太陽光発電システム
【課題】太陽電池モジュールの異常を発見した場合に異常な太陽電池モジュールを容易に特定でき、安価で容易に導入できる太陽光発電システム。
【解決手段】各々が光照射により直流電力を発生する太陽電池モジュール1を直列に接続して成る複数の太陽電池ストリング8と、複数の太陽電池ストリングからの直流電力を入力する接続箱2を備え、接続箱は、各々が複数の太陽電池ストリングの内の一部の太陽電池ストリングに流れる電流を正値とし複数の太陽電池ストリングの内の一部の太陽電池ストリングを除く残りの太陽電池ストリングに流れる電流を負値とし正値と負値とを合算した合算電流値を検出する複数の電流検出器10と、各電流検出器毎に電流検出器で検出された合算電流値を計測する計測装置11と、計測装置で計測された電流値を送信するデータ送信装置12とを備える。
【解決手段】各々が光照射により直流電力を発生する太陽電池モジュール1を直列に接続して成る複数の太陽電池ストリング8と、複数の太陽電池ストリングからの直流電力を入力する接続箱2を備え、接続箱は、各々が複数の太陽電池ストリングの内の一部の太陽電池ストリングに流れる電流を正値とし複数の太陽電池ストリングの内の一部の太陽電池ストリングを除く残りの太陽電池ストリングに流れる電流を負値とし正値と負値とを合算した合算電流値を検出する複数の電流検出器10と、各電流検出器毎に電流検出器で検出された合算電流値を計測する計測装置11と、計測装置で計測された電流値を送信するデータ送信装置12とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光を用いて発電を行う太陽光発電システムに関し、特に直流電力を発生する太陽電池モジュールの異常検出を容易に行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電システムは、太陽電池モジュールに光が照射されることによって発生される直流電力をインバータによって交流電力に変換し、電力系統に供給する。図13は、従来の太陽光発電システムの構成を示す図である。この太陽光発電システムは、太陽電池モジュール1、接続箱2、インバータ3、昇圧変圧器4、交流遮断器5、連系用変圧器6および連系用遮断器7を備える。
【0003】
太陽電池モジュール1は、光が照射されることによって直流電力を発生する。この太陽電池モジュール1が複数個直列に接続されて太陽電池ストリング8が構成されている。太陽電池ストリング8は、各太陽電池モジュール1で発生された直流電力を積算し、正極端子(+)と負極端子(−)との間に出力する。太陽光発電システムは、複数の太陽電池ストリング8を備えており、各太陽電池ストリング8の正極端子(+)および負極端子(−)は、接続箱2に接続されている。
【0004】
接続箱2は、複数の太陽電池ストリング8から送られてくる直流電力を集めてインバータ3に送る。インバータ3は、接続箱2から送られてくる直流電力を交流電力に変換して、昇圧変圧器4に送る。昇圧変圧器4は、インバータ3から送られてくる交流電力を所定の電圧を有する交流電力に変換し、交流遮断器5を経由して連系用変圧器6へ送る。連系用変圧器6は、受け取った交流電力を系統電力9との連系に適した電圧に変換し、連系用遮断器7を経由して系統電力9に送る。なお、太陽電池モジュール1に照射される光は、強力であるほど太陽電池モジュール1の出力電流が大きくなり、太陽光発電システムから得られる電力は大きくなる。
【0005】
このような太陽光発電システムに関連する技術として、特許文献1は、太陽光発電システムをユーザ宅に設置した状態で、いつでも太陽電池システムの出力の異常を容易に監視可能なカーブトレース装置を開示している。このカーブトレース装置は、複数の太陽電池モジュールを直列および並列に配列した太陽電池システムと、接続箱と、直流電力を系統側(商用電源)の周波数(50Hz/60Hz)と交流電圧に同期させた交流電力に変換するパワーコンディショナとからなる太陽光発電システムに適用し、太陽光発電システムを実際に設置した状態で、パワーコンディショナに供給される太陽電池システムが正常か異常かを直流電流−直流電圧カーブまたは直流電力−直流電圧カーブを画面に表示して判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−201827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来の太陽光発電システムは屋外に設置されるため、この太陽光発電システムで使用される太陽電池モジュールについては、鳥糞による表面ガラスの汚損または雹による表面ガラスの破損などといった予期できないトラブルが発生する。その結果、太陽電池モジュールの一部が異常発熱するなどの問題が発生する。
【0008】
また、異常な太陽電池モジュールを放置すると、期待した発電量が得られず投資回収が遅れるという問題がある。また、異常発熱で太陽電池モジュールの裏面が焼損するなどといった安全上の問題も発生する可能性がある。したがって、太陽光発電システムでは、太陽電池モジュールの異常を検出し、異常な太陽電池モジュールを特定する必要がある。
【0009】
また、太陽電池モジュールに問題が発生した場合には、その太陽電池モジュールが含まれる太陽電池ストリングの出力電流が低下するため、出力電流を監視することにより問題の発生を検知できる。しかし、例えば1000KW以上の電力を出力する大規模な太陽光発電システムの場合、太陽電池モジュールの増加に比例して、太陽電池ストリングの数が増加する。上記異常を検出するためには、膨大な数の太陽電池ストリングに対して、出力電流を監視しなければならず、運用コストが高くなる。また、出力電流を監視するためには、電流検出器を太陽電池ストリング毎に設置する必要があり、太陽光発電システムの導入に手間がかかる。
【0010】
本発明の課題は、太陽電池モジュールの異常を発見した場合に異常な太陽電池モジュールを容易に特定でき、しかも安価で容易に導入できる太陽光発電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の太陽光発電システムは、各々が光照射により直流電力を発生する太陽電池モジュールを直列に接続して成る複数の太陽電池ストリングと、複数の太陽電池ストリングからの直流電力を入力する接続箱を備え、接続箱は、各々が複数の太陽電池ストリングの内の一部の太陽電池ストリングに流れる電流を正値とし複数の太陽電池ストリングの内の一部の太陽電池ストリングを除く残りの太陽電池ストリングに流れる電流を負値とし正値と負値とを合算した合算電流値を検出する複数の電流検出器と、各電流検出器毎に電流検出器で検出された合算電流値を計測する計測装置と、計測装置で計測された電流値を送信するデータ送信装置とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、太陽電池ストリングの個数より少ない個数の電流検出器によって複数の太陽電池ストリングに流れる電流を合算して検出し、検出した合算電流値の変化状況から、故障または汚れによって正常な電力を出力できない異常な太陽電池モジュールを含む太陽電池ストリングを容易に特定き、しかも安価で容易に導入できる太陽光発電システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例1に係る太陽光発電システムの要部の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例1に係る電流検出器の構成方法の1例を示す図である。
【図3】本発明の実施例2に係る太陽光発電システムの要部の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施例3に係る太陽光発電システムの要部の構成を示す図である。
【図5】本発明の実施例3に係る電流検出器の構成方法の1例を示す図である。
【図6】本発明の実施例3の変形例に係る電流検出器の構成方法の1例を示す図である。
【図7】本発明の実施例4に係る太陽光発電システムの要部の構成を示す図である。
【図8】本発明の実施例5に係る太陽光発電システムの要部の構成を示す図である。
【図9】本発明の実施例5に係る電流検出器の構成方法の1例を示す図である。
【図10】本発明の実施例5の変形例に係る太陽光発電システムの要部の構成を示す図である。
【図11】本発明の実施例5の変形例に係る電流検出器の構成方法の1例を示す図である。
【図12】本発明の実施例6に係る電流検出器および温度検出器の構成方法の1例を示す図である。
【図13】従来の一般的な太陽光発電システムの構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下においては、背景技術の欄で説明した従来の太陽光発電システムと同一または相当する構成部分には背景技術の欄で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の実施例1に係る太陽光発電システムの要部の構成を示す図である。なお、図1は、複数の太陽電池ストリング8および接続箱2のみを示しており、その他の構成部分は、図12を参照して説明した従来の太陽光発電システムの構成部分と同じであるので、説明を省略する。
【0016】
この太陽光発電システムは、太陽電池ストリング8a〜8dが接続箱2に接続されて構成されている。各太陽電池ストリング8a〜8dは、1個または複数個の太陽電池モジュール1が直列に接続されて構成されている。
【0017】
接続箱2は、開閉器F、逆流防止ダイオード13、正電極P、負電極N、電流検出器10a,10b、計測装置11およびデータ送信装置12を備える。各太陽電池ストリング8a〜8dの正極端子(+)は、開閉器F、電流検出器10a、10bおよび逆流防止ダイオード13を経由して正電極Pに接続され、負極端子(−)は、開閉器Fを経由して負電極Nに接続されている。開閉器Fは、太陽光発電ストリング8a〜8dを夫々遮断できるため、点検などの際に作業を安全に遂行できる。逆流防止ダイオード13は、太陽電池ストリング8a〜8dから正電極Pに向かって流れる電流の逆流を阻止する。
【0018】
電流検出器10a、10bは、例えばカレントトランスから構成されている。電流検出器10aは、太陽電池ストリング8a,8bからの配線14a,14bを挿通して正値(+)の電流として検出し、太陽電池ストリング8c,8dからの配線14c,14dを1ターン巻回して負値(−)の電流として検出し正値と負値とを合算した合算電流値を検出する。
【0019】
電流検出器10bは、太陽電池ストリング8a,8cからの配線14a,14cを挿通して正値(+)の電流として検出し、太陽電池ストリング8b,8dからの配線14b,14dを1ターン巻回して負値(−)の電流として検出し正値と負値とを合算した合算電流値を検出する。各電流検出器毎の各太陽電池ストリング8a〜8dからの配線14a〜14dに流れる電流の正値または負値の極性を図2に示す。
【0020】
検出された電流値を表す電流値信号は計測装置11に送られる。計測装置11は、各電流検出器10a,10bから受け取った電流値信号に基づき電流値を計測し、データ送信装置12に送る。データ送信装置12は、計測装置11から受け取った電流値を表す電流データを有線または無線で外部に送信する。
【0021】
次に、上記のように構成される本発明の実施例1に係る太陽光発電システムの動作を説明する。各太陽電池ストリング8a〜8dで発生された電力は、その正極端子(+)から出力されて接続箱2に供給される。接続箱2では、太陽電池ストリング8a〜8dからの電流は、開閉器F、電流検出器10a、10b、逆流防止ダイオード13および正電極Pを経由して接続箱2の外部に出力される。
【0022】
電流検出器10a、10bは、複数の太陽電池ストリング8a〜8dの各々から出力されて図2に示すように合算された電流を検出し、検出された合算電流値を電流値信号として計測装置11に送る。計測装置11は、各電流検出器10a、10bからの電流値信号に基づき電流値を計測してデータ送信装置12へ送り、データ送信装置12は、受け取った電流値を外部に送信する。
【0023】
ここで、太陽電池ストリング8a〜8dの中に出力が低下した太陽電池モジュール1が存在した場合には、その太陽電池モジュール1を含む太陽電池ストリング8a〜8dから出力される電流は、他の太陽電池ストリング8a〜8dから出力される電流より小さくなる。このため、図2の正負の極性に従って、電流検出器10a、10bの合算電流値は変化する。
【0024】
図2では、各太陽電池ストリング8a〜8dの電流が低下した場合に、各電流検出器10a、10bの合算電流の変化方向が一意となるように構成されている。即ち、各電流検出器10a、10bの合算電流は、各太陽電池ストリング8a〜8dの電流が変化しなければ、ほぼゼロである。
【0025】
しかし、太陽電池ストリング8aの電流が低下した場合には、電流検出器10aの合算電流の変化方向は負(−)方向となり、電流検出器10bの合算電流の変化方向は負(−)方向となる。太陽電池ストリング8bの電流が低下した場合には、電流検出器10aの合算電流の変化方向は負(−)方向となり、電流検出器10bの合算電流の変化方向は正(+)方向となる。太陽電池ストリング8cの電流が低下した場合には、電流検出器10aの合算電流の変化方向は正(+)方向となり、電流検出器10bの合算電流の変化方向は負(−)方向となる。太陽電池ストリング8dの電流が低下した場合には、電流検出器10aの合算電流の変化方向は正(+)方向となり、電流検出器10bの合算電流の変化方向は正(+)方向となる。
【0026】
このため、計測装置11は、各電流検出器10a、10bの合算電流の変化方向(正負方向)によって、出力が低下した太陽電池モジュール1が存在する太陽電池ストリング8a〜8dを特定できる。このため、太陽電池モジュール1の交換および保守作業に要する時間および費用を低減できる。また、従来の構成では、本発明と同様の効果を得るために太陽電池ストリング8a〜8d毎に電流検出器10a、10bを設ける必要があった。
【0027】
これに対して、本発明では、電流検出器10の個数に指数関数的に比例する個数の低下した太陽電池モジュール1が存在する太陽電池ストリング8a〜8dを特定できる。このため、設置する電流検出器10の個数を大幅に削減でき、安価な太陽光発電システムを提供できる。
【0028】
また、太陽電池モジュール1の出力の低下を即時に検出することにより、出力が低下した太陽電池モジュール1を即時に交換できるため、太陽電池モジュール1の出力の低下に起因する発電電力量の低下を抑えることができる。また、各太陽電池ストリング8a〜8dに流れる電流値は、データ送信装置12により外部へ送信されるため、遠隔から太陽光発電システムを監視することができる。
【0029】
なお、図1では、太陽電池ストリング8を4個とし、電流検出器10を2個としたが、n個の太陽電池ストリング1を有する太陽光発電システムの場合には、電流検出器10の必要個数はlog2(n-1)を超える整数個となる。この場合、電流検出器10で検出される合算電流値の変化方向の組み合わせはn通り以上となるため、各太陽電池ストリング8の出力低下に対する各電流検出器10における合算電流値の変化方向が一意となるように図2を構成すればよい。
【0030】
さらに、各電流検出器10は、太陽電池ストリング8の電流の定数倍(電流検出倍率)として検出されるように、例えば配線14a〜14dを複数ターン巻回することで、各太陽電池ストリング8に同じ光が当たった場合の合算電流値が0に近くなるように構成しても良い。この場合には、上下限閾値制御などの簡便なアルゴリズムによる検出方法を利用できる。また、定格値の低い電流検出器を利用でき、また、交流電流検出器を利用できる。また、日射計が不必要となるため、より高精度かつ安価なシステムを提供できる。
【0031】
以上説明したように、本発明の実施例1に係る太陽光発電システムによれば、検出した合算電流値の変化状況から、出力の低下した太陽電池モジュール1を含む太陽電池ストリング8を容易に特定でき、しかも導入コストを低減できる。従って、出力が低下する期間を短縮して投資回収を早め、また、遠隔監視が可能となることで保守が容易になり、運用コストを低下できる太陽光発電システムを提供できる。
【実施例2】
【0032】
図3は、本発明の実施例2に係る太陽光発電システムの要部の構成を示す図である。図3に示す実施例2に係る太陽光発電システムは、各電流検出器10,20および配線14a〜14dを筐体17内に収納し、太陽電池ストリング8a〜8dに接続される太陽電池ストリング接続端子18と、接続箱2に接続される接続箱接続端子19と、計測装置11へデータを送信する計測装置接続端子20とを筐体17から露出するようにしたことを特徴とする。
【0033】
実施例2に係る太陽光発電システムによれば、重量が増加するが、筐体17の接続箱2への着脱が簡便となり、汎用性を向上することができる。また、太陽電池ストリング8a〜8dの数が増加した場合にも配線ミスを防ぐことができ、出力の低下した太陽電池モジュール1を含む太陽電池ストリング8a〜8dを精度良く検出できる。
【実施例3】
【0034】
図4は、本発明の実施例3に係る太陽光発電システムの要部の構成を示す図である。図4において、図1と同一構成部分については説明を省略する。
【0035】
電流検出器10bは、各太陽電池ストリング8a〜8dの電流が、図5の極性を正値とし、かつ図5の極性の前に記した数字倍の値(例えば2)として検出されるように、例えば配線14c2,14d2が複数回(例えば2ターン)巻回されて構成されている。
【0036】
このように電流検出器10bを構成すると、任意の2個の太陽電池ストリング8において出力が低下した太陽電池モジュール1a、1bを含む場合においても電流合算値が0とならないため、出力が同じように低下した太陽電池モジュール1a、1bが異なる太陽電池ストリング8に存在した場合においても検出が可能である。
【0037】
図5では、太陽電池ストリング8を4個とし、電流検出器10を2個としたが、太陽電池ストリングがn個の太陽光発電システムの場合には、電流検出器10の必要個数はlog2(n-1)を超える整数個となる。
【0038】
この場合、電流検出器10で検出される合算電流値の変化方向の組み合わせは、n通りとなるため、各太陽電池ストリング8の出力低下に対する各電流検出器10における合算電流値の変化方向が一意となるように図5における正負の極性を構成し、かつ任意のm個の太陽電池ストリング8において同時に出力が低下した太陽電池モジュール1a、1b、…、1mが含まれる場合、電流合算値が0とならないように構成する。
【0039】
このように構成することで、2個以上の異なる太陽電池ストリング8において、同時に出力が低下した太陽電池モジュール1a、1b、…、1mが存在した場合でも、出力が低下した太陽電池モジュール1a、1b、…、1mを含む各太陽電池ストリング8を特定できる。
【0040】
また図6に示すように、極性だけでなく巻き数によっても区別することで、太陽電池ストリング8を8個としても、電流検出器10の必要個数を2個とすることもできる。例えば図6のように2ターンだけでなく、3ターン以上を利用することで、さらに多くの太陽電池ストリング8の出力低下を検出することができる。
【0041】
以上説明したように、本発明の実施例3に係る太陽光発電システムによれば、太陽電池モジュール1a、1b、…、1mにおける出力の低下が異なる太陽電池ストリング8に含まれる場合においても太陽電池ストリング8を特定できるので、同じコストではより精度の良い、また同精度ならばさらにコストの低い太陽光発電システムを提供できる。
【実施例4】
【0042】
図7は、本発明の実施例4に係る太陽光発電システムの要部の構成を示す図である。なお、図7は、複数の太陽電池ストリング8および接続箱2のみを示しており、その他の構成部分は、図13に示す従来の太陽光発電システムの構成部分と同じであるので、その説明を省略する。また、図7において、実施例1乃至3の構成と同一の構成部分は説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0043】
接続箱2は、開閉器F、逆流防止ダイオード13、正電極P、負電極N、電圧検出器21、計測装置11およびデータ送信装置12を備える。各太陽電池ストリング8a〜8dの正極端子(+)は、開閉器F、逆流防止ダイオード13を経由して正電極Pに接続され、負極端子(−)は、開閉器Fを経由して負電極Nに接続されている。開閉器Fは、太陽光発電ストリング8a〜8dを夫々遮断できるため、点検などの際に作業を安全に遂行できる。逆流防止ダイオード13は、太陽電池ストリング8a〜8dから正電極Pに向かって流れる電流の逆流を阻止する。
【0044】
電圧検出器21は、各逆流防止ダイオード13の両端電圧を検出する。検出された電圧値を表す電圧値信号は計測装置11に送られる。計測装置11は、各電圧検出器21から受け取った電圧値信号に基づき電圧値を計測し、データ送信装置12に送る。データ送信装置12は、計測装置11から受け取った電圧値を表すデータを有線または無線で外部に送信する。
【0045】
次に、上記のように構成される本発明の実施例4に係る太陽光発電システムの動作を説明する。各太陽電池ストリング8a〜8dで発生された電力は、その正極端子(+)から出力されて接続箱2に供給される。接続箱2において、太陽電池ストリング8a〜8dからの電流は、開閉器F、逆流防止ダイオード13および正電極Pを経由して接続箱2の外部に出力される。このとき、逆流防止ダイオード13の両端には、太陽電池ストリング8a〜8dの電流値に比例した電圧が発生する。電圧検出器21は、逆流防止ダイオード13の両端電圧を検出し、電圧値信号として計測装置11に送る。
【0046】
ここで、太陽電池ストリング8a〜8dの中に出力が低下した太陽電池モジュール1が存在した場合には、その太陽電池モジュール1を含む太陽電池ストリング8a〜8dから出力される電流は、他の太陽電池ストリング8a〜8dから出力される電流より小さくなる。このとき、出力が低下した太陽電池モジュール1を含む太陽電池ストリング8a〜8dに接続されている逆流防止ダイオード13の両端電圧は、他の太陽電池ストリング8a〜8dに接続されている逆流防止ダイオード13の両端電圧より小さくなる。このため、太陽電池モジュール1の出力の低下を、太陽電池ストリング8a〜8d毎に即時に検出できる。
【0047】
本発明では、電圧検出器21によって従来の太陽光発電システムに含まれる逆流防止ダイオード13の電圧を計測し、出力が低下した太陽電池モジュール1を含む太陽電池ストリング8a〜8dを特定できる。このため、従来のシステムよりも追加する設備が少なくなり、コストを低減でき、しかも容易に導入できる汎用性の高い太陽光発電システムを提供できる。また、電流検出器21よりも安価な電圧検出器を利用することで、さらにコストを低減できる。
【実施例5】
【0048】
図8は、本発明の実施例5に係る太陽光発電システムの要部の構成を示す図である。実施例5のの太陽光発電システムにおける接続箱2は、各太陽電池ストリング8a〜8dの電流の合算値を図2に示した極性を正値として検出する1個または複数個の電流検出器10と、逆流防止ダイオード13の両端電圧を検出する電圧検出器21とを備える。
【0049】
太陽電池ストリング8a〜8dの中に出力が低下した太陽電池モジュール1が存在した場合には、図9に示す正負の極性に従って電流検出器10の合算電流値は変化する。また、出力が低下した太陽電池モジュール1を含む太陽電池ストリング8a〜8dに接続されている逆流防止ダイオード13の両端電圧は低下するため、逆流防止ダイオード13に電圧検出器21がある場合には逆流防止ダイオード13の両端電圧を検出し、逆流防止ダイオード13に電圧検出器21がない場合には逆流防止ダイオード13の両端電圧を検出しない。
【0050】
図8に示す実施例5では、図9に示すように、太陽電池ストリング8a,8bには電圧検出器21が無し、太陽電池ストリング8c,8dには電圧検出器21がある場合を示している。このため、図9に示すように、電流検出器10で検出された合算電流値の変化方向と、電圧検出器21による電圧低下の検出の有無によって、出力が低下した太陽電池モジュール1を含む太陽電池ストリング8a〜8dが一意に定まるように設定されている。このため、太陽電池モジュール1の出力の低下を、太陽電池ストリング8a〜8d毎に即時に検出できる。
【0051】
また、図8および図9の構成に対して、図10および図11の変形例に示すように、電流検出器10が太陽電池ストリング8a,8bからの配線17a,17bに流れる電流を合算して合算電流値を検出するように構成しても、出力が低下した太陽電池モジュール1を含む太陽電池ストリング8a〜8dが一意に定まるように設定される。このため、太陽電池モジュール1の出力の低下を太陽電池ストリング8a〜8d毎に即時に検出できる。
【0052】
このように構成することで、接続箱2に電流検出器10または電圧検出器21を設置する十分なスペースがない場合でも太陽光発電システムを構成できる。また、充分なスペースがある場合には、電流検出器10と電圧検出器21の一方または両方の数を増やすことで、より精度の良い太陽光発電システムを提供できる。
【実施例6】
【0053】
図12に示す実施例6に係る太陽光発電システムは、図8に示す電圧検出器21に代えて、温度検出器22を用いたことを特徴とする。太陽電池ストリング8a〜8dの中に出力が低下した太陽電池モジュール1が存在した場合には、出力が低下した太陽電池モジュール1を含む太陽電池ストリング8a〜8dに接続されている逆流防止ダイオード13の発熱量が減少し、温度が低下する。
【0054】
この逆流防止ダイオード13に温度検出器22がある場合には温度検出器22は、逆流防止13のダイオード温度の低下を検出し、逆流防止ダイオード13に温度検出器22がない場合には逆流防止13のダイオード温度の低下を検出しない。即ち、温度検出器22を用いた場合でも、電圧検出器21を用いたときと同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、太陽電池モジュールの異常を容易に検出できる太陽光発電システムに利用できる。
【符号の説明】
【0056】
1 太陽電池モジュール
2 接続箱
3 インバータ
4 昇圧変圧器
5 交流遮断器
6 連系用変圧器
7 連系用遮断器
8a〜8d 太陽電池ストリング
9 電力系統
10,10a,10b 電流検出器
11 計測装置
12 データ送信装置
13,13a〜13d 逆流防止ダイオード
14 データ受信装置
15 信号処理部
16 データベース
17 筐体
18 太陽電池ストリング接続端子
19 接続箱接続端子
20 計測装置接続端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光を用いて発電を行う太陽光発電システムに関し、特に直流電力を発生する太陽電池モジュールの異常検出を容易に行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電システムは、太陽電池モジュールに光が照射されることによって発生される直流電力をインバータによって交流電力に変換し、電力系統に供給する。図13は、従来の太陽光発電システムの構成を示す図である。この太陽光発電システムは、太陽電池モジュール1、接続箱2、インバータ3、昇圧変圧器4、交流遮断器5、連系用変圧器6および連系用遮断器7を備える。
【0003】
太陽電池モジュール1は、光が照射されることによって直流電力を発生する。この太陽電池モジュール1が複数個直列に接続されて太陽電池ストリング8が構成されている。太陽電池ストリング8は、各太陽電池モジュール1で発生された直流電力を積算し、正極端子(+)と負極端子(−)との間に出力する。太陽光発電システムは、複数の太陽電池ストリング8を備えており、各太陽電池ストリング8の正極端子(+)および負極端子(−)は、接続箱2に接続されている。
【0004】
接続箱2は、複数の太陽電池ストリング8から送られてくる直流電力を集めてインバータ3に送る。インバータ3は、接続箱2から送られてくる直流電力を交流電力に変換して、昇圧変圧器4に送る。昇圧変圧器4は、インバータ3から送られてくる交流電力を所定の電圧を有する交流電力に変換し、交流遮断器5を経由して連系用変圧器6へ送る。連系用変圧器6は、受け取った交流電力を系統電力9との連系に適した電圧に変換し、連系用遮断器7を経由して系統電力9に送る。なお、太陽電池モジュール1に照射される光は、強力であるほど太陽電池モジュール1の出力電流が大きくなり、太陽光発電システムから得られる電力は大きくなる。
【0005】
このような太陽光発電システムに関連する技術として、特許文献1は、太陽光発電システムをユーザ宅に設置した状態で、いつでも太陽電池システムの出力の異常を容易に監視可能なカーブトレース装置を開示している。このカーブトレース装置は、複数の太陽電池モジュールを直列および並列に配列した太陽電池システムと、接続箱と、直流電力を系統側(商用電源)の周波数(50Hz/60Hz)と交流電圧に同期させた交流電力に変換するパワーコンディショナとからなる太陽光発電システムに適用し、太陽光発電システムを実際に設置した状態で、パワーコンディショナに供給される太陽電池システムが正常か異常かを直流電流−直流電圧カーブまたは直流電力−直流電圧カーブを画面に表示して判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−201827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来の太陽光発電システムは屋外に設置されるため、この太陽光発電システムで使用される太陽電池モジュールについては、鳥糞による表面ガラスの汚損または雹による表面ガラスの破損などといった予期できないトラブルが発生する。その結果、太陽電池モジュールの一部が異常発熱するなどの問題が発生する。
【0008】
また、異常な太陽電池モジュールを放置すると、期待した発電量が得られず投資回収が遅れるという問題がある。また、異常発熱で太陽電池モジュールの裏面が焼損するなどといった安全上の問題も発生する可能性がある。したがって、太陽光発電システムでは、太陽電池モジュールの異常を検出し、異常な太陽電池モジュールを特定する必要がある。
【0009】
また、太陽電池モジュールに問題が発生した場合には、その太陽電池モジュールが含まれる太陽電池ストリングの出力電流が低下するため、出力電流を監視することにより問題の発生を検知できる。しかし、例えば1000KW以上の電力を出力する大規模な太陽光発電システムの場合、太陽電池モジュールの増加に比例して、太陽電池ストリングの数が増加する。上記異常を検出するためには、膨大な数の太陽電池ストリングに対して、出力電流を監視しなければならず、運用コストが高くなる。また、出力電流を監視するためには、電流検出器を太陽電池ストリング毎に設置する必要があり、太陽光発電システムの導入に手間がかかる。
【0010】
本発明の課題は、太陽電池モジュールの異常を発見した場合に異常な太陽電池モジュールを容易に特定でき、しかも安価で容易に導入できる太陽光発電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の太陽光発電システムは、各々が光照射により直流電力を発生する太陽電池モジュールを直列に接続して成る複数の太陽電池ストリングと、複数の太陽電池ストリングからの直流電力を入力する接続箱を備え、接続箱は、各々が複数の太陽電池ストリングの内の一部の太陽電池ストリングに流れる電流を正値とし複数の太陽電池ストリングの内の一部の太陽電池ストリングを除く残りの太陽電池ストリングに流れる電流を負値とし正値と負値とを合算した合算電流値を検出する複数の電流検出器と、各電流検出器毎に電流検出器で検出された合算電流値を計測する計測装置と、計測装置で計測された電流値を送信するデータ送信装置とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、太陽電池ストリングの個数より少ない個数の電流検出器によって複数の太陽電池ストリングに流れる電流を合算して検出し、検出した合算電流値の変化状況から、故障または汚れによって正常な電力を出力できない異常な太陽電池モジュールを含む太陽電池ストリングを容易に特定き、しかも安価で容易に導入できる太陽光発電システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例1に係る太陽光発電システムの要部の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例1に係る電流検出器の構成方法の1例を示す図である。
【図3】本発明の実施例2に係る太陽光発電システムの要部の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施例3に係る太陽光発電システムの要部の構成を示す図である。
【図5】本発明の実施例3に係る電流検出器の構成方法の1例を示す図である。
【図6】本発明の実施例3の変形例に係る電流検出器の構成方法の1例を示す図である。
【図7】本発明の実施例4に係る太陽光発電システムの要部の構成を示す図である。
【図8】本発明の実施例5に係る太陽光発電システムの要部の構成を示す図である。
【図9】本発明の実施例5に係る電流検出器の構成方法の1例を示す図である。
【図10】本発明の実施例5の変形例に係る太陽光発電システムの要部の構成を示す図である。
【図11】本発明の実施例5の変形例に係る電流検出器の構成方法の1例を示す図である。
【図12】本発明の実施例6に係る電流検出器および温度検出器の構成方法の1例を示す図である。
【図13】従来の一般的な太陽光発電システムの構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下においては、背景技術の欄で説明した従来の太陽光発電システムと同一または相当する構成部分には背景技術の欄で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の実施例1に係る太陽光発電システムの要部の構成を示す図である。なお、図1は、複数の太陽電池ストリング8および接続箱2のみを示しており、その他の構成部分は、図12を参照して説明した従来の太陽光発電システムの構成部分と同じであるので、説明を省略する。
【0016】
この太陽光発電システムは、太陽電池ストリング8a〜8dが接続箱2に接続されて構成されている。各太陽電池ストリング8a〜8dは、1個または複数個の太陽電池モジュール1が直列に接続されて構成されている。
【0017】
接続箱2は、開閉器F、逆流防止ダイオード13、正電極P、負電極N、電流検出器10a,10b、計測装置11およびデータ送信装置12を備える。各太陽電池ストリング8a〜8dの正極端子(+)は、開閉器F、電流検出器10a、10bおよび逆流防止ダイオード13を経由して正電極Pに接続され、負極端子(−)は、開閉器Fを経由して負電極Nに接続されている。開閉器Fは、太陽光発電ストリング8a〜8dを夫々遮断できるため、点検などの際に作業を安全に遂行できる。逆流防止ダイオード13は、太陽電池ストリング8a〜8dから正電極Pに向かって流れる電流の逆流を阻止する。
【0018】
電流検出器10a、10bは、例えばカレントトランスから構成されている。電流検出器10aは、太陽電池ストリング8a,8bからの配線14a,14bを挿通して正値(+)の電流として検出し、太陽電池ストリング8c,8dからの配線14c,14dを1ターン巻回して負値(−)の電流として検出し正値と負値とを合算した合算電流値を検出する。
【0019】
電流検出器10bは、太陽電池ストリング8a,8cからの配線14a,14cを挿通して正値(+)の電流として検出し、太陽電池ストリング8b,8dからの配線14b,14dを1ターン巻回して負値(−)の電流として検出し正値と負値とを合算した合算電流値を検出する。各電流検出器毎の各太陽電池ストリング8a〜8dからの配線14a〜14dに流れる電流の正値または負値の極性を図2に示す。
【0020】
検出された電流値を表す電流値信号は計測装置11に送られる。計測装置11は、各電流検出器10a,10bから受け取った電流値信号に基づき電流値を計測し、データ送信装置12に送る。データ送信装置12は、計測装置11から受け取った電流値を表す電流データを有線または無線で外部に送信する。
【0021】
次に、上記のように構成される本発明の実施例1に係る太陽光発電システムの動作を説明する。各太陽電池ストリング8a〜8dで発生された電力は、その正極端子(+)から出力されて接続箱2に供給される。接続箱2では、太陽電池ストリング8a〜8dからの電流は、開閉器F、電流検出器10a、10b、逆流防止ダイオード13および正電極Pを経由して接続箱2の外部に出力される。
【0022】
電流検出器10a、10bは、複数の太陽電池ストリング8a〜8dの各々から出力されて図2に示すように合算された電流を検出し、検出された合算電流値を電流値信号として計測装置11に送る。計測装置11は、各電流検出器10a、10bからの電流値信号に基づき電流値を計測してデータ送信装置12へ送り、データ送信装置12は、受け取った電流値を外部に送信する。
【0023】
ここで、太陽電池ストリング8a〜8dの中に出力が低下した太陽電池モジュール1が存在した場合には、その太陽電池モジュール1を含む太陽電池ストリング8a〜8dから出力される電流は、他の太陽電池ストリング8a〜8dから出力される電流より小さくなる。このため、図2の正負の極性に従って、電流検出器10a、10bの合算電流値は変化する。
【0024】
図2では、各太陽電池ストリング8a〜8dの電流が低下した場合に、各電流検出器10a、10bの合算電流の変化方向が一意となるように構成されている。即ち、各電流検出器10a、10bの合算電流は、各太陽電池ストリング8a〜8dの電流が変化しなければ、ほぼゼロである。
【0025】
しかし、太陽電池ストリング8aの電流が低下した場合には、電流検出器10aの合算電流の変化方向は負(−)方向となり、電流検出器10bの合算電流の変化方向は負(−)方向となる。太陽電池ストリング8bの電流が低下した場合には、電流検出器10aの合算電流の変化方向は負(−)方向となり、電流検出器10bの合算電流の変化方向は正(+)方向となる。太陽電池ストリング8cの電流が低下した場合には、電流検出器10aの合算電流の変化方向は正(+)方向となり、電流検出器10bの合算電流の変化方向は負(−)方向となる。太陽電池ストリング8dの電流が低下した場合には、電流検出器10aの合算電流の変化方向は正(+)方向となり、電流検出器10bの合算電流の変化方向は正(+)方向となる。
【0026】
このため、計測装置11は、各電流検出器10a、10bの合算電流の変化方向(正負方向)によって、出力が低下した太陽電池モジュール1が存在する太陽電池ストリング8a〜8dを特定できる。このため、太陽電池モジュール1の交換および保守作業に要する時間および費用を低減できる。また、従来の構成では、本発明と同様の効果を得るために太陽電池ストリング8a〜8d毎に電流検出器10a、10bを設ける必要があった。
【0027】
これに対して、本発明では、電流検出器10の個数に指数関数的に比例する個数の低下した太陽電池モジュール1が存在する太陽電池ストリング8a〜8dを特定できる。このため、設置する電流検出器10の個数を大幅に削減でき、安価な太陽光発電システムを提供できる。
【0028】
また、太陽電池モジュール1の出力の低下を即時に検出することにより、出力が低下した太陽電池モジュール1を即時に交換できるため、太陽電池モジュール1の出力の低下に起因する発電電力量の低下を抑えることができる。また、各太陽電池ストリング8a〜8dに流れる電流値は、データ送信装置12により外部へ送信されるため、遠隔から太陽光発電システムを監視することができる。
【0029】
なお、図1では、太陽電池ストリング8を4個とし、電流検出器10を2個としたが、n個の太陽電池ストリング1を有する太陽光発電システムの場合には、電流検出器10の必要個数はlog2(n-1)を超える整数個となる。この場合、電流検出器10で検出される合算電流値の変化方向の組み合わせはn通り以上となるため、各太陽電池ストリング8の出力低下に対する各電流検出器10における合算電流値の変化方向が一意となるように図2を構成すればよい。
【0030】
さらに、各電流検出器10は、太陽電池ストリング8の電流の定数倍(電流検出倍率)として検出されるように、例えば配線14a〜14dを複数ターン巻回することで、各太陽電池ストリング8に同じ光が当たった場合の合算電流値が0に近くなるように構成しても良い。この場合には、上下限閾値制御などの簡便なアルゴリズムによる検出方法を利用できる。また、定格値の低い電流検出器を利用でき、また、交流電流検出器を利用できる。また、日射計が不必要となるため、より高精度かつ安価なシステムを提供できる。
【0031】
以上説明したように、本発明の実施例1に係る太陽光発電システムによれば、検出した合算電流値の変化状況から、出力の低下した太陽電池モジュール1を含む太陽電池ストリング8を容易に特定でき、しかも導入コストを低減できる。従って、出力が低下する期間を短縮して投資回収を早め、また、遠隔監視が可能となることで保守が容易になり、運用コストを低下できる太陽光発電システムを提供できる。
【実施例2】
【0032】
図3は、本発明の実施例2に係る太陽光発電システムの要部の構成を示す図である。図3に示す実施例2に係る太陽光発電システムは、各電流検出器10,20および配線14a〜14dを筐体17内に収納し、太陽電池ストリング8a〜8dに接続される太陽電池ストリング接続端子18と、接続箱2に接続される接続箱接続端子19と、計測装置11へデータを送信する計測装置接続端子20とを筐体17から露出するようにしたことを特徴とする。
【0033】
実施例2に係る太陽光発電システムによれば、重量が増加するが、筐体17の接続箱2への着脱が簡便となり、汎用性を向上することができる。また、太陽電池ストリング8a〜8dの数が増加した場合にも配線ミスを防ぐことができ、出力の低下した太陽電池モジュール1を含む太陽電池ストリング8a〜8dを精度良く検出できる。
【実施例3】
【0034】
図4は、本発明の実施例3に係る太陽光発電システムの要部の構成を示す図である。図4において、図1と同一構成部分については説明を省略する。
【0035】
電流検出器10bは、各太陽電池ストリング8a〜8dの電流が、図5の極性を正値とし、かつ図5の極性の前に記した数字倍の値(例えば2)として検出されるように、例えば配線14c2,14d2が複数回(例えば2ターン)巻回されて構成されている。
【0036】
このように電流検出器10bを構成すると、任意の2個の太陽電池ストリング8において出力が低下した太陽電池モジュール1a、1bを含む場合においても電流合算値が0とならないため、出力が同じように低下した太陽電池モジュール1a、1bが異なる太陽電池ストリング8に存在した場合においても検出が可能である。
【0037】
図5では、太陽電池ストリング8を4個とし、電流検出器10を2個としたが、太陽電池ストリングがn個の太陽光発電システムの場合には、電流検出器10の必要個数はlog2(n-1)を超える整数個となる。
【0038】
この場合、電流検出器10で検出される合算電流値の変化方向の組み合わせは、n通りとなるため、各太陽電池ストリング8の出力低下に対する各電流検出器10における合算電流値の変化方向が一意となるように図5における正負の極性を構成し、かつ任意のm個の太陽電池ストリング8において同時に出力が低下した太陽電池モジュール1a、1b、…、1mが含まれる場合、電流合算値が0とならないように構成する。
【0039】
このように構成することで、2個以上の異なる太陽電池ストリング8において、同時に出力が低下した太陽電池モジュール1a、1b、…、1mが存在した場合でも、出力が低下した太陽電池モジュール1a、1b、…、1mを含む各太陽電池ストリング8を特定できる。
【0040】
また図6に示すように、極性だけでなく巻き数によっても区別することで、太陽電池ストリング8を8個としても、電流検出器10の必要個数を2個とすることもできる。例えば図6のように2ターンだけでなく、3ターン以上を利用することで、さらに多くの太陽電池ストリング8の出力低下を検出することができる。
【0041】
以上説明したように、本発明の実施例3に係る太陽光発電システムによれば、太陽電池モジュール1a、1b、…、1mにおける出力の低下が異なる太陽電池ストリング8に含まれる場合においても太陽電池ストリング8を特定できるので、同じコストではより精度の良い、また同精度ならばさらにコストの低い太陽光発電システムを提供できる。
【実施例4】
【0042】
図7は、本発明の実施例4に係る太陽光発電システムの要部の構成を示す図である。なお、図7は、複数の太陽電池ストリング8および接続箱2のみを示しており、その他の構成部分は、図13に示す従来の太陽光発電システムの構成部分と同じであるので、その説明を省略する。また、図7において、実施例1乃至3の構成と同一の構成部分は説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0043】
接続箱2は、開閉器F、逆流防止ダイオード13、正電極P、負電極N、電圧検出器21、計測装置11およびデータ送信装置12を備える。各太陽電池ストリング8a〜8dの正極端子(+)は、開閉器F、逆流防止ダイオード13を経由して正電極Pに接続され、負極端子(−)は、開閉器Fを経由して負電極Nに接続されている。開閉器Fは、太陽光発電ストリング8a〜8dを夫々遮断できるため、点検などの際に作業を安全に遂行できる。逆流防止ダイオード13は、太陽電池ストリング8a〜8dから正電極Pに向かって流れる電流の逆流を阻止する。
【0044】
電圧検出器21は、各逆流防止ダイオード13の両端電圧を検出する。検出された電圧値を表す電圧値信号は計測装置11に送られる。計測装置11は、各電圧検出器21から受け取った電圧値信号に基づき電圧値を計測し、データ送信装置12に送る。データ送信装置12は、計測装置11から受け取った電圧値を表すデータを有線または無線で外部に送信する。
【0045】
次に、上記のように構成される本発明の実施例4に係る太陽光発電システムの動作を説明する。各太陽電池ストリング8a〜8dで発生された電力は、その正極端子(+)から出力されて接続箱2に供給される。接続箱2において、太陽電池ストリング8a〜8dからの電流は、開閉器F、逆流防止ダイオード13および正電極Pを経由して接続箱2の外部に出力される。このとき、逆流防止ダイオード13の両端には、太陽電池ストリング8a〜8dの電流値に比例した電圧が発生する。電圧検出器21は、逆流防止ダイオード13の両端電圧を検出し、電圧値信号として計測装置11に送る。
【0046】
ここで、太陽電池ストリング8a〜8dの中に出力が低下した太陽電池モジュール1が存在した場合には、その太陽電池モジュール1を含む太陽電池ストリング8a〜8dから出力される電流は、他の太陽電池ストリング8a〜8dから出力される電流より小さくなる。このとき、出力が低下した太陽電池モジュール1を含む太陽電池ストリング8a〜8dに接続されている逆流防止ダイオード13の両端電圧は、他の太陽電池ストリング8a〜8dに接続されている逆流防止ダイオード13の両端電圧より小さくなる。このため、太陽電池モジュール1の出力の低下を、太陽電池ストリング8a〜8d毎に即時に検出できる。
【0047】
本発明では、電圧検出器21によって従来の太陽光発電システムに含まれる逆流防止ダイオード13の電圧を計測し、出力が低下した太陽電池モジュール1を含む太陽電池ストリング8a〜8dを特定できる。このため、従来のシステムよりも追加する設備が少なくなり、コストを低減でき、しかも容易に導入できる汎用性の高い太陽光発電システムを提供できる。また、電流検出器21よりも安価な電圧検出器を利用することで、さらにコストを低減できる。
【実施例5】
【0048】
図8は、本発明の実施例5に係る太陽光発電システムの要部の構成を示す図である。実施例5のの太陽光発電システムにおける接続箱2は、各太陽電池ストリング8a〜8dの電流の合算値を図2に示した極性を正値として検出する1個または複数個の電流検出器10と、逆流防止ダイオード13の両端電圧を検出する電圧検出器21とを備える。
【0049】
太陽電池ストリング8a〜8dの中に出力が低下した太陽電池モジュール1が存在した場合には、図9に示す正負の極性に従って電流検出器10の合算電流値は変化する。また、出力が低下した太陽電池モジュール1を含む太陽電池ストリング8a〜8dに接続されている逆流防止ダイオード13の両端電圧は低下するため、逆流防止ダイオード13に電圧検出器21がある場合には逆流防止ダイオード13の両端電圧を検出し、逆流防止ダイオード13に電圧検出器21がない場合には逆流防止ダイオード13の両端電圧を検出しない。
【0050】
図8に示す実施例5では、図9に示すように、太陽電池ストリング8a,8bには電圧検出器21が無し、太陽電池ストリング8c,8dには電圧検出器21がある場合を示している。このため、図9に示すように、電流検出器10で検出された合算電流値の変化方向と、電圧検出器21による電圧低下の検出の有無によって、出力が低下した太陽電池モジュール1を含む太陽電池ストリング8a〜8dが一意に定まるように設定されている。このため、太陽電池モジュール1の出力の低下を、太陽電池ストリング8a〜8d毎に即時に検出できる。
【0051】
また、図8および図9の構成に対して、図10および図11の変形例に示すように、電流検出器10が太陽電池ストリング8a,8bからの配線17a,17bに流れる電流を合算して合算電流値を検出するように構成しても、出力が低下した太陽電池モジュール1を含む太陽電池ストリング8a〜8dが一意に定まるように設定される。このため、太陽電池モジュール1の出力の低下を太陽電池ストリング8a〜8d毎に即時に検出できる。
【0052】
このように構成することで、接続箱2に電流検出器10または電圧検出器21を設置する十分なスペースがない場合でも太陽光発電システムを構成できる。また、充分なスペースがある場合には、電流検出器10と電圧検出器21の一方または両方の数を増やすことで、より精度の良い太陽光発電システムを提供できる。
【実施例6】
【0053】
図12に示す実施例6に係る太陽光発電システムは、図8に示す電圧検出器21に代えて、温度検出器22を用いたことを特徴とする。太陽電池ストリング8a〜8dの中に出力が低下した太陽電池モジュール1が存在した場合には、出力が低下した太陽電池モジュール1を含む太陽電池ストリング8a〜8dに接続されている逆流防止ダイオード13の発熱量が減少し、温度が低下する。
【0054】
この逆流防止ダイオード13に温度検出器22がある場合には温度検出器22は、逆流防止13のダイオード温度の低下を検出し、逆流防止ダイオード13に温度検出器22がない場合には逆流防止13のダイオード温度の低下を検出しない。即ち、温度検出器22を用いた場合でも、電圧検出器21を用いたときと同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、太陽電池モジュールの異常を容易に検出できる太陽光発電システムに利用できる。
【符号の説明】
【0056】
1 太陽電池モジュール
2 接続箱
3 インバータ
4 昇圧変圧器
5 交流遮断器
6 連系用変圧器
7 連系用遮断器
8a〜8d 太陽電池ストリング
9 電力系統
10,10a,10b 電流検出器
11 計測装置
12 データ送信装置
13,13a〜13d 逆流防止ダイオード
14 データ受信装置
15 信号処理部
16 データベース
17 筐体
18 太陽電池ストリング接続端子
19 接続箱接続端子
20 計測装置接続端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が光照射により直流電力を発生する太陽電池モジュールを直列に接続して成る複数の太陽電池ストリングと、
前記複数の太陽電池ストリングからの直流電力を入力する接続箱とを備え、
前記接続箱は、
各々が前記複数の太陽電池ストリングの内の一部の太陽電池ストリングに流れる電流を正値とし前記複数の太陽電池ストリングの内の一部の太陽電池ストリングを除く残りの太陽電池ストリングに流れる電流を負値とし正値と負値とを合算した合算電流値を検出する複数の電流検出器と、
各電流検出器毎に前記電流検出器で検出された合算電流値を計測する計測装置と、
前記計測装置で計測された電流値を送信するデータ送信装置と、
を備えることを特徴とする太陽光発電システム。
【請求項2】
前記計測装置は、前記各電流検出器で検出された合算電流値の変化方向によって、出力が低下した前記太陽電池モジュールが存在する前記太陽電池ストリングを特定することを特徴とする請求項1記載の太陽光発電システム。
【請求項3】
前記複数の電流検出器の各々は、検出された合算電流値が零に近くなるように、前記複数の太陽電池ストリングの電流検出倍率を調整したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の太陽光発電システム。
【請求項4】
前記電流検出器および配線を筐体内に収納し、
前記太陽電池ストリングに接続される太陽電池ストリング接続端子と、
前記接続箱に接続される接続箱接続端子と、
前記計測装置へデータを送信する計測装置接続端子と、
を前記筐体から露出したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の太陽光発電システム。
【請求項5】
各々が光照射により直流電力を発生する太陽電池モジュールを直列に接続して成る複数の太陽電池ストリングと、
前記複数の太陽電池ストリングからの直流電力を入力する接続箱とを備え、
前記接続箱は、
前記太陽電池ストリングから発生する電流の逆流を防ぐ逆流防止ダイオードと、
前記逆流防止ダイオードの両端電圧を検出する電圧検出器と、
前記電圧検出器で検出された電圧を計測する計測装置と、
前記計測装置で計測された電圧値を送信するデータ送信装置と、
を備えることを特徴とする太陽光発電システム。
【請求項6】
各々が光照射により直流電力を発生する太陽電池モジュールが直列に接続されて成る複数の太陽電池ストリングと、
前記複数の太陽電池ストリングからの直流電力を入力する接続箱とを備え、
前記接続箱は、
前記太陽電池ストリングから発生する電流の逆流を防ぐ逆流防止ダイオードと、
前記逆流防止ダイオードの温度を検出する温度検出器と、
前記温度検出器で検出された温度を計測する計測装置と、
前記計測装置で計測された温度値を送信するデータ送信装置と、
を備えることを特徴とする太陽光発電システム。
【請求項1】
各々が光照射により直流電力を発生する太陽電池モジュールを直列に接続して成る複数の太陽電池ストリングと、
前記複数の太陽電池ストリングからの直流電力を入力する接続箱とを備え、
前記接続箱は、
各々が前記複数の太陽電池ストリングの内の一部の太陽電池ストリングに流れる電流を正値とし前記複数の太陽電池ストリングの内の一部の太陽電池ストリングを除く残りの太陽電池ストリングに流れる電流を負値とし正値と負値とを合算した合算電流値を検出する複数の電流検出器と、
各電流検出器毎に前記電流検出器で検出された合算電流値を計測する計測装置と、
前記計測装置で計測された電流値を送信するデータ送信装置と、
を備えることを特徴とする太陽光発電システム。
【請求項2】
前記計測装置は、前記各電流検出器で検出された合算電流値の変化方向によって、出力が低下した前記太陽電池モジュールが存在する前記太陽電池ストリングを特定することを特徴とする請求項1記載の太陽光発電システム。
【請求項3】
前記複数の電流検出器の各々は、検出された合算電流値が零に近くなるように、前記複数の太陽電池ストリングの電流検出倍率を調整したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の太陽光発電システム。
【請求項4】
前記電流検出器および配線を筐体内に収納し、
前記太陽電池ストリングに接続される太陽電池ストリング接続端子と、
前記接続箱に接続される接続箱接続端子と、
前記計測装置へデータを送信する計測装置接続端子と、
を前記筐体から露出したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の太陽光発電システム。
【請求項5】
各々が光照射により直流電力を発生する太陽電池モジュールを直列に接続して成る複数の太陽電池ストリングと、
前記複数の太陽電池ストリングからの直流電力を入力する接続箱とを備え、
前記接続箱は、
前記太陽電池ストリングから発生する電流の逆流を防ぐ逆流防止ダイオードと、
前記逆流防止ダイオードの両端電圧を検出する電圧検出器と、
前記電圧検出器で検出された電圧を計測する計測装置と、
前記計測装置で計測された電圧値を送信するデータ送信装置と、
を備えることを特徴とする太陽光発電システム。
【請求項6】
各々が光照射により直流電力を発生する太陽電池モジュールが直列に接続されて成る複数の太陽電池ストリングと、
前記複数の太陽電池ストリングからの直流電力を入力する接続箱とを備え、
前記接続箱は、
前記太陽電池ストリングから発生する電流の逆流を防ぐ逆流防止ダイオードと、
前記逆流防止ダイオードの温度を検出する温度検出器と、
前記温度検出器で検出された温度を計測する計測装置と、
前記計測装置で計測された温度値を送信するデータ送信装置と、
を備えることを特徴とする太陽光発電システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−187807(P2011−187807A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53061(P2010−53061)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000221096)東芝システムテクノロジー株式会社 (117)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000221096)東芝システムテクノロジー株式会社 (117)
【Fターム(参考)】
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