している外側の中空輪64、65(相応に軸方向にずらして配置されている)の両者によって駆動される。
【0041】
それぞれの中空輪64、65は、外側にも歯を備えており、4つの外側駆動軸55〜58に位置して外側に歯を有している駆動輪66〜69が、中空輪64、65の外側の歯に噛合している。外側駆動輪66〜69は、ピニオン59、60または内側駆動輪61、62あるいは中空輪64、65に応じて、軸方向にずらされて配置されている。
【0042】
外側駆動輪ならびに図示のとおりの中央駆動軸48の追加の駆動輪を、各軸について別個の電動モータによって駆動することができ、あるいは機械的な力を分岐させて駆動することができる。
【0043】
このようにして、中空輪64、65のそれぞれが、正反対に向かい合う2つの該当の外側の駆動輪66、68および67、69によって、実質的に力に関して中立な様相で心出しされる。しかしながら、原理的には、それぞれの中空輪について駆動輪が1つだけあればよい。
【0044】
このように、駆動部1が、同一な設計の2つのグループへと分けられたピニオンシャフト2を、円7上に配置して有しており、これらのピニオンシャフトが、内側および外側から等しい力で同じ方向かつ正反対に半径方向に駆動され、継手3を介して加工部5のウォームシャフト4へと同軸に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0045】
【特許文献1】EP 0 852 533 B1
【特許文献2】EP 1 425 151 B1
【特許文献3】EP 0 422 272 B2
【特許文献4】DE 102 07 145 A1
【非特許文献】
【0046】
【非特許文献1】Kunststoffe 8/2000のFrank Vorberg論文

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部(1)および駆動部へと接続された加工部(5)で構成され、加工部(5)が、少なくとも6本の軸平行なウォームシャフト(4)を有しており、ウォームシャフト(4)は、外側ハウジング(9)と内側ハウジング(10)との間で円(7)に配置され、同じ方向に回転し、互いに噛み合う送りスクリュ(11、12、13)および他のエレメントへと回転せぬように接続されており、外側ハウジング(9)の内側および内側ハウジング(10)に、それぞれのウォームシャフト(4)を収容する軸平行な凹状の円形部分(15、16)が設けられており、外側ハウジング(9)の一端に位置する少なくとも1つの材料供給穴(20)と、少なくとも1つの材料出口穴(18)とを有している多軸押出機であって、
駆動部(1)が、同一な設計のグループへと分けられた2つのピニオンシャフト(2)を、円(7)上に配置して有しており、ピニオンシャフトは、内側および外側から等しい力で同じ方向かつ正反対に半径方向に駆動され、継手(3)を介して加工部(5)のウォームシャフト(4)へと同軸に接続されており、ウォームシャフト(4)が、少なくとも6Doの送り長さ(L)および1.5〜1.93のDo/Di比を有しており、ここでDoは送りスクリュ(11、12、13)の外径であって、Diは内径であり、トルク密度が少なくとも50Nm/cmであることを特徴とする多軸押出機。
【請求項2】
トルク密度が少なくとも100Nm/cmであることを特徴とする請求項1に記載の多軸押出機。
【請求項3】
トルク密度が少なくとも160Nm/cmであることを特徴とする請求項1に記載の多軸押出機。
【請求項4】
トルク密度が少なくとも220Nm/cmであることを特徴とする請求項1に記載の多軸押出機。
【請求項5】
Do/Di比が、1.6〜1.93であることを特徴とする請求項1に記載の多軸押出機。
【請求項6】
前記内側ハウジング(10)が、前記外側ハウジング(9)の一端または両端において半径方向について堅固に、かつ前記外側ハウジング(9)の一端または両端から軸方向に調節できるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の多軸押出機。
【請求項7】
前記加工部(5)が、前記駆動部(1)に面する端部に、0.25〜2Doの長さを有しており、前記外側ハウジング(9)および前記内側ハウジング(10)によって密に囲まれており、密に噛合する送りスクリュ(11)が設けられている第1の部位(S1)を有しており、
この第1の部位に、2〜12Doの長さを有しており、前記送りスクリュ(11)を最大で6Doの長さを有する供給穴(20)を備えている一部が密でない前記外側ハウジング(9)によって囲んで備えている第2の部位(S2)が隣接し、
この第2の部位に、少なくとも1.25Doの長さを有しており、前記外側ハウジング(9)および前記内側ハウジング(10)によって密に囲まれており、密に噛合する前記送りスクリュ(11)が設けられている第3の部位(S3)が続いており、
この第3の部位に、少なくとも1Doの長さを有しており、お互いに対する角度が徐々にずらされたスクリュ部(22a〜22e)またはカムディスク(26a〜26e)を、端面(23a〜23d、28a〜28d)を形成しつつ有しており、自由な装置送り面積の少なくとも4分の1、とくには少なくとも3分の1という外側から内側への部分円(7)における半径方向の自由通路断面を有している第4の部位(S4)が隣接している
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の多軸押出機。
【請求項8】
前記第4の部位(S4)に、少なくとも0.25Doの長さを有しており、シャフト(4)が圧力消費部として機能する第5の部位(S5)が隣接していることを特徴とする請求項6に記載の多軸押出機。
【請求項9】
圧力消費部が、送りまたは逆送りスクリュエレメントあるいはワーキングエレメントまたは減速ディスクであることを特徴とする請求項7に記載の多軸押出機。
【請求項10】
前記第1の部位(S1)および前記第2の部位(S2)ならびに前記第3の部位(S3)が、全体として最大で16Doの長さを有していることを特徴とする請求項6に記載の多軸押出機。
【請求項11】
前記第1の部位(S1)および前記第2の部位(S2)ならびに前記第3の部位(S3)が、全体として最大で12Doの長さを有していることを特徴とする請求項6に記載の多軸押出機。
【請求項12】
前記第1の部位(S1)および前記第2の部位(S2)ならびに前記第3の部位(S3)が、全体として最大で8Doの長さを有していることを特徴とする請求項6に記載の多軸押出機。
【請求項13】
前記内側ハウジング(10)において、凹状のくぼみ(16)が、圧力消費部が密には囲まれないように、少なくとも0.25Doの長さまで少なくとも部分的に省略されていることを特徴とする請求項6または7に記載の多軸押出機。
【請求項14】
密でない内側ハウジングの部位が、同じまたは異なる距離において、同じまたは異なる実施形態で、圧力消費部によって囲まれることを特徴とする請求項13に記載の多軸押出機。
【請求項15】
前記送りスクリュが、2条フライトの送りまたは逆送りスクリュ部分を有しており、この部分が、同じまたは異なるピッチで送りまたは逆送りスクリュの方向において1条および/または2条フライトのやり方で、長さおよび/またはフライト深さまで完全または部分的に切り離されていることを特徴とする請求項1に記載の多軸押出機。
【請求項16】
前記内側ハウジング(10)が、ワンピースまたはツーピース以上にて、1つ以上の領域において冷却可能および/または加熱可能であるように具現化されていることを特徴とする請求項1に記載の多軸押出機。
【請求項17】
前記外側ハウジング(9)が、加熱可能および/または冷却可能であるように、かつ1つ以上の殻を備えて具現化されていることを特徴とする請求項1に記載の多軸押出機。
【請求項18】
前記外側ハウジング(9)が、供給装置ありまたは供給装置なしで物質を供給および/または排出するために、前記外側ハウジング(9)の外周および/または長さに分布した、閉じることができる穴(38)を有していることを特徴とする請求項1に記載の多軸押出機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−509091(P2010−509091A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535582(P2009−535582)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/007961
【国際公開番号】WO2008/055560
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(507179520)ブラハ・フェアバルツングス・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー (4)
【Fターム(参考)】