説明

対象検出装置およびそのプログラム

【課題】初期に撮影画像の全領域を指定する検出枠を形成するので、検出対象を途中で見失ったような場合には、撮影画像全体を検知枠とするため画像処理に時間がかかる。
【解決手段】画像を登録枠で指定して登録する画像登録手段103と、登録枠をもとに画像検出手段104が検出対象を探索すべき標準領域を決定して記憶するための標準検出枠記憶手段106と、探索すべき領域を決定するための検出枠決定手段107を備え、検出枠決定手段107は選択した検出対象に応じて標準検出枠をもとに検出枠を決定するようにしたことで、画像により対象を検出する際に、予め対象が決まっている場合には、検出対象をいったん検出するまで、あるいは途中で検出対象を見失った場合でも、対象の検出対象登録時の状況をもとに探索領域を決定して効率的な画像処理で対象を検出する対象検出装置を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部屋などの領域内で予め登録した画像との特徴の一致度により撮影した画像から特定の物や人を抽出する対象検出装置およびそのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の対象検出装置では、検出枠形成手段は、初期には撮影画像の全領域を指定する検出枠を形成し、その後撮影フレーム毎に検出手段(撮影画像から特定色のクロマキー像を検出する手段)が検出した時にはその検出した対象の位置および大きさに対応した検出枠を形成するものであった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図7は従来の対象検出装置での検出枠を示すものである。座標x1,y1およびx2,y2に格納される値は、対象検出(クロマキー検出)がなされる領域を表わすものであって、座標値(x1,y1),(x2,y2)は検出枠サイズを指定する対角要素に相当する。SF1は、座標値x1,y1が(0,0)で、座標値x2,y2が(95,95)の、撮影画像の全領域に該当する検出枠で、初期状態において設定される検出枠である。
【0004】
その後、対象であるクロマキー像の検出を行い、クロマキー像の左端/右端座標および上端/下端座標を算出し記憶を行い、実画像から図10中斜線で示したような検出対象であるバット像BATがクロマキー検出されたとする。つまり、バット像BATの左端座標LP(LPx,LPy)、右端座標RP(RPx,RPy)、上端座標TP(TPx,TPy)および下端座標BP(BPx,BPy)がそれぞれ検出されたとする。
【0005】
このように検出対象が検出できた場合には、マージンをこの例では5ブロックとして、検出された左端座標LPのx座標LPxを5ブロック分減算し、これをレジスタx1にセットする。この例の場合、レジスタx1には、(LPx−5)がセットされる。同様に、検出された上端座標TPのy座標TPyを5ブロック分減算し、レジスタy1には(TPy−5)をセットし、検出された右端座標RPのx座標RPxに5ブロック分加算し、レジスタx2には(RPx+5)をセットし、検出された下端座標BPのy座標BPyに5ブロック分加算し、レジスタy2には(BPy+5)をセットする。
【0006】
そして、この結果、検出枠の座標であるレジスタx1,y1にそれぞれ(LPx−5),(TPy−5)がセットされ、レジスタx2,y2にそれぞれ(RPx+5),(BPy+5)がセットされ、この座標を対角要素とする矩形領域であるSF2が新たな検出枠となり、以後、この検出枠SF2に基づいてクロマキー検出がなされる。
【0007】
画像全体について検出対象が検出できなかった場合には、初期に設定した検出枠で検出を行うものである。
【特許文献1】特開平7−282236号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来の構成では、設置されたマーカーの検出等のように、予め対象が決まっている場合も、検出対象をいったん検出するまでや途中で検出対象を途中で見失った場合には、撮影画像全体を検知枠として設定するため、画像処理に時間がかかるという課題を有していた。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、予め対象が決まっている場合には、それに応じた検出枠を決定するので、検出対象をいったん検出するまで、あるいは途中で検出対象を見失った場合でも効率的な画像処理で対象を検出する対象検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記従来の課題を解決するために、周囲の状況を撮影する撮影手段と、検出すべき1つまたは複数の特定対象の画像を登録枠で指定して登録するための画像登録手段と、前記撮影手段で撮影した画像に対して処理を行い前記画像登録手段に登録した特定対象を検出するための画像検出手段と、前記画像登録手段に登録した特定対象の画像のうちのいずれかを検出対象として選択するための検出対象選択手段と、前記画像登録手段での登録枠をもとに前記画像検出手段が検出対象を探索すべき標準領域を決定して記憶するための標準検出枠記憶手段と、前記画像検出手段が検出対象を探索すべき領域を決定するための検出枠決定手段を備え、前記検出枠決定手段は前記検出対象選択手段で選択した検出対象に応じて前記標準検出枠記憶手段に記憶された標準検出枠をもとに検出枠を決定する対象検出装置としたものである。
【0011】
これによって、予め対象が決まっている場合には、それに応じた検出枠を決定するので、検出対象をいったん検出するまで、あるいは途中で検出対象を見失った場合でも、対象の検出対象登録時の状況をもとに探索領域を決定して効率的な画像処理で対象を検出する対象検出装置を提供することができる。
【0012】
また、画像登録手段により登録された検出すべき特定対象の画像の各々についての検出枠を記憶するための検出枠記憶手段を備え、前記検出枠記憶手段は、検出枠決定手段が決定した検出枠の領域内で所定時間内に検出対象を検出できた場合には、検出枠決定手段が決定した検出枠の記憶を行い、前記検出枠決定手段は、前記検出枠記憶手段に記憶された検出枠を該当する検出枠として決定して、所定時間内に検出対象を検出できた場合には、検出枠の記憶を残していくことで、より検出対象に適した検出枠で効率的に画像処理を行い、対象を検出することもできる。
【0013】
また、撮影範囲の位置情報を有するマップを記憶する撮影範囲マップ記憶手段と、撮影手段の位置情報を入力するための撮影位置情報入力手段を備え、検出対象選択手段は、前記撮影位置情報入力手段の入力に応じた検出対象を選択し、検出枠決定手段は前記検出対象選択手段で選択した検出対象に応じた検出枠を決定するようにして、検知対象と撮影手段との位置関係を把握することで、検出対象と自己の位置関係から検出すべき対象を自動的に認識して、それに応じた検出枠を決定するので、撮影手段の撮影方向が切り換えられたり、撮影位置が変更になったりした場合にも、より検出対象に適した検出枠で効率的に画像処理を行い、対象を検出することもできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の対象検出装置は、撮影した画像から対象を検出する際に、検出枠決定手段が検出対象選択手段で選択した検出対象に応じた検出枠を決定するので、予め対象が決まっている場合には、検出対象をいったん検出するまで、あるいは途中で検出対象を見失った場合でも、対象の検出対象に応じた探索領域を決定して効率的な画像処理で対象を検出する対象検出装置を提供することができる。
【0015】
また、画像登録手段により登録された検出すべき特定対象の画像の各々について、検出枠決定手段が決定した検出枠の領域内で所定時間内に検出対象を検出できた場合には、検出枠の記憶を残していくことで、より検出対象に適した検出枠で効率的に画像処理を行い、対象を検出することもできる。
【0016】
また、撮影範囲の位置情報を有するマップを記憶する撮影範囲マップ記憶手段と、撮影位置情報入力手段により、検知対象と撮影手段との位置関係を把握することで、検出対象と自己の位置関係から検出すべき対象を自動的に認識して、それに応じた検出枠を決定するので、撮影手段の撮影方向が切り換えられたり、撮影位置が変更になったりした場合にも、より検出対象に適した検出枠で効率的に画像処理を行い、対象を検出することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
請求項1に記載の発明は、周囲の状況を撮影する撮影手段と、検出すべき1つまたは複数の特定対象の画像を登録枠で指定して登録するための画像登録手段と、前記撮影手段で撮影した画像に対して処理を行い前記画像登録手段に登録した特定対象を検出するための画像検出手段と、前記画像登録手段に登録した特定対象の画像のうちのいずれかを検出対象として選択するための検出対象選択手段と、前記画像登録手段での登録枠をもとに前記画像検出手段が検出対象を探索すべき標準領域を決定して記憶するための標準検出枠記憶手段と、前記画像検出手段が検出対象を探索すべき領域を決定するための検出枠決定手段を備え、前記検出枠決定手段は前記検出対象選択手段で選択した検出対象に応じて前記標準検出枠記憶手段に記憶された標準検出枠をもとに検出枠を決定するようにしたことで、画像により対象を検出する際に、予め対象が決まっている場合には、検出対象をいったん検出するまで、あるいは途中で検出対象を途中で見失った場合でも、対象の検出対象登録時の状況をもとに探索領域を決定して効率的な画像処理で対象を検出する対象検出装置を提供することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、特に、請求項1に記載の対象検出装置は、画像登録手段により登録された検出すべき特定対象の画像の各々について画像検出手段が検出対象を探索すべき領域の設定を行う検出枠設定手段を備え、検出枠決定手段は、検出対象選択手段で選択された検出対象に対応する前記検出枠設定手段で設定された検出枠を該当する検出枠として決定するようにしたことで、使用者により検出枠の修正ができ、より検出対象に適した検出枠で効率的な画像処理を行って対象を検出する対象検出装置を提供することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明は、特に、請求項1または2に記載の対象検出装置は、計時手段を備え、画像検出手段が検出枠決定手段によって決定された検出枠領域内で所定時間内に検出対象を検出できなかった場合に、検出枠決定手段は、検出枠のサイズを大きくすることで、検出枠が検出対象に不適合な場合にも対応できる対象検出装置を提供することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、特に、請求項3に記載の対象検出装置は、画像登録手段により登録された検出すべき特定対象の画像の各々についての検出枠を記憶するための検出枠記憶手段を備え、前記検出枠記憶手段は、検出枠決定手段が決定した検出枠の領域内で所定時間内に検出対象を検出できた場合には、検出枠決定手段が決定した検出枠の記憶を行い、前記検出枠決定手段は、前記検出枠記憶手段に記憶された検出枠を該当する検出枠として決定して、所定時間内に検出対象を検出できた場合には、検出枠の記憶を残していくことで、より検出対象に適した検出枠で効率的に画像処理を行い、対象を検出する対象検出装置を提供することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、特に、請求項1〜4のいずれか1項記載の対象検出装置は、撮影範囲の位置情報を有するマップを記憶する撮影範囲マップ記憶手段と、撮影手段の位置情報を入力するための撮影位置情報入力手段を備え、検出対象選択手段は、前記撮影位置情報入力手段の入力に応じた検出対象を選択し、検出枠決定手段は前記検出対象選択手段で選択した検出対象に応じた検出枠を決定するようにして、検知対象と撮影手段との位置関係を把握することで、検出対象と自己の位置関係から検出すべき対象を自動的に認識して、それに応じた検出枠を決定するので、撮影手段の撮影方向が切り換えられたり、撮影位置が変更になったりした場合にも、より検出対象に適した検出枠で効率的に画像処理を行い、対象を検出する対象検出装置を提供することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、特に、請求項5に記載の対象検出装置は、検出枠サイズ補正手段を備え、前記検出枠サイズ補正手段は、検出枠決定手段が決定した検出枠のサイズについて、撮影範囲マップ記憶手段に予め記憶された検出対象の位置と撮影位置情報入力手段に入力される撮影手段の位置から、検出対象と撮影手段との距離を算出し、算出した距離に応じた補正を行うことで、撮影位置に合わせて、より検出対象に適した検出枠で効率的に画像処理を行い、対象を検出する対象検出装置を提供することができる。
【0023】
請求項7に記載した発明は、コンピュータを請求項1〜6のいずれか1項記載の対象検出装置の全てもしくは一部として機能させるためのプログラムとする構成として、コンピュータを請求項1〜6のいずれか1項記載の対象検出装置の全てもしくは一部として機能させることで、汎用コンピュータやサーバーを用いて本発明の対象検出装置の全てもしくは一部を容易に実現することができる。
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0025】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における対象検出装置の構成を示すブロック図である。また、図2は、本発明の第1の実施の形態における対象検出装置の動作の流れを示すフローチャート、図3は、第1の実施の形態における検出対象の画像登録時の登録枠と標準検出枠の一例を示した図である。
【0026】
図1において、101は対象検出装置で、対象検出装置101は、撮影手段であるカメラ102、画像登録手段103、カメラ102で撮影した画像に対し処理を行い画像登録手段103で登録した対象を検出するための画像検出手段104、画像登録手段103に登録した対象の中から検出対象を選択するための検出対象選択手段104、画像登録手段103で登録する際に使用した登録枠をもとに検出対象を探索すべき標準領域を決定して記憶するための標準検出枠記憶手段106、検出対象探索時に使用する検出枠を決定するための検出枠決定手段107、検出枠設定手段108、計時手段109、検出枠記憶手段110を備えている。
【0027】
図3において、111はドア、112は画像登録手段103での登録の際に使用する登録枠(本実施の形態では矩形)、113は標準検出枠である。
【0028】
以上のように構成された対象検出装置について、以下その動作、作用を図2のフローチャートにもとづいて説明する。
【0029】
まず、使用者は画像登録手段103で検出対象の画像を登録する。即ち、例えば図3に示したドア111の画像を登録する場合は、カメラ102でドア111の含まれる画像を撮り、その画像の中から画像に重ね合わせて表示される登録枠112でドア111の部分の画像を指定して登録する。登録枠112は検出対象に合わせて使用者が矩形の大きさや形を自由に設定できるものである。このようにして使用者はいくつかの検出したい対象について画像の登録を行う(ステップ1)。使用者が登録を行うと、標準検出枠記憶手段106は、各々の対象毎に登録枠に応じて標準検出枠を決定して記憶する(ステップ2)。即ち、登録枠112が図3のように設定された場合には、登録枠112より大きくかつ重心が一致する相似形の矩形、本実施の形態では上下左右に各16画素づつ大きい矩形)を設定してその対象の標準検出枠113として決定し、記憶する。次に、検出枠設定手段108は、各々の検出対象の設定検出枠として予め標準検出枠記憶手段106が記憶した標準検出枠をセットしておく(ステップ3)。使用者が検出枠の設定を行う場合は、各々の検出対象についてこの設定検出枠が登録画像と共に表示されるのでこの設定検出枠を変更修正する(ステップ4、ステップ5)。
【0030】
以上の使用者による登録および設定操作が終了している場合に、検出枠決定手段107は、画像検出手段104が検出対象の探索を行う前の処理として以下の処理を行う。即ち、予めまたは使用者によって画像登録手段103で登録された検出対象を検出対象選択手段105で選択することによって検出対象の選択が行われる。次に検出枠決定手段107は、検出枠記憶手段110に記憶されている使用検出枠があるかどうかチェックし、記憶されている場合には使用検出枠として記憶された使用検出枠をセット(ステップ8)し、記憶されていない場合には使用検出枠として設定検出枠をセット(ステップ9)とし使用検出枠を決定する。
【0031】
次に、画像検出手段104は、対象の検出を開始すると同時に、計時手段109での計時を開始する(ステップ10)。画像検出手段104は、カメラ102で撮影される画像について検出枠決定手段107が決定した使用検出枠内の画像登録手段103で登録した画像領域と同じ大きさの領域を比較領域として、画像登録手段103で登録した画像と、輝度値に変換後に相関係数を算出して2つの画像の一致度をチェックしていく。閾値以上の相関係数が得られない場合は、使用検出枠内の比較する領域を1画素ずつずらしながらチェックを行う(ステップ11)。このチェックにおいて閾値以上の相関係数が得られた場合には対象を検出できたとして使用検出枠を検出枠記憶手段110に記憶して処理を終了する(ステップ12、ステップ13)。閾値以上の相関係数が所定時間(本実施の形態では5秒)以内に得られない場合には使用検出枠のサイズを段階的に大きく(本実施の形態では上下左右に各16画素づつ大きく)して、使用検知枠としてセット(ステップ15)し、使用検出枠のサイズが撮影画像全体のサイズをカバーするまで検出対象の探索を継続する(ステップ16、ステップ11)。
【0032】
本実施の形態では、画像検出手段104での対象検出を、輝度値に変換後に相関係数を算出してチェックを行うようにしたが、他の処理を用いてもかまわない。また、報知手段を備えて、対象が検出できたかどうかを報知するようにしてもかまわない。
【0033】
以上のように、撮影手段であるカメラ102と、画像登録手段103と、カメラ102で撮影した画像に対して処理を行い画像登録手段103に登録した特定対象を検出するための画像検出手段104と、画像登録手段103に登録した特定対象の画像のうちのいずれかを検出対象として選択するための検出対象選択手段105と、画像登録手段103での登録枠をもとに検出対象を探索すべき標準領域を決定して記憶するための標準検出枠記憶手段106と、検出対象を探索すべき領域を決定するための検出枠決定手段107を備え、検出枠決定手段107は検出対象選択手段105で選択した検出対象に応じて標準検出枠記憶手段106に記憶された標準検出枠をもとに検出枠を決定するようにしたことで、画像により対象を検出する際に、予め対象が決まっている場合には、検出対象をいったん検出するまで、あるいは途中で検出対象を途中で見失った場合でも、対象の検出対象登録時の状況をもとに探索領域を決定して効率的な画像処理で対象を検出する対象検出装置を提供することができる。
【0034】
また、画像登録手段103により登録された検出すべき特定対象の画像の各々について検出対象を探索すべき領域の設定を行う検出枠設定手段108を備え、検出枠決定手段107は、検出対象選択手段105で選択された検出対象に対応する検出枠設定手段108で設定された検出枠を使用検出枠として決定するようにしたことで、使用者により検出枠の修正ができ、より検出対象に適した検出枠で効率的な画像処理を行って対象を検出する対象検出装置を提供することができる。
【0035】
さらに、計時手段109を備え、画像検出手段104が検出枠決定手段107によって決定された検出枠領域内で所定時間内に検出対象を検出できなかった場合に、検出枠決定手段107は、検出枠のサイズを大きくすることで、検出枠が検出対象に不適合な場合にも対応できる対象検出装置を提供することができる。
【0036】
また、画像登録手段103により登録された検出すべき特定対象の画像の各々についての検出枠を記憶するための検出枠記憶手段110を備え、検出枠記憶手段110は、検出枠決定手段107が決定した検出枠の領域内で所定時間内に検出対象を検出できた場合には、検出枠決定手段107が決定した検出枠の記憶を行い、検出枠決定手段107は、検出枠記憶手段106に記憶された検出枠を該当する検出枠として決定して、所定時間内に検出対象を検出できた場合には、検出枠の記憶を残していくことで、より検出対象に適した検出枠で効率的に画像処理を行い、対象を検出する対象検出装置を提供することができる。
【0037】
(実施の形態2)
図4は、本発明の第2の実施の形態における対象検出装置の構成を示すブロック図で、図1の構成に加えて、撮影範囲マップ手段114と、撮影位置情報入力手段115と、検出枠サイズ補正手段116を備えている。また、図5は、本発明の第2の実施の形態における対象検出装置の動作の流れを示すフローチャート、図6は、第2の実施の形態における対象検出装置の撮影範囲マップと撮影位置の一例を示した図である。
【0038】
以上のように構成された対象検出装置125について、以下その動作、作用を説明する。
【0039】
まず、図6に示したように、撮影範囲マップ記憶手段114に撮影範囲マップ117が記憶されていたとする。撮影範囲マップ記憶手段114には、撮影範囲マップ117がマップ座標原点118を基準に検知対象とその座標が記憶するものである。即ち、撮影範囲マップ記憶手段114には、検出対象であるドアや窓が各々座標と共に記憶されている。設定検出枠を決定するまでの動作は、本実施の形態1と同様である。
【0040】
今、撮影位置情報入力手段115によって、カメラ102の位置座標が入力されると、検出枠決定手段107は、撮影範囲マップ記憶手段114に記憶されている情報と撮影位置情報入力手段115から入力したカメラ位置座標とから撮影可能な検出対象があるかどうかチェックして、ある場合は、カメラから最も近い検出対象を選択して、その対象に応じた使用検出枠をセットし、対象の検出及び計時を開始する(ステップ17、ステップ19〜ステップ22)。即ち、撮影範囲マップ117において、カメラ102を備える対象検出装置101が、撮影位置123にある場合は、検出対象選択手段105により窓121が自動的に対象として選択され、さらにそれに応じた使用検出枠がセットされる。また、撮影位置124にある場合には、検出対象選択手段105によりドア120が自動的に選択され、さらにそれに応じた使用検出枠がセットされる。検出対象と使用検出枠が決定すると、検出枠サイズ補正手段116は、撮影範囲マップ記憶手段114に記憶されている情報と撮影位置情報入力手段115から検出対象との距離を算出し、検出枠決定手段107で決定された使用検出枠のサイズを算出した距離に応じて補正する。即ち、距離をいくつかのレベルに分け、レベルに応じてそのままのサイズにするか、距離が遠いので検知枠サイズを小さくするか、距離が近いので検知枠サイズを大きくするかを決定し、使用検出枠のサイズを補正するものである。
【0041】
尚、カメラ102は移動式のものとしてもかまわないし、固定位置で方向を切り換えるものでもかまわない。撮影位置情報入力手段115は使用者が直接入力するようにしてもかまわないし、GPS等やセンサを用いて撮影位置を情報入力するようにしてもかまわない。
【0042】
以上のように、撮影範囲の位置情報を有するマップを記憶する撮影範囲マップ記憶手段114と、撮影手段であるカメラ102の位置情報を入力するための撮影位置情報入力手段115を備え、検出対象選択手段105は、撮影位置情報入力手段115の入力に応じた検出対象を選択し、検出枠決定手段107は検出対象選択手段105で選択した検出対象に応じた検出枠を決定するようにして、検知対象とカメラ102との位置関係を把握することで、検出対象と自己の位置関係から検出すべき対象を自動的に認識して、それに応じた検出枠を決定するので、撮影手段の撮影方向が切り換えられたり、撮影位置が変更になったりした場合にも、より検出対象に適した検出枠で効率的に画像処理を行い、対象を検出する対象検出装置を提供することができる。
【0043】
また、検出枠サイズ補正手段116を備え、検出枠サイズ補正手段116は、検出枠決定手段107が決定した検出枠のサイズについて、撮影範囲マップ記憶手段114に予め記憶された検出対象の位置と撮影位置情報入力手段115に入力される撮影手段であるカメラ102の位置から、検出対象とカメラ102との距離を算出し、算出した距離に応じた補正を行うことで、撮影位置に合わせて、より検出対象に適した検出枠で効率的に画像処理を行い、対象を検出する対象検出装置を提供することができる。
【0044】
(実施の形態3)
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0045】
本実施の形態は、前記各実施の形態の対象検出装置の全てもしくは一部の機能を実行させるためのプログラムであり、これはDVD等のハードメディアや無線或いは有線通信等の通信媒体で提供することができ、汎用コンピュータやサーバーを用いて本発明の対象検出装置の全てもしくは一部を容易に実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上のように、本発明にかかる対象検出装置は、画像登録した検出対象の選択に合わせて最適な検出枠を自動的にセットし、検出対象と撮影手段の位置関係に応じて検出対象を自動的に選択して検出枠のサイズの自動調整を行って画像認識により対象検出を行うので、複数の検出対象を見回る業務用あるいは家庭用の対象検出装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施の形態における対象検出装置の構成を示すブロック図
【図2】同対象検出装置の動作の流れを示すフローチャート
【図3】同対象検出装置の検出対象の画像登録時の登録枠と標準検出枠の一例を示す図
【図4】本発明の第2の実施の形態における対象検出装置の構成を示すブロック図
【図5】同対象検出装置の動作の流れを示すフローチャート
【図6】同対象検出装置の撮影範囲マップと撮影位置の一例を示す図
【図7】従来の対象検出装置の検出対象と検出枠を示す図
【符号の説明】
【0048】
101 対象検出装置
102 カメラ(撮影手段)
103 画像登録手段
104 画像検出手段
105 検出対象選択手段
106 標準検出枠記憶手段
107 検出枠決定手段
108 検出枠設定手段
109 計時手段
110 検出枠記憶手段
114 撮影範囲マップ記憶手段
115 撮影位置情報入力手段
116 検出枠サイズ補正手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲の状況を撮影する撮影手段と、検出すべき1つまたは複数の特定対象の画像を登録枠で指定して登録するための画像登録手段と、前記撮影手段で撮影した画像に対して処理を行い前記画像登録手段に登録した特定対象を検出するための画像検出手段と、前記画像登録手段に登録した特定対象の画像のうちのいずれかを検出対象として選択するための検出対象選択手段と、前記画像登録手段での登録枠をもとに前記画像検出手段が検出対象を探索すべき標準領域を決定して記憶するための標準検出枠記憶手段と、前記画像検出手段が検出対象を探索すべき領域を決定するための検出枠決定手段を備え、前記検出枠決定手段は前記検出対象選択手段で選択した検出対象に応じて前記標準検出枠記憶手段に記憶された標準検出枠をもとに検出枠を決定する対象検出装置。
【請求項2】
画像登録手段により登録された検出すべき特定対象の画像の各々について画像検出手段が検出対象を探索すべき領域の設定を行う検出枠設定手段を備え、検出枠決定手段は、検出対象選択手段で選択された検出対象に対応する前記検出枠設定手段で設定された検出枠を該当する検出枠として決定する請求項1記載の対象検出装置。
【請求項3】
計時手段を備え、画像検出手段が検出枠決定手段によって決定された検出枠領域内で所定時間内に検出対象を検出できなかった場合に、検出枠決定手段は、検出枠のサイズを大きくする請求項1または2記載の対象検出装置。
【請求項4】
画像登録手段により登録された検出すべき特定対象の画像の各々についての検出枠を記憶するための検出枠記憶手段を備え、前記検出枠記憶手段は、検出枠決定手段が決定した検出枠の領域内で所定時間内に検出対象を検出できた場合には、検出枠決定手段が決定した検出枠の記憶を行い、前記検出枠決定手段は、前記検出枠記憶手段に記憶された検出枠を該当する検出枠として決定する請求項3記載の対象検出装置。
【請求項5】
撮影範囲の位置情報を有するマップを記憶する撮影範囲マップ記憶手段と、撮影手段の位置情報を入力するための撮影位置情報入力手段を備え、検出対象選択手段は、前記撮影位置情報入力手段の入力に応じた検出対象を選択し、検出枠決定手段は前記検出対象選択手段で選択した検出対象に応じた検出枠を決定する請求項1〜4のいずれか1項記載の対象検出装置。
【請求項6】
検出枠サイズ補正手段を備え、前記検出枠サイズ補正手段は、検出枠決定手段が決定した検出枠のサイズについて、撮影範囲マップ記憶手段に予め記憶された検出対象の位置と撮影位置情報入力手段に入力される撮影手段の位置から、検出対象と撮影手段との距離を算出し、算出した距離に応じた補正を行う請求項5記載の対象検出装置。
【請求項7】
コンピュータに請求項1〜6のいずれか1項記載の対象検出装置の全てもしくは一部の機能を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−139361(P2006−139361A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−326201(P2004−326201)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】