説明

対基板作業機

【課題】対基板作業において、段取り替え時間を短縮することを課題とする。
【解決手段】回路基板の種類を変更するとともに複数の段取り替えを行うことで、種類の異なる回路基板に対応可能な対基板作業機において、複数の段取り替えのうちの自動で行うことが可能な段取り替えを実行する自動段取り替え機構と、複数の段取り替えのうちのオペレータによる手動段取り替えの実行が禁止された状態と許容された状態とで切り換える切換機構と、自動段取り替え機構による段取り替え(図5(b)でのコンベア幅替え)が行われている状況下において、手動段取り替え(図5(b)での第1供給装置交換)の許容状態が実現されるように、自動段取り替え機構と切換機構との各々の作動を制御する制御装置とを備えるように構成する。このような構成により、自動段取り替えと手動段取り替えとを並行に行うことが可能となり、段取り替え時間を短縮することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板に対して回路部品の実装作業等の対基板作業を行う対基板作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
対基板作業機は、通常、搬送装置によって、回路基板を搬送するとともに対基板作業が行われる位置において回路基板を保持し、対基板作業実行装置によって対基板作業を実行する構造とされている。このような構造の対基板作業機においては、下記特許文献に記載されているように、回路基板の種類を変更するとともに、複数の段取り替えを行うことで、種類の異なる回路基板に対応することが可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−23554号公報
【特許文献2】特開平8−56098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
対基板作業機において、回路基板の種類を変更する際には、回路基板を搬送するためのコンベアの幅替え,回路基板に装着される回路部品の交換等、複数の段取り替えを行う必要があり、それら複数の段取り替えには、自動で行われる自動段取り替えと、オペレータによって手動で行われる手動段取り替えとがある。対基板作業機には、自動段取り替えを自動で行う自動段取り替え機構と、手動段取り替えの実行が禁止された状態である禁止状態と許容された状態である許容状態とで切り換える切換機構とが設けられており、自動段取り替え機構の作動により自動段取り替えが行われ、切換機構の作動により許容状態が実現されることで、オペレータが手動段取り替えを行うことが可能となっている。このため、自動段取り替え機構と切換機構とを効率よく作動させることで、段取り替えに要する時間を短縮することが可能となり、生産性を向上させることが可能となる。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、回路基板の種類の変更時に自動段取り替えと手動段取り替えとが実行される対基板作業機において、自動段取り替え機構と切換機構とを効率よく作動させて、段取り替えに要する時間を短縮可能な対基板作業機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本願の請求項1に記載の対基板作業機は、回路基板を搬送するとともに、回路基板に対する作業である対基板作業が行われる位置において回路基板を保持する搬送装置と、その搬送装置に保持された回路基板に対して前記対基板作業を実行する対基板作業実行装置とを備え、回路基板の種類を変更するとともに複数の段取り替えを行うことで、種類の異なる回路基板に対応可能な対基板作業機であって、前記複数の段取り替えのうちの自動で行うことが可能な段取り替えを実行する自動段取り替え機構と、前記複数の段取り替えのうちのオペレータによる手動での段取り替えである手動段取り替えが行われる装置に設けられ、前記手動段取り替えの実行が禁止された状態である禁止状態と許容された状態である許容状態とで切り換える切換機構と、前記自動段取り替え機構による段取り替えが行われている状況下において、前記許容状態が実現されるように、前記自動段取り替え機構と前記切換機構との各々の作動を制御する制御装置とを備えるように構成される。
【0006】
また、請求項2に記載の対基板作業機は、請求項1に記載の対基板作業機において、前記搬送装置は、互いに平行に延びる1対のコンベアベルトを有し、それら1対のコンベアベルトの作動により回路基板を搬送する構造とされ、前記自動段取り替え機構は、段取り替えとしての前記1対のコンベアベルトの間の距離の変更を行う構造とされるように構成される。
【0007】
また、請求項3に記載の対基板作業機は、請求項1または請求項2に記載の対基板作業機において、ベースに着脱可能に設けられ、前記対基板作業実行装置に回路部品を供給する供給装置を備え、前記切換機構は、前記供給装置に設けられ、前記供給装置が前記ベースに固定された状態とその固定が解除された状態とで切り換えることで、前記手動段取り替えとしての前記供給装置の交換の前記禁止状態と前記許容状態とで切り換えるように構成される。
【0008】
また、請求項4に記載の対基板作業機は、請求項3に記載の対基板作業機において、複数の前記供給装置と、それら複数の供給装置に対応する複数の前記切換機構とを備え、前記制御装置は、前記自動段取り替え機構による段取り替えが行われている状況下において、前記複数の供給装置のうちの2以上のものの交換の前記許容状態が実現されるように、前記複数の切換機構のうちのそれら2以上のものに対応するものの作動を制御するように構成される。
【0009】
また、請求項5に記載の対基板作業機は、請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の対基板作業機において、前記禁止状態と前記許容状態との切換を操作する操作スイッチを有し、前記制御装置は、変更後の回路基板の種類を入力するための基板種入力エリアを含む画面を表示装置に表示する表示部と、前記基板種入力エリアに回路基板の種類が入力された後に段取り替えを自動で行うべく、前記自動段取り替え機構の作動を制御する自動段取り替え実行部と、前記表示部によって前記基板種入力エリアを含む画面が表示された後に、前記操作スイッチの操作によって前記許容状態を実現するべく、前記切換機構の作動を制御する手動段取り替え状態実現部とを有するように構成される。
【0010】
また、請求項6に記載の対基板作業機は、請求項5に記載の対基板作業機において、前記表示装置は、タッチパネル式の表示装置であり、前記表示部は、前記基板種入力エリアと、前記操作スイッチとして機能するタッチボタンエリアとに区分けされた画面を前記表示装置に表示し、前記手動段取り替え状態実現部は、前記タッチボタンエリアにおける操作によって前記許容状態を実現するべく、前記切換機構の作動を制御するように構成される。
【0011】
また、請求項7に記載の対基板作業機は、請求項6に記載の対基板作業機において、前記表示部は、前記基板種入力エリアと、前記タッチボタンエリアと、前記自動段取り替え機構による段取り替えの実行状態と前記手動段取り替えの実行状態とを表示するための表示エリアとに区分けされた画面を前記表示装置に表示するように構成される。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の対基板作業機では、自動段取り替えが行われている状況下において、手動段取り替えの実行が許容された状態を実現することが可能となっている。したがって、請求項1に記載の対基板作業機によれば、自動段取り替えと手動段取り替えとを並行に行うことが可能となり、段取り替えに要する時間を短縮することが可能となる。
【0013】
また、請求項2に記載の対基板作業機では、自動段取り替えとしてコンベアの幅替えが採用されている。コンベアの幅替えは、通常、回路基板の種類変更時に行われる段取り替えであり、比較的時間を要する作業である。したがって、請求項2に記載の対基板作業機によれば、自動段取り替えと手動段取り替えとを並行に実行可能な対基板作業機の効果を充分に活かすことが可能となる。
【0014】
また、請求項3に記載の対基板作業機では、手動段取り替えとして供給装置の交換が採用されている。供給装置の交換は、回路基板の種類変更時において、比較的多く行われる段取り替えであり、比較的時間を要する作業である。したがって、請求項3に記載の対基板作業機によれば、自動段取り替えと手動段取り替えとを並行に実行可能な対基板作業機の効果を充分に活かすことが可能となる。
【0015】
また、請求項4に記載の対基板作業機では、複数の供給装置のうちの2以上のものの交換を並行に行うとともに、自動段取り替えをも並行に行うことが可能となる。したがって、請求項4に記載の対基板作業機によれば、段取り替えに要する時間をさらに短縮することが可能となる。
【0016】
また、請求項5に記載の対基板作業機では、回路基板の種類の入力画面が表示された後に、操作スイッチの操作による許容状態が実現可能とされている。つまり、基板種入力画面表示後に、操作スイッチによる切換機構の操作が可能とされている。そして、その入力画面に回路基板の種類が入力された後に自動段取り替えが行われるようになっている。したがって、請求項5に記載の対基板作業機によれば、手動段取り替えと並行に、自動段取り替えのみならず、回路基板の種類の入力作業をも行うことが可能となり、段取り替えに要する時間をさらに短縮することが可能となる。
【0017】
また、請求項6に記載の対基板作業機では、表示装置の同一画面上に、回路基板の種類を入力可能なエリアと、切換機構の操作スイッチとして機能するタッチボタンエリアとが表示される。したがって、請求項6に記載の対基板作業機によれば、表示装置に表示される画面を制御するだけで、自動段取り替えと手動段取り替えとを並行に実行可能な対基板作業機を構築することが可能となる。
【0018】
また、請求項7に記載の対基板作業機では、回路基板種の入力エリアと操作スイッチとして機能するタッチボタンエリアと同じ画面上に、段取り替えの進捗状況を表示することが可能となっている。これにより、オペレータは、段取り替えの進捗状況を把握するとともに、その進捗状況に応じて、手動段取り替えを行うことが可能となる。したがって、請求項7に記載の対基板作業機によれば、段取り替え時の操作性,利便性等を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例である対基板作業機を示す斜視図である
【図2】図1に示す対基板機を上部カバーを取り外した状態で示す平面図である
【図3】図1に示す対基板作業機の備える搬送装置を示す斜視図である。
【図4】図1に示す対基板作業機の備える制御装置を示すブロック図である。
【図5】回路基板の種類の変更に伴って行われる段取り替えの順序を従来の対基板作業機と実施例の対基板作業機とを比較して示す模式図である。
【図6】図1に示す対基板作業機の備える表示装置に表示される段取り替え用画面を示す図である。
【図7】回路基板の種類の変更に伴う段取り替えの手順を示すブロック図である。
【図8】回路基板の種類の変更に伴って行われる段取り替えの順序を従来の対基板作業機と変形例の対基板作業機とを比較して示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0021】
<対基板作業機の構成>
図1および図2に、本発明の実施例の対基板作業機(以下、「作業機」と略す場合がある)10を示す。図1は、作業機10の斜視図であり、図2は、上部カバーを取り除いた状態での作業機10を上方からの視点において示した概略平面図である。作業機10は、回路基板12に対して回路部品の装着作業を行う回路部品装着機であり、回路基板12を搬送する搬送装置14と、回路基板に対して回路部品を装着する作動ヘッド16と、その作業ヘッド16を移動させる移動装置18と、回路部品を供給する1対の供給装置20,22とを備えている。
【0022】
搬送装置14は、図3に示すように、1対のコンベアベルト24を有しており、それら1対のコンベアベルト24を電磁モータ26によって周回させることで、コンベアベルト24に支持される回路基板12を搬送する構造とされている。それら1対のコンベアベルト24の一方は、ベース28に固定され、他方は、搬送装置14による回路基板12の搬送方向に直角な方向に移動させることが可能な構造とされており、コンベア幅替え機構30によって、その他方のコンベアベルト24を一方のコンベアベルト24に接近離間させることが可能となっている。つまり、搬送装置14は、1対のコンベアベルト24の間の距離を変更することが可能となっており、サイズの異なる回路基板を搬送することが可能となっている。搬送装置14は、さらに、基板保持装置32を有しており、所定の位置(図2での回路基板12が図示されている位置)において回路基板12を固定的に保持する構造とされている。なお、本実施例では、搬送装置14による回路基板12の搬送方向(図2における左右方向)をX軸方向とし、その方向に直角な方向をY軸方向と称し、説明を行う。
【0023】
また、作業ヘッド16は、搬送装置14によって保持された回路基板12に対して回路部品を装着するものであり、下面に回路部品を吸着する吸着ノズル34を有する装着ヘッドである。吸着ノズル34は、正負圧供給装置36(図4参照)を介して負圧エア,正圧エア通路に通じており、負圧にて回路部品を吸着保持し、僅かな正圧が供給されることで保持した回路部品を離脱する構造とされている。さらに、作業ヘッド16は、吸着ノズル34を昇降させるノズル昇降装置(図4参照)38および吸着ノズル34をそれの軸心回りに自転させるノズル自転装置(図4参照)40を有しており、保持する回路部品の上下方向の位置および回路部品の保持姿勢を変更することが可能とされている。なお、吸着ノズル34は、作業ヘッド16に着脱可能とされており、回路部品のサイズ,形状等に応じて変更することが可能とされている。
【0024】
その作業ヘッド16は、移動装置18によって、ベース28上の任意の位置に移動可能とされている。詳しく言えば、移動装置18は、作業ヘッド16をX軸方向に移動させるためのX軸方向スライド機構50と、作業ヘッド16をY軸方向に移動させるためのY軸方向スライド機構52とを備えている。X軸方向スライド機構50は、X軸方向に移動可能にベース28上に設けられたX軸スライダ54と、駆動源としての電磁モータ(図4参照)56とを有しており、その電磁モータ56によって、X軸スライダ54がX軸方向の任意の位置に移動可能とされている。また、Y軸方向スライド機構52は、Y軸方向に移動可能にX軸スライダ54の側面に設けられたY軸スライダ58と、駆動源としての電磁モータ(図4参照)60とを有しており、その電磁モータ60によって、Y軸スライダ58がY軸方向の任意の位置に移動可能とされている。そして、そのY軸スライダ58に作業ヘッド16が取り付けられることで、作業ヘッド16は、移動装置18によって、ベース28上の任意の位置に移動可能とされている。なお、作業ヘッド16は、Y軸スライダ58にワンタッチで着脱可能とされており、種類の異なる作業ヘッド、例えば、ディスペンサヘッド等に変更することが可能とされている。
【0025】
また、1対の供給装置20,22は、搬送装置14を挟むようにして、ベース28のY軸方向における両側部に配設されている。それら1対の供給装置20,22の一方は、フィーダ型の供給装置20とされており、他方は、トレイ型の供給装置22とされている。フィーダ型の供給装置20は、テーピング化された回路部品を保持して1つずつ回路部品を送り出すテープフィーダ70を複数有しており、それら複数のテープフィーダ70の各々によって、作業ヘッド16への供給位置に回路部品を供給する構造とされている。一方、トレイ型の供給装置22は、複数の回路部品が載置された部品トレイ72を複数有しており、それら複数の部品トレイ72のうちの任意のものをトレイ移動機構74(図4参照)によって作業ヘッド16への供給位置に移動させる構造とされている。
【0026】
なお、各供給装置20,22は、供給するべき回路部品の不足,回路部品の種類の交換等に対応するべく、ベース28に着脱可能とされており、各供給装置20,22がベース28に取り付けられた状態を維持するため、つまり、各供給装置20,22をベース28に固定するための供給装置固定機構(図4参照)76,78が設けられている。各供給装置固定機構76,78は、供給装置20,22をベース28から取り外せないようにロックした状態と、そのロックを解除した状態とで切換可能とされている。つまり、供給装置20,22の交換が禁止された状態と許容された状態とで切換可能とされている
【0027】
また、作業機10は、マークカメラ(図4参照)80およびパーツカメラ(図4参照)82を備えている。マークカメラ80は、下方を向いた状態でY軸スライダ58の下面に固定されており、移動装置18によって移動させられることで、回路基板12の表面を任意の位置において撮像することが可能となっている。一方、パーツカメラ82は、上を向いた状態でベース28上に設けられており、作業ヘッド16の有する吸着ノズル34によって吸着保持された回路部品を撮像することが可能となっている。マークカメラ80によって得られた画像データおよび、パーツカメラ82によって得られた画像データは、画像処理装置84(図4参照)において処理され、回路基板12に関する情報,基板保持装置32による回路基板12の保持位置誤差,吸着ノズル34による回路部品の保持位置誤差等が取得される。
【0028】
また、作業機10には、図1に示すように、Y軸方向における両側面に1対の表示装置86,88が設けられている。各表示装置86,88は、作業ヘッド16等による装着作業に関する情報であったり、後に詳しく説明する回路基板の種類を交換する際の情報等を表示するものであり、タッチパネル式の表示装置とされている。なお、1対の表示装置86,88のうちのフィーダ型供給装置20の配置されている側に設けられたものを第1表示装置86と、トレイ型供給装置22の配置されている側に設けられたものを第2表示装置88と呼ぶ場合がある。
【0029】
さらに、作業機10は、図4に示すように、制御装置90を備えている。制御装置90は、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータを主体とするコントローラ92と、上記電磁モータ26,56,60,コンベア幅替機構30,基板保持装置32,正負圧供給装置36,ノズル昇降装置38,ノズル自転装置40,テープフィーダ70,トレイ移動機構74,供給装置固定機構76,78の各々に対応する複数の駆動回路94と、表示装置86,88の制御回路96とを備えている。コントローラ92には、マークカメラ80およびパーツカメラ82によって得られた画像データを処理する画像処理装置84、および、3つの検知センサ98が接続されている。それら3つの検知センサ98は、1対のコンベアベルト24の間のベース28上に上を向いた状態で配設されており、1つは、回路基板が搬入される側の端部に、1つは、搬出される側の端部に、1つは、回路基板が基板保持装置32に保持される位置に配設されている。さらに、コントローラ92には、表示装置86,88が接続されており、表示装置86,88に表示されるタッチボタンの操作結果が入力されるようになっている。
【0030】
また、コントローラ92には、各駆動回路94を介して搬送装置,移動装置等の各装置14,18等の駆動源が接続されており、搬送装置,移動装置等の各装置14,18等の作動を制御することが可能とされている。また、コントローラ92には、制御回路96を介して表示装置86,88が接続されており、各種情報を表示することが可能とされている。
【0031】
ちなみに、作業機10では、制御用電源と駆動用電源とが設けられており、駆動用電源は、搬送装置14および供給装置固定機構76,78のための電源と、それら搬送装置14および供給装置固定機構76,78以外の装置のための電源とに分けられている。つまり、作業機10には、制御装置90に対応した電源と、搬送装置14および供給装置固定機構76,78に対応した電源と、移動装置18等に対応した電源との3つの電源が設けられている。
【0032】
<作業機による対基板作業>
作業機10では、上述した構成によって、搬送装置14に保持された回路基板12に対して、作業ヘッド16によって対基板作業としての装着作業を行うことが可能とされている。具体的に説明すれば、まず、搬送装置14によって、回路基板12を装着作業位置まで搬送するとともに、その位置において回路基板12を固定的に保持する。次に、移動装置18によって、作業ヘッド16を回路基板12上に移動させ、マークカメラ80によって、回路基板12を撮像する。その撮像により回路基板12の種類,搬送装置14による回路基板12の保持位置誤差が取得される。その取得された回路基板12の種類に応じた回路部品を、テープ型供給装置20のテープフィーダ70、若しくは、トレイ型供給装置22の部品トレイ72によって供給し、その回路部品の供給位置に、作業ヘッド16を移動装置18によって移動させる。これにより、作業ヘッド16の吸着ノズル34によって回路部品が吸着保持される。続いて、回路部品を保持した状態の作業ヘッド16を、移動装置18によってパーツカメラ82上に移動させ、パーツカメラ82によって、作業ヘッド16に保持された回路部品を撮像する。その撮像により回路部品の保持位置誤差が取得される。そして、移動装置18によって、作業ヘッド16を回路基板12上の装着位置に移動させ、作業ヘッド50によって、回路基板および回路部品の保持位置誤差に基づいて装着ノズル34を自転させた後に,回路部品が装着される。
【0033】
<回路基板の種類変更に伴う段取り替え>
作業機10においては、上述したようにして回路基板に対して回路部品の装着作業が実行されるが、様々な種類の回路基板に装着作業を実行することが可能となっている。つまり、回路基板の種類を交換して、異なる種類の回路基板に対して装着作業を行うことが可能とされている。具体的には、例えば、第1回路基板に対して第1〜第4回路部品を装着する第1装着作業の実行が終了した後に、その第1回路基板とはサイズの異なる第2回路基板に対して第5〜第8回路部品を装着する第2装着作業を実行することが可能とされている。第1装着作業の実行後に第2装着作業を実行するためには、異なるサイズの第2回路基板を搬送するために、1対のコンベアベルト24の間の距離、つまり、コンベアの幅を変更する必要があり、さらに、第1〜第4回路部品を供給可能な供給装置から第5〜第8回路部品を供給可能な供給装置に変更する必要がある。このように、回路基板の種類の変更に伴って、コンベア幅替え、供給装置の交換等の段取り替えが必要とされている。
【0034】
回路基板の種類変更に伴う段取り替えには、コンベア幅替えのように、搬送装置14のコンベア幅替機構30を作動させることで行うことが可能な段取り替え、つまり、自動段取り替えがある。一方、供給装置の交換のように、オペレータが手動で供給装置をベースから取り外し、その取り外した供給装置とは異なる供給装置をベースに取り付ける段取り替え、つまり、手動段取り替えがある。これら2種類の段取り替えは、従来、順番に行われており、比較的長い時間を要する作業であった。
【0035】
詳しく言えば、従来の手順では、図5(a)に示すように、作業機に回路基板の種類の変更が入力された後に、手動段取り替えを行うべく、1対の供給装置の一方の供給装置(以下、「第1供給装置」という)の交換を行うことが可能とされていた。具体的には、第1供給装置に対応した供給装置固定機構を作動させることで、供給装置固定機構による第1供給装置の固定が解除され、オペレータが第1供給装置を交換する。そして、その供給装置固定機構によって、第1供給装置をベースに固定させる。第1供給装置の交換作業が終了すると、オペレータは、1対の供給装置の他方の供給装置(以下、「第2供給装置」という)の傍に移動し、その第2供給装置の交換を行う。具体的には、第2供給装置に対応した供給装置固定機構を作動させることで、供給装置固定機構による第2供給装置の固定が解除され、オペレータが第2供給装置を交換する。そして、その供給装置固定機構によって第2供給装置をベースに固定させる。続いて、自動段取り替えを行うべく、コンベア幅替機構を作動させることで、コンベアの幅が変更される。このようにして、段取り替えを行うと、図5(a)に示すように、段取り替えに要する時間はtとなる。
【0036】
一方、本作業機10では、自動段取り替えと手動段取り替えとを並行に行うことで、段取り替えに要する時間を短縮することが可能となっている。具体的には、図5(b)に示すように、回路基板の種類変更が作業機10に入力されると、その回路基板種に応じたコンベア幅替えが行われるようになっており、その回路基板種の変更の入力時に、供給装置固定機構による第1供給装置の固定を解除することが可能となっている。したがって、コンベア幅替機構によって自動段取り替えが行われている状況下において、オペレータは第1供給装置の交換を行うことが可能となっている。これにより、コンベア幅替えと第1供給装置の交換とを並行に行うことが可能となり、段取り替えに要する時間を、従来の段取り替え時間tの概ね2/3のtとすることが可能となる。
【0037】
本作業機10では、回路基板種の変更入力時に、供給装置固定機構による供給装置の固定解除を行うことができるように、図6に示すような段取り替え用画面100を、表示装置86,88に表示している。その段取り替え用画面100は、段取り替え表示エリア102と、回路基板種選択エリア104と、供給装置固定機構を操作するための操作ボタンエリア106と、自動段取り替え選択エリア108とに区分けされている。段取り替え表示エリア102は、作業中の段取り替えの状態を表示するためのエリアであり、図6のように表示されている際には、第1供給装置に対応する供給装置固定機構が解除作業を実行するとともに、コンベア幅替機構30がコンベア幅替えを実行していることを示している。また、回路基板種選択エリア104には、タッチボタン式の選択ボタン105が4つ表示されており、変更後の回路基板として、第1〜第4回路基板のうちから1つのものを選択することが可能となっている。
【0038】
操作ボタンエリア106には、タッチボタン式の操作ボタン107が2つ表示されており、それら2つのボタン107の一方は、第1供給装置に対応する供給装置固定機構を操作するためのものであり、他方は、第2供給装置に対応する供給装置固定機構を操作するためのものである。ただし、第1表示装置86に表示されている段取り替え用画面100の操作ボタン107は、第1供給装置に対応する供給装置固定機構のみが操作可能であり、第2表示装置88に表示されている段取り替え用画面100の操作ボタン107は、第2供給装置に対応する供給装置固定機構のみが操作可能である。さらに、一方の供給装置固定機構が作動している最中は、他方の供給装置固定機構を操作するための操作ボタン107の操作は無効となっている。つまり、2つの表示装置86,88から同時に各供給装置固定機構を操作することはできなくなっている。
【0039】
また、操作ボタン107の表示は、供給装置固定機構の作動状態に応じて変化するようになっている。詳しく言えば、供給装置固定機構が供給装置を固定している状態では、操作ボタン107に「供給装置解除」と表示され、供給装置固定機構が供給装置の固定を解除している状態では、操作ボタン107に「供給装置固定」と表示されるようになっている。つまり、操作ボタン107は、供給装置固定機構が供給装置を固定している状態では、その固定を解除する解除ボタンとして機能し、供給装置固定機構が供給装置の固定を解除している状態では、供給装置を固定する固定ボタンとして機能するようになっている。ちなみに、図6に示される段取り替え用画面100が表示されている状態では、2つの操作ボタン107に「供給装置解除」と表示されていることから、第1供給装置および第2供給装置は、各供給装置固定機構によって固定されている。
【0040】
また、自動段取り替え選択エリア108には、選択用ラジオボタン109が2つ表示されており、自動でのコンベア幅替えを有効な状態とするか無効な状態とするかが選択可能とされている。つまり、回路基板種選択エリア104においていずれかのボタンが選択された後に、自動でのコンベア幅替えを実行するか否かを選択することが可能となっている。なお、表示装置86,88に段取り替え用画面100を表示するための機能部として、図4に示すように、表示部110がコントローラ92に設けられている。
【0041】
上記段取り替え用画面100の選択ボタン105、操作ボタン107への操作によって段取り替えを行う際の手順を、図7に示すブロック図を用いて説明する。ちなみに、選択用ラジオボタン109は、「有効」のボタンが選択されているものとする。まず、ある回路基板への装着作業が一通り完了すると、ステップ1(以下、単に「S1」と略す。他のステップについても同様とする)において、その回路基板の生産が終了し、S2において、表示装置86,88に段取り替え用画面100が表示される。段取り替え用画面100には、図6に示すように、回路基板の種類を選択するための選択ボタン105と、供給装置の固定を解除可能な操作ボタン107とが、同時に表示され、S3若しくは、S4において、オペレータによって、いずれかのボタンが操作される。
【0042】
選択ボタン105が操作されると、S5において、自動でコンベアの幅替えが行われる。自動でのコンベア幅替えは、コンベア幅替機構30の作動によって行われるが、そのコンベア幅替機構30の作動前に、搬送装置14上の回路基板の有無が確認される。具体的には、1対のコンベアベルト24が一定時間周回させられ、1対のコンベアベルト24の間に設けられた3つの検知センサ98によって、回路基板の有無が確認される。そして、搬送装置14上に回路基板の無いことが確認されると、コンベア幅替機構30が作動させられ、自動でのコンベア幅替えが行われる。ちなみに、上記自動での段取り替えを行うための機能部として、図4に示すように、自動段取り替え実行部112がコントローラ92に設けられている。
【0043】
また、第1供給装置に対応する供給装置固定機構の操作ボタン(解除ボタン)107が操作されると、第1供給装置の固定が解除され、S6において、オペレータが第1供給装置を交換することが可能となる。そして、第1供給装置が交換されると、S7において、第1供給装置に対応する供給装置固定機構の操作ボタン(固定ボタン)107が操作され、第1供給装置がベースに固定される。続いて、S8において、オペレータは作業機10の第1供給装置の配設側から第2供給装置の配設側に移動し、S9において、オペレータによって、第2供給装置に対応する供給装置固定機構の操作ボタン(解除ボタン)107が操作される。これにより、第2供給装置の固定が解除され、S10において、オペレータが第2供給装置を交換することが可能となる。そして、第2供給装置が交換されると、S11において、第2供給装置に対応する供給装置固定機構の操作ボタン(固定ボタン)107が操作され、第2供給装置がベースに固定される。ちなみに、上記操作ボタンの操作によって、手動段取り替えの実行を可能とするための機能部として、図4に示すように、手動段取り替え状態実現部114がコントローラ92に設けられている。
【0044】
自動でのコンベアの幅替えおよび、手動での1対の供給装置の交換が完了し、S12において、オペレータによって生産開始スイッチ(図示省略)が操作されると、S13において、コンベア幅の確認作業が行われる。コンベア幅の確認作業は、移動装置18,マークカメラ80等によって、実際のコンベア幅が目標とするコンベア幅となっているか否かを確認するための作業である。詳しく言えば、移動装置18によって、マークカメラ80を1対のコンベアベルト24上に移動させ、マークカメラ80によって1対のコンベアベルト24を撮像することで、1対のコンベアベルト24の間の距離、つまり、コンベア幅を取得する。そして、その取得されたコンベア幅が目標とするコンベア幅となっているか否かを確認する。取得されたコンベア幅が目標コンベア幅となっていない場合には、マークカメラ80によって1対のコンベアベルト24を撮像しつつ、コンベア幅替機構30を作動させることで、実際のコンベア幅を目標コンベア幅に変更する。そして、実際のコンベア幅が目標コンベア幅となった後に、S14において、変更された回路基板に対して装着作業が開始される。
【0045】
なお、S2〜S12においては、制御装置90,搬送装置14,供給装置固定機構のみが作動しており、移動装置18等は作動しない。このため、移動装置18等を作動させるための駆動用電源は、S1の終了後にOFFとされ、S12の生産開始スイッチの投入とともに、ONとされる。これにより、段取り替え中において、移動装置18等の作動停止を担保することが可能となっている。
【0046】
ちなみに、上記実施例において、作業機10は、対基板作業機の一例であり、その作業機10を構成する搬送装置14および、供給装置20,22は、搬送装置および、供給装置の一例である。装着ヘッド16と移動装置18とによって構成される装置は、対基板作業実行装置の一例である。コンベア幅替機構30は、自動段取り替え機構の一例であり、コンベアベルト24は、コンベアベルトの一例である。供給装置固定機構76,78は、切換機構の一例である。表示装置86,88は、表示装置の一例であり、段取り替え表示エリア102,回路基板種選択エリア104,操作ボタンエリア106は、表示エリア,基板種入力エリア,タッチボタンエリアの一例である。操作ボタン107は、操作スイッチの一例である。制御装置90は、制御装置の一例であり、表示部110,自動段取り替え実行部112,手動段取り替え状態実現部114は、表示部,自動段取り替え実行部,手動段取り替え状態実現部の一例である。
【0047】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、一方の供給装置固定機構が作動している最中は、他方の供給装置固定機構を操作するための操作ボタン107の操作は無効となっていたが、一方の供給装置固定機構の作動中であっても、他方の供給装置固定機構を操作するための操作ボタン107の操作を有効とすることが可能である。このように構成することで、2人のオペレータによって2つの表示装置86,88から同時に2つの供給装置固定機構を操作することが可能となり、段取り替え時間を相当短縮することが可能となる。具体的にいえば、図8(b)に示すように、1人のオペレータによって、第1表示装置86の操作ボタン107を操作しつつ、第1供給装置の交換する段取り替えを行うとともに、その段取り替えと同時に、もう1人のオペレータによって、第2表示装置88の操作ボタン107を操作しつつ、第2供給装置を交換する段取り替えを行う。そして、それら2つの手動での段取り替えと同時に、自動での段取り替えを行う。これにより、段取り替え時間はtとなり、従来の段取り替え時間tの概ね1/3とすることが可能となる。
【0048】
また、上記実施例の作業機10は、対基板作業として回路基板への回路部品の実装作業を行うものであったが、他の対基板作業を実行する作業機を採用することが可能である。具体的には、例えば、回路基板に接着剤を塗布する塗布作業,回路基板にクリームはんだを印刷するはんだ印刷作業,それら各作業の少なくとも1つを検査する検査作業等を実行可能な作業機を採用することが可能である。なお、そのような作業機を採用する場合には、各作業に応じた作業ヘッドを採用する必要がある。
【0049】
また、上記実施例では、自動での段取り替えとして、コンベアの幅替えを行っていたが、種々の段取り替えを自動で行うことが可能である。具体的には、例えば、回路基板の種類変更に伴う装着部品の変更に対処するべく、作業ヘッド16に取り付けられる装着ノズル34の交換を自動段取り替えとして行ってもよい。なお、装着ノズルの自動交換は、公知の技術であることから、簡単に説明すると、複数の装着ノズルが収容されたノズルステーションをベース上に設け、そのノズルステーション上に作業ヘッド16を移動させるとともに、その位置で作業ヘッド16を上下方向に移動させることで、装着ノズルを自動で交換することが可能となる。
【0050】
また、上記実施例では、手動での段取り替えとして、供給装置の交換を行っていたが、種々の段取り替えを手動で行うことが可能である。具体的には、例えば、回路基板の種類変更に伴う装着部品の変更に対処するべく、Y軸スライダ58に取り付けられている作業ヘッド16の交換を、手動での段取り替えとして行ってもよく、また、上述したノズルステーションに収容されている装着ノズルの交換を、手動での段取り替えとして行ってもよい。このような作業ヘッド,装着ノズル等の交換を手動での段取り替えとして採用する場合には、作業機10内部にオペレータがアクセスする必要があるため、作業機10の開閉扉をロックした状態と、そのロックを解除した状態とで切換可能な機構を、切換機構として採用することが望ましい。
【0051】
また、上記実施例では、段取り替え用画面100の基板種入力エリアとして、回路基板種選択エリア104が採用され、選択ボタン104によって回路基板の種類が制御装置90に入力されているが、キーボード等の入力装置を設け、入力装置によって基板種入力エリアに回路基板の種類を入力してもよい。また、操作スイッチとして、表示装置86,88に表示されるタッチボタン式の操作ボタン107が採用されているが、表示装置86,88に表示されるものでなく、機械式の操作ボタンを採用することも可能である。ただし、機械式の操作ボタンを採用する場合には、表示装置に基板種入力エリアが表示された後に、その機械式操作ボタンの操作が有効になるように構成することが望ましい。
【0052】
また、上記実施例の段取り替え表示エリア102には、各段取り替えが実行されているか否かを示すだけでなく、各段取り替えに関する情報を表示してもよい。具体的には、例えば、各段取り替えの実行時間,実行結果等を表示してもよい。段取り替えの実行時間としては、例えば、自動段取り替えが実行され始めてからの継続実行時間,自動段取り替えが完了するまでの予測時間,切換機構によって解除状態とされてからの経過時間等、様々な時間が挙げられる。また、段取り替えの実行結果としては、例えば、自動段取り替えが良好に完了した旨の情報,自動段取り替えがトラブル等により途中で途中で止まっている旨の情報,そのトラブルの詳細な情報等が挙げられる。
【符号の説明】
【0053】
10:対基板作業機 14:搬送装置 16:作業ヘッド(対基板作業実行装置) 18:移動装置(対基板作業実行装置) 20:供給装置 22:供給装置 24:コンベアベルト 30:コンベア幅替機構(自動段取り替え機構) 76:供給装置固定機構(切換機構) 78:供給装置固定機構(切換機構) 86:表示装置 88:表示装置 90:制御装置 102:段取り替え表示エリア(表示エリア) 104:回路基板種選択エリア(基板種入力エリア) 106:操作ボタンエリア(タッチボタンエリア) 107:操作ボタン(操作スイッチ) 110:表示部 112:自動段取り替え実行部 114:手動段取り替え状態実現部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板を搬送するとともに、回路基板に対する作業である対基板作業が行われる位置において回路基板を保持する搬送装置と、
その搬送装置に保持された回路基板に対して前記対基板作業を実行する対基板作業実行装置と
を備え、回路基板の種類を変更するとともに複数の段取り替えを行うことで、種類の異なる回路基板に対応可能な対基板作業機であって、
前記複数の段取り替えのうちの自動で行うことが可能な段取り替えを実行する自動段取り替え機構と、
前記複数の段取り替えのうちのオペレータによる手動での段取り替えである手動段取り替えが行われる装置に設けられ、前記手動段取り替えの実行が禁止された状態である禁止状態と許容された状態である許容状態とで切り換える切換機構と、
前記自動段取り替え機構による段取り替えが行われている状況下において、前記許容状態が実現されるように、前記自動段取り替え機構と前記切換機構との各々の作動を制御する制御装置と
を備えた対基板作業機。
【請求項2】
前記搬送装置は、
互いに平行に延びる1対のコンベアベルトを有し、それら1対のコンベアベルトの作動により回路基板を搬送する構造とされ、
前記自動段取り替え機構は、
段取り替えとしての前記1対のコンベアベルトの間の距離の変更を行う構造とされた請求項1に記載の対基板作業機。
【請求項3】
当該対基板作業機は、
ベースに着脱可能に設けられ、前記対基板作業実行装置に回路部品を供給する供給装置を備え、
前記切換機構は、
前記供給装置に設けられ、前記供給装置が前記ベースに固定された状態とその固定が解除された状態とで切り換えることで、前記手動段取り替えとしての前記供給装置の交換の前記禁止状態と前記許容状態とで切り換える請求項1または請求項2に記載の対基板作業機。
【請求項4】
当該対基板作業機は、
複数の前記供給装置と、それら複数の供給装置に対応する複数の前記切換機構とを備え、
前記制御装置は、
前記自動段取り替え機構による段取り替えが行われている状況下において、前記複数の供給装置のうちの2以上のものの交換の前記許容状態が実現されるように、前記複数の切換機構のうちのそれら2以上のものに対応するものの作動を制御するように構成された請求項3に記載の対基板作業機。
【請求項5】
当該対基板作業機は、
前記禁止状態と前記許容状態との切換を操作する操作スイッチを有し、
前記制御装置は、
変更後の回路基板の種類を入力するための基板種入力エリアを含む画面を表示装置に表示する表示部と、
前記基板種入力エリアに回路基板の種類が入力された後に段取り替えを自動で行うべく、前記自動段取り替え機構の作動を制御する自動段取り替え実行部と、
前記表示部によって前記基板種入力エリアを含む画面が表示された後に、前記操作スイッチの操作によって前記許容状態を実現するべく、前記切換機構の作動を制御する手動段取り替え状態実現部とを有する請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の対基板作業機。
【請求項6】
前記表示装置は、タッチパネル式の表示装置であり、
前記表示部は、前記基板種入力エリアと、前記操作スイッチとして機能するタッチボタンエリアとに区分けされた画面を前記表示装置に表示し、
前記手動段取り替え状態実現部は、前記タッチボタンエリアにおける操作によって前記許容状態を実現するべく、前記切換機構の作動を制御するように構成された請求項5に記載の対基板作業機。
【請求項7】
前記表示部は、
前記基板種入力エリアと、前記タッチボタンエリアと、前記自動段取り替え機構による段取り替えの実行状態と前記手動段取り替えの実行状態とを表示するための表示エリアとに区分けされた画面を前記表示装置に表示するように構成された請求項6に記載の対基板作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−248775(P2012−248775A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121193(P2011−121193)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】