説明

対象体検出方法

本出願は、子どもモニターシステム及び対象体に関するセンサの位置に依存せずセンサの下を通過する子どもと大人を検出して区別する方法が記載されている。本システムは人物が立つ表面への距離を決定し、この距離からの参照距離及び望ましい閾値を決定する。人物がセンサ領域に入ると、人物の頭の頂上への距離が参照距離と比較され、人物が大人か子供かを決定する。大人とは逆に子どもが検出される場合には警告が与えられ、大人が近隣にいる場合には警告は与えられない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には対象体、具体的には人の検出の方法及びシステムに関する。より具体的には、限定されるものではないが、本発明は子供をモニターするシステムであって、子供にとって危険であり得る領域に入る子供と大人とを区別するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
親は、子供の保護と世話をすることと、個性を伸ばす助けになる自由と機会を子供に与えることとの間のジレンマに悩む。子供の多くの事故や意図しない傷害が、大人が監視していない場合に、子供が家の潜在的に危険な領域へ入り込むことから起こることがしばしばある。
【0003】
従って、このような子供の事故の発生を避けるため、親は通常バリアを設ける。しかし多くの場合、子供が潜在的に危険な領域へ入ろうとすることを親に警告するだけで十分であり、子供がそこに入ることを阻止するバリアを立てる必要はなく、かかるバリアは他の家族にとって不便な存在となり得る。
【0004】
US2005/0122224には、電子フェンスシステムが開示されている。これは、周辺にセンサが設けられており、子供が電子送信装置を身につけ、この送信装置該センサと相互作用する、というものである。このようなシステムは、モニターされる子供又は他の個人が常にかかる送信装置を身につけることを前提とするものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、一般的には対象体、具体的には人の検出の方法及びシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面によれば、表面上に設けたセンサを用いて対象体を検出するための方法であり、前記方法は:前記センサから前記表面への第1の距離を決定し、前記センサから対象体への第2の距離を決定し、さらに前記第1の距離及び第2の距離に依存して警告を与えるかどうかを決定する、ことを含む。
【0007】
前記第1の距離及び高さ閾値に基づいて参照距離を決定することにより、前記センサはその配置位置と独立して操作可能となり、前記センサ自体の前記望ましい高さ閾値に対する高さを調節することを必要としなくなる。これは配備を簡単なものとする。
【0008】
前記参照距離の決定は、前記第1の距離から前記高さ閾値を差し引くことを含む。
【0009】
本方法は、前記第2の距離が前記参照距離を超える場合に警告を与えることを含む。これは、前記選択された高さ閾値よりも低い個人、特に子供が検出される場合に該当する。
【0010】
本方法はさらに、前記第1の距離から前記第2の距離を差し引いて前記対象体の高さを決定することを含み、さらに前記対象体の高さを高さ閾値と比較して警告を与えるかどうかを決定することを含む。
【0011】
又は、本方法は、前記対象体に対して前記センサの既知角度に基づき前記第2の距離を測定し、かつ前記測定された第2の距離、前記第1の距離及び前記角度に基づいて、前記対象体の高さを計算することを含む。
【0012】
前記センサは従って、ドアの枠又は他の支持構造にある角度で設けることができ、かつ近づいてくる対象体の前記高さを計算することができる。
【0013】
本方法は、前記比較の結果を、警告をユーザに与えるための1以上の規則と組み合わせて用いることで警告を与えることを含む。全ての規則の数は状況により特定され得る。例えば、簡単な場合、子供が前記センサ内を通過する場合に与えるが、大人が前記センサ内を通過する場合には与えない、ということがあり得る。他の例では、子供がセンサ内を通過する際に起こされる警告は、既定の時間枠内で大人が前記センサ内を通過する場合には抑制される、ということがあり得る。又は、子供が入ろうとする領域に既に大人がいる場合には警告は抑制される、ということがあり得る。
【0014】
警告を与えることは、少なくとも1つの音響的又は視覚的警告装置を操作すること、及び電子メッセージを送ることを含むことができる。又は、警告は振動装置により触覚的フィードバックを含み得る。
【0015】
前記第1の距離の決定は、較正段階で実行され得るか、前記装置の運転中で例えば既定の間隔であって前記装置がアイドリングしている間に実行され得る。
【0016】
本方法はさらに、前記センサとカップルされた処理装置システムにイベントエントリとして前記対象体の前記検出を記録することを含む。これは例えば、大人が既に居る領域に、続いて子供が入るということを決定する機能を可能とするものである。
【0017】
本発明の第2の側面によれば、表面上に配置された対象体検出のためのシステムが提供され、前記システムは、前記対象体を検出するための支持体に配置されるセンサと、前記センサから前記センサ下の前記表面への第1の距離を決定する手段と、前記センサから対象体への第2の距離を決定するための手段と、さらに前記第1及び第2の距離に依存して警告を与えるかどうかを決定する手段を含む。
【0018】
請求される手段の全てが、前記サンサからのシグナルを受け取る1つのプロセッサで実行されてよい。
【0019】
前記センサは、前記対象体に対してある角度で設けられてよく、モニターされる望ましい領域に依存して該配置に柔軟性を与える。
【0020】
本システムは、第1及び第2のセンサを含み得る。ここで前記第1のセンサは前記センサ下の子供を検出するための狭いビームを持って設けられ、かつ前記第2のセンサは、前記センサからずっと離れた大人を検出するためにより広いビームをもって設けられる。その結果、でなければ与えられる警告を抑制し得る。前記2つのセンサは、子供又は大人が潜在的に危険な領域に入った、又は出たかについて決定するために使用され得る。
【0021】
本発明のこれら及び他の側面は、以下記載される実施態様を参照して明らかとなるであろう。本発明の実施態様は以下図面を参照しつつ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の1つの実施態様による、子供モニターシステムの模式的ブロックダイヤグラムである。
【図2】図2は、図1の子供モニターシステムで使用される1例を示す。
【図3】図3は、図1の子供モニターシステムの操作段階での第1の実施態様を示す。
【図4】図4は、図1の子供モニターシステムの操作段階での第2の実施態様を示す。
【図5】図5は、図1の子供モニターシステムを支持体への配置を示す。
【図6】図6は、前記センサが図5により配置された図1の子供モニターシステムの操作段階での第3の実施態様を示す。
【図7】図7は、図1の子供モニターシステムにより検出される対象体の測定された高さを、時間の関数として表したグラフである。
【図8】図1の子供モニターシステムを図3の実施態様により操作されている第1のスキームを示すフローダイヤグラムである。
【図9】図9は、図4の実施態様により操作される図1の子供モニターシステムの第2のスキームを示すフローダイヤグラムである。
【図10】図10は、図6の実施態様により操作される、図1の子どもモニターシステムの第3のスキームを示すフローダイヤグラムである。
【図11】図11は、複数の子どもモニターシステムが更新可能にリンクされ、さらに進んだ適用を支持するためにマスタ制御ユニットを介して制御される、1つの模式的ブロックダイヤグラムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は本発明の1つの実施態様による子どもモニターシステム100の模式的ブロックダイヤグラムを示す。システム100はセンサ102がドア枠などの支持体104の上に設けられる。支持体104は基礎106へ確保されている。ここで基礎106は又床などの表面106として参照される。センサ102は例えば、超音波発信装置であり、音波をパルス上に発信し前記パルスからのエコーのタイミングから前記センサ102からターゲットとの距離を決定することを可能とする。又は、光電子センサ、レーザーセンサ又は赤外線センサ又な他のタイプのセンサであって同様の機能を持つものが、前記センサ102として使用され得る。
【0024】
超音波発信装置102の使用は、実質的には、誤警告の頻度を低減させる。というのは、超音波シグナルは壁や他の同様の構造を透過できないからである。RFIDシステムなどの無線周波数(RF)シグナルの代わりに超音波シグナルを用いることはまた、親にとってより安全なものと認識され得る。さらに、対象体はRF同定タグを持つことや身につけることを要求されない。一例として、超音波発信装置は、発振周波数が21から170kHzでビーム角度が21°未満の特徴を持つ。異なるビーム角度やビーム形状が異なる状況では使用され得る。例えば、より広いビームは、システム100をドア通路に配置することを可能にし、コーン形状のビームはシステム100が台所での熱いストーブを保護するように配置することを可能とする。
【0025】
システム100はまた、処理装置システム108を含み、これはセンサ102と接続されている。この処理装置システム108はまた、RF送受信装置110、音響的警告装置112、視覚的警告装置114及び振動警告装置115と接続されている。RF送受信装置110は電子メール送信、ショートメッセージサービス(SMS)メッセージ又はボイスメッセージのために設けられ得る。1つの実施態様では、処理装置システム108は、マイクロプロセッサ116及び記憶装置118を持つ埋め込型コンピュータである。記憶装置118は、半導体ドライブ(SSD)であって、メモリモジュールとしてスタティックRAM(SRAM)又はダイナミックRAM(DRAM)を使用可能である。場合により、記憶装置118はまた、通常のハードドライブ、磁気テープ記憶装置などであってよい。さらに処理装置システ108は好ましくは埋め込み型のリアルタイムオペレーションシステム(例えばRT−INUX、MicroC/OS−II、QNX又はVxWorks)がインストールされ、さらに種々のソフトウェアコンポーネント及び/又はドライバが含まれ、これらにより、リアルタイムシステム処理を管理(例えば、メモリ管理、記憶装置制御、電力管理など)し、かつ前記処理装置システム108内の種々のハードウェア及びソフトウェアのコンポーネント間の相互交信を実行するものである。1つの実施態様では、システム100は、独立したスタンドアロン装置であって、小さな形状を持ち、容易にかつ簡便にあらゆる場所に設置され得るものである。
【0026】
音響警告装置112は、複数の既定のプログラムに沿った音響警告メッセージを記憶させることができ、また警告メッセージを与える場合にそのボリュームを調節可能とするものである。一方、視覚的警告装置114は、光をフラッシュするか、又は他の同様なメカニズムであって活性化されて警告が与えられることにより大人の注意を引くものである。処理装置システム108はさらに、交信リンク120を介してセンサ102と接続される。これは好ましくはワイヤレスであり、例えばブルートゥース、ワイヤレスユニバーサルシリアルバス(WUSB)、ワイヤレスフィデルティ(Wi−Fi)又は全ての同等の当業者に知られた交信プロトコールを用いるものである。又は交信リンク120はまた、従来の有線手段によって確立してもよい。
【0027】
図2は、本システム100を配置する1例を示すものであり、異なる時間で支持体104を通過する大人202及び子ども204を検出しかつ区別するものである。示されるように、システム100は、子ども204が支持体104を通って、第1の検出条件206によりモニターされる領域へ入る際に、監視する大人に警告するものである。前記第1の検出条件206の生成は、クロス208で示されるように、許容されないイベントとしてシステム100の除外処理を引き起こす。しかしシステム100は、第2の検出条件208により同じ領域に入る大人を検出する際には作動せず警告を与えない。これはチックマークで示されるようにシステム100により許容されるイベントとして分類される。
【0028】
図3は、システム100の操作段階を示し、これらは、次のように分類される。較正段階302、大人検出段階304及び子ども検出段階306である。大人及び子ども検出段階304、306は又、対象体検出段階としてまとめてもよい。較正段階302では、システム100は第1の距離308を測定し、前記センサ102と基礎106間の距離として定められる。前記第1の距離308はDとされる。具体的には、前記第1の距離308は、センサ102が設けられる位置により変動する。従って、再較正が、システム100が新たな位置へ配置されるか新たな位置へ移動される場合に必要となる。較正段階302は種々の手段により開始され得る。例えばシステム100により与えられる関連するボタンを押す場合、センサ102の電力供給のための電池の交換後に再較正する場合、しばらくの間なんらの対象体も検出されない場合に第1の距離の分析を実行する場合、などである。場合により、システム100は、対象体測定の精度が維持されていることを確認するために既定の間隔で自動的に較正段階302を実行するように較正されていてよい。
【0029】
次に、支持体104を通過する対象体に対して、監視する大人(図示されていない)の高さで区別するために、システム100は閾値310を定める。これはまた高さ閾値として参照する。これは、監視する大人が通過を抑制したい子どもの最大高さよりも大きいものであってもよいし、警告を与えることなく通過可能である他の子ども又は大人の高さより低いものであってよい。閾値距離310はDTHと参照される。
【0030】
システム100で検出される高さが前記閾値距離310よりも低い場合、警告が与えられる。対象体が前記閾値よりも高い場合には警告は要求されない。従って、前記閾値310は前記システム100の感度を定め、また誤警告の頻度を定めることとなる。容易かつ簡便のために。システム100は場合により既定の「閾値プロフィル」を含み、監視する大人が、システム100が配置される環境に合わせてシステム100を操作して適切な閾値距離310を選択する。逆に、システム100はまた、監視する大人が手動で適切な閾値距離310を入力することができる。
【0031】
対象体検出段階304及び306の間、システム100は第2の距離312を測定し、センサ102と対象体の頂上部(例えば大人202又は子ども204の頭)間の距離を定める。対象体は検出間、しばらく、好ましくは、センサ102の垂直下に位置する。第2の距離312をDとする。システムは第3の距離314を計算し、ここではそれを参照距離とする。これは前記第1の距離308から前記閾値距離310を差し引いた値である。参照距離314は、Dとして次のように表される。
=D−DTH (a)
従って、参照距離314は前記第2の距離312と比較され、決定値を得る。1つの実施態様では、警告は、前記決定値に基づき、以下の規則に従い与えられる。
がDよりも小さい場合、
警告はしない。
がDよりも以上である場合、
警告を与える。
【0032】
具体的に、規則(A2)は、子ども204の検出に関し、子ども検出段階306の下に分類される。規則(A1)は大人の検出に監視、大人検出段階304の下に分類される。この一組の規則は、Dが十分に近いがDとは異なる場合には警告は要求されないことを述べる規則に拡大され得る。というのはこのことは、(1)子ども以外の何かが検出されたこと(ペット、おもちゃなど)を示すか又は(2)可能な測定ノイズに対する耐久性を確認するためである。
【0033】
図4に示される他の実施態様において、参照距離314の場所で、対象体の高さ(対象体高さと参照する)402が代わりに、大人202又は子ども204が支持体104を通過したかどうかを検出するために使用される。対象体高さ402はDと表され、次の式に示されるように、第2の距離から第1の距離を差し引いて計算される。
=D−D (b)
その後、対象体高さ402が前記閾値距離310(DTH)と比較して決定値を得る。1つの実施態様では、前記決定値に基づいて前記システム100による警告を与える決定が以下の規則によりなされる。
がDTHより大きい場合、
警告は要求されない;
がDTH以下であれば、
警告を与える;
図3の実施態様と同様に、規則B(2)は子ども204の検出に関し、子ども検出段階306の下に分類される。規則(B1)は従って大人202の検出に関し、大人検出段階304の下に分類される。同様に、この規則の組みはまた、Dが十分にDに近いが等しくない場合に警告を要求しないことを述べる規則を含むことができる。というのは、これは(1)子ども以外の何かが検出された(ペット又はおもちゃ)か、又は(2)潜在的な測定ノイズに対するいくらかの耐性を確認するためだからである。
【0034】
図5は、前記システム100のセンサ102の支持体104への配置構成を示す。センサ102を、ドアの垂直枠などの支持体104の頂上部に直接設けることに加えて、センサ102はその代わりに、他の実施態様で、図5で示されるように支持体104の水平又は垂直軸に関して配置角度502で確保され得る。特に、かかる配置構成の下では、較正段階302は、配置角度502同様、第1の距離308の決定も含む。さらに、センサ102はまた、支持体104に旋回可能に設けられて配置角度502がフレキシブルに調節可能とされ種々の異なる状況下で対象体検出を可能とする。この配置構成の利点の1つは、前記センサにより受け取られるデータは、人物が動く方向に依存し得るということである。特に対象体がセンサから遠ざかる場合、センサによる受け取られるシグナルの周波数はドップラシフトにより減少され、対象体がセンサに近づく場合には増加されることとなる。かかる周波数シフトはさらに動きの方向を決定するために使用され得る。
【0035】
図5に示される配置によれば、図6で示される他の実施態様があり、対象体検出段階304及び306の際に使用されるために対象体高さ402が計算されることを可能とする。この実施態様では、センサ102は既に支持体104上に、基礎106に関して望ましい配置角度502でかつ既知の第1の距離308で設けられていること、を前提とする。さらに、センサ102はまた、支持体104下に位置する対象体604への複数の方向(即ち、ビーム角度602a、602bの範囲)で測定を実施できるように予め構成されている。ビーム角度602a及び602bは基礎106に垂直の軸に関して定められ、αを用いて表され得る。ビーム角度602a及び602bに対応して、対角距離606a及び606bの得られる範囲はその後センサ102で測定され得る。前記対角距離は、前記センサ102から対象体604の頭への空間的に測定された長さとして定義され、DDIAと表される。従って、前記第1の距離308,前記測定された対角距離606a及びビーム角度602a(即ち[D、DDIA、α])を含む具体的データ組みが三角関数を用いて容易に計算できる。対象体高さ402は次のように表される;
= D−DDIACOS(α) (c)
上記により、対象体高さ402の値の範囲を得ることができ、これらを統計的に平均して、前記対象体604の近似高さプロフィル(DH’)を得ることができる。さらに、前記高さプロフィルを前記閾値距離310(DTH)と比較して決定値を得る。1つの実施態様では、前記システム100は、前記決定値に依存して及び以下の規則に従って警告を与えるかどうかを評価することとなる。
H’がDTHを超える場合には、
警告は与えない;
H’がDTH以下の場合には、
警告を与える。
【0036】
規則(C2)は、子ども204が子どもの検出段階306の下にいると分類される。同様にこの規則の組みはまた、前記高さプロフィル(DH’)が十分にゼロに近いがゼロではない場合には警告は要求されないことを述べる規則を含む。というのはこれは(1)子ども以外のなにかを検出(ペットやおもちゃなど)したことを示すか、(2)潜在的な測定ノイズに対するいくらかの耐性を確保するものであるからである。また次の点が理解されるべきである。即ち、αがゼロ(即ち、COS(α)が値1となる)の特別な場合においては式(c)は次の形となる、ということである。
=D−DDIA (d)
さらに、他の実施態様では、拡張された規則の組みがまた前記システム100で既定されて、図3から6に示される実施態様について列記された上記の基本的規則を捕捉することができる。
(D1) 子どもが検出されかつ大人が特定の時間の前又は後に検出される場合には、警告は与えられない。複数のセンサがその代わりにこの場合のために使用され得る。ひとつは子供を検出し、他のセンサがより広い検出角度で大人の存在を検出する。
(D2) 子どもが検出され、動き方向もまた検出される場合。警告は、その方向がある方向の場合には与えられ、他の方向の場合には与えられない。例えば、子どもが内部から外部へ移動している場合には外部ドアで警告が与えられるが、外部から内部へ移動している場合には与えられない。
(D3) ドアが閉じている場合には警告は与えられない。
(D4) モニターされている部屋又は領域に大人が既に存在すると記録されているところへ子どもが通過する場合には、警告は与えられない。
(D5) 警告は一日の時間又は照明条件に依存し得る。例えば警告は夜間にのみ作動するか、モニターされている特定の領域が暗い場合である。
(D6) 子どもが潜在的に危険な領域に入ったが特定の時間内に戻る場合には、警告は与えられない。
【0037】
さらに、拡張規則の組みが処理装置システム108の記憶装置118に記憶され得る。さらに、規則テンプレートもまた場合により、前記システム100と共に提供され、監視する大人が、必要な際にはすべての拡張規則を定めることができる。対応する規則管理プログラムはまた、前記システム100と共に提供され、そこで定められる全ての規則を管理する(例えば追加する、削除する)。対象体の検出が前記システム100でなされると、前記対象体の詳細が電子的に前記システム100に、イベントエントリとして前記処理装置システム108に記憶されるログファイルに記録される。記録された詳細は好ましくは、検出された対象体の高さ、検出された時間、対応する規則及などが含まれる。さらに、かかるイベントエントリはまた、システム100の選択できる特性として与えられてもよい。即ち、例えば大人の検出に関する特定のタイプについてはプライバシ保護の観点から記録されない、などということである。
【0038】
図7は、システム100で検出された対象体の測定高さの時間を関数としたグラフ700を示す。グレー部分702は、閾値距離310が定められた領域であり、点線704部分はその一例である。従って、グラフ700に示されるスパイク706のそれぞれは、前記システム100で検出されたそれぞれの対象体の測定参照距離314の時間依存性である。閾値距離704を超えるこれらのスパイク706はそれぞれ子どもの検出事象を示し、警告がシステム100により与えられる必要のあるシグナルを示す。
【0039】
図8は、図3に示される実施態様により操作されるシステム100の下で第1のスキーム800のステップを模式的に示すフローダイヤグラムである。ステップ802で、システム100はセンサ102から測定されるように第1の距離308を決定する。支持体104は、前記センサ102が設けられており、基礎106に確保されている。次にステップ804で前記センサ102から検出される対象体への第2の距離312が決定される。その後ステップ806で、閾値310が第1の距離308から差し引かれて参照距離314を得る。
【0040】
その後ステップ808で、第2の距離312は参照距離314と比較されて決定値を得る。ステップ810で、前記決定値が既定の規則の組みと組み合わされて、対象体の検出された特徴に応じて警告を与えるかどうかを決定する。1つの実施態様において、警告を与えるかどうかの決定は、警告を与えないか、及び警告を与えるか電子メッセージを送信するかの少なくとも1つを行うことを含む。電子メッセージには少なくとも1つの次のものが含まれる。即ち、ショートメッセージサービス(SMS)及びボイスメールメッセージである。最後にステップ812で、システム100は、対象体の検出を、対応するイベントエントリとして処理装置システム108に記憶されるログファイルへ記録する。
【0041】
図9は、図4に示される実施態様により操作されるシステム100の下で第1のスキーム900のステップを模式的に示すフローダイヤグラムである。ステップ902でシステム100はセンサ102から基礎106への第1の距離308を決定する。センサが設けられる支持体104は基礎106に確保されている。次にステップ904で、センサ102から検出されるべき対象体への第2の距離が測定される。さらにステップ906で第2の距離312が第1の距離から差し引かれて対象体高さ402を得る。
【0042】
その後ステップ908で、対象体高さ402は閾値距離310と比較して決定値を得る。ステップ910で前記決定値を既定の規則の組みと組み合わせて前記対象体の特徴に応じた警告を与えるかどうかを決定する。1つの実施態様では、警告を与えるかどうかの決定は、警告を与えないか、及び警告を与えるか電子メッセージを送信するかの少なくとも1つを行うことを含む。電子メッセージには少なくとも1つの次のものが含まれる。即ち、ショートメッセージサービス(SMS)及びボイスメールメッセージである。最後にステップ912で、システム100は、対象体の検出を、対応するイベントエントリとして処理装置システム108に記憶されるログファイルへ記録する。
【0043】
図10は、図6に示される実施態様により操作されるシステム100の下で第1のスキーム1000のステップを模式的に示すフローダイヤグラムである。ステップ1002でシステム100はセンサ102から基礎106への第1の距離308を決定する。又は第1の距離308は事前に与えられていてもよい。センサが設けられる支持体104は基礎106に確保されている。次にステップ1004ではシステム100で、センサ102によりセンサに関してビーム角度602a及び602bが読み取られて測定される。さらにステップ1006で、対角距離606a及び6060bがセンサ102により測定される。前記対角距離は、センサ102から対象体604の頭への空間的に測定された距離を定める。
【0044】
その後ステップ1008で、全ての測定された対角距離606a及び606bが統計的に平均かされて高さプロフィル(DH’)を得る。これが対象体604を表す。高さプロフィル(DH’)はその後ステップ1010で、閾値距離310と比較されて決定値を得る。ステップ1012で、前記決定値を既定の規則の組みと組み合わせて前記対象体の特徴に応じた警告を与えるかどうかを決定する。1つの実施態様では、警告を与えるかどうかの決定は、警告を与えないか、及び警告を与えるか電子メッセージを送信するかの少なくとも1つを行うことを含む。電子メッセージには少なくとも1つの次のものが含まれる。即ち、ショートメッセージサービス(SMS)及びボイスメールメッセージである。最後にステップ1014で、システム100は、対象体の検出を、対応するイベントエントリとして処理装置システム108に記憶されるログファイルへ記録する。
【0045】
さらなる実施態様では、システム100は図11に示されるような複数のシステム100と類似の他のシステムと共にネットワークすることが可能である。具体的には、複数のシステム100が交信可能にリンクされ、マスタ制御ユニット1102を介して制御される。マスタ制御ユニット1102と複数のシステム100間の交信リンク1104は従来技術の有線又は無線手段で当業者に知られた手段を用いて構成可能である。又は無線交信はシステム100間でマスタ制御ユニット1102を介さなくても実施可能である。
【0046】
さらに、本発明の実施態様において、図8から10のそれぞれのスキーム800,900,1000はコンピュータ読み取り可能な媒体上のコンピュータ読み取り可能なコードとして実現され得る(即ちプログラム指令)。コンピュータ読み取り可能な媒体は全てのデータ記憶装置が含まれ、後のコンピュータシステムにより読み取られ得るデータを記憶する全てのデータ記憶装置が含まれる(可動性及び非可動性装置の両方が含まれる)。コンピュータ読み取り可能な媒体の例には、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD−ROM、フラッシュメモリカード、DVD、ブルーレイディスク、磁気テープ、光学データ記憶装置及びキャリア波が含まれる。コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、ネットワークに接続されるコンピュータシステムを介して分散され、コンピュータ読み取り可能なコードが記憶され、分散形式で実行される。
【0047】
本発明の例は子どもモニターシステム及び対象体に関するセンサの位置に依存せずセンサの下を通過する子どもと大人を検出して区別する方法が記載されている。本システムは人物が立つ表面への距離を決定し、この距離からの参照距離及び望ましい閾値を決定する。人物がセンサ領域に入ると、人物の頭の頂上への距離が参照距離と比較され、人物が大人か子供かを決定する。大人とは逆に子どもが検出される場合には警告が与えられ、大人が近隣にいる場合には警告は与えられない。
【0048】
本発明は図面及び詳細な記載に基づいて説明された。これらの説明及び記載は、説明をするため、又は例示するためだけのものであり、本発明はこれらの実施態様になんら限定されるものではない。
【0049】
開示された実施態様の他の変法・変形は、請求される本発明を実施する当業者には理解され得るものであり実施され得るものである。特許請求の範囲において、用語「含む」は、他の要素、エレメント又はステップを除外することを意味するものではない。不定冠詞「1つの」は複数を除外するものではない。単一の処理装置又は他のユニットは請求項に記載のいくつかの事項の機能を完全に実行することができる。ある手段が異なる従属請求項に記載されているという事実は、これらの事項の組み合わせが有効でないということを意味するものではない。
【0050】
請求項中のすべての参照符号などは請求項の範囲を限定するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面上に設けられたセンサを用いて対象体を検出する方法であり、前記方法は:
前記センサから前記表面への第1の距離を決定し;
前記センサから対象体への第2の距離を決定し;及び
前記第1及び第2の距離に依存し警告を与えるかどうかを決定する、ことを含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であり、さらに:
前記第1の距離及び高さ閾値に基づき参照距離を決定し;
前記第2の距離と前記参照距離とを比較し;及び
前記比較の結果に依存して前記警告を与えるかどうかを決定する、ことを含む方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であり、前記参照距離の決定が、前記第1の距離から前記高さ閾値を差し引くことを含む、方法。
【請求項4】
請求項2又は3のいずれか1項に記載の方法で、前記第2の距離が前記参照距離を超える場合に警告を与えることを含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法で、さらに:
前記第2の距離を前記第1の距離から際し引いて前記対象体の高さを決定し;及び
前記対象体の前記高さを高さ閾値と比較して警告を与えるかどうかを決定することを含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であり:
前記センサの既知の角度に基づく前記第2の距離を測定し;及び
前記測定された第2の距離、前記第1の距離及び前記角度に基づいて前記対象体の前記高さを計算することを含む、方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法であり、ユーザへの警告を管理する1以上の規則と組み合わせて警告を与えることを含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であり、子どもが前記センサの下を通過する際に警告を与え、大人が前記センサの下を通過する際には与えない、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であり、1上の規則で定められる条件により、前記センサの下を子どもが通過する結果として与えられる警告を抑制することを含む、方法。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法であり、前記第1の距離の決定が較正段階の間で実施される、方法。
【請求項11】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法であり、前記第1の距離の決定が、前記センサの操作の間の既定の間隔で実施される、方法
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法であり、さらに:
前記対象体の前記検出を、前記センサに接続された処理装置システムのイベントエントリとして記録することを含む、方法。
【請求項13】
コンピュータプログラムであり、プロセッサ上で実行され、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される、コンピュータプログラム。
【請求項14】
表面に位置する対象体を検出するためのシステムであり、前記システムは:
前記対象体を検出するために、支持体に設けられるセンサ;
前記センサから前記センサの下の前記表面への第1の距離を決定する手段;
前記センサから対象体への第2の距離を決定する手段;及び
前記第1及び第2の距離に依存し警告を与えるかどうかを決定する手段、を含むシステム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであり、前記センサは第1のセンサを含み、さらに第2のセンサを含み、前記第1のセンサが、前記センサの下の子どもを検出するための狭いビームを持つように構成され、前記第2のセンサが、前記センサからさらに離れた大人を検出するためのより広いビームを持つように構成されている、システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公表番号】特表2012−529647(P2012−529647A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514581(P2012−514581)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【国際出願番号】PCT/IB2010/052541
【国際公開番号】WO2010/143136
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】