説明

実装構造体および電子機器

【課題】部品実装の放熱上の制約を大幅に軽減できる封止用樹脂層を備えた実装構造体を提供する。
【解決手段】概ね板状の電子部品1の電極13が、回路基板2の実装面に形成された電極21に接合されることで実装構造体100aが構成され、かつ電子部品1の一方の主面と回路基板2の間、および電子部品1の他方の主面上の少なくとも一方に絶縁性樹脂層5が形成されている。絶縁性樹脂層5は、接着強度および熱伝導率の異なる複数の層(5A、5B)で構成され、電子部品1および回路基板2のいずれかに接する部分には、相対的に接着強度が高い層5Aが配置され、電子部品1および回路基板2のいずれとも接しない部分には、相対的に熱伝導率が高い層5Bが配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱硬化性樹脂組成物を封止材料として用いた実装構造体、およびその実装構造体を内蔵した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化、高性能化および動作速度の高速化を実現するために、半導体素子等の電子部品の高密度実装化が要求され、その要求に応える形で、ベアICを含む半導体チップを回路基板に直接搭載した実装構造体が開発されている。
【0003】
図6(a)に、半導体チップが回路基板に実装された従来の実装構造体の断面を示す。実装構造体200は半導体チップ1と回路基板2で構成されている。半導体チップ1は、ベアIC11と、このベアIC11を載置するインターポーザ基板12とで構成され、更にインターポーザ基板12の回路基板2と対向する面に、はんだボール(電極)13が形成されている。半導体チップ1は、はんだボール13と回路基板2の実装面に形成されたランド(電極)21がはんだ3で接合されることにより、回路基板2上に実装される。
【0004】
このような従来の実装構造体において、リフローはんだ付け方法等より半導体素子を回路基板に固定した後に、半田付け部分を樹脂により封止すること(以降、「樹脂封止」という)が一般に行われている。この樹脂封止は、実装された電子部品の信頼性を確保するため、すなわちヒートサイクルが加わったり、落下等により半導体素子に衝撃が加わったりした際に、半導体素子と回路基板との間で接触不良が発生するのを防止するために行われる。
【0005】
具体的に説明すると、図6(a)に示すように、はんだ3により相互に電極が接合された半導体チップ1と回路基板2との間に、熱硬化性樹脂組成物を主成分とする絶縁性樹脂層4が形成されている。絶縁性樹脂層4によって半導体チップ1を回路基板2に密着させることにより、外部から熱的もしくは機械的応力が加わった時に、接合部ではがれやクラックが発生するのを防止できる。
【0006】
ところで、実装構造体に搭載される半導体素子は、電子機器の高機能化や動作速度の高速化に伴って消費電力が増加する傾向にある。このため、高密度実装の要求と同時に高放熱実装、すなわち高い放熱性を実現できる電子部品実装に関する要求が高まってきている。
【0007】
電子部品実装の放熱問題を解決するため、従来は、放熱性が要求される半導体素子や電子部品に放熱板を取り付けたり、実装構造体の構造に工夫を施したりすることにより、放熱量を増加させていた(特許文献1、2、3参照)。しかし、放熱板を取り付けたり構造に工夫を加えたりした場合、実装構造体の容積が増えるため、それを内蔵した電子機器のサイズが大きくなり、小型化の要求に反することになる。
【特許文献1】特開平4−155853号公報
【特許文献2】特開平4−12556号公報
【特許文献3】特開平6−232294号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
電子部品実装の放熱問題を解決する手段として、前述した封止用の絶縁性樹脂層を活用することが考えられる。半導体素子や電子部品で発生した熱を、絶縁性樹脂層を通して電子機器の筐体または外気中に発散させることにより、実装構造体の容積を増やすことなく放熱問題を解決できる。
【0009】
封止用の絶縁性樹脂層は、放熱性やクラック防止の観点から改良がなされている。図6(b)に、図6(a)の実装構造体200をb−b線に沿って切断した断面の一部を示す。絶縁性樹脂層4は熱硬化性樹脂組成物40を主成分とし、それにフィラー41が混入されている。フィラー41を混入することにより各種特性、特に熱伝導率や接着強度の改善を図っている。なお図6(b)は、フィラー41の混入状態を分かりやすく説明するため、フィラー41の形状を誇張し、かつ模式的に表示している。
【0010】
このように、封止用の絶縁性樹脂層の特性に改良が加えられ、熱伝導率も向上してきている。しかし現状では、電子部品実装の放熱問題を解決できる程の放熱性を実現するには至っていない。
【0011】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、封止用の絶縁性樹脂層に要求される接着強度と放熱性の条件を共に満足できる実装構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明にかかる実装構造体は、
一方の主面に複数の電極が形成された、概ね板状の電子部品と、実装面に複数の電極(が形成された回路基板とを備え、前記電子部品の複数の電極が前記回路基板の複数の電極にそれぞれ接合された実装構造体であって、
前記電子部品の一方の主面と前記回路基板との間、および前記電子部品の他方の主面上の少なくとも一方に、接着強度および熱伝導率の異なる複数の層で構成された第1の絶縁性樹脂層が形成され、かつ
前記電子部品および前記回路基板のいずれかと接する部分には、相対的に接着強度が高い層が配置され、
前記電子部品および前記回路基板のいずれとも接しない部分には、相対的に熱伝導率が高い層が配置されることを特徴とする。
【0013】
ここで、前記第1の絶縁性樹脂層は2つの層で構成され、
前記電子部品および前記回路基板のいずれかと接する部分には、相対的に接着強度が高い第1層が配置され、
前記電子部品および前記回路基板のいずれとも接しない部分には、相対的に熱伝導率が高い第2層が配置されることが好ましい。
【0014】
前記第1層は、熱硬化性樹脂を主成分とし、これに球状のフィラーが混入されていることが好ましい。また前記第2層は、熱硬化性樹脂を主成分とし、これに少なくともリン片状のフィラーが混入されていることが好ましい。
【0015】
なお、前記第1の絶縁性樹脂層は、前記電子部品の一方の主面と前記回路基板との間に形成され、かつ第2の絶縁性樹脂層が、前記第1の絶縁性樹脂層を囲むように形成され、この第2の絶縁性樹脂層は、熱硬化性樹脂を主成分とし、これに球状のフィラーが混入されていてもよい。
【0016】
また前記第1の絶縁性樹脂層は、前記電子部品の他方の主面上に形成され、かつ前記電子部品の一方の主面と前記回路基板との間に第3の絶縁性樹脂層が形成され、この第3の絶縁性樹脂層は、熱硬化性樹脂を主成分とし、これに球状のフィラーが混入されていてもよい。
【0017】
前記電子部品の表面は、前記回路基板との接合部および前記第3の絶縁性樹脂層と接する部分を除いて、前記第1の絶縁性樹脂層で覆われていてもよい。
【0018】
前記第1の絶縁性樹脂層を構成する複数の層は、前記電子部品または前記回路基板と接する層の熱伝導率が一番高く、前記電子部品または前記回路基板から離れるに従って熱伝導率が低下するように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実装構造体によれば、封止用の絶縁性樹脂層に要求される接着強度と放熱性の条件を共に充足するために、電子機器の小型化にともなう放熱上の制約を大幅に軽減できる。結果として、電子機器の小型化、高機能化および高速化に対応可能な実装構造体を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(実施の形態1)
図1(a)に本発明の実施の形態1にかかる実装構造体の断面を示す。本実施の形態にかかる実装構造体100aは、半導体チップ1と回路基板2で構成されている。半導体チップ1は従来の実装構造体200と同様に、ベアIC11およびインターポーザ基板12で構成され、更にインターポーザ基板12のベアIC11と対向する面に、端子電極であるはんだボール13が形成されている。半導体チップ1は、はんだボール13と回路基板2のランド(電極)21がはんだ3で接合されることにより、回路基板2上に実装される。
【0021】
図1(a)に示すように、はんだ3により接合された半導体チップ1(具体的にはインターポーザ基板12)と回路基板2との隙間には、熱硬化性樹脂組成物を主成分とする絶縁性樹脂層5が充填されている。絶縁性樹脂層5を設ける目的は従来の実装構造体と同様であり、半導体チップ1を回路基板2に密着させることにより、外部から熱的もしくは機械的応力が加わった時に、接合部ではがれやクラックが発生するのを防止している。
【0022】
図1(b)に、図1(a)の実装構造体100aをb−b線に沿って切断した断面の一部を示す。従来の実装構造体200(図6参照)では、絶縁性樹脂層4は、熱硬化性樹脂組成物40にフィラー41が混入された一層の組成物であった。これに対し本実施の形態にかかる実装構造体100aでは、絶縁性樹脂層5は、混入されるフィラーの組成が異なる第1層5Aと第2層5Bで構成されている。なお図1(b)は、フィラーの混入状態を分かりやすく説明するため、フィラーの形状を誇張して模式的に表示している。
【0023】
図1(b)に示すように、絶縁性樹脂層5のうち半導体チップ1(具体的にはインターポーザ基板12)または回路基板2と接する箇所には、第1層5Aが配置されている。第1層5Aは、熱硬化性樹脂組成物50に球状のフィラー51が混入されている。一方、絶縁性樹脂層5のうち半導体チップ1および回路基板2と接しない箇所には、第2層5Bが配置されている。第2層5Bは、熱硬化性樹脂組成物50に球状フィラー51とリン片状のフィラー52が混入されている。
【0024】
このように絶縁性樹脂層5を、混入されるフィラーの形状が異なる2種類の層(5Aおよび5B、構造的には3層構造)で構成するのは、要求される接着強度と放熱性の条件を共に満足させるためである。なお、図1(b)では、フィラーの組成の違いを強調するため、第2層5Bには、リン片状のフィラー52のみを表示しているが、実際には球状フィラー51も含まれている。
【0025】
第1層5Aと第2層5Bの組成と役割の違いについて以下に説明する。半導体チップ1や回路基板2との界面に配置された第1層5Aは球状フィラー51を含み、界面を含まない第2層5Bは主に非球状フィラー52を含んでいる。これは、界面に配置された層では、界面での樹脂組成物の接触面積を大きくし、逆に界面を含まない層ではフィラー間の接触面積を大きくするためである。
【0026】
第1層5Aは球状のフィラー51を含ませることにより、半導体チップ1(具体的にはインターポーザ基板12)や回路基板2との界面での樹脂組成物50の接触面積を大きくして、接着強度を高めている。樹脂組成物50に球状のフィラー51を含有させれば、フィラー含有量が同一の場合に、その他の形状のフィラーを含有させるよりも半導体チップ1や回路基板2との接触面積を大きくすることができる。第1層5Aのフィラー含有率は60wt%〜90wt%が好適である。フィラー含有率が60wt%よりも少ないと熱伝達が不足し、放熱性が低下する。一方、フィラー含有率が90wt%を超えると、接着強度が不足する。
【0027】
これに対し、半導体チップ1や回路基板2との界面を含まない第2層5Bは、球状フィラー51と非球状フィラー(例えばリン片状フィラー)52を含んでいる。第2層5Bに非球状フィラー(例えばリン片状フィラー)52を含ませると、球状フィラーに比べてフィラー間の接触面積が大きくなり、放熱性を高めることができる。第2層5Bにおいて、フィラー全体に対する非球状フィラー52の含有量は10wt%以上が好適である。非球状フィラーの含有量が10wt%よりも小さいと、非球状フィラーを含有させる効果がほとんどない。
【0028】
本実施の形態にかかる実装構造体100aは、半導体チップ1から発生する熱を、回路基板2側から電子機器の筐体に放熱させる場合に有効である。すなわち、図1(a)に示すように、実装構造体100aを矢印方向に移動させ、回路基板2を、カーボンシート7を介して電子機器の金属性筐体6に当接させると、半導体チップ1で発生した熱は、第1層5A、第2層5B、第1層5A、回路基板2およびカーボンシート7を伝わって筐体6に達し、電子機器の外部に発散される。なお、カーボンシート7の代わりに高熱伝導性接着剤で回路基板2と筐体6を接着しても同様の効果が得られる。
【0029】
次に、実装構造体100aの製造方法について簡単に説明する。まず半導体チップ1と回路基板2を用意する。次に半導体チップ1の電極13が形成された面、および回路基板2のランド(電極)21が形成された面のそれぞれに、球状のフィラー51を含む未硬化の樹脂組成物50を塗布する。樹脂組成物50が乾いた後、その表面を磨いて半導体チップ1のはんだボール(電極)13と回路基板2のランド21を露出させる。
【0030】
次に、回路基板2のランド21上にはんだペーストを塗布し、更にその上に半導体チップ1を載せて仮固定する。その後、半導体チップ1が仮固定された回路基板2を、リフロー炉を通して加熱し、はんだ3を溶融させて半導体チップ1を回路基板2に固定する。
【0031】
上記の工程で回路基板2に固定された半導体チップ1のインターポーザ基板12と回路基板2との隙間に、主にリン片状のフィラー52を含む未硬化の樹脂組成物50を、毛細管現象を利用して充填する。最後に、加熱により樹脂組成物50を硬化させて実装構造体100aを完成する。
【0032】
図2に示す実装構造体100bは、本実施の形態にかかる実装構造体100aの変形例である。図2(a)には実装構造体100bの断面を示し、図2(b)には絶縁性樹脂層5の周辺部に形成された絶縁性樹脂層8の断面を示す。図2(b)は、図1(b)と同様に、フィラーの混入状態を分かりやすく説明するため、フィラーの形状を誇張して模式的に表示している。なお、図中、図1の実装構造体と同一機能を有する部分には同一符号を付して説明を省略する。以後の説明においても同様とする。
【0033】
実装構造体100bでは、図1(a)に示す実装構造体100aの絶縁性樹脂層5の周辺部に樹脂層8が形成されている。樹脂層8は、前述した樹脂組成物50に球状フィラー51が混入されている。樹脂組成物50の混入物が球状フィラー51であるため、樹脂層8は、主に接着強度の向上に貢献する。
【0034】
図1(a)に示す実装構造体100aにおいて、絶縁性樹脂層5を層構成とした結果として接着強度が低下した場合に、樹脂層8は、その補強のために設けられる。樹脂層8は、前述の第1層5Aおよび第2層5Bを生成した後、その周辺に、球形フィラー51を含む樹脂組成物50をディスペンサで塗布することで形成できる。
【0035】
(実施の形態2)
図3(a)に本発明の実施の形態2にかかる実装構造体100cの断面を示す。また図3(b)に、図3(a)の実装構造体100cをb−b線に沿って切断した断面の一部を示す。図3(b)は、図1(b)と同様に、フィラーの混入状態を分かりやすく説明するため、フィラーの形状を誇張して模式的に表示している。
【0036】
実施の形態1の実装構造体100aでは、組成の異なる2種類の層(構造的には3層構造)で構成された絶縁性樹脂層5を、半導体チップ1と回路基板2との間の隙間に形成したが、本実施の形態にかかる実装構造体100cでは、この絶縁性樹脂層5を半導体チップ1の天面に形成している。なお、半導体チップ1と回路基板2との間の隙間には、絶縁性樹脂層9が充填されている。絶縁性樹脂層9は、上述した熱硬化性樹脂組成物50に球状フィラー51を混入したもので、従来の絶縁性樹脂層4(図6参照)と同様の役割を果たす。
【0037】
本実施の形態にかかる実装構造体100cは、半導体チップ1から発生する熱を、半導体チップ1の天面側から電子機器の筐体に放熱させる場合に有効である。すなわち、図3(a)に示すように、実装構造体100cを矢印方向に移動させ、半導体チップ1の上面に形成された絶縁性樹脂層5を、カーボンシート7を介して電子機器の金属性筐体6(に当接させる。半導体チップ1で発生した熱は、絶縁性樹脂層5の第1層5A、第2層5Bおよびカーボンシート7を伝わって筐体6に達し、筐体6の表面から発散する。
【0038】
図3(b)に示すように、半導体チップ1(具体的にはベアIC11)との界面には、球状フィラー51を含む第1層5Aが形成されており、接着強度に優れているため、半導体チップ1の発熱に伴い熱応力が加わった場合に、接合部ではがれやクラックが発生するのを防止できる。またカーボンシート7と接する部分には、主としてリン片状フィラー52を含む第2層5Bが設けられており、この層は放熱性に優れているため、半導体チップ1で発生した熱を、効率よく筐体6に伝えることができる。
【0039】
絶縁性樹脂層5を形成する際には、まず回路基板2に接合された半導体チップ1の上面に、球状のフィラー51を混入した未硬化の樹脂組成物50を塗布する。樹脂組成物50が乾いた後、その上に主としてリン片状のフィラー52を混入した未硬化の樹脂組成物50を塗布する。最後に、加熱により樹脂組成物50を硬化させる。なお絶縁性樹脂層9は、従来と同様の方法で形成する。すなわち、はんだリフローにより半導体チップ1を回路基板2に接合した後、フィラー51を含む未硬化の樹脂組成物50を、毛細管現象を利用して隙間に充填し、その後加熱する。
【0040】
なお、本実施の形態では絶縁性樹脂層5を2層構造(5A、5B)としたが、これに限定されない。絶縁性樹脂層5を三層以上の層で構成し、樹脂組成物50に混入するフィラーの形状と量を、界面からの距離に応じて変えてもよい。このように構成することで、半導体チップ1の天面から上方向へ向かって熱伝導率の大きさが傾斜して変化し、半導体チップ1で発生した熱を筐体6まで効率的に伝送できる。
【0041】
また本実施の形態では、半導体チップ1と回路基板2との間に、粒状フィラー51を含む絶縁性樹脂層9を形成したが、この絶縁性樹脂層9を実施の形態1の絶縁性樹脂層5で置き換えてもよい。このような構成とすることで、実装構造体の放熱性をさらに改善できる。
【0042】
(実施の形態3)
図4(a)に本発明の実施の形態3にかかる実装構造体100dの断面を示す。また図4(b)には、図4(a)の実装構造体100dをb−b線に沿って切断した断面の一部を示し、図4(c)には、図4(a)の実装構造体100dをc−c線に沿って切断した断面の一部を示す。なお図4(b)、(c)は、図1(b)と同様に、フィラーの混入状態を分かりやすく説明するため、フィラーの形状を誇張して模式的に表示している。
【0043】
実施の形態2にかかる実装構造体100cでは、組成と役割の異なる二つの層で構成された絶縁性樹脂層5を半導体チップ1の天面に形成している。これに対し、本実施の形態にかかる実装構造体100dでは、絶縁性樹脂層9と接する部分および回路基板2との接合部を除き、絶縁性樹脂層5で半導体チップ1の表面が覆われている。
【0044】
すなわち、図4(a)に示すように、半導体チップ1および回路基板2との界面には第1層5Aを形成し、半導体チップ1および回路基板2と接しない部分には第2層5Bを形成している。なお、半導体チップ1と回路基板2との間の隙間には、実施の形態2と同様に絶縁性樹脂層9が充填されている。
【0045】
実施の形態2と同様に、本実施の形態にかかる実装構造体100dは、半導体チップ1から発生する熱を、半導体チップ1の天面側から電子機器の筐体に放熱させる場合に有効である。すなわち、図4(a)に示すように、実装構造体100dを矢印方向に移動させ、半導体チップ1の上面に形成された絶縁性樹脂層5を、カーボンシート7を介して電子機器の金属性筐体6に接触させる。半導体チップ1で発生した熱は、絶縁性樹脂層5の第1層5A、第2層5Bおよびカーボンシート7を伝わって筐体6に達し、筐体6の表面から発散する。
【0046】
図4(b)、(c)に示すように、半導体チップ1および回路基板2との界面には球状フィラー51を含む第1層5Aが形成されている。この第1層5Aは接着強度に優れているため、熱的応力や機械的応力が加わっても、接合部ではがれやクラックが発生するのを防止できる。一方、カーボンシート7と接する側には主としてリン片状フィラー52を含む第2層5Bが形成されている。この第2層5Bは放熱性に優れているため、半導体チップ1で発生した熱を、効率よく筐体6に伝えることができる。
【0047】
次に、図5(a)〜(c)を参照して本実施の形態にかかる実装構造体100dの製造工程について説明する。最初に、回路基板2の実装面に半導体チップ1が半田付けされ、かつ回路基板2と半導体チップ1との間の隙間に絶縁性樹脂層9が充填された、従来の実装構造体200(図6参照)と同様の構成の実装構造体100eを製造する。
【0048】
次に、図5(a)に示すように、この実装構造体100eを、上部に樹脂の注入口91を有する型9で覆い、注入口91から球状のフィラー51を混入した未硬化の樹脂組成物50を注入して第1層5Aを形成する。図5(b)に、半導体チップ1および回路基板2との界面に第1層5Aが形成された状態を示す。
【0049】
第1層5Aの樹脂組成物50が乾いた後、注入口91から主としてリン片状のフィラー52を混入した未硬化の樹脂組成物50を注入して、第1層5A上に第2層5Bを形成する。図5(c)に、第1層5A上に第2層5Bが形成された状態を示す。
【0050】
最後に、第1層5Aおよび第2層5Bの樹脂組成物50を加熱硬化させる。このようにして、半導体チップ1が、第1層5Aおよび第2層5Bの2層構造からなる絶縁性樹脂層5によって完全に封止された実装構造体100dが完成する。
【0051】
本実施の形態にかかる実装構造体100dは、半導体チップ1が絶縁性樹脂層5および9によって完全に覆われているため耐候性に優れている。しかも半導体チップ1は、はんだ3のみならず絶縁性樹脂層5および9によって回路基板2と接合されているため、接着強度に優れている。さらに熱の放射面である筐体6との接触面積も広いため、放熱性にも優れている。
【0052】
<熱硬化性樹脂組成物>
次に、本発明で用いられる熱硬化性樹脂組成物について具体的に説明する。使用可能な熱硬化性樹脂組成物として、エポキシ樹脂組成物やフェノール樹脂組成物あるいはアクリル樹脂組成物が挙げられる。吸湿性、熱膨張性、硬化収縮性などの点を考慮すると、エポキシ樹脂組成物が適している。
【0053】
本発明では一般的なエポキシ樹脂を使用することができるが、さらに多官能性エポキシ樹脂に、(D)成分の反応性希釈剤(架橋密度調節剤)として、単官能エポキシ樹脂を0〜30wt%、好ましくは0〜20wt%(いずれも全エポキシ樹脂中のwt%)程度含むものがよい。
【0054】
ここで多官能性エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂は2種以上を混合して使用してもよい。これらは粘度や物性を考慮して選択できるが、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を多官能性エポキシ樹脂中に10〜100wt%、特に50〜100wt%含むことが好ましい。
【0055】
また、単官能エポキシ樹脂としては、分子内に1個のエポキシ基を有する化合物で、炭素数6〜28のアルキル基を有するものが好ましく、例えば、C6〜C28アルキルグリシジルエーテル、C6〜C28脂肪酸グリシジルエステル、C6〜C28アルキルフェノールグリシジルエーテル等を挙げることができる。好ましくは、C6〜C28アルキルグリシジルエーテルであり、これらは混合して用いてもよい。
【0056】
さらに熱硬化性樹脂組成物の成分として、このようなエポキシ樹脂組成物に硬化剤を混合する。これらは、すべての成分が混合された1液性であっても、エポキシ樹脂と硬化剤とを別々に保存し使用時に混合して用いる2液性であってもよい。従って、本発明で用いる硬化剤としては、一般的に1液性のエポキシ樹脂に用いられるもの、および2液性のエポキシ樹脂に用いられるものが使用できるが、好ましいものとしては、アミン化合物、イミダゾール化合物、変性アミン化合物および変性イミダゾール化合物を挙げることができる。
【0057】
アミン化合物としては、例えばジシアンジアミドやジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン等の脂肪族ポリアミン、m−キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ポリアミン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン等の脂環族ポリアミンおよびポリアミド等を挙げることができる。
【0058】
イミダゾール化合物としては、例えば2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等を挙げることができる。
【0059】
変性アミン化合物としては、エポキシ化合物にアミン化合物を付加させたエポキシ化合物付加ポリアミン等を挙げることができ、変性イミダゾール化合物としては、エポキシ化合物にイミダゾール化合物を付加させたイミダゾール付加物等を挙げることができる。
【0060】
これらの硬化剤の中でも、1液性のエポキシ樹脂に用いられる潜在性硬化剤が好ましく、硬化性の点から、特に変性アミンを硬化剤全重量の5〜95wt%使用し、ジシアンジアミドを硬化剤全重量の95〜5wt%併用することが好ましい。
【0061】
硬化剤の配合量は、通常エポキシ樹脂100重量部に対して3〜60重量部であり、好ましくは5〜40重量部である。
【0062】
本発明で用いる熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じてさらに、硬化促進剤、脱泡剤、レベリング剤、染料、顔料等のその他の添加物を配合することができる。
【実施例】
【0063】
以下、本発明の実施例および比較例について説明する。
<熱伝導率と接着強度の測定>
絶縁性樹脂層を構成する、熱硬化性樹脂組成物に絶縁性フィラーが混入した樹脂組成物は、下記の(A)〜(D)の各成分に硬化促進剤を混合して作成する。
(A)成分(熱硬化性樹脂組成物):エポキシ樹脂、具体的にはビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社、エピコート828、比重1.17、100重量部)、
(B)成分(硬化剤):ジシアンジアミド(味の素ファインテクノ株式会社、アミキュアAH-154、8重量部)、
(C)成分(絶縁性フィラー):形状の異なるアルミナフィラー、具体的には、40μ径のアルミナ球状フィラー、もしくは5μ厚みのリン片状アルミナフィラー、
(D)成分(反応性希釈剤:架橋調整剤):アルキルグリシジルエーテル(ジャパンエポキシレジン株式会社、YED216M、10重量部)、
硬化促進剤:味の素ファインテクノ株式会社、アミキュアPN−23、比重1.21、1重量部。
【0064】
[実施例1〜11]
実施例1として、図1に示したのと同様の3層構造(各層の厚さは1mm)の絶縁性樹脂層を作成した。第1層の球状フィラーの含有率は60%である。第2層にはリン片状フィラーだけを混入し、その含有率は60%である。このようにして作成した絶縁性樹脂層の熱伝導率を測定した。熱伝導率は、単位長さあたり1℃の温度差があるとき、単位時間に単位面積を移動する熱量で定義され、ここでは、一般的な測定方法であるレーザフラッシュ方により測定を行った。
【0065】
また、絶縁性樹脂層の接着強度を測定するため、銅板および直径5mm、長さ10mmの銅円柱を用意した。これら銅板および銅円柱の界面に、粒状フィラーを含む樹脂組成物(フィラーの含有率は60%)各1mgを塗布し硬化させて、絶縁性樹脂層の第1層を形成した。次に、リン片状フィラーを含む樹脂組成物(フィラーの含有率は60%)1mgを、2つの第1層で挟み込んだ状態で硬化させて、銅との界面を含まない絶縁性樹脂層の第2層を形成した。このようにして、図1に示したのと同様の3層構造の絶縁性樹脂層を作成した後、銅板を固定し、絶縁性樹脂層によって接合された銅円柱を50mm/minの速度で引っ張り、その時の強度を測定し、その値を接着強度とした。
【0066】
絶縁性樹脂層の第1層および第2層に含まれるフィラーの種類と含有量を変えて、熱伝導率および接着強度の測定を繰り返した(実施例2〜11)。測定結果を表1に示す。表1において、左の列には実施例/比較例の番号を示し、中央の列には各層のフィラーの含有率を示す。更に右の列には、熱伝導率および接着強度の測定値と、絶縁性樹脂層として適しているかどうかの判定結果を示す。「判定」欄の◎は封止材料として優れていることを、○は実用に適することを、また×は実用に適さないことを示している。
【0067】
【表1】

【0068】
実装構造体の封止材料として用いるためには、絶縁性樹脂層は、接着強度が6kg以上、熱伝導率が1w/m・k以上の両方の条件を充足する必要がある。表1に示した測定結果から明らかなように、絶縁性樹脂層の第2層にリン片状フィラーを加えて、第1層よりも第2層の熱伝導率を高めると、接着強度を維持しながら、樹脂層全体の熱伝導率を1w/m・k以上にすることができる。
【0069】
[比較例1〜4]
絶縁性樹脂層の第2層に、実施例の第1層に用いたのと同一の熱硬化性組成物および球状フィラーを用い、かつ第1層と第2層のフィラーの含有量を同一にした。このような絶縁性樹脂層について、実施例と同様の方法で熱伝導率および接着強度を測定した。フィラーの含有量および測定結果を表1に示す。いずれの比較例においても、接着強度は6kg以上となっているが、熱伝導率は1w/m・kを超えなかった。すなわち、比較例1〜4の絶縁性樹脂層は、熱伝導率について要求される条件を充足できなかった。
【0070】
[比較例5]
比較例1〜4で用いたのと同一の球状フィラーを用いて絶縁性樹脂層の第1層と第2層を形成したが、フィラーの含有量を比較例1〜4よりも高くした。実施例と同様の方法で測定した絶縁性樹脂層の熱伝導率と接着強度を表1に示す。熱伝導率は1w/m・k以上と良好な値を示しているが、接着強度は3kgまで低下している。従って、比較例5の絶縁性樹脂層は、接着強度について要求される条件を充足できなかった。
【0071】
[比較例6]
比較例1〜4で用いたのと同一の球状フィラーを用いて絶縁性樹脂層の第1層と第2層を形成したが、第1層のフィラーの含有量を50wt%とした。実施例と同様の方法で測定した絶縁性樹脂層の熱伝導率と接着強度を表1に示す。第1層のフィラー含有量が60wt%を下回ると、第2層のフィラー含有量が90wt%と高い値でも、1w/m・k以上の熱伝導率が得られない。従って、比較例6の絶縁性樹脂層は、熱伝導率について要求される条件を充足できなかった。
【0072】
[比較例7〜9]
絶縁性樹脂層の第2層に、第1層と同一の形状である球状フィラーに加えて、フィラー間の接触面積が大きくなることが期待できるリン片状フィラーを5wt%加えた。実施例と同様の方法で測定した絶縁性樹脂層の熱伝導率および接着強度を表1に示す。実施例9〜11に示すようにリン片状フィラーの含有量は10wt%以上である必要であり、5wt%以下では熱伝導率を向上させることができない。
【0073】
<温度サイクル試験>
次に、上述の測定で優れた放熱性を示した各実施例の絶縁性樹脂層(図1参照)が、半導体素子や電子部品が実装された状態で高い接着強度を維持できるかどうか、温度サイクル試験により調べた。
【0074】
チップサイズが13mm×13mm、電極径(直径)0.5mm、電極ピッチ0.8mm、キャリア基材(インターポーザ基板)がセラミックスであるCSPを、配線が施された厚さ1.6mmのガラスエポキシ基板上に、クリーム半田(千住金属工業株式会社、M705−221BM5−K)を用いて実装した。
【0075】
その後、実施例および比較例毎に、絶縁性樹脂層の第1層および第2層に混入するフィラーの種類と含有量を変え、実施の形態1で説明した方法で、半導体チップ1と回路基板2との間に3層構造の絶縁性樹脂層5を形成し、最終的に図1(a)に示す構造の実装構造体を得た。なお熱硬化性樹脂組成物を硬化させる際の加熱温度は150℃、加熱時間は30分であった。
【0076】
得られた各実装構造体について温度サイクル試験を行った。具体的には、−40℃で30分放置、および85℃で30分放置を1サイクルとし、所定のサイクル数に達したときに試料の導通試験を行い、CSPと回路基板との電気的接続を確認した。その結果を表2に示す。表2において、左の列には実施例/比較例の番号を示し、中央の列には各層のフィラーの含有率を示す。更に右の列に温度サイクル試験の結果を示す。1000サイクル以上で導通があったものを合格(○)とし、この回数より前に断線等で非導通となったものを不合格(×)とした。
【0077】
【表2】

【0078】
表2から明らかなように、実施例1〜11の実装構造体は、1000サイクルを越えても試料中の全てが合格であった。比較例1〜9については、比較例5を除く実装構造体は合格であった。比較例5の実装構造体は、第1層と第2層のフィラー含有率が90%であり、絶縁性樹脂層の第1層と半導体チップ1や回路基板2との間の接着強度が低いため、温度サイクル試験中に半導体チップや回路基板との界面で剥がれが生じたものと思われる。
【0079】
なお、上述の実施例では、実施の形態1と同様の3層構造の絶縁性樹脂層(図1参照)に関して熱伝導率や接着強度の測定を行い、また温度サイクル試験を実施したが、実施の形態2や実施の形態3の絶縁性樹脂層(図3および図4参照)についても、同様の傾向であった。
【0080】
また、上述の実施例では絶縁性樹脂層にアルミナフィラーを混入したが、それ以外にも、シリカ、窒素化ホウ素、マグネシア、窒化アルミニウム、窒化ケイ素などのフィラーを用いても同様の効果が得られる。
【0081】
また、絶縁性樹脂層の熱伝導率が、半導体素子や電子部品、または回路基板との界面を含む方から界面を含まない方に増加するように傾斜していれば、3層以上の構造でも同様の効果が得られる。または、封止用樹脂層の熱伝導率が、フィラーの濃度を変化させることにより傾斜していれば、封止用樹脂層を層状に構成しなくても同様の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明にかかる実装構造体は、回路基板に各種電子部品を実装する場合に広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる実装構造体の構成を示す断面図である。
【図2】実施の形態1の実装構造体の変形例を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態2にかかる実装構造体の構成を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態3にかかる実装構造体の構成を示す断面図である。
【図5】実施の形態3にかかる実装構造体の製造工程を説明する図である。
【図6】従来の実装構造体の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0084】
1 半導体チップ
2 回路基板
3 はんだ
1 半導体チップ
5、8、9 絶縁性樹脂層
10 型
12 インターポーザ基板
13 はんだボール
21 ランド
50 熱硬化性樹脂組成物
51 粒状フィラー
52 リン片状フィラー
100a〜100e 実装構造体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の主面に複数の電極が形成された、概ね板状の電子部品と、実装面に複数の電極が形成された回路基板とを備え、前記電子部品の複数の電極が前記回路基板の複数の電極にそれぞれ接合された実装構造体であって、
前記電子部品の一方の主面と前記回路基板との間、および前記電子部品の他方の主面上の少なくとも一方に、接着強度および熱伝導率の異なる複数の層で構成された第1の絶縁性樹脂層が形成され、かつ
前記電子部品および前記回路基板のいずれかと接する部分には、相対的に接着強度が高い層が配置され、
前記電子部品および前記回路基板のいずれとも接しない部分には、相対的に熱伝導率が高い層が配置されることを特徴とする実装構造体。
【請求項2】
前記第1の絶縁性樹脂層は2つの層で構成され、
前記電子部品および前記回路基板のいずれかと接する部分には、相対的に接着強度が高い第1層が配置され、
前記電子部品および前記回路基板のいずれとも接しない部分には、相対的に熱伝導率が高い第2層が配置されることを特徴とする、請求項1記載の実装構造体。
【請求項3】
前記第1層は、熱硬化性樹脂を主成分とし、これに球状のフィラーが混入されていることを特徴とする、請求項2記載の実装構造体。
【請求項4】
前記第2層は、熱硬化性樹脂を主成分とし、これに少なくともリン片状のフィラーが混入されていることを特徴とする、請求項2記載の実装構造体。
【請求項5】
前記第1の絶縁性樹脂層は、前記電子部品の一方の主面と前記回路基板との間に形成され、
かつ第2の絶縁性樹脂層が、前記第1の絶縁性樹脂層を囲むように形成され、この第2の絶縁性樹脂層は、熱硬化性樹脂を主成分とし、これに球状のフィラーが混入されていることを特徴とする、請求項1または2記載の実装構造体。
【請求項6】
前記第1の絶縁性樹脂層は、前記電子部品の他方の主面上に形成され、
かつ前記電子部品の一方の主面と前記回路基板との間に第3の絶縁性樹脂層が形成され、この第3の絶縁性樹脂層は、熱硬化性樹脂を主成分とし、これに球状のフィラーが混入されていることを特徴とする、請求項1または2記載の実装構造体。
【請求項7】
前記電子部品の表面は、前記回路基板との接合部および前記第3の絶縁性樹脂層と接する部分を除いて、前記第1の絶縁性樹脂層で覆われることを特徴とする、請求項6記載の実装構造体。
【請求項8】
前記第1の絶縁性樹脂層を構成する複数の層は、前記電子部品または前記回路基板と接する層の熱伝導率が一番高く、前記電子部品または前記回路基板から離れるに従って熱伝導率が低下することを特徴とする、請求項1記載の実装構造体。
【請求項9】
電子部品の一方の主面と回路基板との間に第1の絶縁性樹脂層が形成された請求項1記載の実装構造体が内蔵され、かつ前記回路基板が、放熱シートまたは高熱伝導性接着剤を介して筐体に当接していることを特徴とする電子機器。
【請求項10】
電子部品の他方の主面上に第1の絶縁性樹脂層が形成された請求項1記載の実装構造体が内蔵され、かつ前記第1の絶縁性樹脂層が、放熱シートまたは高熱伝導性接着剤を介して筐体に当接していることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−45067(P2010−45067A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−206079(P2008−206079)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】