説明

大型前面開閉一体型ウェハポッド

【課題】複数の支持片が配置された前面開閉一体型ポッド(FOUP)を提供する。
【解決手段】本FOUPの複数の支持片の位置は、該支持片がポッド内のウェハを水平に支持するよう対称になるように較正される。また、天井吊下式搬送パッド(OHTパッド)がFOUPとウェハとの重量を均一に分配するので、OHTヘッドによるFOUPとウェハの搬送を更に安定化でき、プロセスの要求を満たすようより多くの重量を装填できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前面開閉一体型ポッド(FOUP)、特に大型前面開閉一体型ポッドの構造に関する。本発明のFOUPの構造において、各支持モジュールは第1材料で形成され、大型FOUP内の収容スペースの左内面と右内面に第2材料で形成された位置決め枠によりロック固定される。また、大型FOUPの上部に天井吊下式搬送パッド(OHTパッド)が設けられ、FOUPが天井吊下式搬送ヘッド(OHTヘッド)と結合した時、高硬度のOHTパッドはFOUPにロボットにより加えられた持ち上げ力を均一に分配できるので、大型FOUPはより安定して搬送される。
【背景技術】
【0002】
半導体プロセスは多数の工程又はステップから構成され、これらの工程又はステップ中、ウェハは様々な位置又は装置に入れられる。従って、このプロセスにおいて、ウェハは1つの所から別の所に搬送され、プロセスフローの必要に応じて、ある期間保管さえされる必要がある。この場合、ウェハカセットは保管容器と搬送容器の両方の役割をし、様々なタイプの搬送装置及び運搬装置と適合する必要があり、従って、半導体プロセスにおいて非常に重要な役割を果たす。
【0003】
従来の前面開閉一体型ポッド(FOUP)を示す図1に示すように、一体射出成形により通常形成されるFOUPは、容器本体Aを有し、容器本体Aの内側に複数のウェハ支持片Bが配置されている。ウェハ支持片Bと容器本体Aとは一体射出成形により形成されうる。或いは、容器本体Aは複数の内蔵ソケットを有するよう一体射出成形で形成され、次にウェハ支持片Bが該内蔵ソケットにパチンと嵌合される。
【0004】
しかし、ウェハのサイズが大きく、例えば300mm超になるとともに、ウェハ容器のサイズも大きくする必要がある。しかし、大型のウェハ容器がポリマー材料を使用して射出成形により形成される場合、ポリマー材料に起因する応力は、形成中に容器本体の歪みを引き起こし、一体射出成形により形成された内蔵ウェハ支持片又はソケットの歪みも引き起こす。ウェハ支持片又はソケットは左側と右側に対称に配置され(ウェハは容器内に水平に置かれ)るので、僅かな歪みでもウェハの姿勢が傾き、プロセスに影響し、ウェハの割れを引き起こし重大な損失となる場合がある。
【0005】
また、OHTシステムがウェハ容器を運ぶために通常使用される。OHTヘッドC(図1に示す)は通常ウェハ容器の上に配置されロボットが掴み、ウェハ容器を持ち上げ他のプロセス装置に運ぶのを容易にする。従来のOHTヘッドCはその中央の複数のロック留め具により通常、ロック固定される。
【0006】
大型のウェハが装填された大型FOUPは、従来の小型FOUPより重い。従来のOHTヘッドCは複数のロック留め具だけでFOUPにロック固定され、大型FOUPの重量と中のウェハの重量とを支えなければならないので、FOUPの上部に歪みとひび割れが容易に発生し、OHTヘッドCは大型FOUPから割れて離れ落下したり損傷して、より大きな費用損失となる場合がある。
【0007】
また、大型FOUPは開口部を上にして手で搬送されるので、このFOUPを平らな面上に置く時、FOUPとその面との接触時、FOUP内の大型のウェハの重量はかなりの衝撃を生み、FOUP内の大型のウェハに割れ又は欠けが生じる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記問題を解決するために、本発明の主目的の1つは、較正される位置決め枠により固定されたウェハ支持片を備える前面開閉一体型ポッド(FOUP)を提供することである。該位置決め枠により、ウェハがFOUP内に水平に置かれるようFOUP内のウェハ支持片が対称になる。
【0009】
本発明の別の主目的は、射出成形により形成された容器本体に、FOUPの歪みの発生の有無にかかわらず、較正される位置決め枠によりロック固定されたウェハ支持片を備える前面開閉一体型ポッド(FOUP)を提供することである。FOUP内の該ウェハ支持片は、FOUP内のウェハを水平に支持するよう対称になるように較正されうる。これによりFOUPプロセスの歩留りが増加しFOUPの製造コストが低減される。
【0010】
本発明の更に別の主目的は、前面開閉一体型ポッド(FOUP)と天井吊下式搬送ヘッド(OHTヘッド)との間に配置される高硬度の天井吊下式搬送パッド(OHTパッド)を提供することである。FOUPとOHTヘッドが結合した時、高硬度のOHTパッドはFOUPにロボットにより加えられた持ち上げ力を均一に分配しうるので、FOUPはより安定して搬送される。
【0011】
本発明の更に別の主目的は、FOUPの上部に埋込み射出成形により一体化され天井吊下式搬送ヘッド(OHTヘッド)と直接結合される高硬度の天井吊下式搬送パッド(OHTパッド)を提供することである。高硬度のOHTパッドはFOUPにロボットにより加えられた持ち上げ力を均一に分配しうるので、FOUPはより安定して搬送される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的に応じて、本発明は、後部と結合された左側部、右側部、上部、及び底部から成る容器本体と、後部と反対側の開口と、該開口の大きさに対応した大きさで該開口を閉じるドアとを備えるFOUPを提供する。このFOUPの特徴は、複数の第1貫通孔が容器本体の左側部と右側部の前端近くと後端近くに形成され、複数の位置決め枠に第1貫通孔に対応して配置される複数の第2貫通孔が形成され、各位置決め枠は第2貫通孔の幾つかと第1貫通孔の幾つかを使用し複数の第1ロック留め具により結合され、複数の支持モジュールがそれぞれ、その一方の側に複数の突出したロック固定穴が配置され、反対側に複数のリブが一定間隔で水平に配列され、該各支持モジュールの該複数の突出したロック固定穴は対応する該位置決め枠の該複数の第2貫通孔の残りと、該左側部又は該右側部の該複数の第1貫通孔の残りとを貫通して、該各支持モジュールは該左側部の内面又は該右側部の内面に複数の第2ロック留め具により固定される。
【0013】
上記の目的に応じて、本発明は、後部と結合された左側部、右側部、上部、及び底部から成る容器本体と、該後部と反対側の開口と、該容器本体の該左側部と該右側部とに形成された複数の支持モジュールと、該開口の大きさに対応した大きさで該開口を閉じるドアとを備えるFOUPを提供する。該各支持モジュールは一定間隔で水平に配列された複数のリブを有する。このFOUPの特徴は、突出部材が該容器本体の上部に形成され、更に該容器本体の上部にOHTパッドとOHTヘッドが配置され、OHTパッドは該容器本体の該上部上に配置され、貫通孔がOHTパッドの中央に形成され、複数の第1スタッドが該貫通孔の周りに形成され、丸いほぞ穴部材がOHTヘッドの中央に形成され、複数の突出した第2スタッドが該丸いほぞ穴部材の周りに該第1スタッドに対応して配置形成され、複数のロック留め具が該第1スタッドと該第2スタッドとをロック固定するために使用されて、OHTパッドとOHTヘッドとが結合され、OHTヘッドの該丸いほぞ穴部材はOHTパッドの該貫通孔を貫通し該容器本体の上部の該突出部材と係合する。
【発明の効果】
【0014】
本発明が提供する構成により、大型FOUP内の支持片は常に対称に維持されうるので、大型ウェハは水平に支持され損傷することがない。また、OHTパッドにより、FOUPにかかるOHTヘッドの持ち上げ力はFOUPに均一に分配されるので、OHTヘッドの動作を更に安定化でき、プロセスの要求を満たすようより多くの重量を装填できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来の前面開閉一体型ポッド(FOUP)の図である。
【図2】本発明のウェハ容器の容器本体の図である。
【図3】本発明のウェハ容器の貫通孔の図である。
【図4A】取り付け中の本発明の支持片の図である。
【図4B】本発明の支持モジュールの図である。
【図5A】本発明の天井吊下式搬送パッド(OHTパッド)と天井吊下式搬送ヘッド(OHTヘッド)の構造図である。
【図5B】本発明の天井吊下式搬送パッド(OHTパッド)の別の実施形態の構造図である。
【図6A】本発明の基部の図である。
【図6B】本発明のバックル部品の図である。
【図7】本発明の後部の図である。
【図8A】本発明の耐振部品の図である。
【図8B】組み立て中の本発明の耐振部品の図である。
【図9】組み立て中の本発明の側面部分の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の態様と、利点の多くは、添付の図面と下記の詳細な説明を参照することでより良く理解され、より容易に認識されるであろう。
【実施例】
【0017】
本発明はウェハ容器、特に較正されるウェハ支持片を有するウェハ容器を開示する。ウェハ容器の製造と貫通孔の較正は、既存の手法とウェハ容器製造材料(下記でその説明を省略する)を使用して実現される。また、下記の説明で参照される図面は実際の縮尺に従って作成されておらず、本発明の特徴を例示するためだけのものである。
【0018】

先ず、本発明のウェハ容器の容器本体の図である図2を参照する。図2に示すように、FOUP1は後部14と結合され収容スペースを形成する左側部13、右側部12、上部10、及び底部11から成る容器本体2と、後部14と反対側の開口15と、容器本体2の開口15の大きさに対応した大きさでこの開口15を閉じるドア3とを備える。
【0019】
次に、本発明のウェハ容器の貫通孔の図である図3を参照する。図3に示すように、大型FOUP、即ち450mmFOUPまたは更に大きなFOUPを射出成形により製造する場合、容器本体の形状の形成を制御することはより困難であり、歪み及び変形が発生する可能性がある。ウェハ容器の両側における支持片(一体化された又はスナップ嵌合構造)の非対称性を引き起こす変形を防ぐために、一体化された支持片(又はスナップ嵌合構造の支持片)は、射出成形プロセスにおいて最初には形成されない。
代りに、先ず、ウェハ容器が射出成形により形成され、次に別の較正システム、例えばレーザー又は他の高精度旋盤台装置を使用して、容器本体2の右側部12と左側部13の対称位置をマークし、複数の第1貫通孔1211、1231、1311、1331を右側部12の前端121近くと後端123近く、及び左側部13の前端131近くと後端133近くにそれぞれ穴あけする。本発明の1つの実施形態では、13個の第1貫通孔1211、1231、1311、1331が右側部12の前端121近くと後端123近く、及び左側部13の前端131近くと後端133近くにそれぞれ穴あけされる。各側部にあけられた孔の数は破線で示すように正確に同じである(下記に詳細に説明する)。なお、あけられた孔の数は本発明において限定されず、上述のように13個の第1貫通孔があけられた本実施形態は、本発明の技術的特徴を単に具体的に例示する。
【0020】
次に、取り付け中の本発明の支持片の図である図4Aを参照する。図4Aに示すように、右側部12の前端121及び後端123は左側部13の前端131及び後端133と同じ構造で、第1貫通孔1211、1231は左側部13の第1貫通孔1311、1331と同じ構造で、支持片39の取り付け方法及び構造も同じである。従って、支持片30を左側部13の前端131に取り付けるのを代表例として使用して下記に説明する。他の側の支持片の取り付けの説明は省略する。
【0021】
図4Aを参照すると、複数の第1貫通孔1311が、容器本体2の左側部13の前端131近くに配置されている。本実施形態は上述のように13個の第1貫通孔1311を有する。図4Aに示すように、位置決め枠20に複数の第2貫通孔201が形成されており、各第2貫通孔201は精密プロセスにより位置決めされ形成される。例えば、本実施形態では、位置決め枠20には13個の第2貫通孔201が形成され、位置決め枠20が容器本体2の左側部13の前端131近くの外面にロック固定されるように第2貫通孔201は第1貫通孔1311と対応して配置される。1つの実施形態では、上述のように合計13個の第1貫通孔1311が存在し、上部、真中、底部に位置する3つの第1貫通孔1311’が、位置決め枠20をロック固定する第1ロック留め具50を受容する。また、位置決め枠20の材料は金属又はエンジニアリングプラスチックであってよい。
【0022】
次に、本発明の支持モジュールの図である図4Bを参照する。図4Bに示すように、複数の支持モジュール30はそれぞれ、その一方の側に形成された複数の突出したロック固定穴301と、反対側に一定間隔で水平に配列形成された複数のリブ303とを有する。各支持モジュール30の突出したロック固定穴301は、位置決め枠20の第2貫通孔201の残りのうち対応する貫通孔と容器本体2の左側部13の前端131の第1貫通孔1311の残りのうち対応する貫通孔とを貫通し、各支持モジュール30は前端131近くの左内面13に複数の第2ロック留め具52により固定される。FOUP1の気密性を実現するために各支持モジュール30のロック固定穴301上にシールリング40を配置してもよい。
【0023】
本発明の好適な実施形態では、各端に5つの支持モジュール30が配置され、各支持モジュール30は2つのロック固定穴301と5つのリブ303とを有する。従って、合計10個のロック固定穴301と25個のリブ303が存在し、10個のロック固定穴301はそれぞれ容器本体2の第1貫通孔1311の残りと位置決め枠20の第2貫通孔201の残りとに受容される。なお、第1貫通孔1311の数と第2貫通孔201の数は本発明において限定されず、両方の数は配置される支持モジュール30の数とロック固定される位置決め枠20の数とにより決まる。4つの端、即ち、右側部12の前端121及び後端123と左側部13の前端131及び後端133にそれぞれ支持モジュール30が配置され、各端の各支持モジュール30に5枚のウェハが装填される。明らかに、本発明の好適な実施形態では、容器本体2内の収容スペースに、該4つの端の4つの支持モジュールを1セットとして5セットが配置され、従って、合計25枚のウェハを装填できる。なお、容器本体2内の収容スペースに置かれるウェハの数は本発明において限定されない。
【0024】
次に、本発明の天井吊下式搬送パッドと天井吊下式搬送ヘッドの構造図である図5Aを参照する。下記の説明において、天井吊下式搬送パッドは「OHTパッド」と呼ばれ、天井吊下式搬送ヘッドは「OHTヘッド」と呼ばれる。図5Aに示すように、突出部材101が容器本体2の上部10上に形成され、リング形状のスナップ嵌合溝103が上部10の突出部材101の周りに形成され、複数の第1スタッド105がスナップ嵌合溝103と突出部材101の間に形成され、OHTパッド60とOHTヘッド62が容器本体2の上部10上に配置される。OHTパッド60は容器本体2の上部10上に配置され、OHTパッド60の中央に貫通孔601が形成され、複数の突出した第2スタッド603が貫通孔601の周りに形成されている。
第2スタッド603は貫通孔の形態であってもよく、本発明において限定されない。第2スタッド603は第1スタッド105に対応する。上部10のスナップ嵌合溝103に対応するスナップ嵌合片605がOHTパッド60の周りに形成されてもよい。また、丸いほぞ穴部材621がOHTヘッド62の中央に形成され、複数の突出した第3貫通孔623が一方の側に形成され、第3貫通孔623と第2スタッド603と第1スタッド105とは対応して配置されている。OHTヘッド62の丸いほぞ穴部材621はOHTパッド60の貫通孔601を通され、突出部材101と係合する。OHTパッド60のスナップ嵌合片605は上部10のスナップ嵌合溝103にパチンと嵌合する。OHTパッド60上の第2スタッド603と容器本体2の上部10上の第1スタッド105とOHTヘッド62の第3貫通孔623とは整列され、複数の第3ロック留め具54を使用して、第2スタッド603と第3貫通孔623とを容器本体2の上部10上の第1スタッド105にロック固定することでOHTパッド60、OHTヘッド62、及び容器本体2の上部10を結合する。
【0025】
本発明においてOHTパッド60を加える主目的は、ロボットがFOUPを搬送する時、OHTヘッド62が支える重量を分配することである。従来のFOUPのOHTヘッドはウェハ容器に複数のロック留め具によりロック固定される。しかし、大型FOUPに関する限り、OHTヘッドが容器本体に複数のロック留め具だけでロック固定されている場合、半導体製造工場で半導体プロセス中にFOUPを持ち上げ搬送する時、OHTヘッドがFOUPとその中の25枚のウェハとの重量を支えるのは困難である。OHTパッド60の構造により、本発明はOHTヘッドが支えるFOUPとその中の25枚のウェハとの重量を分配することが出来る。明らかに、本発明は、OHTパッド60のスナップ嵌合片605と上部10のスナップ嵌合溝103とを含み重量を均一に分配するスナップ嵌合構造を提供する。
OHTパッド60上の複数の突出した第2スタッド603とOHTヘッド62の複数の第3貫通孔623が第3ロック留め具54によりロック固定されるので、OHTヘッド62は容器本体2の上部10上の第1スタッド105に、よりしっかりとロック固定されうる。OHTヘッド62の中央の丸いほぞ穴部材621はFOUP1の重心の後ろに位置し、丸いほぞ穴部材621は容器本体2の上部10の突出部材101と係合するので、OHTヘッド62はバランスが保たれ、振動しない。また、本発明のOHTパッド60の材料は高硬度のエンジニアリングプラスチックであってよい。特に、OHTパッド60の材料の硬度は容器本体の材料より高い。
【0026】
次に、本発明のOHTパッド60の別の実施形態の構造図である図5Bを参照する。図5Bに示すように、OHTパッド60は容器本体2の上部10上に埋込み射出成形で形成される。突出部材607がOHTパッド60の中央に形成され、複数の突出したアンダーカットほぞ穴部材609が突出部材607の周りに形成され、OHTヘッド62はその中央に形成された丸いほぞ穴部材621を有し、複数の突出した第3貫通孔623が一方の側に形成され、第3貫通孔623とアンダーカットほぞ穴部材609が対応して配置されている。複数の第3ロック留め具54を使用して、アンダーカットほぞ穴部材609を第3貫通孔623とロック固定して、OHTパッド60とOHTヘッド62とを結合する。OHTヘッド62の丸いほぞ穴部材621はOHTパッド60の突出部材607と係合する。
【0027】
本実施形態のOHTパッド60は容器本体2の上部10上に埋込み射出成形で形成され、図5Aに示すようなスナップ嵌合片605とスナップ嵌合溝103は必要でない。また、OHTパッド60は容器本体2と一緒に埋込み射出成形で形成されるので、OHTパッド60が容器本体2から割れて離れるのを避けることが出来る。このような構造はOHTヘッドが支えるFOUPと25枚のウェハとの重量をより均一に分配することが出来る。
【0028】
本発明の基部の図である図6Aを参照する。図6Aに示すように、第1通気孔111が容器本体2の底部11の4つの隅にそれぞれ形成され、基部70がFOUP1の下に配置される。複数の第2通気孔701が基部70に形成され、第2通気孔701と第1通気孔111は対応して配置されている。
【0029】
本発明のバックル部品の図である図6Bを参照する。図6Bに示すように、バックル部品は内部ネジ山を有する第1部品80と外部ネジ山を有する第2部品82とを含む。第1部品80の内部ネジ山801は第1通気孔111に通され、第2部品82の外部ネジ山821は第2通気孔701に通される。従って、内部ネジ山801と外部ネジ山821は係合して、第1部品80と第2部品82が結合され、基部70と容器本体2の底部11とが結合される。
【0030】
本発明のバックル部品は中空構造のスナップ嵌合片であってもよく、基部70と容器本体2の底部11とがスナップ嵌合片により結合された後、該中空構造にパージ弁(又は排気弁)が配置され、基部70はFOUPの底部11と結合された時、パージ(又は排気)機能を備える。シールリング42を第1部品80又は第2部品82に配置しFOUP1の気密性を実現してもよい。
【0031】
本発明の後部の図である図7を参照する。図7に示すように、本発明のFOUPの後部14に開口15に対向する後部開口141を形成することが出来る。後部開口141を形成する目的は、半導体装置の較正と測定を容易にすることである。後部開口141に平板片90を埋め込むことが出来る。平板片90は透明又は不透明であってよい。本発明の1つの実施形態では、平板片90は容器本体2の後部開口141に超音波溶接で埋め込まれる。しかし、平板片90を埋め込む又は結合する方法は本発明において限定されない。また、本発明の平板片90の材料は高清浄度の耐紫外線エンジニアリングプラスチック材料であってよい。平板片90の材料も本発明において限定されない。また、目盛り、文字、例えば数字、プロセス段、バーコード等を透明な平板片90上にマークしてプロセス作業を容易にしてもよい。
【0032】
本発明の耐振部品の図である図8Aを参照する。図8Aに示すように、耐振部品17がFOUP1の容器本体2の後、右側部12と左側部13の後部14と結合するコーナーに配置される。耐振部品17は接続片171と耐振パッド173とを含み、接続片171は容器本体2にロック固定構造体(不図示)により固定され、耐振パッド173は接続片171にスナップ嵌合構造体(不図示)により固定される。耐振部品17は搬送工程において衝突を防ぐために主に働く。また、大型FOUPが手で搬送される場合、搬送工程中、FOUPの開口は上方を向いている。従って、耐振パッド173はFOUP1の搬送時、水平運搬移動によりFOUP1内のウェハがずれないことを保証する非スリップ機能も提供する。
【0033】
耐振部品17の耐振パッド173は長期間の使用により摩耗する可能性があるので、耐振パッド173を接続片171に固定するスナップ嵌合構造体(不図示)は耐振パッド173の交換を容易にする。なお、本実施形態の接続片171は容器本体2にロック固定構造体(不図示)により固定され、耐振パッド173は接続片171にスナップ嵌合構造体(不図示)により固定されるが、結合し固定する方法は本発明において限定されない。また、本実施形態の耐振パッド173の材料は弾性ゴムであるが、本発明において限定されず、耐衝突機能及び非スリップ機能を提供する他の任意の材料は本発明の範囲に入る。
【0034】
次に、組み立て中の本発明の耐振部品の図である図8Bを参照する。図8Bに示すように、耐振部品17の組み立てが完了後、耐振部品17は容器本体2から突出している。従って、容器本体2が床又は壁に衝突した時、容器本体2と衝突物との直接接触を避けることができ、中のウェハを保護できる。
【0035】
次に、組み立て中の本発明の側面部分の図である図9を参照する。この側面構造体はSEMI規格により要求される標準構造体の一部であり、この側面構造体によりロボットはFOUP全体を移動させることが出来る。図9に示すように、側面部分16はSEMI規格に対応して容器本体2の右側部12の外面と左側部13の外面に配置される。側面部分16は容器本体2の構造を強化し、容器本体2が一体射出成形により形成される時、材料によって引き起こされる応力により容器本体2が変形するのを防ぐために、側面部分16は容器本体2の右側部12の外面と左側部13の外面に容器本体2形成後に配置される。側面部分16と容器本体2とを組み立てる方法は本発明において限定されない。
【0036】
好適な実施形態により本発明を説明したが、本発明は開示した実施形態に限定されないことは理解されるべきある。当業者にとって明らかな様々な変更及び類似の構成を含むよう意図されている。従って、請求項の範囲はそのような全ての変更及び類似の構成を含むよう最も広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0037】
1 FOUP
2 容器本体
3 ドア
10 上部
11 底部
12 右側部
13 左側部
14 後部
15 開口
20 位置決め枠
30 支持モジュール
50 第1ロック留め具
52 第2ロック留め具
201 第2貫通孔
301 突出したロック固定穴
303 リブ
1211、1231、1311、1331 第1貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
後部と結合され収容スペースを形成する左側部、右側部、上部、及び底部から成る容器本体と、該後部と反対側の開口と、該容器本体の該開口の大きさに対応した大きさで該開口を閉じるドアとを備えるウェハ容器であって、
複数の第1貫通孔が該容器本体の該左側部及び右側部の前端と後端に形成され、
複数の位置決め枠に該複数の第1貫通孔に対応して配置される複数の第2貫通孔が形成され、該複数の位置決め枠が該左側部の外面と該右側部の外面とにロック固定されるよう該各位置決め枠は該第2貫通孔の幾つかと該第1貫通孔の幾つかを使用し複数の第1ロック留め具により結合され、
複数の支持モジュールがそれぞれ、その一方の側に形成された複数の突出したロック固定穴と、反対側に一定間隔で水平に配列形成された複数のリブとを有し、該各支持モジュールの該複数の突出したロック固定穴は該左側部又は該右側部の該複数の第1貫通孔の残りと、対応する該位置決め枠の該複数の第2貫通孔の残りとを貫通して、該複数の支持モジュールは該左側部の内面と該右側部の内面とに複数の第2ロック留め具により固定されることを特徴とするウェハ容器。
【請求項2】
後部と結合され収容スペースを形成する左側部、右側部、上部、及び底部から成る容器本体と、該後部と反対側の開口と、該容器本体の該左側部と該右側部とに形成された複数の支持モジュールと、該容器本体の該開口の大きさに対応した大きさで該開口を閉じるドアとを備えるウェハ容器であって、
該各支持モジュールは一定間隔で水平に配列された複数のリブを有し、
天井吊下式搬送パッドが該容器本体の該上部上に埋込み射出成形により形成され、突出部材が該天井吊下式搬送パッドの中央に形成され、複数の突出したアンダーカットほぞ穴部材が該突出部材の周りに形成され、
天井吊下式搬送ヘッドが設けられ、その中央に丸いほぞ穴部材が形成され、該丸いほぞ穴部材の周りで同じ側に複数の突出した貫通孔が形成され、該複数の突出した貫通孔は該複数の突出したアンダーカットほぞ穴部材に対応して配置され、
複数のロック留め具が該複数の貫通孔と該複数のアンダーカットほぞ穴部材とをロック固定するために使用されて、該天井吊下式搬送パッドと該天井吊下式搬送ヘッドとが結合され、
該天井吊下式搬送ヘッドの該丸いほぞ穴部材は該突出部材と係合することを特徴とするウェハ容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−70014(P2013−70014A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−275915(P2011−275915)
【出願日】平成23年12月16日(2011.12.16)
【出願人】(506017182)家登精密工業股▲ふん▼有限公司 (6)
【Fターム(参考)】